説明

同期整流器の双方向変換器

【課題】同期整流器の双方向変換器システム向けの双方向電流感知のための方法及び装置を提供する。
【解決手段】同期整流器の双方向変換器システム400は、SPICE回路を構成しており、バッテリV1と抵抗R3とに結合されたインダクタL1と、第1の強制転流式同期整流器404と、第2の強制転流式同期整流器406とを備え、バッテリ充電/放電調整器として動作する。第1の強制転流式同期整流器404は、変換器TX1に結合されたハイサイド強制転流回路410とハイサイドドライバ408とを含む。変換器TX1は、一次側P1及び二次側S1と、抵抗R1とを含む。同様に、第2の強制転流式同期整流器406は、変換器TX2に結合されたローサイド強制転流回路414とローサイドドライバ412とを含む。変換器TX2は一次側P1及び二次側S1と、抵抗R2とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、電圧変換器に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、双方向電圧変換器向けの電圧及び電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
直流電圧変換器は、直流電流(DC)源の電圧を一のレベルから別のレベルに変換する電子回路であり、電力変換器の一分類である。直流で夏変換器は、携帯電話、及びラップトップコンピュータなどの、主にバッテリから電力供給される携帯式電子デバイスにおいて重要である。このような電子デバイスは、多くの場合、各々が、バッテリ又は外部供給源によって供給されるものとは異なる(時に供給電圧より高い又は低い)固有の電圧レベル要件を有する複数の分岐回路を含んでいる。直流電圧変換器のスイッチを入れて、部分的に低下させたバッテリ電圧から電圧を上昇させることにより、同じことを行うのに複数のバッテリを使用せずにスペースを節約する方法が提供される。また、多くの直流電圧変換器は出力電圧を調整する。昇圧/ブースト変換器は、入力直流電圧より出力直流電圧の方が高い電力変換器である。昇圧/ブースト変換器は、少なくとも二つの半導体スイッチ(一のダイオードと一のトランジスタ)と、少なくとも一つのエネルギー貯蔵要素とを含むスイッチモード電源(SMPS)の一分類である。通常、出力電圧のリップルを低減させるために、(場合によってはインダクタと組み合わせた)コンデンサからなるフィルタが昇圧/ブースト変換器の出力に付け加えられる。降圧/バック変換器は、直流出力電圧が直流入力電圧より低い電力変換器である。降圧/バック変換器の設計は、昇圧/ブースト変換器と類似であり、昇圧/ブースト変換器と同様に、降圧/バック変換器は、二つのスイッチ(一のトランジスタと一のダイオード)、インダクタ、及びコンデンサを使用するスイッチモード電源である。
【発明の概要】
【0003】
双方向電圧変換のための方法が開示される。充電電流は、第1の強制転流式の同期整流器において第1電圧で受け取られ、第1の強制転流式同期整流器によって制御される。インダクタは、充電電流によって充電され、インダクタからの放電電流は第2の強制転流式同期整流器によって制御される。このようにして、二つの強制転流式同期整流器を使用することにより、一の変換器が二つの方向に効率的に電力を処理することができる。
【0004】
強制転流方法は更に効率的である。強制転流式の切り換えを使用する場合、直列のダイオードは不要であり、一般に、FET損失は整流器の損失より著しく低いため、効率が有意に向上する。電力消費が低いことにより、必要なヒートシンク材料が減少するので電源デバイスの重量が低減され、コンポーネントのパッケージを厚くすることができる。このようにして、必要な温度管理用のハードウェアが減少するので、宇宙機の重量を低減することができる。更に、本明細書に記載される同期整流器の双方向変換器を使用することにより、電力は、交流電気的バスから直流電気的バスへ、又は直流電気的バスから交流電気的バスへと流れることができる。
【0005】
一実施形態では、同期整流器の双方向変換器システムは、第1の強制転流式同期整流器に結合されたインダクタを備えている。第1の強制転流式同期整流器は、ダイオードに関連付けられたコンポーネントをオフに切り換えながら、ダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ転流電流を強制的に転流させることにより、ダイオード内の逆回復時間をなくすように動作することができる。同期整流器の双方向変換器システムは、更に、インダクタと第1の強制転流式同期整流器とに結合された第2の強制転流同期整流器を備え、ダイオードに関連付けられたコンポーネントをオフに切り換えながら、ダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ転流電流を強制的に転流させることにより、ダイオード内の逆回復時間をなくすように動作することができる。
【0006】
別の実施形態では、双方向電圧変換のための方法は、第1の強制転流式同期整流器において第1の電圧で充電電流を受け取り、第1の強制転流式同期整流器で充電電流を制御する。この方法は、更に、充電電流でインダクタを充電し、第2の強制転流式同期整流器を用いてインダクタからの放電電流を制御する。
【0007】
更に別の実施形態では、同期整流器の双方向変換器システムを用いるための方法は、第1の電圧で第1の電流を受け取り、インダクタに結合された第1の強制転流式同期整流器によりインダクタに向かう第1の電流の流れを制御する。この方法は、更に、インダクタと第1の強制転流式同期整流器とに結合された第2の強制底流式同期整流器により、インダクタからの第2の電流の流れを制御し、インダクタの出力において第2の電圧を調整する。
【0008】
