説明

吐水装置

【課題】通水路を分解することなく、定流量弁による圧力損失を簡単に抑制することができる吐水装置を提供する。
【解決手段】湯水を吐水口から吐出させる吐水装置1であって、吐水装置本体2と、吐水装置本体2内に配置され、供給された湯水を吐水口へ導く通水路25と、通水路25の内部に配置され、所定流量の湯水を流出させる定流量弁38と、供給された湯水が定流量弁38を通過する第一位置と、供給された湯水の少なくとも一部が定流量弁38を通過せずに流れる第二位置とを、定流量弁38が通水路25内に配置されたまま通水路25の外部から切り替え可能な切替機構36とを備えたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐水装置に関し、特に、定流量弁を内蔵し、吐水口から湯水を吐出させる吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2008-2484742号公報(特許文献1)には、発電機を配管内部に組み込んだ自動水栓が記載されている。この自動水栓には、発電機の上流側に定流量弁が内蔵されており、給水圧力に係りなくほぼ一定流量の湯水が発電機に流入するように構成されている。これにより、自動水栓が給水圧力の高い地域に設置された場合においても、適正流量の湯水が発電機に流入するので、発電機に不具合が生じたり、発電機の動作が不安定になるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-2484742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のような定流量弁を内蔵した吐水装置は、給水圧力の高い地域に設置された場合には、吐水流量が適正な値に調整されるので、使い勝手の良いものとなる。しかしながら、このような吐水装置は、給水圧力の低い地域に設置された場合には、定流量弁を内蔵する必要がないばかりか、定流量弁を挿入したことによる圧力損失により、さらに吐水流量が減少してしまうので、定流量弁を内蔵したことにより、却って使い勝手が悪くなってしまうという問題がある。さらに、特許文献1記載の吐水装置のように、発電機を内蔵した自動水栓が給水圧力の低い地域に設置された場合には、定流量弁の圧力損失により十分な発電ができなくなり、自動水栓としての機能が損なわれてしまうという問題が発生する。
【0005】
そこで、このような吐水装置を給水圧力の低い地域に設置する場合には、定流量弁による圧力損失を避けるために定流量弁を取り外す必要があるが、定流量弁は通水路内に配置されているため、取り外すことは困難である。即ち、定流量弁を取り外すには、水密性が確保された通水路を分解しなければならず、分解、組み立てに時間がかかるという問題がある。さらに、工場において組み立てられた吐水装置の通水路を、吐水装置の施工現場で分解すると、通水路に異物が混入したり、組み立て不良による水漏れ等の原因になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、通水路を分解することなく、定流量弁による圧力損失を簡単に抑制することができる吐水装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、定流量弁を内蔵し、吐水口から湯水を吐出させる吐水装置であって、吐水装置本体と、吐水装置本体内に配置され、供給された湯水を吐水口へ導く通水路と、通水路の内部に配置され、所定流量の湯水を流出させる定流量弁と、供給された湯水が定流量弁を通過する第一位置と、供給された湯水の少なくとも一部が定流量弁を通過せずに流れる第二位置とを、定流量弁が通水路内に配置されたまま通水路の外部から切り替え可能な切替機構と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、切替機構により、供給された湯水全てが定流量弁を通過する第一位置と、供給された湯水の少なくとも一部が定流量弁を通過せずに流れる第二位置とを、定流量弁が通水路内に配置されたままの状態で、通水路の外部から切り替えることができる。これにより、通水路内に定流量弁が配置されていると、圧力損失が大きくなりすぎて適正な吐水を行うことができない環境に吐水装置を設置する場合にも、吐水装置本体内の通水路を分解して定流量弁を取り出す必要がなく、吐水装置を容易に設置することができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、切替機構は、定流量弁の位置を通水路内で移動させることにより、第一位置と第二位置とを切り替えることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、切替機構は、定流量弁の位置を通水路内で移動させることにより、供給された湯水が定流量弁を通過する第一位置と、供給された湯水の少なくとも一部が定流量弁を通過せずに流れる経路が形成される第二位置とを切り替える。