可変抵抗回路および発振回路
【課題】回路規模を比較的小さくすることができ且つ高精度な抵抗値調整が可能な可変抵抗回路を提供し、また、かかる可変抵抗回路を用いた比較的回路規模が小さく高精度な発振周波数を実現し得る発振回路を提供する。
【解決手段】
可変抵抗回路は、複数の抵抗素子からなる第1の直列抵抗回路と、制御信号に応じて第1の直列抵抗回路の所定のノードのうちの1つを選択的に第1の端子に接続せしめる第1のスイッチ部と、を有する第1の抵抗調整回路と、第2の端子に接続された複数の抵抗素子からなる第2の直列抵抗回路と、制御信号に応じて第1の直列抵抗回路を第2の直列抵抗回路の所定ノードのうちの1つに選択的に接続せしめる第2のスイッチ部と、を有する第2の抵抗調整回路と、を含む。
【解決手段】
可変抵抗回路は、複数の抵抗素子からなる第1の直列抵抗回路と、制御信号に応じて第1の直列抵抗回路の所定のノードのうちの1つを選択的に第1の端子に接続せしめる第1のスイッチ部と、を有する第1の抵抗調整回路と、第2の端子に接続された複数の抵抗素子からなる第2の直列抵抗回路と、制御信号に応じて第1の直列抵抗回路を第2の直列抵抗回路の所定ノードのうちの1つに選択的に接続せしめる第2のスイッチ部と、を有する第2の抵抗調整回路と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変抵抗回路および可変抵抗回路を備えた発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
矩形状パルスを出力する発振回路として、シュミットインバータを用いたCR発振回路が知られている。かかる発振回路は、抵抗素子の抵抗値とコンデンサの容量値によって定まる時定数に応じた発振周波数を有する。
【0003】
かかる発振回路において高精度な発振周波数を実現するために、抵抗素子の抵抗値およびコンデンサCの容量値の少なくとも一方を可変とし、目標とする発振周波数となるように抵抗値および容量値を調整することが行われている。
【0004】
特許文献1には、基準クロックに基づいて測定される所定時間内においてクロックのパルス数をカウントするカウンタ部と、複数のトリミングデータを格納し、上記カウンタ部のカウント値に応じてトリミングデータを抽出する記憶部と、抽出されたトリミングデータに応じて抵抗値および容量値を変化せしめるトリミング手段とを備えた発振回路が開示されている。
【0005】
特許文献2は、発振回路に係るものではないが、所望の出力電位を得るために、電源電圧とグランド電位との間に直列に接続された複数の抵抗からなる抵抗ラダー回路と、上記抵抗ラダー回路にツリー状に接続されたスイッチ素子群とからなるトリミングブロックが開示されている。かかるトリミングブロックにおいて、スイッチ素子は供給されるトリミング信号に応じてオン状態となり、抵抗ラダー回路の任意のノードから所望の電圧が抽出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−229630号公報
【特許文献2】特開2008−140961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、各種ディジタル機器の高機能化に伴って、高精度の発振周波数特性を有する発振回路が要求されている。その一方、装置の小型化および低コスト化の要求もある。水晶振動子やセラミック振動子を用いることにより高精度の発振器を構成することが可能となるが、これらの振動子はICに対して外付け部品となるため更なる小型化やコストダウンが容易ではない。
【0008】
水晶振動子やセラミック振動子を用いることなく、高精度の発振周波数を実現しようとする場合、特許文献1に記載されるように発振回路内に複数の抵抗素子およびコンデンサを設け、これらを適宜選択して発振周波数を調整する方式が考えられる。しかしながら、発振回路をICで構成する場合、コンデンサはIC内部で比較的大きな面積を占有する。従って、互いに容量値の異なる複数のコンデンサをIC内に設けることはチップ面積の増大を招く。これを回避するために、IC内に設けるコンデンサの数を少なくした場合には、発振周波数の調整範囲が制限され、又は周波数調整分解能が低下するため高精度な周波数調整が困難となる。一方、コンデンサの容量値を固定値とした場合には、抵抗素子の数を多くすることより高精度化に対応させる必要がある。しかしながら、特許文献2に記載されるようなツリー状のスイッチ素子群を用いて抵抗値を選択する方式では、抵抗素子の数が増加するにつれてスイッチ素子群の規模が大きくなる。抵抗素子の数が増加すると、複数段のスイッチ素子が電流経路に挿入されることとなり、スイッチ素子が例えばトランジスタで構成される場合には、トランジスタのオン抵抗の影響が無視できなくなる。従って、特許文献2に示されるトリミングブロックをCR発振回路に適用した場合には、スイッチ素子のオン抵抗が発振周波数の精度を低下させる要因となる。また、トランジスタのオン抵抗はスレッシュ電圧のバラツキ、電圧および温度変動の影響を受けるため、これらが発振周波数の変動要因となる。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、回路規模を比較的小さくすることができ且つ高精度な抵抗値調整が可能な可変抵抗回路を提供すること、およびかかる可変抵抗回路を用いた比較的回路規模が小さく高精度な発振周波数を実現し得る発振回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る可変抵抗回路は、制御信号に応じて第1の端子と第2の端子との間の抵抗値を変化せしめる可変抵抗回路であって、複数の抵抗素子からなる第1の直列抵抗回路と、前記制御信号に応じて前記第1の直列抵抗回路の所定のノードのうちの1つを選択的に前記第1の端子に接続する第1のスイッチ部と、を有する第1の抵抗調整回路と、前記第2の端子に接続された複数の抵抗素子からなる第2の直列抵抗回路と、前記制御信号に応じて前記第1の直列抵抗回路を前記第2の直列抵抗回路の所定ノードのうちの1つに選択的に接続する第2のスイッチ部と、を有する第2の抵抗調整回路と、を含むことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る発振回路は、上記の可変抵抗回路を有する発振回路である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る可変抵抗回路によれば、回路規模を小さくすることができ且つ高精度な抵抗値調整が可能となる。また、本発明に係る発振回路によれば、回路規模が小さくすることができ且つ高精度な発振周波数を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る発振回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る発振回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る可変抵抗回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係るスイッチ回路の構成を示すブロック図である。
【図5】比較例に係る可変抵抗回路の構成を示すブロックである。
【図6】比較例に係るスイッチ回路の構成を示すブロック図である。
【図7】比較例に係る可変抵抗回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。尚、以下に示す図において、実質的に同一又は等価な構成要素、部分には同一の参照符を付している。
