説明

合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置

【課題】 合成樹脂製チューブとこれと特性が異なる合成樹脂製継手とを溶着するに際し、チューブと継手との突き合わせ端面に食い違いが生じることを防止する合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置を提供する。
【解決手段】 溶着位置における1対のクランプ部材1,2は、加熱位置にある端面加熱ヒータ3の位置を基準として、対称に位置させられている。各ブッシュ6,7は、その端面位置からクランプ部材1,2の端面位置までの距離X1,X2が相違するように、対応するクランプ部材1,2に取り付けられている。相対的にメルトフローレートが大きい方の合成樹脂製継手Cの支持位置から突き合わせ端面までの距離X2を相対的にメルトフローレートが小さい方の合成樹脂製チューブTの支持位置から突き合わせ端面までの距離X1よりも小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、合成樹脂製のチューブや継手を結合するための合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造用の流体制御装置のうち、洗浄やレジスト塗布に使用される液体用のものは、例えば、PFAやPTFEなどの合成樹脂を使用してその配管部分が形成されている。この合成樹脂配管を形成するに際しては、例えば、遠赤外線加熱式溶着装置を使用して、合成樹脂製管状部材の端部同士を加熱溶融させて接合する溶着が行われている(特許文献1)。
【0003】
図4は、従来の合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置を示している。合成樹脂製管状部材同士の溶着装置は、各管状部材(T1)(T2)の端部近くを端面同士を対向させた状態で保持しかつ両管状部材(T1)(T2)の端面同士を突き合わせる溶着位置とこの位置から離れた加熱位置とに移動可能な1対のクランプ部材(1)(2)と、両管状部材(T1)(T2)の端面の間に介在させられて両管状部材(T1)(T2)の該端面を加熱する加熱位置とこの位置から離れた待機位置とに移動可能な端面加熱ヒータ(3)と、1対のクランプ部材(1)(2)のうちの一方を移動不可能に保持する固定側クランプ保持手段(4)と、1対のクランプ部材(1)(2)のうちの他方を両管状部材(T1)(T2)同士を突き合わせる方向に移動させるクランプ移動手段としての可動側クランプ保持手段(5)とを備えている。
【0004】
そして、合成樹脂製管状部材同士の溶着は、まず、1対のクランプ部材(1)(2)にそれぞれ管状部材としてのPFAチューブ(T1)(T2)をセットし(図4(a))、次いで、端面加熱ヒータ(3)で各PFAチューブ(T1)(T2)の端部を加熱して溶融し(図4(b))、次いで、端面加熱ヒータ(3)を外した後、可動側クランプ保持手段(5)に支持されたクランプ部材(2)がスライドして、これに保持されているPFAチューブ(T2)の溶融端部を固定側クランプ保持手段(4)に支持されたクランプ部材(1)に保持されているPFAチューブ(T1)の溶融端部に突き合わせ(図4(c))、この突き合わせ部が冷却されることにより行われていた。
【特許文献1】特開2001−141166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の合成樹脂製管状部材同士の接合では、同じ材料同士の場合には、大きな問題は生じないが、合成樹脂製チューブとこれと特性が異なる合成樹脂製継手とを溶着する場合、メルトフローレートの違いによってチューブと継手との突き合わせ端面に食い違いが生じるという問題があった。
【0006】
例えば、継手は射出成形で製作され、チューブ材は押出しで製作される。射出成形品は、高温流動性が必要であり、射出成形グレードが用いられ、そのメルトフローレートは15(g/10min)程度である。これに対してチューブ材は、押出しグレードが用いられ、そのメルトフローレートは2(g/10min)程度である。樹脂のグレードの違いと成形方法の違いにより、溶着のためにヒータで加熱した場合に、それぞれの先端溶着部分の変形量が異なることがわかっている。すなわち、チューブ材は、加熱溶融温度になった状態で室温時とほぼ同じ直径であるのに対して、継手は、加熱溶融温度になった状態で室温時より直径が大きくなり、この状態で押し付けられるため、溶融状態で段差ができる。そして、自然冷却により溶着が完了した際には、溶融時の段差が残ったままになる。この変形量は、配管サイズが大きいほどその差が大きくなり、径が1インチ(厚みが1.6mm)の継手では、変形量の差が直径で約1.0mm程度となり、溶着部内面で0.5mmの段差が生じる。この結果、内面段差によって流体の流れに異常をきたすばかりでなく、1.6mmの肉厚に対して0.5mmの段差があるため、溶着断面積が約2/3まで減少し、溶着部の強度低下という問題も発生する。