この要約は、一連の概念を簡略化された形で紹介するために提供され、これらの概念については、詳細な説明で以下に更に説明する。この要約は、請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定しようとするものではなく、請求される主題の範囲を決定するのを助けるものとして使用されるものでもない。
【0009】
本開示の実施形態のより完全な理解は、詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって、以下の図とともに考慮したときに導出することができ、これらの図全体にわたって、同じ参照番号は類似の要素を指す。これらの図は、本開示の幅、範囲、規模、又は適用性を限定することなく、本開示の理解を容易にするために提供される。図面は、必ずしも原寸に比例しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の一実施形態による例示的な強制転流式の同期整流器の図である。
【図2】本開示の一実施形態による例示的な同期整流器の双方向変換器システムの図である。
【図3】本開示の一実施形態による例示的な同期整流器の双方向変換器システムの図である。
【図4】本開示の一実施形態による例示的な同期整流器の双方向変換器システムの図である。
【図5】本開示の一実施形態による双方向電流変換プロセスを示す例示的な流れ図である。
【図6】本開示の一実施形態による双方向電圧変換電流センサを使用するプロセスを示す例示的な流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、本開示又は本開示の実施形態の適用分野及び用途を限定しようとするものではない。特有のデバイス、技法、及び適用分野の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に記載する例に対する修正形態は、当業者には容易に明らかになり、本明細書に規定する一般原則は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の例及び適用分野にも適用することができる。更に、前述の技術分野、背景技術、要約、又は以下の詳細な説明で提示される、明示又は暗示されるいずれの理論にも束縛されるものではない。本開示には、特許請求の範囲と一致した範囲が与えられるべきであり、本明細書に記載及び図示する例に限定されるものではない。
【0012】
本開示の実施形態については、機能及び/又は理論上のブロック構成要素ならびに様々な処理ステップの点で本明細書に説明することができる。そのようなブロック構成要素は、指定の機能を実行するように構成された任意の数のハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア構成要素によって実現できることを理解されたい。話を簡単にするために、回路設計に関係する従来の技法及び構成要素、ならびにシステム(及びシステムの個々の動作構成要素)の他の機能上の態様については、本明細書で詳細に説明しないことがある。更に、本開示の実施形態は、様々な演算ハードウェア及びソフトウェアと一緒に実行できること、そして本明細書に記載する実施形態が本開示の例示的な実施形態にすぎないことが、当業者には理解されるであろう。
【0013】
本開示の実施形態について、実用的で非限定的な適用分野、すなわち衛星又は宇宙船上での電圧変換に関連して本明細書に説明する。しかし、本開示の実施形態は、そのような衛星又は宇宙船の適用分野に限定されるものではなく、本明細書に記載する技法は、他の適用分野でも利用することができる。例えば、それだけに限定されるものではないが、実施形態は、様々な電圧変換の適用分野及び回路、車両、自動車、航空機、船舶、ボート、建築物、電気機器、電気モータ、バッテリ作動式及び増強式の車両及び車両システムなどに適用可能である。
【0014】
この説明を読めば当業者には明らになるように、以下は本開示の例及び実施形態であり、これらの例による動作に限定されるものではない。本開示の例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、他の実施形態も利用することができ、構造上の変化を加えることもできる。
【0015】
本開示の実施形態は、変換器が電力を2方向に効率的に処理できるような形で使用できる2つの強制転流同期整流器を提供する。例えば、日食中に一定の電気的バス電圧を維持する放電調整器として双方向変換器を使用することができ、次いで太陽電池アレイが日光に当たっているときは、同じ変換器を使用して、バッテリへの充電電流を調整することができる。本明細書に記載する技法により、例えばそれだけに限定されるものではないが、単一の変換器を用いて宇宙船の日光モードでバッテリの充電電流を調整し、また宇宙ステーションの日食モードでバッテリからの電気的バスを調整することができる、極めて効率的な双方向変換器が可能になる。そのような単一の変換器は、既存のシステムで充電電流及び電気的バスを調整するために別個のハードウェアの代わりに使用することができる。同期整流を用いることによって、本開示の実施形態を、旧世代の宇宙船バス調整ハードウェアより効率的なものとすることができる。
【0016】
本開示の種々の実施形態によれば、同期整流器の双方向変換器を、例えばそれだけに限定されるものではないが、双方に電力を処理する直流電圧変換器や双方向に電力を処理できる直流交流変換器などで使用できる構成ブロックとして使用することができる。例えばそれだけに限定されるものではないが、同期整流器の双方向変換器は、交流電圧を生成するように制御される+200V及び−200Vのレールから給電されて動作する双方向同期バック変換器として動作することができたり、180度位相がずれた状態で動作する二つの変換器が200Vの単一レールから給電されて動作できたりする。
【0017】