これにより、簡単な機構で、定流量弁の第一位置と第二位置とを切り替えることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、切替機構は、通水路の一部を形成すると共に、定流量弁の定流量弁当接面と当接する通水路当接面を有する第1通水路形成部材と、定流量弁を内部に保持すると共に、第1通水路形成部材に対して摺動可能に接続された第2通水路形成部材と、第1通水路形成部材と第2通水路形成部材の相対位置を、定流量弁当接面と通水路当接面が当接する第一位置、又は、定流量弁当接面と通水路当接面が離間し、定流量弁当接面と通水路当接面の間を湯水が通過する第二位置に、通水路の外部から固定する通水路固定機構と、を備えることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、通水路の一部を形成する第1通水路形成部材と第2通水路形成部材が備えられ、定流量弁は第2通水路形成部材の内部に保持されている。定流量弁の第一位置と第二位置は、第1通水路形成部材と第2通水路形成部材の相対位置が、定流量弁当接面と通水路当接面が当接する位置と、定流量弁当接面と通水路当接面の間を湯水が通過する位置との間で変化することにより切り替えられる。通水路固定機構は、第1通水路形成部材と第2通水路形成部材の相対位置を、通水路の外部から第一位置又は第二位置に固定する。これにより、第1通水路形成部材と第2通水路形成部材を相対的に移動させるだけで、通水路を分解することなく、定流量弁の第一位置と第二位置を切り替えることができる。さらに、定流量弁を通過しない経路を別に独立して設ける構造等に比べて、部品点数も増えず、簡単な構成で、大型化せずに吐水装置を構成することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、通水路固定機構は、通水路固定用ピンと、この通水路固定用ピンが通水路の外部から挿入されることにより、第1通水路形成部材と第2通水路形成部材の相対位置を第一位置又は第二位置に固定するピン挿入部と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、通水路固定用ピンをピン挿入部に通水路の外部から挿入することにより、第1通水路形成部材と第2通水路形成部材の相対位置が第一位置又は第二位置に固定される。これにより、簡単な構成で、第一位置又は第二位置を選択することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、通水路固定機構は、第1通水路形成部材又は第2通水路形成部材と螺合されるねじ部を備え、第1通水路形成部材又は第2通水路形成部材を回転させることにより、第1通水路形成部材と第2通水路形成部材の相対位置を第一位置又は第二位置に固定することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、第1通水路形成部材又は第2通水路形成部材を回転させると、ねじ部により、第1通水路形成部材と第2通水路形成部材の相対位置が第一位置又は第二位置に固定される。これにより、簡単な操作により、第一位置又は第二位置を選択することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、定流量弁の下流側に配置され、湯水の流れにより電力を生成する発電機と、この発電機が生成した電力が蓄えられる蓄電器と、この蓄電器に蓄えられた電気により作動される人感センサ及び電磁弁と、これらの人感センサ及び電磁弁を制御する制御部と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、定流量弁を通過した湯水の流れにより、発電機は電力を生成し、この電力は蓄電器に蓄えられる。制御部は、蓄電器に蓄えられた電気により、人感センサ及び電磁弁を制御し、作動させる。本発明においては、吐水口からの吐水流量を適正値に調整すると共に、発電機に適正な給水圧力が作用するように、通水路内に定流量弁が配置されている。しかしながら、給水圧力の低い環境に吐水装置を設置する場合には、定流量弁を通過することによる圧力損失があるため、発電機に流入する給水圧力が低下し、十分な発電を行うことが困難になる。