【0007】
この発明の目的は、例えば、合成樹脂製チューブとこれと特性が異なる合成樹脂製継手とを溶着するに際し、チューブと継手との突き合わせ端面に食い違いが生じることを防止する合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による合成樹脂製管状部材同士の溶着方法は、第1の合成樹脂製管状部材の端部とこれとメルトフローレートが異なる第2の合成樹脂製管状部材の端部とを加熱して溶融させた後、端面同士を突き合わせて溶着する方法であって、相対的にメルトフローレートが大きい方の合成樹脂製管状部材の支持位置から突き合わせ端面までの距離を相対的にメルトフローレートが小さい方の合成樹脂製管状部材の支持位置から突き合わせ端面までの距離よりも小さくすることを特徴とするものである。
【0009】
この発明の対象となる合成樹脂としては、熱可塑性合成樹脂全般とされ、例えば、PFAのようなフッ素樹脂が好適である。第1の合成樹脂製管状部材とこれとメルトフローレートが異なる第2の合成樹脂製管状部材とは、例えば、一方が射出成形で製作される継手であり、他方が押し出しで製作されるチューブである。この場合、合成樹脂がいずれもPFAであっても、射出成型品は、高温流動性が必要であり、メルトフローレートが15(g/10min)程度が好ましいのに対し、チューブのメルトフローレートは、2(g/10min)程度が適正とされている。そして、このようにメルトフローレートが違っているもの同士を同じメルトフローレートのもの同士を溶着するのと同じ方法で溶着しようとすると、ヒータによる加熱時に、先端溶着部分の変形量が異なり、溶着部内面に生じる段差部が大きくなるという問題がある。これに対し、相対的にメルトフローレートが大きい方の合成樹脂製管状部材の支持位置から突き合わせ端面までの距離を相対的にメルトフローレートが小さい方の合成樹脂製管状部材の支持位置から突き合わせ端面までの距離よりも小さくすることにより、この問題を解消することができる。
【0010】
相対的にメルトフローレートが大きい方の合成樹脂製管状部材の支持位置から突き合わせ端面までの距離を相対的にメルトフローレートが小さい方の合成樹脂製管状部材の支持位置から突き合わせ端面までの距離よりも小さくするには、第1および第2の合成樹脂製管状部材の端部近くを端面同士を対向させた状態で保持しかつその端面同士を突き合わせる溶着位置とこの位置から離れた加熱位置とに移動可能な1対のクランプ部材について、その可動側または固定側のクランプ部材の停止位置を調整してもよく、また、各クランプ部材に設けられて管状部材の端部近くを支持するブッシュについて、その長さを相違させ、ブッシュの端面位置からクランプ部材の端面位置までの距離が相違するように、各ブッシュが対応するクランプ部材に取り付けられているようにしてもよい。
【0011】
支持位置以外の各操作は、従来と同じでよく、例えば、加熱時間は、15〜100秒程度とされ、加熱後の押し付け量は、0.1〜0.6mm程度とされ、加熱前に、両管状部材の突き合わせ端部内径部分を面取りするなどの操作が必要に応じて施される。
【0012】
溶着される管状部材の径および厚みは、特に限定されるものではないが、径は、1/4インチ〜1インチが一般的であり、厚みは、1.0mm〜1.6mmが一般的である。この発明による溶着方法は、管状部材の径が1/2インチ以上の比較的大径の場合に、より大きな効果が得られる。
【0013】
また、この溶着方法は、相対的にメルトフローレートが大きい方の合成樹脂製管状部材が継手であり、相対的にメルトフローレートが小さい方の合成樹脂製管状部材がチューブである場合に、より好適に使用される。
【0014】
