説明

可変伝動装置

【課題】
二つの伝達車の内一方車で適正伝達体接触径即ち速比を決定しても他方車で常時適性接触径を保つ保証は無いので、特に他方車側でも適正な伝達体接触径とトルクとを外部指令により常時維持し保証する操作思想を持つ可変伝動装置を提示する。
【解決手段】
一方車と他方車で速比とトルクを外部指令で個別操作する際他方車には加圧装置が弾性装置を直列加圧で得た弾性力によるトルク用の指令と該弾性力で伝達車位置決め用の指令との両要素を供給し夫々トルク及び伝達体接触径を常時同期決定する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械などの産業機械、車両、モータ等に用いる定馬力伝動型の無段可変伝動装置に関し、しかも特にトルク伝動の安定円滑化と、変速制御性の向上と、更に可変速、可変トルク伝動とのために考えられた伝達車加圧装置を適用した可変伝動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
伝達車加圧装置を持つ変速機として日本特許出願:特開平9−217819号(ファンドールネズ社)が公知である。二つの円板のうちの摺動円板自体が加圧装置として油圧駆動のピストンシリンダの一部を構成し、これで同円板を直接加圧摺動して、伝達車と伝達体の半径を変化させ変速する加圧装置である。油圧の加圧媒体による直接加圧装置は、二つの利点として、[1]狭い空間で大から小までの任意の加圧力が得られること、[2]消耗品としての軸受が不要であることが挙げられる。然し油圧制御は変速機にとって致命的、決定的な欠点が二つ存在する。
その欠点は、(1)油圧に弾性が無いため伝達車を直接加圧すると衝撃、誤差等に対し弾性吸収および自動調芯作用を確保できなこと、(2)油圧媒体が動作遅れ、油漏れ、遠心力等の影響を直接受け最も基本的な伝動動作がいつも不安定要因に晒される事である。
【0003】
通常伝達車1が負荷機器に伝動する馬力Pは、回転数NとトルクTの関係として次式示される。即ち
P〔W〕=1,027×N〔rpm〕×T〔kgm〕
従って所定馬力P0を伝動するには、回転数指令Nが増大したとき伝達体のトルク指令Tを減少させ、逆に回転数指令Nが減少するとトルク指令Tを増大させる必要がある。ところが上述の従来技術は、バネ等の弾性手段を従動伝達車の円板に並設しているが、弾性手段が摺動円板に供給する圧縮加圧力は、高速回転状態になるに従って増圧し、逆に低速回転状態になるに従って減圧する方向である。この事は、本来定馬力伝動型の変速機では、低速回転に到るほど印加加圧力を増大させることを要するにも拘わらず、弾性手段の弾性加圧力の方向が全く逆である。従ってこの種の弾性手段の加圧装置では原理的に適正トルクの付与ができず定馬力伝動は実現不能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−217819号(ファンドーネルズ社)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の共通解決課題は、変速機の一方車で速比と他方車でトルクとの相互間係を定める指令操作又はトルク付与に関し、仮に一方車で適正伝達体接触径即ち速比を決定しても他方車で常時適性接触径を保つ保証は無い故、特に他方車側でも適正な伝達体接触径とトルクとを外部指令により常時維持し保証する操作思想を持つ可変伝動装置を提示する。
【0006】
本発明の第一解決課題は、可変径車に弾性力供給すると弾性力は第一に伝達車円錐傾斜面が伝達体に張力付与し自ら該接触径を定め摺動円板を位置決めし第二に同時に摩擦挟持圧に応じ任意トルクを生む故伝達車へ伝達体接触径に対応したトルクを施す思想である。
【0007】
本発明の第二解決課題は、変速機は二伝達車に速比指令とトルク指令の同期供給が必要だが実際は入出力回転軸に各伝達車が互に逆向配置する結果、何れか一方車への指令は伝達車を跨いだ伝達供給を要し接触径とトルク操作を同時に指令伝達する加圧思想である。
【0008】
本発明の第三解決課題は、伝達車への指令は加圧力又は弾性力指令の機械的指令に変換し特にトルク操作時は常時弾性力の供給状態が不可欠で弾性装置と伝達車間に摺動装置や圧力伝達装置の介在時はこれ等自体の弾性振動の指令伝達の保証機構を持つ思想である。
【0009】
本発明の第四解決課題は、非弾性加圧力だけでは変速機の一方車で伝達体接触径を定めても他方車で適正接触径と摩擦力の確保は困難だが適正弾性力の場合は円錐傾斜面の作用で接触径決定能力を持つ故両伝達車の適正接触径と適正トルクを同時に施す思想である。
【0010】
本発明の第五解決課題は、変速機が指令で決定すべきは速比とトルクの二要素だが実際には一方車で伝達体接触径即ち速比を定めても他方車で常時適正半径を維持する根拠は無い為該トルク指令中に該接触径と該弾性摩擦圧の二要素を区分付加し三要素の外部指令で常時適正伝動を保証する思想である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の共通解決手段は、一方車と他方車で速比とトルクを外部指令で個別操作する際他方車には弾性装置を直列加圧で得た弾性力によるトルク用の指令と該弾性力で伝達車位置決め用の指令との両要素を供給し夫々トルク及び伝達体接触径を常時同期決定する思想の可変伝動装置を提示する。
【0012】
本発明の第一解決手段は、本体上の指令伝達機が摺動装置を経て弾性装置を直列圧縮する弾性力指令と伝達車位置決め指令とを同時供給し夫々弾性挟持圧でトルク及び伝達体接触径の決定で一方車以外の他方車側で常時該接触径に対応したトルクを施す機構である。
【0013】
本発明の第二解決手段は、指令伝達機から摺動装置へ弾性装置を直列圧縮しトルク制御の指令と伝達車を位置決め指令とを同時供給し伝達経路の何れかに伝達車を跨いで配した圧力伝達装置の伝達手段を回転し、圧力変化し又は摺動変位させる指令伝達構造である。
【0014】
本発明の第三解決手段は、伝達車へトルク供給時に弾性装置と伝達車間に摺動装置や圧力伝達装置等が介在する際これ等装置全体を弾性振動可能に支持し常時弾性振動させながら指令伝達を保証する為の弾性吸収装置を摺動装置経由の指令供給路に施す構成である。
【0015】
本発明の第四解決手段は、第二加圧装置が第二指令で速比減少時には第一加圧装置が第一指令で該伝達体接触径及びトルクを同時減少させ逆に第二指令で速比増大時には第一指令で該伝達体接触径及びトルクを同時増大させる同期操作で定馬力伝動する構成である。
【0016】
