説明

可溶化されたCoQ−10

本発明は、モノテルペン中に可溶化されたCoQ−10の、組成物および送達の方法に関する。溶解剤としてのモノテルペンの使用は、概して、ソフトゲルカプセルのような処方物中に、より多い量の生物活性のCoQ−10を取り込む能力に影響する。本発明は、溶液を積極的に加熱する必要を伴わないか、または穏やかに温めることによって約60%(重量 対 重量)までの濃度で、モノテルペン中にCoQ−10を可溶化する能力を提供する。特に、モノテルペンによるCoQ−10の可溶化は、周囲温度にて達成され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第120条の下で、表題「可溶化されたCoQ−10」の出願番号10/674,268(2003年9月29日出願)(代理人整理番号33503/US)に対して利益を主張する一部継続出願であり、その内容は、全ての目的について、その全体が本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、コエンザイムQ−10およびそのアナログの、モノテルペン中への可溶化に関し、これによって、送達において向上したバイオアベイラビリティーを提供する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
CoQ−10(コエンザイムQ10)は、構造的にビタミンKに類似する脂溶性キノンであり、そしてユビキノンとして一般的に公知である。CoQ−10は、ほとんどの生体組織中に見出され、そしてこれは、細胞のエネルギー産生に必須である。CoQ−10(2,3ジメチル−5メチル−6−デカプレニルベンゾキノン)は、肉類および魚介類中に少量で見出される内因性の抗酸化物質である。CoQ−10は、全てのヒト細胞中に見出されるが、CoQ−10の最も高い濃度は、心臓、肝臓、腎臓、および膵臓に生じる。このことは、多くの哺乳動物種の器官において、必然的に見出される。
【0004】
CoQ−10は、体内で合成され得るか、または栄養源に由来し得る。しかし、CoQ−10の必要性が、CoQ−10を合成する身体能力を上回る事態が起こり得る。CoQ−10は、補充後の血清CoQ−10レベルの顕著な上昇によって証明されるように、経口的な補充によって吸収され得る。
【0005】
CoQ−10は、ミトコンドリアと称される細胞小器官の膜内に存在するので、CoQ−10は、重要な栄養素である。好気的(酸素)代謝のプロセスを通した栄養素の分解に由来するプロトンを往復させることによって、細胞のエネルギー、すなわちATPを産生するミトコンドリアの能力に起因して、ミトコンドリアは、細胞の「発電所(power house)として公知である。CoQ−10はまた、抗酸化物質としての2次的な役割を有する。ATP合成においての関与に起因して、CoQ−10は、体内のほぼ全ての細胞の機能に影響を及ぼし、その細胞を、ヒトの全組織および全器官の健康にとって必須なものにする。特に、CoQ−10は、代謝的に非常に活性である細胞(心臓、免疫系、歯肉および胃粘膜)に影響する。
【0006】
1種または数種の臨床試験は、CoQ−10が、血圧のレベルおよびコレステロールのレベルを補助するのに効果的であることを示した。さらに、CoQ−10はまた、心血管の健康を改善することが示された。CoQ−10は、種々の疾患(例えば、特定の型の癌)を予防するのに必須な要素であると見なされている。これらの事実は、多くの者を、CoQ−10の補充が、個体の調子が良いために重要であるという考えに導いた。
【0007】
CoQ−10は、ほとんどの親水性溶媒(例えば、水)にやや溶け難い。従って、CoQ−10は、多くの場合に粉末形態、錠剤として、または懸濁液として投与される。しかし、これらの方法によるCoQ−10の送達は、上記個体に対するこの物質のバイオアベイラビリティーを制限する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当該分野において、増加された量の生物学的に利用可能なCoQ−10を、その必要がある個体に送達するための方法論の改良について必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、ユビキノン(CoQ−10)およびその関連アナログが、様々な濃度でモノテルペン中に容易に溶解し得るという驚くべき発見に関係する。一般的に、本発見まで、ほとんどのCoQ−10を液体で送達する方法は、この「溶媒」中に約5重量%までしかCoQ−10を可溶化できなかった。代表的な溶媒は、種々の油を含んだか、または上記CoQ−10は、懸濁液に保持された。本発明は、溶液を積極的に加熱する必要を伴わないか、または穏やかに温めることによって約60%(重量 対 重量)までの濃度で、モノテルペン中にCoQ−10を可溶化する能力を提供する。特に、モノテルペンによるCoQ−10の可溶化は、周囲温度にて達成され得る。
【0010】
1つの局面において、本発明は、十分な量のモノテルペン、コエンザイムQ−10またはそのアナログおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物に関係し、このモノテルペンは、このコエンザイムQ−10を可溶化するのに適する。一般的に、約30重量%〜約45重量%のCoQ−10が、上記モノテルペン中に可溶化される。特に、モノテルペンは、リモネンである。本発明の組成物は、栄養補助食品(dietary supplement)としてか、または栄養補給食品として有用である。
【0011】
特に、本発明の組成物は、ソフトゼラチン(ソフトゲル)カプセル中に含まれる。代表的に、このソフトゼラチンカプセルは、モノテルペン中に可溶化された少なくとも5重量%のコエンザイムQ−10またはそのアナログを含む。代表的なモノテルペンとしては、例えば、ペリリルアルコール、ペリリックアシド(perillic acid)、シス−ジヒドロペリリックアシド、トランス−ジヒドロペリリックアシド、ペリリックアシドのメチルエステル、ジヒドロペリリックアシドのメチルエステル、リモネン−2−ジオール、ウロテルペノール(uroterpenol)、およびその組み合わせが挙げられる。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、個体への、有効量の生物学的に利用可能なCoQ−10の送達のための方法に関係する。この方法は、モノテルペン中に可溶化されたCoQ−10を提供する工程を包含し、それによって有効量のCoQ−10は、この個体に提供される。
【0013】
さらに別の実施形態において、本発明はまた、CoQ−10に対する溶媒としてのモノテルペン、および、錠剤、カプセル、エリキシルなどの使用のための説明書を含む、本発明の包装された処方物を含む。
【0014】
1つの局面において、本発明は、可溶化されたコエンザイムQ−10組成物を提供し、この組成物は、コエンザイムQ−10またはそのアナログ、このコエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペン、および受容可能なキャリアを含有する。この組成物は、投与されるこのコエンザイムQ−10またはそのアナログの約5%と約12%との間である、個体によって吸収されるコエンザイムQ−10投薬%を提供する。吸収されるコエンザイムQ−10の範囲は、約5%〜約12%、約6%〜約10%、および約6.5%〜約9.5%であり、この範囲は、摂取されるコエンザイムQ−10またはそのアナログの用量に基づく。
【0015】
