説明

可変容量過給機

【課題】シュラウドプレートの加工が容易となり、製造コストの低減を図ることができる。
【解決手段】可変容量過給機1におけるシュラウド機構10は、リング状をなす一対のシュラウドプレート11、12どうしが所定の離間間隔をもって対向配置されるとともに、それらシュラウドプレート11、12によって揺動可能に支持された複数の可変ノズルベーン8、8、…が設けられており、一方の第1シュラウドプレート11は、一対のシュラウドプレート11、12どうしが対向する面と反対の側面に対して略直交する方向に突出するボルトの機能を有するピン部材15を一体化させている。一対のシュラウドプレート11、12は、それぞれ周方向に均一な厚さ寸法で形成された薄平板部材とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変ノズル機構を備えた可変容量過給機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン(内燃機関)の給気通路上にコンプレッサホイールを配するとともに、このコンプレッサホイールと回転軸を共有するタービンホイールを排気通路上に配設し、排気エネルギーを利用して吸入空気の過給を行う過給機が知られている。このような過給機においては、タービンホイールへの排気流入部に複数の可変ノズルベーンを設け、タービンへの排気流入流速を制御してタービン効率を向上させる機構を備えたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
このような過給機では、給気通路上のコンプレッサホイールと排気通路上のタービンホイールとが回転軸によって連結されており、排気エネルギーを用いてタービンホイールを回転させることで、回転軸を介してコンプレッサホイールを回転させて過給を行う構成となっている。
【0003】
図6は、上述した特許文献1に記載されている従来の過給機の一例であり、可変ノズルベーンを備えた可変容量過給機の断面図である。すなわち、図6に示す可変容量過給機100では、タービンホイール101への排気流入部に設けられる複数の可変ノズルベーン102が一対のシュラウドプレート103、104によって揺動可能で開度可変に取り付けられている。これらシュラウドプレート103、104は、互いに隙間調整ピン108によって一定の間隔をもって固定されており、一方の固定側シュラウドプレート103がタービンハウジング105に取り付けられるカバー106に固定ボルト107によって固定されている。そして、固定用シュラウドプレート103は、タービン中心軸線と同軸に配置されるリング状に形成されるとともに、断面視L字状をなしている。そして、タービン軸方向に沿うL字の一辺に相当する板厚部103aには、固定用シュラウドプレート101の厚さ方向(タービンの軸線方向に平行となる方向)に向けて前記固定ボルト107を螺合させるための雌ねじを形成したボルト孔103bが設けられている。
【0004】
また、図7は、上述した特許文献2に記載されている従来の過給機の一例であり、(a)は可変ノズルベーンを備えた可変容量過給機の断面図、(b)はシュラウドプレートの一部拡大図である。すなわち、図7(a)に示す可変容量過給機200では、タービンホイール201への排気流入部に設けられる複数の可変ノズルベーン202が一対のシュラウドプレート203、204の間に配置されている。これらシュラウドプレート203、204は、互いに隙間調整ピン208によって一定の間隔をもって配置されており、タービンハウジング205とカバー206によって挟持された状態で固定されている。図7(b)に示すように、一方の固定側シュラウドプレート203には、可変ノズルベーン202を駆動するためのリンク機構207に連結された支持軸部209が回転可能に支持されており、この支持軸部209に可変ノズルベーン202が固定され、リンク機構207の駆動により複数の可変ノズルベーン202が揺動可能で開度可変に取り付けられている。固定用シュラウドプレート203は、図6と同様にタービン中心軸線と同軸に配置されるリング状に形成されるとともに、断面視L字状をなし、タービン軸方向に沿うL字の一辺に相当する板厚部203aに支持軸部209が挿通支持された構造となっている。
【特許文献1】特開2006−348892号公報
