説明

同期制御装置及びプログラム

【課題】異なる伝送路によって伝送されるコンテンツを受信機において高精度に同期して出力させる。
【解決手段】第1伝送装置4−1及び第2伝送装置4−2は、映像部分にタイムコードが多重されたコンテンツの入力ストリームを受信し、エンコードを行う。エンコードにより得られた符号化データには、STC発生器2から出力されるタイマーカウンタ値に基づいた提示時刻情報が付加される。同期制御装置3は、第1伝送装置4−1及び第2伝送装置4−2が出力した符号化データをデコードし、同じタイムコードが付与されている映像部分の符号化データから提示時刻情報を取得する。同期制御装置3は、取得した提示時刻情報が示す時刻の差分から第1伝送装置4−1及び第2伝送装置4−2におけるエンコード遅延時間の差分を求め、STC発生器2が出力するタイマーカウンタ値に差分に基づく補正を行ない、第1伝送装置4−1及び第2伝送装置4−2に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送通信連携サービスに向けた研究開発が行われている。例えば、非特許文献1に記載のHybridcast(ハイブリッドキャスト)(登録商標)では、放送によりコンテンツを配信すると同時に、IP(Internet Protocol)網により個別に追加コンテンツを配信する。コンテンツの受信機は、放送により配信されたコンテンツと、IP網により配信された追加コンテンツを合成して同時に出力する。これにより、ユーザの個々のニーズに応じて放送番組をカスタマイズすることが可能となる。
【0003】
一方、非特許文献2には、放送により伝送された映像や音声などを、放送の送信側が指定した時刻に受信機において出力する技術について記載されている。まず、受信機は、放送送信装置が放送信号に設定したプログラム時刻基準値情報(PCR:Program Clock Reference)に基づいて基準時計を校正する。これにより、放送送信装置と受信機との間で時刻の同期が行われる。放送送信装置は、映像や音声などの符号化データに、基準時刻信号(STC:System Time Clock)発生器から出力されるSTCを基準にした提示時刻情報(PTS:Presentation Time Stamp)を付加し、放送信号により伝送する。受信機は、放送信号に含まれる符号化データをデコードし、デコードによって得られた映像や音声を、デコード前の符号化データに付加されたPTSが示す時刻に表示する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日本放送協会,「HybridcastTMの概要と技術」,NHK技研R&D,no.124,p.10−17,2010年11月,日本放送出版協会
【非特許文献2】日本放送協会,「NHKデジタルテレビ技術教科書」,日本放送出版協会,2007年2月,p.65−72
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放送通信連携サービスにおいて、放送により伝送されるコンテンツと、IP網により伝送される追加コンテンツとを高精度に同期させて受信機に出力させることが必要な場合がある。非特許文献2の技術では、受信機に、放送の送信側が指定した時刻(タイミング)にコンテンツを表示させることは可能である。また、非特許文献1に記載のように、IP網により伝送される追加コンテンツに対しても、PTSを付加することで、追加コンテンツの提示タイミングを指定することも可能である。しかし、受信機が、IP網などの他の伝送路により伝送されたコンテンツを、放送により伝送されたコンテンツと同期させ、タイミングを合わせて出力する仕組みを提供するものではない。PTS値は、STC発生器から入力される現在のSTC値に基づいて付加されるため、これらを同期させるためには、放送によりコンテンツを伝送する送信側(以下、「放送送信側」と記載する。)と、IP網により追加コンテンツを伝送する送信側(以下、「IP送信側」と記載する。)の双方において、同じSTCに基づいたPTSを付加する必要がある。放送送信側とIP送信側とが、同じSTC発生器を利用することで、同じSTCを利用することは可能である。しかしながら、以下の理由により、放送送信側のコンテンツとIP送信側の追加コンテンツの同期すべき同じ再生位置(映像フレーム)に同じPTSを付加するためには、双方の映像、音声の符号化に用いるエンコーダの特性を考慮必要がある。つまり、同じ再生位置の映像・音声が同時に放送送信側のエンコーダとIP送信側のエンコーダに入力されたとしても、両者で符号化方式が異なったり、用いるエンコーダの特性が異なったりするために符号化に要する時間が異なる。そのため、放送により伝送されるコンテンツとIP網で伝送する追加コンテンツの同期すべき同じ再生位置の符号化データに付加されるPTSの値が両者で異なり、結果として受信機側では同期して再生できない。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、異なる伝送路によって伝送されるコンテンツを受信機において高精度に同期して出力させるための送信側における同期制御装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] 本発明の一態様は、第1のコンテンツ伝送系に設けられた第1のエンコーダによる遅延と、第2のコンテンツ伝送系に設けられた第2のエンコーダによる遅延との間の遅延差分を取得する遅延差分取得部と、エンコード済みコンテンツデータへの提示時刻情報の付加のために前記第1のエンコーダと前記第2のエンコーダとに入力される時刻情報の少なくともいずれか一方に対して、前記遅延差分取得部が取得した前記遅延差分に基づいて補正を行う補正部と、を具備することを特徴とする同期制御装置である。
この態様によれば、同期制御装置は、2系統のコンテンツ伝送系に設けられたエンコーダそれぞれがコンテンツデータのエンコードに要する時間の差分を遅延差分として取得する。両エンコーダにはエンコード済みコンテンツデータへ提示時刻情報を付加するために時刻情報が入力されており、同期制御装置は、この両エンコーダに入力される時刻情報のうち少なくともいずれか一方に対して、取得した遅延差分に基づいた補正を行う。
これにより、複数のコンテンツ伝送系により受信機にコンテンツを伝送する場合、それらコンテンツ伝送系に設けられたエンコーダにおいてコンテンツデータのエンコードにかかる時間が異なっていても、受信機において同時に出力すべきコンテンツデータの符号化部分に同一の提示時刻情報を付加することができる。従って、異なる伝送路によって伝送されたコンテンツデータを受信機において高精度に同期して出力させることが可能となる。
【0008】
[2] 本発明の一態様は、上述した同期制御装置であって、前記第1のコンテンツ伝送系及び前記第2のコンテンツ伝送系のそれぞれのコンテンツ伝送データに含まれるエンコード済みコンテンツデータをデコードしてデコード済みコンテンツデータを得るデコード部と、前記デコード部がデコードした前記デコード済みコンテンツデータからタイムコードを検出するとともに、検出した前記タイムコードが含まれるエンコード済みコンテンツデータの部分に対応した前記提示時刻情報を前記コンテンツ伝送データの制御情報から取り出す検出部と、前記検出部が検出した前記タイムコードを基準とし、基準とした前記タイムコードに対応して取り出された前記第1のコンテンツ伝送系の前記提示時刻情報と前記第2のコンテンツ伝送系の前記提示時刻情報とから前記遅延差分を求める遅延差分検出部をさらに具備する、ことを特徴とする。