別の局面において、本発明は、可溶化されたコエンザイムQ−10組成物を提供し、この組成物は、コエンザイムQ−10またはそのアナログ、このコエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペン、および受容可能なキャリアを含有する。この組成物は、約2.5μg/ml〜約3.5μg/mlの間である、生物学的に利用可能なコエンザイムQ−10またはそのアナログの定常状態における血漿濃度を提供する。コエンザイムQ−10またはそのアナログの定常状態における血漿濃度の適切な範囲は、約2.5μg/ml〜約3.5μg/ml、約2.75μg/ml〜約3.25μg/ml、および約2.75μg/ml〜約3.0μg/mlであり、この濃度は、摂取されるコエンザイムQ−10またはそのアナログの用量に基づく。
【0016】
なおさらに別の局面において、本発明は、組成物を提供し、この組成物は、可溶化されたコエンザイムQ−10またはそのアナログ、このコエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペン、および受容可能なキャリアを含有する。この組成物は、約2.1μg/ml〜約3.0μg/mlの間の、コエンザイムQ−10またはそのアナログのピーク血漿濃度を提供する。コエンザイムQ−10またはそのアナログのピーク血漿濃度の適切な範囲は、約2.1μg/ml〜約3.0μg/ml、約2.2μg/ml〜約2.8μg/ml、および約2.2μg/ml〜約2.5μg/mlである。
【0017】
別の局面において、本発明は、個体に対して、有効量の生物学的に利用可能なCoQ−10の送達するための方法に関する。本方法は、モノテルペン中に可溶化されたCoQ−10を提供し、それによって、有効量のCoQ−10が、この個体に対して提供され、その結果、吸収される用量、コエンザイムQ−10の定常状態の血漿濃度、またはコエンザイムQ−10のピーク血漿濃度が、維持される工程を包含する。
【0018】
さらに別の実施形態において、本発明はまた、CoQ−10に対する溶媒としてのモノテルペン、および、錠剤、カプセル、エリキシルなどの使用のための説明書を含む、本発明の包装された処方物を含み、それによって個体に対して吸収される用量、コエンザイムQ−10の定常状態の血漿濃度、またはコエンザイムQ−10のピーク血漿濃度が、維持される。
【0019】
複数の実施形態が開示される一方で、本発明のさらに他の実施形態は、以下の詳細な説明によって当業者に明らかになり得、この詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を示しかつ説明する。理解され得るように、本発明は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の明らかな局面において改変され得る。従って、この図および詳細な説明は、本質的でありかつ限定的ではない例示と見なされるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(詳細な説明)
本発明は、ユビキノン(CoQ−10)が、様々な濃度でモノテルペン中に容易に溶解し得るという驚くべき発見に関係する。CoQ−10は、ほとんどの生体組織中に見出され、そしてこれは、細胞のエネルギー産生に必須である。ユビキノンは、呼吸の連鎖において天然に存在する水素キャリア(コエンザイムQ)であり、そして構造的に、それは、複数のプレニル側鎖(イソプレン単位の数は、それが由来する生物に依存して変化する)を有する2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノンである。CoQ−10アナログとしては、還元CoQ−10および半還元CoQ−10、ならびに、例えば、WO 8803015に記載される、ユビキノン誘導体が挙げられる。WO 8803015の教示は、参考として本明細書中に援用される。
【0021】
一般的に、本発見まで、ほとんどのCoQ−10の液体による送達方法は、その溶媒中に多くても約10重量%しかCoQ−10を可溶化し得なかった。代表的な溶媒は、油を含んだか、または上記CoQ−10は、水性懸濁液のままであった。あるいは、このCoQ−10は、錠剤または粉末で固体として提供された。
【0022】
本発明は、CoQ−10およびそのアナログを、約60%(重量 対 重量)までの濃度で、溶液の加熱を必要とせずにモノテルペン(本明細書中に定義されるような)中に可溶化する能力を提供する。1つの局面において、このモノテルペンは、約0.1重量%〜約45重量%のCoQ−10を可溶化する。
【0023】
特に、モノテルペンによるCoQ−10およびそのアナログの可溶化は、周囲温度にて達成され得る。1つの局面において、約5〜約50%(CoQ−10の重量/溶媒の重量)のCoQ−10は、モノテルペン中に可溶化され得る。別の局面において、約15〜約40重量/重量%のCoQ−10が、モノテルペン中に可溶化され得、そしてさらに別の局面において、約20〜約35重量/重量%のCoQ−10が、モノテルペン中に可溶化され得る。
【0024】
従って、語句「コエンザイムQ−10を可溶化するのに適した十分な量のモノテルペン」は、所与の条件(一般的に、周囲温度における条件)の設定下でCoQ−10を溶解する量のモノテルペンを意味する意図である。この決定は、当業者に理解されるべきであり、そしてこれは、溶解性の研究によるような当該分野において公知の方法によって決定され得る。
【0025】
CoQ−10およびそのアナログと組み合わせてモノテルペンを利用する特定の利点の1つは、この酵素が、上記モノテルペンによって溶解されることである。現在、CoQ−10を有する多くの処方物は、懸濁液(このCoQ−10の全ては、溶解されていない状況)として市場に存在する。このことは、上記CoQ−10の、効力およびバイオアベイラビリティーを減少する。本発明は、上記モノテルペン中にこのCoQ−10を可溶化することによって、この不利益を排除する。
【0026】
モノテルペンの使用における特定の利点は、上記CoQ−10またはそのアナログが、加熱されることを必要とせずに溶液中に溶解することである。このことは、上記CoQ−10またはそのアナログが、溶解の際に分解しないために重要である。
【0027】
本明細書中で使用される場合に、用語「モノテルペン」とは、非直鎖状の分枝を伴う10個の炭素の骨格を有する化合物をいう。モノテルペンとは、頭−尾(head−to−end)の様式で結合された2つのイソプレン単位を有する化合物をいう。用語モノテルペンはまた、「モノテルペノイド」を含むことを意図し、「モノテルペノイド」は、モノテルペン様の物質をいい、そして本明細書中でモノテルペノイド誘導体ならびにモノテルペノイドアナログを集合的に称するために大まかに使用され得る。従って、モノテルペノイドとしては、モノテルペン、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、酸、酸素官能基を含まない炭化水素などが挙げられ得る。
【0028】
オイゲノール、チモールおよびカルバクロールのような、あるフェノールの化合物を、モノテルペノイドと称することは、一般的に行われることである。なぜなら、それらの機能が、本質的にモノテルペノイドと同じだからである。しかし、これらの化合物は、専門的に「モノテルペノイド」(または「モノテルペン」)ではない。なぜならそれらは、チロシンからのフェノールの生成を除いて、同じイソプレン生合成経路によって合成されないからである。しかし、本明細書中では、一般的な実施に従う。モノテルペンの適切な例としては、リモネン、ピネン、シトロネロール(cintronellol)、テルピネン、ネロール、メンタン、カルベオール、S−リナロール、サフロール、ケイ皮酸、アピオール、ゲラニオール、チモール、シトラール、カルボン、樟脳などおよびその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のテルペン類を含むテルペン類の構造および合成についての情報に関しては、その教示がその全体について本明細書中に援用される、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Markら編、22:709−762 第3版(1983)を参照のこと。
