説明

可変フィルタ装置及びコンフォーカル顕微鏡

【課題】特定波長の光を効率よく遮光することができる可変フィルタ装置を提供する。
【解決手段】入射ピンホール板2を通過した発散光は、コリメートレンズ3により平行光束に変えられ、音響光学可変フィルタ4に入射する。音響光学可変フィルタ4に所定周波数の電圧を印加することにより回折格子の働きをさせ、回折光が破線で示すように光軸に対して斜め方向に出射するようにし、0次光のみが直進するようにする。音響光学可変フィルタ4を出射した光束は、集光レンズ5によって集光されるが、このとき、直進した0次光は、出射ピンホール板6のピンホールを通過し、可変フィルタ装置1の外部に放出される。回折光は、出射ピンホール板6の板部にあたって遮光され、可変フィルタ装置1の外部には放出されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変フィルタ装置及びコンフォーカル顕微鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、顕微鏡による生物の蛍光観察では様々な波長による照明が求められ、複数の波長の光を光源とした顕微鏡を使用するのが一般的である。特に蛍光コンフォーカル顕微鏡では励起光源として波長の異なる複数のレーザを用いて標本を照射し、これから発生した蛍光信号を受光する。
【0003】
実際には標本からは、蛍光のみではなく励起光の反射光も戻ってくる。励起光に比べて微弱な蛍光を受光するためには、励起光を取り除かなければならない。その方法の一例として、特開2006−153763号公報(特許文献1)には、受光部において蛍光コンフォーカル顕微鏡のピンホールを通過した光を分光器により分光し、励起光の波長の光が通過する領域に機械的な遮蔽板を置いて、励起光を遮光する方法が考えられている。この方式は、干渉フィルタなどで励起光を遮光する方式と違い、透過する波長範囲の光量のロスが無い。さらに、回折格子の回転で受光する波長範囲と遮光する波長範囲を可変式にすることができる。
【特許文献1】特開2006−153763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような方法においては、回折格子などの受光素子周辺の光学部材による散乱の影響で、励起光が遮蔽板で遮蔽されない受光領域に漏れ、励起光が本来入るべきではない受光領域へ入り、フレアとして検出されて信号の品質が低下してしまうことがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、励起光を効率良く遮蔽し、蛍光のみを受光することができるコンフォーカル顕微鏡、及びそれに用いるのに好適で、特定波長の光を効率よく遮光することができる可変フィルタ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための第1の手段は、光束の入射面に設けられた入射ピンホールと、前記入射ピンホールを通過した光を平行光とするコリメートレンズと、前記平行光を受光し出射する音響光学可変フィルタと、前記音響光学可変フィルタから出射した光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光点に設けられた出射ピンホールとを有することを特徴とする可変フィルタ装置である。
【0007】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記入射ピンホールの直径をD1、前記出射ピンホールの直径をD2、前記音響光学可変フィルタでの回折光と0次光の波長をそれぞれλ1、λ0、分離角をθ、前記コリメートレンズの焦点距離をf1、前記集光レンズの焦点距離をf2、前記平行光の直径をD3とするとき、
【数1】

であることを特徴とするものである。
【0008】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段である可変フィルタ装置を直列に接続した可変フィルタ装置である。
【0009】
前記課題を解決するための第4の手段は、平行光を受光し出射する音響光学可変フィルタと、前記音響光学可変フィルタから出射した光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光点に設けられた出射ピンホールとを有することを特徴とする可変フィルタ装置である。
【0010】
前記課題を解決するための第5の手段は、光源からの光を、スキャナを通して走査光に変換して、前記光源と共役な位置に置かれた試料を走査し、前記試料から発生する反射光及び蛍光を、前記スキャナを逆に通すことにより非走査光に変え、前記試料と共役な位置に置かれたピンホールを通して受光装置により受光するコンフォーカル顕微鏡であって、前記第1の手段から第3の手段のいずれかの可変フィルタ装置を有し、前記ピンホールが前記可変フィルタ装置の入射ピンホールであり、前記反射光が、前記可変フィルタ装置で遮光されることを特徴とするコンフォーカル顕微鏡である。