この態様によれば、同期制御装置は、2系統のコンテンツ伝送系それぞれにより伝送される各コンテンツ伝送データについて、コンテンツ伝送データ内のエンコード済みコンテンツデータをデコードしてタイムコードを検出するとともに、そのタイムコードが含まれるエンコード済みコンテンツデータの部分に対応した提示時刻情報をコンテンツ伝送データから取得する。同期制御装置は、同一のタイムコードを基準として、異なるコンテンツ伝送系それぞれのコンテンツ伝送データから取得した提示時刻情報を特定し、特定した提示時刻情報から遅延差分を算出する。
これにより、同期制御装置は、複数のコンテンツ伝送系それぞれに設けられたエンコーダに入力される時刻情報を補正するために用いるエンコードの遅延差分を求めることができる。
【0009】
[3] 本発明の一態様は、上述した同期制御装置であって、前記第1のコンテンツ伝送系に設けられた前記第1のエンコーダによるエンコーディング前のコンテンツデータと、前記第2のコンテンツ伝送系に設けられた前記第2のエンコーダによるエンコーディング前のコンテンツデータとに共通のクロックに基づくタイムコードを重畳するタイムコード多重部をさらに具備する、ことを特徴とする。
この態様によれば、同期制御装置は、異なるコンテンツ伝送系に設けられたエンコーダそれぞれに入力されるコンテンツデータに、共通のクロックに基づいたタイムコードを多重し、各エンコーダは、タイムコードが重畳されたコンテンツデータをエンコードして提示時刻情報を付加する。
これにより、異なるコンテンツ伝送系に設けられたエンコーダそれぞれに入力されるエンコード前のコンテンツデータに、同時に同じタイムコードを設定することができる。
【0010】
[4] 本発明の一態様は、上述した同期制御装置であって、前記タイムコード多重部は、エンコーディング前のコンテンツデータの垂直ブランキングに前記タイムコードを設定する、ことを特徴とする。
この態様によれば、同期制御装置は、コンテンツデータに含まれる映像データの垂直ブランキングにタイムコードを挿入する。
これにより、コンテンツの映像自体に影響を与えることなく、提示時刻情報が付加される映像フレーム単位でタイムコードを挿入することができる。
【0011】
[5] 本発明の一態様は、上述した同期制御装置であって、前記第1のコンテンツ伝送系は、前記第1のエンコーダにより生成されたエンコード済みコンテンツデータを含むコンテンツ伝送データを放送により伝送し、前記第2のコンテンツ伝送系は、前記第2のエンコーダにより生成されたエンコード済みコンテンツデータを含むコンテンツ伝送データを通信により伝送する、ことを特徴とする。
この態様によれば、同期制御装置は、放送によりコンテンツを伝送するコンテンツ伝送系に備えられたエンコーダと、通信によりコンテンツを伝送するコンテンツ伝送系に備えられたエンコーダとに入力される時刻情報の少なくともいずれか一方に対して、遅延差分に基づいて補正を行う。
これにより、放送番組と同時に出力する付加コンテンツをインターネットなどにより伝送し、受信機において放送番組と付加コンテンツとを高度に同期させて出力させることができる。
【0012】
[6] 本発明の一態様は、同期制御装置に用いられるコンピュータを、前記第1のコンテンツ伝送系及び前記第2のコンテンツ伝送系のそれぞれのコンテンツ伝送データに含まれるエンコード済みコンテンツデータをデコードしてデコード済みコンテンツデータを得るデコード部、前記デコード部がデコードした前記デコード済みコンテンツデータからタイムコードを検出するとともに、検出した前記タイムコードが含まれるエンコード済みコンテンツデータの部分に対応した前記提示時刻情報を前記コンテンツ伝送データの制御情報から取り出す検出部、前記検出部が検出した前記タイムコードを基準とし、基準とした前記タイムコードに対応して取り出された前記第1のコンテンツ伝送系の前記提示時刻情報と前記第2のコンテンツ伝送系の前記提示時刻情報とから、第1のコンテンツ伝送系に設けられた第1のエンコーダによる遅延と、第2のコンテンツ伝送系に設けられた第2のエンコーダによる遅延との間の前記遅延差分を求め、エンコード済みコンテンツデータへの提示時刻情報の付加のために前記第1のエンコーダと前記第2のエンコーダとに入力される時刻情報の少なくともいずれか一方に対して前記遅延差分に基づいて補正を行う補正部へ出力する遅延差分検出部、として機能させることを特徴とするプログラムである。
この態様によれば、同期制御装置のコンピュータは、異なるコンテンツ伝送系により伝送されるコンテンツ伝送データそれぞれについて、コンテンツ伝送データ内のエンコード済みコンテンツデータをデコードしてタイムコードを検出するとともに、そのタイムコードが含まれるエンコード済みコンテンツデータの部分に対応した提示時刻情報をコンテンツ伝送データから取得する。同期制御装置のコンピュータは、同一のタイムコードを基準として、異なるコンテンツ伝送系それぞれのコンテンツ伝送データから取得した提示時刻情報を特定し、特定した提示時刻情報から遅延差分を算出する。同期制御装置は、コンピュータが算出した遅延差分に基づいて、両コンテンツ伝送系のエンコーダに入力される時刻情報のうち少なくともいずれか一方に対して、取得した遅延差分に基づいた補正を行う。
これにより、異なるコンテンツ伝送系により受信機にコンテンツを伝送する場合に、それらのコンテンツ伝送系に設けられたエンコーダにおいてコンテンツデータのエンコードに要する遅延時間が異なっていても、同期制御装置は、それらのエンコーダに、受信機において同時に出力すべきコンテンツデータの符号化部分に同一の提示時刻情報を付加させることができる。従って、異なる伝送路によって伝送されたコンテンツデータを受信機において高精度に同期して出力させることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異なる伝送路によって伝送されるコンテンツに対して、同時に出力すべきコンテンツデータの符号化部分に同一の提示時刻情報を付加することができるため、これらコンテンツを受信機において高精度に同期して出力させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるコンテンツ提供システムの全体構成図である。
【図2】図1に示すコンテンツ提供システムにおけるコンテンツ同期出力の動作概要を示す図である。
【図3】図1に示すコンテンツ伝送システムにおけるPTS、PCR及びコンテンツの多重方法を示す図である。
【図4】図1に示すコンテンツ伝送システムの詳細な内部構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示すコンテンツ伝送システムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるコンテンツ提供システムの全体構成図である。同図に示すように、本実施形態のコンテンツ提供システムは、放送局の設備であるコンテンツ伝送システム1と、ユーザが保有する受信機8とを備えて構成される。同図において受信機8を1台のみ代表して示しているが、現実には複数台の受信機8が設けられる。コンテンツ伝送システム1は、エンコード(符号化)したコンテンツデータ(以下、「コンテンツ」と記載する。)を設定した伝送信号を、n系統(n≧2、nは整数)のコンテンツ伝送系によりを伝送する。受信機8は、コンテンツ伝送システム1から異なるコンテンツ伝送系により配信された伝送信号を受信し、伝送信号に含まれる符号化されたコンテンツを復号して得たコンテンツを合成して同時に出力する。
