説明

合成開口レーダおよび合成開口レーダ画像再生処理方法

【課題】広いレンジ方向観測幅・ストリップマップ観測・自由なPRF設定の条件の下で、アジマス方向の高分解能化を可能とする合成開口レーダを提供する。
【解決手段】1系の送信アンテナ102と2系の受信アンテナ104a,bとを備え、送信アンテナ102のアジマス方向の送信アンテナビーム103のビーム幅を受信アンテナ104a,bのそれの2倍となるように設定し、かつ、受信アンテナビーム105aは進行方向側に向け、受信アンテナビーム105bは進行方向とは逆側に向けるように構成する。また、送信アンテナ102と2系の受信アンテナ104a,104bとは共用とし、一つのアレイアンテナをエレベーション方向に2分割して受信アンテナ104a,bを構成する。送信アンテナ102のアジマス方向のアンテナ寸法を、前記アレイアンテナの各素子の位相設定によりまたは送信時に電気的に受信アンテナ104a,bのアンテナ寸法の半分にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成開口レーダおよび合成開口レーダ画像再生処理方法に関し、特に、アジマス方向の高分解能化が可能な合成開口レーダおよび合成開口レーダ画像再生処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、SAR(Synthetic Aperture Radar:合成開口レーダ)のアジマス(Az:Azimuth)方向の分解能は、アジマス方向アンテナ寸法の約半分である。したがって、アジマス方向の分解能を向上させるためには、アジマス方向アンテナ寸法を小さくする必要がある。その場合、図8に示すように、ドップラー帯域が広がり、サンプリング定理を満たすためには、PRF(パルス繰り返し周波数)を高く設定する必要がある。一方、PRFが高くなると、レンジ(Rg)方向の観測幅は制約されるため、アジマス方向の高分解能化とレンジ方向の広観測幅化とは両立が困難であった。図8は、通常のSARにおけるSAR画像再生時の問題点を説明するための説明図であり、アンテナ寸法を小さくして、送信ビーム幅を広くすると、ドップラー帯域(つまり合成開口帯域)が広がり、PRFを高く設定する必要があることを説明している模式図である。
【0003】
これを解決するための手段として、図9に示すスポットライトSARが提案されている。スポットライトSARでは、アンテナのビームを、時間経過とともに、その照射方向を、進行方向、進行方向逆側に走査することによって、合成開口帯域幅を拡大し、アジマス方向の分解能の改善を図ることができる。図9は、スポットライトSARによるSAR画像再生時の様子を示す説明図であり、進行方向に沿って通常の帯域幅の送信ビームを時間経過とともに走査することによって、ドップラー帯域を拡大しなくても、受信ビームの合成開口帯域幅が拡大され、高Az分解能の画像の生成が可能とされる様子を示している。しかし、スポットライトSARでは、時間経過とともに、ビーム方向をアジマス方向に走査していく必要があり、さらに、通常の合成開口レーダでは実現可能であった帯状観測(ストリップマップ観測)ができなくなるという課題がある。
【0004】
また、他の方法として、図10、図11に示すように、TerraSAR−XのDRA(Dual Receive Antenna)モードを採用し、受信アンテナをアジマス方向に電気的に二分割し、両受信アンテナでの受信位置(位相中心)が交互に並ぶようにPRFを設定し、両受信アンテナで受信した両データを合成することによって、仮想的にPRFを2倍とする(非特許文献1に類似技術が記載されている)。このように、実際のPRFが低いままで、広いドップラー帯域幅、すなわち、Az方向の高分解能化の実現を可能としている。図10は、TerraSAR−XのDRAモードによるSAR画像再生時の様子を示す説明図であり、広い帯域幅の送信ビームを用い、かつ、二つの受信アンテナビームの位相中心が調整された両受信データを合成することによって、実際のPRFは低いままでも仮想的にPRFを2倍に拡大して、受信ビームの合成開口帯域幅が拡大され、高Az分解能の画像の生成が可能とされる様子を示している。図11は、TerraSAR−XのDRAモードにおける送受信ビームの位相関係を示す説明図であり、時間経過とともに、二つの受信アンテナで受信される受信データの位相中心が進行方向に交互に位置する様子を示している。
【0005】
しかし、このDRAモードによる方法では、図11に示すように、受信機1と受信機2とによる受信データの位相位置(アンテナの送受信の位相中心)が交互に並ぶように、PRFを設定する必要があり、PRFを自由に設定することができないという課題があった。
【0006】
また、同様に、特許文献1の特表2004−523760号公報「側方監視SARシステム」では、一つの小さい送信アンテナによる送信と多数の小さい受信アンテナによる受信とを組み合わせることによって、高分解能と広域観測とを実現する技術が示されている。本特許文献1の場合も、高分解能の実現手段は、前述のTerraSAR−XのDRAモードによる高分解能化と同様、複数の受信データを組み合わせることによっており、実際のPRFは低いまま、仮想的にPRFを拡大させて、広いドップラー帯域幅を実現する方法が採用されている。
