説明

可撓性を有している二重バルブ

本発明は、例えばビール樽のためのビール抽出チューブのような接続ピースの流路内に取り付けるためのシール装置であって、シール装置が、シール装置が流路から取り外された場合に永久変形するように適合されているシール装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビール樽のためのビール抽出機のような接続ピースの流路内に取り付けるための密閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流路を密閉することは、液体を格納、搬送、分配、及び利用するように構成されている液体管理システムにおいて広く利用されている。例えば、飲料水分配システム、液圧システム、冷蔵システム、加熱システムや衛生システム等が挙げられる。幾つかの例では、液体が液状になっており、他の例では、液体が気体状になっており、さらに他の例では、液体が当該システム内において態を変化させる。単一の液体の種類を管理するように構成されているシステムも存在すれば、異なる液体の種類、場合によっては様々な態になっている異なる液体の種類を同時に管理するように構成されているシステムも存在する。多くの応用分野並びに液体の種類及び態の変化に伴って、液体管理システムの流路のためのシール装置に対する幾つかの要件が存在することは明白である。液体管理システムに配設されている流路は、ダクト、バルブ、パイプ等である。
【0003】
シール装置の適用例は、金属製パイプ要素が継手内に接続された場合である。継手内では、ゴム製Oリングの形態をしたシール装置が、2つのパイプ要素の間で圧縮され、これにより密閉接続がなされる。一般に、シール装置は、シール装置が流路に挿入され、これにより密閉接続がなされた場合に、力が作用する可撓性を有している要素を備えている。
【0004】
幾つかの適用例では、シール装置は、一般に2つの物体の間からの漏出を防止するために、2つの物体の間の空間を充填し密閉するために利用される。このようなシール装置はガスケットとしても知られている。このタイプの適用例における目的は、2つの物体のうちいずれの物体も取り外すことなく、2つの物体の間のシール装置を取り付け及び取り外しすることである。
【0005】
シール装置は、幾つかの適用例では、1つ以上の流路を密閉可能であることを求められる。例えばガスケットの例では、シール装置は、一般に2つの物体の両方と密閉接続し、これにより2つの物体の間における漏出を防止する必要がある。
【0006】
特定の適用例では、シール装置は、液体の流通を可能とするオン状態と、液体の流通を密閉するオフ状態とを切替可能とされることを要求される。
【0007】
特に飲料運搬システム、例えばビールのための分配システムでは、例えばバクテリアが液体に混入することを防止する必要がある。その上、液体が流通し、シール装置は、清浄を容易にすると共に、微生物生育を最小限度に抑えるように構成されている。シール装置は、例えば軟質ゴムの可撓性を有している要素を備えており、比較的粗い表面仕上げによってバクテリア等のための適切な環境が提供されるので、特に微生物生育のために受け入れられている。また、シール装置に配設された任意の溝、窪み、及び他の開口部が、微生物生育のために受け入れられている。先端技術(current art)の幾つかの例では、微生物生育が、シール装置に配設された開口部を可能な限り少なくすることによって最小限度に抑えられている。このことの欠点は、シール装置の機能性を制限することである。また、微生物生育の速度が低下するが、無くなる訳ではない。
【0008】
先行技術の他の例では、シール装置は、完全に清浄することができるように、清浄される前に取り外すことができる。このことの欠点は、清浄する必要がある場合に常に液体運搬システムを分解することが、時間を要し且つ扱いにくいことである。
【0009】
微生物生育に関する問題を克服する他の方法は、シール装置及び液体運搬システムの他の液体運搬システムの重要部品(critical parts)をしばしば交換することを液体運搬システムの利用者に指示し、これによりバクテリア等の成長可能な量を制限することである。このことの欠点は、液体運搬システムの利用者のモラル及び能力、すなわちシール装置を交換するという指示を尊重することに依存することである。怠慢、費用を抑制しようとする試み、又は単なる無知によって、シール装置がしばしば交換されず、微生物生育を満足可能な程度に防止することができなくなる可能性がある。
【0010】
