説明

同期化制御回路、半導体装置及び制御方法

【課題】従来の回路に比較し、面積の縮小や消費電力の低減を図ることができる同期化制御回路を提供する。
【解決手段】分周回路部26において、外部クロックに対し位相の進んだ内部クロックLCLKを分周して分周クロックRSELOを生成し、分周クロックRSELOを遅延させて遅延分周クロックRSELIを生成する。外部クロックに対し位相の遅れた内部クロックPCLKに同期して外部から取り込まれた信号を、遅延分周クロックRSELIに同期してラッチ回路22に保持する。次いで、ラッチ回路22の出力信号を分周クロックRSELOに同期してラッチ回路23に読み込み、内部クロックLCLKに同期した信号として出力する。そして、分周回路部26が、変更可能な所定の分周数で内部クロックLCLKを分周する可変分周回路24を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてSDRAM(Synchronous Dynamic RAM)に係り、特に、外部クロックと内部クロックの同期化に用いられる同期化制御回路、同期化制御回路を用いた半導体装置及び同期化制御回路の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DLL(Delay Locked Loop)を有するSDRAMは、外部クロックCKに対し遅延した(位相の遅れた)内部クロックPCLKと、外部クロックCKに対しフライングした(位相の進んだ)内部クロックLCLKとの2つの内部クロックを用いて制御される。ここで、内部クロックPCLKは、外部クロックCKがSDRAM内部の配線等により遅延されたクロックである。一方、LCLKは、DLLの出力クロックである。例えば、READ時やODT(On Die Termination)動作時に外部から入力される制御信号は、遅延した内部クロックPCLKに同期してSDRAM内に取り込まれ、SDRAM内部では、フライングした内部クロックLCLKに同期して各動作の制御を行なう。このように、上述のようなSDRAMでは、所定の信号について位相の異なるクロック間の乗り換え動作(同期化)を行なう必要がある。
【0003】
従来のこの種の技術を開示した文献として、特許文献1及び2が知られている。特許文献1には、フリップフロップを用いて、タイミングの異なるクロック信号間の乗り換えを行う技術が記載されている。しかし、この文献に記載の技術においては、分周器22(該文献図1)の分周数が固定であり、このため、乗り換えクロック間でのレイテンシの変更が出来ず、SDRAMのレイテンシカウンタとして用いることができない。また、特許文献2には、分周クロックを用いてレイテンシを制御する信号処理装置が記載されている。しかし、信号処理回路101a等(該文献図1)内でのレイテンシ段数のカウント方法は開示されていない。また、タイミングの異なるクロック信号間の乗り換えについても開示されていない。
【0004】
他方、従来のSDRAMにおいて、上述のクロック間の乗り換え動作(同期化)を行なうために、内部クロックLCLKを段階的に遅らせ、遅らせたクロックによって、複数の縦続に接続されたフリップフロップに順次入力データを転送し、これによって上記乗り換え動作(同期化)を行う同期化制御回路が知られている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−186680号公報
【特許文献2】特開2000−269784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を用いた場合、外部クロックCKの周波数が高くなると、各フリップフロップ間での乗り換え動作時のマージン(ラッチマージン等)を確保するために、1段当たり遅延可能な時間が短くなる。このため、所望の時間の遅延を行なうためには、より多くの段数が必要となる。その結果、非常に多くのフリップフロップ及び遅延回路を備えなくてはならなくなり、回路配置及び消費電力の面で問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、同期化制御回路は、設定された分周数で第1のクロックを分周して分周クロックを生成する可変分周回路と、前記第1のクロックに対し位相の遅れた第2のクロックに同期した信号が入力され、該信号を前記分周クロックに同期させて出力する同期化部とを備え、前記分周数に応じて該信号を出力するタイミングを可変とすることを特徴とする。