ここに開示される同期整流器の双方向変換器により、電力は、第1の電気的バスから第2の電気的バスへ、及び第2の電気的バスから第1の電気的バスへ流れることができる。第1の電気的バスが第2の電気的バスより高い電圧を有しても、第2の電気的バスが第1の電気的バスより高い電圧を有してもよい。第1の電気的バスは、例えばそれだけに限定されるものではないが、交流電気的バスや直流電気的バスなどを含むことができる。第2の電気的バスは、例えばそれだけに限定されるものではないが、交流電気的バスや直流電気的バスなどを含むことができる。
【0018】
高電圧(例えば60Vを上回る電圧)で動作する双方向変換器は、通常、FETの逆回復に関連する大きな切り替え損失をなくすために、FETの各々と直列の整流器を有していなければならない。すべてのFETがオフの間にインダクタ電流を流すために、並列の整流器が必要である。本開示の実施形態は、二つの電力スイッチがそれぞれ強制転流式同期整流器であるバック/ブースト調整器を備えた双方向動機変換器を含む。強制転流式の同期整流器により、整流器として動作する強制転流式の同期整流器に使用されるFETのボディダイオードの回復時間に関連する大きなスイッチング損失を生成することなく、どちらの方向にも電流を流すことができる。
【0019】
双方向同期変換器が電気的バスからの電力を処理してバッテリを充電しているとき、双方向同期変換器はバック調整器として動作し、ローサイドスイッチは整流器として動作し、ハイサイドスイッチはバック変換器の電力スイッチとして動作する。同様に、バッテリが電気的バスに電力を供給しているとき、双方向同期変換器はブースト変換器として動作し、ハイサイドスイッチは整流器として動作し、ハイサイドスイッチは電力スイッチとして動作する。
【0020】
図1は、本開示の一実施形態による例示的な強制転流式の同期整流器100の図である。強制転流式の同期整流器100は、強制転流回路140に電気的に結合された電界効果トランジスタ(FET)Q1などのスイッチング構成要素を備える。FET Q1は、ソース端子112、ゲート端子114、ドレイン端子116、及び真性ボディダイオード118を備える。例えば、それだけに限定されるものではないが、図1に示すFET Q1はn型FETを構成し、ボディダイオードのアノードはソース端子112に接続され、真性ボディダイオード118のカソードはドレイン端子116に接続される。FET Q1がp型FETである実施形態では、真性ボディダイオード118の方向を逆にすることにより、真性ボディダイオード118のカソードはp型FETのソース端子に接続され、ボディダイオードのアノードはp型FETのドレイン端子に接続される。
【0021】
本開示内容では一実施例としてn型FETを利用するが、FET Q1は、n型FET、p型FET、又は関連する逆回復時間を有する真性ボディダイオードを含む一のスイッチなど、いかなるスイッチング構成要素を表わしてもよい。一実施形態では、スイッチング構成要素は、電源のトポロジーで使用される整流器スイッチとすることができる。
【0022】
通常、FET上のスイッチングに関連する閾値電圧より大きい電圧がゲート端子114に供給されたとき、n型FETは、ソース端子112とドレイン端子116の間に電流を流すことができる。ゲート端子114に供給される電圧が閾値電圧より下まで低減されたとき、又は完全に除去されたとき、FETはオフに切り換えられ、ソース端子112とドレイン端子116の間を流れる電流は流れを止める。FETがオフに切り換えられたときに電流がソース端子112からドレイン端子116へ流れている場合、電流はボディダイオードの順バイアス方向に流れていたため、FETの真性ボディダイオード118は回復する期間を必要とする。これを逆回復時間と呼ぶ。しかし、FETがオフに切り換えられたときに電流がドレイン端子116からソース端子112へ流れている場合、電流はすでに真性ボディダイオード118の逆バイアス方向に流れていたため、逆回復時間は必要とされない。上記の概念を使用して、FETに関連するスイッチオフ事象中にダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ電流を強制転流することによって、ダイオードの逆回復時間をなくすことができる。
【0023】
FET Q1のゲート端子114は、FET Q1のスイッチングを制御する駆動電圧信号110に電気的に結合される。駆動電圧信号110がゲート端子114に閾値電圧を提供したとき、FET Q1はオンに切り換えられる。FET Q1のゲート端子114が電圧をもたないとき、FET Q1はオフに切り換えられる。電流は、入力端子102を通ってFET Q1のソース端子112内へ流れるように構成され、FET Q1から流れ出る電流は、出力端子104の方へ流れる。
【0024】
上記のように、FET Q1は、強制転流回路140に電気的に結合される。強制転流回路140は、パルス電流源120(選択的に制御される強制転流電流源)と、転流ダイオードD1とを備える。パルス電流源120は、入力端子102を通って入る電流より大きくなるように構成された転流電流を生成するように構成することができる。一実施形態では、転流電流は、非常に短い期間で強制転流式の同期整流器100から供給されるパルス電流である。パルス電流源120は、端子106で転流ダイオードD1のアノード端子に電気的に結合される。
【0025】
転流ダイオードD1は、端子106でパルス電流源120に電気的に結合されたアノード端子を備える。転流ダイオードD1はまた、ノードN3でFET Q1のドレイン端子116及び出力端子104に電気的に結合されたカソード端子(図示せず)を備える。このように、転流ダイオードD1は、FET Q1と並列である。転流ダイオードD1は、転流ダイオードD1のカソード端子が真性ボディダイオード118のカソード端子に接続されるように構成されるべきである。
【0026】