【0007】
しかし、特許文献1の方法でも、前述のTerraSAR−XのDRAモードの場合と同じく、複数の各受信機それぞれによる受信データの位相位置(アンテナの送受信の位相中心)が交互に並ぶように、PRFを設定する必要があり、PRFを自由に設定することができないという課題があった。
【特許文献1】特表2004−523760号公報(第4−6頁)
【非特許文献1】J.Mittermayerand H.Runge,” Conceptual studies for exploiting the TerraSAR-X dual receiveantenna”,IGARSS’03
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、従来のSARにおいては、広いレンジ方向観測幅・ストリップマップ観測・自由なPRF設定という条件下においては、アジマス方向高分解能化は困難であった。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、広いレンジ方向観測幅・ストリップマップ観測・自由なPRF設定の条件の下で、アジマス方向の高分解能化を可能とする合成開口レーダ(SAR)および合成開口レーダ画像再生処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するため、本発明による合成開口レーダおよび合成開口レーダ画像再生処理方法は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0011】
(1)移動プラットフォームに搭載され、地表や海面のレーダ画像を取得する合成開口レーダにおいて、1系の送信アンテナと2系の受信アンテナとを備え、前記送信アンテナのアジマス方向の送信アンテナビームのビーム幅を前記受信アンテナの受信アンテナビームのビーム幅の2倍となるように設定するとともに、2系の前記受信アンテナの受信アンテナビームのうち、片方の受信アンテナビームは前記移動プラットフォームの進行方向側に向け、もう一方の受信アンテナビームは移動プラットフォームの進行方向とは逆側に向けるように構成する合成開口レーダ。
(2)1系の前記送信アンテナと2系の前記受信アンテナとは共用とし、2系の前記受信アンテナは、一つのアレイアンテナをエレベーション方向に2分割して構成する上記(1)の合成開口レーダ。
(3)前記送信アンテナのアジマス方向のアンテナビーム幅を、前記アレイアンテナの各素子の位相設定により前記受信アンテナのアジマス方向のアンテナビーム幅の2倍に設定するか、あるいは、送信時の前記送信アンテナのアンテナ寸法を、電気的に、前記受信アンテナのアンテナ寸法の半分とすることでアンテナビーム幅を2倍に設定する上記(2)の合成開口レーダ。
(4)前記アレイアンテナの各素子の位相設定により2系の前記受信アンテナの受信アンテナビームの方向を前記移動プラットフォーム進行方向側と進行方向逆側とに向ける上記(2)または(3)の合成開口レーダ。
(5)2系の前記受信アンテナの片方の受信アンテナビームは前記移動プラットフォームの進行方向側に向け、もう一方の受信アンテナビームは前記移動プラットフォームの進行方向とは逆側に向けて、別々のアンテナをエレベーション方向に配置するとともに、前記送信アンテナと共用する上記(1)の合成開口レーダ。
(6)1系の前記送信アンテナとエレベーション方向に配置した2系の前記受信アンテナとを、それぞれ、別々のアンテナとして構成する上記(1)の合成開口レーダ。
(7)1系の前記送信アンテナと2系の前記受信アンテナとを、別々のアンテナとして構成し、それぞれを、アジマス方向に配置する上記(1)の合成開口レーダ。
(8)前記送信アンテナのアジマス方向のアンテナ寸法を、前記受信アンテナのアジマス方向のアンテナ寸法の半分にするか、あるいは、送信時の前記送信アンテナのアンテナ寸法を、電気的に、前記受信アンテナのアンテナ寸法の半分とする上記(6)または(7)の合成開口レーダ。
(9)1系の前記送信アンテナと2系の前記受信アンテナとの送受信ビームの指向方向が、ビーム幅の半分だけ前後にずれるように、2系の前記受信アンテナの片方を、前記移動プラットフォームの進行方向側に傾け、もう一方を進行方向の逆側に傾ける上記(1)ないし(8)のいずれかの合成開口レーダ。
(10)2系の前記受信アンテナによって受信した二つの受信データをそれぞれのドップラー周波数領域にてそれぞれのドップラー周波数部分のみを取り出して、一つの受信データに帯域合成データとして帯域合成する上記(1)ないし(9)のいずれかの合成開口レーダ。
(11)前記帯域合成データとして一つの受信データに帯域合成する際に、2系の前記受信アンテナからターゲットまでの間のレンジ距離差による補正を行う上記(10)の合成開口レーダ。
(12)画像再生方法として、レンジ・ドップラー法を用いる上記(1)ないし(11)のいずれかの合成開口レーダ。