この発明による合成樹脂製管状部材同士の溶着装置は、第1および第2の合成樹脂製管状部材の端部近くを端面同士を対向させた状態で保持しかつその端面同士を突き合わせる溶着位置とこの位置から離れた加熱位置とに移動可能な1対のクランプ部材と、両管状部材の端面の間に介在させられて該端面を加熱する加熱位置とこの位置から離れた待機位置とに移動可能な端面加熱ヒータとを備えており、各クランプ部材に、管状部材の端部近くを支持するブッシュが設けられている合成樹脂製管状部材同士の溶着装置において、溶着位置における1対のクランプ部材は、加熱位置にある端面加熱ヒータの位置を基準として、対称に位置させられており、各ブッシュは、その端面位置からクランプ部材の端面位置までの距離が相違するように、対応するクランプ部材に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0015】
端面加熱ヒータは、例えば、遠赤外線式のものとされるが、これに限定されるものではない。
【0016】
ブッシュは、溶着を行なう樹脂材料よりも融点が高い材料であればどのようなものでも良いが、若干弾性を有していることが好ましく、例えばPTFEなどのフッ素系樹脂および所謂スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる物、また、金属製からなるブッシュ等、溶着される管状部材の材質に比べて高い融点を有しているものが適宜選択される。また、ブッシュは半割れでもよく、切り欠きの入った一体物として、切り欠きを広げて継手を着脱するようにしてもよい。
【0017】
従来の溶着装置では、1対のクランプ部材の溶着位置が対称で、各クランプ部材に設けられて管状部材の端部近くを支持するブッシュの端面位置も対称とされているのに対し、この発明の溶着装置では、クランプ部材の方は変更されずに、ブッシュの方が非対称とされる。具体的には、一方(例えばチューブを保持する側)のブッシュがクランプ部材の端面と面一(従来と同じ)となされているのに対し、他方(例えば継手を保持する側)のブッシュの長さが大きくなされて、その端面がクランプ部材の端面よりも突出させられる。なお、ブッシュは、クランプ部材に共通の外径を有し、内径が異なるものが複数種類用意され、溶着される管状部材の径に応じて適宜変更される。
【0018】
この装置を使用して溶着することにより、2つの管状部材間に特性差があってその熱変形の程度に差がある場合でも、溶着部段差を非常に小さく抑えることができる。
【0019】
なお、段差をなくす他の方法として、継手の内外径寸法をチューブの内外径寸法より変形差分小さく製作することが考えられるが、この場合には、外径が異なるため、従来と同じブッシュを使用した場合に、外径が相対的に小さい方の部材では、固定が緩く軸合わせに手間取るという問題があり、押付け力不足の可能性があるという問題もある。また、寸法を変えたブッシュを準備したとしても、外径に段差があるため軸合わせが困難という問題がある。
【発明の効果】
【0020】
この発明の合成樹脂製管状部材同士の溶着装置によると、例えば、これを合成樹脂製チューブとこれと特性が異なる合成樹脂製継手との溶着に使用して、継手端面の溶着時の変形を抑制することにより、チューブとの段差をなくし、溶着断面積を最大にして、溶着部強度を十分なものにするとともに、内面の段差が極小になることで、流体の流れをスムーズにして液だまりや気泡発生の要因を減らすことができる。また、突出部により増加したブッシュの熱容量により、継手の先端部分で起きるガス発生量が抑えられ、溶着部内に起きる気泡発生が抑制される。
【0021】
この発明の合成樹脂製管状部材同士の溶着方法によると、突き合わせ部に存在するビード部内面の段差を小さくすることができ、こうして得られた管状部材を配管に使用することにより、接合部が液体のスムーズな流れを阻害することがなく、また、接合部が液だまりとなって液体の置換に要する時間を長くすることも防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0023】
この発明による合成樹脂製管状部材同士の溶着装置は、合成樹脂製チューブである第1の合成樹脂製管状部材(T)とこれとメルトフローレートが異なる合成樹脂製継手である第2の合成樹脂製管状部材(C)とを溶着するのに好適なもので、各管状部材(T)(C)の端部近くを端面同士を対向させた状態で保持しかつ両管状部材(T)(C)の端面同士を突き合わせる溶着位置とこの位置から離れた加熱位置とに移動可能な1対のクランプ部材(1)(2)と、両管状部材(T)(C)の端面の間に介在させられて両管状部材(T)(C)の該端面を加熱する加熱位置とこの位置から離れた待機位置とに移動可能な端面加熱ヒータ(3)と、1対のクランプ部材(1)(2)のうちの一方を移動不可能に保持する固定側クランプ保持手段(4)と、1対のクランプ部材(1)(2)のうちの他方を両管状部材(T)(C)同士を突き合わせる方向に移動させるクランプ移動手段としての可動側クランプ保持手段(5)と、クランプ移動手段(5)およびヒータ(3)のそれぞれの移動タイミングを制御する移動タイミング制御手段(図示略)とを備えている。