【0029】
特に、適切なリモネン誘導体としては、ペリリルアルコール、ペリリックアシド、シス−ジヒドロペリリックアシド、トランス−ジヒドロペリリックアシド、ペリリックアシドのメチルエステル、ジヒドロペリリックアシドのメチルエステル、リモネン−2−ジオール、ウロテルペノール、およびその組み合わせが挙げられる。
【0030】
上記CoQ−10およびそのアナログの処方物は、多くの当該分野で公知の方法によって達成され得る。例えば、上記可溶化されたCoQ−10およびそのアナログは、懸濁液、エマルジョン、エリキシル、溶液、その液体を中に含むカプレット、またはソフトゼラチンカプセルで処方され得る。多くの場合、この処方物は、受容可能なキャリア(例えば、油)、または他の懸濁化剤を含む。
【0031】
適切なキャリアとしては、例えば、脂肪酸、そのエステルおよびその塩が挙げられるが、これらに限定されず、それらは、任意の供給源(天然油または合成油、脂肪、蝋またはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)に由来し得る。さらに、この脂肪酸は、水素化されていない油、部分的に水素化された油、完全に水素化された油またはその組み合わせに由来し得るが、これらに限定されない。脂肪酸(それらのエステルおよび塩)の例示的な供給源としては、種油、魚油またはマリンオイル(marine oil)、キャノーラ油、植物油、ベニバナ油、ヒマワリ油、キンレンカの種の油、カラシナ種の油、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、米ぬか油、ババス油、パーム油、エルカ酸の少ないナタネ油、パーム核油、ルピナスの油、ヤシ油、アマニ油、オオマツヨイグサの油、ホホバ、獣脂、牛脂、バター、鶏の脂肪、酪農場のバター脂肪、シアバターまたはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
特定の例示的な、魚油またはマリンオイルの供給源としては、甲殻類の油、マグロの油、サバの油、サケの油、メンハーデン、カタクチイワシ、ニシン、マス、イワシまたはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特に、上記脂肪酸の供給源は、魚油またはマリンオイル(DHAもしくはEPA)、大豆油またはアマニ油である。上記で特定されたキャリアの1つの代わりに、または上記で特定されたキャリアの1つとの組み合わせにおいて、蜜蝋は、適切なキャリアとして使用され得、そしてシリカ(二酸化ケイ素)のような懸濁化剤が、使用され得る。
【0033】
本発明の処方物は、CoQ−10およびそのアナログを必要とする個体において、CoQ−10およびそのアナログの量を増加させるのに有用な栄養補助食品であると考えられる。
【0034】
あるいは、本発明の処方物はまた、栄養補助食品であると考えられる。用語「栄養補助食品」は、当該分野において認識され、そして疾患を予防し得る、食品中に見出される特定の化合物を説明することが意図される。CoQ−10またはそのアナログは、このような化合物である。
【0035】
本発明の処方物は、種々の成分をさらに含み得、この成分は、上記CoQ−10もしくはそのアナログの安定化を支援するか、または上記CoQ−10もしくはそのアナログのバイオアベイラビリティーの増進を支援するか、あるいは個体の食生活に対するさらなる栄養素として役立つ。適切な添加剤としては、ビタミンおよび生物学的に受容可能なミネラルが挙げられ得る。ビタミンの例としては、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKおよび葉酸が挙げられるが、これらに限定されない。ミネラルとしては、鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、銅、クロム、亜鉛、モリブデン、ヨウ素、ホウ素、セレン、マンガン、その誘導体またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらのビタミンおよびミネラルは、いずれの供給源または供給源の組み合わせから得ることができるが、これらに限定されない。非限定的で例示的なビタミンB群としては、チアミン、ナイアシンアミド、ピリドキシン、リボフラビン、シアノコバラミン、ビオチン、パントテン酸またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
ビタミン(単数または複数)が存在する場合に、そのビタミン(単数または複数)は、本発明の組成物中に約5mg〜約500mgの範囲にある量で存在する。より特定的に、このビタミン(単数または複数)は、約10mg〜約400mgの範囲にある量で存在する。さらにより具体的に、このビタミン(単数または複数)は、約250mg〜約400mgで存在する。最も具体的に、このビタミン(単数または複数)は、約10mg〜約50mgの範囲にある量で存在する。例えば、ビタミンB群は、通常、約1ミリグラム〜約10ミリグラムの範囲(すなわち、3マイクログラム〜50マイクログラムのB12)にある量で取り込まれる。葉酸は、例えば、概して約50〜約400マイクログラムの範囲で取り込まれ、ビオチンは、概して約25〜約700マイクログラムの範囲で取り込まれ、そしてシアノコバラミンは、約3マイクログラム〜50マイクログラムの範囲で取り込まれる。
【0037】
ミネラル(単数または複数)が存在する場合に、そのミネラル(単数または複数)は、本発明の組成物中に約25mg〜約1000mgの範囲にある量で存在する。より特定的に、このミネラル(単数または複数)は、上記組成物中に約25mg〜約500mgの範囲で存在する。さらにより特定的に、このミネラル(単数または複数)は、上記組成物中に約100mg〜約600mgの範囲にある量で存在する。
【0038】
種々の添加剤は、本組成物中に取り込まれ得る。本組成物の任意の添加剤としては、リン脂質、L−カルニチン、デンプン、糖、脂肪、酸化防止剤、アミノ酸、タンパク質、香料、着色料、加水分解されたデンプン、およびその誘導体、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書中で使用される場合、用語「リン脂質」は、当該分野において認識され、そしてホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ならびにホスファチジン酸、セラミド、セレブロシド、スフィンゴミエリンおよびカルジオリピンをいう。
【0040】
L−カルニチンは、当該分野において認識され、そしてミトコンドリア膜を通した物質の移動を促進する。L−カルニチンは、その細胞質からそのミトコンドリアへの脂肪酸の移動を助ける必須の脂肪酸代謝の補因子である。これは、CoQ−10の取り込みが起こる場所として重要な因子である。
【0041】
本発明の1つの局面において、L−カルニチンは、CoQ−10またはそのアナログとの組み合わせでソフトゲル処方物中に含まれる。L−カルニチンとCoQ−10との適切な比は、当該分野において公知であり、そしてその比としては、その教示がその全体について本明細書中に援用される、Sigma Tau Industrie Faramaceutiche Riunite S.p.A.が1986年7月8日に取得した米国特許第4,599,232号に記載された比が挙げられる。特に、ソフトゲル処方物中のリモネン、CoQ−10およびL−カルニチンの組み合わせは、重要である。本発明は、多量(当該分野の現在の状態における量に対して)のCoQ−10を、ソフトゲルカプセルにおいてリモネン中に、L−カルニチンのような添加剤と一緒に溶媒和する利点を提供する。
【0042】