本実施形態では、n=2の場合について説明する。本実施形態のコンテンツ提供システムは、放送を伝送路として用いる第1のコンテンツ伝送系と、通信を伝送路として用いる第2のコンテンツ伝送系との2系統のコンテンツ伝送系とがそれぞれ伝送信号によりコンテンツを伝送して放送通信連携サービスを提供する。以下、放送により伝送されるコンテンツを放送コンテンツと記載し、通信により伝送されるコンテンツを通信コンテンツと記載する。
【0016】
本実施形態により配信される通信コンテンツは、受信機8における出力の際、放送コンテンツの出力と高精度な同期が要求される。このような通信コンテンツには、放送コンテンツの映像を撮影するために用いているカメラとは異なる位置に設置されたカメラの映像を提供するコンテンツや、放送コンテンツの映像に合わせて、話速変換された音声、クリーンオーディオ、様々な言語の音声などを提供するコンテンツなどがある。また、通信コンテンツを、放送コンテンツの映像に合わせて表示させる多言語字幕、静止画、CG(コンピュータグラフィック)アニメーションなどの付加データのコンテンツとしたり、3D(三次元)映像のうち右目の映像を放送コンテンツ、左目の映像を通信コンテンツで提供したりすることも可能である。これにより、ユーザ個々のニーズに応じて放送中の番組へ追加情報を提供したり、アクセシビリティを向上させたりすることができる。
【0017】
コンテンツ伝送システム1は、基準時刻信号発生器2(以下、「STC発生器2」(STC:System Time Clock)と記載する。)、同期制御装置3、第1伝送装置4−1及び第2伝送装置4−2を備える。以下、第1伝送装置4−1及び第2伝送装置4−2を総称して「伝送装置4」とも記載する。
【0018】
第1のコンテンツ伝送系である第1伝送装置4−1は、例えば、一般的なデジタル放送用の放送設備であり、デジタル放送において従来から用いられているARIB(Association of Radio Industries and Broadcast;社団法人電波産業会)標準規格を放送コンテンツの伝送に使用する。また、第2のコンテンツ伝送系である第2伝送装置4−2は、例えば、サーバコンピュータであり、インターネットなどのIP(Internet Protocol)網を経由して通信コンテンツを伝送する。
【0019】
STC発生器2は、時刻情報として、システムクロックのタイマーカウンタ値を示す基準時刻信号(以下、「STC」と記載する。)を出力する。同期制御装置3は、STC発生器2から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値を補正し、第1伝送装置4−1及び第2伝送装置4−2に出力する。
第1伝送装置4−1は、同期制御装置3から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいて生成したプログラム時刻基準値情報(以下、「PCR」(PCR:Program Clock Reference)と記載する。)を放送信号に設定して受信機8に送信し、受信機8との間で時刻の同期を行う。さらに、第1伝送装置4−1は、放送コンテンツをエンコードして得た符号化データに、同期制御装置3から入力されたSTCが示す時刻を基準とした提示時刻情報(以下、「PTS」(PTS:Presentation Time Stamp)と記載する。)を付加し、放送信号により伝送する。PTSは、受信機においてコンテンツを出力すべき時刻を示す。
第2伝送装置4−2は、受信機8から要求された通信コンテンツをエンコードして得た符号化データに、同期制御装置3から入力されたSTCが示す時刻を基準としたPTSを付加し、IP信号により伝送する。
【0020】
受信機8は、例えば、デジタルテレビやパーソナルコンピュータ、携帯端末、STB(セット・トップ・ボックス)などである。受信機8は、チューナ81、時計82、IP受信部83、第1デコーダ84−1、第2デコーダ84−2、第1同期用バッファ85−1、第2同期用バッファ85−2、及び、提示合成処理部86を備える。
【0021】
チューナ81は、放送信号を受信し、放送信号に設定されているPCRを時計82に出力する。時計82は、PCRにより時刻を校正する。IP受信部83は、IP網を経由して送信されたコンテンツの符号化データを受信する。第1デコーダ84−1は、放送信号に含まれる符号化データをデコードし、デコードした放送コンテンツの映像データや音声データと、デコード前の符号化データに付加されていたPTSとを対応づけて第1同期用バッファ85−1に書き込む。第2デコーダ84−2は、IP受信部83が受信した符号化データをデコードし、デコードした通信コンテンツの映像データ、音声データと、デコード前の符号化データに付加されていたPTSとを対応づけて第2同期用バッファ85−2に書き込む。
【0022】
第1同期用バッファ85−1は、時計82から出力された時刻において表示すべき放送コンテンツの映像データと音声データをPTSに基づいて選択して出力する。第2同期用バッファ85−2は、時計82から出力された時刻に表示すべき通信コンテンツの映像データと音声データをPTSに基づいて選択して出力する。提示合成処理部86は、第1同期用バッファ85−1から出力された放送コンテンツの映像データに基づく映像と第2同期用バッファ85−2から出力された通信コンテンツの映像データに基づく映像とを合成し、第1同期用バッファ85−1から出力された放送コンテンツの音声データに基づく音声と第2同期用バッファ85−2から出力された通信コンテンツの音声データに基づく音声とを合成して出力する。受信機8は、例えば、放送番組の映像と、通信コンテンツである画面描画、動画、静止画、テキストなどを合成した映像を生成する。
【0023】
図2は、コンテンツ提供システムにおけるコンテンツ同期出力の動作概要を示す図である。
STC発生器2は、27MHz(メガヘルツ)で動作する9ビットの下位カウンタと、90kHz(キロヘルツ)で動作する33ビットの上位カウンタとからなる42ビット表現のタイマーカウンタ値をSTCとして出力する。PCRは、27MHz、42ビット表現のタイマーカウンタ値を示す情報であり、PTSは、90kHz、33ビット表現のタイマーカウンタ値を示す情報である。同図においては、説明を簡単にするため、同じ時刻を示すPCRとPTSを同じタイマーカウンタ値により表している。
【0024】
第1伝送装置4−1は、デジタル放送の放送番組である放送コンテンツの映像データ及び音声データをそれぞれエンコードして符号化データを生成する。第1伝送装置4−1は、生成した映像データの符号化データ及び音声データの符号化データを分割し、分割した符号化データそれぞれにSTCが示すタイマーカウンタ値(時刻)に基づいたPTSを付加する。第1伝送装置4−1は、STCに基づいたシステムクロックの校正データであるPCRと、PTSが付加された映像データの符号化データ及び音声データの符号化データを重畳した放送信号を送信する。同図では、分割された映像データの符号化データを、再生順とは異なる順序で送信している。
また、第2伝送装置4−2は、放送番組と同期して受信機8に出力させる追加コンテンツである通信コンテンツをエンコードして符号化データを生成する。第2伝送装置4−2は、生成した符号化データを分割し、分割した符号化データそれぞれにSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいたPTSを付加する。第2伝送装置4−2は、PTSが付加された通信コンテンツの符号化データをIP信号に設定し、IP網を経由して受信機8に送信する。
【0025】