また、この発明における同期化制御回路は、設定された分周数で第1のクロックを分周し、互いに位相の異なる2つのタイミング信号を生成する分周回路部と、前記第1のクロックに対し位相の遅れた第2のクロックに同期した信号が入力される第1のラッチ回路と、前記第1のラッチ回路と縦続接続された第2のラッチ回路とを備え、前記分周回路部は、前記第1及び第2のラッチ回路のラッチ動作の制御端子に前記互いに位相の異なる2つのタイミング信号をそれぞれ供給し、前記分周数に応じて前記第2のラッチ回路のラッチ動作のタイミングを制御することを特徴とする。
また、この発明は、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の同期化制御回路を備えることを特徴とする半導体装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、分周回路部が、変更可能な所定の分周数で第1のクロックを分周する可変分周回路を備えているので、遅延回路に多くの遅延素子を用いなくとも同期化マージンを大きくとることができ、従って、同期化制御回路の面積の縮小や消費電力の低減を図ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による同期化制御回路1の構成を示すブロック図、図2は同期化制御回路1が使用されるSDRAMの構成を示すブロック図である。
最初に、SDRAMについて説明する。図2において、符号2はクロック発生器、3はコマンドデコーダ、4はモードレジスタ、5はコントロール回路である。6はローアドレスバッファ&リフレッシュカウンタ、7はカラムアドレスカウンタ&バーストカウンタである。8はローデコーダ、9はコラムデコーダ、10はメモリセルアレイ、11はセンスアンプである。12はデータコントロール回路、13はラッチ回路、14は入出力バッファ、15はDLL(Delay Locked Loop)である。
【0010】
上記の構成において、DLL15は外部クロックCK、/CKに基づいて内部クロックを生成し、ラッチ回路13及び入出力バッファ14へ出力する。そして、本実施形態による同期化制御回路1はラッチ回路13に含まれており、DLL15から出力されるクロックとコマンドデコーダ3から出力され、コントロール回路5を介して供給される内部コマンドとの同期化を行う。
【0011】
次に、図1において、RIは、外部コマンド、/CS、/RAS、/CAS、/WEをデコードして得られた、内部Readコマンドである。符号21はコントロール回路5(図2)内に設けられたD型フリップフロップである。PCLKは、外部クロックCKに対し一定の遅延をもった(位相の遅れた)内部クロックである。そして、コマンドRIは内部クロックPCLKによってフリップフロップ21に読み込まれ、信号RPとして同期化制御回路1へ出力される。同期化制御回路1において、22、23は第1、第2のラッチ回路であり、信号RPがラッチ回路22の入力端へ加えられ、ラッチ回路22の出力がラッチ回路23の入力端へ加えられ、ラッチ回路23の出力が入出力バッファ14へ、enable用内部ステート信号RLとして出力される。LCLKは、DLL15で生成されたデータ出力用クロック(第1のクロック)であり、外部CKよりも位相が進んだクロックである。24は可変分周回路であり、クロックLCLKをn(n=1〜4)分周し、分周クロックRSELOとしてラッチ23及び遅延回路25へ出力する。遅延回路25は分周クロックRSELOを所定時間遅延し、遅延分周クロックRSELIとしてラッチ22へ出力する。ここで、可変分周回路24及び遅延回路25が分周回路部26を構成している。また、ラッチ22、23は、縦続に接続され、同期化部27を構成している。なお、遅延回路25の遅延時間については後述する。
【0012】
図3は可変分数回路24の構成を示す回路図であり、この図において、31はレイテンシCLa(CAS Latency)とレイテンシCWLb(CAS Write Latency)をデコードするCL/CWLデコーダである。このCL/CWLデコーダ31は、レイテンシの値CLa、CWLbをデコードして信号DIV2、DIV24を出力する。例えば、CWLbがCWL5、CWL6、CWL7、CWL8のそれぞれの場合に、DIV2、DIV24として、次の値を出力する。
CWL5の場合には、DIV2に「0」を、DIV24に「0」を出力し、分周は行わない。CWL6の場合には、DIV2に「0」を、DIV24に「1」を出力し、分周数は2分周とする。CWL7の場合には、DIV2に「1」を、DIV24に「0」を出力し、分周数は3分周とする。CWL8の場合には、DIV2に「1」を、DIV24に「1」を出力し、分周数は4分周とする。
この場合、レイテンシCLaに依存せずに分周数が決まる。また、レイテンシCLaに応じて分周数を決めるようにすることも勿論可能である。レイテンシCLaはレイテンシCWLbと直接関係はないが、一般的な特性では素子の速度に依存するので、レイテンシCLaが小さい値をとる時はレイテンシCWLbも小さくなる。