(13)移動プラットフォームに搭載された合成開口レーダの送受信アンテナにより取得した受信データから地表や海面のレーダ画像を再生する画像再生処理方法において、前記合成開口レーダに備えられた1系の送信アンテナのアジマス方向の送信アンテナビームのビーム幅を受信アンテナの受信アンテナビームのビーム幅の2倍となるように設定するとともに、前記受信アンテナを2系備え、片方の受信アンテナビームは前記移動プラットフォームの進行方向側に向け、もう一方の受信アンテナビームは移動プラットフォームの進行方向とは逆側に向けて、それぞれの前記受信アンテナにより受信した二つの受信データに基づいて、レーダ画像を再生する画像再生処理方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の合成開口レーダおよび合成開口レーダ画像再生処理方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0013】
第1に、1系の受信アンテナのビーム幅に相当するドップラー帯域幅の約2倍の帯域幅の受信データを合成することが可能であり、アジマス方向に2倍の高分解能化が可能となる。
【0014】
第2に、各受信機の受信データのPRF(パルス繰り返し周波数)は、元のドップラー帯域幅以上であれば良いため、図8に示したような通常のSARにおいては、高分解能化のためにPRFを高くしてビーム幅を広げる必要があった場合に比べ、PRFを高めてビーム幅を広げることもなく、広い観測幅の観測が可能である。
【0015】
第3に、図9のようなスポットライトSAR観測を行うわけではないため、ストリップマップ観測が可能であり、また、スポットライトSARとは異なり、アジマス方向の受信アンテナパターンを固定して良いため、アンテナ制御はスポットライトSARの場合よりもシンプルで良い。
【0016】
第4に、図10、図11に示したTerraSAR−XのDRAモードによる高分解能化とは異なり、ドップラー帯域幅以上であれば、PRFを自由に設定することが可能であるとともに、さらには、2系の受信データを合成しなくても、1系の受信データのみであっても、サンプリング定理を満たしているため、SAR画像として再生することが可能であり、クイックルック処理への対応が容易である。
【0017】
以上の通り、本発明の合成開口レーダにおいては、アジマス方向の高分解能化と広いレンジ方向観測幅との両立が可能となるという効果が得られる。さらに、シンプルなアンテナ制御・ストリップマップ観測・PRFの自由な設定・クイックルック処理の容易化を実現している。
【0018】
また、水平偏波・垂直偏波を併用したポラリメトリ(Polarimetry)観測を行う合成開口レーダでは、2系の受信機を元々有しているため、その場合には、2系の受信機を有効活用することにより、大幅なハードウェアインパクトを被ることなく、実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明による合成開口レーダ(SAR)および合成開口レーダ画像再生処理方法の好適な実施例について添付図を参照して説明する。
【0020】
(本発明の特徴)
本発明の実施例の説明に先立って、まず、本発明の特徴について、その概要を説明する。本発明の合成開口レーダ(SAR)は、移動プラットフォームに搭載され、地表や海面のレーダ画像(SAR画像)を取得するものであり、1系の送信アンテナによる送信と2系の受信アンテナによる受信とを組み合わせて構成し、送信アンテナのアジマス方向ビーム幅を受信アンテナのそれの2倍となるように設定するとともに、2系の受信アンテナについて、片方は進行方向側に向け、もう一方は進行方向とは逆側に向けるように構成することを特徴としている。
【0021】
この結果、2系の受信アンテナそれぞれで受信した2組の受信データのドップラー周波数は高低にずれる。両受信データについて、ドップラー周波数領域において各々のドップラー帯域の部分のみを取り出し、1セットのデータとして帯域合成することにより、元のドップラー帯域幅の約2倍の帯域幅を有する帯域合成データを生成することができる。その帯域合成データに対して、SAR画像再生を行うことによって、アジマス方向に高分解能のSAR画像を再生することができる。
【0022】
(実施例の構成)
図1に、本発明の合成開口レーダの構成の一例を示す。ハードウェア構成としては、図1に示すように、1系の送信機101および送信アンテナ102、2系の受信アンテナ104a,104b、両受信アンテナ104a,104bに対応する2系の受信機106a,106b、および、受信機106a,106bで受信した2組の受信データを画像処理するための帯域合成・SAR画像再生処理部110を少なくとも含んで構成される。
【0023】