受信機8は、チューナ81が受信した放送信号から取得したPCRが示すクロック値により、時計82の発振器の周波数を調整し、放送送信側と時刻を同期させる。通信コンテンツの符号化データは、第2伝送装置4−2として用いられるサーバコンピュータにおける処理の遅れや、IP網の通信回線の状態による遅れや揺らぎのため、放送コンテンツの符号化データよりも遅れて受信機8に到着する場合がある。そこで、受信機8の第1デコーダ84−1は、放送信号から映像データの符号化データ及び音声データの符号化データを取得してデコードし、デコードにより得られた映像データ及び音声データを、デコード前の符号化データに付加されていたPTSと対応づけて第1同期用バッファ85−1にバッファリングしておく。受信機8の第2デコーダ84−2は、IP受信部83が受信した通信コンテンツの符号化データをデコードし、デコードした通信コンテンツを、デコード前の符号化データに付加されていたPTSと対応付けて第2同期用バッファ85−2にバッファリングする。受信機8の第1同期用バッファ85−1及び第2同期用バッファ85−2は、内部に備える時計82から出力されるタイマーカウンタ値と一致するタイマーカウンタ値が設定されているPTSと対応付けられている放送コンテンツの映像データ及び音声データと、通信コンテンツのデータを同期させて同時に出力する。
【0026】
しかし、第1伝送装置4−1と第2伝送装置4−2とが異なるエンコーダを使用する場合や、コンテンツのエンコードに異なる符号化方式を使用する場合などでは、エンコード遅延時間が異なってしまう。そのため、同じタイミングで出力すべき放送コンテンツと通信コンテンツをそれぞれ第1伝送装置4−1と第2伝送装置4−2に同時に入力したとしても、STC発生器2から入力されたシステムクロックをそのまま用いた場合、第1伝送装置4−1において生成された放送コンテンツの符号化データと、第2伝送装置4−2において生成された通信コンテンツの符号化データとに、同じタイミングに出力させるべき部分に対して同じPTSを設定することができず、受信機8において放送コンテンツと通信コンテンツとを同期させて出力することもできない。放送前に放送コンテンツの符号化データが用意されていれば、PTSを同期させた通信コンテンツの符号化データを予め生成しておくことも可能であるが、放送コンテンツが生放送番組などである場合、第1伝送装置4−1における放送コンテンツのエンコードと第2伝送装置4−2における通信コンテンツのエンコードとを行いながらリアルタイムにそれらのコンテンツの符号化データ生成し、伝送しなければならない。
【0027】
そこで、本実施形態では、同期制御装置3において、第1伝送装置4−1において放送コンテンツのエンコードに要する時間と、第2伝送装置4−2において通信コンテンツのエンコードに要する時間との時間差を計測し、計測した時間に基づいて、第1伝送装置4−1にSTC発生器2から入力されるSTCのタイマーカウンタ値、あるいは、第2伝送装置4−2にSTC発生器2から入力されるSTCのタイマーカウンタ値を補正する。計測した時間差を調整するように、第1伝送装置4−1または第2伝送装置4−2のどちらかにSTC発生器2から入力されるSTCのタイマーカウンタに遅延を付加することによって、同じタイミングに出力すべき映像データ及び音声データにほぼ同じPTS値を付加することができる。
【0028】
図3は、PTS、PCR及びコンテンツの多重方法を示す図である。同図は、従来技術であるMPEG(Moving Picture Experts Group)−2を用いた場合の多重方法を示す。
伝送装置4は、コンテンツの映像データをエンコードして、エレメンタリ・ストリーム(以下、「ES」と記載する。)と呼ばれる符号化データ列を生成し、生成したESを適切なデータ長に区切り、区切ったESにヘッダを付加してパケット化ES(以下、「PES」と記載する。)を生成する。このように、PESは、PESヘッダと、区切られたESが設定されたPESパケットデータからなる。PESのヘッダには、PTSが設定される。ESは、例えば、1画像フレームの単位で区切られ、1つのPESのPESパケットデータは、1画像フレームの映像データに対応する。
伝送装置4は、コンテンツの音声データについても同様にエンコードを行なってESを生成し、適切なデータ長に区切ったESにPTSを設定したヘッダを付加してPESを生成する。
伝送装置4は、映像データのPESと音声データのPESをそれぞれ先頭から順に固定長のデータに分割し、分割された映像データのPES及び音声データのPESとからコンテンツ伝送データであるトランスポートストリーム(以下、「TS」と記載する。)を生成する。分割された各PESにはヘッダが付加され、このヘッダにPCRが設定される。
上記のように、PTSやPCRは、符号化された映像データや音声データに付加された制御情報(ヘッダ)内に設定される。
【0029】
図4は、本実施形態のコンテンツ伝送システム1の詳細な内部構成を示すブロック図である。
【0030】
第i伝送装置4−i(1≦i≦n、iは整数)は、第iエンコーダ41−i及び第i伝送部42−iを備える。
第iエンコーダ41−iは、第iエンコード部411−i及び第iPCR多重部412−iを備える。第iエンコード部411−iは、シリアルデジタルインタフェース(SDI)からベースバンド信号として入力されたコンテンツをエンコードしてES(エンコード済みコンテンツデータ)を生成し、ESからPESを生成する。第iエンコード部411−iは、生成したPESのヘッダに、同期制御装置3から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいてPTSを付加する。第1エンコード部411−1及び第2エンコード部411−2がエンコードに用いる符号化方式は同じでもよく、異なっていてもよい。
第iPCR多重部412−iは、第iエンコード部411−iから出力されたPESを固定長のデータに分割し、分割したPESからTSを生成する。第iPCR多重部412−iは、分割したPESに、同期制御装置3から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいたPCRを設定する。
【0031】
第i伝送部42−iは、第iエンコーダ41−iが生成したTSを、第i伝送装置4−iに対応したコンテンツ伝送系により受信機8に伝送する。本実施形態では、第1伝送部42−1は、第1エンコーダ41−1が生成したTSを放送信号により伝送し、第2伝送部42−2は、第2エンコーダ41−2が生成したTSをIP信号によりIP網を経由して伝送する。
【0032】
同期制御装置3は、タイムコード出力装置31、第iタイムコード多重装置32−i、補正値算出装置33及び補正装置34を備えて構成される。
タイムコード出力装置31は、STC発生器2から出力されたSTCに基づいたタイムコードを同時に第1タイムコード多重装置32−1〜第nタイムコード多重装置32−nに出力する。
【0033】
第iタイムコード多重装置32−iは、タイムコード出力装置31から出力されたタイムコードを、第iエンコーダ41−iに入力されるベースバンド信号に重畳する。例えば、第iタイムコード多重装置32−iは、ベースバンド信号の映像データに含まれるVITC(Vertical Interval Timecode)にタイムコードを設定する。VITCとは、映像信号の垂直ブランキングに挿入されるタイムコードである。
【0034】
補正値算出装置33は、第iデコード部331−i、第i検出部332−i及び遅延差分検出部333を備える。