【0013】
図3において、32は信号DIV2及びリセット信号RSTが入力されるオア回路であり、その出力はD型フリップフロップ38のリセット端子に入力される。33は第1入力端に信号DIV24が加えられるノア回路でありその出力はEXノア(エクスクルーシブノア)回路35の第1入力端へ入力される。34は第1入力端に信号DIV24の反転信号が加えられるノア回路であり、その出力はEXノア37の第1入力端へ供給される。EXノア回路35の第2入力端へはD型フリップフロップ36の出力が加えられ、EXノア回路35出力がフリップフロップ36のD入力端へ加えられる。フリップフロップ36のリセット端子へはリセット信号RSTが加えられ、フリップフロップ36の出力はEXノア回路35へ加えられると共に、EXノア回路37の第2入力端及びノア回路39の第1入力端へ加えられる。
【0014】
EXノア回路37の出力はフリップフロップ38のD入力端へ加えられ、フリップフロップ38の出力がノア回路39の第2入力端へ加えられ、ノア回路39の出力がアンド回路40の第1入力端へ加えられる。前述したクロックLCLKはナンド回路41の第1入力端へ加えられると共に、遅延回路42を介し、さらに反転されてナンド回路41の第2入力端へ加えられる。上述したナンド回路41及び遅延回路42は、クロックLCLKの立ち上がりにおいて1パルスを出力し、インバータ43を介してアンド回路40の第2入力端へ供給する。そして、アンド回路40の出力が分周クロックRSELOとして図1のラッチ回路23及び遅延回路25へ出力される。
【0015】
上記の構成による可変分周回路24は、DLL15において作成された内部クロックLCLKを、レイテンシCLa、CWLbをデコードした信号DIV2、DIV24に応じた分周モードによって分周し、1/2/3/4分周して分周クロックRSELOとして出力する。
【0016】
次に、図1に示す同期化制御回路1の動作を図4に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、レイテンシCLa=4、レイテンシCWLb=4とし、可変分周回路24はクロックLCLKを4分周して出力するものとする。
図4(a)は外部クロックCKを示し、また、図4(b)は外部コマンドを示す。
時刻t0においてコマンドデコーダ3(図2)が外部からReadコマンドを受け取ると(図4(b))、コマンドデコーダ3において、図4(c)に示す内部コマンドRIが発行される。この内部コマンドRIは外部クロックCKに対し位相の遅れた内部クロックPCLK(図4(d))でフリップフロップ21(図1)に読み込まれ、信号RP(図4(f))として同期化制御回路1に送られる。
【0017】
一方、DLL15において生成される内部クロックLCLK(図4(e))は、外部クロックCKよりも位相が進んだクロックであり、図4の例では、内部クロックPCLK(図4(d))と内部クロックLCLKの位相差は、外部クロックCKの2サイクル以上となっている(図4(d)、(e)参照)。内部クロックLCLK(t1)から可変分周回路24にて内部クロックLCLKの4分周した分周クロックRSELO(図4(h))が生成され、これを遅延させた遅延分周クロックRSELI(図4(g))によって上記信号RPがラッチ回路22にラッチされ、次の分周クロックRSELOによってラッチ回路23にラッチされ、このラッチ回路23の出力が入出力バッファ14へenable用内部ステート信号RL(図4(i))として出力される。以上の結果、信号RLは内部クロックLCLKに同期し、レイテンシ=4の制御のなされた信号(t4に同期した信号)として出力されたことになる。
【0018】
ここで、分周クロックRSELOを遅らせ遅延分周クロックRSELIを生成する遅延回路25の遅延量tDELAYは、
tDELAY=tRPL+α
となる。この式において、tRPLは、図4(h)に示すように、t0の外部クロックCKに基づく分周クロックRSELO(t0)とt0の内部クロックPCLKに基づく信号RPとの位相差であり、αは、ラッチマージンやtCKminマージン(外部クロックCKの最小クロック周期に対する余裕度)によって決まる所定量である。
【0019】
図5は分周クロックRSELOを遅らせ遅延分周クロックRSELIを生成するのに必要な遅延量(tDELAY;図1の遅延回路25の遅延量)を、
tDELAY=tRPL+α−tCK
とした場合である。つまり、図4の波形図に示したものよりも、遅延量tDELAYを外部クロックCKの1サイクル分(tCK)少なく設定した場合である。この場合、図4に記載の場合に比べ、遅延回路25の遅延素子を小さくすることができる。レイテンシの換算は、分周器の分周数+1となる。例えば、図5では、4分周クロックを用いているため、レイテンシ=5となる。