【特許文献2】特開平11−62603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の可変容量過給機では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1(図6参照))では、可変ノズルベーン102を揺動可能に支持する固定用シュラウドプレート103がタービンハウジング105にボルト締結により固定され、その固定用シュラウドプレート103にはボルト締結用の雌ねじが形成された構造となっている。そして、ボルト締結による場合には、上述したような十分なねじ深さを確保するために、そのねじ部(ボルト孔103b)において固定用シュラウドプレート103の厚さ寸法を大きくする必要があった。
一方、特許文献2(図7参照)では、可変ノズルベーン202が支持軸部209によって片持で支持されており、これにより固定シュラウドプレート203には支持軸部209を挿通支持させるための十分な挿通長さ寸法を確保する必要があり、そのため固定用シュラウドプレート203の厚さ寸法を大きくする必要があった。
このように、特許文献1、2の可変容量過給機では、シュラウドプレートが複雑な加工を施した形状となり、このシュラウドプレートにおいては精度が要求されることから、シュラウドプレートの削り出す加工に手間がかかり、製造コストが増大するといった問題があり、その点で改良の余地があった。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、シュラウドプレートの加工が容易となり、製造コストの低減を図ることができる可変容量過給機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る可変容量過給機では、排気ガスで回転駆動するタービンホイールを内部に収納するタービンハウジングと、タービンホイールの近傍に配置された複数の可変ノズルベーンの開度を可変可能に保持するシュラウド機構とを備えた可変容量過給機であって、シュラウド機構は、リング状をなす一対のシュラウドプレートどうしが所定の離間間隔をもって対向配置されるとともに、それらシュラウドプレートによって揺動可能に支持された複数の可変ノズルベーンが設けられてなり、一方の固定用シュラウドプレートは、一対のシュラウドプレートどうしが対向する面と反対の側面に対して略直交する方向に突出するボルトの機能を有するピン部材が一体化され、一対のシュラウドプレートは、それぞれ周方向に均一な厚さ寸法で形成された薄平板部材であることを特徴としている。
【0008】
本発明では、従来のように固定用シュラウドプレートをボルト締めによりタービンハウジング等に固定させるために固定用シュラウドプレートの雌ねじ(ボルト孔)のねじ深さを十分に確保するといった構造にする必要がなく、薄平板部材からなる固定用シュラウドプレートにボルト機能を有するピン部材を例えばかしめや圧入により一体化させ、そのピン部材をタービンハウジングやタービンハウジングに取り付けられるカバーに係止させることで、シュラウド機構を所定の位置に固定することができる。また、各可変ノズルベーンを一対のシュラウドプレートによって両持支持する構造とすることで、一方のシュラウドプレートで受けもつ可変ノズルベーンの支持力が抑えられることから、薄く且つ平板状のシュラウドプレートであっても確実に可変ノズルベーンを支持することが可能な構造を実現することができる。そして、一対のシュラウドプレートがそれぞれ周方向に均一な厚さ寸法で、薄平板状であることから、シュラウドプレートの加工が容易になるという利点がある。
【0009】
また、本発明に係る可変容量過給機では、一対のシュラウドプレートどうしは、それぞれ同じ厚さ寸法であることが好ましい。
【0010】
本発明では、一対のシュラウドプレートを同じ形状および寸法で製作することができるので、シュラウドプレートの加工にかかる手間を少なくすることができ、加工の効率化を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の可変容量過給機によれば、可変ノズルベーンを支持する一対のシュラウドプレートがそれぞれ薄平板状であり、複雑な加工を施す必要がなくなるので、これらシュラウドプレートの加工が容易になり、また部材の縮小化により製造コストの低減を図ることができる。さらに、装置の小型化および軽量化が図れるので、組み付け作業を簡略化させることが可能となるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態による可変容量過給機について、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態による可変容量過給機の概略構成を示す側断面図、図2は図1に示すシュラウド機構の拡大図、図3はシュラウド機構のピン部材を示す要部拡大図、図4は図2に示すA−A線断面図、図5は図2に示すB−B線断面図である。
【0013】