【0011】
前記課題を解決するための第6の手段は、光源からの光を、スキャナを通して走査光に変換して、前記光源と共役な位置に置かれた試料を走査し、前記試料から発生する反射光及び蛍光を、前記スキャナを逆に通すことにより非走査光に変え、前記試料と共役な位置に置かれたピンホールを通して受光装置により受光するコンフォーカル顕微鏡であって、前記第1の手段から第3の手段のいずれかの可変フィルタ装置を有し、前記ピンホールと前記可変フィルタ装置の入射ピンホールとが光ファイバで結合されており、前記反射光が、前記可変フィルタ装置で遮光されることを特徴とするコンフォーカル顕微鏡である。
【0012】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第6の手段であって、前記ピンホールが、前記光ファイバの端面で代用されていることを特徴とするものである。
【0013】
前記課題を解決するための第8の手段は、光源からの光を、スキャナを通して走査光に変換して、前記光源と共役な位置に置かれた試料を走査し、前記試料から発生する反射光及び蛍光を、前記スキャナを逆に通すことにより平行光束の非走査光に変え、前記第4の手段の可変フィルタ装置に入射させ、前記反射光を、当該可変フィルタ装置で遮光し、前記蛍光を前記試料と共役な位置に置かれた当該可変フィルタ装置の出射ピンホールを通して受光装置により受光することを特徴とするコンフォーカル顕微鏡である。
【0014】
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第5の手段から第8の手段のいずれかであって、前記受光装置が、分光ディテクタであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、励起光を効率良く遮蔽し、蛍光のみを受光することができるコンフォーカル顕微鏡、及びそれに用いるのに好適で、特定波長の光を効率よく遮光することができる可変フィルタ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。なお、以下の図においては、前出の図に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施の形態である可変フィルタ装置の光学系の概要を示す図である。可変フィルタ装置1は、入射ピンホール板2、コリメートレンズ3、音響光学可変フィルタ4(AOTF)、集光レンズ5、及び出射ピンホール板6を有している。
【0018】
音響光学可変フィルタ4は、交流電圧を印加すると、電気音響効果により内部に音響波が発生し、それにより回折格子と同等の働きを有するもので周知のものである。印加する交流電圧の周波数を変えることにより、回折格子の格子ピッチを変えたのと同等の作用をする。又、異なった周波数の交流電圧を同時に加えることにより、複数の格子ピッチを有する回折格子と同等の作用をさせることができる。
【0019】
入射ピンホール板2を通過した発散光は、コリメートレンズ3により平行光束に変えられ、音響光学可変フィルタ4に入射する。音響光学可変フィルタ4に所定周波数の電圧を印加することにより回折格子の働きをさせ、回折光が破線で示すように光軸に対して斜め方向に出射するようにし、0次光のみが直進するようにする。音響光学可変フィルタ4を出射した光束は、集光レンズ5によって集光されるが、このとき、直進した0次光は、出射ピンホール板6のピンホールを通過し、可変フィルタ装置1の外部に放出される。回折光は、出射ピンホール板6の板部にあたって遮光され、可変フィルタ装置1の外部には、ほとんど放出されない。
【0020】
音響光学可変フィルタ4に印加する電圧の周波数を変えることにより、回折光の波長を変えることができるので、所定波長の光をカットしたい場合に、その波長の光が回折するように、印加する電圧の周波数を選定する。このとき、複数の周波数の電圧を音響光学可変フィルタ4に印加することにより、複数の波長の光を回折光として遮光することも可能である。
【0021】
なお、入射ピンホール板2は、入射光を伝搬する光ファイバ端面に変えることができ、出射ピンホール板6は、出射光を伝搬する光ファイバの端面に変えることができる。特許請求の範囲でいう、「入射ピンホール」、「出射ピンホール」とは、ピンホール板のみに限られず、このような光ファイバ端面をも含むものである。
【0022】
ここで、入射ピンホール板2の開口の大きさを直径D1、出射ピンホール板6の開口の大きさを直径D2、音響光学可変フィルタ4での回折光と0次光の波長をそれぞれλ1、λ0、分離角をθ、コリメートレンズ3の焦点距離をf1、集光レンズ5の焦点距離をf2、音響光学可変フィルタ4に入射する平行光の直径をD3とする。入射ピンホール板2から出射ピンホール板6への倍率と、出射ピンホール板6でのエアリーディスクサイズを考慮すると、回折光と0次光のスポット径はそれぞれ、
【数2】

であり、0次光に対する回折光の像高は、
f2×tanθ
である。よって、0次光が出射ピンホールを通過するためには、
