説明

可搬格納デバイス

【課題】内容表示型の可搬格納媒体を提供する。
【解決手段】可搬格納媒体ドキュメントカードは;情報をディジタルフォームで格納する不揮発性格納手段と;ユーザの開始した機能及び要求を処理し、中に格納されたドキュメントをアクセスする制御プロセッサと;ディジタル情報を読み書きするために外部デバイスへインタフェースする入出力ポートと;ユーザをドキュメントカードと直接対話させるユーザインタフェース601と;を有する可搬ユニットである。該ユーザインタフェースは;機能及びドキュメントのリストをユーザにトラバースさせる複数のトラバーサルキー606〜609と;ハイライト機能又はドキュメントをユーザに選択させる選択キー610と;ユーザの発生させた機能を処理する処理手段と;機能及びドキュメントのリストとユーザの発生させた機能に応答した情報とをディスプレイするディスプレイ603と;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して格納媒体の分野に関し、詳細にはドキュメントを格納し検索するための可搬格納媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば音楽やソフトウェア等のディジタルで作成されたワーク(作品、著作物)は、一般的に光若しくは磁気コード化ディスク等の可搬格納媒体で配給される。可搬格納媒体の内容を検索し解釈するための手段は、例えばコンピュータシステム又はコンパクトディスクプレーヤー等の再生/レンダリングデバイス中に埋め込まれているのが一般的である。ディジタルワークのかかる配給は一般的であるが、理想的ではない。可搬格納媒体の欠点は、それらが内容を明らかにしないことである。即ち、格納媒体の内容は、格納媒体を見るだけでは確認できない。内容を表示する格納媒体の一例は紙である。符号化がなされていないため、用紙を見るだけでその内容を確認することができる。
【0003】
格納媒体、例えば光又は磁気ディスクの内容を識別する単純な方法は、媒体に書き込みラベルを付けることである。ディスクを再使用する度毎に、ラベルを更新したり、新たなラベルを作成して付けたりしなければならないのは不便である。フロッピー(登録商標)ディスクを使用する時にラベルの付け替えをするのには労力が要る。さらに、格納量が増大するにつれ、全内容をリストするに足りる大きさのラベルを使用するのは実用的なことではない。光ディスク媒体の場合には、内容情報は媒体自体に印刷されるのが典型的である。光ディスクは一般に再使用されることができないので、このようなことは光ディスク技術の現段階に対しては満足できるものである。しかしながら、書き込み可能な光ディスク製品が現在利用可能である。かかる製品では、光ディスクが他の格納媒体と同じ欠陥を有することになる。ラベルをなくして、可搬格納媒体の内容を検索する唯一の方法は、適切な再生/レンダリングデバイスにその内容を挿入し、その媒体をリストするコマンドを盛り込むことである。
【0004】
本発明に関連する技術は、「スマートカード」の領域にある。スマートカードは、例えば商業的トランザクション等の種々のトランザクションを実行する便宜性を増すように実行されるものである。スマートカードの一例のアプリケーションは、小さな商業的サービスカードとしてである。かかるアプリケーションでは、スマートカードは、自動預金支払機(ATM)アクセスを提供することができると共に、例えば使用できるATMを制限してATMトランザクションの記録を維持するといった機能を実行することができる。「インテリジェントポータブルインタラクティブパーソナルデータシステム(Intelligent Portable Interactive Personal Data System )」と題されたレシン(Lessin)他の米国特許第4,868,376号は、ユーザが入力を行うためのアルファベットキーパッドと、種々のコマンドの結果をディスプレイするためのディスプレイと、マイクロプロセッサと、スマートカードを制御するためのオペレーティングシステムと、1つ以上のアプリケーションプログラムを格納するための格納装置と、情報を送信及び受信するための入力/出力ポートと、を有するスマートカードを述べている。レシン他の特許で述べられたスマートカードは、特定のアプリケーションに対してプログラムされることができる。
【0005】
さらに関連する技術は、カリフォルニア州カパティーノのアップルコンピュータ社から入手できるニュートン(TM)PDA等のパーソナルディジタルアシスタント(PDA)である。PDAは典型的にはポータブルコンピュータシステムであり、しばしば「ペン」ベースの入力デバイスを有すると特徴づけられる。PDAは一般的に、多様な個人編成機能(例えばカレンダー、アドレスブック)及びコミュニケーション(例えばメッセージ送信)機能を実行するパッケージを備えられている。あるいは、PDAは所望のアプリケーションを実行するようにプログラムされることができる。
【0006】
別の関連する技術領域はハードカードである。ハードカードは、(別個のコントローラ及びハードディスクデバイスを有するのではなく)格納コントローラに連結され格納コントローラをパッケージされているハードディスク等の格納媒体である。次いでハードカードはコンピュータシステムに連結される。典型的にハードカードは、コンピュータシステムへの連結を維持する「永久」格納媒体として使用され、可搬であることを意図されない。さらに、ハードカードは内容表示型ではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の可搬格納デバイスは、ディジタルドキュメントを格納する機能を実行する手段を備え、前記格納されたディジタルドキュメントが外部からアクセス可能であることを特徴とする、スタンドアローンオペレーションが可能なディジタルドキュメントを格納する。
また、内容を見ることができると共にコンピュータベースシステムから独立して管理されることの可能な格納媒体の機能を実行する手段を有してもよい。