図1の符号1は、例えば車両のエンジン(内燃機関)に備えられた本実施の形態による可変容量過給機1を示している。
図1に示すように、可変容量過給機1は、エンジンの給気通路上にコンプレッサホイール2を配するとともに、このコンプレッサホイール2と回転軸3を共有するタービンホイール4を排気通路上に配設し、排気エネルギーを利用して吸入空気の過給を行う周知の機能を有する構造となっている。なお、本実施の形態では、図1乃至図3において、紙面右側を給気側、その反対側の紙面左側を排気側として以下統一して説明する。
【0014】
具体的に、可変容量過給機1は、センターハウジング5と、このセンターハウジング5の給気側(図1で右側)の一端に取り付けられたコンプレッサハウジング6と、センターハウジング5の排気側(図1で左側)の他端に取り付けられたタービンハウジング7とから外殻が形成されており、さらに両端にコンプレッサホイール2と、タービンホイール4とを有する回転軸3がセンターハウジング5内を貫通して配されている。つまり、回転軸3は、この中心軸線を中心にしてセンターハウジング5に対してベアリング51、51を介して回転可能に支持されている。コンプレッサホイール2は、コンプレッサハウジング6内に収納され、一方、タービンホイール4がタービンハウジング7内に収納されている。
【0015】
図2に示すように、タービンハウジング7には、スクロール流路Fが形成されており、このスクロール流路Fの内周側には環状の排気ガス流路fが形成されている。そして、タービンハウジング7は、センターハウジング5にボルト52によって固定され、タービンホイール4を半径方向に離間して囲むようにして配置され、タービンハウジング7の給気側寄り(センターハウジング5寄り)の位置には、複数の可変ノズルベーン8、8、…を備えたシュラウド機構10が配設されている。
【0016】
シュラウド機構10は、一対のリング状の薄平板部材からなる第1シュラウドプレート11、及び第2シュラウドプレート12が互いに離間間隔をもって対向しつつ、回転軸3の中心軸線に同軸に配置されるとともに、これらシュラウドプレート11、12の対向する面において、複数(ここでは、15個)の可変ノズルベーン8、8、…が揺動可能に保持された構成となっている。なお、これらシュラウドプレート11、12どうしの間は、タービンホイール4からタービンハウジング7のスクロール流路Fへの流入口(排気ガス流路f)の位置に一致している。このシュラウド機構10は、一対のシュラウドプレート11、12、複数の可変ノズルベーン8、8、…、および可変ノズルベーン8、8、…を揺動させるためのリンク機構14が組み合わされた複合体となっている。
【0017】
そして、排気側に位置する第1シュラウドプレート11と給気側に位置する第2シュラウドプレート12とは、それぞれ複数(図4では、5箇所)の隙間調整ピン13、13、…によって固定されている。この隙間調整ピン13は、一対のシュラウドプレート11、12どうしの間隔を一定に保持するためのものである。各隙間調整ピン13は、その両端部13a、13aがそれぞれ各シュラウドプレート11、12の厚さ方向に挿通された状態で支持されている。
【0018】
図3に示すように、一対のシュラウドプレート11、12は、それぞれ周方向に均一な厚さ寸法により形成されており、各厚さ寸法D1、D2は同じ寸法となっている。また、図4および図5に示すように、両シュラウドプレート11、12は、それぞれに形成されている隙間調整ピン13、13、…の挿通孔、およびノズル駆動軸141、141、…の挿通孔が同じ位置となっている。つまり、第1シュラウドプレート11は、ピン部材15を挿通させる貫通孔11bが設けられている点で、第2シュラウドプレート12の構造と異なった構成となっている。
【0019】
そして、第1および第2シュラウドプレート11、12には複数のノズル駆動軸141が回転可能な状態で挿通支持されており、そのノズル駆動軸141にはシュラウドプレート11、12どうしの間の位置において可変ノズルベーン8が固定されている。つまり、各可変ノズルベーン8は、ノズル駆動軸141を介して両シュラウドプレート11、12に両持支持された状態となっている。リンク機構14は、複数のリンクを組み付けた構成であり、図示しないアクチュエータによってこれらリンクを介して複数のノズル駆動軸141、141、…(図4参照)を軸回転させる構造となっている。
【0020】
つまり、アクチュエータの駆動によって各リンクが駆動し、各ノズル駆動軸141を中心軸線を中心にして回転させることで、ノズル駆動軸141に連結されている各可変ノズルベーン8がノズル駆動軸141を中心にして揺動し、これにより可変ノズルベーン8の開度が変わり、排気ガスの吸入量を変化させてタービンの回転数をコントロールすることが可能となっている。