【0020】
図5に示す時刻t0にてReadコマンド(図5(b))を受け取ると、内部コマンドRI(図5(c))が発行される。このコマンドRIは外部クロックCKに対し位相の遅れた内部クロックPCLK(図5(d))でラッチされ、信号RP(図5(f))として 同期化制御回路1に送られる。これに対し、DLL15で生成される内部クロックLCLK(図5(e))は、外部クロックCKよりも位相が進んだクロックであり、この例の場合、クロックPCLKとクロックLCLKの位相差は、外部クロックCKの2サイクル以上となっている(図5(d)、(e)参照)。内部クロックLCLK(t1)から可変分周回路1にてクロックLCLKの4分周クロックである分周クロックRSELOが生成され(図5(h))、これを遅延させた遅延分周クロックRSELIで上記内部Read信号RPをラッチし、4サイクル後の分周クロックRSELOにて入出力バッファ14(図2)用の内部ステート信号RL(図5(i))を出力する。以上の結果、信号RLは内部クロックLCLKに同期し、レイテンシ=5の制御のなされた信号(t5に同期した信号)として出力される。
【0021】
以上がこの発明の第1の実施形態の詳細である。上記実施形態によれば、同期化制御回路1を2つのラッチ回路22、23と分周回路部26によって構成し、分周回路部26の可変分周器24の分周数をレイテンシに応じて変化させる。このため、この実施形態による同期化制御回路1では、遅延回路25に多くの遅延素子を用いなくとも同期化マージンを大きくとることができ、レイテンシ制御も同時に行なうことが可能である。従って、同期化制御回路1及びレイテンシカウンタ回路の面積や消費電力の低減が可能となる。
【0022】
従来のSDRAMにおいても、動作速度に応じてレイテンシ設定を変更可能な構成となっていて、かつ、レイテンシをカウントするためのレイテンシカウンタを有しているものがある。しかし、外部クロックCKの周波数が高くなった場合に、SDRAM内部の動作の高速化には限界がある。このため、外部クロックCKの周波数が高くなると各レイテンシ(CL、CWL等)の値も大きくなり、その結果、レイテンシカウントを行なうためのフリップフロップ数が増加し、チップ面積や消費電流が増加するという問題があった。上記実施形態は、このような問題を解決することができる。
【0023】
なお、上記実施例では、Read時におけるレイテンシ制御の場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。ODT、Dynamic ODT等のODTにおける、ODTのOn/OffやRtt(内部抵抗値)変更のレイテンシ制御にも本発明を適用することが出来る。また、Read用とODT、Dynamic ODT用のクロック乗り換えとレイテンシ制御用として、本同期化制御回路を共用することで、更なる面積、消費電力低減が可能である。
【0024】
また、上記実施形態では、分周数をレイテンシCLa、CWLb設定により変化させたが、この分周数変更を、例えば周波数検知回路の結果を利用し、外部CKの周波数に応じて内部クロックの分周数を変更するようにしてもよい。図6(a)は周波数検知回路50を示し、同図(b)はその出力である信号DIV2、DIV24を示す。周波数検知回路50は、外部クロックCKの周期tCKが、例えば、2500ns(ナノ秒)以上の場合には、範囲F1とする。2500ns(ナノ秒)未満1875ns(ナノ秒)以上の場合には、範囲F2とする。1875ns(ナノ秒)未満1500ns(ナノ秒)以上の場合には、範囲F3とする。1500ns(ナノ秒)未満1250ns(ナノ秒)以上の場合には、範囲F4とする。外部クロックCKの周期tCKが、上記のいずれの範囲に属するかを判別し、その結果に従って信号DIV2、DIV24を出力する(図6(b)参照)。
【0025】
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
図7は同実施形態による同期化制御回路1aの構成を示す回路図であり、この実施形態は連続Readコマンド入力に対応した実施形態である(図9(b)参照)。