その上、満足可能なシール性能を有し且つ微生物生育を間違えなく簡便且つ効果的に防止するシール装置を提供することに対してニーズが存在する。また、シール装置が容易に脱着可能であることに対してニーズが存在する。さらに、シール装置が1つ以上の表面に対して密閉接続可能なシール装置に対してニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、先行技術の上述の不都合及び欠点を完全に又は部分的に克服することである。より具体的には、本発明の目的は、例えばビール樽のためのビール抽出チューブのような接続ピースの流路内に取り付けるためのシール装置であって、良好なシール性能を実現し且つ間違えなく容易且つ効果的に微生物生育を防止するができるシール装置を提供することである。本発明は、シール装置が流路から取り外された場合に永久変形するように適合されているシール装置を提供する。シール装置が流路から取り外された場合に永久変形することによって、利用者はそのシール装置を再利用することができなくなり、これにより液体汚染が著しく低減される。永久変形することによって、利用者は、シール装置が再利用不可能になったことを明確に認識することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
シール装置は、流路内に挿入されている際に弾性変形しているように適合されている。これにより、シール装置の外形よりも小さな外形を有している流路内にシール装置を挿入することができる。その上、流路を分解する必要なくシール装置を取り付け可能になる。さらに、弾性能力によって、シール装置は流路の形状を変化させるように適合している。また、弾性変形することによって力がシール装置に作用し、これによりシール装置が流路に対して押圧された場合に密閉能力が発揮されるようになっている。さらに、挿入中の弾性変形は、シール装置が取り外された場合にシール装置が永久変形することを補助する場合がある。
【0013】
第1のバネが第1の圧縮状態にある場合に、シール装置は流路の内面に対して押圧される。このようにして、流路の内面とシール装置の第1の表面とが密閉された状態で接続される。第1のバネが第2の圧縮状態にある場合に、シール装置と流路の第1の表面との接触が解除される。このようにして、シール装置が流路の内面とシール装置との間における液体の流れを遮断する第1の状態から、シール装置によって流路の内面とシール装置との間において液体が流れるようになる第2の状態にシール装置を移行させることができる。
【0014】
シール装置がダクトを備えている場合がある。ダクトは、例えばバルブのような部材によって係合されている。第2のバネが第1の圧縮状態にある場合に、部材は第2のバネによってダクトに対して押圧される。このようにして、部材の表面とシール装置に設けられているダクトとが密閉された状態で接続される。第2のバネが第2の圧縮状態にある場合に、部材とダクトとの接触が解除される。このようにして、シール装置が部材の表面とシール装置に設けられているダクトとの間における液体の流れを遮断する第1の状態から、シール装置によって流路の表面とシール装置に設けられているダクトとの間において液体が流れるようになる第2の状態にシール装置を移行させることができる。
【0015】
シール装置は、断面が自身と同一平面上に配置された軸線を中心として360°回転されることによって、円環状に形成されている。シール装置は、前記軸線に向かって径方向に面している第1の表面と、前記軸線から径方向外側に面している第2の表面とを備えている。シール装置は、円環状の形態とされ且つ第1の表面及び第2の表面を有していることによって、シール装置の第2の表面と流路の内面との接触を介して液体の流れを遮断することができると共に、シール装置の内面に接続されている例えばバルブのような部材を収容している。
【0016】
シール装置の第2の表面は、軸線Pから角度αで径方向外側に延在している延長部分を備えている。延長部分は、シール装置に作用する力の方向に依存して、シール装置内の伸び(strain)の分散を変化させることができる点において優位である。延長部分が径方向外側に延在していることによって、シール装置が、シール装置自体よりも小さな開口部を有している流路内に挿入可能になっている。シール装置が流路内部に押し込まれるにつれて延長部分が内側に裏返るからである。流路の内部が流路の開口部よりも大きい場合には、延長部分が流路の開口部を通じて押圧されると、延長部分が跳ね上がり、初期位置に復帰するだろう。延長部分が軸線Pから角度αで径方向外側に延在しているので、角度αが鋭角である場合には、延長部分が初期位置からさらに離間するように裏返るに違いないので、シール装置を流路から取り外すことができる。これにより、シール装置は、流路から取り外された場合に永久変形する。しかしながら、シール装置は、流路内部に挿入された場合には弾性変形する。このようにして、シール装置の再利用が防止されるので、微生物生育の危険性が低減される。