第iデコード部331−iは、第iエンコーダ41−iから伝送されたTSをデコードする。第i検出部332−iは、第iデコード部331−iがデコードして得たコンテンツ(デコード済みコンテンツデータ)の映像フレームから、垂直ブランキングに設定されているタイムコードを取得するとともに、その映像フレームが設定されていたPESのヘッダからPTSを得る。遅延差分検出部333は、第1検出部332−1〜第n検出部332−nのそれぞれにおいて同一のタイムコードを得た映像フレームのPTSが示すタイマーカウンタ値に基づいてエンコード遅延時間の遅延差分を取得し、第1補正部341−1〜第n補正部341−nに指示すべき遅延補正時間を決定する。
【0035】
補正装置34は、第i補正部341−i、及び、第i遅延差分取得部342−iを備える。
第i補正部341−iは、第i遅延差分取得部342−iが取得した遅延補正時間に従って、STC発生器2から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値を補正し、第iエンコーダ41−iに出力する。第i遅延差分取得部342−iは、第i補正部341−iが補正に用いる遅延補正時間を示す遅延補正情報を補正値算出装置33から取得する。
【0036】
なお、第iエンコーダ41−iにおいて、ベースバンド信号が入力されてからエンコードが終了するまで(エンコードされたベースバンド信号にPCRやPTSを多重するタイミングまで)の時間であるエンコード遅延時間は一定である。
【0037】
図5は、コンテンツ伝送システムの処理フローを示す図である。
放送開始前などの遅延差分測定時刻になると、補正装置34の第1補正部341−1及び第2補正部341−2は、付加すべき遅延補正時間を0とする。つまり、第1補正部341−1は、STC発生器2から出力されるSTCを補正せずにそのまま第1エンコーダ41−1に出力する。同様に、第2補正部341−2は、STC発生器2から出力されるSTCを補正せずにそのまま第2エンコーダ41−2に出力する。
【0038】
放送コンテンツ出力装置は、放送コンテンツのベースバンド信号を出力し、通信コンテンツ出力装置は、通信コンテンツのベースバンド信号を出力する。タイムコード出力装置31は、STC発生器2から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいて、時刻を示すタイムコードを第1タイムコード多重装置32−1及び第2タイムコード多重装置32−2に同時に出力する。第1タイムコード多重装置32−1は、タイムコード出力装置31から入力されたタイムコードを、放送コンテンツのベースバンド信号のVITCに設定し、第1エンコーダ41−1に出力する。第2タイムコード多重装置32−2は、タイムコード出力装置31から入力されたタイムコードを、通信コンテンツのベースバンド信号のVITCに設定し、第2エンコーダ41−2に出力する(ステップS105)。
【0039】
第1エンコーダ41−1の第1エンコード部411−1は、第1タイムコード多重装置32−1によりタイムコードが重畳された放送コンテンツのベースバンド信号をエンコードしてESを生成し、ESから1画像フレーム毎のPESを生成する。第1エンコード部411−1は、生成したPESのヘッダに、第1補正部341−1から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいてPTSを付加する。第1PCR多重部412−1は、第1エンコード部411−1から出力されたPESを固定長のデータに分割し、ヘッダを付加する。第1PCR多重部412−1は、PESのヘッダに、第1補正部341−1から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいてPCRを設定する。第1PCR多重部412−1は、ヘッダが付加されたPESからTSを生成し、出力する。
【0040】
第2エンコーダ41−2の第2エンコード部411−2は、第2タイムコード多重装置32−2によりタイムコードが重畳された通信コンテンツのベースバンド信号をエンコードしてESを生成し、ESから1画像フレーム毎のPESを生成する。第2エンコード部411−2は、生成したPESのヘッダに、第2補正部341−2から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいてPTSを付加する。第2PCR多重部412−2は、第2エンコード部411−2から出力されたPESを固定長のデータに分割し、ヘッダを付加する。第2PCR多重部412−2は、PESのヘッダに、第2補正部341−2から入力されたSTCが示すタイマーカウンタ値に基づいてPCRを設定する。第2PCR多重部412−2は、ヘッダが付加されたPESからTSを生成し、出力する(ステップS110)。
これにより、エンコード後の映像データ及び音声データには、同じSTCを基準にしたPTSが付加される。
【0041】
同期制御装置3の第1デコード部331−1は、第1エンコーダ41−1から出力されたTSを受信してデコードし、第2デコード部331−2は、第2エンコーダ41−2から出力されたTSを受信してデコードする(ステップS115)。
【0042】
第1検出部332−1は、第1デコード部331−1によりデコードされた放送コンテンツの映像データの映像フレームそれぞれから、垂直ブランキングに設定されているタイムコードを取得するとともに、その映像フレームが設定されていたPESのヘッダからPTSを得る。第2検出部332−2は、第2デコード部331−2によりデコードされた通信コンテンツの映像データの映像フレームそれぞれから、垂直ブランキングに設定されているタイムコードを取得するとともに、その映像フレームが設定されていたPESのヘッダからPTSを得る。
【0043】
遅延差分検出部333は、同じタイムコードが設定されている放送コンテンツの映像フレームと、通信コンテンツの映像フレームを特定し、特定したそれぞれの映像フレームのPTSが示すタイマーカウンタ値を取得する(ステップS120)。タイマーカウンタ値VITC_kが得られた放送コンテンツの映像フレームのPTSをPTS1_k、タイマーカウンタ値VITC_kが得られた通信コンテンツの映像フレームのPTSをPTS2_kと記載する。遅延差分検出部333は、PTS1_kがPTS2_kより大きいか否かを判断する(ステップS125)。
【0044】
ステップS125において、PTS1_kがPTS2_kより大きいと判断した場合(ステップS125:YES)、遅延差分検出部333は、以下の式(1)により、第2補正部341−2においてSTC発生器2から出力されるSTCに付加すべき補正値を算出する。
【0045】
補正値=(PTS1_k−PTS2_k)×27MHz/90kHz …(1)
【0046】
補正値は、PTS1_kとPTS2_kの差分時間として得られる。つまり、補正値は、第1エンコーダ41−1のエンコード遅延時間と第2エンコーダ41−2のエンコード遅延時間との遅延差分であり、第1エンコーダ41−1においてより多くかかる時間である。PTSは、90kHzのタイマーカウンタ値を示しているため、STC発生器2から出力される27MHzのタイマーカウンタ値に対する補正が可能なように、補正値を90kHzの値から27MHzの値に変換している。
【0047】