なお、送信アンテナ102と受信アンテナ104a,104bとは共用とし、2系の受信アンテナ104a,104bは、一つのアレイアンテナをエレベーション(El:Elevation)方向に2分割することによって実現する。送信アンテナ102のアジマス方向の送信アンテナビーム103のビーム幅は、アレイアンテナの各素子の位相設定により送信アンテナ102のアジマス方向のアンテナ寸法を受信アンテナ104a,104bのアンテナ寸法の約半分にして受信アンテナ104a,104bそれぞれの受信アンテナビーム105a,105bのビーム幅の約2倍の広Azビーム幅とする。あるいは、送信時のアジマス方向アンテナ寸法を、電気的に、受信アンテナ104a,104bの半分とすることによって、アジマス方向の送信ビーム幅を2倍に広げても良い。
【0024】
また、受信アンテナ104a,104bのビーム指向方向は、送信アンテナ102のそれに対し、片方は進行方向側に、もう一方は進行方向の逆側に傾ける。なお、受信アンテナ104a,104bのビーム指向方向の設定手段としては、アレイアンテナの各素子の位相設定によって実現するものとする。また、図1では、進行方向左側に配置される受信アンテナ104a(つまり受信アンテナ1)の指向方向を進行方向側、進行方向右側に配置される受信アンテナ104b(つまり受信アンテナ2)の指向方向を進行方向の逆側に向けているが、受信アンテナ104aを進行方向逆側、受信アンテナ104bを進行方向側に向けるようにしても良い。
【0025】
このようにビーム指向方向が調整された送信アンテナ102および受信アンテナ104a,104bを使用した合成開口レーダにおいて、2系の受信機106a,106bそれぞれで受信した受信データ107a,107bは、ドップラー周波数領域で見たとき、図1に示すように、高低にずれることになる。つまり、進行方向側に向いている受信アンテナ104aで受信した受信データ107aは、高周波数側にずれ、進行方向逆側に向いている受信アンテナ104bで受信した受信データ107bは、低周波数側にずれる。
【0026】
帯域合成・SAR画像再生処理部110においては、まず、高低にずれた受信データ107a,107bそれぞれのドップラー周波数領域で各々のドップラー帯域の部分のみを取り出し、レンジ(Rg)距離の補正を行って、1セットのデータとして、帯域合成・SAR画像再生処理部110の帯域合成部111にて合成する。これにより生成された帯域合成データ112は、合成開口帯域として、元の受信データ107a,107bそれぞれと比べ、ドップラー帯域幅の約2倍の帯域幅を有する。帯域合成データ112を生成した後、帯域合成・SAR画像再生処理部110のSAR画像再生処理部113にて、その帯域合成データ112に対してSAR画像再生処理を行い、アジマス方向に高分解能のSAR画像データ108を再生する。
【0027】
なお、帯域合成・SAR画像再生処理部110では、帯域合成部111にて帯域合成を行った上で、SAR画像再生処理部113にてSAR画像再生処理を実施しているが、処理の効率化のために、SAR画像再生のプロセスの中で、帯域合成を行うようにしても良い。
【0028】
また、図1のような構成をさらに拡張して、受信機106a,106bおよび受信アンテナ104a,104bの分割数を2よりも大きいn(整数)倍とすることによって、さらに高分解能化を実現することも可能である。
【0029】
(実施例の動作の説明)
通常、図2に示すように、アンテナのアジマス方向のビーム幅は、送信・受信のそれぞれについて、3dBダウン点で規定され、アンテナ寸法をD、波長をλとすると、ビーム幅は(λ/D)で近似される。また、送受信双方として考えると、ビーム幅は6dBダウン点で規定され、ビーム幅は(λ/D)で近似される。図2は、通常の合成開口レーダのアンテナにおけるアジマス方向のアンテナパターンを示す説明図である。合成開口レーダのドップラー帯域幅は、ビーム幅に比例するため、通常のアンテナ構成での合成開口レーダのドップラー帯域幅は(λ/D)に比例する。
【0030】
一方、本発明に係る実施例の合成開口レーダにおけるアンテナの場合、図3に示すように、送信アンテナのアジマス方向のアンテナ寸法を、アレイアンテナの各素子の位相設定により受信アンテナのアジマス方向のアンテナ寸法の半分にするか、あるいは、送信時において電気的に受信アンテナのアジマス方向のアンテナ寸法の半分にするかのいずれかとすることによって、送信時のアンテナビーム幅を、受信のアンテナビーム幅の2倍に設定している。この結果、アンテナ寸法をD、波長をλとすると、送信アンテナ103の3dBダウン点のビーム幅は、(2×λ/D)で近似される。図3は、本発明に係る実施例の合成開口レーダのアンテナにおけるアジマス方向のアンテナパターンを示す説明図である。
【0031】
また、受信側については、二つの受信アンテナ104a,104bのいずれも、3dBダウン点のビーム幅は、図2に示す通常のアンテナの場合と同様、(λ/D)で近似される。ただし、図3に示すように、二つの受信アンテナ104a,104bそれぞれが、ビーム幅の半分だけ、アジマス方向の前後に向けられることによって、二つの受信アンテナ104a,104bのビーム幅を送信アンテナ103のビーム幅の範囲と一致させることができる。
【0032】