【0017】
シール装置は、ブッシュを有しているシール本体を備えている。これにより、シール装置が十分な密閉能力と共に流路から取り外した後における永久変形能力を有しているように容易にすることができる。例えば、シール本体がブッシュを構成する材料よりも高い弾性を有している材料から作られているならば、一方向に伸長している場合に、シール装置は弾性変形可能とされる。しかしながら、反対方向に伸長している場合には、シール装置は永久変形される。また、シール本体及びブッシュの各材料が異なる弾性及び/又は異なる降伏強さを有していることによって、シール装置は理想的なシール能力を備えることができる。一方、ブッシュは、流路から取り外した場合における永久変形能力を備えている。
【0018】
シール装置は、ブッシュがシール本体内に収容されているようになっている。このことは、シール装置によってブッシュは液体と接触しなくなり、これによりブッシュのための材料の選定において制限されなくなるという点において優位である。
【0019】
シール装置は、ブッシュが円環状であり、延長部分内部に延在しているようになっている。このことは、シール装置によってブッシュが延長部分と協働し、これにより延長部分がより良好な密閉能力を備えるようになるという点において優位である。また、ブッシュは、シール装置が流路から取り外された場合にシール装置が永久変形することを補助する。
【0020】
シール装置は、ブッシュが複数の径方向切欠部を備えているようになっている。このことは、シール装置の密閉能力を著しく低減させることなくブッシュの弾性を高めることができるという点において優位である。
【0021】
本発明及び本発明の多くの利点は、添付の概略図を参照しつつ以下に詳述されている。図面は、幾つかの非限定的な実施例を示すことを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】流路に挿入されている本発明におけるシール装置の断面図である。
【図2】本発明におけるシール装置の一の実施例の斜視図である。
【図3】本発明におけるシール装置の一の実施例のためのインサートを表わす。
【図4】本発明におけるシール装置の一の実施例のためのブッシュを表わす。
【図5】流路に挿入されている本発明におけるシール装置の上面図である。
【図6】流路に挿入されている本発明におけるシール装置の上面図である。
【図7】流路から取り外された本発明におけるシール装置の斜視図である。
【図8】流路から取り外された後の、本発明におけるシール装置の側面図である。
【図9】流路に挿入されている本発明におけるシール装置の一の実施例の断面図と、流路から取り外されている本発明におけるシール装置の一の実施例の断面図とである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
すべての図面が、極めて概略的に表わされ、必ずしも縮尺通りにはなっていない。当該図面においては、本発明を明確にするために必要な部分のみを表わし、そうでない部分を省略するか、又は単に示唆するに留めている。
【0024】
図1は、本発明におけるシール装置1の好ましい実施例の断面図である。当該シール装置は、例えば流路7(図1には示さない)に挿入されている。流路7は、ビール樽13(図示しない)のための接続ピース5に設けられている。流路7は、接続ピース5によって囲まれており、接続ピース5の中心軸線Pに沿って接続ピース5の頂部20から接続ピース5の底部21に至るまで延在しており、これにより液体が接続ピース5を貫流することができる。流路の周部分は、接続ピースの頂部20から開口部19に至るまでテーパ状になっている。流路7が、開口部19から接続ピース5の略中央部分22に向かって拡幅されており、流路7の周部分が、略中央部分22から接続ピース5の底部21に向かってテーパ状になっている。頂部20及び底部21の開口部が中央部分22の開口部よりも狭くなっているので、このような接続ピース5の底部21内部にシール装置1を挿入しようとすることが課題である。従来技術においては、一般に、この課題は、シール装置1を挿入する前に接続ピース5を取り外すことによって克服されてきた。図1は、本発明におけるシール装置1の好ましい実施例を表わす。図1では、当該シール装置は、開口部19を介して流路7内部に挿入されている。シール装置1が弾性変形可能であるので、このようなことが実現可能となる。図1に表わす好ましい実施例のシール装置1は、延長部分9が軸線Pから径方向外側に角度αで延在していることによって、弾性変形可能となる。シール装置1が軸線Pに対して平行な方向において開口部19を貫通するように押圧された場合には、シール装置が開口部19を貫通することができるように、延長部分9は内側に向かって反転している。