遅延差分検出部333は、算出した補正値を示す遅延補正情報を補正装置34の第2遅延差分取得部342−2に出力し、STC発生器2から出力されるタイマーカウンタ値に遅延を付加するよう指示する。また、第1タイムコード多重装置32−1及び第2タイムコード多重装置32−2は、次の遅延差分測定時刻まで、タイムコードの多重を停止する。第2遅延差分取得部342−2は、遅延差分検出部333から取得した遅延補正情報が示す補正値を第2補正部341−2に出力する。第2補正部341−2は、以下の式(2)が示すように、STC発生器2から出力されるSTCを補正する。つまり、第2補正部341−2は、STCに設定されているタイマーカウンタ値STCinを、遅延差分検出部333から入力された補正値を加算したタイマーカウンタ値STCoutに書き換え、第2エンコーダ41−2の第2エンコード部411−2及び第2PCR多重部412−2に出力する(ステップS130)。一方、第1補正部341−1は、STC発生器2から入力されるSTCを補正せず、そのまま第1エンコーダ41−1の第1エンコード部411−1及び第1PCR多重部412−1に出力する。
【0048】
STCout=STCin+補正値
=STCin+(PTS1_k−PTS2_k)×300 …(2)
【0049】
上記により、第1伝送装置4−1において、第1エンコーダ41−1は、放送コンテンツのベースバンド信号をエンコードし、STC発生器2のタイマーカウンタ値をそのまま使用してPTS、PCRを付加したTSを生成する。第1伝送部42−1は、第1エンコーダ41−1により生成されたTSを放送信号により受信機8へ伝送する。一方、第2伝送装置4−2において、第2エンコーダ41−2は、同期させるべき放送コンテンツのベースバンド信号と同時に出力された通信コンテンツのベースバンド信号をエンコードして、遅延差分だけ遅延させるように補正したSTC発生器2のタイマーカウンタ値を使用してPTS、PCRを付加したTSを生成する。第2伝送部42−2は、第2エンコーダ41−2により生成されたTSをIP信号に設定し、IP網を経由して受信機8へ伝送する。
これにより、第2エンコーダ41−2よりも第1エンコーダ41−1におけるエンコード遅延時間が長い場合であっても、同時に出力されるべき放送コンテンツの符号化データと通信コンテンツの符号化データに同じPTSを設定することが可能となる。
【0050】
一方、ステップS125において、PTS1_kがPTS2_k以下であると判断した場合(ステップS125:NO)、遅延差分検出部333は、以下の式(3)により、第1補正部341−1においてSTC発生器2から出力されるSTCが示すタイマーカウンタ値に付加すべき補正値を算出する。補正値は、第1エンコーダ41−1のエンコード遅延時間と第2エンコーダ41−2のエンコード遅延時間との遅延差分であり、第2エンコーダ41−2においてより多くかかる時間である。
【0051】
補正値=(PTS2_k−PTS1_k)×27MHz/90kHz …(3)
【0052】
遅延差分検出部333は、算出した補正値を示す遅延補正情報を補正装置34の第1遅延差分取得部342−1に出力し、STC発生器2から出力されるSTCのタイマーカウンタ値に遅延を付加するよう指示する。また、第1タイムコード多重装置32−1及び第2タイムコード多重装置32−2は、次の遅延差分測定時刻まで、タイムコードの多重を停止する。第1遅延差分取得部342−1は、遅延差分検出部333から取得した遅延補正情報が示す補正値を第1補正部341−1に出力する。第1補正部341−1は、以下の式(4)が示すように、STC発生器2から入力されるSTCを補正する。つまり、第1補正部341−1は、STCに設定されているタイマーカウンタ値STCinを、遅延差分検出部333から入力された補正値を加算したタイマーカウンタ値STCoutに書き換え、第1エンコーダ41−1の第1エンコード部411−1及び第1PCR多重部412−1に出力する(ステップS135)。一方、第2補正部341−2は、STC発生器2から入力されるSTCを補正せず、そのまま第1エンコーダ41−1の第1エンコード部411−1及び第1PCR多重部412−1に出力する。
【0053】
STCout=STCin+補正値
=STCin+(PTS2_k−PTS1_k)×300 …(4)
【0054】
上記により、第1伝送装置4−1において、第1エンコーダ41−1は、放送コンテンツのベースバンド信号をエンコードし、遅延差分だけ遅延させるように補正したSTC発生器2のタイマーカウンタ値を使用してPTS、PCRを付加したTSを生成する。第1伝送部42−1は、第1エンコーダ41−1により生成されたTSを放送信号により受信機8へ伝送する。一方、第2伝送装置4−2において、第2エンコーダ41−2は、同期させるべき放送コンテンツのベースバンド信号と同時に出力された通信コンテンツのベースバンド信号をエンコードし、STC発生器2から入力されるSTCのタイマーカウンタ値をそのまま使用してPTS、PCRを付加したTSを生成する。第2伝送部42−2は、第2エンコーダ41−2により生成されたTSを、IP網を経由して受信機8へ伝送する。
これにより、第1エンコーダ41−1よりも第2エンコーダ41−2におけるエンコード遅延時間が長い場合であっても、同時に出力されるべき放送コンテンツの符号化データと通信コンテンツの符号化データに同じPTSを設定することが可能となる。
【0055】
なお、上記においては、同期制御装置3は、エンコード遅延時間が短いほうの伝送装置4に、エンコード遅延時間が長い他の伝送装置4とのエンコード遅延時間の遅延差分だけ遅延させるようSTC発生器2が出力するSTCのタイマーカウンタ値を補正して入力するようにしているが、エンコード遅延時間が長いほうの伝送装置4に、エンコード遅延時間が短い他の伝送装置4とのエンコード遅延時間の遅延差分だけ早めるようSTC発生器2が出力するSTCのタイマーカウンタ値を補正して入力するようにしてもよい。
【0056】
具体的には、ステップS130において、遅延差分検出部333は、式(1)により算出した補正値を示す遅延補正情報を第1遅延差分取得部342−1に出力し、STC発生器2から出力されるSTCのタイマーカウンタ値を補正するよう指示する。第1補正部341−1は、STC発生器2から入力されたSTCに設定されているタイマーカウンタ値STCinを、第1遅延差分取得部342−1が取得した遅延補正情報により示される補正値を減算したタイマーカウンタ値STCoutに書き換える。第1補正部341−1は、書き換えを行ったSTCを第1エンコーダ41−1の第1エンコード部411−1及び第1PCR多重部412−1に出力する。
【0057】
また、ステップS135において、遅延差分検出部333は、式(3)により算出した補正値を示す遅延補正情報を第2遅延差分取得部342−2に出力し、STC発生器2から出力されるタイマーカウンタ値を補正するよう指示する。第2補正部341−2は、STC発生器2から入力されたSTCに設定されているタイマーカウンタ値STCinを、第2遅延差分取得部342−2が取得した遅延補正情報により示される補正値を減算したタイマーカウンタ値STCoutに書き換える。第2補正部341−2は、書き換えを行ったSTCを第2エンコーダ41−2の第2エンコード部411−2及び第2PCR多重部412−2に出力する。
【0058】
また、同期制御装置3は遅延時間を分割し、両伝送装置4に入力するSTC発生器2のタイマーカウンタ値を補正するようにしてもよい。例えば、ステップS130において、遅延差分検出部333は、式(1)により算出した補正値の2分の1を示す遅延補正情報を第2遅延差分取得部342−2に出力し、遅延を付加するよう指示する。第2補正部341−2は、STC発生器2から入力されたSTCに設定されているタイマーカウンタ値を、遅延補正情報が示す補正値を加算したタイマーカウンタ値に書き換えて、第2エンコーダ41−2の第2エンコード部411−2及び第2PCR多重部412−2に出力する。さらに、遅延差分検出部333は、式(1)により算出した補正値の2分の1を示す遅延補正情報を第1遅延差分取得部342−1に出力し、時刻を早めるよう指示する。第1補正部341−1は、STC発生器2から入力されたSTCに設定されているタイマーカウンタ値を、遅延補正情報が示す補正値を減算したタイマーカウンタ値に書き換えて、第1エンコーダ41−1の第1エンコード部411−1及び第1PCR多重部412−1に出力する。