送受信のビーム幅は、狭いビーム幅の方に依存するため、二つの送受信のビーム幅も、厳密には、受信アンテナ104a,104bのビーム幅よりも広いが、受信アンテナ104a,104bのそれに近い(λ/D)で近似することができる。図3のように、二つの送受信ビームの指向方向は、ビーム幅の半分だけ前後にずれている。なお、ビーム幅の6dBダウン点で規定される二つの送受信データのドップラー帯域幅は、各々が通常のアンテナ構成の場合のドップラー帯域幅とほぼ同じの(λ/D)で近似される。
【0033】
しかし、受信データ107a(受信データ1)のドップラー周波数は、図2の通常の構成の場合より帯域幅の半分だけ高く、逆に、受信データ107b(受信データ2)のドップラー周波数は、図2の通常の構成の場合より帯域幅の半分だけ低い。したがって、受信データ107a,107bの両受信データのドップラー帯域を合わせると、2倍のほぼ(2×λ/D)で近似されるドップラー帯域幅を確保することが可能である。
【0034】
ここで、図4に示すように、受信アンテナ1(受信アンテナ104a)と受信アンテナ2(受信アンテナ104a)とからターゲットTまでのレンジ(Rg)距離は僅かに異なる。両者のレンジ距離差(r2−r1)は、下式の通り、受信アンテナ1と受信アンテナ2との位相中心の間隔(L1+L2)、アンテナ面の傾きθ、ルック角ψにより計算することができる。図4は、二つの受信アンテナの位相中心からターゲットまでのレンジ距離の差を説明するための説明図である。
【0035】
r1−r0=−L1×sin(θ−ψ)
r2−r0=L2×sin(θ−ψ)
∴ r2−r1=(L1+L2)×sin(θ−ψ)
θ : アンテナ面の傾き
ψ : ルック角
r0: 送信アンテナ位相中心から観測ターゲットTまでの距離
r1: 受信アンテナ1位相中心から観測ターゲットTまでの距離
r2: 受信アンテナ2位相中心から観測ターゲットTまでの距離
L1: 送信アンテナ位相中心と受信アンテナ1位相中心の間隔
L2: 送信アンテナ位相中心と受信アンテナ2位相中心の間隔
【0036】
このレンジ距離差(r2−r1)に基づいて、受信データ1(受信データ107a)と受信データ2(受信データ107b)との帯域を合成する際に、SAR画像再生におけるレンジマイグレーション補正(レンジキュー補正、レンジカーバチャ補正)と同様の手法で、受信データ1または受信データ2を補正する。
【0037】
帯域合成・SAR画像再生処理部110に受信データ1と受信データ2との帯域合成の処理をSAR画像再生処理に組み込んだ場合の処理の一例について図5に示す。図5は、本発明の帯域合成・SAR画像再生処理部110におけるSAR画像再生処理方法の一例を示すフローチャートであり、SAR画像再生方法として、レンジ・ドップラー法を使用した場合を例にとって示している。
【0038】
図5において、まず、ステップ510,520にて受け取った受信データ1と受信データ2とのそれぞれに対して、SAR画像再生のためのレンジ圧縮処理(ステップ511,521)とレンジキュー補正処理(ステップ512,522)を行う。なお、ステップ512,522におけるレンジキュー補正処理としては、後の帯域合成を考慮して、レンジキュー量の補正を行う。その結果は、図5中の符号513,523に示す補正結果の通りとなる。レンジキュー量の補正結果513,523は、一点のターゲットからの受信信号を実線で示している。
【0039】
補正結果513,523の横軸は、送信パルスの順序によって定義されるアジマス方向の時間(Az時間)であり、アジマス方向の進行距離に相当する。縦軸は、受信ゲート内のサンプリング順序によって定義されるレンジ方向の時間(Rg時間)であり、送信と受信の往復のレンジ距離に相当する。受信データ1の補正結果513については、図1にて説明したように、受信アンテナ1(受信アンテナ104a)のビーム方向が進行方向を向いているため、Az時間に対して、Rg時間すなわちレンジ距離は減少する傾向を示している。これは、SARの進行とともに、レンジ距離が減少するためである。一方、受信データ2の補正結果523については、逆の理由で、Az時間に対して、Rg時間が増加する傾向を示している。
【0040】
また、受信アンテナ1(受信アンテナ104a)は進行方向側、アンテナ2(受信アンテナ104b)は進行方向逆側を向いているため、補正結果513,523を比較すると、Az時間の開始点は、進行方向逆側のアンテナ2の受信データ2の補正結果523の方が遅れている。また、レンジ距離は受信アンテナ2の方が長いため、Rg時間の最も小さくなる点も補正結果523の方が遅れている。
【0041】
続いて、レンジキュー量の補正が施された受信データ1、受信データ2の両受信データに対して、アジマス方向にフーリエ変換を行う(ステップ514,524)。フーリエ変換を行った変換結果は、図5の符号515,525のようになる。フーリエ変換した変換結果515,525は、一点のターゲットからの受信信号を実線で示している。
【0042】