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る発振回路1の構成を示すブロック図である。シュミットインバータ10の入力端子Cには、可変抵抗回路20の一方の端子Aとコンデンサ30および32の一方の端子が接続される。可変抵抗回路20は、複数の抵抗素子を含み、外部から供給されるトリミング信号Strmに応じて端子A−B間の抵抗値が変化するように構成されている。可変抵抗回路20の詳細な構成については後述する。コンデンサ30の他方の端部は接地電位に接続され、コンデンサ32の他方の端子はインバータ44bの出力端子に接続される。
【0016】
シュミットインバータ10の出力端子DはNAND回路40の一方の入力端子に接続される。NAND回路40の他方の入力端子にはインバータ42を介してイネーブル信号が供給されるようになっている。イネーブル信号は、発振回路1の出力を有効とするか否かを制御するための制御信号である。
【0017】
NAND回路40の出力端子は、フリップフロップ46のクロック入力端子CLKに接続されるとともにインバータ44a、44bおよび44cを介して可変抵抗回路の端子Bに接続される。フリップフロップ46は、クロック入力に対してトグル動作をするように構成されたT型フリップフロップである。フリップフロップ46の出力端子Qはインバータ48を介して出力端子OUTに接続される。
【0018】
上記構成を有する発振回路1の発振動作について、図2に示すタイミングチャートを参照しつつ説明する。シュミットインバータ10は、互いに電圧レベルの異なる2つのスレッシュホールド電圧Vth1およびVth2を持つ。発振回路1において電源が投入され、イネーブル信号が発振回路1の出力が有効であることを示すローレベルを呈すると、NAND回路40の出力がローレベルとなる。これにより、インバータ44bの出力がローレベル、インバータ44cの出力がハイレベルとなり、可変抵抗回路20を介してコンデンサ30および32の充電が開始される。すると、シュミットインバータ10の入力電圧はCR時定数で定まる変化率で上昇する。シュミットインバータ10の入力電圧がシュミットインバータ10のスレッシュホールド電圧Vth1に達すると、シュミットインバータ10の出力はローレベルに変化する。これにより、NAND回路40の出力は、ハイレベル、インバータ44bおよび44cの出力はそれぞれハイレベルおよびローレベルとなり、コンデンサ30および32にチャージされた電荷は可変抵抗回路20を介して放電される。すると、シュミットインバータ10の入力電圧はCR時定数で定まる変化率で低下する。シュミットインバータ10の入力電圧がスレッシュホールド電圧Vth2に達すると、シュミットインバータ10の出力はハイレベルに変化して、再びコンデンサ30および32の充電が開始される。シュミットインバータ10は、かかる動作を繰り返し、所定の発振周波数を有する矩形状パルスを出力する。トリミング信号Strmに応じて可変抵抗回路20のA−B端子間の抵抗値が変化することにより、シュミットインバータ10の出力信号の発振周波数は変化する。
【0019】
シュミットインバータ10の出力信号は、NAND回路40を介してフリップフロップ46のクロック入力端子に入力される。NAND回路40は、イネーブル信号が出力有効を示すローレベルを呈する間、シュミットインバータ10の出力を反転させた出力信号を生成する。フリップフロップ46はT型フリップフロップを構成し、クロック入力の立ち上がりエッジ毎に出力信号を直前の状態から反転させるトグル動作を行う。フリップフロップ46の出力信号は、インバータ48を介して出力端子OUTに出力される。出力端子OUTからはシュミットインバータ10の出力信号に同期した矩形状パルスが出力される。
【0020】
発振回路1は、トリミング信号Strmにより可変抵抗回路20の端子A−B間の抵抗値を変化させることによりCR時定数が変化して、出力端子OUTから出力される出力信号の発振周波数が変化するようになっている。
【0021】
図3は、可変抵抗回路20の詳細な構成を示すブロック図である。可変抵抗回路20は、端子A−B間に複数の抵抗素子が直列接続された抵抗回路を有する。抵抗素子の数の合計は例えば16個である。各抵抗素子の抵抗値は互いに同一であり、その抵抗値をr[Ω]とする。各抵抗素子の具体的な抵抗値は任意に設定することができる。可変抵抗回路20は、第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25の2つのブロックにより構成されている。
【0022】
第1の抵抗調整回路22は、端子B側に設けられた互いに直列接続された例えば4個の抵抗素子R1〜R4からなる第1の直列抵抗回路23を有する。互いに隣接する各抵抗素子間の各接続点は、それぞれスイッチ回路24b、24cおよび24dに接続され、他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R1の終端は、スイッチ回路24aに接続される。スイッチ回路24a〜24dに接続された上記ノードは、スイッチ回路24a〜24dがオン状態となることにより端子Bに接続される。スイッチ回路24a〜24dは第1のスイッチ部24を構成する。
【0023】
第2の抵抗調整回路25は、互いに直列接続された例えば12個の抵抗素子R5〜R16からなる第2の直列抵抗回路26を有する。他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R16の終端は、端子Aに接続されるとともにスイッチ回路27dに接続される。抵抗素子R8とR9の接続点および抵抗素子R12とR13の接続点はそれぞれスイッチ回路27bおよび27cに接続される。他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R5の終端は、スイッチ回路27aに接続される。スイッチ回路27a〜27dに接続された上記ノードは、スイッチ回路27a〜27dがオン状態となることにより第1の直列抵抗回路23(抵抗素子R4の終端)に接続される。スイッチ回路27a〜27dは第2のスイッチ部27を構成する。
【0024】
第1および第2の抵抗調整回路に設けられたスイッチ回路24a〜24d、27a〜27dは、外部から供給されるトリミング信号Strmに応じてオンオフする。トリミング信号Strmは、例えば4ビットのディジタル信号であり、下位2ビットが第1の抵抗調整回路22を構成するスイッチ回路24a〜24dに供給され、上位2ビットが第2の抵抗調整回路25を構成するスイッチ回路27a〜27dに供給される。トリミング信号Strmの各ビットは、インバータ28を経由する経路と、インバータ28を経由しない経路に分岐され、1ビットから2つの値“0”および“1”が生成されるようになっている。
【0025】
トリミング信号Strmの各ビットに対応して設けられたインバータ回路28により、第1の抵抗調整回路22を構成する4つのスイッチ回路24a〜24dには、あらゆる入力に対して互いに異なる2ビットのトリミング信号Strmが供給されるように構成されている。すなわち、スイッチ回路24aにはトリミング信号Strmの第1ビットの反転信号と第2ビットの反転信号が供給される。スイッチ回路24bにはトリミング信号Strmの第1ビットの非反転信号と第2ビットの反転信号が供給される。スイッチ回路24cにはトリミング信号Strmの第1ビットの反転信号と第2ビットの非反転信号が供給される。スイッチ回路24dにはトリミング信号Strmの第1ビットの非反転信号と第2ビットの非反転信号が供給される。例えば、トリミング信号Strmの下位2ビットが“11”である場合、スイッチ回路24aには“00”が供給され、スイッチ回路24bには“01”が供給され、スイッチ回路24cには“10”が供給され、スイッチ回路24dには“11”が供給される。
【0026】