ドキュメントカード(以後DocuCardと称する)を開示する。DocuCardは、その内容を見ることができ、コンピュータベースシステムから独立して管理されることの可能な格納媒体の機能を実行する。本発明の好適な実施の形態において、DocuCardは;情報をディジタルフォームで格納する不揮発性格納手段と;ユーザにより開始された機能及び要求を処理して、中に格納されたドキュメントをアクセスするための制御プロセッサと;ディジタル情報を読み書きするために外部デバイスへインタフェースする入出力(I/O)ポートと;ユーザをDocuCardと直接対話させるユーザインタフェースと;を有する可搬ユニットである。該ユーザインタフェースは;機能及びドキュメントのリストをユーザにトラバース(方向移動)させる複数のトラバーサルキーと;ハイライト(強調表示)機能又はドキュメントをユーザに選択させる選択キーと;ユーザの発生させた機能を処理する処理手段と;機能及びドキュメントのリストとユーザの発生させた機能に応答した情報とをディスプレイするディスプレイと;を含む。
【0008】
DocuCardの好適な実施の形態は、「ディジタルワークの配給及び使用を制御するためのシステム(System for Controlling the Distribution and Use of Digital Works)」と題された米国特許出願第08/344,042号(該特許出願は本発明の出願人に譲渡されている。その内容を援用して本発明の記載の一部とする)の優先権を主張して日本国特許庁へ出願した「ディジタルワークの安全な配給及び制御のためのシステムとその制御方法」という名称の特願平7−299841号で示されたリポジトリ(repository)のインスタンスである。リポジトリは、ドキュメントにアタッチされた使用権の実施を通してドキュメントへのアクセスを可能にするデバイスである。使用権は、格納されたドキュメントが如何に、そしてどのような条件の下で使用又は配給されるかを規定する。例えば、ユーザは特定のドキュメントを印刷する要求を行うことができる。ドキュメントが印刷権利をアタッチされていなければ、ドキュメントは印刷されることができない。権利に関する条件は、ドキュメントが一度だけ印刷されることができるということであり得る。
【0009】
別のリポジトリに格納されたドキュメントをアクセスするための概略的なステップは、前記リポジトリにDocuCardを連結するステップと、リポジトリに格納されたドキュメントをアクセスするために機能リストをDocuCardのディスプレイ上にディスプレイするステップとを含み、前記機能の各々は使用権のインスタンスに対応する。前記ステップはさらに、前記ディスプレイされた機能リストから機能を選択するステップと、リポジトリの内容のリストを前記DocuCardのディスプレイ上にディスプレイするステップと、リポジトリの内容のリストから所望のドキュメントを選択するステップと、該所望のドキュメントが選択された機能に対応する使用権の前記インスタンスを有するかどうかをリポジトリが決定するステップと、所望のドキュメントが選択された機能に対応する使用権をアタッチされている場合に、前記ドキュメントへのアクセスをリポジトリが許諾するステップと、所望のドキュメントが選択された機能に対応する使用権をアタッチされていない場合に、前記ドキュメントへのアクセスをリポジトリが否認するステップと、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
ディジタル情報を格納するための、内容表示型のドキュメントカード(以後DocuCardと称する)を示す。DocuCardは、例えばコンピュータシステム、ディジタルコピー機、オーディオCDプレーヤー等のディジタル情報を再生又はレンダリングすることのできるシステムによりアクセスされ得るディジタル情報を格納するために使用される。かかるシステムを以後レンダリングシステムと総称する。DocuCardはまた、ドキュメントのリポジトリからドキュメントを得るために使用される。かかるリポジトリの一例は、ドキュメントの安全な配給のために使用されるキオスクである。
【0011】
DocuCardのユーティリティは多様な視点から見ることができる。或る視点から見れば、DocuCardは、ユーザがその内容をスタンドアローン形態で管理して見ることを可能とする知的格納媒体である。第2の視点からは、DocuCardはドキュメントの安全なリポジトリである。DocuCardは、「ディジタルワークの安全な配給及び制御ためのシステムとその制御方法」と題された前掲の特願平7−299841号で定義されたようなリポジトリの機能性を実行する。使用権は、ディジタルワークにアタッチされ、ディジタルワークがいかにして使用又は配給されることができるかを制御し、さらに、ディジタルワークの使用若しくは配給にかかわるあらゆる料金を特定するように使用される。リポジトリがディジタルワークをアクセスする要求を受け取ると、該リポジトリは、ディジタルワークにアタッチされた使用権を調査して、アクセスが許諾され得るかどうかを決定する。
【0012】
本明細書中で使用するように、ディジタルワーク及びドキュメントという用語は相互交換可能に使用され、ディジタルフォームに縮小されたワークを称する。これは、あらゆるテキスト、オーディオ、若しくはビジュアルワークを含むと共に、ソフトウェアプログラムに対しても使用される。
【0013】
図1は、DocuCardの好適な実施の形態の斜視図である。本発明のDocuCardは、カリフォルニア州サニーベイルのパーソナルコンピュータメモリカードインターナショナルアソシエーション(PCMCIA)により普及された基準に従って実行されるのが好ましい。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、PCMCIA基準とは違う特徴を有するように本発明を実行することも当業者には明らかであろう。いずれにせよ、PCMCIAはポータブルコンピュータシステムで使用されるように意図されたパーソナルコンピュータカードに対するオープンな基準を規定したものである。この基準は、工業基準アーキテクチャ(ISA)又は拡張工業基準アーキテクチャ(EISA)等のバス構造を支持する任意のパーソナルコンピュータシステムにおいて使用されることができる。PCMCIAカードは、サイズが小さいことと、プラグ及び再生アプリケーションに対する支持(これはコンピュータシステムがスロットへのカードの挿入を自動的に認識してその使用を可能にすることを意味する)とのために望ましい。かかるプラグ及び再生アプリケーションの利用には、ベーシックI/Oシステム(BIOS)とオペレーティングシステムレベルソフトウェアコーディングとが必要である。PCMCIAカードを支持する製品を設計し、必要なBIOSを作成するための仕様書は、カリフォルニア州サニーベイルのPCMCIAから入手できる。故に、PCMCIAとその基準についてのさらなる説明は必要ないと思われる。