シール装置が開口部19を通過すると、延長部分が初期位置に復帰するので、流路7の壁とシール装置1とが密閉状態で接続される。他の好ましい実施例では、シール装置の他の構成、例えば複数の延長部分によって、溝によって、又は接続ピース5の流路7内部に挿入された場合に一時的に弾性変形可能な任意の他の適切な構成によって、弾性変形可能とされる。さらには、本発明におけるシール装置1は、図1に例示する接続ピース以外のタイプの接続ピースのために利用可能とされる。そして、本発明におけるシール装置が、テーパ状になっていると共に、図1に表わす接続ピース以外の接続ピースに形成されている流路内に挿入するのに適していることは、当業者であれば理解することができる。
【0025】
図1に表わす接続ピース5は、第1のバネ17、第2のバネ18、ビールバルブ15、ダウンチューブ6、及びチャンバ23を備えている。ダウンチューブ6は、ビール樽13(図示しない)内部に向かって延在しており、ビールバルブ15に接続されている。第2のバネ18は、ビールバルブ15をシール装置1に押圧し、これによりシール装置1の第1の表面10に亘って密閉状態で接続されるように配置されている。第1の表面10に亘る密閉接続は、ビール樽13からダウンチューブ6を介してさらに接続ピース5の頂部20内部に向かう液体の流れを遮断する。また、第1の表面10に亘る密閉接続は、接続ピース5の頂部20からダウンチューブ6を介してさらにビール樽13内部に向かう液体の流れを遮断する。第1のバネ17が、シール装置1を流路7の壁に押圧し、これにより第2の表面11に亘って密閉状態で接続されるように配置されている。第2の表面11に亘る密閉接続は、頂部20からチャンバ23を介してさらにビール樽13内部に向かう液体の流れを遮断する。また、第2の表面11に亘る密閉接続が、ビール樽13からチャンバ23を介してさらに頂部20内部に向かう液体の流れを遮断する。
【0026】
図1に表わす好ましい実施例のシール装置1を備えている接続ピース5は、分配装置16によって係合されるように適合している。当該分配装置の下側部分が図1に表わされる。分配装置16は、下方に移動し接続ピース5に係合する場合に、最初に第2のバネ18を圧縮することによってビールバルブ15に係合し、次に第1のバネ17を圧縮することによってシール装置1に係合する。このようにして、第2のバネ18が第1のバネ17よりも圧縮されるので、第1の表面10及び第2の表面11に亘る2つの密閉接続が解除される。これにより、二酸化炭素が分配装置16からチャンバ23を介してビール樽13内部に向かって流れ、ビールがビール樽13からダウンチューブ6を介して分配装置16内部に向かって流れるようになる。
【0027】
シール装置1は、接続ピース5全体を交換する必要なく、取り外し可能である。衛生上の理由によって、使用済みのシール装置1を接続ピース5内部に再挿入不可能とすべきである。本発明においては、シール装置1は、接続ピース5の流路7から取り外された場合に永久変形するように適合されている。図1に表わす好ましい実施例のシール装置1では、シール装置の延長部分9が軸線Pに対して所定角度で径方向外側に延在しているので、永久変形させることなく、流路7からシール装置を取り外すことができなくなっている。好ましい実施例では、所定角度は鋭角であり、さらに好ましい実施例では、所定角度は20°〜45°である。
【0028】
図2は、本発明におけるシール装置1の好ましい実施例を表わす。図2は、シール装置1の斜視図であり、シール装置の4分の1が切除されているので、内部断面を確認することができる。好ましい実施例のシール装置1は、断面8が自身と同一平面上に配置された軸線Pを中心として360°回転された円環形状になっている。同様に、シール装置1は、図1に表わすように、例えばバルブや分配装置のような他の部材に係合可能なダクト14を備えている。シール装置1は、図3に単独で表わされているインサート4と、図4に単独で表わされているブッシュ3とを備えている。図3に表わすように、ブッシュ3は、円環状に形成され、好ましい実施例のシール装置1のシール本体2内に収容されている。また、ブッシュ3は、シール装置1の延長部分9内部に延在している。これにより力がシール装置1に作用する場合に、(図1に例示するような)例えばシール装置1がその外径よりも小さな周部分を有している流路7の開口部19内部に押し込まれた場合に、ブッシュ3はシール本体2及び延長部分9と共に機能する。延長部分9は、軸線Pに対して所定角度αで径方向外側に延在していることによって、負荷が第1の方向から作用した場合(すなわち、図1に表わすように流路7内部に挿入されている際)に弾性変形可能となる。当該延長部分は、負荷が第1の方向の反対方向である第2の方向から作用した場合(すなわち、図1に表わすように流路7から取り外される際)に永久変形する。図4に表わす好ましい実施例では、複数の径方向に延在している切欠部23がブッシュに形成されている。これら径方向に延在している切欠部によって、シール装置1は大きな弾性率を得ることができるが、シール装置1の圧縮強度が僅かに低下する。図2に表わす好ましい実施例では、インサート4がブッシュ3に接続されている。インサート4は、シール装置と流路7との挿入及び取り外しをするための工具によって係合されるように適合している。