同様に、第2の抵抗調整回路25を構成する4つのスイッチ回路27a〜27dには、あらゆる入力に対して互いに異なる2ビットのトリミング信号Strmが供給されるように構成されている。すなわち、スイッチ回路27aにはトリミング信号Strmの第3ビットの反転信号と第4ビットの反転信号が供給される。スイッチ回路27bにはトリミング信号Strmの第3ビットの非反転信号と第4ビットの反転信号が供給される。スイッチ回路27cにはトリミング信号Strmの第3ビットの反転信号と第4ビットの非反転信号が供給される。スイッチ回路27dにはトリミング信号Strmの第3ビットの非反転信号と第4ビットの非反転信号が供給される。例えば、トリミング信号Strmの上位2ビットが“11”である場合、スイッチ回路27aには“00”が供給され、スイッチ回路27bには“01”が供給され、スイッチ回路27cには“10”が供給され、スイッチ回路27dには“11”が供給される。
【0027】
図4は、スイッチ回路24a〜24d、27a〜27dの構成を示すブロック図である。スイッチ回路24a〜24d、27a〜27dは互いに同一の構成を有する。トリミング信号Strmの上位2ビット又は下位2ビットはNAND回路51に供給される。NAND回路51は、入力された2ビットのトリミング信号Strmの否定論理積を出力し、これをインバータ52に供給するとともにトランスファーゲート53を構成するPMOSのゲートに供給する。インバータ52は、NAND回路51の出力信号を反転させ、これをトランスファーゲート53を構成するNMOSのゲートに供給する。トランスファーゲート53は、PMOSとNMOSのゲート入力に応じてオンオフするスイッチ素子である。かかる構成を有するスイッチ回路24a〜24d、27a〜27dにおいては、NAND回路51の入力信号が“11”のときのみオン状態となる。
【0028】
かかるスイッチ回路の構成およびインバータ28を含む信号分配手段により、第1の抵抗調整回路22においては、あらゆる入力に対してスイッチ回路24a〜24dのうちのいずれか1つのみがオン状態となり、第2の抵抗調整回路25においては、あらゆる入力に対してスイッチ回路27a〜27dのうちのいずれか1つのみがオン状態となる。例えばトリミング信号Strmが“1111”である場合、第1の抵抗調整回路22においてはスイッチ回路24dのみがオン状態となり、第2の抵抗調整回路25においてはスイッチ回路27dのみがオン状態となる。他のスイッチ回路はオフ状態である。これにより、端子A−B間の抵抗値はr[Ω]となり、可変抵抗回路20が設定し得る最少の抵抗値となる。一方、トリミング信号Strmが“0000”である場合、第1の抵抗調整回路22においてはスイッチ回路24aのみがオン状態となり、第2の抵抗調整回路25においてはスイッチ回路27aのみがオン状態となる。他のスイッチ回路はオフ状態である。これにより、端子A−B間の抵抗値は16r[Ω]となり、可変抵抗回路20が設定し得る最大の抵抗値となる。
【0029】
このように、可変抵抗回路20は、トリミング信号Strmに応じて第1の抵抗調整回路22を構成するスイッチ回路24a〜24dのいずれか1つおよび第2の抵抗調整回路25を構成するスイッチ回路27a〜27dのいずれか1つがオン状態となることにより、A−B間の抵抗値がr[Ω]〜16r[Ω]までr[Ω]刻みで変化するように構成されている。
【0030】
可変抵抗回路20の抵抗値が変化することにより、コンデンサ30および32の充電時間および放電時間が変化するので、発振回路1の発振周波数が変化する。
【0031】
尚、上記の説明においては、可変抵抗回路20を構成する抵抗素子の数を16としたが、これに限定されるものではなく、発振回路1において実現しようとする発振周波数の調整範囲および1段階の調整幅(すなわち調整分解能)に応じて適宜増減することができる。また、第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25がそれぞれ備える抵抗素子の数についても適宜増減することが可能である。
【0032】
図5は、本発明の実施例とは異なる比較例に係る抵抗回路200の構成を示すブロック図である。
【0033】
可変抵抗回路200は、端子A−B間に複数の抵抗素子が直列接続された抵抗回路を有する。抵抗素子の数は例えば上記した本発明の実施例と同様、16個である。各抵抗素子の抵抗値は互いに同一であり、その抵抗値をr[Ω]とする。互いに隣接する各抵抗素子間の各接続点は、それぞれスイッチ回路260b〜260pに接続され、他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R1の終端は、スイッチ回路260aに接続される。スイッチ回路260a〜260dに接続された上記ノードは、スイッチ回路260a〜260pがオン状態となることにより端子Bに接続される。他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R16の終端は、端子Aに接続される。
【0034】
スイッチ回路260a〜260pは、外部から供給されるトリミング信号Strmに応じてオンオフする。トリミング信号Strmは、例えば4ビットのディジタル信号であり、全てのビットがスイッチ回路260a〜260pに供給される。トリミング信号Strmの各ビットは、インバータ280を経由する経路と、インバータ280を経由しない経路に分岐され、1ビットから2つの値“0”および“1”が生成されるようになっている。これにより、1つのトリミング信号Strmから16の信号が生成され、それらがそれぞれスイッチ回路260a〜260pに供給されようになっている。すなわち、1つのトリミング信号Strmが入力されると、スイッチ回路260a〜260pには互いに異なる4ビットの信号が供給されるように構成されている。
【0035】
図6は、比較例に係るスイッチ回路260a〜260pの構成を示すブロック図である。スイッチ回路260a〜260hは互いに同一の構成を有する。NAND回路510が4入力である点が上記した本発明の実施例に係るスイッチ回路24a〜27dと異なる。かかる構成を有するスイッチ回路260a〜260pにおいては、NAND回路510の入力信号が“1111”のときのみオン状態となる。
【0036】
かかるスイッチ回路の構成およびインバータ280を含む信号分配手段により、あらゆる入力に対してスイッチ回路260a〜260pのうちのいずれか1つのみがオン状態となる。例えばトリミング信号Strmが“1111”である場合、スイッチ回路260pのみがオン状態となり、他のスイッチ回路はオフ状態となる。これにより、端子A−B間の抵抗値はr[Ω]となり、可変抵抗回路200が設定し得る最少の抵抗値となる。一方、トリミング信号Strmが“0000”である場合、スイッチ回路24aのみがオン状態となり、他のスイッチ回路はオフ状態となる。これにより、端子A−B間の抵抗値は16r[Ω]となり、可変抵抗回路200が設定し得る最大の抵抗値となる。
【0037】
このように、可変抵抗回路200は、トリミング信号Strmに応じてスイッチ回路260a〜260pのいずれか1つがオン状態となることにより、A−B間の抵抗値がr[Ω]〜16r[Ω]までr[Ω]刻みで変化するように構成されている。
【0038】
ここで、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20と比較例に係る可変抵抗回路200とを比較すると、両者において、抵抗素子の数および各抵抗素子の抵抗値が同じである限り、抵抗値の調整範囲および調整分解能は同じであり、可変抵抗回路としての基本性能は同等であるといえる。しかしながら、可変抵抗回路20の方がより簡略化された回路構成を有する。すなわち、比較例に係る可変抵抗回路200においては、抵抗素子の数と同数の16個のスイッチ回路が必要となるのに対して、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においてはスイッチ回路は8個である。また、比較例に係る可変抵抗回路200においては、スイッチ回路は4入力のNAND回路を備える必要があるのに対して、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においてはスイッチ回路を2入力のNAND回路で構成することが可能である。