強制転流式の同期整流器100は、4つの位相で動作することができる。第1の位相では、FET Q1とパルス電流源120はどちらもオフに切り換えられ、それによってパルス電流源は、転流電流を供給しなくなる。この位相では、入力電流は、入力端子102から強制転流式の同期整流器100に入り、転流ダイオードD1を通って流れ、出力端子104で強制転流式の同期整流器100から出力される。
【0027】
第2の位相では、FET Q1はオンに切り換えられ、パルス電流源120はオフのままである。この位相では、入力電流は、入力端子102から入り、FET Q1を通ってソース端子112からドレイン端子116へ流れ、出力端子104を通って出る。FET Q1の両端の電圧降下が転流ダイオードD1の順電圧より小さいため、電流は転流ダイオードD1を通って流れなくなる。
【0028】
第3の位相では、FET Q1はオンにされ、パルス電流源120はオンに切り換えられる。この位相では、入力電流は、入力端子102から強制転流式の同期整流器100に入り、パルス電流源120及び転流ダイオードD1を通って流れる。更に、パルス電流源120は、D1及びFET Q1を通って流れる転流電流を供給する。ノードN3で、入力電流は出力端子へ流れ、一方転流電流は、FET Q1を通ってドレイン端子116からソース端子112へ進む。
【0029】
第4の位相では、転流電流がFET Q1を通ってドレイン端子116からソース端子112へ流れている間、FET Q1はオフに切り換えられる。この位相では、転流電流は流れを止め、入力電流は、転流ダイオードD1を通って流れ、出力端子104から出力される。FET Q1のボディダイオードに関連する逆回復時間をなくすために、電流がFET Q1を通ってドレイン端子116からソース端子112へ(真性ボディダイオード118とは反対の方向に)流れている間、FET Q1はオフに切り換えられるべきである。4つの位相によって表される事象のシーケンスに従うことによって、転流電流がFET Q1を通ってドレイン端子116からソース端子112へ流れている間、FET Q1はオフに切り換えられる。したがって、FET Q1に関連する逆回復時間はなくなる。
【0030】
上記の強制転流式の同期整流器100は、様々な適用分野に対する構成ブロックとして利用することができる。具体的には、真性ボディダイオードを備えるスイッチング構成要素を利用するスイッチングの適用分野は、上記の強制転流式の同期整流器100を利用することによってより効率的に実行することができる。更に、バック変換器、ブースト変換器、及びバック−ブースト変換器などのスイッチング調整器も、上記の強制転流アセンブリを利用することができる。
【0031】
従来のスイッチング調整器は、整流器を使用して、主FETのオフ時間中にインダクタ電流に対する電流路を提供することができる。現在の改善によって、FETスイッチの逆回復時間はかなり小さくなり、その結果エネルギーがほとんど放散されなくなってきたため、整流器をFETに置き換えることが実用的になってきた。しかし、高圧の適用分野では、逆回復時間は比較的大きく、著しいワット損をもたらし、ならびにFETのスイッチング周波数に制限を生成する。ブースト変換器などの高圧スイッチング調整器の適用分野で整流器として利用されているFETの真性ボディダイオードの逆回復時間をなくすために、従来の整流器又は同期スイッチFETは、図1に記載する強制転流式の同期整流器100と置き換えることができる。スイッチを伴う整流の適用分野では、整流は、上記の4つの位相を繰り返す。このサイクルを、整流器スイッチサイクルと呼ぶことができる。第4の位相は、整流器スイッチサイクルのスイッチオフ縁部で発生する。高圧整流器の適用分野では、FETなどのスイッチに印加される電圧は、60Vより大きくすることができる。
【0032】
図2は、本開示の一実施形態による例示的な同期整流器の双方向変換器システム200の図である。同期整流器の双方向変換器システム200は、インダクタ202、第1の強制転流式の同期整流器204、第2の強制転流式の同期整流器206、駆動論理回路208、ブースト側キャパシタ210、バッテリ212、及び太陽電池アレイ214を備える。図2は、バッテリ充電/放電調整器として動作する同期整流器の双方向変換器システム200の電力段の部分的な概略図を示す。
【0033】
インダクタ202は、電気的バス226を介して第1の強制転流式の同期整流器204及び第2の強制転流式の同期整流器206に結合され、リンク218を介してバッテリ212に結合される。第1の強制転流式の同期整流器204は、リンク222を介して駆動論理回路208に結合され、第2の強制転流式の同期整流器206は、リンク224を介して駆動論理回路208に結合される。ブースト側キャパシタ210は、電気的バス220を介して太陽電池アレイ214及び第1の強制転流式の同期整流器204に結合される。バッテリ212、第2の強制転流式の同期整流器206、ブースト側キャパシタ210、及び太陽電池アレイ214はそれぞれ、共通の接地216に接続される。
【0034】
宇宙船の適用分野では、バス220の電圧は、バッテリ212の電圧より高い。したがって、太陽電池アレイ214が、宇宙船の必要を満たすには不十分な電力を生じさせているとき、同期整流器の双方向変換器システム200は、バッテリ212から電力を引き出して、バス220に必要な電流を提供する。太陽電池アレイ214が、利用可能な余分な電力を有するとき、同期整流器の双方向変換器システム200はバック調整器になってバッテリ212を充電する。したがって、電流は、バッテリ212から流れ出て電気的バス220に電力供給し、バッテリ212内へ流れ込んでバッテリ212を充電しなければならないため、同期整流器の双方向変換器システム200は、双方向の電力処理装置である。更に、スイッチング整流器は適当な時点でオンになるFETであるため、同期整流器の双方向変換器システム200は同期整流される。
【0035】