図において、クロックPCLKは、外部クロックCKに対し遅延をもった(位相の遅れた)内部クロックである。コマンドRIは、外部コマンド、/CS、/RAS、/CAS、/WEをデコードして得られた、内部Readコマンドである。この内部ReadコマンドRIは内部クロックPCLKによってD型フリップフロップ21に読み込まれ、信号RPとして同期化制御回路1aのラッチ22−1〜22−4へ出力される。ラッチ22−1〜22−4はそれぞれ遅延回路25−1〜25−4から出力される遅延分周クロックRSELI<3:0>を受けて信号RPを読み込み、ラッチ23−1〜23−4へ出力する。ラッチ23−1〜23−4は可変分周回路24aから出力される分周クロックRSELO<3:0>を受けてラッチ22−1〜22−4の出力を読み込み、図2の入出力バッファ14へenable用内部ステート信号RLとして出力する。このように、ラッチ22−1、23−1、ラッチ22−2、23−2、ラッチ22−3、23−3、ラッチ22−4、23−4はそれぞれ縦続に接続され、それぞれが同期化部27−1、27−2、27−3、27−4を構成している。そして、同期化部27−1〜27−4は、並列に接続されている。
【0026】
内部クロックLCLKは、DLL15(図2)で生成されたデータ出力用クロックであり、外部クロックCKよりも位相が進んだクロックである。分周クロックRSELO<3:0>は、可変分周回路24aにて生成される4つの分周クロックであり、内部クロックLCLKをn(n=1〜4)分周したクロックである。分周クロックRSELO<0> 、RSELO<1> 、RSELO<2> 、RSELO<3> はそれぞれ、内部クロックLCLKの1周期分シフトした関係にある(図9(h)参照)。また、遅延分周クロックRSELI<3:0>は、4つの分周クロックRSELO<3:0>をそれぞれ、遅延回路25−1〜25−4によって遅延させたものである。
【0027】
図8は可変分周回路24aの構成を示す回路図であり、この図において図3の各部と同一の部分には同一の符号が付してある。この図に示す回路が図3に示すものと異なる点は、D型フリップフロップ61〜63及びアンド回路71〜73が設けられていることである。D型フリップフロップ61はアンド回路40から出力される分周クロックRSELO<0>を内部クロックLCLKのタイミングで読み込み、アンド回路71へ出力する。アンド回路71は、インバータ43の出力とフリップフロップ61の出力のアンドをとり、分周クロックRSELO<1>として出力する。同様に、D型フリップフロップ62はアンド回路71から出力される分周クロックRSELO<1>を内部クロックLCLKのタイミングで読み込み、アンド回路72へ出力する。アンド回路72は、インバータ43の出力とフリップフロップ62の出力のアンドをとり、分周クロックRSELO<2>として出力する。D型フリップフロップ63はアンド回路72から出力される分周クロックRSELO<2>を内部クロックLCLKのタイミングで読み込み、アンド回路73へ出力する。アンド回路73は、インバータ43の出力とフリップフロップ63の出力のアンドをとり、分周クロックRSELO<3>として出力する。
【0028】
上述した回路は、各レイテンシ設定(CLa、CWLb)の組合せにより、分周モードが1〜4分周の範囲で切り換り、分周クロックRSELO<0>は内部クロックLCLKの1/2/3/4分周クロックとして出力される。また、分周クロックRSELO<<1>は分周クロックRSELO<0>から内部クロックLCLKの1サイクルシフトしたクロックとなり、分周クロックRSELO<<2>は分周クロックRSELO<1>から内部クロックLCLKの1サイクルシフトしたクロックとなり、分周クロックRSELO<<3>は分周クロックRSELO<2>から内部クロックLCLKの1サイクルシフトしたクロックとなる。
【0029】
次に、図9に示すタイミングチャートを参照し上記実施形態の動作を説明する。図9はReadレイテンシ=5での連続Read動作例を示している。
時刻t0にてReadコマンド“Read0”を受け取ると、内部ReadコマンドRI(t0)が発行される(図9(c))。このコマンドRI(t0)は外部クロックCKに対し位相の遅れた内部クロックPCLKによってD型フリップフロップ21に読み込まれ、信号RP(t0)(図9(f))として同期化制御回路1aに送られる。一方、可変分周回路24aにおいて、内部クロックLCLK(t1)(図9(e))からクロックLCLKの4分周クロックである分周クロックRSELO<0>が生成され、これを遅延させた遅延分周クロックRSELI<0>で上記内部Read信号RP(t0)がラッチ22−1にラッチされ、4サイクル後の分周クロックRSELO<0>によってラッチ23−1に読み込まれ、信号RL(t5)として入出力バッファ14(図2)へ出力される。
【0030】