【0039】
本実施例に係る可変抵抗回路20においては、抵抗回路を2分割するとともに、4ビットのトリミング信号Strmを分割して第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25にそれぞれ2ビットずつ割り当て、第1の抵抗調整回路22においては、いずれかのスイッチ回路がオン状態となることによりr[Ω]刻みで抵抗値が変化するようにし、第2の抵抗調整回路25においては、いずれかのスイッチ回路がオン状態となることにより4r[Ω]刻みで抵抗値が変化するようになっている。すなわち、第2の抵抗調整回路25には互いに隣接する各抵抗素子間の各接続点にスイッチ回路を有しておらず、第1の抵抗調整回路よりも大きい刻みで端子A−B間の抵抗値を変化させるように構成されている。しかしながら、第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25との組み合わせによって端子A−B間の抵抗値が定まるので、可変抵抗回路20において設定し得る抵抗値のバリエーションは比較例に係る可変抵抗回路200と同等となる。
【0040】
このように、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においては4ビットのトリミング信号Strmを第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25に分割して割り当てることにより、比較例に係る可変抵抗回路200と比較して、スイッチ回路の構成を簡略化することができる。また、第2の抵抗調整回路25においては互いに隣接する各抵抗素子間の各接続点にスイッチ回路を設けることを要しないので、スイッチ回路の数を削減することができ、回路規模を縮小することが可能となる。
【0041】
各抵抗素子間の各接続点にスイッチ回路が接続される第1の抵抗調整回路22の構成と、所定の抵抗素子間の接続点にのみスイッチ回路が接続される第2の抵抗調整回路25の構成を入れ替えた場合について考える。図7は、そのような構成を有する本発明の比較例に係る可変抵抗回路300の構成を示すブロック図である。可変抵抗回路300において、例えば、トリミング信号Strmが“0000”である場合、上記した本発明の実施例に係る可変抵抗回路20と同様、第1の抵抗調整回路220においてはスイッチ回路240aのみがオン状態となり、第2の抵抗調整回路250においてはスイッチ回路270aのみがオン状態となる。他のスイッチ回路はオフ状態である。これにより、端子A−B間の抵抗値は16r[Ω]となる。しかしながら、この場合、第1の抵抗調整回路と第2の抵抗調整回路との接続点のノードEと端子Bとの間の抵抗値が、上記本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においては4r[Ω]となるのに対して比較例に係る可変抵抗回路300においては13r[Ω]となる。ノードEと端子B間の抵抗値が高くなると、ノードEにおける電圧変化が緩やかになり、ノードEに接続されるスイッチ回路を構成するトランスファーゲートのオン抵抗の影響が大きくなり好ましくない。そこで、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においては、第1の抵抗調整回路22の抵抗値を小さくすることで、トランスファーゲートのオン抵抗の影響をより小さくしている。
【0042】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る可変抵抗回路20を用いた発振回路1によれば、外部からのトリミング信号Strmに応じて可変抵抗回路20の抵抗値が変化するので、水晶振動子やセラミック振動子を用いることなく高精度の発振周波数を実現することができる。発振回路1において容量値は固定化され、発振周波数は抵抗値の変化のみで調整されるので、IC内における占有面積が比較的大きいコンデンサを多数設けることを要せず、チップサイズの増大を回避することができる。また、可変抵抗回路20は、抵抗値の調整分解能が互いに異なる第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25との組み合わせによって抵抗値が定まるように構成されているので、可変抵抗回路全体としての抵抗値の調整範囲および調整分解能を損なうことなく、回路規模を縮小することができる。すなわち、本発明に係る可変抵抗回路20によれば、多数の抵抗素子を有する場合であっても抵抗値を選択するための選択回路(スイッチ回路)の規模を小さくすることができる。
【0043】
また、可変抵抗回路20は、第1の抵抗調整回路22を構成するスイッチ回路のうちの1つおよび第2の抵抗調整回路25を構成するスイッチ回路のうちの1つがオン状態となるように構成されている。すなわち、充放電電流経路に介在するスイッチ回路は2つのみであるので、ツリー状に接続された多段のスイッチ素子を用いる場合と比較してスイッチ回路を構成するトランジスタのオン抵抗の影響を小さくすることができる。
【0044】
このように、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20によれば、回路規模を比較的小さくすることができ且つ高精度な抵抗値調整が可能となる。また、かかる可変抵抗回路20を用いた発振回路1によれば、回路規模が小さいながらも高精度な発振周波数を実現することができる。
【0045】
尚、上記した実施例においては可変抵抗回路20を発振回路1に使用する場合を例に説明したが、可変抵抗回路20は、基準電圧回路や増幅回路等の他の回路に使用することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 発振回路
10 シュミットインバータ
20 可変抵抗回路
30、32 コンデンサ
22 第1の抵抗調整回路
23 第1の直列抵抗回路
24 第1のスイッチ部
24a〜24d スイッチ回路
25 第2の抵抗調整回路
26 第2の直列抵抗回路
27 第2のスイッチ部
27a〜27d スイッチ回路
28 インバータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変抵抗回路および可変抵抗回路を備えた発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
矩形状パルスを出力する発振回路として、シュミットインバータを用いたCR発振回路が知られている。かかる発振回路は、抵抗素子の抵抗値とコンデンサの容量値によって定まる時定数に応じた発振周波数を有する。
【0003】
かかる発振回路において高精度な発振周波数を実現するために、抵抗素子の抵抗値およびコンデンサCの容量値の少なくとも一方を可変とし、目標とする発振周波数となるように抵抗値および容量値を調整することが行われている。
【0004】
特許文献1には、基準クロックに基づいて測定される所定時間内においてクロックのパルス数をカウントするカウンタ部と、複数のトリミングデータを格納し、上記カウンタ部のカウント値に応じてトリミングデータを抽出する記憶部と、抽出されたトリミングデータに応じて抵抗値および容量値を変化せしめるトリミング手段とを備えた発振回路が開示されている。
【0005】
特許文献2は、発振回路に係るものではないが、所望の出力電位を得るために、電源電圧とグランド電位との間に直列に接続された複数の抵抗からなる抵抗ラダー回路と、上記抵抗ラダー回路にツリー状に接続されたスイッチ素子群とからなるトリミングブロックが開示されている。かかるトリミングブロックにおいて、スイッチ素子は供給されるトリミング信号に応じてオン状態となり、抵抗ラダー回路の任意のノードから所望の電圧が抽出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−229630号公報