【0024】
この実施形態では、左のクランプ部材(1)が固定、右のクランプ部材(2)が可動とされている。各クランプ部材(1)(2)は、ヒンジ軸(図示略)を介して開閉可能に連結された受け部(1a)(2a)および押さえ部(1b)(2b)からなり、各クランプ部材(1)(2)には、管状部材(T)(C)の端部近くを支持する略円筒形のブッシュ(6)(7)がそれぞれ着脱可能に取り付けられている。各ブッシュ(6)(7)は、クランプ部材(1)(2)で挟まれた際に若干縮径可能なように、断面C字形とされている。各ブッシュ(6)(7)は、管状部材(T)(C)の外径に応じて交換可能とされており、管状部材(T)(C)に適合するブッシュ(6)(7)をクランプ部材(1)(2)に取り付けるとともに、受け部(1a)(2a)に支持された管状部材(T)(C)を押さえ部(1b)(2b)によって押さえることにより、管状部材(T)(C)の外周面がブッシュ(6)(7)によって全周にわたって保持される。
【0025】
端面加熱ヒータ(3)は、素材固有の赤外線吸収スペクトルの中で吸収率の高い波長の遠赤外線を放射する遠赤外線ヒータとされており、加熱位置において、所定間隔をおいて対向させられた両管状部材(T)(C)の端面の間に、これらとは若干の間隔をおいて介在させられる。これにより、管状部材(T)(C)の端部は、非接触で加熱されて低温で溶融し、フッ素ガスを出さずに溶着が可能とされている。
【0026】
2つのブッシュ(6)(7)は、互いに異なる長さとされて、その端面位置からクランプ部材(1)(2)の端面位置までの距離X1およびX2が相違するように、対応するクランプ部材(1)(2)に取り付けられている。
【0027】
そして、合成樹脂製管状部材(T)(C)同士の溶着は、まず、合成樹脂製チューブ(T)をブッシュ(6)が相対的に短くその端面がクランプ部材(1)の端面と面一とされている方のクランプ部材(1)に、この合成樹脂製チューブ(T)よりもメルトフローレートが大きい合成樹脂製継手(C)をブッシュ(7)が相対的に長くその端面がクランプ部材(2)の端面から突出させられている方のクランプ部材(2)にそれぞれ保持させ(図1(a))、次いで、端面加熱ヒータ(3)で合成樹脂製管状部材(T)(C)の端部を加熱して溶融させる(図(b))。この際、図1(b)に示すように、1対のクランプ部材(1)(2)は、加熱位置にある端面加熱ヒータ(3)の位置を基準として、対称に位置させられている。したがって、管状部材(T)(C)の溶融深さは、ほぼ対称となる。次いで、端面加熱ヒータ(3)を外した後、可動側クランプ保持手段(5)に支持されたクランプ部材(2)がスライドして、これに保持されている継手(C)の溶融端部を固定側クランプ保持手段(4)に支持されたクランプ部材(1)に保持されているチューブ(T)の溶融端部に突き合わせる(図1(c))。この際、メルトフローレートが相対的に大きく外径が大きくなりやすい継手(C)は、相対的に長いブッシュ(7)によって保持されるので、変形が抑えられ、チューブ(T)と継手(C)とは、溶融後の径がほぼ同じ状態で突き合わされ、この突き合わせ部が冷却されることにより溶着が終了する。
【0028】
こうして、相対的にメルトフローレートが大きい方の合成樹脂製管状部材(C)の支持位置から突き合わせ端面までの距離を相対的にメルトフローレートが小さい方の合成樹脂製管状部材(T)の支持位置から突き合わせ端面までの距離よりも小さくした条件下で、メルトフローレートが異なる2つの合成樹脂製管状部材(T)(C)が溶着される。
【0029】
図2(a)(b)は、上記の溶着装置を使用した溶着によって得られた管状部材(T)(C)の接合部を示すもので、同図には、径が3/4インチ、厚みが1.6mmのPFAチューブ(T)とPFA継手(C)とを400℃で60秒加熱して溶着した場合の溶着部の断面実測結果が示されている。なお、(a)は上側の状態を、(b)は、下側の状態を示している。また、図3には、同じ管状部材(T)(C)に対して従来の溶着装置を使用した場合の接合部を示している。いずれの場合も、チューブ(T)の溶着面(端面)からブッシュ(6)の端面までの距離は、8mmとされ、継手(C)の溶着面(端面)からブッシュ(7)の端面までの距離は、従来では8mmとされ、この発明による溶着装置では、3mmとされている。なお、この3mmという値は、1〜7mm程度で適宜変更可能である。