FETの電圧降下は通常、整流器の電圧降下よりはるかに小さいため、同期整流器の双方向変換器システム200は、従来のバック又はブースト調整器よりはるかに高い効率を実現することができる。すなわち、80Vのバッテリから100Vの電気的バスまで昇圧したとき、既存のブースト調整器は、約96.5%の効率を有することになる。同期整流器の双方向変換器システム200は、約98%の効率を有することができる。この効率改善は、同期整流器の双方向変換器システム200に関連する整流器損失の低減及びスイッチング損失の低減の結果である。
【0036】
図3は、本開示の一実施形態による例示的な同期整流器の双方向変換器システム300の図である。同期整流器の双方向変換器システム300は、インダクタ302(図2では202)、第1の強制転流式の同期整流器304(図2では204)、第2の強制転流式の同期整流器306(図2では206)、駆動論理回路308(図2では208)、リアクションホイール310、及び宇宙船の負荷314を備える。図3は、30Vの電気的バス318の調整器として動作する同期整流器の双方向変換器システム300の電力段の部分的な概略図である。
【0037】
インダクタ302は、電気的バス326を介して第1の強制転流式同期整流器304と第2の強制転流式同期整流器306とに結合され、更には30Vの電気的バス318を介してリアクションホイール310と宇宙船負荷314とに結合される。第1の強制転流式同期整流器304はリンク322を介して駆動論理回路308に結合され、第2の強制転流式同期整流器306はリンク324を介して駆動論理回路308に結合される。リアクションホイール310、宇宙船負荷314、及び第2の強制転流式同期整流器306の各々は、それぞれ共通の地面316に接地される。
【0038】
同期整流器の双方向変換器システム300は、バック調整器として機能して、100Vで動作する100Vの電気的バス320を30Vの電気的バス318に変換する。場合によっては、リアクションホイール310から減衰された電力が宇宙船負荷314用の30Vの電気的バス318を超過するように、リアクションホイール310からのエネルギーを30Vの電気的バス318に減衰させて戻すことができる。この場合、同期整流器の双方向変換器システム300は、ブースト分路調整器として動作して、余分な電力を、殆どの場合に電力を吸収するために十分な宇宙船負荷が存在する100Vの電気的バス3210に戻す。
【0039】
図4は、本開示の一実施形態による例示的な同期整流器の双方向変換器システム400を示している。この同期整流器の双方向変換器システム400は、バッテリV1と抵抗R3とに結合されたインダクタL1と、第1の強制転流式同期整流器404(図3の304に類似)と、第2の強制転流式同期整流器406(図3の306に類似)とを備えている。
【0040】
図4は、バッテリ充電/放電調整器として動作するように構成された同期整流器の双方向変換器システム400(システム400)のSPICEモデルを示している。図4に示されるように、第1の強制転流式同期整流器404は、変換器TX1に結合されたハイサイド強制転流回路410(U7)とハイサイドドライバ408(U3)とを含む。変換器TX1は、一次側P1及び二次側S1と、抵抗R1とを含む。同様に、第2の強制転流式同期整流器406は、変換器TX2に結合されたローサイド強制転流回路414(U6)とローサイドドライバ412(U5)とを含む。変換器TX2は一次側P1及び二次側S1と、抵抗R2とを含む。
【0041】
ハイサイドFET(又はスイッチ)Q1及びローサイドFET(又はスイッチ)Q2は、それぞれ出力及び地面にVL(インダクタの右側)のいずれかに接続する同期スイッチである。ハイサイド強制転流回路410(U7)及びローサイド強制転流回路414(U6)は、ボディダイオードがハイサイドFET Q1及びローサイドFET Q2とそれぞれ導通することを防止する。ハイサイド強制転流回路410及びローサイド強制転流回路414は、パルス幅調整(PWM)信号(DR1)を処理して、ローサイドFET Q2及びハイサイドFET Q1それぞれの駆動信号を生成する。ローサイドFET Q2は、PWM信号(DR1)とほぼ同位相の信号によって駆動される。ハイサイドドライバ408(U3)は、基本的にDR1の逆バージョンの信号によりハイサイドFET Q1を駆動する。
【0042】
ローサイドFET Q2を駆動することに加えて、ローサイドドライバ412(U5)は、ローサイドFET Q2がオンになる前にハイサイドFET Q1がオフになる時間が得られるように、ゲート駆動信号の到着を遅延させる。同様に、ローサイド強制転流回路414は、ハイサイドFET Q1がオンになる前にローサイドFETQ2がオフになるために十分な時間が得られるように、ハイサイドFET Q1のターンオンを遅延させる。
【0043】
PWM制御回路(図示しない)からのPWM信号は、パルスをDR1の幅に調節することにより電気的バスの電圧を調整するために、電圧及び電流のフィードバックを使用する。DR1のデューティーサイクルが増大するにつれて、出力の電気的バスの電圧が上昇する。DR1のデューティーサイクルが減少するにつれて、電気的バスの電圧が下降する。
【0044】
システム400がブースト変換器として機能して100Vの電気的バスに電流を供給するとき、ローサイドFET Q2は、ローFET Q2のドレインからソースへと流れる電流を有し、従って図には、ローサイドFET Q2への正の電流が示されている。電流はローFET Q2のドレインからソースへと流れるので、ローサイドFET Q2がオフのとき、ローサイドFET Q2のボディダイオードを電流が流れる可能性はない。したがって、ローサイド強制転流回路414が取り付けられており、且つ動作していたとしても、ローサイド強制転流回路414はブースト変換器の動作モードのために有用な機能を果たさない。
【0045】