【0059】
なお、上記において、第2伝送装置4−2に第2PCR多重部412−2を備えているが、第2伝送装置4−2が第2PCR多重部412−2を備えず、第2エンコード部411−2が生成したTSにPCRを多重せずに出力してもよい。第2デコード部331−2は、第2エンコード部411−2が生成したTSをデコードする。
また、上記において、第iデコード部331−iは、第iエンコーダ41−iから出力されたTSを受信してデコードしているが、第i伝送部42−iから出力された伝送信号を受信し、伝送信号に設定されているTSを読み出してデコードしてもよい。
【0060】
上述したように、本実施形態では、第1タイムコード多重装置32−1及び第2タイムコード多重装置32−2からなるタイムコード多重部は、第1のコンテンツ伝送系に設けられた第1エンコーダ41−1によるエンコーディング前のコンテンツデータと、第2のコンテンツ伝送系に設けられた第2エンコーダ41−2によるエンコーディング前のコンテンツデータとに共通のクロックに基づくタイムコードを重畳する。第1エンコーダ41−1及び第2エンコーダ41−2は、入力されたコンテンツデータをエンコードしてエンコード済みコンテンツデータを生成する。第1エンコーダ41−1及び第2エンコーダ41−2は、生成したエンコード済みコンテンツデータを分割した各部分に対応させて、STC発生器2から出力された時刻情報(STC)に基づく提示時刻情報を含んだ制御情報を付加してコンテンツ伝送データを生成する。
【0061】
第1デコード部331−1及び第2デコード部331−2からなるデコード部は、第1のコンテンツ伝送系及び第2のコンテンツ伝送系のそれぞれのコンテンツ伝送データに含まれるエンコード済みコンテンツデータをデコードしてデコード済みコンテンツデータを得る。第1検出部332−1及び第2検出部332−2からなる検出部は、デコード部がデコードしたデコード済みコンテンツデータからタイムコードを検出するとともに、検出したタイムコードが含まれるエンコード済みコンテンツデータの部分に対応した提示時刻情報をコンテンツ伝送データの制御情報から取り出す。遅延差分検出部333は、検出部が検出したタイムコードを基準とし、基準としたタイムコードに対応して取り出した第1のコンテンツ伝送系の提示時刻情報と第2のコンテンツ伝送系の提示時刻情報とから遅延差分を求める。
【0062】
第1遅延差分取得部342−1及び第2遅延差分取得部342−2からなる遅延差分取得部は、第1のコンテンツ伝送系に設けられた第1のコンテンツ伝送系の第1エンコーダ41−1による遅延と、第2のコンテンツ伝送系に設けられた第2エンコーダ41−2による遅延との間の遅延差分を遅延差分検出部333から取得する。第1補正部341−1及び第2補正部341−2からなる補正部は、エンコード済みコンテンツデータへの提示時刻情報の付加のために第1エンコーダ41−1と第2エンコーダ41−2とに入力される時刻情報の少なくともいずれか一方に対して、遅延差分取得部が取得した遅延差分に基づいて補正を行う。
【0063】
なお、図5では、同期制御システムが2系統のコンテンツ伝送系によりコンテンツを伝送する場合について示しているが、3系統以上(n≧3)のコンテンツ伝送系によりコンテンツを伝送する場合、以下のように動作する。
コンテンツ伝送システム1は、ステップS105〜ステップS120において、i=1、2について実施していた処理を、i=1、2、3、…、nについて行う。
つまり、ステップS105において、タイムコード出力装置31はタイムコードを、第1タイムコード多重装置32−1〜第nタイムコード多重装置32−nに同時に出力する。第iタイムコード多重装置32−iは、タイムコード出力装置31から入力されたタイムコードを、第iエンコーダ41−iに入力されるベースバンド信号に多重する。ステップS110において、第iエンコーダ41−iは、入力されたストリームをエンコードし、補正されていないSTCに基づいてPTS、PCRが付加されたTSを生成し、出力する。
【0064】
ステップS115において、同期制御装置3の第iデコード部331−iは、第iエンコーダ41−iから出力されたTSをデコードする。ステップS120において、第i検出部332−iは、第iデコード部331−iがデコードしたコンテンツの映像データの映像フレームそれぞれから、垂直ブランキングに設定されているタイムコードを取得するとともにPTSを得る。遅延差分検出部333は、第1検出部332−1から第n検出部332−nそれぞれが得た映像フレームのタイムコードのうち同一のタイムコードを特定し、特定したタイムコードが得られた映像フレームのPTSのタイマーカウンタ値を取得する。第i検出部332−iがタイマーカウンタ値VITC_kを得た映像データのPTSをPTSi_kと記載する。
【0065】
遅延差分検出部333は、PTS1_k〜PTSn_kの中から最も大きいタイマーカウンタ値PTSp_k(pは、1以上n以下のいずれかの整数)を選択する。遅延差分検出部333は、選択したPTSp_kと、選択したPTSp_k以外のPTSq_kであるPTSq_k(1≦q≦n、qはp以外の整数)それぞれとの組を生成する。遅延差分検出部333は、PTSp_kとPTSq_kそれぞれの組について、PTS1_kに代えてPTSp_kを用い、PTS2_kに代えてPTSq_kを用いて、ステップS130の処理を行う。つまり、遅延差分検出部333は、式(1)により補正値を算出し、算出した補正値を示す遅延補正情報を第q遅延差分取得部342−qに出力する。第q補正部341−qは、STC発生器2から入力されたSTCに設定されているタイマーカウンタ値STCinを、第q遅延差分取得部342−qが取得した遅延補正情報が示す補正値を加算したタイマーカウンタ値STCoutに書き換える。第q補正部341−qは、書き換えを行ったSTCを第qエンコーダ41−qの第qエンコード部411−q及び第qPCR多重部412−qに出力する。
【0066】
上記のように、n系統(n≧3)のコンテンツ伝送系がある場合、第pのコンテンツ伝送系が2系統のコンテンツ伝送系における第1のコンテンツ伝送系に相当し、n系統のコンテンツ伝送系における第qのコンテンツ伝送系が2系統のコンテンツ伝送系における第2のコンテンツ伝送系に相当する。また、n系統のコンテンツ伝送系がある場合の第pデコード部331−p、第qデコード部331−qはそれぞれ、第1デコード部331−1、第2デコード部331−2に相当する。但し、1≦p≦n、1≦q≦nである。
【0067】
なお、上記では、第iタイムコード多重装置32−iは、VITCにタイムコードを設定しているが、映像データの他の部分あるいは音声データに同じ時刻であることを示す情報を設定してもよい。例えば、映像フレームのスーパーインポーズの部分にタイムコードを設定する。第i検出部332−iは、第iデコード部331−iがデコードして得た映像フレームのスーパーインポーズからタイムコードを取得するとともに、その映像フレームが設定されていたPESのヘッダからPTSを得る。また、波形に鋭いピークが現われるような音声を音声データに設定してもよい。第i検出部332−iは、第iデコード部331−iがデコードして得た音声データから音声波形のピークを検出し、検出されたピークが含まれていたPESのヘッダからPTSを得る。このように、第iタイムコード多重装置32−iは、タイムコードがPESパケットデータに設定されるように多重する。