次に、時刻t0から2サイクル後の時刻t2において、次のReadコマンド”Read1”(図9(b))を受け取ると、内部ReadコマンドRI(t2)が発行される。このコマンドRI(t2)は内部クロックPCLKによってD型フリップフロップ21に読み込まれ、信号RP(t2)として同期化制御回路1aに送られる。一方、可変分周回路24aにおいて、内部クロックLCLK(t3)(図9(e))から分周クロックRSELO<2>が生成され、これを遅延させた遅延分周クロックRSELI<2>で上記内部Read信号RP(t2)がラッチ22−3にラッチされ、4サイクル後の分周クロックRSELO<2>によってラッチ23−3に読み込まれ、信号RL(t7)として入出力バッファ14(図2)へ出力される。
【0031】
以上の結果、信号RL(t5)は、内部クロックLCLKに同期し、時刻t0のコマンド入力に対応してレイテンシ=5の制御のなされた信号として出力され、また、信号RL(t7)は、内部クロックLCLKに同期し、時刻t2のコマンド入力に対応してレイテンシ=5の制御のなされた信号として出力される。
【0032】
以上がこの発明の第2の実施形態の詳細である。上記実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、さらに、上記第1の実施形態の構成では、可変分周器の分周数によって、外部コマンドの入力タイミングが制限されが、第2の実施形態によれば、同期化制御回路1aが外部クロックCKサイクル毎にRead状態かどうかの検出を行うことができるため、外部コマンドの入力タイミングが制限されることは無い効果が得られる。
なお、本発明の同期化制御回路は、同期化制御回路1、1aである。また、本発明の第1のラッチ回路及び第1の保持手段は、ラッチ22、22−1〜22−4である。また、また、本発明の第2のラッチ回路及び第2の保持手段は、ラッチ23、23−1〜23−4である。本発明の可変分周回路は、可変分周回路24、24aである。また、本発明の遅延回路は、遅延回路25、25−1〜25−4である。また、本発明の分周回路部は、分周回路部26、26aである。また、本発明の同期化部は、同期化部27、27−1〜27−1である。また、本発明の周波数検知回路は、周波数検知回路50である。また、本発明の第1のクロックは、内部クロックLCLKである。また、本発明の第2のクロックは、内部クロックPCLKである。また、本発明の分周クロックは、分周クロックRSELO、RSELO<0>、RSELO<1>、RSELO<2>、RSELO<3>である。また、本発明の遅延分周クロックは、遅延分周クロックRSELI、RSELI<0>、RSELI<1>、RSELI<2>、RSELI<3>、RSELI<3:0>である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、SDRAM等の半導体装置に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態が用いられるSDRAMの構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態における可変分周回路24の構成を示す回路図である。
【図4】同実施形態の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】同実施形態の別の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】同実施形態の変形例を説明するための図である。
【図7】この発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図8】同実施形態における可変分周回路24aの構成を示す回路図である。
【図9】同実施形態の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1、1a…同期化制御回路、22、23、22−1〜22−4、23−1〜23−4…ラッチ、24、24a…可変分周回路、25、25−1〜25−4…遅延回路、26、26a…分周回路部、27、27−1〜27−1・・・同期化部、31…CL/CWLデコーダ、50…周波数検知回路、61〜63…D型フリップフロップ、71〜73…アンド回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された分周数で第1のクロックを分周して分周クロックを生成する可変分周回路と、
前記第1のクロックに対し位相の遅れた第2のクロックに同期した信号が入力され、該信号を前記分周クロックに同期させて出力する同期化部とを備え、
前記分周数に応じて該信号を出力するタイミングを可変とすることを特徴とする同期化制御回路。
【請求項2】
前記分周数が、外部から入力されるレイテンシによって所望の値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の同期化制御回路。
【請求項3】
外部クロックの周波数を検知する周波数検知回路を備え、