本発明の第五解決手段は、第一指令は弾性装置への指令及び第一伝達車への指令で夫々該接触径及び挟持圧を決めかつ第二指令は第二伝達車を経た該伝達体摺動変位即ち速比を決るのに従い、第一及び第二指令は該接触径に対応したトルク及び速比の三要素を外部指令で常時個別操作する構成である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の可変伝動装置は、二伝達車の一方車での速比と他方車でのトルクとの個別加圧操作機構が不可欠だが、仮に一方車で伝達体の位置決めを定め速比を決定しても他方車で常時適性接触径を保つ保証は無いので、特に他方車に対し該接触径の指令とトルクの指令とを同時又は同期供給ししかも両指令の少なくともトルク指令を弾性力指令として付与する事で他方車側でも常時適性接触径とトルクとを維持保証する可変加圧操作思想を実現している。それ故後者のトルク指令は必ず弾性力指令である事を要するが前者の接触径指令は第1実施例等の様に弾性力指令でも良く又第2実施例等の様に加圧力指令の形態でも良い。その理由は同時供給のトルク指令用の弾性力が伝達体に同時に作用し自動調芯機能を働かせる為常時適性接触径を自己決定するからである。
【0018】
従って一方車での接触径は速比指令用の非弾性加圧力で他方車での接触径は該接触径指令とトルク指令の弾性力指令とで定まるので、結果的に両車でのベルト接触径は如何なる可変速比操作中の下であっても巨大トルク付与時でも常に安定した適性接触径の伝動維持を保証する事になる。この様な基準車機能により両車で伝達体の接触径を位置決めされ速比を定めた可変伝動機のトルクは、基準車機能とは別枠で追従車機能としての該弾性力に基く摩擦挟持圧と接触面積とにより任意に可変操作して決定する事が可能になる。即ち弾性挟持圧は供給弾性力の大きさで決まり伝達体接触面積の大小は速比で決まる。言い換えれば速比が決れば供給弾性力のちだけで事実上トルクが決定する。この事は他方車側では接触径指令が高精度で定める事が可能なので同時に供給弾性力値も高精度付与が可能になり、結果的に外部指令だけで任意のトルク付与の操作が確保できると同時に実負荷動力に適合した制御性と高効率伝動が実現する事をも意味する。
【0019】
しかも本発明は、上述伝動関係式から明白な通り、変速機の二伝達車の一方車での速比指令と他方車での接触指令とトルク指令との三者の指令を同時又は同期して個別操作すれば必然的に全変速域で定馬力伝動が可能になるだけでなく、当然の事として弾性力増大した弾性体を予め選定しておくと任意速比域で任意トルクを増大でき結果的に如何なる伝動特性の伝動形態として利用することも可能になる。さらに本発明の可変伝動機は、変速機事態に実負荷を加えながら速比とトルクの伝動状態を連続的に可変付与する思想だが、当然の事として変速操作中は実負荷伝動を停止し変速操作後に実負荷伝動する多段切換型変速機として利用する運転形態で使用しても良い事は言うまでも無い。
【0020】
なお弾性力供給する伝達車加圧装置には初めから非弾性の加圧力供給する構造では無い故、伝達車変速移動分L01を指令供給すれば弾性力が自動調整作用を果し伝達体接触半径を自動的に定めるので、本発明の図1、2、6B、7A及び7Bに示す第一実施例の様に変速移動分L01の指令を弾性体の圧縮移動分L02の指令と一体に合計移動分L0として供給しても良く、又図5及び6Aに示す様にトルク制御用の弾性力指令と常時伴う場合は第1及び第2摺動装置が互に直列連結されているのでトルク用弾性力の働きで伝達体への自動調芯機能が作用するので、この場合は伝達車変速移動分L01の接触径指令は加圧力指令の状態で付与しても良いことは自明である。
【0021】
特に従来油圧制御での油温変化、油の流出、弁制御機による応答性の悪化などの誤差要因を、その都度個別に検出と回路補償とを繰返えすのでは、制御自体が著しく煩雑になり、高速応答の可変速可変トルク制御自体を事実上不可能ないし無価値なものにする。これに対し本発明では、その大部分を加圧装置内の弾性装置による自動調芯機能が自から補償し、常時元の安定伝動状態に瞬時に自動復帰を果す。この事は同時に車両等の急発進、急停止の繰返しに対応した理想的な高速度の可変速可変加圧応答性をも実現したことを意味する。従って本発明は、全可変速可変圧の領域で常時安定伝動と高速度変速応答性を果すので、利用分野も工作機械類のような小馬力用から、車両類の大馬力用に至るまで適用でき、その場合にも摺動装置、加圧装置にボールネジ、台形ネジ手段、カム手段、油圧シリンダ手段などの手段を利用すれば、大容量伝動を常時高速度で変速制御する事も実現できる。
【0022】
特に無段変速機では従動車の加圧装置だけでなく主動車にも加圧装置の個別設置が不可欠で、従動車には弾性力を伴わせまた主動車には弾性力を除いて加圧制御すると安定伝達が図かれしかも両者が完全に同期させるために両加圧装置が伝達体を同期付勢させ得るので、車両等などの急発進、急停止に対応する変速制御の高速度応答性を確保できる。両加圧装置を変速制御装置として同一平面に集中配備することで、同期性だけでなく量産性、保守管理の容易性は更に向上する。特に従動伝達車加圧装置は単一組立物として単独で、更に変速制御装置は全体として一体のまま本体から着脱できるのは組立、分解の作業上から理想的な構造である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施例伝達車加圧装置を用いた車両用無段可変伝動装置の横断面図で、
【図2】図1に示す無段可変伝動装置のII−II線での縦断面図で、
【図3】図1,2に示す無段可変伝動装置の操作器の一部の同期駆動源を示し、図3Aは第2伝達機の構成を、また図3Bは第1伝達機の構成を示す部分断面図で、さらに
【図4】同第1実施例加圧装置の加圧力・回転数の関係を示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施例装置を適用した工作機械用無段可変伝動装置の断面図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例の片軸受支持の伝達車に適用した加圧装置で、図6Aは本発明の第3実施例装置の断面図を、また図6Bは本発明の第4実施例装置の断面図を夫々示す。さらに
【図7】図7は、本発明の他の実施例の両軸受支持の伝達車に適用した加圧装置で、図7Aは本発明の第5実施例装置の断面図を、また図7Bは本発明の第6実施例装置の断面図を夫々示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は定馬力伝達型の無段可変伝動装置の系統を基本原理から再検討したので乾式変速機に限らず湿式変速機にも適用でき、また利用分野も工作機類のような小馬力用から、車両類の大馬力用に至るまで適用できる。特に第一(従動)伝達車への可変加圧制御を行う際に本発明は、油圧による直接加圧方式に依存せず、弾性体による間接加圧方式に依存することによって、最終的に伝達体に対して可変加圧力の付与だけでなく、常時弾性力をも付与をも実現していれば良い。従って弾性装置と圧縮装置の組合せのうち圧縮装置は巻上摺動装置でも油圧摺動装置でも良い。たとえ伝達車の摺動円板が油圧シリンダの一部分を直接構成してる場合でも該摺動円板に弾性力が存在し、結果的に伝達体に常時弾性力を付与していれば良い。圧縮装置を巻上摺動機構による場合は巻上摺動装置の加圧力は弾性装置からの反力に過ぎず弾性装置自体が良好な可変加圧機構となり、更に加圧装置を油圧による場合は弾性装置は単なる弾性材として働き油圧機構が可変加圧機構となり、本発明はいずれでも良い。弾性吸収性は前者の巻上摺動機構がより優れており、その理由は、変速比に応じて弾性力も軸トルクも可変の適正な値に変化できるからである。