【0014】
物理的に、DocuCardはPCMCIAタイプII又はIII の基準に従うハウジング101に含まれる。PCMCIAの物理的サイズは、長さが85.6mm、幅が54mm、そして厚さが5.0若しくは10.5mmである。タイプIIかタイプIII かの選択は、所望の記憶量に依存する。長さ及び幅はおおよそ、容易に持ち運びできるクレジットカードのサイズである。PCMCIA基準はさらに、PCMCIAデバイスとコンピュータベースシステムとの間の通信に対する信号プロトコルを規定する。かかる通信は、ピン102を介して行われる。好ましい実施の形態の「上面」側には、ユーザインタラクション領域103が規定される。ユーザインタラクションは、ディスプレイと、スクローリング及び英数字データの選択及び入力のための複数のボタンと、オーディオ情報を出力するためのスピーカーとを含む。好ましい実施の形態のユーザインタラクション領域103については図6を参照して以下に示す。
【0015】
図2を参照してドキュカードのオペレーション上の構成要素について説明する。図2を参照すると、コントローラモジュール201は、DocuCardに対する全般的な制御機能を提供する。コントローラモジュール201は、モトローラ6808(イリノイ州シカゴのモトローラ社から入手可能)又はインテル8051(カリフォルニア州サンタクララのインテル社から入手可能)等の適切なコントローラ組込型回路チップ(又はチップセット)を用いて実行され得る。コントローラモジュール201は、マイクロプロセッサのインテルX86系のもの等の一般目的マイクロプロセッサを用いて実行されてもよい。コントローラモジュール201はさらに、中に格納されたドキュメントに対するタイムベースを維持するタイムキーピング手段若しくはクロックと、内部メモリ手段(例えば読取り専用メモリ即ちROM)とを含む。内部メモリ手段は、本明細書中で述べる多様なドキュメント機能を実行するのに必要なプログラミング命令を含む。
【0016】
コントローラモジュール201は、標準的なディスクコントローラ機能(例えば記憶管理、書式設定等)と、ユーザの開始した機能に応答した処理とを実行する。ユーザの開始する機能については、以下により詳細に記載する。コントローラモジュール201はまた、必要に応じてデータの暗号化/解読又はデータの圧縮/圧縮解除等の付加的な機能を実行するようにも使用される。最後に、コントローラモジュール201は、ドキュメントにアタッチされた使用権、及び使用料金トランザクションの開始を実施し、DocuCardユーザインタフェースを制御する。
【0017】
外部インタフェース202は、DocuCardが別のリポジトリと通信したりレンダリングシステムに通信したりすることを可能にする。好適な実施の形態における外部システムへの通信は、よく知られたネットワークプロトコルを介して行われる。しかしながら、ドキュメントが格納されアクセスされるプロトコルは独立したトランスポート層である。故に例えば、DocuCardは、TCP/IPセッションを介してアタッチされたネットワークであるかのように、連結されたコンピュータシステムを頼りにすることもできるが、ドキュメントの実際の交換は、よりハイレベルのプロトコルを用いて可能にされ得る。
【0018】
コントローラ201は、記憶サブシステム203へのアクセスを管理する。記憶サブシステム203は2つの異なる部分を含む。低電力の不揮発性のソリッドステートメモリ上に存在する第1の部分は、記憶システムに対するディレクトリ構造を含む。部分的に低電力のソリッド状態メモリを使用すると、本明細書中で述べるDocuCardのバッテリの電力でスタンドアローン機能を実行することが可能になる。ディレクトリ構造は、DocuCard中に格納された各ドキュメントに対する記述ファイルを含むが、これについては以下により詳細に説明することにする。この第1の部分はコントローラ201に容易にアクセス可能であり、DocuCardディスプレイ上でのDocuCardディレクトリの迅速なディスプレイが容易になる。第2の部分は、高容量の記憶媒体上に存在し、各ドキュメントのディジタルで符号化された内容を含むであろう。適切な高容量記憶媒体は、磁気若しくは光ディスク又は不揮発性のソリッドステートメモリである。このようにデータを分割することにより、スタンドアローンモードで動作する時にDocuCardの内容を見ることに対するメモリ及び電力の必要量が減少される。好適な実施の形態においてドキュメントが編成される方法を以下により詳細に記載する。
【0019】
図示はしないが、DocuCardはまた、ドキュメントに対するアクセスに関連する使用料を報告するクレジットサーバをその中に格納されている。
【0020】
本明細書中で述べるオペレーション上の構成要素のリストを網羅するつもりはない。DocuCardは、所望の機能性及びそれが支持するドキュメントのタイプに従って実行されるのが典型的である。
【0021】
DocuCardがインタフェースし得るリポジトリ及びレンダリングシステムは、前掲の特願平7−299841号で規定されているように、機能的な要求を満たす。直接結合のために、リポジトリ又はレンダリングシステムは典型的に、少なくとも1つのPCMCIAコンプライアントスロットを有する。故に、電気的接続を生じるために、DocuCardは単にPCMCIAスロット中に挿入されるだけである。
【0022】
さらに、上記のように、DocuCardは別のDocuCardにも結合され得る。かかる結合は、それぞれのDocuCardのPCMCIA外部インタフェースと電気的に接続するメイティングインタフェースを介して生じる。
【0023】