フーリエ変換による変換結果515,525の横軸は、ドップラー周波数であり、縦軸は、レンジ方向の時間(Rg時間)である。受信アンテナ1(受信アンテナ104a)のビーム方向が進行方向を向いている変換結果515は高周波数側に配置され、受信アンテナ2(受信アンテナ104b)のビーム方向が進行方向逆側を向いている変換結果525は低周波数側に配置される。また、変換結果515はドップラー周波数に対しRg時間が増加し、変換結果525はRg時間が減少する傾向を示す。
【0043】
さらに、レンジカーバチャ補正を行うことによって、ドップラー周波数に対しRg時間が変化する傾向を補正する(ステップ516,526)。レンジカーバチャ補正を行った補正結果は、図5の符号517,527のようになる。補正結果517,527は、変換結果515,525と同様、横軸がドップラー周波数であり、縦軸がレンジ方向の時間(Rg時間)である。補正結果517,527のいずれも、矢印で示すように、変換結果515,525が補正されて、ドップラー周波数に対して、Rg時間は、一定の線で表され、ターゲットからの距離で定まる値に正しく補正される。
【0044】
続いて、レンジカーバチャ補正が施された受信データ1、受信データ2の両データ517,527のレンジ距離差(r2−r1)の補正を行う(ステップ528)。レンジ距離差(r2−r1)はRg時間差となるため、それをレンジカーバチャ補正と同様の手段でデータをずらすことによって補正を行う。受信データ2の補正結果527に対して、レンジ距離差(r2−r1)の補正を行った距離差補正結果が、図5の符号529であり、矢印で示すように、補正結果527が、距離差(r2−r1)だけ補正される。
【0045】
そして、受信データ1のレンジカーバチャ補正による補正結果517と受信データ2の距離差補正による距離差補正結果529とを一つのデータとして帯域合成をして繋ぎ合わせる(ステップ531)。帯域合成結果が、図5の符号532であり、補正結果517と距離差補正結果529とが帯域合成結果532すなわち一つの帯域合成データとして繋ぎ合わされる。
【0046】
しかる後、相関処理を行い(ステップ533)、アジマス方向逆フーリエ変換処理を行う(ステップ534)ことによって、SAR画像530が再生される。
【0047】
なお、図5のフローチャートは、前述したように、レンジ・ドップラー法によるSAR画像再生方法の中で、帯域合成を行う例を示しているが、レンジ・ドップラー法以外の他のSAR画像再生方法を用いて、同様の手法で、SAR画像再生処理を行うようにしても良い。また、帯域合成とSAR画像再生とを別々に行うようにしても良い。
【0048】
(本実施例の効果の説明)
本発明に係る前述の実施例の合成開口レーダによれば、次のごとき効果が得られる。まず、1系の受信アンテナのビーム幅に相当するドップラー帯域幅の約2倍の帯域幅の受信データを合成することが可能であり、アジマス方向に2倍の高分解能化が可能となる。
【0049】
また、各受信機の受信データのPRF(パルス繰り返し周波数)は、元のドップラー帯域幅以上であれば良いため、図8にて説明したような通常の合成開口レーダにおいては、高分解能化のためにPRFを高くしてビーム幅を広げた場合に比べて、PRFを高めビーム幅を広げることもなく、広い観測幅の観測が可能である。
【0050】
さらに、図9にて説明したようなスポットライトSAR観測を行うわけではないため、ストリップマップ観測が可能であり、また、スポットライトSARと異なり、アジマス方向の受信アンテナパターンを固定しても良いため、アンテナ制御は、スポットライトSARの場合よりもシンプルで良い。
【0051】
さらにまた、図10、図11にて説明したようなTerraSAR−XのDRAモードによる高分解能化とは異なり、ドップラー帯域幅以上であれば、PRFを自由に設定可能であるとともに、2系の受信データを合成しなくても、1系の受信データのみでもサンプリング定理を満たしているため、SAR画像として再生可能であり、クイックルック処理への対応が容易である。
【0052】
以上の通り、本発明の合成開口レーダでは、アジマス方向の高分解能化と広いレンジ方向観測幅との両立が可能となる効果がある。さらに、シンプルなアンテナ制御・ストリップマップ観測・PRFの自由な設定・クイックルック処理の容易化を実現している。
【0053】
また、水平偏波・垂直偏波を併用したポラリメトリ(Polarimetry)観測を行う合成開口レーダでは、2系の受信機を元々有しているため、その場合には、2系の受信機を有効活用することによって、本発明の合成開口レーダを、大幅なハードウェアインパクトも無く、実現可能である。
【0054】
(本発明の他の実施例)
前述の実施例では、送信と受信との双方のアンテナを同一のアンテナで実施する例を示したが、別のアンテナとしても良い。また、前述の実施例では、二つの受信アンテナについて、一つのアレイアンテナをエレベーション方向に2分割しているが、元々、二つのアンテナを用いて構成しても良い。
【0055】
また、前述の実施例では、受信アンテナの指向方向を設定する手段として、アレイアンテナの各素子の位相設定によっているが、最初から、受信アンテナの指向方向を所定の方向に向ける構成であっても良い。