【0025】
弾性体はコイルバネに限らず、板バネ、渦巻バネなど他の形態でも良い。また単一のバネでも良いが、大きな弾性加圧力を得るにはバネ定数を大きくする必要があり、バネのヘタリ収縮が生じやすくかつ寸法形状も大幅拡大するので、これを複数の弾性体に分割しても良い。各弾性体の配置方向も、同心円状に限る必要もなく、小型で大きな加圧力が確保できるのであるならば、複数バネを並設しこれ等を同時駆動させて連続リニヤ特性を得る場合に限らず、加圧装置の可変指令に応じて階段的駆動させて非連続階段特性にしても更に連続曲線特性でも良い。
【0026】
また加圧装置の圧縮加圧力は、伝達車と本体の間で付与すれば良いので、両者間で弾性装置と圧縮装置の互の配置順序、場所は設計に応じて任意に変更でき、操作上これ等を非回転状態にする場合は、伝達車と、圧縮装置と、弾性装置と、本体とのいずれかの間に回転分離用軸受を配すれば良い。弾性装置、圧縮装置の取付場所も伝達車回転軸と常に同軸位置に配する必要もなく、非同軸位置である本体上の任意の位置に設置し圧力伝達手段で伝達車と相互に連結すれば良い。従ってここで本体或いは本体基準面とは、回転の有無とは無関係に、伝達車に対する回転軸芯方向の相対的な基準位置が変化しない場所のことである。なお弾性体の加圧方向と伝達車への加圧方向とが互いに逆になる時は圧力伝達手段にシーソウの如き梃子機能で加圧方向を反転させても良い。
【0027】
更に弾性装置と圧縮装置には夫々同様の摺動具部材として応動体、応動具、被動体、被動具、更に圧力伝達手段などが組込まれるが、これ等の部材は設計に応じて互に単一部材で共用したり兼用したり、又は細分化したり更に伝達車の円板、本体などの部材で逆用又は代用する等の各種選定が行われるが、これ等は単なる部材の選択設計の範囲に留まり、任意の変更を行っても本発明の範囲に含まれる。
【0028】
圧縮装置として巻上摺動装置による場合は、巻上摺動機構の加圧媒体はネジ手段が最も一般的だが、円周面にカムを施した回転カムでも同等の機能を達する。また巻上摺動機構には駆動源からの可変指令へ誤差要因の侵入を回避し1対1で対応させる必要上、巻上機構内に周知のセルフロック機能即ち逆転防止用ブレーキ機能および駆動源側に基づくオーバラン阻止機能が必要である。従って台形ネジとウォーム伝達機の組合せ、或いは普通ネジ又はボールネジとブレーキ付モータ駆動源との組合せ更に逆転阻止ステップモータの使用等、各種の周知技術の組合せが配慮されるべきである。また圧縮装置の押圧移動量は、第一伝達車の変速移動分L01と弾性装置の押圧移動分L02の和L0(=L01+L02)が必要となる。従って移動分L01と移動分L02を別々の巻上摺動機構で同期構成しても良い。この際に従動車側の移動分L0は必然的に主動車側の移動分L1とは作動方向および作動量が異なるため、巻上摺動機構のネジ手段のピッチ、回転方向、回転数或はネジ溝の加工方向(右ネジ、左ネジ)、指令伝達機の種類、速比等各要素を周知の要素で設計に応じて選択し互に同期付勢すれば良い。
【実施例1】
【0029】
図1乃至図4は、本発明の第1実施例で伝達車加圧装置を従動及び主動伝達車に適用した車両用の無段可変伝動装置の各部の構造および加圧装置の特性を示している。可変伝動装置10は基本構成として第二(主動)伝達車又は主動車2と、第一(従動)伝達車又は従動車1と、この両伝達車間に巻掛けされる伝達体11とで形成され、更に各伝達車1,2を変速させる変速制御装置または可変速可変トルク制御装置7として従動車1側に従動操作器6と、主動車2側に主動操作器8と、更に両操作器6,8を同期駆動する駆動源9とで構成される。更に主動操作器8は、駆動源9で圧縮装置15aを付勢し、従動操作器6は弾性装置3とこれを圧縮する圧縮装置4とで構成した加圧装置5を駆動源9で付勢することで作動される。本発明は、主に従動伝達車1、主動伝達車2を可変加圧制御する加圧装置5、15を有する可変伝動装置用の伝達車加圧装置に関し、以下に詳述する。
【0030】
伝達車1,2は、いずれも摺動円板1a,2aと、固定円板1b,2bを相対向して、キーを介して前者が後者に対して軸芯方向に摺動可能に構成され、伝達車1と2では互に逆向に配置される。両伝達車1,2に対応する各操作器6,8からの加圧力の平衡を制御することによって両伝達車1,2での伝達体11との接触半径rを連続的に変化させ、全変速領域で所定馬力の動力伝達を果している。伝達体11は、図1では最大速比の位置を、図2では動作説明の都合上右半分を最大径に、左半分を半径r 0 の回転数60%の位置を夫々描いた。また可変伝動装置10は本体10aと蓋体10bとで密閉の油槽室を形成し、湿式可変伝動装置を構成すると共に、車両などの内燃機関、伝動装置等と連結される。一方、可変制御装置7の全ては本体10の一部である蓋体10bの側に集中配備される。
【0031】
主動操作器8の加圧装置15で圧縮装置15aは、摺動装置14と指令の反転阻止するセルフロック機能を持つ指令動力の主動指令伝達機12と構成される。前者はボールネジを施された応動具16と被動具17とボール媒体15cからなり、後者はウォーム18からホイール19への一方向にのみ伝達するウォーム伝達機12である。加圧装置15は可変径制御の基準位置を正確に再現するため、弾性力等の不安定な位置決め要因を除いた第二摺動装置14で示される。
【0032】
主動軸20は軸受21,22で両軸支持される一方、圧縮装置15aは本体基準面10cと伝達体2の間の軸受13および23を介して配置される。摺動装置14の二つの摺動具中応動具16がホイール19で回動されると、被動具17は、回転せず案内棒24aで伝達車回転軸芯方向にのみ加圧摺動する。ボール摺動装置14のネジは右ネジに加工される。24は応動装置であり、この例では圧力伝達手段として働くスラスト受具として示す。
【0033】
従動操作器6の加圧装置5は、摺動円板1aを加圧摺動させているにも拘らず、その周囲に設置されずに主動操作器8と同一平面上の蓋体10bに非回転状態に設置されている。図2中、加圧装置5は、伝達車1の回転軸芯を中心に巻上摺動装置25の左右に延びる連結レバー28と、二本の伝達軸41a,41b、リニアボール軸受42,43とで伝達車1を跨ぎ更にシフタレバー44とを有しかつ伝達車1に配したジンバル47、スラスト受具46、軸受45を経て加圧力を伝える圧力伝達手段40と連結している。加圧装置5の内部構成は、弾性装置3と圧縮装置4とからなり、両者は軸受31を接合点として両者の加圧力が互に直列に連結接合する例で示される。従って弾性装置3の弾性力は本体基準面10cとしての底蓋36を基準に、軸受31から圧縮装置4、圧力伝達手段40を経て伝達車1の回転軸芯方向に弾性加圧力として印加する。加圧装置5は、図2のIII-III線で単一構造物5として本体10の一部である蓋体10bに伝動車1と同軸上で着脱自在に構成される。
