説明

合成ガス又は燃焼排ガスからCO2を分離するための方法及びシステム

本発明は、COを含む気体流からCOを分離するための方法及びシステムを提供する。初期圧力を有する気体流を圧縮し、次に冷却する。圧縮及び冷却した気体流は、気体流中のCOが少なくとも部分的に液相に転化する増加した圧力及び低下した温度を有する。液相を圧縮及び冷却した気体流から分離して、液相流及び気相流を与える。ここで、液相流の出口圧力は気体流の初期圧力よりも高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ガス流又は燃焼排ガス流から少なくともCOを分離するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼排ガスは、例えばN、CO、及び他の燃焼生成物を含む。
合成ガス流は、主として一酸化炭素及び水素を含む気体流である。合成ガス流は、例えば天然ガス、炭層メタン、留出油、及び残油などの炭化水素の部分酸化又は水蒸気改質によるか、或いは石炭又はコークスのような固体化石燃料のガス化によって製造される。合成ガスの製造に関する一般的な説明に関しては、"The Shell Middle Distillate Synthesis Process, Petroleum Review, 1990年4月, pp.204-209", Maarten van der Burgtらを参照されたい。
【0003】
無煙炭、褐炭、瀝青炭、亜瀝青炭、亜炭、石油コークス、泥炭などのような固体燃料、並びに重質残渣、例えばタールサンドから抽出される炭化水素、原油から直接か、或いは熱分解、接触分解、水素化分解等のような油転化プロセスから誘導される360℃より高い沸点の残油フラクションのような精油所からの残渣などの、合成ガスを生成させるための供給材料として用いることができる多くの固体又は非常に重質(粘稠)の化石燃料が存在する。かかるタイプの燃料は全て、異なる割合の炭素及び水素並びに汚染物質とみなされる異なる物質を有する。
【0004】
合成ガスを生成させるのに用いる供給材料によって、合成ガスは、二酸化炭素(CO)、硫化水素、硫化カルボニル、及び二硫化カルボニルのような汚染物質を含む可能性があり、また、窒素、窒素含有成分(例えば、HCN及びNH)、金属、金属カルボニル(特に、ニッケルカルボニル及び鉄カルボニル)、水蒸気、及び幾つかの場合においてはメルカプタンも含む可能性がある。
【0005】
合成ガス流は、処理して汚染物質を除去し、及び/又はH/CO比を調節することができる。例えば、WO−2008/068305においては、汚染物質を含む合成ガス流の一部を水性ガスシフト反応にかけ、並びに、バルクの汚染物質を除去し、次にポリッシングを行って汚染物質を所定のレベルまで除去することの組合せを用いることが記載されている。
【0006】
WO−2008/153379は、燃焼排ガス又は合成ガス混合物からCOを分離するための方法を提供する。この方法は、気体混合物を熱交換器内で冷却し、次に気体混合物を断熱膨張させて、混合物中のCOが少なくとも部分的に液相中になる温度及び圧力に気体を冷却することを含む。混合物を冷却する前に、気体混合物を加圧して膨張中の温度低下を増加させることができる。次に、冷却及び膨張させた混合物からCOを含む液体フラクションを分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO−2008/068305
【特許文献2】WO−2008/153379
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】"The Shell Middle Distillate Synthesis Process, Petroleum Review, 1990年4月, pp.204-2009", Maarten van der Burgtら
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、気体流からCOを分離するための改良された方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、
−初期圧力及び初期温度の気体流を与え;
−気体流を圧縮し;
−圧縮した気体流を冷却し、ここで圧縮及び冷却した気体流は気体流中のCOが少なくとも部分的に液相に転化する増加した圧力及び低下した温度を有し;そして
圧縮及び冷却した気体流から液相を分離して、出口圧力の液相流及び気相流を与える;
工程を含み;
液相流の出口圧力が気体流の初期圧力と比較して上昇している;
合成ガス流又は燃焼排ガス流からCOを分離する方法を提供する。
【0011】