【特許文献2】特開2008−140961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、各種ディジタル機器の高機能化に伴って、高精度の発振周波数特性を有する発振回路が要求されている。その一方、装置の小型化および低コスト化の要求もある。水晶振動子やセラミック振動子を用いることにより高精度の発振器を構成することが可能となるが、これらの振動子はICに対して外付け部品となるため更なる小型化やコストダウンが容易ではない。
【0008】
水晶振動子やセラミック振動子を用いることなく、高精度の発振周波数を実現しようとする場合、特許文献1に記載されるように発振回路内に複数の抵抗素子およびコンデンサを設け、これらを適宜選択して発振周波数を調整する方式が考えられる。しかしながら、発振回路をICで構成する場合、コンデンサはIC内部で比較的大きな面積を占有する。従って、互いに容量値の異なる複数のコンデンサをIC内に設けることはチップ面積の増大を招く。これを回避するために、IC内に設けるコンデンサの数を少なくした場合には、発振周波数の調整範囲が制限され、又は周波数調整分解能が低下するため高精度な周波数調整が困難となる。一方、コンデンサの容量値を固定値とした場合には、抵抗素子の数を多くすることより高精度化に対応させる必要がある。しかしながら、特許文献2に記載されるようなツリー状のスイッチ素子群を用いて抵抗値を選択する方式では、抵抗素子の数が増加するにつれてスイッチ素子群の規模が大きくなる。抵抗素子の数が増加すると、複数段のスイッチ素子が電流経路に挿入されることとなり、スイッチ素子が例えばトランジスタで構成される場合には、トランジスタのオン抵抗の影響が無視できなくなる。従って、特許文献2に示されるトリミングブロックをCR発振回路に適用した場合には、スイッチ素子のオン抵抗が発振周波数の精度を低下させる要因となる。また、トランジスタのオン抵抗はスレッシュ電圧のバラツキ、電圧および温度変動の影響を受けるため、これらが発振周波数の変動要因となる。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、回路規模を比較的小さくすることができ且つ高精度な抵抗値調整が可能な可変抵抗回路を提供すること、およびかかる可変抵抗回路を用いた比較的回路規模が小さく高精度な発振周波数を実現し得る発振回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る可変抵抗回路は、制御信号に応じて第1の端子と第2の端子との間の抵抗値を変化せしめる可変抵抗回路であって、複数の抵抗素子からなる第1の直列抵抗回路と、前記制御信号に応じて前記第1の直列抵抗回路の所定のノードのうちの1つを選択的に前記第1の端子に接続する第1のスイッチ部と、を有する第1の抵抗調整回路と、前記第2の端子に接続された複数の抵抗素子からなる第2の直列抵抗回路と、前記制御信号に応じて前記第1の直列抵抗回路を前記第2の直列抵抗回路の所定ノードのうちの1つに選択的に接続する第2のスイッチ部と、を有する第2の抵抗調整回路と、を含むことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る発振回路は、上記の可変抵抗回路を有する発振回路である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る可変抵抗回路によれば、回路規模を小さくすることができ且つ高精度な抵抗値調整が可能となる。また、本発明に係る発振回路によれば、回路規模が小さくすることができ且つ高精度な発振周波数を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る発振回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る発振回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る可変抵抗回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係るスイッチ回路の構成を示すブロック図である。
【図5】比較例に係る可変抵抗回路の構成を示すブロックである。
【図6】比較例に係るスイッチ回路の構成を示すブロック図である。
【図7】比較例に係る可変抵抗回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。尚、以下に示す図において、実質的に同一又は等価な構成要素、部分には同一の参照符を付している。
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る発振回路1の構成を示すブロック図である。シュミットインバータ10の入力端子Cには、可変抵抗回路20の一方の端子Aとコンデンサ30および32の一方の端子が接続される。可変抵抗回路20は、複数の抵抗素子を含み、外部から供給されるトリミング信号Strmに応じて端子A−B間の抵抗値が変化するように構成されている。可変抵抗回路20の詳細な構成については後述する。コンデンサ30の他方の端部は接地電位に接続され、コンデンサ32の他方の端子はインバータ44bの出力端子に接続される。
【0016】
シュミットインバータ10の出力端子DはNAND回路40の一方の入力端子に接続される。NAND回路40の他方の入力端子にはインバータ42を介してイネーブル信号が供給されるようになっている。イネーブル信号は、発振回路1の出力を有効とするか否かを制御するための制御信号である。
【0017】
NAND回路40の出力端子は、フリップフロップ46のクロック入力端子CLKに接続されるとともにインバータ44a、44bおよび44cを介して可変抵抗回路の端子Bに接続される。フリップフロップ46は、クロック入力に対してトグル動作をするように構成されたT型フリップフロップである。フリップフロップ46の出力端子Qはインバータ48を介して出力端子OUTに接続される。
【0018】
上記構成を有する発振回路1の発振動作について、図2に示すタイミングチャートを参照しつつ説明する。シュミットインバータ10は、互いに電圧レベルの異なる2つのスレッシュホールド電圧Vth1およびVth2を持つ。発振回路1において電源が投入され、イネーブル信号が発振回路1の出力が有効であることを示すローレベルを呈すると、NAND回路40の出力がローレベルとなる。これにより、インバータ44bの出力がローレベル、インバータ44cの出力がハイレベルとなり、可変抵抗回路20を介してコンデンサ30および32の充電が開始される。すると、シュミットインバータ10の入力電圧はCR時定数で定まる変化率で上昇する。シュミットインバータ10の入力電圧がシュミットインバータ10のスレッシュホールド電圧Vth1に達すると、シュミットインバータ10の出力はローレベルに変化する。これにより、NAND回路40の出力は、ハイレベル、インバータ44bおよび44cの出力はそれぞれハイレベルおよびローレベルとなり、コンデンサ30および32にチャージされた電荷は可変抵抗回路20を介して放電される。すると、シュミットインバータ10の入力電圧はCR時定数で定まる変化率で低下する。シュミットインバータ10の入力電圧がスレッシュホールド電圧Vth2に達すると、シュミットインバータ10の出力はハイレベルに変化して、再びコンデンサ30および32の充電が開始される。シュミットインバータ10は、かかる動作を繰り返し、所定の発振周波数を有する矩形状パルスを出力する。トリミング信号Strmに応じて可変抵抗回路20のA−B端子間の抵抗値が変化することにより、シュミットインバータ10の出力信号の発振周波数は変化する。
【0019】