【0034】
弾性装置3は、複数の環状弾性体33を同心状で伝達車回転軸芯と同軸に摺動可能に筺体35に予め所定の加圧状態に収納した単一構造物30を形成した例である。本来単一弾性体だけでは形成できない大きな押圧力を狭空間内で確保するため、特殊構造が採用される。四つの弾性体33aないし33dは一端を振動伝達不能に本体10に他端を振動伝達可能に隣の応動体と係合するための夫々連結部39aないし39dを施される環状応動体37aないし37dが個別に付されている。筺体35の内壁には弾性体33の係止装置32として三つの段差当接部38bないし38dと被動体である底蓋36とが施される。なお本例では初段弾性体37aに対応する当接部38aが無いが、これは初期加圧状態では始めから最小加圧力Pminを選定するため圧縮装置4と連結するためである。点線38aで示す様に予め施しても良い。従って係止装置32は底蓋36と天上内壁とで構成される。各段差当接部38の最内径は対応する各応動体37の最内径よりも大きい径なので隣接する前段の段差当接部38から突出している。従って圧縮装置4の指令伝達機29の応動に伴って応動具26は、応動体37a乃至37dの順に各応動体に案内されて順次弾性体33a,33b,33cおよび33dを押圧し、加圧力を階段状に並設加算する構造である。
【0035】
圧縮装置4は、ボールネジの加圧媒体又はボール媒体25cを介在された二つの摺動具即ち応動具26および被動具27からなるボール摺動装置25と、反転阻止のセルフロック機構としてのウォーム48およびホイール49のウォーム伝達機からなる指令動力の指令伝達機29とを連結し、両者の間に弾性装置3を配置される。応動具26はネジ部26aと、接合部26bと、摺動部26cと、更に連結部26dとで形成される。連結部26dがスプライン軸を形成しホイール49に施すスプライン溝との間で、回動力だけを受けてネジ部26aに伝え伝達車回転軸芯方向に摺動可能に係合された連結器を構成される。圧縮装置4が、一端が本体10に安定配置状態に固定された弾性装置3の他端と一体組付に連結されながら、弾性装置3に対して浮遊ない浮動状態(フローティング)に支持される。なお、本例では主動操作器8の圧縮装置15aの応動具16に施したボールネジが右ネジ加工であったのに対し従動操作器6の応動具26のボールネジ25cが左ネジ加圧を施される。図2のように被動具27は二つのレバー28a,28bをもつ連結レバー28を施され、伝達軸41に連結する。第一摺動装置25の応動具26は応動体37aの先端部31′と、伝達車1と連結する伝達軸41との2つの中間位置で浮動状態に支持されるので、弾性振動で摺動可能に連結部26dは所定の長さをもつ。
【0036】
共通駆動源9は、図3A,3Bに示すブレーキ付の可逆モータ53として直流サーボモータが使用され、第1及び第2伝達機55,60が施され、軸58から二つの指令伝達路に分岐され主動および従動操作器8,6の夫々の駆動軸18a,48aを同時に同期駆動している。可変指令としての指令動力は歯車56,57を経て軸54から軸58に、更に操作器8には第二伝達機の歯車59,64にて軸58から軸18aに速比指令が、また操作器6にはアイドラ車61を含め第一伝達機の歯車59,62を経て軸58から軸48aにトルク指令が夫々伝わる。歯車64と、歯車63,
62の相異は、主動車2の第二加圧装置15の第二圧縮装置15aの移動変位量L1 に対し、従動車1の加圧装置5の第一圧縮装置4の移動変位量L0 (=L01+L02)の方が大きく、摺動円板1aと弾性体33の双方を同時に移動押圧する必要の為である。
【0037】
次にこの可変伝動装置10の動作を図4にて所望特性(B)を得る加圧装置5、15の動作を中心に述べる。図1の通り、変速機10で伝達体11が最大速比の位置の状態で入出力軸20,50が伝動し一定速比の定速回動しているものとする。可逆モータ53が速比指令を減る方向、即ち増速指令を受け駆動始めるとする。図3Aの矢印のように変速動力は、軸18aと軸48aに伝えられ互に逆向きに回動する。本例ではボールネジ体15cとボールネジ体25cとでは互に逆ネジ加工されているので、圧縮装置15aが円板2aを加圧すると伝達体11の半径はr10からr11に増大し始める。同時に最大加圧力Pmaxで押圧していた加圧装置5は、トルク指令として減圧指令を受け圧縮装置4の摺動装置25の加圧力を減少する方向に作動する。従って弾性装置3への全圧加圧力も点線に示す位置に上昇し、同時に摺動装置25の応動具26は上昇し逆に被動具27は加圧を解かれた分量だけ逆に降下する。この降下量は図2のレバー28および圧力伝達手段40を経て伝達車1への加圧力を減圧すると同時に主動車2側の加圧装置15で引張られ張力付与される結果、伝達体11の半径はr01からr02に減少する。
【0038】
この事は、図4の特性図上で最大速比εminの出力回転数n1からn2への移行に伴い、特性(A)の階段線(IV)上を特性点a1からa2に移行する。と同時に増則速指令の供給に従い伝達車1へ加圧力即ち狭持圧P1もP2に減圧されるので軸トルクも減る事を意味する。そこで伝達車1での加圧力と回転数との間が互に反比例の関係にある事を示す。同様に可逆モータ53から更に増速指令と減圧指令が与えられると同様の動作を繰返えす。仮に出力回転数が略半分のn60の点では、図2の左半分に描いた様に弾性体33cと33dは夫々段差当接部38cと38dに当接して伝達車1への加圧には寄与しないで、階段特性(II)の特性点a60の位置にあり、弾性体33aと33bのみが作用していることを示す。以下同様に摺動装置25の応動具26の回動に伴い加圧特性は回転数の増大に伴って階段的に減少し、最高速回転時に最小加圧力Pminになり軸トルクも最小になる。逆に再び減速状態に戻すには、可逆モータ54を減速指令と増圧指令で逆転することによって、上述の逆の動作に従い元の位置に戻る。
【0039】
従来技術の弾性体では従動車1の回転数Nの増大に伴い図4の特性線(D)の如く加圧力も増す。これに対し本発明では、圧縮量を増すと圧縮加圧力も増す同質の弾性体を用いながら、弾性装置3を圧縮装置4と共働させることによって、該弾性加圧力と回転数間の特性を互いに反比例ないし逆比例の関係にして負の傾斜特性を確保したこと又は該弾性力と速比間の特性を正比例にしたことに特徴がある。なおほぼ水平な特性線(C0
〜C2 )では変速域の全域で単位面積当りの加圧力がほぼ同一であるが、従動車1のベルト・プーリ間の接触面積が最低速時には最高速時に比して数倍に達する。従ってこの特性でも伝達体11が受ける軸トルクTは回転数Nが減少しても逆に増大できる。図4の特性線(C2