図3はリポジトリ中に格納されたドキュメントをアクセスする過程におけるDocuCardとリポジトリとの間のインタラクションを述べるフローチャートである。図3を参照すると、ステップ301において、DocuCard及びリポジトリはレジストレーショントランザクションを開始する。レジストレーションは2つのリポジトリが安全で信頼できるセッションを設立するプロセスである。安全で信頼できるとは、セッションが侵入に対してかなり安全であること、そして各リポジトリが善意で(即ち侵入者としてではなく)それら自体を確立したということを意味する。レジストレーションプロセスはオートマチックであり、DocuCardとリポジトリとの間の電気的接続の設立によりトリガされる。好適な実施の形態で使用され得るレジストレーション中に実行されるステップは、前掲の特許出願に記載されている。
【0024】
レジストレーショントランザクションの後、ログイントランザクションがステップ302で実行される。ログイントランザクションは、典型的には個人識別番号(PIN)を入力することにより、ユーザがリポジトリにログインするプロセスである。この場合には、DocuCardのユーザがDocuCardにログインしている。このログインプロセスはまた、クレジットアカウントを起動することができる。
【0025】
ステップ303において、DocuCardにおけるユーザはユーザインタフェースを使用して、実行されるべきトランザクションに関連するあらゆる料金の支払いを指定する。料金は、DocuCardのユーザかリポジトリのオーナーかのいずれかに割り当てられる。勿論、リポジトリによる料金の授受はプロセスの継続に不可欠であり得る。
【0026】
ステップ304で、DocuCardのユーザは、ドキュメントを得るための所望の機能を選択する。特定の機能は特定の使用権に対応し、ユーザがドキュメントを如何に使用したいかを示すものである。次いでステップ305で、リポジトリにおいて利用可能なドキュメントのリストが表示され、ここでユーザは所望のドキュメントを選択し、ステップ306ではドキュメントが配置されるべき目的地を示す。次いでステップ307でDocuCardは確認に対するトランザクションを表示し、該トランザクションは許諾若しくは拒絶されることができる。
【0027】
好適な実施の形態において、ドキュメントは階層ファイルシステム中に格納される。ドキュメントはディレクトリ内に格納される。ディレクトリ及びサブディレクトリは、ドキュメント及び/又はサブディレクトリの集合を含む。ディレクトリ又はサブディレクトリの内容は、ディスプレイのためにアルファベット順に編成される。ドキュメントは、ドキュメントの特性を識別するためのタイプを有する。他のタイプの編成構造、例えばハイパーリンクされた構造中に、又はフラットディレクトリとしてディジタルデータを格納することが当業者に明らかであることは言うに及ばない。他の編成構造を備える実行も、本発明の主旨及び範囲を逸脱するものではない。
【0028】
ドキュメントのファイル情報は、「内容ファイル」及び「記述ファイル」を含む。内容ファイルは記述ファイルから独立して格納される。内容ファイルは、そのフォーマットが、当該ドキュメントを再生、ディスプレイ、又はプリントするために使用されるコンピュータベースシステムに完全に依存しているアドレス可能なバイトの流れである。記述ファイルは、ドキュメントに対する使用権と内容部分におけるドキュメントへのポインタとを含む。複数の個々のディジタルワークを含む複合ドキュメントの場合、記述部分は非循環構造(例えばツリー構造)であり、各ノードは複数の個々のディジタルワークの1つ以上に対応する。
【0029】
図4は内容ファイルのレイアウトを示す。図4を参照すると、ディジタルワーク409は、ストーリーA410、広告411、ストーリーB412、及びストーリーC413を備える。ディジタルワークは相対アドレス0からスタートとして記憶されると仮定される。ディジタルワークの部分の各々は線形で記憶され、これによりストーリーA410はおおよそ0から30,000番目までのアドレスに、広告411は30,001から40,000番目までのアドレスに、ストーリーB412は40,001から60,000番目までのアドレスに、そしてストーリーCは60,001から85Kまでのアドレスに記憶される。なお、内容ファイル中のデータは(記憶量をセーブするため)圧縮されるか又は(セキュリティのため)暗号化されてもよい。
【0030】
ディジタルワークが階層としてのその構成要素により示されることができることが、図4から容易に観察される。ディジタルワークに対する記述ツリーは、関連した記述子ブロック(d−ブロック)のセットを備える。各d−ブロックの内容は、図5の(A)に関して記述されている。図5の(A)を参照すると、d−ブロック500は、リポジトリ内の当該ワークに対する唯一の識別子である識別子501と、当該ワークの第1バイトの開始アドレスを提供する開始アドレス502と、当該ワーク内のバイトの数を付与するレングス503と、許諾された使用権及びそれらの状態データが保持されている権利部分504と、親のd−ブロックを指す親ポインタ505と、子のd−ブロックを指す子ポインタ506とを含んでいる。好ましい実施の形態において、識別子501は2つの部分を有している。第1の部分は、製造時にDocuCardへ割り当てられる唯一の数である。第2の部分は、作成時にワークへ割り当てられる唯一の数である。権利部分504は、権利に対応する種々の情報が保持されているルックアップテーブルのようなデータ構造を含む。それぞれの使用権によって要求される情報については、以下により詳細に記載する。d−ブロックは厳格な階層を形成する。ワークのトップのd−ブロックは親を有しておらず、他の全てのd−ブロックは親を1つ有する。
【0031】
各d−ブロックはさらに、ドキュメントサムネイル(thumbnail )又はドキュメントサムネイルに対するポインタを含み得る。ドキュメントサムネイルはドキュメントの一定の表現である。ある場合には、ドキュメントサムネイルはテキスト形式の記述である。また他の場合には、ドキュメントサムネイルは、絵画的(pictorial )表現(ビデオデータを含むドキュメントの場合にはサムネイルは1つ以上のビデオフレームであることができる)、又はオーディオクリップ(オーディオ情報を含むドキュメントの場合)である。いずれにせよ、サムネイルは対応するドキュメントの内容の本質を伝達する。サブドキュメントの各々はサムネイルを関連づけられていることに注目されたい。しかしながら、メインドキュメントに対してサムネイルを提供するだけであることが当業者には明らかであろう。さらに、ビジュアルサムネイルは好ましくは特定の圧縮画像フォーマット(例えばMPEG、JPEG、又はラン−レングス符号化)で格納されることに注目されたい。従って、サムネイルのディスプレイは、DocuCardディスプレイが少なくとも1つのビットマップ部分を有することを要求するであろう。