【0021】
図2および図3に示すように、第1シュラウドプレート11には、排気側の側面11a(一対のシュラウドプレート11、12どうしが対向する面と反対の排気側の側面)に対して略直交する方向に突出する先端部に雄ねじ15bを形成させたボルト機能を有するピン部材15、15、…がプレート周方向に所定間隔をあけて複数本(図4では、5本)設けられている。つまり、各ピン部材15は、基端部15aが第1シュラウドプレート11に一体化された状態で、タービンハウジング7に形成されているボルト孔7aに挿通され、その先端部の雄ねじ15bにタービンハウジング7の外方(排気側)からナット16を螺合させて締結できるように構成されている。ナット16は、タービンハウジング7に形成されたボルト孔7aに連通する凹部7b内でピン部材15の先端部15bに螺合されている。
【0022】
図3に示すように、さらに具体的にピン部材15は、第1シュラウドプレート11に対してかしめにより一体に固定されている。つまり、第1シュラウドプレート11にはピン部材15の基端部15aを嵌合させるための貫通孔11bが厚さ方向に貫通して形成されており、この貫通孔11bに挿通させた状態で、第1シュラウドプレート11の外周部を押圧することにより、ピン部材15の基端部15aを周囲からかしめて圧接した状態のかしめ部Kを形成させている。このように、ピン部材15の基端部15aは、第1シュラウドプレート11とのかしめ部Kにおいてシュラウド機構10の荷重を受ける受け面が形成された状態となっている。
ここで、ピン部材15の材質としては、熱膨張による軸力変化を考慮して、タービンハウジング7の熱膨張と同等になるものを採用する。
【0023】
また、第1シュラウドプレート11の貫通孔11bは、給気側(対向する第2シュラウドプレート12側)の端部位置において、給気側に向けて漸次内径寸法が大きくなるテーパ面11cが形成されている。このように貫通孔11bにテーパ面11c形成することによって、かしめ易くなるとともに、第1シュラウドプレート11とピン部材15とを確実に固定して一体化させることが可能となっている。
【0024】
次に、上述した可変容量過給機1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3に示すように、本可変容量過給機1では、従来のようにシュラウドプレートをボルト締めによりタービンハウジング等に固定させるために固定用シュラウドプレートの雌ねじ(ボルト孔)のねじ深さを十分に確保するといった構造にする必要がなく、薄平板部材からなる第1シュラウドプレート11にボルト機能を有するピン部材15を一体化させ、第1シュラウドプレート11に対するピン部材15の支持力がねじ構造によらずに確実に得られ、そのピン部材15をタービンハウジング7に係止させることができる。つまり、ピン部材15の基端部15aを第1シュラウドプレート11に挿通させた状態で、第1シュラウドプレート11を厚さ方向に対して略直交する方向に押圧し、ピン部材15の基端部周囲をかしめることで、その基端部15aと第1シュラウドプレート11とが圧接した状態で固定され、ピン部材15と第1シュラウドプレート11とを互いに一体化させることができる。そして、タービンハウジング7のボルト孔7aにピン部材15を挿通し、そのピン先端部の雄ねじ15bにナット16を締結することにより、シュラウド機構10を所定の位置に固定することができる。
【0025】
また、各可変ノズルベーン8を一対のシュラウドプレート11、12によって両持支持する構造とすることで、一方のシュラウドプレート11(12)で受けもつ可変ノズルベーン8の支持力が抑えられることから、薄く且つ平板状のシュラウドプレート11、12であっても確実に可変ノズルベーン8、8、…を支持することが可能な構造を実現することができる。そして、一対のシュラウドプレート11、12がそれぞれ周方向に均一な厚さ寸法で、薄平板状であることから、シュラウドプレート11、12の加工が容易になるという利点がある。
しかも、本可変容量過給機1では、一対のシュラウドプレート11、12を同じ形状および寸法で製作することができるので、シュラウドプレート11、12の加工にかかる手間を少なくすることができ、加工の効率化を図ることができる。
【0026】
上述した本実施の形態による可変容量過給機では、可変ノズルベーン8を支持する一対のシュラウドプレート11、12がそれぞれ薄平板状であり、複雑な加工を施す必要がなくなるので、これらシュラウドプレート11、12の加工が容易になり、また部材の縮小化により製造コストの低減を図ることができる。さらに、装置の小型化および軽量化が図れるので、組み付け作業を簡略化させることが可能となるといった効果を奏する。