)は僅かな正傾斜でも、接触面積の増大分によって軸トルクも増大し実質的に定馬力の伝達ができる。本発明の「反比例」とは、僅かな正傾斜特性C2 を含む概念で、更に弾性加圧力が階段状乃至非直線な曲線特性も含むことを示す。
【0040】
次に本発明の変速機の自動調芯機能を述べる。変速機の動力伝達には内部にもつ誤差要因及び外部から侵入する変動要因があり、いずれも正規の伝動の障害になる。代表例として前者には伝達体11の長手方向の伸び、幅方向の摩耗があり、後者には可変指令として増減速指令の速比指令と増減圧指令のトルク指令の供給、入出力側機器からの衝撃荷重の侵入等が存在する。本発明は、いずれの場合も弾性装置3が悪影響要因を運転中に自動的に補償しかつ再び自動的に正規の伝動動作に復帰させる機能をもつ。
【0041】
今最高速比ε1 の運転中に伝達体11の周長の伸びが徐々に進んだとする。このとき主動・従動の各操作器8,6は付勢されないので、主動車2での接触半径は元のままである。しかし従動車1では伸び分に応じて半径が拡大する。回転数はその分だけ減速し円板1aも弾性装置3も僅かに移動するが、ベルト・プーリ間挾持圧Pには僅かな変化しか無くトルクの変化も僅かで、伝達体11への挾持圧はほぼ最高荷重の状態を維持し続ける。この事は回転数が僅かに変化しても伝達馬力の伝動機能自体は全く障害を受けず自動調芯して正規の伝動を保持し続ける事を示す。次に伝達体11に幅方向の摩耗による厚味が縮小した場合を考える。このときも操作器6,8の停止中だが、従動車1での弾性装置3の押圧により自動的に主動車2での接触半径は縮少すると同時に従動車1では同様にその分半径を拡大するので出力回転数は減少するが、正規の伝動馬力を維持しながら自動調芯する。
【0042】
更に入出力軸20,50に突発的な衝撃振動の侵入を考える。この場合にも自動調芯機能は同様に働く。従動伝達車1の側では伝達体11の半径r0 を拡大または縮小の乱れ振動が一瞬間だけ発生するが、この弾性振動は逆に圧力伝達手段40から圧縮装置4に伝達される。この時圧縮装置4は、被動具27から応動具26に伝えられるが、応動具26の先端のスプライン摺動軸26cも軸芯方向に摺動可能にホイール49と係合しているため、圧縮装置4は弾性装置3の応動体37の連結具32と係合する以外は全体が浮動状態に配置されている。従って侵入した乱れ振動を直接弾性装置3のみが弾性吸収することになる。短時間内に乱れを終息し、加圧装置5は再び元の安定伝達状態に瞬間に自動復帰する。
【0043】
次に従動車1の加圧装置5が該伝達車に間接加圧として可変加圧力と弾性力との双方を供給するのに対し、主動車2の加圧装置15が該伝達車に直接加圧として可変加圧力のみを供給する理由を述べる。この理由は、従動車1と主動車2とでは無段変速機としての各伝達車1,2のもつ機能役割を区分するためである。即ち従動車1は連結する負荷装置に対して狭持圧を可変加圧し所定馬力の伝動用に可変軸トルク制御機能を確保することと内外の乱調に対し自ら安定状態に復帰する自動調芯機能をもつことであったのに対し、主動車2では、この従動車1の各役割をバックアップするため常時安定な円板2aの位置決め制御による速比又は出力回転数制御機能を与える為である。この事は主動車2が可変速伝動機の出力回転数の基準車機能として作動し、従動車1がこの基準車で制御される出力回転数を基準としてこれに応答したトルクを作動する追従車機能を果させる為である。
【0044】
第一伝達車1の加圧装置5は、圧縮装置4の伝達機29と摺動装置25の間に弾性装置3を一体組付し、本例では指令伝達機29を筐体35に同時収納し全体として単一構造物を構成し本体10の一部である蓋体10aの外側に、伝達車1の軸50と同軸にしかも外側のIII−III線から着脱自在に配置される。一方第二伝達車2の加圧装置15は、摺動装置14と伝達機12とからなる圧縮装置15aを蓋体10bの内側でしかも蓋体10bと共に一体組付される。従って図3Aに示す本体10aから蓋体10bを多数のボルト10eを解放することによって、変速制御装置7を構成する全操作器6および8は、IV−IV線を境として第一および第二伝達車1,2を伴って軸受21,45および軸受52から本体10としての蓋体10bに一体の変速機として着脱可能である。なお、ネジ軸26の先端は、軸50との連結は無く、当接防止用に開孔50aをかりて収め、ここに分離して着脱可能に構成される。
【実施例2】
【0045】
図5は、フライス盤、ボール盤等の工作機械用無段可変伝動装置に用いた本発明の第2実施例の断面構成を示す。本発明で加圧装置5は左側従動伝達車1に適用されている。本実施例以後全ての実施の形態は、基本的な動作および機能が略同等なので、上述した第1実施例と同一部品符号を付して、主要な相違点のみを説明する。相違点の第一は、圧縮装置4の摺動装置25の応動具26自体が伝達車1の回転軸50に施した同軸貫通孔65を経由して摺動円板1aに対して圧力伝達手段40の伝達軸41の機能を果していることである。第二は、巻上摺動装置25が、伝達車1の変速摺動分L01を駆動する第1巻上摺動装置25aと、弾性装置3の圧縮移動分L02を駆動する第2巻上摺動装置25bとに二分割され、両者が応動具26と変速動力伝達機29とを共用しながら伝達車1の表側の第1圧縮装置と裏側の第2圧縮装置とに配されたことである。しかも応動具26には二種のネジ手段26a,26bのネジ溝が互に逆ネジ加圧を施されている。従って同図の右左に個別に描いて示す通り、弾性装置3を加圧すると同時に伝達車1の円板1aも同期付勢して押圧されるため、伝達車1への加圧特性も図4の特性線(A)と同じになる。なお回転軸50が軸受による片持構造であるが、本例の思想は第1実施例のような両軸受支持構造の場合にも適用できる。第三に、弾性装置3の応動体37が巻上摺動装置25bの被動具27によって付勢されている事である。第四に、両摺動装置25a、25bは指令伝達機のウォーム伝達機29が単独構成されているので同期駆動することなどである。
【実施例3】
【0046】
図6Aの第3実施例では、更に図5の第2実施例に示した弾性装置3および圧縮装置4を全て伝達車1の摺動円板1aの側の本体10の一部である蓋体10bに配置した例である。この場合も伝達車加圧装置5の動作機能も第2実施例と略同様である。上述以外の主な相違点は、第一に弾性体が単一であること、第二が圧縮装置4の応動手段28が圧力伝達手段40を兼用していること、第三に蓋体10bを本体10から取外すと軸受45と応動装置28とが分離でき、弾性装置3および圧縮装置4との加圧装置5が一体構造物として本体10から着脱でき、ベルト交換保守に供したこと等がある。
【実施例4】
【0047】