このような場合には、切替機構を第二位置に切り替えて、定流量弁による圧力損失を減少させ、発電機によって十分な発電を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の吐水装置によれば、通水路を分解することなく、定流量弁による圧力損失を簡単に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態による吐水装置全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による吐水装置1の内部構造を概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態による吐水装置の側面断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による第2通水路形成部材の第3通水路当接面を説明する図である。
【図5】本発明の第1実施形態による通水路固定用ピンの側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による定流量弁を上流側から見た平面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による第2通水路形成部材が第一位置に固定される場合における吐水装置の定流量弁近傍の部分拡大断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態による第2通水路形成部材が第二位置に固定される場合における吐水装置の定流量弁近傍の部分拡大断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による第2通水路形成部材が第一位置に固定される場合における吐水装置の定流量弁近傍の部分拡大断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による第2通水路形成部材が第二位置に固定される場合における吐水装置の定流量弁近傍の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態による吐水装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による吐水装置全体を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態の吐水装置1は、吐水装置本体2と、吐水装置本体2の基端部2aに設けられた温度調節用ツマミ4と、 吐水装置本体2の水平部2bの先端部に設けられた吐水口6と、水平部2bの先端に設けられた人感センサ8と、を有する。
【0016】
本実施形態の吐水装置1は、使用者が吐水口6の下方に手指をかざすと、人感センサー8がこれを検知し、内蔵された電磁弁が自動的に開弁されて吐水口6から吐水されるように構成されている。また、人感センサ8が手指を検出しなくなると、自動的に電磁弁が閉弁されて止水状態となる。さらに、温度調節用ツマミ4を調節することにより、吐出される湯水の温度が調節できるように構成されている。
【0017】
次に、図2乃至図8を参照して、本発明の第1実施形態による吐水装置1の構成を説明する。
図2は、本発明の第1実施形態による吐水装置の内部構造を概略的に示すブロック図である。図3は、本発明の第1実施形態による吐水装置の側面断面図である。図4は、本発明の第1実施形態による第2通水路形成部材の第3通水路当接面を説明する図である。図5は、本発明の第1実施形態による通水路固定用ピンの側面図である。図6は、本発明の第1実施形態による定流量弁を上流側から見た平面図である。図7は、本発明の第1実施形態による第2通水路形成部材が第一位置に固定された場合における吐水装置の定流量弁近傍の部分拡大断面図であり、図8は、本発明の第1実施形態による第2通水路形成部材が第二位置に固定された場合における吐水装置の定流量弁近傍の部分拡大断面図である。
【0018】
図2、図3に示すように、吐水装置本体2はカバー9を備え、温度調節バルブ(温度調整用サーモ)10と、電磁弁12と、定流量弁部14と、羽根車式の発電機16と、制御部18が内蔵されている。なお、温度調節バルブ10の上流側にフィルタ(図示せず)を設けることができる。このように本発明の吐水装置1は、発電機16や制御部18等を洗面台等から突出する吐水装置本体2内部に内蔵した一体型のコンパクトな吐水装置である。
【0019】
カバー9は、吐水装置本体2の外形を形成しており、ねじ11により簡単に取り外し可能である。使用者は、ねじ11を取り外して、カバー9を開くと、吐水装置本体2の内部、特に後述する通水路固定機構を操作することが可能になる。