気体を断熱膨張させることによって冷却することは、必要な装置コスト及び運転コストが比較的低いので理にかなっていると思われる。しかしながら、本発明は、投入気体流と比べて増加した圧力の生成物流を与えることができるように、気体流をまず圧縮することを教示する。生成物流の圧力は初期圧力と比べて増加しているので、生成物流は更なる処理のために直接供給することができる。1つの生成物流の圧力は、例えばCOを地中の貯留槽内に注入するのに好適なものにすることができる。更に、本発明方法によって、従来技術の方法よりも多いCOが単一のプロセス工程で除去され、これにより本方法はより効率的になる。
【0012】
一態様においては、初期圧力は20〜65bar、好ましくは約35〜60barの範囲である。而して、本方法はプラントからの合成ガスを直接取り扱うのに好適である。合成ガスは、変化するか又は所定の組成のものであってよい。合成ガスのH/CO比は、本発明方法に水性ガスシフト反応を含ませることによって決定することができる。
【0013】
他の態様においては、液相の出口圧力は75barより高く、或いは好ましくは100〜200barの範囲である。液相流は、直接処理して、それによって生成物流をポンプ移送又は他の形態で処理する必要性を取り除くことができる。液相流は、例えば地中の貯留槽内に直接注入することができる。而して、プロセス全体が比較的効率的である。液相の出口圧力が貯留槽内への直接注入を可能にするのに十分に高くない場合には、システムにポンプを加えて液相流の圧力を貯留槽への直接注入を可能にするのに十分に増加させることができる。
【0014】
好ましい態様においては、出口圧力は140〜160barの範囲である。気体流の圧縮によって決定されるこの圧力においては、CO除去プロセスの効率は比較的高い。捕捉率は例えば85%より高く、或いは90%のオーダーである。
【0015】
更に他の態様においては、気体流は合成ガス流であり、これを水性シフト反応にかけて、増加したH及びCOの含量を有するシフトされた合成ガス流を与える。H及びCOの含量を増加させることによってプロセスの効率が増加する。シフトされた合成ガス流は主としてH及びCOを含む。ここで「主として」とは、例えば40〜50モル%より多いH、及び40モル%より多いCOを示す。COは捕捉して貯留槽内に貯留することができる。Hに富む気体流は、幾つかの用途のため、例えば電力を生成するための発電機に燃料供給するための燃料として用いることができる。
【0016】
更に他の態様においては、気相の出口圧力は液相の出口圧力と実質的に同等である。例えば、加圧されたHに富む気相を用いて発電機に燃料供給することができる。
他の形態によれば、本発明は、
−初期圧力及び初期温度を有する気体流を圧縮するための圧縮器;
−圧縮した気体流を冷却する(ここで、圧縮及び冷却した気体流は気体流中のCOが少なくとも部分的に液相に転化する圧力及び温度を有する)ための少なくとも1つの冷却装置;及び
−圧縮及び冷却した合成ガス流を出口圧力において液相流及び気相流中に分離するための分離器;
を含み、
液相流の出口圧力は気体流の初期圧力と比べて増加している;
COを含む気体流からCOを分離するためのシステムを提供する。
【0017】
ここで、幾つかの態様及び図面を参照して本発明をより詳細に且つ例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明による一態様のシステムを図示する。
【図2】図2は、本発明による他の態様のシステムを図示する。
【図3】図3は、本発明による更に他の態様のシステムを図示する。
【図4】図4は、本発明による更に他の態様のシステムを図示する。
【図5】図5は、図4に示すシステムの別のデザインを図示する。
【図6】図6は、COを含む気体流の代表的な状態図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
供給気体流100を本発明のシステム102に供給する(図1〜3)。システム102は、気体流を圧縮して圧縮した気体流106を与える圧縮器104を含む。圧縮器104にはまた、圧縮した気体流106を予備冷却するアフタークーラーを更に含ませることもできる。システム102は、圧縮した気体流を冷却するための1以上、例えば3つの熱交換器108、110、112を含む。冷却及び圧縮した気体流114は分離器116に送る。分離器によって、気体流118及び液相流120が与えられる。
【0020】
気体流118は、場合によっては圧縮した気体流を冷却するための第1の熱交換器108(図1)又は第2の熱交換器(図2)に送ることができる。
液相流120は、場合によっては圧縮した気体流を更に冷却するための第2の熱交換器110(図1)又は第1の熱交換器(図2)に送ることができる。
【0021】
他の態様においては、第1の熱交換器108は、空気又は(海)水122を用いて圧縮した気体流106を予備冷却することができる(図3)。