図6Bの実施例は、図5の第2実施例での弾性装置3のみを伝達車1に回転可能に直接設置したので当然摺動装置25への弾性力伝達は不要になる例であり、同軸貫通孔の構造は同じである。この場合に上述以外の図1および図5の各実施例との相違点は、第一に筺体35が伝達車1に直接取付けられ円板1a自体が被動体36でもあり筺体35の一部を形成していることである。複数バネの順次駆動よりもむしろ単一バネ乃至複数バネの同時駆動にしてもよい。第二に弾性装置3の応動体が、複数の応動体を互に連動させた五つの応動体37に分かれ、しかも圧縮装置4の側の応動手段28が巻上摺動装置25の被動具27と兼用され、応動具28,応動具37間に軸受を配したことである。なお軸受45は円板1aと弾性体33との間に施しても良い。加圧装置5の動作については図1の実施例と同様で、また圧縮装置4の可変動力の指令伝達機も図5,図6Aの各例と同様なので図示を省く。
【実施例5】
【0048】
図7Aの第5実施例は、図1の実施例と同様両軸受支持した伝達車加圧装置5の例である。この例が、他の実施例との主要な相異点は、第一に伝達車1に軸受45を経て同心状に並列配置された複数の弾性体33が、圧縮装置4によって常に同時に圧縮されることである。図1,図5,図6Bの各実施例の場合と異なり、加圧特性が階段状にならず図4の特性線(A′)に示すようにリニヤ特性が得られることである。なお弾性体33a,33bと弾性体33cとは右巻バネと左巻バネで作られ、圧縮歪を相殺させている。第二に筺体35が圧縮装置4の摺動装置25を保持しかつ入力側応動体37と出力側応動体36とにより兼用係止装置32が施され全体が浮動状態に構成したこと。第三に可変動力の指令伝達機29がウォーム伝達機でなくベベル伝達機で構成したことである。
【実施例6】
【0049】
図7Bの実施例は、図6Bの実施例と同様の弾性体33により軸受を経ずに直接加圧した例である。他の実施例の相違点は、圧縮装置4の摺動装置25の二つの摺動具及び加圧媒体として水平カム手段の被動具27が水平方向に本体10a上を移動し、更に圧力伝達手段40を兼用する垂直カム手段の応動具28が垂直方向に押圧する摺動カムである。応動具27,被動具28を互に直角方向に摺動可能に加圧媒体25cのカム傾斜接合面27c,28cを設け、両カム式応動装置により弾性装置3を圧縮加圧した点である。
【実施例7】
【0050】
(その他の実施例)
本発明では、油圧の直接加圧方式でなく、弾性体による間接加圧方式に依存しているが、ここで「直接」とは加圧力の供給のみを意味し、「間接」とは加圧力と弾性力の双方の同時供給を意味する。従って伝達車に直接油圧シリンダを接合して可変加圧制御する場合であっても、この伝達車の摺動円板と油圧シリンダが一体となり浮遊状態ないし浮動状態にしてある限り、加圧力だけでなく弾性力の供給も可能になるので本発明の範囲である。またこの場合に油圧シリンダからなる圧縮装置と弾性装置とを一体のまま回転可能に取付ける時には、加圧装置と伝達車との間には回転分離の軸受は不用である。更に変速制御部の共通駆動源は電気的なモータに制約されず、油圧などの流体モータなど各種のモータを採用しても良く、その場合にも巻上摺動装置および加圧装置にボールネジ、台形ネジなどの手段を利用すれば、大容量伝動を高速度で変速制御することも実現できる。従って、本発明は「特許請求の範囲」から当業者が容易に創作しうる範囲内に於いて、設計仕様に応じた各種の変更乃至変形しても権利範囲に包含される。
【0051】
以下当初の出願時明細書に記された実施態様及び特徴形態や事項を項目別に記述する。
実施態様1において、圧縮装置は、伝達車の変速移動分L01を得る第一圧縮装置と、弾性手段の押圧移動分L02を得る第二圧縮装置とを有し、第一および第二圧縮装置が変速指令で同期付勢されてなる伝達車加圧装置。実施態様2において、圧縮装置は、第一および第二圧縮装置を単一の共通圧縮装置で共用し伝達車および弾性手段の共通の移動分L0(=L01+L02)を圧縮押圧してなる伝達車加圧装置。実施態様3において、圧縮装置は、応動具がピストンプランジャで被動具がシリンダであり摺動装置がポンプおよび弁で圧送制御される圧力流体で構成した伝達車加圧装置。実施態様4において、圧縮装置は、応動具と被動具が互に対面する二つのテーパカム部材であり摺動装置が被動具を付勢する巻上装置で構成してなる伝達車加圧装置。実施態様5において、圧縮装置は、応動具と被動具が雄ネジ部材と雌ネジ部材であり摺動装置が巻上装置と変速動力伝達機とで構成された伝達車加圧装置。実施態様6において、伝達車は、伝達車と弾性手段と圧縮装置との間のいずれかの加圧系路の一箇所に該伝達車の回転分離用軸受を有する伝達車加圧装置。実施態様7において、圧縮装置は、応動具で上記弾性装置を加圧付勢しまた上記被動具から伝達車に加圧力を伝達した伝達車加圧装置。
【0052】
実施態様8において、圧縮装置は、伝達車を押圧する第1応動具と弾性装置を押圧する第2応動具とに夫々連動すると共にネジ溝を互に逆ネジに付した共通の単一被動具で夫々第1および第2応動具を同時に付勢してなる伝達車加圧装置。実施態様9において、圧縮装置は、応動具で弾性装置を加圧付勢しまた被動具から伝達車に加圧力を伝達してなる伝達車加圧装置。実施態様10において、圧縮装置は、巻上装置をネジ部材で形成し変速動力伝達機をウォーム伝達機で構成すると共に、ネジ部材とウォーム伝達機のホイールとの相互間に回動力を伝動し乍らネジ部材を上記ホイールに対し該軸芯方向に摺動可能に構成させることにより、巻上装置のみを浮動状態に支持してなる伝達車加圧装置。実施態様11において、圧縮装置は、ネジ部材が、ボールネジ軸部と、さらにホイールに連動するスプライン軸部とを有する構成にしてなる伝達車加圧装置。
【0053】
実施態様12において、加圧装置の弾性装置または/および圧縮装置は、伝達車の回転軸芯と同軸または非同軸で本体の任意の位置に非回転状態に装着されると共に回転軸に同軸に配された弾性装置、圧縮装置または回転分離用軸受との間に圧力伝達手段を配する伝達車加圧装置。実施態様13において、圧縮装置は、回転軸の軸芯と同軸で伝達車の固定円板の側の本体に設置されると共に、摺動装置がネジ部材からなる巻上装置と該巻上装置を付勢する変速動力伝達機とを有してなる伝達車加圧装置。実施態様14において、圧力伝達手段は、回転軸に同軸に施した貫通孔を経由してネジ部材によって回転軸内から圧縮加圧力を伝達してなる伝達車加圧装置。実施態様15において、圧力伝達手段は、回転軸の軸芯を中心として被動具から左右に延びる二本の平行伝達レバーによって回転軸外から伝達してなる伝達車加圧装置。実施態様16において、圧力伝達手段は、圧縮装置を弾性体が収納される弾性装置の筺体に一体組付すると共に、伝達レバーは筺体と本体とを貫通し圧力伝達してなる伝達車加圧装置。実施態様17において、圧力伝達手段は、被動具に施す連結レバーと伝達車軸受に施すシフタレバーとの間に設けた伝達レバーと筺体および本体とを、それぞれ軸とリニア・ボール軸受とで形成してなる伝達車加圧装置。実施態様18において、圧力伝達手段は、加圧方向を変換乃至反転する梃子機能をもつ伝達レバーで構成してなる伝達車加圧装置。
【0054】