【数3】

である必要があり、又、出射ピンホール板6で、回折光が出射ピンホールを通過しないで遮蔽されるためには、
【数4】

である必要がある。これらより、
【数5】

であれば、取り除きたい波長の回折光と、それ以外の0次光を、良く分離し、且つ、0次光を効率よく通過させることができる。
【0023】
可変フィルタ装置1を1個だけ用いただけでは、内部での迷光の影響等により回折光と0次光の分離が完全でない場合には、可変フィルタ装置1を直列に複数接続することにより、回折光と0次光の分離度を高めることができる。図2は、可変フィルタを直列に接続した例を示す図である。図2(a)においては、前段の可変フィルタ装置1の出射ピンホール板6と後段の可変フィルタ装置1の入射ピンホール板2を共用させて、可変フィルタ装置1を直列に接続している。図2(b)においては、前段の可変フィルタ装置1の出射ピンホール板6の開口部から出射する光を光ファイバー7で受光し、光ファイバー7からの出射光を、後段の可変フィルタ装置1の入射ピンホール板2に入射させている。この場合、光ファイバー7自身を開口として使用することにより、前段の可変フィルタ装置1の出射ピンホール板6と後段の可変フィルタ装置1の入射ピンホール板2の少なくとも一方を無くしてもよい。光ファイバー7は、光を伝達するだけの役目を負っているだけなので、マルチモードの光ファイバを使用することができ、光がコヒーレントの光である必要はない。
【0024】
図2においては、2個の可変フィルタ装置1を直列に接続しているが、3個以上の可変フィルタ装置1の場合でも同様に直列に接続できる。その場合、1部を図2(a)のように、他の1部を図2(b)のように接続してもかまわない。
【0025】
図3は、本発明の第2の実施の形態である可変フィルタの光学系の概要を示す図である。この実施の形態は、図1に示した実施の形態に比較して入射ピンホール板2とコリメートレンズ3が無いことが異なっているのみである。この実施の形態においては、光軸に平行な平行光束を入射光として音響光学可変フィルタ4に対して入射させる必要がある。その他の構成要素の働きは図1に示した実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0026】
図4は、本発明の第3の実施の形態であるコンフォーカル顕微鏡の構成の概要を示す図である。レーザ光源11から放出された光は、光ファイバ12により伝達され、その端面から点光源となって放出される。そして、コリメータレンズ13により平行光束とされ、ビームスプリッタ14で反射されて、スキャナ16により走査光に変えられる。なお、本実施の形態においては、レーザ光源11から放出される励起光(照射光)や、標本20から放出される蛍光の波長に合わせてビームスプリッタ14を変更できるように、ビームスプリッタ切り替え装置15が設けられている。
【0027】
スキャナ16で走査光に変えられた光は、リレーレンズ17、結像レンズ18、対物レンズ19を介して、点光源の像を、点光源と共役な位置におかれた標本20(試料)内に結像する。すなわち、励起光として標本20を点照明する。標本20は、顕微鏡ステージ21の上に載置されている。
【0028】
これにより標本20からは、励起光の反射光と蛍光が発生する。これらの光は、対物レンズ19、結像レンズ18、リレーレンズ17を通って平行光束とされ、スキャナ16に入射して非走査の平行光束とされる。そして、ビームスプリッタ14に入射し、励起光の大部分は反射され、ごく一部の励起光と蛍光がビームスプリッタ14を透過する。ビームスプリッタ14を透過した光は、結像レンズ22により、ピンホール板23の開口部に集光される。ピンホール板23は、標本20内の光の集光点と共役な位置(点光源とも共役な面)におかれているため、標本20内の光の集光点より上方、下方から発する光は、ピンホール板23の開口部を通過することができない。よって、標本20の深さ方向の分機能がよい顕微鏡装置とすることができる。すなわち、ピンホール板23は、標本20の深さ方向の分解能を発生させる役割を果たしている。
【0029】
ピンホール板23の開口部を通過した光は、光ファイバ24に入射し、可変フィルタ装置1に導かれる。この例においては、光ファイバ24の端面を、図1に示した入射ピンホール板2の開口部に代用しているので入射ピンホール板2を設けていないが、もちろん入射ピンホール板2を設け、入射ピンホール板2の開口部に光ファイバ24の端面からの光を入射させるようにしてもよい。
【0030】
可変フィルタ装置1においては、励起光が回折光として遮光されるように音響光学可変フィルタ4に印加される電圧の周波数が決定されている。よって、ビームスプリッタ14を透過した極わずかの励起光のほとんどが、可変フィルタ装置1により遮光され、可変フィルタ装置1の外部にはほとんど放出されない。一方、蛍光は0次光となって、集光レンズ5により光ファイバ25の端面に集光される。この例においては、光ファイバ25の端面を、図1に示した出射ピンホール板6の開口部の代わりに使用し、出射ピンホール板6を設けていないが、もちろん出射ピンホール板6を設け、出射ピンホール板6の開口部を通過した光を、光ファイバ25の端面に入射させるようにしてもよい。