【0056】
例えば、図6に示すように、最初から、2台のアンテナにより構成する例も考えられる。図6は、本発明の合成開口レーダの構成の図1とは異なる例を示す概念図である。図6の合成開口レーダは、送信機601、分配器602、2台の切替スイッチ603a,603b、2台のアンテナ604a,604b、2台の受信機605a,605bより構成される。
【0057】
2台のアンテナ604a,604bは、エレベーション(El)方向に並べて配置される。送信機601からの出力は、分配器602、切替スイッチ603a,603bを通して、2台のアンテナ604a,604bに分配され、両者が合成された合成アンテナビーム607の送信波として、送信される。両アンテナ604a,604bによる受信波は、各々、切替スイッチ603a,603bを通して、2台の受信機605a,605bで受信される。切替スイッチ603a,603bの経路を送信時と受信時とで切り替えることにより、前述のような送受信を実現する。
【0058】
そして、2台のアンテナ604a,604bは、片方が進行方向側、もう一方が進行方向逆側を向くように設定されている。送信のアンテナビームは2台のアンテナ604a,604bのアンテナビーム606a,606bの合成であり、アジマス方向に広いビーム幅を有する。また、受信のアンテナビームは、2台のアンテナ604a,604bのアンテナビーム606a,606bそのままである。これにより、本発明で必要な広いアジマス方向ビーム幅の送信アンテナパターンによる送信、進行方向側と進行方向逆側とに向けられた二つの受信アンテナビームによる受信を実現する。なお、2台の受信機605a,605bに受信された二つの受信データは、前述の実施例と同様に、帯域合成・SAR画像再生処理が実施されて、高Az分解能SAR画像として再生される。
【0059】
また、図1と同様の手法で、1台のパラボラアンテナに二つのフィードを設けて、前述した実施例の場合と同じような条件で、高Az分解能SAR画像を実現しても良い。
【0060】
また、広いアジマス方向ビーム幅の送信アンテナパターンによる送信、進行方向側および進行方向逆側に向けられた二つの受信アンテナビームによる受信が実現することができれば、2系の受信アンテナをアジマス方向に配置しても良い。その方法としては、例えば、図7に示すような構成としても良い。図7は、本発明の合成開口レーダの構成のさらに異なる例を示す概念図であり、2系の受信アンテナ704a,704bと1系の小さい送信アンテナ705をアジマス方向に配置し、受信アンテナ704a,704bの片方の受信アンテナビーム706aを進行方向側へ向け、もう一方の受信アンテナビーム706bを進行方向逆側に向けるようにすれば良い。
【0061】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の合成開口レーダの構成の一例を示す概念図である。
【図2】通常の合成開口レーダのアンテナにおけるアジマス方向のアンテナパターンを示す説明図である。
【図3】本発明に係る実施例の合成開口レーダのアンテナにおけるアジマス方向のアンテナパターンを示す説明図である。
【図4】二つの受信アンテナの位相中心からターゲットまでのレンジ距離の差を説明するための説明図である。
【図5】本発明の帯域合成・SAR画像再生処理部におけるSAR画像再生処理方法の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の合成開口レーダの構成の図1とは異なる例を示す概念図である。
【図7】本発明の合成開口レーダの構成のさらに異なる例を示す概念図である。
【図8】通常のSARにおけるSAR画像再生時の問題点を説明するための説明図である。
【図9】スポットライトSARによるSAR画像再生時の様子を示す説明図である。
【図10】TerraSAR−XのDRAモードによるSAR画像再生時の様子を示す説明図である。
【図11】TerraSAR−XのDRAモードにおける送受信ビームの位相関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0063】
101 送信機
102 送信アンテナ
103 送信アンテナビーム
104a,104b 受信アンテナ
105a,105b 受信アンテナビーム
106a,106b 受信機
107a,107b 受信データ
108 SAR画像データ
110 帯域合成・SAR画像再生処理部
111 帯域合成部
112 帯域合成データ
113 SAR画像再生処理部
513,523 補正結果
515,525 変換結果
517,527 補正結果
529 距離差補正結果
532 帯域合成結果
601 送信機
602 分配器
603a,603b 切替スイッチ
604a,604b アンテナ
605a,605b 受信機
606a,606b アンテナビーム
607 合成アンテナビーム
704a,704b 受信アンテナ
705 送信アンテナ