ハイサイドFET Q1の電流は、FETQ1のソースからドレインへと流れる。したがって、ターンオフの際には、ボディダイオードの導通を防止するために、デバイスがターンオフされる前にハイサイド強制転流回路410がFET内の電流を反転させることが必須である。ハイサイド強制転流回路410が作動されると、FET内で電流が反転し、次いでハイサイドFET Q1がターンオフされる。このとき、インダクタL1の電流は、ローサイドFET Q2がオンにされるまでハイサイド強制転流回路410内を流れ続ける。
【0046】
システム400がバック変換器として機能してバッテリを充電するとき、ハイサイドFET Q1はドレインからソースへと流れる電流を有し、従ってハイサイドFET Q1への正の電流が図示されている。電流がドレインからソースへと流れるので、ハイサイドFET Q1がオフのとき、ハイサイドFET Q1のボディダイオード内を電流が流れる可能性はない。したがって、ハイサイド強制転流回路410が取り付けられており、且つ動作していたとしても、ハイサイド強制転流回路410はバック変換器の動作モードのために有用な機能を果たさない。
【0047】
ローサイドFET Q1の電流は、ソースからドレインへと流れる(例えば、負の電流により示すことができる)。したがって、ターンオフの際には、ボディダイオードの導通を防止するために、デバイスがターンオフされる前に強制転流回路がローサイドFET Q1内の電流を反転させることが必須である。強制転流回路410が作動されると、ローサイドFET Q1内で電流が反転し、次いでハイサイドFET Q1がターンオフされる。このとき、インダクタL1の電流は、ローサイドFET Q2がオンにされるまで転流回路410内を流れ続ける。
【0048】
すなわち、二つの強制転流回路は、同期整流双方向変換器を効率的に動作させなければならず、(1)システム400がブースト変換器として動作して電気的バスを調整するときには、ハイサイドFET Q1の逆回復の特徴に関連する損失を回避するために、ハイサイドFET Q1と並行なハイサイド強制通信回路410が必要であり、(2)同期整流器の双方向変換器システム400がブースト変換器として動作して電気的バスを調整するときには、ハイサイドFET Q1の逆回復の特徴に関連する損失を回避するために、ローサイドスイッチQ2と並行なローサイド強制転流回路414が必要である。
【0049】
この原理はブースト/バック調整器を用いて説明されているが、例えばこれに限定するものではないが、バック−ブースト(反転フライバック)変換器、非反転フライバック、CuK変換器、又は結合されたインダクタのバック変換器のような他の変換器に適用することができる。ここに記載される基本的原理は、二つ(又はそれ以上)の強制転流回路を使用して、殆どすべてのスイッチング調整器を同期整流された双方向変換器に変換することができる。
【0050】
図5は、本開示の一実施形態による双方向電圧変換プロセス500(プロセス500)を示す例示的な流れ図である。プロセス500に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組合せによって機械的に実行することができる。プロセス500は、任意の数の追加又は代替のタスクを含むことができ、図5に示すタスクは、図示する順序で実行する必要はなく、またプロセス500は、本明細書では詳細に記載しない追加の機能を有するより包括的な手順又はプロセス内へ組み込むことができることを理解されたい。
【0051】
例示の目的で、プロセス500の以下の説明では、図1〜4に関連して上述した要素に言及することがある。実用的な実施形態では、プロセス500の一部分は、ソース端子112、ゲート端子114、ドレイン端子116、真性ボディダイオード118、インダクタ302/L1、第1の強制転流式の同期整流器304/404、第2の強制転流式の同期整流器306/406など、システム100〜400の様々な要素によって実行することができる。プロセス500は、図1〜4に示した実施形態に類似している機能、材料、及び構造を有することができる。したがって、共通の特徴、機能、及び要素については、ここでは繰り返し説明しないことがある。
【0052】
プロセス500は、第1の強制転流式の同期整流器304/404において第1の電圧で充電電流を受け取ること(タスク502)によって始めることができる。
【0053】
プロセス500は、第1の強制転流式の同期整流器304/404により充電電流を制御すること(タスク504)によって継続することができる。
【0054】
プロセス500は、充電電流によりインダクタ302/L1を充電すること(タスク506)によって継続することができる。
【0055】
プロセス500は、第2の強制転流式同期整流器306/406を使用してインダクタ302/L1からの放電電流を制御すること(タスク508)によって継続することができる。
【0056】
図9は、本開示の一実施形態による双方向電圧変換システムを使用するプロセス600を示す例示的な流れ図である。プロセス600に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組合せによって機械的に実行することができる。プロセス600は、任意の数の追加又は代替のタスクを含むことができ、図6に示すタスクは、図示する順序で実行する必要はなく、またプロセス600は、本明細書では詳細に記載しない追加の機能を有するより包括的な手順又はプロセス内へ組み込むことができることを理解されたい。
【0057】
例示の目的で、プロセス600の以下の説明では、図1〜4に関連して上述した要素に言及することがある。実用的な実施形態では、プロセス600の一部分は、ソース端子112、ゲート端子114、ドレイン端子116、真性ボディダイオード118、インダクタ302/L1、第1の強制転流式の同期整流器304/404、第2の強制転流式の同期整流器306/406など、システム100〜400の様々な要素によって実行することができる。プロセス600は、図1〜4に示した実施形態に類似している機能、材料、及び構造を有することができる。したがって、共通の特徴、機能、及び要素については、ここでは繰り返し説明しないことがある。