前記分周数が、前記周波数検知回路の該検知の結果によって所望の値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の同期化制御回路。
【請求項4】
前記分周クロックを遅延した遅延分周クロックの活性化に応じて、前記第2のクロックに同期した信号を保持する第1の保持手段と、
前記分周クロックの活性化に応じて、前記第1の保持手段の出力を保持する第2の保持手段とを有することを特徴とする請求項2又は3に記載の同期化制御回路。
【請求項5】
前記第1の保持手段が、前記分周クロックの第1のクロックパルスを遅延したクロックパルスの活性化に応じて前記保持動作を行い、
前記第2の保持手段が、前記分周クロックの前記第1のクロックパルスの次のクロックパルスの活性化に応じて前記保持動作を行なうことを特徴とする請求項4に記載の同期化制御回路。
【請求項6】
設定された分周数で第1のクロックを分周し、互いに位相の異なる2つのタイミング信号を生成する分周回路部と、
前記第1のクロックに対し位相の遅れた第2のクロックに同期した信号が入力される第1のラッチ回路と、
前記第1のラッチ回路と縦続接続された第2のラッチ回路とを備え、
前記分周回路部は、前記第1及び第2のラッチ回路のラッチ動作の制御端子に前記互いに位相の異なる2つのタイミング信号をそれぞれ供給し、
前記分周数に応じて前記第2のラッチ回路のラッチ動作のタイミングを制御することを特徴とする同期化制御回路。
【請求項7】
前記分周数が、外部から入力されるレイテンシによって所望の値に設定されることを特徴とする請求項6に記載の同期化制御回路。
【請求項8】
外部クロックの周波数を検知する周波数検知回路を備え、
前記分周数が、前記周波数検知回路の該検知の結果によって所望の値に設定されることを特徴とする請求項6に記載の同期化制御回路。
【請求項9】
前記第2のラッチ回路のラッチ動作のタイミングを制御することで、前記第2のラッチ回路から出力される信号の出力タイミングを制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の同期化制御回路。
【請求項10】
前記分周回路部は、前記分周数で前記第1のクロックを分周して分周クロックを生成する可変分周回路と、
前記分周クロックを遅延し遅延分周クロックを生成する遅延回路とを備え、
前記第1のラッチ回路のラッチ動作の制御端子には、前記遅延分周クロックが前記タイミング信号として供給され、
前記第2のラッチ回路のラッチ動作の制御端子には、前記分周クロックが前記タイミング信号として供給されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の同期化制御回路。
【請求項11】
前記第1及び第2のラッチ回路を備える同期化部に、該同期化部と同一構成の複数の同期化部を並列接続し、
前記分周回路部が、互いに位相の異なる複数のタイミング信号を生成し、並列接続された前記複数の同期化部のそれぞれのラッチ回路のラッチ動作の制御端子に、前記互いに位相が異なる複数のタイミング信号をそれぞれ供給することを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の同期化制御回路。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の同期化制御回路を有することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項13】
互いに位相が異なる2つのクロック間での信号の同期化を行なう同期化制御回路の制御方法であって、
相対的に位相の進んだ一方のクロックを、可変分周回路を用いて設定された分周数に分周して分周クロックを生成し、
相対的に位相の遅れた他方のクロックに同期した信号を前記分周クロックに同期させて出力し、
前記分周数を用いて前記出力のタイミングを制御することを特徴とする同期化制御回路の制御方法。
【請求項14】
前記分周数を、外部から入力するレイテンシによって所望の値に設定することを特徴とする請求項13に記載の同期化制御回路の制御方法。
【請求項15】
外部クロックの周波数を検知し、該検知の結果によって前記可変回路の分周数を所望の値に設定されることを特徴とする請求項13に記載の同期化制御回路の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−56888(P2010−56888A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219744(P2008−219744)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】