他の態様(図4)においては、熱交換器108及び110に代えて多重流熱交換器109を用いることができる。
【0022】
それぞれの熱交換器は、流れ118、120と比べて上昇した温度を有する気相流124及び/又は液相流126を与える。熱交換器の後の圧力低下は、例えば0.5〜10barのオーダー、通常は1〜5barのオーダーである。
【0023】
(シフトされた)合成ガス流中のH及びCOからのCO、及び場合によってはHSのような他の汚染物質の分離は、相転移によって行う。合成ガス流の組成は、シフト反応を用いて、合成ガス流が所定のH/COの比を有するように調節することができる。合成ガスは、次にCOを貯留槽内に注入するために必要な圧力に圧縮することができる。貯留槽は、例えば(部分的に枯渇した)ガス田及び/又は海底貯留槽のような地下貯留槽である。
【0024】
合成ガスは、例えば、約25〜35モル%のH、60〜70モル%のCO、若干のCO及び汚染物質を含む。COの一部は、50〜60モル%のH、35〜50モル%のCO、及び例えば若干のCO及びHSを含む気体混合物中で転化する。
【0025】
合成ガスは、通常は25〜60barの範囲、例えば約35〜40bar又は約60barの圧力で与えられる。この初期圧力が、約100〜200bar、又は好ましくは約140〜160barに上昇する。それぞれの熱交換器の後の圧力低下は比較的小さく、約0.5〜5barの範囲である。
【0026】
合成ガスを圧縮した後、圧縮した合成ガスをCOが少なくとも部分的に液相にシフトする温度に冷却することによって、CO(及び場合によっては他の汚染物質)を除去する。
【0027】
冷却は、1以上の段階、例えば図1〜3に示すように3段階で行うことができる。生成物流はそれぞれ第1及び第2の熱交換器(図1及び2)に送って、圧縮した気体流を冷却することができる。COを分離するための所定の目標温度に到達させるために、更なる冷却力を用いる第3の熱交換器を含ませることができる。第3の熱交換器は、冷媒として例えばエタン及び/又はプロパンを用いることができる。第3の熱交換器が必要な冷却力は、圧縮した気体を冷却するために生成物流の潜在冷熱を用いることによって、例えば約40〜60%減少させることができる。
【0028】
図4は、供給気体流100を圧縮器104に供給する別の態様を示す。しかしながら、図4に示す態様においては、熱交換器108及び110の機能を果たす多重流熱交換器109を用いる。熱交換器109はまた、熱交換器112の寸法を最小にするために、更なる冷媒として外部冷却システムからの更なるプロパンを用いることもできる。
【0029】
或いは、図5に示すように、供給気体流100はまた、圧縮器104に供給する。しかしながら、圧縮した気体流106を少なくとも2つの別々の流れ106A及び106Bに分割する。この態様においては、熱交換器108及び110を並列に配列し、流れ106A及び106Bを、それぞれ熱交換器108及び110中に供給する。次に、冷却及び圧縮した出口流を再び合わせて、熱交換器112を経由して分離器116に送る。分離器116は、気体流118及び液体流120を与える。図5においては2つの流れ106A及び106Bを示しているが、所望の場合には、圧縮した気体流106を2つより多い流れに分割し、それぞれの数の熱交換器中に供給することができる。
【0030】
図4における気体流118は、場合によっては多重流交換器109、或いは図5の態様においては圧縮した気体流を冷却するための第1の熱交換器108又は第2の熱交換器110に送ることができる。同様に、液相流120は、場合によっては、図5の態様の場合においては圧縮した気体流を更に冷却するための第2の熱交換器110又は第1の熱交換器108、或いは図4の態様の場合においては多重流交換器109に送ることができる。
【0031】
図4及び5に示す態様によって、熱交換器112をより小さくして、それによって設備コスト及びエネルギー使用量の節約を達成することができる。図4に示す態様が好ましい。
【0032】
図1〜5に示すシステムによって、供給気体流100からCOの75%〜80%が除去される。更に大きなレベルのCOの除去が所望の場合には、例えば物理溶媒又はアミン溶媒を用いる吸収プロセス、又は圧力スイング若しくは温度スイング再生を用いる吸着プロセスのような商業的に利用できるCO除去プロセスを用いて、気相流124の更なる処理を行うことができる。かかる更なる処理によって、供給気体流からのCOの100%までの除去が得られる。また、図4及び5に示すように、所望の場合には膨張器125を用いて動力回収及び気相流124の更なる冷却を与えることができ、これは、流れ106を更に冷却するための熱交換器109(図4)又は熱交換器110(図5)に適用することができる。