【0029】
図5及び図6は、上から順番にシール装置1と、流路7を備えている接続ピース5とを表わす。図5では、シール装置1が接続ピース5の流路7内に挿入される直前であり、図6では、シール装置1が流路7内に挿入完了した状態である。流路7の開口部19がシール装置1の外形よりも小さいので、シール装置を流路7内に挿入している間、シール装置1は弾性変形している。図5及び図6に表わすシール装置1の好ましい実施例においては、シール装置は、弾性変形に必要な可撓性を提供する延長部分9を備えている。図5及び図6に表わす接続ピース5の一例においては、流路7の内周部分が、流路7の開口部19の内周部分よりも大きくなっている。前記延長部分が内側に跳ね上げられた状態で流路7の開口部19を通じて挿入されている間、延長部分9によってシール装置1の周囲部分を一時的に調整可能とされる。そして、開口部19を通過するときに、流路7内部形状が開口部19内部形状よりも大きいので、前記延長部分が初期形状に復帰し、これにより流路7を適切に遮断することができる。
【0030】
図7は、例示的な接続ピース5の流路7から取り外す途中の、本発明におけるシール装置1の好ましい実施例を表わす。図示される例示的な流路7は、ビール樽13のための接続ピース5である。該接続ピースは、図1、図5、及び図6の接続ピースと同一である。図7は、シール装置1及び流路7の上方から見た斜視図である。図7では、シール装置1が流路7から取り外されている途中であり、図8では、シール装置1が流路7から取り外し完了した状態であり、これによりシール装置1が永久変形されている。図7及び図8に表わすシール装置の好ましい実施例では、シール装置1の延長部分9によって永久変形が実現されている。延長部分9は、(図1に表わす)シール本体の平面に対して所定角度でシール装置1の円環状のシール本体から延在している。これにより、負荷が第1の方向において作用する場合に、延長部分が弾性変形可能とされ、負荷が第1の方向の反対方向の第2の方向に作用する場合には、延長部分が永久変形するようになっている。他の好ましい実施例では、負荷が上述の2つの方向に作用した場合に、シール装置が他の方法によって弾性変形又は永久変形するようになっている。このほかの方法としては、例えば延長部分9を相違する構成とすることやシール装置1内に他の傾斜している構成部品を組み込むことが挙げられる。
【0031】
図9は、接続ピース5の流路7内に挿入されている際にシール装置1が弾性変形していることを表わす。図9は、接続ピース5の流路7から取り外す際にシール装置1が永久変形することも表わす。図9aは、接続ピース5の狭い海溝部19を通じて押圧されている直前のシール装置1を表わす。図9bは、開口部19を貫通する際のシール装置を表わす。図9bに図示するように、ブッシュ3を備えている延長部分9は、開口部19を貫通可能とするために僅かに内側に跳ね上がっている必要がある。シール装置が開口部19を通過すると、図9cに表わすように延長部分9は初期位置に跳ね戻る。図9dは、接続ピースから取り外す途中のシール装置を表わす。図示の如く、ブッシュ3を備えている延長部分9が、シール装置が開口部19を貫通可能となるように強制的に所定位置から離れる必要があるが、これにより図9eに表わすように、シール装置が永久変形する。
【0032】
好ましい実施例では、シール装置のシール本体2が、例えばゴムのような可撓性を有している材料から作られており、ブッシュ3及びインサート4が、例えばステンレス鋼又はアルミニウムのような高剛性な材料から作られている。しかしながら、他の材料を利用することが本発明の技術的範囲から逸脱しないことは、当業者にとって明らかである。
【0033】
上述の本発明は本発明の好ましい実施例と関連して説明されているが、特許請求の範囲によって規定されている発明の技術的範囲を逸脱することなく、幾つかの改良を想到することができることは当業者にとって明白である。
【符号の説明】
【0034】
1 シール装置
2 シール本体
3 ブッシュ
4 インサート
5 接続ピース
6 ダウンチューブ
7 流路
8 断面
9 延長部分
10 第1の表面
11 第2の表面
13 ビール樽
14 ダクト
15 ビールバルブ