本明細書中で使用される場合、用語「酸化防止剤」は、当該分野において認識され、そして化合物の酸化的変質を防止するかもしくは遅らせる、合成物質または天然物質をいう。例示的な酸化防止剤としては、トコフェロール、フラボノイド、カテキン、スーパーオキシドジスムターゼ、レシチン、γ−オリザノール;ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC(アスコルビン酸)およびビタミンE)ならびにβ−カロテン;天然成分(例えば、ローズマリー抽出物およびサンザシ抽出物中に見出されるカルノソール(camosol)、カルノシン酸、およびロスマノール、ブドウの種の抽出物またはマツの樹皮の抽出物、および緑茶抽出物中に見出されるようなプロアントシアニジン)が挙げられる。
【0043】
本明細書中で使用される場合、用語「フラボノイド」は、当該分野において認識され、そして身体を癌から保護するのを助けると考えられる、多くの食品中に見出される植物色素を含むことを意図される。これらとしては、例えば、エピ−ガロカテキンガレート(EGCG)、エピ−ガロカテキン(EGC)、およびエピ−カテキン(EC)が挙げられる。
【0044】
語句「可溶化されたCoQ−10およびそのアナログ」は、このコエンザイムQ−10が、上記ソフトゲルカプセル中に取り込まれた親油性物質によって溶媒和されることを意味することが意図される。CoQ−10またはそのアナログを含む代表的なカプセルは、このコエンザイムまたはアナログを、乾燥粉末としてか、または結晶の懸濁液として含む。このコエンザイムの粉末または結晶化度は、その細胞による吸収を促進しないことが考えられる。本発明は、その中でこのコエンザイムは、粉末形態または結晶形態ではない処方物を提供することによってこの不利益を克服する。この親油性処方物の顕微鏡による評価は、上記コエンザイムの結晶を示さない。従って、この溶媒和されたコエンザイムは、より容易に細胞中に通過し得と考えられる。このことは、個体の生理的な構成に増加された量の上記コエンザイムを送達する点で非常に有利である。
【0045】
任意の投薬形態、およびその組み合わせは、本発明によって企図される。このような投薬形態の例としては、チュアブル錠、エリキシル、液体、溶液、懸濁液、エマルジョン、カプセル、ソフトゼラチンカプセル、ハードゼラチンカプセル、カプレット、ロゼンジ、咀嚼可能なロゼンジ、坐剤、クリーム、局所適用剤(topicals)、摂取可能な投薬形態(ingestibles)、注射剤、注入剤、ヘルスバー(health bar)、糖菓、動物の飼料、シリアル、シリアルコーティング(cereal coatings)、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。上記の投薬形態の調製は、当業者にとって周知である。
【0046】
例えば、ヘルスバーは、上記処方物と賦形剤(例えば、結合剤、増量剤、香料、着色剤など)とを形成性の塊の硬さになるまで混合することによって調製され得るが、これに限定されない。その後、この塊は、引き伸ばされるかまたは型に入れられるかして「棒状の菓子(candy bar)」形態を形成し、次いでこれは、乾燥されるかまたは固められ得て、最終的な製品を形成する。
【0047】
ソフトゲルカプセルまたはソフトゼラチンカプセルは、例えば、上記処方物を適切なビヒクル(例えば、米ぬか油、モノテルペンおよび/または蜜蝋)中に分散して、高粘度混合物を形成することによって調製され得るが、これに限定されない。その後、この混合物は、ソフトゲル産業の当業者に公知の技術および機械を使用して、ゼラチンベースのフィルムによって被包される。その後、そのようにして形成された産業単位(industrial unit)は、一定の重量に乾燥される。代表的に、このカプセルの重量は、約100ミリグラムと約2500ミリグラムとの間であり、そして特定的な重量において、約1500ミリグラムと約1900ミリグラムとの間であり、そしてより具体的には、約1500ミリグラムと約2000ミリグラムとの間の重量であり得る。
【0048】
例えば、ソフトゼラチンの殻を調製する場合に、この殻は、約20〜70重量%のゼラチン、概して可塑剤および約5〜約60重量%のソルビトールを含み得る。このソフトゼラチンカプセルの充填物は、液体(主にリモネン(所望される場合、米ぬか油および/または蜜蝋との組み合わせで))であり、そしてこの充填物は、上記酸化防止剤とは別に、親水性マトリックスを含む。親水性マトリックスが存在する場合に、この親水性マトリックスは、約200〜1000の平均分子量を有するポリエチレングリコールである。さらなる成分は、必要に応じて、増粘剤である。1つの実施形態において、この親水性マトリックスは、約200〜1000の平均分子量を有するポリエチレングリコール、5〜15重量%のグリセロール、および5〜15重量%の水を含む。このポリエチレングリコールはまた、プロピレングリコールおよび/またはプロピレンカーボネートと混合され得る。
【0049】
別の実施形態において、上記ソフトゲルカプセルは、ゼラチン、グリセリン、水および種々の添加剤から調製される。代表的に、このゼラチンの割合(重量で)は、約30重量%と約50重量%との間であり、特定的に、約35重量%と約重量%との間であり、そしてより具体的に、約42重量%である。この処方物は、約15重量%と約25重量%との間のグリセリンを含み、より特定的に、約17重量%と約23重量%との間のグリセリンを含み、そしてより具体的に、約20重量%のグリセリンを含む。
【0050】
上記カプセルの残りの部分は代表的に、水である。この量は、約25重量%と約40重量%との間で変化し、より特定的に、約30重量%と約35重量%との間で変化し、そしてより具体的に、約35重量%である。このカプセルの残りは、概して、香料(単数または複数)、糖、着色料などおよびそれらの組み合わせで構成される約2重量%と約10重量%との間に変化し得る。このカプセルが加工された後の、最終的なカプセルの水分含量は、多くの場合、約5重量%と約10重量%との間であり、より特定的には、7重量%と約12重量%との間であり、そしてより具体的に、約9重量%と約10重量%との間である。
【0051】
製造に関しては、通常の軟らかい殻のゼラチンカプセルの製造技術は、殻の軟らかい(soft−shell)製品を調製するのに使用され得ることが企図される。有用な製造技術の例は、平面加工、R.P.Schererによって開拓されたロータリーダイ加工、Nortonカプセル加工機械およびAccogel機械を使用する加工、ならびにLederleによって開発された加工である。これらの加工の各々は、成熟した技術であり、そしてそれらは全て、ソフトゼラチンカプセルの調製を望む者に対して広く利用可能である。
【0052】
代表的に、ソフトゲルカプセルが、調製される場合、その総重量は、重量において約250ミリグラムと約2.5グラムとの間であり、例えば、400〜750ミリグラムである。従って、この添加剤(例えば、ビタミンおよび酸化防止剤)の総重量は、約80ミリグラムと約2000ミリグラムとの間であり、あるいは約100ミリグラムと約1500ミリグラムとの間であり、そして特定的には、約120ミリグラムと約1200ミリグラムとの間である。
【0053】
例えば、ソフトゲルカプセルは、CoQ−10およびリモネンの35重量%溶液(例えば、193.14ミリグラムのリモネン中に104ミリグラムのCoQ−10)と、約0.01グラムと約0.4グラムとの間(例えば、0.1グラム)のトコフェロールと、約200グラムと約250グラムとの間(例えば、225グラム)の米ぬか油と、ならびに約0.01グラムと約0.5グラムとの間(例えば、約0.02グラム)のβカロテンとを混合することによって調製され得る。その後、この混合物は、上記に記載されるようにゼラチンカプセル内に被包されて組み合わされる。
【0054】