706a,706b 受信アンテナビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動プラットフォームに搭載され、地表や海面のレーダ画像を取得する合成開口レーダにおいて、1系の送信アンテナと2系の受信アンテナとを備え、前記送信アンテナのアジマス方向の送信アンテナビームのビーム幅を前記受信アンテナの受信アンテナビームのビーム幅の2倍となるように設定するとともに、2系の前記受信アンテナの受信アンテナビームのうち、片方の受信アンテナビームは前記移動プラットフォームの進行方向側に向け、もう一方の受信アンテナビームは移動プラットフォームの進行方向とは逆側に向けるように構成することを特徴とする合成開口レーダ。
【請求項2】
1系の前記送信アンテナと2系の前記受信アンテナとは共用とし、2系の前記受信アンテナは、一つのアレイアンテナをエレベーション方向に2分割して構成することを特徴とする請求項1に記載の合成開口レーダ。
【請求項3】
前記送信アンテナのアジマス方向のアンテナビーム幅を、前記アレイアンテナの各素子の位相設定により前記受信アンテナのアジマス方向のアンテナビーム幅の2倍に設定するか、あるいは、送信時の前記送信アンテナのアンテナ寸法を、電気的に、前記受信アンテナのアンテナ寸法の半分とすることでアンテナビーム幅を2倍に設定することを特徴とする請求項2に記載の合成開口レーダ。
【請求項4】
前記アレイアンテナの各素子の位相設定により2系の前記受信アンテナの受信アンテナビームの方向を前記移動プラットフォーム進行方向側と進行方向逆側とに向けることを特徴とする請求項2または3に記載の合成開口レーダ。
【請求項5】
2系の前記受信アンテナの片方の受信アンテナビームは前記移動プラットフォームの進行方向側に向け、もう一方の受信アンテナビームは前記移動プラットフォームの進行方向とは逆側に向けて、別々のアンテナをエレベーション方向に配置するとともに、前記送信アンテナと共用することを特徴とする請求項1に記載の合成開口レーダ。
【請求項6】
1系の前記送信アンテナとエレベーション方向に配置した2系の前記受信アンテナとを、それぞれ、別々のアンテナとして構成することを特徴とする請求項1に記載の合成開口レーダ。
【請求項7】
1系の前記送信アンテナと2系の前記受信アンテナとを、別々のアンテナとして構成し、それぞれを、アジマス方向に配置することを特徴とする請求項1に記載の合成開口レーダ。
【請求項8】
前記送信アンテナのアジマス方向のアンテナ寸法を、前記受信アンテナのアジマス方向のアンテナ寸法の半分にするか、あるいは、送信時の前記送信アンテナのアンテナ寸法を、電気的に、前記受信アンテナのアンテナ寸法の半分とすることを特徴とする請求項6または7に記載の合成開口レーダ。
【請求項9】
1系の前記送信アンテナと2系の前記受信アンテナとの送受信ビームの指向方向が、ビーム幅の半分だけ前後にずれるように、2系の前記受信アンテナの片方を、前記移動プラットフォームの進行方向側に傾け、もう一方を進行方向の逆側に傾けることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の合成開口レーダ。
【請求項10】
2系の前記受信アンテナによって受信した二つの受信データをそれぞれのドップラー周波数領域にてそれぞれのドップラー周波数部分のみを取り出して、一つの受信データに帯域合成データとして帯域合成することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の合成開口レーダ。
【請求項11】
前記帯域合成データとして一つの受信データに帯域合成する際に、2系の前記受信アンテナからターゲットまでの間のレンジ距離差による補正を行うことを特徴とする請求項10に記載の合成開口レーダ。
【請求項12】
画像再生方法として、レンジ・ドップラー法を用いることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の合成開口レーダ。
【請求項13】
移動プラットフォームに搭載された合成開口レーダの送受信アンテナにより取得した受信データから地表や海面のレーダ画像を再生する画像再生処理方法において、前記合成開口レーダに備えられた1系の送信アンテナのアジマス方向の送信アンテナビームのビーム幅を受信アンテナの受信アンテナビームのビーム幅の2倍となるように設定するとともに、前記受信アンテナを2系備え、片方の受信アンテナビームは前記移動プラットフォームの進行方向側に向け、もう一方の受信アンテナビームは移動プラットフォームの進行方向とは逆側に向けて、それぞれの前記受信アンテナにより受信した二つの受信データに基づいて、レーダ画像を再生することを特徴とする画像再生処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−203228(P2008−203228A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43093(P2007−43093)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】