【0032】
図5の(B)は、図4のディジタルワークに対する記述ツリーを示す。図5の(B)を参照すると、ディジタルワークの最上のd−ブロック520は、中に含まれる種々のストーリーと広告を示す。この時点で、トップのd−ブロック520は、(ストーリA410を表す)d−ブロック521、(広告411を表す)d−ブロック522、(ストーリーB412を表す)d−ブロック523、及び(ストーリーC413を表す)d−ブロック524を示す。
【0033】
ユーザインタフェースは、ユーザが、リポジトリ内に格納されているドキュメントをアクセスし、DocuCardの内容を管理するようにDocuCardを指示することを可能にする。ユーザインタフェースは、入力を行うための複数のスイッチと、情報を表現するためのディスプレイと、種々のオペレーションを実行するための所定のプログラム化されたステップシーケンスとを含む。図6は、好ましい実施の形態におけるDocuCardに対するユーザインタラクション領域を詳細に示す。図6を参照すると、ユーザインタラクション領域601は、DocuCardハウジングの実質的に一面を占めている。ボタン602は、DocuCardに対してバッテリ電力をオンオフするために用いられる。ディスプレイ領域603は、3つの行を含む。3つの行の各々は、第1の部分(それぞれ604a〜604c)におけるアイコンとその後に15〜16個のキャラクタとをディスプレイすることができる。領域605a〜605cの各々はセグメントディスプレイである。領域604a〜604cは、小さいビットマップディスプレイか又はセグメントディスプレイ(ここでアイコンはセグメントの限定セットを使用するように設計されている)かのいずれかであり得る。ディスプレイ領域603に対する適切なディスプレイは、消費電力の低いものである。
【0034】
図7はディスプレイ領域603における行の種々の例を示している。図7を参照すると、行701はディレクトリを示し、ここで該ディレクトリを表すアイコンはファイルホルダ(ディレクトリに対する一般的な比喩)であり、テキスト部は該ディレクトリを「Home
Files(ホームファイル)」として識別する。行702はドキュメントを示し、ここで該ドキュメントを表すアイコンは、折り曲がった角を有するシートであり、テキスト部は該ドキュメントを「Op Plan 1994」として識別する。なお、各ドキュメントタイプは、ユーザが素早くドキュメント情報をビジュアルにスキャンして、探しているものがそのタイプであるかどうかを決定できるように、それ自体のアイコンを有するのが好ましい。ディスプレイ領域603はまた、トランザクションの状態とエラー若しくは警告メッセージを示すように用いられ得る。図7の行703は、実行されているトランザクションの費用が高いことを示す警告メッセージ(High Fee)を示す。
【0035】
図6に戻ると、方向矢印キー606〜609は、ディスプレイ603の行605a〜605cに沿っての、そして行同士間でのカーソル動作を制御するために使用される。かかる動作により、ディスプレイ603上のアイテム同士間の移動が可能になる。キー606は、「上矢印」キーを示し、カーソルを一行上に移動させる。キー607は「下矢印」キーを示し、カーソルを一行下に移動させる。キー608は「左矢印」キーを示し、カーソルを行に沿って左に移動させるために設けられている。キー609は「右矢印」キーを示し、カーソルを行に沿って右に移動させるために設けられる。動作上、左矢印キー608及び右矢印キー609を一回だけ押すと、1つキャラクタ(又はアイテム)位置が移動する。押したままにしていると、(キーが押されている間速度を増しながら)カーソルは位置を大きく移動する。
【0036】
方向矢印キー606〜609は、個人識別データ(個人識別番号に類似して使用される)を入力するために使用され得る。以下に示す別の実施の形態に見るように、DocuCardは個人識別番号を入力するための数字キーパッドを含む。
【0037】
方向矢印キー606〜609はまた、ドキュメントのサムネイルを通るスクロールを可能にするために用いられ得る。
【0038】
ボタン610は、「選択」キーを示す。選択キー610を押すと、所望のトランザクション(例えばファイルのコピー又はテキストのエンター)が選択され実行される。かかるオペレーションは、コンピュータの端末キーボードにおけるエンターキーにおおよそ類似する。
【0039】
最後にユーザインタラクション領域601は、オーディオ情報を出力するスピーカーを配置するための領域611を含む。使用されるべき適切なスピーカーは、低消費電力性のものである。
【0040】
ユーザインタラクション領域のレイアウトとキーの形状は、必要に応じて様々であることが可能である。新たなレイアウトの各々は、ディレクトリを移動するためのキーを含む(上記ではこれらのことを省略したが、上矢印キー及び下矢印キーをダブルクリックすることにより実行される)。図8〜図10は、「短い」幅のユーザインタラクション領域を通るディスプレイを有する。これではディスプレイ領域の面積が減るが、キーを配置するための領域が増大する。図8は上面に数字キーパッドと、異なる形状を有するキーとを示す。図9及び図10は、DocuCardの反対側に数字キーパッドがあるレイアウトである。図11のレイアウトは好ましい実施の形態のものに類似しているが、キーのサイズが異なり、スピーカー領域がない。
【0041】
図示しないが、DocuCardのユーザインタラクション領域の別の実行は、DocuCardの一面全てを占めるディスプレイ領域を有し、種々のキーは側部に沿って又は反対側に位置する。上述のように、DocuCardはより少ない機能を有するように実行されてもよく、本文で述べる種々のユーザインタフェース特徴を必要としなくてもよい。
【0042】
ユーザが「パワー(Power )」キーを押すと、ディスプレイ領域は図12で示すように機能選択インタフェースを表示する。図12を参照すると、特定の機能と機能クラスの両方がディスプレイされる。機能クラスは、クラス名の前の矢印により識別される。ディスプレイの第一行は3つの機能 "XFER COPY LOAN" を示す。第二行は機能クラス "FILE" 及び"CREDIT"を示す。第3行は "OTHER"及び "HELP" を示す。