【0020】
温度調節バルブ10は、吐水装置本体2の基端部2aに内蔵され、湯供給管20a及び水供給管20bが接続されている。温度調節バルブ10は、各供給管から夫々供給された湯及び水を、温度調節用ツマミ4の設定に基づいて混合し、適温の湯水に調節して流出させるように構成されている。この温度調節バルブ10は一般的なものであるため、詳細な構成の説明は省略する。
【0021】
電磁弁12は、 吐水装置本体2の基端部2aに内蔵され、温度調節バルブ10により混合された湯水が流入するように、温度調節バルブ10の下流側に接続されている。また、電磁弁12は、制御部18から送られる制御信号に基づいて開閉されるように構成されている。この電磁弁12は一般的なものであるため、詳細な構成の説明は省略する。
【0022】
定流量弁部14は、吐水装置本体2の水平部2bに配置されている。定流量弁部14は、電磁弁12の下流側に接続され、電磁弁12から流入した湯水を適正な流量に調整して発電機16に流入させるように構成されている。定流量弁部14は、切替機構36と、定流量弁38とを備えている。定流量弁部14の構造は後述する。
【0023】
図2、図3に示すように、発電機16は、 吐水装置本体2の水平部2bに、定流量弁部14に並んで概ね水平方向に向けて配置されている。発電機16は、定流量弁部14を通過した湯水が発電機側配管24を通って流入し、発電機16を通過した湯水は吐水口6から吐出されるように接続されている。発電機16により生成された電力は、電磁弁12、制御部18、人感センサ8等を作動させるために使用される。
【0024】
図3に示すように、発電機16は、発電機通水路形成部材26と、この発電機通水路形成部材26の内部に配置された羽根車28と、この羽根車28に取り付けられた発電用マグネット30と、羽根車28を回転可能に支持する回転軸32と、発電機通水路形成部材26の外側に配置された発電用コイル34と、を有する。
【0025】
発電機通水路形成部材26は、その内部に発電機通水路を構成し、その通水路内部に羽根車28が回転可能に配置されている。羽根車28は、その回転軸32が発電機通水路形成部材26の中心軸線と一致するように配置されており、発電機通水路内に湯水が流れると回転軸32を中心に回転されるように構成されている。羽根車28は、その回転数を一定回転数以上に保つために、一定圧力以上の湯水を必要とする。
【0026】
羽根車28の外周は、その下流側が縮径されており、この縮径部分に発電用マグネット30が取り付けられている。発電用マグネット30は、概ね円環状に構成されており、その円周に沿ってN極とS極が交互に形成されている。
発電用コイル34は、下流側の発電機通水路形成部材26を取り囲むように円環状に配置されている。発電用コイル34と発電用マグネット30は、発電機通水路形成部材26の軸線方向に並んで配置されており、発電用マグネット30が羽根車28と共に回転されると、発電用コイル34に起電力が発生する。このように発電機16において発生された電力は蓄電器(図示せず)に蓄えられる。このように、発電機16には上流側から順に羽根車28、発電用マグネット30、発電用コイル34が配置されている。
【0027】
図2に示すように、制御部18は、人感センサ8から入力された検出信号に基づいて、電磁弁12を開閉する制御信号を発生するように構成されている。具体的には、制御部18は、マイクロプロセッサ、メモリ、及びこれらを作動させるプログラム等(図示せず)により構成されている。制御部18は、蓄電器(図示せず)に蓄えられた電気により、人感センサ8及び電磁弁12を制御し、作動させる役割も果たす。
【0028】
次に、図6及び7を参照して、定流量弁38の構成を説明する。図6は、定流量弁部14に内蔵されている定流量弁38を上流側から見た平面図である。
図6に示すように、定流量弁38は、定流量弁外側部60と、定流量弁内側部61と、定流量弁内部通水路64とを備える。
定流量弁38は、2つの円筒を連結した形状であり、その下流側の円筒の口径が上流側の円筒の口径よりも小さく形成されている。
定流量弁外側部60は、定流量弁38の上流側の定流量弁第2当接面66からその円筒形状外周に沿ってその下流側の第1通水路当接面48までの円筒外周部を一体に形成する。定流量弁外側部60は、円筒外周に段形状の定流量弁第3当接面70が形成されている。
定流量弁内側部61は、定流量弁外側部60の内側に配置される。定流量弁内部通水路64は、定流量弁外側部60と定流量弁内側部61の間に形成される。定流量弁内部通水路64は、その通水路を通る水流を、水圧にかかわらずほぼ一定の流量に調整する。