16 分配装置
17 第1のバネ
18 第2のバネ
19 開口部
20 頂部
21 底部
22 中央部分
P 軸線
α 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビール樽(13)のためのビール抽出チューブのような接続ピース(5)の流路(7)内に取り付けるためのシール装置(1)であって、
前記シール装置(1)が、前記シール装置が前記流路(7)から取り外された場合に永久変形するように適合されていることを特徴とするシール装置(1)。
【請求項2】
前記シール装置(1)が、前記流路(7)内に挿入されているときに弾性変形しているように適合されていることを特徴とする請求項1に記載のシール装置(1)。
【請求項3】
前記シール装置(1)が、第1のバネ(17)が第1の圧縮状態にある場合に、前記第1のバネ(17)によって前記流路(7)の内面に押圧されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置(1)。
【請求項4】
前記第1のバネ(17)が第2の圧縮状態にある場合に、前記シール装置(1)と前記流路(7)の前記内面との接触が解除されることを特徴とする請求項3に記載のシール装置(1)。
【請求項5】
前記シール装置(1)が、ダクト(14)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシール装置(1)。
【請求項6】
前記ダクト(14)が、例えばバルブのような部材(15)によって係合可能とされることを特徴とする請求項5に記載のシール装置。
【請求項7】
前記部材(15)が、第2のバネ(18)が第1の圧縮状態にある場合に、前記第2のバネによって前記ダクト(14)に押圧されていることを特徴とする請求項6に記載のシール装置(1)。
【請求項8】
前記第2のバネ(18)が第2の圧縮状態にある場合に、前記部材(15)と前記ダクト(14)との接触が解除されることを特徴とする請求項7に記載のシール装置(1)。
【請求項9】
前記シール装置(1)が、断面(8)が自身と同一平面上に配置された軸線(P)を中心として360°回転されることによって、円環状に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のシール装置(1)。
【請求項10】
前記軸線(P)に向かって径方向に面している第1の表面(10)と、前記軸線(P)から径方向外側に面している第2の表面(11)とを備えていることを特徴とする請求項9に記載のシール装置(1)。
【請求項11】
前記第2の表面(11)が、延長部分(9)を備えており、
前記延長部分(9)が、前記軸線(P)から所定角度(α)で径方向外側に延在していることを特徴とする請求項10に記載のシール装置(1)。
【請求項12】
前記シール装置(1)が、シール本体(2)とブッシュ(3)とを備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のシール装置(1)。
【請求項13】
前記ブッシュ(3)が、前記シール本体(2)内に収容されていることを特徴とする請求項12に記載のシール装置(1)。
【請求項14】
前記ブッシュ(3)が、円環状に形成され、前記延長部分(9)内部に延在していることを特徴とする請求項12又は13に記載のシール装置(1)。
【請求項15】
前記ブッシュが、複数の径方向に延在している切欠部(23)を備えていることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載のシール装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図9(c)】
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【図9(d)】
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【図9(e)】
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【公表番号】特表2010−526971(P2010−526971A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506803(P2010−506803)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/DK2008/000143
【国際公開番号】WO2008/138335
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(507080075)
【Fターム(参考)】