【0043】
選択されることのできる "カレント(現行)" 機能は、リバースビデオ、アンダーライン、又は他の技法を用いるハイライト化(強調表示)により示される。トラバーサル(transversal 、方向移動)は、「上矢印」及び「下矢印」キーを用いて行を行き来し、「左矢印」及び「右矢印」キーを用いて行を横切ることにより、実行される。図12に戻ると、XFER機能がハイライト化されることにより、それがカレントとして選択されることができる。
【0044】
図13は、機能クラスが選択された時に発生するものを示す。ここでは "FILE" 機能クラスがカレントになったとする。"FILE"機能クラスは、「下ディレクトリ矢印」キーを押すことにより(又は「下矢印」キーをダブルクリックすることにより)選択される。ディスプレイされるのは、"Move to Folder (ホルダに移動)" 、"Delete (消去)" 、"New
Folder (新たなホルダ)" 、そして同一の一般機能クラス指定内にある、ディスプレイされることのできる他の機能を示すための"OTHER" インディケータ、といったそのクラスの中で最も一般的に使用される機能である。OTHER 機能は、バックアップコピーを作成するための機能やディレクトリ情報を変更するための機能を含み得る。この機能クラスからの抜け出しは、「上ディレクトリ矢印」キーを押すことにより(又は「上矢印」キーをダブルクリックすることにより)行われる。
【0045】
「カレント」機能の選択は、「選択」キーを押すことにより行われる。
【0046】
好ましい実施の形態のDocuCard機能を表1にリストする。
【0047】
【表1】

【0048】
図3を参照して述べたように、機能が一旦選択されると、当該機能が実行されるべきドキュメントが選択される(所定のファイル管理機能を除く)。本発明は、種々の機能にわたってドキュメントを選択するために一貫したインタフェースを提供する。ドキュメントを選択するステップを図14のフローチャートに関して説明し、図15〜図17のスクリーンディスプレイではコピー機能を例にとる。図14を参照すると、機能が選択された後、ユーザは機能が実行されるドキュメントを含むリポジトリをステップ1401で選択する。図15を参照すると、コピー機能が選択された後、図15で示されている情報がディスプレイされる。第一行は "COPY FROM"をディスプレイしており、これはコピーされるドキュメントがどのリポジトリから選択されるべきかを示すためのものである。このディスプレイの第二行及び第三行はリポジトリをリストする。"HERE"を含む第二行は当該DocuCardを示し、"THERE" を含む第三行は連結されたリポジトリを示す。なお、当該DocuCardが別のリポジトリに連結されなかった場合や、他のリポジトリがコピーを許可しなかった場合には、コピー機能におけるこの対話は必要ないかもしれない。いずれにせよ、選択がなされなければならないと仮定して、ユーザは上矢印キーと下矢印キーを使用し、所望のリポジトリに対応する行にカーソルを移動させる。選択されたリポジトリはハイライト化される。
【0049】
図14に戻ると、リポジトリが選択されたら、ユーザはリポジトリの階層ディレクトリ構造を通ってドキュメントを検索する。これはステップ1402において所望のディレクトリを見出すことで始まる。DocuCardのディスプレイ領域は、図16で示される情報をディスプレイする。図16を参照すると、第一行はアルファベット文字を示す。ハイライト化されている文字は、検索が配置されている場所を示す(ディレクトリ/ドキュメントをアルファベット順に呼び出す)。第二行は検索されているカレントディレクトリを示し、第三行はディレクトリ内の特定アイテムを示す。図16では、検索位置は、文字Aで始まるドキュメント又はディレクトリに配置される。ここで選択されるホルダは、"Aron's Work" とネーミングされ、ホルダ内の第一行は "Hamlet Essay" とネーミングされている。
【0050】
ユーザは次いで、所望のディレクトリを見出すために検索キーを用いてディレクトリを検索する。なお、ユーザは " move-down(下へ移動)" キーを用いてサブディレクトリを検索し、 " move-up(上へ移動)" キーを用いて親ディレクトリを入力することにより、検索中のディレクトリを変更する。ユーザが右矢印キーを押すと、検索は降順の語彙順(即ちA〜Z方向)に進行する。ユーザが左矢印キーを押せば、検索は昇順の語彙順(即ちZ〜A方向)に進行する。なお、方向矢印キーが降順に進みつづけるにつれて、検索速度は増す。所望のディレクトリが見出されると、ステップ1403において、当該ディレクトリが検索されて、所望のドキュメントがそこに存在するかどうかが決定される。これは"move-down"キーを押してディレクトリを入力することにより行われる。左及び右矢印キーを押してファイルを語彙順に進んでいくことにより、ディレクトリが走査される。前と同じく、第一行は、上述のように走査されることのできるアルファベットを含む。第二行は、エントリ名を示し、第三行は該エントリに関する情報を提供する。図17では、6/6/94に作成され、530キロバイトの大きさを有する "Annual Plan"という題のドキュメントが選択されている。
【0051】
所望のドキュメントがそのディレクトリにあるかどうかがステップ1404で決定される。所望のドキュメントがそのディレクトリに存在する場合には、ステップ1405において検索は完了し、ユーザは選択キーを押して選択を確認する。所望のドキュメントがそのディレクトリにない場合には、ステップ1402及びステップ1403に関して述べたように、ドキュメントを見出すために別のディレクトリに進む。
【0052】