本発明はまた、CoQ−10を含むモノテルペン、および、錠剤、カプセル、エリキシルなどの使用についての説明書が包装された処方物を提供する。代表的に、この包装された処方物は、いかなる形態であれ、個体の食生活において、CoQ−10の量を必要とし、そしてCoQ−10の量の増加を必要とする個体に対して投与される。代表的に、必要な投与は、1日に約1回の投与〜約4回の投与である。
【0055】
CoQ−10は、種々の生化学的経路に関係し、そして、例えば、必然的にCoQ−10を生成する身体能力に影響を及ぼすスタチン系の薬物に関連するような心血管の状態の処置に適している。CoQ−10はまた、種々の歯周病に関係している。さらに、CoQ−10は、アセチルコエンザイムA産生の不能、神経障害(例えば、パーキンソン病、およびプラダー−ウィリー症候群のような)のようなミトコンドリアに関連する疾患および障害に関係している。
【0056】
以下の実施例は、例示的であることのみが意図され、そして限定と考えられるべきではない。
【実施例】
【0057】
CoQ−10の処方物は、これらの成分を一緒に混合し、次いでソフトゲルカプセル中に収めることによって、以下の比で調製され得る。
【0058】
【化1】

実施例2は、リモネンの使用が、蜜蝋および/または米ぬか油の存在を要せずにCoQ−10を可溶化することを示す。実施例1および実施例2は、当該分野において公知である通常の方法によってソフトゲルカプセル中に取り込まれ得る。
【0059】
【化2】

実施例3および実施例4は、CoQ−10が、増大減少可能な量で可溶化され得ることを示す。添加剤(例えば、トリグリセリドとしてのEPAX2050 TG(ω−3オイル;20%のEPA/50%のDHA、残りの脂肪酸/トリグセリド;Pronova Biocare)およびトコフェロール(5−67 Tocopherol;BD Industries)は、処方物を含むこのようなリモネン中に容易に取り込まれ得る。この生じた混合物は、1個のソフトゲルカプセルあたり約100mgのCoQ−10を含む。このソフトゲルカプセルの調製は、当該分野において周知の方法によって行った。
【0060】
【化3】

実施例5および実施例6は、D−リモネンおよびエンザイムCoQ−10を含んで調製されたソフトゲルカプセルとD−リモネン無しで酵素CoQ−10を含んで調製されたソフトゲルカプセルと、酵素CoQ−10との間の比較を提供する。実施例5および実施例6は、以下の段落全体に参照されて上記モノテルペン、D−リモネンの使用を伴う送達についての効力を示す。
【0061】
上記可溶化されたCoQ10処方物の60mgの単回用量についての吸収のピーク特性、および28日間での60mgの日用量についての定常状態における、上記可溶化されたCoQ10処方物のバイオアベイラビリティーを、5人の、正常な男性ボランティア(N=3)および正常な女性ボランティア(N=2)において実証した。この吸収のピークについての研究を、12時間にわたって行った。対照試料として、ボランティアを、最低限8時間、安静状態かつ絶食状態においた。連続的な血液試料を、60mgのソフトゲル製品(可溶化されたCoQ10処方物(実施例5)または実施例6(可溶化されていないCoQ10処方物)のいずれか)の摂取後、0時間、4時間、6時間、8時間後および12時間後にて採取した。定常状態でのバイオアベイラビリティーの研究において、60mgの日用量の上記可溶化されたCoQ10処方物を、朝食と一緒に摂取した。血漿中のCoQ10を、「A New Method to Determine the Level of Coenzyme Q10 in One Drop of Human Blood for Biomedical Research」,Manabu MoritaおよびKarl Folkers,Biochem.Biophys.Res.Commun.191(3),950−954,1993(この内容は、その全体について本明細書中に援用される)に記載されるヘキサン抽出物およびHPLC検出法を使用して測定した。この可溶化されたCoQ10処方物は、実施例5に記載されるような60mgのCoQ10、118.1mgのリモネン、30.26mgの大豆油、およびビタミンEを含むソフトゲルであった。上記可溶化されていない処方物は、実施例6に記載されるような60mgのCoQ10、188.71mgの米ぬか油、161.3mgのビタミンE(およびさらなる添加剤)を含むソフトゲルカプセルであった。
【0062】
対照の血漿中CoQ10濃度の群平均(0.88±0.13μg/ml)は、正常範囲であった。1つの60mgカプセルの摂取後のTmaxは、6時間であり、そして血漿濃度のピークの平均(Cmax)は、2.28±0.14μg/mlであった。Cmaxにて吸収された可溶化されたCoQ10の量は、4,765.51±825.39μgまたは摂取用量の7.96±1.38%であった。毎日の投与によって可溶化されたCoQ10の血漿濃度は、14日目において2.68±0.15μg/mlの平均プラトーレベルまで増加され、そしてその後はほぼ一定であった。28日目の血漿濃度は、2.75±0.22μg/mlであった。上記可溶化されたCoQ10の血漿中のバイオアベイラビリティーは6,498.90±1,634.76μgであり、そして血漿−時間基準曲線下面積は、42.27±2.29μg/ml・日であった。これらのデータは、この可溶化されたCoQ10処方物が、有意(p<0.001)に吸収されたことを実証する。摂取用量の7.96%の吸収のピーク、および28日後の定常状態におけるバイオアベイラビリティーは、実施例6に見出されるものより有意(p<0.01)に大きかった。
【0063】
上記可溶化されたCoQ10処方物(実施例5)の吸収は、CoQ10結晶が、液体基剤中に懸濁したソフトゲルCoQ10製品のほとんどおよび乾燥粉末組成物のみを提供するそれらの製品のほとんどの、吸収より大きい。
【0064】
(可溶化されたCoQ10処方物の吸収ピークの特性および定常状態におけるバイオアベイラビリティー)
世界中のコエンザイムQ10(CoQ10)の使用は、日本の生産者の生産能力を上回った。CoQ10はまた、心不全、パーキンソン病、筋肉の運動失調、エネルギー産生が低い遺伝的症候群(low energy genetic syndrome)、スタチン系の薬物によるCoQ10合成の阻害についての好ましい研究報告、ならびに、体内のCoQ10およびその前駆体が、ファルネシルトランスフェラーゼを阻害し、従って、癌細胞の成長および素早い分裂を遮断することを示す最近の公表によって、臨床の消費者市場に急速に浸透している。CoQ10調査におけるこれらの進歩、および臨床上の効力についての血漿中CoQ10濃度は、約3.2μg/mlに上昇されるべきであるという結論によって、より多くの企業は、改良された吸収および定常状態におけるバイオアベイラビリティーを有するCoQ10製品の開発を模索してきた。CoQ10の吸収は、市場に見出される全てのCoQ10製品において同じではない。一般的に、乾燥粉末送達系は、0.5〜2%の吸収ピークを有する。ソフトゼラチンカプセル中に取り込まれる液体基剤中の乾燥粉末CoQ10は、より良い吸収のピーク(2.0〜3.0%)を有する。このことは、その製品中のCoQ10結晶の数および大きさに依存するようである。
【0065】
以下のデータは、可溶化されたCoQ10のソフトゲル処方物についての、60mgの単回用量における吸収のピークの特性および60mgの日用量の定常状態におけるバイオアベイラビリティーに関する。両方の研究を、同じ5人の正常なボランティア被検体について行った。吸収のピークの特性および定常状態におけるバイオアベイラビリティーの特性を、実施例6のそれらと比較した。実施例6の吸収のピークの特性および定常状態におけるバイオアベイラビリティーの特性は、同様の研究設計を使用するが、異なるボランティアを用いて収集した。
【0066】
(方法)