【0058】
プロセス600は、第1の電圧で第1の電流を受け取ること(タスク602)によって始めることができる。
【0059】
プロセス600は、インダクタ302/L1に結合された第1の強制転流式同期整流器304/404により、インダクタ302/L1への第1の電流の流れを制御すること(タスク604)によって継続することができる。
【0060】
プロセス600は、インダクタ302/L1及び第1の強制転流式同期整流器304/404に結合された第2の強制転流式同期整流器306/406によりインダクタ302/L1からの第2の電流の流れを制御すること(タスク606)によって継続することができる。
【0061】
プロセス600は、インダクタ302/L1の出力において第2の電圧を調整すること(タスク608)によって継続することができる。
【0062】
このようにして、本開示の実施形態は、変換器が二つの方向に電力を効率的に処理できるように使用することができる二つの強制転流式同期整流器を提供する。強制転流方法は高い効率を有する。強制転流式のスイッチを使用する場合直列のダイオードは不要であるので、通常FETの損失が整流器の損失より大幅に低くなることにより、効率が劇的に改善される。電力消費が低下することにより、必要なヒートシンク材料が低減されて電源デバイスの重量が低減され、コンポーネントのパッケージを厚くすることができる。このようにして、必要な温度管理用ハードウェアが低減されるため、宇宙船の重量が低減される。
【0063】
ここに記載される同期整流器の双方向変換器を使用することにより、電力は、交流電気的バスと直流電気的バスとの間を、いずれの方向へも流れることができる。
【0064】
上記の説明では、互いに「接続」又は「結合」された要素又はノード又は特徴に言及する。本明細書では、別段明示しない限り、「接続」とは、1つの要素/ノード/特徴が別の要素/ノード/特徴に直接つなぎ合わされる(又は直接連通する)ことを意味するが、必ずしも機械的につなぎ合わされる必要はない。同様に、別段明示しない限り、「結合」とは、1つの要素/ノード/特徴が別の要素/ノード/特徴に直接又は間接的につなぎ合わされる(あるいは直接又は間接的に連通する)ことを意味するが、必ずしも機械的につなぎ合わされる必要はない。したがって、図1〜4は要素の例示的な構成を示すが、本開示の一実施形態では、追加の介在要素、デバイス、特徴、又は構成要素が存在することもある。
【0065】
本明細書で使用される用語及び語句、ならびにその変形は、別段明示しない限り、限定ではなくオープンエンド(open ended)と解釈されるべきである。上記の例として、「含む」という用語は、「非限定的に含む」などを意味すると読まれるべきであり、「例」という用語は、議論される項目の例示的な場合を提供するために使用され、その網羅的又は限定的なリストを提供するものではなく、また「従来の(conventional)」、「従来の(traditional)」、「通常の」、「標準的な」、「周知の」、及び類似の意味の用語などの形容詞は、記載する項目を、所与の期間に、又は所与の時点で利用可能な項目に限定すると解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来の任意の時点で利用可能又は周知の従来の(conventional)、従来の(traditional)、通常の、又は標準的な技術を包含するように読まれるべきである。
【0066】
同様に、「及び」という接続詞でつながれた1群の項目は、群内でそれらの項目のそれぞれがすべて存在することを必要とすると読まれるべきではなく、逆に、別段明示しない限り、「及び/又は」と読まれるべきである。同様に、「又は」という接続詞でつながれた1群の項目は、その群内で相互排他性を必要とすると読まれるべきではなく、逆に、別段明示しない限り、同じく「及び/又は」と読まれるべきである。更に、本開示の項目、要素、又は構成要素を単数で記載又は請求することがあるが、単数への限定が明示されない限り、複数も本開示の範囲内であることが企図される。場合によっては、「1つ又は複数」、「少なくとも」、「それだけに限定されるものではない」、又は他の同様の語句などの包括的な言葉及び語句の存在は、そのような包括的な語句がない場合により狭いケースが意図され、又は必要とされることを意味するように読まれるべきではない。
【符号の説明】
【0067】
100 強制転流式の同期整流器
102 第1のバス、入力端子
104 第2のバス、出力端子
106 端子
110 駆動電圧信号
112 ソース端子
114 ゲート端子
116 ドレイン端子
118 真性ボディダイオード
120 パルス電流源
140 強制転流回路
D1 転流ダイオード
Q1 電界効果トランジスタ(FET)
N3 ノード
200 同期整流器の双方向変換器システム
202 インダクタ
204 第1の強制転流式の同期整流器
206 第2の強制転流式の同期整流器
208 駆動論理回路
210 ブースト側キャパシタ
212 バッテリ
214 太陽電池アレイ
216 共通の接地
218 リンク
220 バス
222 リンク
224 リンク
226 バス
300 同期整流器の双方向変換器システム
302 インダクタ
304 第1の強制転流式の同期整流器
306 第2の強制転流式の同期整流器
308 駆動論理回路
310 リアクションホイール
314 宇宙船の負荷
316 共通の接地
320 電気的バス
400 同期整流器の双方向変換器システム
404 第1の強制転流式同期整流器
406 第2の強制転流式同期整流器
408 ハイサイドドライバ
410 ハイサイド強制転流回路
412 ローサイドドライバ
414 ローサイド強制転流回路
TX1、TX2 変換器