シュミットインバータ10の出力信号は、NAND回路40を介してフリップフロップ46のクロック入力端子に入力される。NAND回路40は、イネーブル信号が出力有効を示すローレベルを呈する間、シュミットインバータ10の出力を反転させた出力信号を生成する。フリップフロップ46はT型フリップフロップを構成し、クロック入力の立ち上がりエッジ毎に出力信号を直前の状態から反転させるトグル動作を行う。フリップフロップ46の出力信号は、インバータ48を介して出力端子OUTに出力される。出力端子OUTからはシュミットインバータ10の出力信号に同期した矩形状パルスが出力される。
【0020】
発振回路1は、トリミング信号Strmにより可変抵抗回路20の端子A−B間の抵抗値を変化させることによりCR時定数が変化して、出力端子OUTから出力される出力信号の発振周波数が変化するようになっている。
【0021】
図3は、可変抵抗回路20の詳細な構成を示すブロック図である。可変抵抗回路20は、端子A−B間に複数の抵抗素子が直列接続された抵抗回路を有する。抵抗素子の数の合計は例えば16個である。各抵抗素子の抵抗値は互いに同一であり、その抵抗値をr[Ω]とする。各抵抗素子の具体的な抵抗値は任意に設定することができる。可変抵抗回路20は、第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25の2つのブロックにより構成されている。
【0022】
第1の抵抗調整回路22は、端子B側に設けられた互いに直列接続された例えば4個の抵抗素子R1〜R4からなる第1の直列抵抗回路23を有する。互いに隣接する各抵抗素子間の各接続点は、それぞれスイッチ回路24b、24cおよび24dに接続され、他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R1の終端は、スイッチ回路24aに接続される。スイッチ回路24a〜24dに接続された上記ノードは、スイッチ回路24a〜24dがオン状態となることにより端子Bに接続される。スイッチ回路24a〜24dは第1のスイッチ部24を構成する。
【0023】
第2の抵抗調整回路25は、互いに直列接続された例えば12個の抵抗素子R5〜R16からなる第2の直列抵抗回路26を有する。他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R16の終端は、端子Aに接続されるとともにスイッチ回路27dに接続される。抵抗素子R8とR9の接続点および抵抗素子R12とR13の接続点はそれぞれスイッチ回路27bおよび27cに接続される。他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R5の終端は、スイッチ回路27aに接続される。スイッチ回路27a〜27dに接続された上記ノードは、スイッチ回路27a〜27dがオン状態となることにより第1の直列抵抗回路23(抵抗素子R4の終端)に接続される。スイッチ回路27a〜27dは第2のスイッチ部27を構成する。
【0024】
第1および第2の抵抗調整回路に設けられたスイッチ回路24a〜24d、27a〜27dは、外部から供給されるトリミング信号Strmに応じてオンオフする。トリミング信号Strmは、例えば4ビットのディジタル信号であり、下位2ビットが第1の抵抗調整回路22を構成するスイッチ回路24a〜24dに供給され、上位2ビットが第2の抵抗調整回路25を構成するスイッチ回路27a〜27dに供給される。トリミング信号Strmの各ビットは、インバータ28を経由する経路と、インバータ28を経由しない経路に分岐され、1ビットから2つの値“0”および“1”が生成されるようになっている。
【0025】
トリミング信号Strmの各ビットに対応して設けられたインバータ回路28により、第1の抵抗調整回路22を構成する4つのスイッチ回路24a〜24dには、あらゆる入力に対して互いに異なる2ビットのトリミング信号Strmが供給されるように構成されている。すなわち、スイッチ回路24aにはトリミング信号Strmの第1ビットの反転信号と第2ビットの反転信号が供給される。スイッチ回路24bにはトリミング信号Strmの第1ビットの非反転信号と第2ビットの反転信号が供給される。スイッチ回路24cにはトリミング信号Strmの第1ビットの反転信号と第2ビットの非反転信号が供給される。スイッチ回路24dにはトリミング信号Strmの第1ビットの非反転信号と第2ビットの非反転信号が供給される。例えば、トリミング信号Strmの下位2ビットが“11”である場合、スイッチ回路24aには“00”が供給され、スイッチ回路24bには“01”が供給され、スイッチ回路24cには“10”が供給され、スイッチ回路24dには“11”が供給される。
【0026】
同様に、第2の抵抗調整回路25を構成する4つのスイッチ回路27a〜27dには、あらゆる入力に対して互いに異なる2ビットのトリミング信号Strmが供給されるように構成されている。すなわち、スイッチ回路27aにはトリミング信号Strmの第3ビットの反転信号と第4ビットの反転信号が供給される。スイッチ回路27bにはトリミング信号Strmの第3ビットの非反転信号と第4ビットの反転信号が供給される。スイッチ回路27cにはトリミング信号Strmの第3ビットの反転信号と第4ビットの非反転信号が供給される。スイッチ回路27dにはトリミング信号Strmの第3ビットの非反転信号と第4ビットの非反転信号が供給される。例えば、トリミング信号Strmの上位2ビットが“11”である場合、スイッチ回路27aには“00”が供給され、スイッチ回路27bには“01”が供給され、スイッチ回路27cには“10”が供給され、スイッチ回路27dには“11”が供給される。
【0027】
図4は、スイッチ回路24a〜24d、27a〜27dの構成を示すブロック図である。スイッチ回路24a〜24d、27a〜27dは互いに同一の構成を有する。トリミング信号Strmの上位2ビット又は下位2ビットはNAND回路51に供給される。NAND回路51は、入力された2ビットのトリミング信号Strmの否定論理積を出力し、これをインバータ52に供給するとともにトランスファーゲート53を構成するPMOSのゲートに供給する。インバータ52は、NAND回路51の出力信号を反転させ、これをトランスファーゲート53を構成するNMOSのゲートに供給する。トランスファーゲート53は、PMOSとNMOSのゲート入力に応じてオンオフするスイッチ素子である。かかる構成を有するスイッチ回路24a〜24d、27a〜27dにおいては、NAND回路51の入力信号が“11”のときのみオン状態となる。
【0028】
かかるスイッチ回路の構成およびインバータ28を含む信号分配手段により、第1の抵抗調整回路22においては、あらゆる入力に対してスイッチ回路24a〜24dのうちのいずれか1つのみがオン状態となり、第2の抵抗調整回路25においては、あらゆる入力に対してスイッチ回路27a〜27dのうちのいずれか1つのみがオン状態となる。例えばトリミング信号Strmが“1111”である場合、第1の抵抗調整回路22においてはスイッチ回路24dのみがオン状態となり、第2の抵抗調整回路25においてはスイッチ回路27dのみがオン状態となる。他のスイッチ回路はオフ状態である。これにより、端子A−B間の抵抗値はr[Ω]となり、可変抵抗回路20が設定し得る最少の抵抗値となる。一方、トリミング信号Strmが“0000”である場合、第1の抵抗調整回路22においてはスイッチ回路24aのみがオン状態となり、第2の抵抗調整回路25においてはスイッチ回路27aのみがオン状態となる。他のスイッチ回路はオフ状態である。これにより、端子A−B間の抵抗値は16r[Ω]となり、可変抵抗回路20が設定し得る最大の抵抗値となる。
【0029】
このように、可変抵抗回路20は、トリミング信号Strmに応じて第1の抵抗調整回路22を構成するスイッチ回路24a〜24dのいずれか1つおよび第2の抵抗調整回路25を構成するスイッチ回路27a〜27dのいずれか1つがオン状態となることにより、A−B間の抵抗値がr[Ω]〜16r[Ω]までr[Ω]刻みで変化するように構成されている。