5人の正常なボランティア(3人の男性/2人の女性)を、スクリーニングされた群の15人の個体(表I)から、無作為に選択した。排除する判定基準は、:1)喫煙者、2)CoQ10製品を摂取する個体、3)高い血漿コレステロール濃度を有する個体、4)内因的合成またはCoQ10の吸収に干渉する公知の薬物を摂取する個体、5)菜食である個体、および6)運動選手である。
【0067】
(表I:研究におけるボランティアの身体的特徴)
【0068】
【表1】

実験設計およびそれらの義務によって完全に分類した後、このボランティアは、主任研究員による質問に回答し、そしてボランティア同意書を読みそして署名した。研究の0日目において、ボランティアは、最低限8時間の安静状態かつ絶食状態において、0600にて試験施設に対して報告した。バイタルサインを取得し、インターキャス(intercath)を、前腕の静脈内に留置し、対照の血液試料を、対照のCoQ10血漿濃度を決定するために収集した。その後、このボランティアに、60mgの単回用量の可溶化されたCoQ10処方物を与えた。その後、ベーグルまたはシリアルを伴うオレンジジュースまたは牛乳(2%)からなる朝食を与えた。血液試料を、4時間、6時間、8時間および12時間にて再び採取し;バイタルサインおよび安全性のデータを、同時に収集した。この研究の1日目から続けて、このボランティアは、1日に60mgの可溶化されたCoQ10処方物を次の28日間にわたって摂取した。この時間の間、ボランティアは、彼らの通常の食生活および活動予定に従い、そしてバイタルサインおよび安全性のデータを収集する目的で最低限8時間の安静状態かつ絶食状態において、0600にて、7日目、14日目、21日目、および28日目に試験施設に戻り、そして静脈血液試料を収集し、この試料から血漿中CoQ10濃度を決定した。
【0069】
全てのCoQ10試料を、凝固を防ぐEDTAを含む採血管中に収集した。この試料を、氷水中で冷却し、次いで遠心分離して形成された構成要素から血漿を分離した。この血漿を、ボランティアの識別表示および収集の時間によって標識した密封可能な運搬容器中にピペットで入れ、そして−20℃にて凍結した。全ての血漿試料を、CoQ10分析のために一晩ドライアイス中において、独立の実験室に輸送した。使用した方法は、Morita & Folker(上述)に記載されるようなヘキサン抽出およびHPLC検出であった。
【0070】
個々のボランティアのデータポイントを、Microsoft(登録商標)Excelのスプレッドシートに入力した。記述統計学を使用して、群平均SDおよび群平均SEを計算した。吸収のピークおよび定常状態における毎週のレベルについての群対照とそれぞれの群試料との間の統計学的な差を、群平均の間の差について、標準的なt検定を使用して決定した。p≦0.05の確率を、有意であるとして受容した。
【0071】
(結果)
(I:吸収のピークについての研究)
60mgの単回用量に対する吸収のピークについての研究に対する、個体および群の平均±SEおよび平均±SDの記述統計データは、表IIに示され、そして12時間の時間軸上にプロットされた個体のデータは、図1に示される。対照の血漿CoQ10は、ボランティアの間で変化し得た(範囲=0.77〜1.09μg/ml)。この群平均±SDは、0.88±0.13μg/mlであった。これは、正常範囲であると考えられる。上記可溶化されたCoQ10の摂取後4時間以内に、上記群についての血漿濃度は、有意(p≦0.01)に1.36±0.12μg/mlまで増加した。血漿濃度のピークは、6時間(Tmax)にて生じ、そして最大の血漿濃度(Cmax)は、2.28±0.14μg/mlであった。その後、血漿CoQ10は、次の2時間にわたって、CoQ10の迅速な組織取り込み期間の間に1.58±0.23μg/mlの平均レベルまで急速に減少した。吸収のピークのデータから計算された吸収のピークの速度論は、表IVに示される。
【0072】
(表II:個体および群における可溶化されたCoQ10処方物:単回投与量(60mg)に対する吸収のピーク研究)
【0073】
【表2】

Cmaxにて吸収されたCoQ10の量は、4,769.51±825.39μgであった。摂取用量(60,000μg)と比較した場合に、Cmaxにて吸収された用量のパーセントは、7.95±1.38%であった。Cmax後の最初の2時間中、2196.14±523.83μgという平均は、血液外および体細胞中に分布された。この量は、Cmaxにて吸収された量の46.46±9.85%であった。
【0074】
(II:定常状態における血漿CoQ10のバイオアベイラビリティー)
上記可溶化されたCoQ10処方物についての、28日間の60mg/日での定常状態における血漿CoQ10のバイオアベイラビリティーについての個体および群の平均±SDの記述統計データは、表IIIに示され、そして図2および図4にグラフとして示される。再び、ボランティアの間の変動が存在する。7日目において、基礎的な血漿中CoQ10濃度は、有意(p≦0.01)に2.39±0.13μg/mlまで増加した。7日目と14日目との間のそれぞれのボランティアにおいて水平状態になった血漿濃度は、その後、ほぼ一定を維持した(図2)。28日目における群平均の血漿中CoQ10濃度は、2.75±0.22μg/ml(p≦0.001)であった。定常状態における計算された血漿CoQ10の増加は、60mg/日の一定の日用量にて、6,458.90±1,634.76μgであった(表V)。定常状態の条件において、群平均における血漿CoQ10の相対的増加は、314.42±39.07%であった。0日目と28日目との間の、血漿CoQ10および時間軸曲線下の面積(AUC0〜28日)(AUCは、曲線下面積を意味する)は、このCoQ10バイオアベイラビリティーと同一視するのに使用される。この製品についてのAUCは、42.27±2.29μ/ml・日であった。
【0075】
(表III:個体および群における可溶化されたCoQ10:定常状態(60mg/日)における血漿CoQ10のバイオアベイラビリティーについての研究)
【0076】
【表3】

(表IV:個体および群における可溶化されたCoQ10処方物における単回用量での吸収のピークの特性)
【0077】
【表4】

(III:可溶化されたCoQ10の粒子および結晶の特徴)
可溶化されたCoQ10(実施例5)および実施例6の顕微鏡写真は、実施例6が、多くの小さいCoQ10の結晶を有し、一方、この可溶化されたCoQ10(実施例5)は、結晶がないことを示し、そしてそれは、溶液中のCoQ10分子の均質的な分布であるようであることを示した。
【0078】
(考察)
この研究は、可溶化されたCoQ10の単回用量(60mg)での吸収のピークの特性、および可溶化されたCoQ10の28日間における60mg/日の一定の日用量についての定常状態における血漿CoQ10のバイオアベイラビリティーを決定した。この小さい群(N=5)についての対照の血漿CoQ10データは、正常範囲であった(表Iおよび表II)。Cmax(2.28±0.14μg/ml)における血漿CoQ10の増加は、Cmaxにて血漿に添加されたCoQ10の量であるように、上記対照レベルを有意(p<0.001)に上回った(表IVおよび表V)。
【0079】
(表V:個体および群における可溶化されたCoQ10(実施例5):定常状態(60mg/日)におけるCoQ10のバイオアベイラビリティーについての研究)
【0080】
【表5】