例えば作成されるホルダの名前に対してテキストが入力される場合もあり得る。テキストを入力するための「キャラクタ選択」方法を、図18を参照して示す。図18を参照すると、第一行及び第二行は、選択されることのできるキャラクタを示す。第三行はバッファであり、これまでに入力されたテキストを示す。最初の二行では、ハイライトはどのキャラクタが選択されたかを示す。第三行では、ハイライトはテキストの次のキャラクタが現れる場所を示す。行間のトラバーサルは、上矢印キー及び下矢印キーを用いて行われる。左矢印キー及び右矢印キーは、その行において特定のキャラクタへ移動するために設けられる。キャラクタの選択は選択キーを押すことにより生じ、選択されたキャラクタは次の(最も右の)キャラクタ位置において第三行にディスプレイされることになる。
【0053】
三行目のバッファ領域にある時には、キャラクタ位置上で左矢印キーを動かすことによりキャラクタが消去される。テキストは、キャラクタを1つづつ入力及び消去される。入力したテキストを使用するためには、下矢印キー及び選択キーを押して最後の行を選択する。
【0054】
数字キーパッド(例えば電話のキーパッド)からテキストデータを入力するための種々のスキームが知られており、それは本発明での使用に適している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ドキュメントカード(DocuCard)の好適な実施の形態の斜視図である。
【図2】DocuCardの動作上の構成要素のブロック図である。
【図3】本発明の好適な実施の形態において実行され得るリポジトリ中に格納されたドキュメントをアクセスする過程における、DocuCardとリポジトリとの間のインタラクションを述べるフローチャートである。
【図4】本発明の好適な実施の形態のDocuCardに格納されたドキュメントのドキュメント表現の内容ファイル部分を示す図である。
【図5】(A)は、図4で示した内容ファイルのドキュメント表現の記述ブロックを示す図であり、(B)は、図4で示した内容ファイルのドキュメント表現に対する記述ツリー部分を示す図である。
【図6】本発明の好適な実施の形態におけるDocuCardのユーザインタラクション領域を詳細に示す図である。
【図7】本発明の好適な実施の形態におけるDocuCardディスプレイに提供される、異なる形態の情報を示す図である。
【図8】異なるキー構成を有するユーザインタラクション領域の別の実施の形態を示す図である。
【図9】異なるキー構成を有するユーザインタラクション領域の別の実施の形態を示す図である。
【図10】異なるキー構成を有するユーザインタラクション領域の別の実施の形態を示す図である。
【図11】異なるキー構成を有するユーザインタラクション領域の別の実施の形態を示す図である。
【図12】本発明の好適な実施の形態において使用され得る機能選択インタフェースをディスプレイするディスプレイ領域を示す図である。
【図13】機能グループが選択された後、ユーザに該グループ内の特定機能を表示する時のディスプレイ領域を示す図である。
【図14】本発明の好適な実施の形態においてドキュメント若しくはディレクトリを選択するために実行されるステップを示すフローチャートである。
【図15】本発明の好適な実施の形態におけるドキュメント若しくはディレクトリを選択するためのディスプレイ領域を示す図である。
【図16】本発明の好適な実施の形態におけるドキュメント若しくはディレクトリを選択するためのディスプレイ領域を示す図である。
【図17】本発明の好適な実施の形態におけるドキュメント若しくはディレクトリを選択するためのディスプレイ領域を示す図である。
【図18】本発明の好適な実施の形態におけるテキストを入力するためのディスプレイ領域を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
101 DocuCardハウジング
102 ピン
103 ユーザインタラクション領域
601 ユーザインタラクション領域
603 ディスプレイ領域
606〜609 方向矢印キー
610 選択キー
611 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルワークに関連付けられた使用権にしたがってデジタルワークの使用または配給を制御する可搬格納デバイスであり、
a. ハウジングを含み;
b. 関連付けられた使用権を有するディジタルワークを格納する格納手段を含み、前記ディジタルワークのファイル情報は内容ファイルと記述ファイルとを含み、前記内容ファイルはディジタルワークの内容と関連し、前記記述ファイルはディジタルワークに対応する使用権と関連し、記述ファイルはディジタルワークに対する記述子を有し、記述子はディジタルワークに対する識別子と前記使用権に対する権利部分を有するものであり;
c. 前記ディジタルワークにアクセスし管理するためのユーザー要求を受け取るユーザーインターフェイスを含み、前記ユーザーインターフェイスは、前記ディジタルワークのリストとディジタルワークの使用に対応する機能リストをユーザーにトラバースさせる複数のトラバーサルキーと、ユーザーに前記ディジタルワークのリストからディジタルワークを選択させ、かつ、前記機能リストから機能を選択させる選択キーと、前記格納手段に格納されるディジタルワークと前記機能を表示する表示手段と、ユーザーが方向付けた機能および前記ディジタルワークへのアクセス要求とを処理する処理手段とを備えており;
d. 前記ディジタルワークを格納しアクセスするための他のデバイスとの通信を可能にするために、前記可搬格納デバイスの接続を行う外部インターフェイスを含み、前記接続は前記可搬格納デバイスと前記他のデバイスが安全かつ信頼できるセッションを確立するためのレジストレーションステップを含むものであり;
e. 前記ユーザーインターフェイスを介して入力したユーザー選択を処理し、前記ユーザーにより選択されたディジタルワークについての前記ユーザーによる機能選択の実行を許可または拒否を決定するコントロールモジュールを含み、前記許可又は拒否の決定は前記選択された機能に対応する関連する使用権に基づくものであり、前記外部インターフェースを介する前記外部デバイスとの安全かつ信頼できるセッションを生成するものである、
前記可搬格納デバイス。
【請求項2】
前記格納手段は、記憶サブシステムのためのディレクトリ構造を保持する不揮発性メモリと、ディジタルワークの内容を保持する高容量記憶媒体とを備える前記記憶サブシステムである、ことを特徴とする請求項1に記載の可搬格納デバイス。
【請求項3】