【0030】
可変抵抗回路20の抵抗値が変化することにより、コンデンサ30および32の充電時間および放電時間が変化するので、発振回路1の発振周波数が変化する。
【0031】
尚、上記の説明においては、可変抵抗回路20を構成する抵抗素子の数を16としたが、これに限定されるものではなく、発振回路1において実現しようとする発振周波数の調整範囲および1段階の調整幅(すなわち調整分解能)に応じて適宜増減することができる。また、第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25がそれぞれ備える抵抗素子の数についても適宜増減することが可能である。
【0032】
図5は、本発明の実施例とは異なる比較例に係る抵抗回路200の構成を示すブロック図である。
【0033】
可変抵抗回路200は、端子A−B間に複数の抵抗素子が直列接続された抵抗回路を有する。抵抗素子の数は例えば上記した本発明の実施例と同様、16個である。各抵抗素子の抵抗値は互いに同一であり、その抵抗値をr[Ω]とする。互いに隣接する各抵抗素子間の各接続点は、それぞれスイッチ回路260b〜260pに接続され、他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R1の終端は、スイッチ回路260aに接続される。スイッチ回路260a〜260dに接続された上記ノードは、スイッチ回路260a〜260pがオン状態となることにより端子Bに接続される。他の抵抗素子との接続点を有しない抵抗素子R16の終端は、端子Aに接続される。
【0034】
スイッチ回路260a〜260pは、外部から供給されるトリミング信号Strmに応じてオンオフする。トリミング信号Strmは、例えば4ビットのディジタル信号であり、全てのビットがスイッチ回路260a〜260pに供給される。トリミング信号Strmの各ビットは、インバータ280を経由する経路と、インバータ280を経由しない経路に分岐され、1ビットから2つの値“0”および“1”が生成されるようになっている。これにより、1つのトリミング信号Strmから16の信号が生成され、それらがそれぞれスイッチ回路260a〜260pに供給されようになっている。すなわち、1つのトリミング信号Strmが入力されると、スイッチ回路260a〜260pには互いに異なる4ビットの信号が供給されるように構成されている。
【0035】
図6は、比較例に係るスイッチ回路260a〜260pの構成を示すブロック図である。スイッチ回路260a〜260hは互いに同一の構成を有する。NAND回路510が4入力である点が上記した本発明の実施例に係るスイッチ回路24a〜27dと異なる。かかる構成を有するスイッチ回路260a〜260pにおいては、NAND回路510の入力信号が“1111”のときのみオン状態となる。
【0036】
かかるスイッチ回路の構成およびインバータ280を含む信号分配手段により、あらゆる入力に対してスイッチ回路260a〜260pのうちのいずれか1つのみがオン状態となる。例えばトリミング信号Strmが“1111”である場合、スイッチ回路260pのみがオン状態となり、他のスイッチ回路はオフ状態となる。これにより、端子A−B間の抵抗値はr[Ω]となり、可変抵抗回路200が設定し得る最少の抵抗値となる。一方、トリミング信号Strmが“0000”である場合、スイッチ回路24aのみがオン状態となり、他のスイッチ回路はオフ状態となる。これにより、端子A−B間の抵抗値は16r[Ω]となり、可変抵抗回路200が設定し得る最大の抵抗値となる。
【0037】
このように、可変抵抗回路200は、トリミング信号Strmに応じてスイッチ回路260a〜260pのいずれか1つがオン状態となることにより、A−B間の抵抗値がr[Ω]〜16r[Ω]までr[Ω]刻みで変化するように構成されている。
【0038】
ここで、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20と比較例に係る可変抵抗回路200とを比較すると、両者において、抵抗素子の数および各抵抗素子の抵抗値が同じである限り、抵抗値の調整範囲および調整分解能は同じであり、可変抵抗回路としての基本性能は同等であるといえる。しかしながら、可変抵抗回路20の方がより簡略化された回路構成を有する。すなわち、比較例に係る可変抵抗回路200においては、抵抗素子の数と同数の16個のスイッチ回路が必要となるのに対して、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においてはスイッチ回路は8個である。また、比較例に係る可変抵抗回路200においては、スイッチ回路は4入力のNAND回路を備える必要があるのに対して、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においてはスイッチ回路を2入力のNAND回路で構成することが可能である。
【0039】
本実施例に係る可変抵抗回路20においては、抵抗回路を2分割するとともに、4ビットのトリミング信号Strmを分割して第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25にそれぞれ2ビットずつ割り当て、第1の抵抗調整回路22においては、いずれかのスイッチ回路がオン状態となることによりr[Ω]刻みで抵抗値が変化するようにし、第2の抵抗調整回路25においては、いずれかのスイッチ回路がオン状態となることにより4r[Ω]刻みで抵抗値が変化するようになっている。すなわち、第2の抵抗調整回路25には互いに隣接する各抵抗素子間の各接続点にスイッチ回路を有しておらず、第1の抵抗調整回路よりも大きい刻みで端子A−B間の抵抗値を変化させるように構成されている。しかしながら、第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25との組み合わせによって端子A−B間の抵抗値が定まるので、可変抵抗回路20において設定し得る抵抗値のバリエーションは比較例に係る可変抵抗回路200と同等となる。
【0040】
このように、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においては4ビットのトリミング信号Strmを第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25に分割して割り当てることにより、比較例に係る可変抵抗回路200と比較して、スイッチ回路の構成を簡略化することができる。また、第2の抵抗調整回路25においては互いに隣接する各抵抗素子間の各接続点にスイッチ回路を設けることを要しないので、スイッチ回路の数を削減することができ、回路規模を縮小することが可能となる。
【0041】
各抵抗素子間の各接続点にスイッチ回路が接続される第1の抵抗調整回路22の構成と、所定の抵抗素子間の接続点にのみスイッチ回路が接続される第2の抵抗調整回路25の構成を入れ替えた場合について考える。図7は、そのような構成を有する本発明の比較例に係る可変抵抗回路300の構成を示すブロック図である。可変抵抗回路300において、例えば、トリミング信号Strmが“0000”である場合、上記した本発明の実施例に係る可変抵抗回路20と同様、第1の抵抗調整回路220においてはスイッチ回路240aのみがオン状態となり、第2の抵抗調整回路250においてはスイッチ回路270aのみがオン状態となる。他のスイッチ回路はオフ状態である。これにより、端子A−B間の抵抗値は16r[Ω]となる。しかしながら、この場合、第1の抵抗調整回路と第2の抵抗調整回路との接続点のノードEと端子Bとの間の抵抗値が、上記本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においては4r[Ω]となるのに対して比較例に係る可変抵抗回路300においては13r[Ω]となる。ノードEと端子B間の抵抗値が高くなると、ノードEにおける電圧変化が緩やかになり、ノードEに接続されるスイッチ回路を構成するトランスファーゲートのオン抵抗の影響が大きくなり好ましくない。そこで、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20においては、第1の抵抗調整回路22の抵抗値を小さくすることで、トランスファーゲートのオン抵抗の影響をより小さくしている。