吸収のピークおよび定常状態におけるバイオアベイラビリティーのデータを、上記可溶化されたCoQ10(実施例5)と実施例6との間で比較した。比較を、図3および図4を検討することによって行った。これらの図は、時間軸上にプロットされた可溶化されたCoQ10製品およびCoQ10sol製品の両方の吸収のピーク曲線(図3)および定常状態におけるバイオアベイラビリティーの曲線(図4)特徴を示す。30mgの用量による実施例6についてのCmaxは、上記対照レベルを上回って0.53±0.28μg/mlに増加した。血漿CoQ10におけるこの変化によって、1813.33±96.65μgのCoQ10が、Cmaxにて血液に追加された。吸収された摂取用量の計算されたパーセント(%)は、6.04±0.32%であった。これは、可溶化されたCoQ10処方物の60mgの摂取用量の血漿CoQ10における1.48±0.39μg/mlの変化、および7.95±1.38%より、有意に小さい。従って、可溶化されたCoQ10(実施例5)の処方物と実施例6の処方物との間の、このCmaxにおける血漿CoQ10のピークの相対的増加、このCmaxにて吸収されたCoQ10の量の相対的増加、およびCmaxにて吸収された摂取用量のパーセントの相対的増加は、この可溶化されたCoQ10処方物に対して、それぞれ、80%、60%および40%、より大きかった。これらのデータは、30mgの投与量における実施例6が、60mgの可溶化されたCoQ10処方物より、有意(p<0.01)に少なく吸収されることを示す。実施例6の定常状態におけるバイオアベイラビリティーもまた、図4に示されるように、可溶化されたCoQ10処方物のバイオアベイラビリティーより有意に小さい。
【0081】
60mgの日用量を用いる28日間にて、実施例6は、2.26±0.74μg/mlの、定常状態における血漿CoQ10濃度の群平均を生じた。これは、同じ60mg/日の用量を用いる上記可溶化されたCoQ10処方物について測定された2.75±0.22μg/mlより、有意(p≦0.01)小さい。同様に、可溶化されたCoQ10、CoQ10についてのAUCo−28日は、実施例6(42.27±2.29−対−29.6±4.61μg/ml/日)について見出されたAUCo−28より、有意(p≦0.01)大きかった。これらのデータ比較もまた、上記可溶化されたCoQ10処方物のCoQ10バイオアベイラビリティーが、実施例6のバイオアベイラビリティーより、有意に大きいことを示す。
【0082】
理論によって制限されず、なぜ上記可溶化されたCoQ10処方物(実施例5)が、実施例6より、より良い吸収を有するのかということは、この2つの処方物の物理的特徴によって説明され得る。実施例6および可溶化されたCoQ10処方物の両方は、同じソフトゲル被包プロセスによって作製された。この2つの処方物中の成分は、液体キャリア分子に対して異なっていた(実施例6において米ぬか油およびこの可溶化されたCoQ10処方物(実施例5)において大豆油およびD−リモネン油)。この2つの処方物の実験において、両方の内容物は、油性のマトリックスであった。上記可溶化されたCoQ10処方物は、実施例6より、より液体性(固体性がより小さい)であるようであった。実施例6は、β−カロテンに起因して、色は赤褐色であった。この可溶化されたCoQ10処方物は、色については暗褐色であった。顕微鏡実験において、実施例6は、小さい結晶を有することが見出されたが、上記可溶化されたCoQ10は、結晶を欠いていた。この可溶化されたCoQ10処方物は、単一のCoQ10分子の大きな画分からなり、そして腸管細胞の外側に、CoQ10のより大きい浸透圧濃度を生じ、従って、CoQ10吸収における亢進された拡散プロセスについて、より大きい駆動力を発揮することが考えられる。
【0083】
上記CoQ10結晶は、体温(37℃)より10℃高い融点を有し、そして65℃にて単一分子まで完全に融解するので、実施例6の、より低い吸収は、溶液中のCoQ10結晶のより大きい比率、および身体が結晶を吸収できないという生理学的な事実に起因することが考えられる。水または液体溶液中の単一分子のみが、腸管粘膜の膜を通過して吸収され得るか、または任意の上皮の細胞膜を通過して輸送され得る。
【0084】
要約すると、上記可溶化されたCoQ10処方物の吸収のピークについての速度論、および定常状態におけるバイオアベイラビリティーは、実施例6のものより有意に大きい。摂取用量の7.95%の吸収は、この処方物を優れた組成物にし、増加した量のCoQ10を、その必要がある被検体に提供する。
【0085】
本発明は、好ましい実施形態についての参考と共に記載されるが、当業者は、変更が、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、形態および詳細でなされ得ることを認識する。
【0086】
本出願全体に挙げられる全ての文献および特許は、全ての目的について本出願中に参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1は、可溶化されたコエンザイムQ−10についての、個々の単回用量(60mg)における吸収のピークの曲線を示す。
【図2】図2は、可溶化されたコエンザイムQ−10についての、個々の日用量(60mg/日)の、定常状態における血漿中コエンザイムQ−10のバイオアベイラビリティーの曲線を示す。
【図3】図3は、可溶化されたコエンザイムQ−10処方物(60mg)(上部の線、黒ひし形)(実施例5)および実施例6(30mg)(下部の線、黒四角)ついての、単回投与量における吸収ピークの曲線のグラフ表示を提供する。両方の処方物についてのCmaxは、6時間にて生じた。Cmaxにおける血漿中コエンザイムQ−10の変化は、この可溶化されたコエンザイムQ−10について、有意に3倍大きかった。Cmaxにて計算された吸収された容量の割合は、この可溶化されたコエンザイムQ−10に関して、実施例6についての6.04%と比べて7.95%であった。
【図4】図4は、この可溶化されたコエンザイムQ−10(上部の線、黒ひし形)(実施例5)および実施例6(下部の線、黒四角)についての、60mg/日の日用量における、定常状態のバイオアベイラビリティーの曲線のグラフ表示である。7日目、14日目、21日目および28日目に血漿濃度は、可溶化されたQ−10処方物について有意(p<0.01)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可溶化されたコエンザイムQ−10組成物であって、以下:
コエンザイムQ−10またはそのアナログ;
該コエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペン;および
受容可能なキャリア、
を含有し、ここで該組成物は、約5%と約12%との間である、コエンザイムQ−10またはそのアナログの吸収率を提供し、該吸収率は、投与される該コエンザイムQ−10またはそのアナログの総量に基づく、組成物。
【請求項2】
前記コエンザイムQ−10またはそのアナログは、コエンザイムQ−10、還元型コエンザイムQ−10および半還元型コエンザイムQ−10からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記モノテルペンは、リモネンまたはその誘導体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記リモネン誘導体は、ペリリルアルコール、ペリリックアシド、シス−ジヒドロペリリックアシド、トランス−ジヒドロペリリックアシド、ペリリックアシドのメチルエステル、ジヒドロペリリックアシドのメチルエステル、リモネン−2−ジオール、ウロテルペノール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、溶液、エリキシル、懸濁液、またはカプセルの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記カプセルは、ソフトゼラチンカプセルである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記キャリアは、大豆油である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
可溶化されたコエンザイムQ−10組成物であって、以下:
コエンザイムQ−10またはそのアナログ;
該コエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペン;および
受容可能なキャリア、
を含有し、ここで該組成物は、コエンザイムQ−10またはそのアナログの、約2.5μg/ml〜約3.5μg/mlの間の、定常状態における血漿濃度を提供する、組成物。
【請求項9】
前記コエンザイムQ−10またはそのアナログは、コエンザイムQ−10、還元型コエンザイムQ−10および半還元型コエンザイムQ−10からなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記モノテルペンは、リモネンまたはその誘導体である、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記リモネン誘導体は、ペリリルアルコール、ペリリックアシド、シス−ジヒドロペリリックアシド、トランス−ジヒドロペリリックアシド、ペリリックアシドのメチルエステル、ジヒドロペリリックアシドのメチルエステル、リモネン−2−ジオール、ウロテルペノール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は、溶液、エリキシル、懸濁液、またはカプセルの形態である、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記カプセルは、ソフトゼラチンカプセルである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記キャリアは、大豆油である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
可溶化されたコエンザイムQ−10組成物であって、以下:
コエンザイムQ−10またはそのアナログ;
該コエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペン;および
受容可能なキャリア、
を含有し、ここで該組成物は、コエンザイムQ−10またはそのアナログの、約2.1μg/ml〜約3.0μg/mlの間のピーク血漿濃度を提供する、組成物。
【請求項16】
前記コエンザイムQ−10またはそのアナログは、コエンザイムQ−10、還元型コエンザイムQ−10および半還元型コエンザイムQ−10からなる群より選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記モノテルペンは、リモネンまたはその誘導体である、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
前記リモネン誘導体は、ペリリルアルコール、ペリリックアシド、シス−ジヒドロペリリックアシド、トランス−ジヒドロペリリックアシド、ペリリックアシドのメチルエステル、ジヒドロペリリックアシドのメチルエステル、リモネン−2−ジオール、ウロテルペノール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は、溶液、エリキシル、懸濁液、またはカプセルの形態である、請求項15に記載の組成物。
【請求項20】
前記カプセルは、ソフトゼラチンカプセルである、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記キャリアは、大豆油である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
コエンザイムQ−10またはそのアナログの約5%と約12%との間である、該コエンザイムQ−10またはそのアナログの吸収率を提供する、コエンザイムQ−10またはそのアナログを、該コエンザイムQ−10またはそのアナログを必要としている個体に対して送達するための方法であって、該方法は、以下の工程:
モノテルペンおよび受容可能なキャリア中に可溶化されたコエンザイムQ−10またはそのアナログを含有する組成物を提供し、それによって該個体の血漿濃度は、該個体に対して提供された該コエンザイムQ−10またはそのアナログの総量の、約5%と約12%との間の吸収率を有する、工程、
を包含する、方法。
【請求項23】
定常状態の血漿濃度が約2.5μg/ml〜約3.5μg/mlの間であるコエンザイムQ−10またはそのアナログを、該コエンザイムQ−10またはそのアナログを必要としている個体に対して送達するための方法であって、該方法は、以下の工程:
モノテルペンおよび受容可能なキャリア中に可溶化されたコエンザイムQ−10またはそのアナログを含有する組成物を提供し、それによって該個体の血漿濃度は、定常状態にて、約2.5μg/ml〜約3.5μg/mlの間のコエンザイムQ−10またはそのアナログを含む工程、
を包含する、方法。
【請求項24】
ピーク血漿濃度が約2.1μg/ml〜約3.0μg/mlの間であるコエンザイムQ−10またはそのアナログを、該コエンザイムQ−10またはそのアナログを必要としている個体に対して送達するための方法であって、該方法は、以下の工程:
モノテルペンおよび受容可能なキャリア中に可溶化されたコエンザイムQ−10またはそのアナログを含有する組成物を提供し、それによって該個体の血漿濃度は、ピーク血漿濃度にて、約2.1μg/ml〜約3.0μg/mlの間のコエンザイムQ−10またはそのアナログを含む、工程、
を包含する、方法。
【請求項25】
包装された栄養補助処方物であって、以下:
コエンザイムQ−10またはそのアナログ、および該コエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペンを含有する処方物であって、ここで該処方物は、ゼラチンカプセル中に被包される、処方物;ならびに
個体の血漿濃度が、該個体に対して提供された該コエンザイムQ−10またはそのアナログの総量の、約5%と約12%との間の吸収率を有するように、該処方物を使用するための説明書、
を含む、包装された栄養補助処方物。
【請求項26】
包装された栄養補助処方物であって、以下:
コエンザイムQ−10またはそのアナログ、および該コエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペンを含有する処方物であって、ここで該処方物は、ゼラチンカプセル中に被包される、処方物;ならびに
個体の血漿濃度が、定常状態にて、約2.5μg/ml〜約3.5μg/mlの間であるコエンザイムQ−10またはそのアナログを含むように、該処方物を使用するための説明書、
を含む、包装された栄養補助処方物。
【請求項27】
包装された栄養補助処方物であって、以下:
コエンザイムQ−10またはそのアナログ、および該コエンザイムQ−10またはそのアナログを可溶化するのに適した十分な量のモノテルペンを含有する処方物であって、ここで該処方物は、ゼラチンカプセル中に被包される、処方物;ならびに
個体の血漿濃度が、ピーク血漿濃度にて、約2.1μg/ml〜約3.0μg/mlの間であるコエンザイムQ−10またはそのアナログを含むように、該処方物を使用するための説明書、
を含む、包装された栄養補助処方物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−507427(P2007−507427A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528309(P2006−528309)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/031775
【国際公開番号】WO2005/032278
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506103854)ソフト ジェル テクノロジーズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】