【0029】
次に、図3乃至8を参照して、本発明の第1実施形態の定流量弁部14の構造を説明する。
定流量弁部14は、切替機構36と、定流量弁38とを備えている。
切替機構36は、第1通水路形成部材40と、第2通水路形成部材42と、通水路固定機構44とを備える。
図7に示すように、第1通水路形成部材40は、発電機側配管24に水密的に連結され、通水路25の一部である第1通水路45を形成する。第1通水路形成部材40は、凸型の円筒形状であり、円筒の突出部分が、発電機側配管24よりも小径に形成され、定流量弁38の径ともほぼ一致するように形成されており、凸型の円筒先端部に第1通水路当接面48を有する。第1通水路当接面48は、定流量弁38の定流量弁第1当接面46と当接して、定流量弁38の内部の定流量弁内部通水路49と第1通水路形成部材40の内部の第1通水路45を連続した1つの通水路として形成できるようになっている。さらに、第1通水路形成部材40の端部は、第2通水路形成部材42の中に水密的に摺動可能に受け入れられている。
【0030】
第2通水路形成部材42は、第1通水路形成部材40と電磁弁側配管22の間の第2通水路50を形成する。第2通水路形成部材42の下流側の端部は、第1通水路形成部材40を水密に摺動可能に受け入れている。第2通水路形成部材42は、ほぼ円筒形状の部材であり、第1通水路形成部材40の外側で水密に当接するよう、第1通水路形成部材40の外径とほぼ一致する内径を有している。第2通水路形成部材42は、第1通水路形成部材40と電磁弁側配管22の間を連通できるように通水路の径が変化している。第2通水路形成部材42は、定流量弁38を第2通水路形成部材42の第2通水路50の内部に収容し、保持できるように構成されている。さらに、定流量弁38が内部に配置される第2通水路50は、定流量弁38よりも若干大きく形成されているので、定流量弁38の周囲に隙間ができ、この隙間を後述する第3通水路72として通水路に使用することができる。
【0031】
図4は、本発明の第1実施形態による第2通水路形成部材42の第3通水路当接面68(図7)を上流側から見て説明する図である。
図4に示すように、第2通水路形成部材42は、定流量弁38(本図では説明のため定流量弁は省略されている)の周囲に隙間を残しながら第2通水路形成部材42の内部に収容できるように、定流量弁38よりも若干大きな第2通水路50の径を有している。
第2通水路形成部材42は、円筒形状の内側方向に突出した4箇所の第3通水路当接面68を備える。この4箇所の第3通水路当接面68が、定流量弁38の定流量弁第3当接面70と当接するように形成される。第3通水路当接面68以外の部分は突出していないので、第3通水路当接面68が定流量弁38と当接している際、当接していない部分では第2通水路形成部材42と定流量弁38との間に通水できる隙間(後述する第3通水路72の一部)を形成できるように構成されている。
【0032】
通水路固定機構44は、通水路固定用ピン51とピン挿入部52とを備える。
図5は、本発明の第1実施形態による通水路固定用ピンの側面図である。
図5に示すように、通水路固定用ピン51は、係合部53と、使用者が手で持って挿入操作可能な取手部54とを備える。
係合部53は、第2通水路形成部材42の円筒形状の外周上に沿って挟み込むように挿入して係合固定できる形状を有している、他にはC字形状を下向きに開口する向きにした形状や環形状の下方一部を切り取って下方に開放した形状等でもよい。係合部53は、第2通水路形成部材42の中心軸線から見て取手部54を基準として約±120度程度まで係合部53が延びて形成され、第2通水路形成部材との挟み込み係合を維持しやすくなっている。係合部53は、挿入時に挿入しやすいように挿入する向きの縁近傍が面取りされた縁部55を有する。係合部53は、数ミリ程度の厚みを有しており、係合部53の厚み等の寸法を第2通水路形成部材42の摺動させたい距離に合わせて設計することも可能である。
取手部54は、使用者が手で持って操作しやすいように頂部が厚く形成されるが、変形例として突起形状等を有していても良い。
係合部53及び取手部54は、挟み込むように挿入できるように弾性を有する材料を使用することができる。
【0033】
ピン挿入部52は、この通水路固定用ピン51が通水路の外部から挿入されることにより、第1通水路形成部材40と第2通水路形成部材42の相対位置を第一位置又は第二位置に固定することができる。ピン挿入部52は、通水路固定用ピン51を第2通水路形成部材42の円筒外周に沿って挿入できる第一位置挿入部56と第二位置挿入部58を備える。