【0042】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る可変抵抗回路20を用いた発振回路1によれば、外部からのトリミング信号Strmに応じて可変抵抗回路20の抵抗値が変化するので、水晶振動子やセラミック振動子を用いることなく高精度の発振周波数を実現することができる。発振回路1において容量値は固定化され、発振周波数は抵抗値の変化のみで調整されるので、IC内における占有面積が比較的大きいコンデンサを多数設けることを要せず、チップサイズの増大を回避することができる。また、可変抵抗回路20は、抵抗値の調整分解能が互いに異なる第1の抵抗調整回路22と第2の抵抗調整回路25との組み合わせによって抵抗値が定まるように構成されているので、可変抵抗回路全体としての抵抗値の調整範囲および調整分解能を損なうことなく、回路規模を縮小することができる。すなわち、本発明に係る可変抵抗回路20によれば、多数の抵抗素子を有する場合であっても抵抗値を選択するための選択回路(スイッチ回路)の規模を小さくすることができる。
【0043】
また、可変抵抗回路20は、第1の抵抗調整回路22を構成するスイッチ回路のうちの1つおよび第2の抵抗調整回路25を構成するスイッチ回路のうちの1つがオン状態となるように構成されている。すなわち、充放電電流経路に介在するスイッチ回路は2つのみであるので、ツリー状に接続された多段のスイッチ素子を用いる場合と比較してスイッチ回路を構成するトランジスタのオン抵抗の影響を小さくすることができる。
【0044】
このように、本発明の実施例に係る可変抵抗回路20によれば、回路規模を比較的小さくすることができ且つ高精度な抵抗値調整が可能となる。また、かかる可変抵抗回路20を用いた発振回路1によれば、回路規模が小さいながらも高精度な発振周波数を実現することができる。
【0045】
尚、上記した実施例においては可変抵抗回路20を発振回路1に使用する場合を例に説明したが、可変抵抗回路20は、基準電圧回路や増幅回路等の他の回路に使用することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 発振回路
10 シュミットインバータ
20 可変抵抗回路
30、32 コンデンサ
22 第1の抵抗調整回路
23 第1の直列抵抗回路
24 第1のスイッチ部
24a〜24d スイッチ回路
25 第2の抵抗調整回路
26 第2の直列抵抗回路
27 第2のスイッチ部
27a〜27d スイッチ回路
28 インバータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号に応じて第1の端子と第2の端子との間の抵抗値を変化せしめる可変抵抗回路であって、
複数の抵抗素子からなる第1の直列抵抗回路と、前記制御信号に応じて前記第1の直列抵抗回路の所定のノードのうちの1つを選択的に前記第1の端子に接続する第1のスイッチ部と、を有する第1の抵抗調整回路と、
前記第2の端子に接続された複数の抵抗素子からなる第2の直列抵抗回路と、前記制御信号に応じて前記第1の直列抵抗回路を前記第2の直列抵抗回路の所定ノードのうちの1つに選択的に接続する第2のスイッチ部と、を有する第2の抵抗調整回路と、を含むことを特徴とする可変抵抗回路。
【請求項2】
前記第1の抵抗調整回路は、前記第2の抵抗調整回路よりも小さい刻みで前記第1の端子と第2の端子との間の抵抗値を変化させ得ることを特徴とする請求項1に記載の可変抵抗回路。
【請求項3】
前記第1の直列抵抗回路の抵抗素子の数は、前記第2の直列抵抗回路の抵抗素子の数よりも少ないことを特徴とする請求項2に記載の可変抵抗回路。
【請求項4】
前記第1のスイッチ部は、前記第1の直列抵抗回路の互いに隣接する各抵抗素子の間の各接続点および前記第1の直列抵抗回路の終端部に接続された複数のスイッチ回路を含み、前記制御信号に応じて前記複数のスイッチ回路のいずれか1つがオン状態に駆動され、
前記第2のスイッチ部は、前記第2の直列抵抗回路の互いに隣接する所定の抵抗素子の間の接続点および前記第2の抵抗調整回路の終端部に接続された複数のスイッチ回路を含み、前記制御信号に応じて前記複数のスイッチ回路のいずれか1つがオン状態に駆動されることを特徴とする請求項3に記載の可変抵抗回路。
【請求項5】
前記制御信号は、複数ビットからなるディジタル信号であり、上位ビットと下位ビットに分割されて前記第1および第2のスイッチ部にそれぞれ供給され、
前記第1および第2のスイッチ部を構成するスイッチ回路の各々は、分割された制御信号に応じて駆動されることを特徴とする請求項4に記載の可変抵抗回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1に記載の可変抵抗回路を有する発振回路。
【請求項1】
制御信号に応じて第1の端子と第2の端子との間の抵抗値を変化せしめる可変抵抗回路であって、
複数の抵抗素子からなる第1の直列抵抗回路と、前記制御信号に応じて前記第1の直列抵抗回路の所定のノードのうちの1つを選択的に前記第1の端子に接続する第1のスイッチ部と、を有する第1の抵抗調整回路と、
前記第2の端子に接続された複数の抵抗素子からなる第2の直列抵抗回路と、前記制御信号に応じて前記第1の直列抵抗回路を前記第2の直列抵抗回路の所定ノードのうちの1つに選択的に接続する第2のスイッチ部と、を有する第2の抵抗調整回路と、を含むことを特徴とする可変抵抗回路。
【請求項2】
前記第1の抵抗調整回路は、前記第2の抵抗調整回路よりも小さい刻みで前記第1の端子と第2の端子との間の抵抗値を変化させ得ることを特徴とする請求項1に記載の可変抵抗回路。
【請求項3】
前記第1の直列抵抗回路の抵抗素子の数は、前記第2の直列抵抗回路の抵抗素子の数よりも少ないことを特徴とする請求項2に記載の可変抵抗回路。
【請求項4】
前記第1のスイッチ部は、前記第1の直列抵抗回路の互いに隣接する各抵抗素子の間の各接続点および前記第1の直列抵抗回路の終端部に接続された複数のスイッチ回路を含み、前記制御信号に応じて前記複数のスイッチ回路のいずれか1つがオン状態に駆動され、
前記第2のスイッチ部は、前記第2の直列抵抗回路の互いに隣接する所定の抵抗素子の間の接続点および前記第2の抵抗調整回路の終端部に接続された複数のスイッチ回路を含み、前記制御信号に応じて前記複数のスイッチ回路のいずれか1つがオン状態に駆動されることを特徴とする請求項3に記載の可変抵抗回路。
【請求項5】
前記制御信号は、複数ビットからなるディジタル信号であり、上位ビットと下位ビットに分割されて前記第1および第2のスイッチ部にそれぞれ供給され、
前記第1および第2のスイッチ部を構成するスイッチ回路の各々は、分割された制御信号に応じて駆動されることを特徴とする請求項4に記載の可変抵抗回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1に記載の可変抵抗回路を有する発振回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−85163(P2012−85163A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230605(P2010−230605)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]