【0031】
光ファイバ25で導かれた光は、分光ディテクタ26に入射する。分光ディテクタ26は、特許文献1に記載されているようなものであるが、分光器とCCDアレイのような1次元リニアセンサを有し、分光器で分光された光を1次元リニアセンサの各部分で受けて、波長毎の光強度(分光強度)を測定可能なものである。この実施の形態においては、蛍光に相当する波長域の分光強度を測定し、励起光に相当する波長の光強度は遮光板により遮光するようにしている。
【0032】
分光ディテクタ26の出力は、演算制御装置27に入力される。演算制御装置27は、蛍光に相当する波長毎に、その強度と、スキャナ16の駆動データを演算して、蛍光に相当する波長毎の2次元画像を形成し、図示しない表示装置に表示する。
【0033】
本実施の形態によれば、分光ディテクタ26中において、励起光が迷光となって、他の波長域を測定する1次元リニアセンサの領域に入り込むことがあっても、その前に、可変フィルタ装置1の働きにより、励起光の強度は非常に弱いものとなっているので、従来の装置に比べて、励起光がノイズ(フレア)となる量を非常に小さくすることができる。
【0034】
なお、この実施の形態では、分光ディテクタ26を設けることにより、複数波長の蛍光による画像をそれぞれ同時に採取していたが、単一波長範囲の蛍光による画像を形成する場合には、分光ディテクタ26の代わりに光センサを用いればよい。
【0035】
なお、レーザ光源11を交換して励起光の波長を変更したような場合には、ビームスプリッタ切り替え装置15を作動させてビームスプリッタ14を切り替えると共に、可変フィルタ装置1の音響光学可変フィルタ4に印加する電圧の周波数を変えて、変更後の波長の励起光が回折光となるようにする。また、ビームスプリッタ14としては、ダイクロイックミラーを使用するのが一般的であるが、本実施の形態においては、可変フィルタ装置1において、励起光と蛍光の分離が効率よくできるような場合には、ビームスプリッタ14としてハーフミラーを使用してもよい。
【0036】
この実施の形態においては、レーザ光源11〜ピンホール板23までのコンフォーカル顕微鏡本体部と、可変フィルタ装置1とを分離することができるので、それぞれをユニット化することにより、設計の自由度が高まり、全体の小型化、簡略化等を図ることができる。
【0037】
図5は、本発明の第4の実施の形態であるコンフォーカル顕微鏡の構成の概要を示す図である。この実施の形態は、図4に示す実施の形態とは、レーザ光源11〜結像レンズ22までの構成が全く同じであるので、この部分の説明を省略する。
【0038】
この実施の形態においては、結像レンズ22の集光点に可変フィルタ装置1の入射ピンホール板2が設けられており、レーザ光源11〜結像レンズ22までのコンフォーカル顕微鏡本体部に可変フィルタ装置1が直結されたような構成となっている。この構成においては、入射ピンホール板2が、図4に示したピンホール板23を兼ねている。可変フィルタ装置1、光ファイバ25、分光ディテクタ26、演算制御装置27の構成と作用は、図4に示したものと同じであるので、その説明を省略する。
【0039】
図6は、本発明の第5の実施の形態であるコンフォーカル顕微鏡の構成の概要を示す図である。この実施の形態は、図4に示す実施の形態とは、レーザ光源11〜スキャナ16までの構成が全く同じであるので、この部分の説明を省略する。
【0040】
この実施の形態においては、結像レンズ22が設けられておらず、リレーレンズ17で平行光束とされた蛍光はビームスプリッタ14を透過し、ミラー28で偏向されて、平行光のまま、図3に示した構成の可変フィルタ装置10に入射する。蛍光の中にわずかに混じっている励起光は、可変フィルタ装置10で回折光となって遮光され、蛍光のみが出射ピンホール板6の開口を通過して、光ファイバ25の端面に入射する。光ファイバ25、分光ディテクタ26、演算制御装置27の構成と作用は、図4に示したものと同じであるので、その説明を省略する。この例においては、出射ピンホール板6が標本20内の集光点と共役な位置に設けられ、図4におけるピンホール板23の役割を兼ねている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態である可変フィルタ装置の光学系の概要を示す図である。