【0030】
これによると、従来の条件で溶着したものでは、チューブ(T)の径がほとんど変わらないのに対し、継手(C)の外径が大きくなるため、段差が大きくなるとともに、溶着断面積が減少している。このため、段差に起因して液だまりや気泡が発生するという問題があり、また、溶着断面積の減少に伴って、強度が低下するという問題がある。
【0031】
これに対し、この発明の合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置によると、継手(C)の溶着面(端面)から1〜7mmの部分をブッシュ(7)が支持するため、加熱溶融時の継手(C)の変形を抑えることができ、加熱終了後の押付け時に、チューブ(T)との段差が生じることなく、冷却後も段差がなく溶着が終了する。また、溶着断面積についても、従来品のような減少がなく、充分な強度が得られる。また、内面に段差がないため、液だまりや気泡発生等の段差に起因する問題が極小に押えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明による合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置の実施形態を示す模式図である。
【図2】この発明による合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置で得られる管状部材の接合部の状態を示している。
【図3】従来の合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置で得られる管状部材の接合部の状態を示す図である。
【図4】従来の合成樹脂製管状部材同士の溶着方法およびその装置を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
(1)(2) クランプ
(3) 端面加熱ヒータ
(5) クランプ移動手段
(6)(7) ブッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の合成樹脂製管状部材の端部とこれとメルトフローレートが異なる第2の合成樹脂製管状部材の端部とを加熱して溶融させた後、端面同士を突き合わせて溶着する方法であって、相対的にメルトフローレートが大きい方の合成樹脂製管状部材の支持位置から突き合わせ端面までの距離を相対的にメルトフローレートが小さい方の合成樹脂製管状部材の支持位置から突き合わせ端面までの距離よりも小さくすることを特徴とする合成樹脂製管状部材同士の溶着方法。
【請求項2】
相対的にメルトフローレートが大きい方の合成樹脂製管状部材は、継手であり、相対的にメルトフローレートが小さい方の合成樹脂製管状部材は、チューブである請求項1の合成樹脂製管状部材同士の溶着方法。
【請求項3】
第1および第2の合成樹脂製管状部材の端部近くを端面同士を対向させた状態で保持しかつその端面同士を突き合わせる溶着位置とこの位置から離れた加熱位置とに移動可能な1対のクランプ部材と、両管状部材の端面の間に介在させられて該端面を加熱する加熱位置とこの位置から離れた待機位置とに移動可能な端面加熱ヒータとを備えており、各クランプ部材に、管状部材の端部近くを支持するブッシュが設けられている合成樹脂製管状部材同士の溶着装置において、溶着位置における1対のクランプ部材は、加熱位置にある端面加熱ヒータの位置を基準として、対称に位置させられており、各ブッシュは、その端面位置からクランプ部材の端面位置までの距離が相違するように、対応するクランプ部材に取り付けられていることを特徴とする合成樹脂製管状部材同士の溶着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−297611(P2006−297611A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118124(P2005−118124)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(390033857)株式会社フジキン (148)
【Fターム(参考)】