実施態様19において、第一伝達車に弾性体を経て間接的に弾性力供給する第一加圧装置と第二伝達車に直接的に加圧力供給する第二加圧装置でなる伝達車加圧装置は、第一加圧装置は第一伝達車に常時弾性力の可変加圧制御を施して自動調芯機能を伴ったトルク伝達を保証し、また上記第二加圧装置は上記第二伝達車に非弾性力にて可変摺動制御を施して回転数変速の基準位置決めを保証してなる伝達車加圧装置。実施態様20において、第一および第二加圧装置は、夫々従動および主動伝達車を個別に操作するために該各伝達車回転軸と同軸上に配した従動および主動伝達車加圧装置であると共に、本体上の位置に隣接して同一平面側に設置されてなる伝達車加圧装置。実施態様21において、第二加圧装置は、応動具と被動具が雄ネジ部材と雌ネジ部材であり摺動装置が該ネジ部材の巻上装置と変速動力伝達機とで構成された伝達車加圧装置。実施態様22において、第一加圧装置は、弾性装置および圧縮装置を単一構造物として一体組付したまま本体に着脱自在に非回転状態で配してなる伝達車加圧装置。実施態様23において、第一および第二加圧装置は、駆動源を連結した状態で同一平面側に配した本体の一部を蓋体として一体のまま、第一および第二伝達車とともに本体から着脱可能に構成してなる伝達車加圧装置。
【0055】
実施態様24において、加圧装置は指令に応じ圧縮装置で直列圧縮し生じた圧縮加圧力を伝達車に施す弾性装置を有し、弾性体と、応動体と、被動体と、更に弾性体を予め加圧状態に収納する単一筺体とで成る弾性装置は、弾性体を最大圧縮加圧力から最小圧縮加圧力までのいずれかの範囲内で圧縮方向への移動を可能にしかつ予め定めた所定加圧値の圧縮加圧状態に保持する係止装置を筺体に施し、筺体での加圧収納状態のまま着脱可能にした伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様25において、筺体は、伝達車に固着されかつ伝達車が弾性体で直接押圧する上記被動体を兼用してなる伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様26において、において、筺体は、応動体および被動体で兼用して形成されると共に、係止装置は応動体および被動体に施されてなる伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様27において、筺体は、弾性体の一端で底蓋にまた他端天上内壁に夫々圧縮加圧されると共に、係止装置は底蓋と天上内壁とで構成されてなる伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様28において、応動体および被動体は、弾性体の一端を本体に当接し他端に互に共用する共通応動体で圧縮加圧力を授受されてなる伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様29において、筺体は、更に弾性体を圧縮加圧するのに必要な圧縮装置の変速動力伝達機として歯車伝達機を弾性体と共に収納した伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様30において、弾性体は、複数の環状バネ体を同心状に並列配置し、各バネ体は圧縮装置によって常時同時付勢されてなる伝達車加圧装置用弾性装置。
【0056】
実施態様31において、弾性装置は、各弾性体を予め加圧状態に収納する単一筺体を有し、各弾性体が圧縮方向の移動領域内での応動体の変位に応じて順次圧縮付勢するために、筺体または/および応動体に段差当接部が施され、該段差当接部に定めた順に各弾性体の圧縮加圧力を並設加算させてなる伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様32において、応動体は、各弾性体に応じて個別に付した応動体を段差に応じて複数配し、圧縮装置と連動して順次各応動体で各弾性体を付勢してなる伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様33において、筺体は、天上内壁に階段状の段差当接部を設け、各応動体を伴った各弾性体を段差当接部の各段部に夫々圧縮加圧状態に収納してなる伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様34において、弾性装置は、伝達車への最小加圧力から最大加圧力までの領域内の初期最小加圧力を付与する初段弾性体に、圧縮装置との間にて該最小加圧力を調整可能に初段の段差当接部を除去してなる伝達車加圧装置用弾性装置。実施態様35において、弾性装置は、圧縮装置との連結から解放時に初段から終段までの弾性体の全てが筺体に収納されてなる伝達車加圧装置用弾性装置。
【0057】
特徴形態1として、本発明は第一に油圧による直接加圧方式に依存せず、前者は弾性体による間接加圧方式によって後者は弾性、不安定圧力等で押圧に乱れのない摺動装置によってこれを実現することである。第二に極度に大きな弾性力の巨大弾性体が不可欠となり、その際に生じる解決課題として各部材及び機器類の遠心力の問題、狭空間内設置の問題さらに組立分解等の操作性の問題などを解決するものである。特徴形態2として、弾性装置とこれの圧縮装置とを組合せながら、伝達車と弾性装置との間の連動性を確保することにより、伝達車に対して可変加圧制御用の加圧力だけでなく弾性装置の弾性力を両者で常時授受を保証させることである。特徴形態3として、本発明は大きな弾性装置の操作には大きな圧縮装置を要するが、これ等を回転に伴う遠心力などの悪影響から解放され、しかも狭い空間に配置される伝達車の周囲を煩雑な操作機器類から出来る限り回避させ簡易な制御機構を構成して常時正規の可変加圧制御を供給することである。
【0058】
特徴形態4として、上述第一乃至第四の課題の実現の際に、極大寸法、極大重量の弾性体の存在を如何に小型化し、取扱上の簡便性を向上させるかが実装上不可欠である。大きなバネ定数の弾性体は早期に発生するヘタリ現象から回避しながら、単数又は複数弾性体の小型収納性と、変速機自体の組立分解など作業性を向上させる伝達車加圧装置用弾性装置を提供することである。特徴形態5として、極大な弾性材を多数の弾性体に細分化し、加圧装置が、伝達車に付与する回転数対加圧力特性を単一弾性体では確保しにくい小型かつ急傾斜でダイナミックレンジの広い負傾斜の反比例加圧特性に構成する伝達車加圧装置用弾性装置を提供することである。
【0059】
特徴事項1として、本発明では弾性装置、圧縮装置等からなる加圧装置の加圧力を伝達車と本体間で与えて定馬力型加圧装置を実現することである。特徴事項2として、本発明は弾性装置または圧縮装置のいずれか一方を本体に回転または非回転状態に装着ししかも他方を浮動状態に支持することにより、浮動状態に取付けた弾性装置または圧縮装置を介して伝達車への弾性力の供給を常時保証したものである。特徴事項3として、本発明は弾性装置又は/及び圧縮装置を、伝達車と同軸または非同軸で本体の任意の位置に非回転状態で固定し、伝達車との間で圧力伝達手段を配して伝達車に常時加圧力と弾性力の同時供給を保証したものである。