【0068】
上記実施形態によれば、複数のコンテンツ伝送系によってコンテンツを伝送する場合に、各コンテンツ伝送系におけるエンコード時間が異なる場合や、各コンテンツ伝送系が送信したコンテンツが受信機へ到達するまでの時間が異なる場合であっても、異なるコンテンツ伝送系により伝送されるコンテンツに対して、同時に出力すべきコンテンツデータの符号化部分に同一の提示時刻情報を付加することができるため、これらコンテンツを高精度に同期させて受信機8に出力させることができる。
また、上記実施形態によれば、放送コンテンツが生放送の番組などのように、事前に通信コンテンツが用意できない場合であっても、放送コンテンツと通信コンテンツを高精度に同期させて受信機8に同時に出力させることが可能となる。
また、上記実施形態によれば、従来のデジタル放送用の放送設備を改修することなく、放送番組と、インターネットなどにより配信される付加コンテンツとを高精度に同期させて受信機8において出力させることが可能となる。
【0069】
上述した同期制御装置3の各部は、専用のハードウェアにより実現される。なお、同期制御装置3の補正値算出装置33は、コンピュータ装置で実現することもできる。この場合、補正値算出装置33の第1デコード部331−1〜第nデコード部331−n、第1検出部332−1から第n検出部332−n及び遅延差分検出部333は、メモリおよびCPU(中央処理装置)等により構成される。そして、上述した補正値算出装置33の第1デコード部331−1〜第nデコード部331−n、第1検出部332−1から第n検出部332−n及び遅延差分検出部333の処理過程を実現するためのプログラム(図示せず)を、これを記録している不揮発性のメモリ、磁気ディスク等から、上記メモリにロードして実行することによりその機能が実現されるものとする。
【符号の説明】
【0070】
1…コンテンツ伝送システム
2…STC発生器
3…同期制御装置
31…タイムコード出力装置
32−1…第1タイムコード多重装置(タイムコード多重部)
32−2…第2タイムコード多重装置(タイムコード多重部)
33…補正値算出装置
331−1…第1デコード部(デコード部)
331−2…第2デコード部(デコード部)
332−1…第1検出部(検出部)
332−2…第2検出部(検出部)
333…遅延差分検出部
34…補正装置
341−1…第1補正部(補正部)
341−2…第2補正部(補正部)
342−1…第1遅延差分取得部(遅延差分取得部)
342−2…第2遅延差分取得部(遅延差分取得部)
4−1…第1伝送装置
4−2…第2伝送装置
41−1…第1エンコーダ
41−2…第2エンコーダ
411−1…第1エンコード部
411−2…第2エンコード部
412−1…第1PCR多重部
412−2…第2PCR多重部
42−1…第1伝送部
42−2…第2伝送部
8…受信機
81…チューナ
82…時計
83…IP受信部
84−1…第1デコーダ
84−2…第2デコーダ
85−1…第1同期用バッファ
85−2…第2同期用バッファ
86…提示合成処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンテンツ伝送系に設けられた第1のエンコーダによる遅延と、第2のコンテンツ伝送系に設けられた第2のエンコーダによる遅延との間の遅延差分を取得する遅延差分取得部と、
エンコード済みコンテンツデータへの提示時刻情報の付加のために前記第1のエンコーダと前記第2のエンコーダとに入力される時刻情報の少なくともいずれか一方に対して、前記遅延差分取得部が取得した前記遅延差分に基づいて補正を行う補正部と、
を具備することを特徴とする同期制御装置。
【請求項2】
前記第1のコンテンツ伝送系及び前記第2のコンテンツ伝送系のそれぞれのコンテンツ伝送データに含まれるエンコード済みコンテンツデータをデコードしてデコード済みコンテンツデータを得るデコード部と、
前記デコード部がデコードした前記デコード済みコンテンツデータからタイムコードを検出するとともに、検出した前記タイムコードが含まれるエンコード済みコンテンツデータの部分に対応した前記提示時刻情報を前記コンテンツ伝送データの制御情報から取り出す検出部と、
前記検出部が検出した前記タイムコードを基準とし、基準とした前記タイムコードに対応して取り出された前記第1のコンテンツ伝送系の前記提示時刻情報と前記第2のコンテンツ伝送系の前記提示時刻情報とから前記遅延差分を求める遅延差分検出部をさらに具備する、
ことを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
【請求項3】
前記第1のコンテンツ伝送系に設けられた前記第1のエンコーダによるエンコーディング前のコンテンツデータと、前記第2のコンテンツ伝送系に設けられた前記第2のエンコーダによるエンコーディング前のコンテンツデータとに共通のクロックに基づくタイムコードを重畳するタイムコード多重部をさらに具備する、
ことを特徴とする請求項2に記載の同期制御装置。
【請求項4】
前記タイムコード多重部は、エンコーディング前のコンテンツデータの垂直ブランキングに前記タイムコードを設定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の同期制御装置。
【請求項5】
前記第1のコンテンツ伝送系は、前記第1のエンコーダにより生成されたエンコード済みコンテンツデータを含むコンテンツ伝送データを放送により伝送し、
前記第2のコンテンツ伝送系は、前記第2のエンコーダにより生成されたエンコード済みコンテンツデータを含むコンテンツ伝送データを通信により伝送する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の同期制御装置。
【請求項6】
同期制御装置に用いられるコンピュータを、
前記第1のコンテンツ伝送系及び前記第2のコンテンツ伝送系のそれぞれのコンテンツ伝送データに含まれるエンコード済みコンテンツデータをデコードしてデコード済みコンテンツデータを得るデコード部、
前記デコード部がデコードした前記デコード済みコンテンツデータからタイムコードを検出するとともに、検出した前記タイムコードが含まれるエンコード済みコンテンツデータの部分に対応した前記提示時刻情報を前記コンテンツ伝送データの制御情報から取り出す検出部、
前記検出部が検出した前記タイムコードを基準とし、基準とした前記タイムコードに対応して取り出された前記第1のコンテンツ伝送系の前記提示時刻情報と前記第2のコンテンツ伝送系の前記提示時刻情報とから、第1のコンテンツ伝送系に設けられた第1のエンコーダによる遅延と、第2のコンテンツ伝送系に設けられた第2のエンコーダによる遅延との間の前記遅延差分を求め、エンコード済みコンテンツデータへの提示時刻情報の付加のために前記第1のエンコーダと前記第2のエンコーダとに入力される時刻情報の少なくともいずれか一方に対して前記遅延差分に基づいて補正を行う補正部へ出力する遅延差分検出部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−205075(P2012−205075A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67880(P2011−67880)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】