【0027】
以上、本発明による可変容量過給機の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態ではかしめによってピン部材15と第1シュラウドプレート11とを一体化させた構造としているが、このような固定構造に限定されることはなく、例えば第1シュラウドプレート11に対してピン部材15を圧入することによって一体化させる固定構造であってもかまわない。要は、第1シュラウドプレート11が薄平板部材から形成されているので、ねじ部を確保する必要があって厚さが大きくなるねじ構造によらない固定方法であって、第1シュラウドプレート11に対するピン部材15の支持力が得られれる固定構造であればよいのである。
【0028】
また、本実施の形態では、一対のシュラウドプレート11、12の厚さ寸法D1、D2(図3参照)を同じ寸法としているが、双方が異なる厚さ寸法であってもよい。つまり、シュラウドプレート11、12は、それぞれが少なくとも周方向に均一の厚さ寸法であって薄平板状であれば、本願発明の加工を容易にすることができるといった利点を得ることができる。なお、一対のシュラウドプレート11、12の厚さ寸法D1、D2(図3参照)は、過給機の大きさ、可変ノズルベーン8の数量などによって任意に設定することができる。
【0029】
さらに、本実施の形態ではシュラウド機構10をタービンハウジング7に固定させた構造としているが、これに限定されることはなく、例えばタービンハウジングに取り付けられるカバーにシュラウド機構10(ピン部材15)を固定する形態であってもかまわない。
さらにまた、リンク機構14の構造、および可変ノズルベーン8、隙間調整ピン13の数量、寸法などの構成は本実施の形態に限定されることはなく、タービンの性能に応じて適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態による可変容量過給機の概略構成を示す側断面図である。
【図2】図1に示すシュラウド機構の拡大図である。
【図3】シュラウド機構のピン部材を示す要部拡大図である。
【図4】図2に示すA−A線断面図である。
【図5】図2に示すB−B線断面図である。
【図6】従来の過給機の一例であり、可変ノズル機構を備えた可変容量過給機の断面図である。
【図7】従来の過給機の他の一例であり、(a)は可変ノズルベーンを備えた可変容量過給機の断面図、(b)はシュラウドプレートの一部拡大図である。
【符号の説明】
【0031】
1 可変容量過給機
2 コンプレッサホイール
3 回転軸
4 タービンホイール
5 センターハウジング
6 コンプレッサハウジング
7 タービンハウジング
7a ボルト孔
8 可変ノズルベーン
10 シュラウド機構
11 第1シュラウドプレート(固定用シュラウドプレート)
11b 貫通孔
12 第2シュラウドプレート
13 隙間調整ピン
14 リンク機構
15 ピン部材
15a 基端部
15b 雄ねじ
16 ナット
D1、D2 シュラウドプレートの厚さ寸法
K かしめ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスで回転駆動するタービンホイールを内部に収納するタービンハウジングと、前記タービンホイールの近傍に配置された複数の可変ノズルベーンの開度を可変可能に保持するシュラウド機構とを備えた可変容量過給機であって、
前記シュラウド機構は、リング状をなす一対のシュラウドプレートどうしが所定の離間間隔をもって対向配置されるとともに、それらシュラウドプレートによって揺動可能に支持された複数の前記可変ノズルベーンが設けられてなり、
一方の固定用シュラウドプレートは、一対の前記シュラウドプレートどうしが対向する面と反対の側面に対して略直交する方向に突出するボルトの機能を有するピン部材が一体化され、
一対の前記シュラウドプレートは、それぞれ周方向に均一な厚さ寸法で形成された薄平板部材であることを特徴とする可変容量過給機。
【請求項2】
一対の前記シュラウドプレートどうしは、それぞれ同じ厚さ寸法であることを特徴とする請求項1に記載の可変容量過給機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−48195(P2010−48195A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214311(P2008−214311)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】