前記使用権の各々は前記機能の一に対応し、前記ディジタルワークがどのようにかつ如何なる条件下で使用され、または配給されうるかを規定する、ことを特徴とする請求項1に記載の可搬格納デバイス。
【請求項4】
前記内容ファイルと前記記述ファイルは異なるリポジトリに独立して格納される、ことを特徴とする請求項1に記載の可搬格納デバイス。
【請求項5】
前記権利部分はさらに関連するディジタルワークへの参照と前記使用権内で維持される状態情報とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の可搬格納デバイス。
【請求項6】
前記外部インターフェイスはさらにレンダリングシステムとの通信を可能にする、ことを特徴とする請求項1に記載の可搬格納デバイス。
【請求項7】
前記通信はネットワークプロトコルを介するものである、ことを特徴とする請求項1または請求項6に記載の可搬格納デバイス。
【請求項8】
前記通信はディジタルワークを前記別のリポジトリまたはレンダリングシステムと交換するものである、ことを特徴とする請求項1,6または7のいずれか1項に記載の可搬格納デバイス。
【請求項9】
前記レジストレーションステップは自動化されたものである、ことを特徴とする請求項1に記載の可搬格納デバイス。
【請求項10】
前記レジストレーションステップが、前記可搬格納デバイスと前記他のリポジトリとの電気的接続の確立によって引き起こされるものである、ことを特徴とする請求項1に記載の可搬格納デバイス。
【請求項11】
前記コントローラモジュールがさらにタイムキーピング手段とメモリ手段とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の可搬格納デバイス。
【請求項12】
前記コントローラモジュールが、データの暗号化、復号化、データの圧縮、または圧縮解除を実行する、ことを特徴とする請求項1または請求項11に記載の可搬格納デバイス。
【請求項13】
前記コントローラモジュールが、前記選択された機能に対応する使用権を有するかどうかを決定し;選択されたディジタルワークがそれに関連し、前記選択された機能に対応する使用権を有する場合には、前記コントローラモジュールは前記選択されたディジタルワークへのアクセスを許諾し、前記選択されたディジタルワークがそれに関連する、前記選択された機能に対応する使用権を有さない場合には、前記コントローラモジュールは前記選択されたディジタルワークへのアクセスを拒否する、ことを特徴とする請求項1,11または12のいずれか1項に記載の可搬格納デバイス。
【請求項14】
レンダリングシステムによってアクセス可能なデジタルワークを格納する可搬格納デバイスであって、前記レンダリングシステムによるアクセスはディジタルワークに関連する使用権にしたがって制御され、前記可搬格納デバイスは、
a. ハウジングを含み;
b. 関連付けられた使用権を有するディジタルワークを格納する格納手段を含み、前記ディジタルワークのファイル情報は内容ファイルと記述ファイルとを含み、前記内容ファイルはディジタルワークの内容と関連し、前記記述ファイルはディジタルワークに対応する使用権と関連し、記述ファイルはディジタルワークに対する記述子を有し、記述子はディジタルワークに対する識別子と前記使用権に対する権利部分を有するものであり;
c. 前記ディジタルワークを使用しまたは配給するための、前記ディジタルワークへのアクセス要求を受け取るインターフェイスを含み、
d. 前記ディジタルワークを格納しアクセスするためのレンダリングシステムとの通信を可能にするために、前記可搬格納デバイスの接続を行う外部インターフェイスを含み、前記接続は前記可搬格納デバイスと前記レンダリングシステムが安全かつ信頼できるセッションを確立するためのレジストレーションステップを含むものであり、前記レジストレーションステップは自動化されており、かつ、前記可搬格納デバイスと前記レンダリングシステムとの電気的接続の確立によって引き起こされるものであり;
e. 前記ディジタルワークへのアクセス要求を処理し、前記要求の許可または拒否を決定するコントロールモジュールを含み、前記許可又はの決定は前記要求に対応する関連する使用権に基づくものであり、前記外部インターフェースを介する前記レンダリングシステムとの安全かつ信頼できるセッションを生成するものである、
前記可搬格納デバイス。
【請求項15】
前記権利部分はさらに関連するディジタルワークへの参照と前記使用権内で維持される状態情報とを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の可搬格納デバイス。
【請求項16】
前記通信はディジタルワークを前記レンダリングシステムと交換するものである、ことを特徴とする請求項14に記載の可搬格納デバイス。
【請求項17】
前記コントローラモジュールがさらにタイムキーピング手段とメモリ手段とを備える、ことを特徴とする請求項14に記載の可搬格納デバイス。
【請求項18】
前記コントローラモジュールが、前記ディジタルワークが前記ディジタルワークへのアクセス要求に対応する使用権を有するかどうかを決定し;前記ディジタルワークがそれに関連し、前記アクセス要求に対応する使用権を有する場合には、前記コントローラモジュールは前記ディジタルワークへのアクセスを許諾し、前記ディジタルワークがそれに関連する、前記アクセス要求に対応する使用権を有さない場合には、前記コントローラモジュールは前記選択されたディジタルワークへのアクセスを拒否する、ことを特徴とする請求項14または請求項17に記載の可搬格納デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−122737(P2007−122737A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328294(P2006−328294)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【分割の表示】特願2003−404919(P2003−404919)の分割
【原出願日】平成8年2月8日(1996.2.8)
【出願人】(500470703)コンテントガード ホールディングズ インコーポレイテッド (54)
【氏名又は名称原語表記】ContentGuard Holdings, Inc.
【Fターム(参考)】