【図2】可変フィルタ装置を直列に接続した例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である可変フィルタ装置の光学系の概要を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態であるコンフォーカル顕微鏡の構成の概要を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態であるコンフォーカル顕微鏡の構成の概要を示す図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態であるコンフォーカル顕微鏡の構成の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…可変フィルタ装置、2…入射ピンホール板、3…コリメートレンズ、4…音響光学可変フィルタ、5…集光レンズ、6…出射ピンホール板、7…光ファイバー、10…可変フィルタ装置、11…レーザ光源、12…光ファイバ、13…コリメータレンズ、14…ビームスプリッタ、15…ビームスプリッタ切り替え装置、16…スキャナ、17…リレーレンズ、18…結像レンズ、19…対物レンズ、20…標本、21…顕微鏡ステージ、22…結像レンズ、23…ピンホール板、24…光ファイバ、25…光ファイバ、26…分光ディテクタ、27…演算制御装置、28…ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光束の入射面に設けられた入射ピンホールと、前記入射ピンホールを通過した光を平行光とするコリメートレンズと、前記平行光を受光し出射する音響光学可変フィルタと、前記音響光学可変フィルタから出射した光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光点に設けられた出射ピンホールとを有することを特徴とする可変フィルタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の可変フィルタ装置であって、前記入射ピンホールの直径をD1、前記出射ピンホールの直径をD2、前記音響光学可変フィルタでの回折光と0次光の波長をそれぞれλ1、λ0、分離角をθ、前記コリメートレンズの焦点距離をf1、前記集光レンズの焦点距離をf2、前記平行光の直径をD3とするとき、
【数1】

であることを特徴とする可変フィルタ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の可変フィルタ装置を直列に接続した可変フィルタ装置。
【請求項4】
平行光を受光し出射する音響光学可変フィルタと、前記音響光学可変フィルタから出射した光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの集光点に設けられた出射ピンホールとを有することを特徴とする可変フィルタ装置。
【請求項5】
光源からの光を、スキャナを通して走査光に変換して、前記光源と共役な位置に置かれた試料を走査し、前記試料から発生する反射光及び蛍光を、前記スキャナを逆に通すことにより非走査光に変え、前記試料と共役な位置に置かれたピンホールを通して受光装置により受光するコンフォーカル顕微鏡であって、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の可変フィルタ装置を有し、前記ピンホールが前記可変フィルタ装置の入射ピンホールであり、前記反射光が、前記可変フィルタ装置で遮光されることを特徴とするコンフォーカル顕微鏡。
【請求項6】
光源からの光を、スキャナを通して走査光に変換して、前記光源と共役な位置に置かれた試料を走査し、前記試料から発生する反射光及び蛍光を、前記スキャナを逆に通すことにより非走査光に変え、前記試料と共役な位置に置かれたピンホールを通して受光装置により受光するコンフォーカル顕微鏡であって、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の可変フィルタ装置を有し、前記ピンホールと前記可変フィルタ装置の入射ピンホールとが光ファイバで結合されており、前記反射光が、前記可変フィルタ装置で遮光されることを特徴とするコンフォーカル顕微鏡。
【請求項7】
前記ピンホールが、前記光ファイバの端面で代用されていることを特徴とする請求項6に記載のコンフォーカル顕微鏡。
【請求項8】
光源からの光を、スキャナを通して走査光に変換して、前記光源と共役な位置に置かれた試料を走査し、前記試料から発生する反射光及び蛍光を、前記スキャナを逆に通すことにより平行光束の非走査光に変え、請求項4に記載の可変フィルタ装置に入射させ、前記反射光を、当該可変フィルタ装置で遮光し、前記蛍光を前記試料と共役な位置に置かれた当該可変フィルタ装置の出射ピンホールを通して受光装置により受光することを特徴とするコンフォーカル顕微鏡。
【請求項9】
前記受光装置が、分光ディテクタであることを特徴とする請求項5から請求項8のうちいずれか1項に記載のコンフォーカル顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−299207(P2008−299207A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147087(P2007−147087)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】