P1 一次側
S1 二次側
Q1 ハイサイドFET
Q2 ローサイドFET
L1 インダクタ
R1、R2 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期整流器の双方向変換器システムであって、
インダクタと、
インダクタに結合された第1の強制転流式同期整流器であって、ダイオードに関連付けられたコンポーネントのスイッチをオフにしながらダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ転流電流を強制的に転流させることにより、ダイオード内の逆回復時間をなくすように動作可能な第1の強制転流式同期整流器と、
インダクタ及び第1の強制転流式同期整流器に結合された第2の強制転流式同期整流器であって、ダイオードに関連付けられたコンポーネントのスイッチをオフにしながらダイオードのカソード端子からダイオードのアノード端子へ転流電流を強制的に転流させることにより、ダイオード内の逆回復時間をなくすように動作可能な第2の強制転流式同期整流器と
を備えている同期整流器の双方向変換器システム。
【請求項2】
第1の強制転流式同期整流器及び第2の強制転流式同期整流器に結合されて、第1の強制転流式同期整流器及び第2の強制転流式同期整流器を駆動するように動作可能な駆動論理回路を更に備えている、請求項1に記載の同期整流器の双方向転換器システム。
【請求項3】
第1の強制転流式同期整流器が更に第1の電気的バスに結合されており、第2の強制転流式同期整流器が更に接地されており、且つインダクタが更に第2の電気的バスに結合されている、請求項1に記載の同期整流器の双方向変換器システム。
【請求項4】
第1の電気的バスの電圧が第2の電気的バスの電圧よりも高い、請求項3に記載の同期整流器の双方向変換器システム。
【請求項5】
第1の電気的バスが太陽電池アレイに結合されている、請求項3に記載の同期整流器の双方向変換器システム。
【請求項6】
第2の電気的バスが、バッテリ及びリアクションホイールのうちの少なくとも一方に結合されている、請求項3に記載の同期整流器の双方向変換器システム。
【請求項7】
第1の強制転流式同期整流器及び第2の強制転流式同期整流器の各々が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
カソードが真性ボディダイオードのカソード端子に電気的に結合されるようにFETスイッチに並列に電気的に結合された転流ダイオードと、
転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、FETスイッチがオンに切り換えられている間に転流ダイオードからFETスイッチへ転流電流を通し、それによって転流電流を真性ボディダイオードのカソード端子から真性ボディダイオードのアノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源と
を備える強制転流式同期整流器から構成されている、請求項1に記載の同期整流器の双方向変換器システム。
【請求項8】
双方向電流変換の方法であって、
第1の強制転流式同期整流器において第1の電圧で充電電流を受け取ることと、
第1の強制転流式同期整流器により充電電流を制御することと、
充電電流によりインダクタを充電することと、
第2の強制転流式同期整流器を使用してインダクタからの放電電流を制御することと
を含む方法。
【請求項9】
充電電流を第1の電気的バスから受け取り、
充電電流及び放電電流を使用して第2の電気的バスを調整する電圧を更に含んでおり、
電圧は第2の電気的バスを第2の電圧に調整するものであり、
第2の電圧は第1の電圧より低い、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1の強制転流式同期整流器及び第2の強制転流式同期整流器の各々が、
ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子、ならびにカソード端子およびアノード端子を備える真性ボディダイオードを備える電界効果トランジスタ(FET)スイッチと、
カソードが真性ボディダイオードのカソード端子に電気的に結合されるように、FETスイッチに並列に電気的に結合されている転流ダイオードと、
転流ダイオードに電気的に結合された選択的に制御される強制転流電流源であって、FETスイッチがオンに切り換えられている間に転流ダイオードからFETスイッチへ転流電流を通し、それによって転流電流を真性ボディダイオードのカソード端子から真性ボディダイオードのアノード端子へ通すように動作可能な選択的に制御される強制転流電流源と
を備える強制転流式同期整流器から構成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
同期整流器の双方向変換器システムを使用するための方法であって、
第1の電圧で第1の電流を受け取ることと、
インダクタに結合された第1の強制転流式同期整流器によりインダクタへの第1の電流の流れを制御することと、
インダクタ及び第1の強制転流式同期整流器に結合された第2の強制転流式同期整流器によりインダクタからの第2の電流の流れを制御することと、
インダクタの出力において第2の電圧を調整することと
を含む方法。
【請求項12】
第2の電圧が第1の電圧より低く、
インダクタの出力を、第2の強制転流式同期整流器を介して電気的バスに結合することを更に含む、
請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−120427(P2012−120427A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−251272(P2011−251272)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】