【0033】
図6は、特定の組成を有する合成ガスの代表的な状態図を示す。x軸は温度T(℃)を示し、y軸は圧力P(bar)を示す。液体L、蒸気V、気体G、固体S、及びこれらのそれぞれの混合物(GL、VL、GS、VS)を用いて別々の相が示されている。線400、402は、それぞれの相混合物の境界を示す。ここで用いる気相は気体及び蒸気を指す。
【0034】
矢印406、408によって示されるように、気体流を例えば約−30〜−60℃の範囲内の温度に冷却して、部分的に気体又は蒸気を含み、部分的に液体を含む混合物を得る。好ましい態様においては、気体を約−55℃に冷却する。
【0035】
本発明の方法及びシステムによって、単一のプロセス工程で大きな割合のCOを捕捉することができる。これは、以下の非限定的な例を用いて認識することができる。三重点は、例えば大体15barの圧力及び−55℃の温度に存在する。気体の成分iの分圧pは、全圧P、モル割合y、体積割合x、及び体積割合の圧力Pと、次式のような関係を有する。
【0036】
【化1】

【0037】
したがって、下流端におけるCO捕捉率ηCO2は、次式:
【0038】
【化2】

【0039】
(式中、down及びupは、それぞれシステムの下流側及び上流側におけるそれぞれの値を示す)
として公式化することができる。
【0040】
例えば150barの運転圧力Pにおいては、COの捕捉率を90モル%のオーダーにすることができる(理想気体に関して)。
【0041】
【化3】

【0042】
気体流を100〜200barのオーダーの圧力に圧縮することによって、液相生成物流中の比較的高いCOのモル%が比較的限定された全体的コストと組み合わさった好ましい結果が与えられる。
【0043】
供給合成ガスは、例えば好ましくは水性ガスシフト反応を用いて気体をシフトさせた後に供給する。シフトされた合成ガスは、主としてH及びCOを、例えば40〜45モル%のCO、50〜55モル%のHのオーダーで含む。更に、シフトされた合成ガスは、例えば約2モル%のCO及び/又は1モル%のHSを含む。本発明のプロセスに供給する合成ガスは、例えば45〜55℃の範囲の初期温度、及び/又は35〜40barのオーダーの初期圧力を有する。
【0044】
気体生成物流は、例えば8〜14モル%のCO2、2〜5モル%のCO、85〜95モル%のH、及び/又は<0.5モル%のHSを含むようにすることができる。
液相生成物流は、約90〜98モル%のCO、<5モル%のH、及び/又は<1モル%のCOを含むようにすることができる。
【0045】
実際的な態様においては、図1〜5に示すように合成ガスを2又は3段階で冷却することが提案される。例えば作動流体としてエタン及び/又はプロパンを用いる冷却機を1以上の段階に含ませることができる。例えば最後の段階において冷却機を用いる場合には、最終冷却装置は例えば0.25MW/kg−COで運転することができる。ここで、kg−COは液相流中のCOのキログラム量を示す。
【0046】
冷たいHに富む気相流及び/又はCOに富む液相流は、熱交換器の1つ、例えば第1及び/又は第2の熱交換器に送って、必要な仕事量の他の部分、例えば約0.21MW/kg−COを与えることができる。圧縮した気体流106は、その後の段階において、例えば第1の熱交換器108の後に1〜10℃、第2の熱交換器110の後に−15〜−25℃、及び/又は第3の熱交換器112の後に−55〜−30℃に冷却することができる。
【0047】
用いる分離技術は本発明方法に対しては重要ではなく、好都合には、実績のある気/液分離技術を用いて液体CO液滴を捕捉することができる。かかる技術としては、例えば圧縮器の中間冷却器、渦巻管、又はサイクロンにおいて用いるデミスターマット又はベーンパックが挙げられる。
【0048】
生成物流は、更なる実際の使用のために好適な圧力及び温度において、場合によっては更なる処理を行わずに供する。総合的に、本発明の方法及び装置は、気体流からCOを除去することに関する効率的でコスト的に有効な改良を与える。また、比較的高いモル%のH、例えば約90モル%以上のHを含む気体生成物流は、その後のプロセス工程において直ちに用いることができる。これらのプロセス工程としては、例えば電気を生成するための発電機に燃料を供給することが挙げられる。また、Hに富む流れを精油所に送って、炭化水素の長さを減少させるための水素化処理装置又は水素化分解装置或いは同様の装置内にその流れを導入することもできる。
【0049】