【0060】
特徴事項4として、弾性体を予め加圧状態に収納する単一筺体とを有し、弾性装置は、上記弾性体を最大圧縮加圧力から最小圧縮加圧力までのいずれかの範囲内で圧縮方向に移動を可能にしかつ予め定めた所定加圧値の圧縮加圧状態に保持する係止装置を筺体に施すことにより、筺体での加圧収納状態のまま着脱可能にしてなる伝達車加圧装置用弾性装置である。特徴事項5として、順次圧縮変位させる応動体と、複数の弾性体を予め加圧状態に収納する単一筺体とを有し、弾性装置は、各弾性体が圧縮方向の移動領域内での応動体の変位に応じて順次圧縮付勢するため、筺体又は/及び応動体に段差当接部が施され、該段差当接部に定めた順に各弾性体の圧縮加圧力を並設加算する伝達車加圧装置用弾性装置である。
【符号の説明】
【0061】
1 従動車、従動伝達車または第一伝達車
2 主動車、主動伝達車または第二伝達車
3 弾性装置
4 圧縮装置または第一圧縮装置
4a 第1圧縮装置
4b 第2圧縮装置
5 加圧装置、従動加圧装置または第一加圧装置
6 従動操作器
7 変速制御装置、可変制御装置または可変速可変トルク制御装置
8 主動操作器
9 駆動源、共通駆動源または同期駆動源
10 変速機、無段変速機または可変伝動装置
10a 本体または本体基準面
10b 蓋体
11 伝達体
12 主動伝達機、ウォーム伝達機又は指令伝達機
14 摺動装置、ボール摺動装置、第二摺動装置または巻上摺動装置
15 加圧装置、主動加圧装置または第二加圧装置
15a 圧縮装置または第二圧縮装置
15c 媒体、加圧媒体、ボール媒体、ネジ、ボールネジ、カムまたは油媒体
16,26 摺動具、応動具または雄ネジ体
17,27 摺動具、被動具または雌ネジ体
18、48 ウォーム、ウォーム軸又は指令入力軸
19、49 ホイール
25 摺動装置、ボール摺動装置、第一摺動装置または巻上摺動装置
25a 第1摺動装置または第1巻上摺動装置
25b 第2摺動装置または第2巻上摺動装置
25c 媒体、加圧媒体、ボール媒体、ネジ、ボールネジ、カムまたは油媒体
29 従動伝達機、ウォーム伝達機又は指令伝達機
32 係止装置
33 弾性体
35 筺体
36 被動体または底蓋
37 応動体
40 圧力伝達手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性装置と二摺動具間を加圧媒体で変位する摺動装置と該摺動具に可変指令を送る指令伝達機とを連結した加圧装置は、伝達車と本体間に上記弾性装置及び上記摺動装置を直列接合して得た弾性力を介在し該本体に設置した上記指令伝達機が上記摺動装置から上記伝達車への指令及び上記弾性装置への指令を施して夫々伝達体接触径及びトルクを定め上記伝達車へ該接触径に対応したトルクを可変付与してなる可変伝動装置。
【請求項2】
請求項1において、上記摺動装置は、該伝達車変速移動分の加圧力指令を上記弾性装置圧縮移動分の弾性力指令に直列重畳して施し該弾性力指令が自動調芯機能で該伝達体接触径を定めてなる可変伝動装置。
【請求項3】
弾性装置と、二摺動具間を加圧媒体で変位する第1及び第2摺動装置又は単一摺動装置と、該摺動具に可変指令を送る指令伝達機と、伝達車を跨ぐ伝達軸及び軸受で成る圧力伝達手段とを連結した加圧装置は、上記第2又は単一摺動装置が上記弾性装置を直列加圧して得た弾性力を上記伝達車に与え伝達体接触径に対応したトルクを施す為上記摺動装置及び上記弾性装置の組立体と上記伝達車に施す軸受との間、上記第1摺動装置と上記第2摺動装置との間、又は上記指令伝達機と上記摺動装置との間に配した上記圧力伝達手段が上記伝達軸を回転し、圧力変化し又は摺動変位して指令伝達してなる可変伝動装置。
【請求項4】
弾性装置と二摺動具間を加圧媒体で変位する摺動装置と該摺動具に可変指令を送る指令伝達機とを連結した加圧装置は、伝達車を跨ぐ圧力伝達手段を経由し又は非経由で上記摺動装置が上記弾性装置を直列接合して得た弾性力を伝達車と本体間に介在し上記伝達車へ伝達体接触径に対応したトルクを施すと共に上記摺動装置及び/又は上記圧力伝達手段が連結する上記弾性装置の弾性振動を伴って上記伝達車へ指令伝達して伝達体への自動調芯機能を果す連結器を備えてなる可変伝動装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4において、上記加圧装置は、上記指令伝達機から上記伝達車に至る指令伝達経路内の上記摺動具にスプライン軸で成る上記連結器を構成して上記弾性装置を弾性振動可能に支持してなる可変伝動装置。
【請求項6】
弾性装置を直列圧縮し得た弾性力を第一伝達車に施す第一摺動装置に送る第一指令伝達機の第一指令が伝達体接触径及びトルクを決る第一加圧装置と、加圧力を第二伝達車に施す第二摺動装置に送る第二指令伝達機の第二指令が速比を決る第二加圧装置とは、上記第二加圧装置が第二指令で速比減少時には上記第一加圧装置が第一指令で該伝達体接触径及びトルクを同時減少させ逆に第二指令で速比増大時には第一指令で該伝達体接触径及びトルクを同時増大させる同期操作により定馬力伝動を果してなる可変伝動装置。
【請求項7】
弾性装置を直列圧縮し得た弾性力を第一伝達車に施す第一摺動装置に指令動力を送る第一指令伝達機で伝達体接触径及びトルクが決る第一加圧装置と、加圧力を第二伝達車に施す第二摺動装置へ指令動力を送る第二指令伝達機で速比が決る第二加圧装置と、更に上記第一及び第二加圧装置に夫々第一及び第二指令を施す駆動源とを有し、第一指令は上記第一伝達車への指令及び上記弾性装置への指令で夫々該接触径及び挟持圧を決めかつ第二指令は上記第二伝達車での該伝達体位置決め変位を決るのに伴い第一及び第二指令が夫々該接触径に対応したトルク及び速比の三要素を個別操作してなる可変伝動装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6又は7において、上記加圧装置は、上記摺動装置を二摺動具間がボール媒体を介在して変位するボール摺動装置でかつ上記指令伝達機をウォームからホイールへの一方向にのみ伝えるウォーム伝達機で夫々構成し該ウォームに速比指令又はトルク指令の可変指令を施してなる可変伝動装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−107760(P2012−107760A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−47453(P2012−47453)
【出願日】平成24年3月3日(2012.3.3)
【分割の表示】特願2009−161404(P2009−161404)の分割
【原出願日】平成10年10月7日(1998.10.7)
【出願人】(593006320)東京自動機工株式会社 (7)
【Fターム(参考)】