本発明の方法及びシステムは、具体的には合成ガス流又は燃焼排ガス流からCOを捕捉するのに適している。本方法は天然ガスを処理するのには適していないように思われる。これは、気体を圧縮及び冷却することによってメタンの相当割合がCOと一緒に凝縮するからである。合成ガス又は燃焼排ガスはメタンを含まないが、それぞれH又はNを含む。後者は、本発明方法に含まれる圧力及び温度において凝縮しない。更に、本発明方法にしたがって合成ガス又は燃焼排ガスを冷却することは、結果的に膨張による冷却よりもより効率的である。これに対して、天然ガスは35barより低い比較的低い圧力に膨張させることによってより有効に冷却することができる。
【0050】
上記において、圧力はbarの単位で表す。ここで、barはbar絶対圧を示す。
本発明の上記記載の幾つかの態様は非限定的であると意図される。特許請求の範囲内においてその多くの修正を想到することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−初期圧力及び初期温度の気体流を与え;
−気体流を圧縮し;
−圧縮した気体流を冷却し、ここで圧縮及び冷却した気体流は気体流中のCOが少なくとも部分的に液相に転化する増加した圧力及び低下した温度を有し;そして
圧縮及び冷却した気体流から液相を分離して、出口圧力の液相流及び気相流を与える;
工程を含み;
液相流の出口圧力が気体流の初期圧力よりも高い;
合成ガス流又は燃焼排ガス流からCOを分離する方法。
【請求項2】
初期圧力が20〜65bar、好ましくは35〜60barの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
液相流の出口圧力が75barより高い、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
液相流の出口圧力が100〜200barの範囲である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
出口圧力が約140〜160barの範囲である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
−液相流及び/又は気相流を、圧縮した気体流を冷却するための1以上の熱交換器に送る;
工程を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
気体流を与える工程が、
−合成ガス流を与え;そして
−合成ガス流を水性シフト反応にかけて、増加したH及び/又はCO含量を有する処理合成ガス流を与える;
ことを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
気相の出口圧力が液相の出口圧力と実質的に同等である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
圧縮した気体流の冷却を少なくとも部分的に多重流熱交換器内で行う、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
圧縮した気体流を少なくとも2つの流れに分割し、分割した圧縮気体流のそれぞれの冷却を、少なくとも部分的に、並列に配列されている別々の熱交換器内で行う請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
−初期圧力及び初期温度を有する気体流を圧縮するための圧縮器;
−圧縮した気体流を冷却する(ここで、圧縮及び冷却した気体流は気体流中のCOが少なくとも部分的に液相に転化する圧力及び温度を有する)ための少なくとも1つの冷却装置;及び
−圧縮及び冷却した合成ガス流を出口圧力において液相流及び気相流中に分離するための分離器;
を含み、
液相流の出口圧力は気体流の初期圧力よりも高い;
COを含む気体流からCOを分離するためのシステム。
【請求項12】
−第1の熱交換器;
を含み、液相流を、圧縮した気体流を冷却するための第1の熱交換器に送る、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
−第2の熱交換器;
を含み、気相流を、圧縮した気体流を冷却するための第2の熱交換器に送る、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
分離器が、サイクロン、渦巻管、及び/又はデミスターマットを含む、請求項11〜13のいずれかに記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−526962(P2012−526962A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510291(P2012−510291)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056541
【国際公開番号】WO2010/130781
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】