第一位置挿入部56は、通水路固定用ピン51を挿入する第2通水路形成部材42の外周に沿って形成された凹部形状である。第一位置挿入部56に通水路固定用ピン51が挿入されると、通水路固定用ピン51が第一位置挿入部56及び電磁弁側配管22と係合して第2通水路形成部材42を固定するようになっている。
第二位置挿入部58は、第一位置挿入部56と形状がほぼ同じであり、位置が発電機側配管24に近い位置である点で異なっている。第二位置挿入部58に通水路固定用ピン51が挿入されると、通水路固定用ピン51が第二位置挿入部58及び発電機側配管24等と係合して第2通水路形成部材42を固定するようになっている。
【0034】
次に、本発明の第1実施形態による吐水装置1の作用を説明する。
まず、使用者が、吐水装置本体2の先端部に設けられた人感センサ8に手指をかざすと、人感センサ8はこれを検知し、制御部18に信号を送る。制御部18は、人感センサ8が手指を検知すると、電磁弁12に信号を送り、電磁弁12を開弁状態に切り換える。電磁弁12が開弁されると、湯供給管20a及び水供給管20bを介して供給された湯及び水が温度調節バルブ10に夫々供給される。供給された湯及び水は、温度調節バルブ10の内部で混合され、図7及び図8に矢印で示すように定流量弁部14を流れて発電機16に到達する。発電機16を通過した湯水は、吐水口6から吐出される。
【0035】
即ち、供給された湯及び水は、温度調節バルブ10により、温度調節用ツマミ4によって設定された温度に調節されて流出する。温度調節バルブ10から流出した湯水は、開弁状態の電磁弁12を通過する。電磁弁12を通過した湯水は、定流量弁部14を流れて発電機16に到達する。
【0036】
次に、図7及び図8を参照して、切替機構36による通水路の切り替えを説明する。図7は、供給された湯水が定流量弁38を通って発電機16に流入する第2通水路形成部材42が第一位置にある状態を示している。一方、図8は供給された湯水の少なくとも一部が定流量弁38を通らずに発電機16に流入する第2通水路形成部材42が第二位置にある状態を示している。
【0037】
図7に示すように、第2通水路形成部材42の第一位置においては、通水路固定用ピン51は第2通水路形成部材42の第一位置挿入部56に挿入され、第2通水路形成部材42は下流側(図7における左側)へ移動されている。この第一位置においては、定流量弁38は第1通水路形成部材40と第2通水路形成部材42の間に挟みこまれて支持される。第2通水路形成部材42を第一位置に固定すると、このとき、第1通水路形成部材40の第1通水路当接面48と定流量弁38の定流量弁第1当接面46とが当接する。従って、電磁弁12から供給された湯水は、図7の矢印に示すように、定流量弁内部通水路49を通過する。定流量弁38内部を通過する湯水は、定流量弁38の機能により、一定流量に保たれる。定流量弁38を通過した湯水は、第1通水路形成部材40内部の第1通水路45を流れて発電機16に導かれる。このように、第一位置においては、供給された湯水は、ほぼ全量が定流量弁38を通り、適正な流量の湯水が発電機16に流入される。
【0038】
一方、吐水装置1が給水圧力の低い地域に配置された場合には、供給された湯水が定流量弁38を通って発電機16に流入すると、定流量弁38による圧力損失により、十分な発電ができなくなる。そこで、このような場合には、切替機構36により、定流量弁38を第二位置に切り替えて、供給された湯水の一部が定流量弁38を通らずに発電機16に流入するようにする。
図7に示す第一位置から、図8に示す第二位置に定流量弁38を切り替えるには、使用者はまず、カバー9を取り外し、吐水装置本体2内の通水路を露出させ、通水路固定用ピン51を第一位置挿入部56から引き抜く。次いで、通水路固定用ピン51を第2通水路形成部材42の第二位置挿入部58に通水路の外部から挿入する。通水路固定用ピン51を第二位置挿入部58に押し込むと、第2通水路形成部材42は通水路固定用ピン51によって上流側(図7における右方向)に移動される。
通水路固定用ピン51が最後まで押し込まれると、第2通水路形成部材42は、図8に示す第二位置まで水密性を維持しながら摺動され、第2通水路形成部材42は第二位置に固定される。第二位置は、第1通水路形成部材40に対して第2通水路形成部材42の相対位置を、第一位置から約1.5mm〜2mm第1通水路形成部材40から離れる向きに移動された位置である。
【0039】
図8に示すように、第2通水路形成部材42が第二位置に移動されると、第2通水路形成部材42の第3通水路当接面68と定流量弁38の定流量弁第3当接面70が当接しているため、定流量弁38は第2通水路形成部材42と共に移動される。この定流量弁38の移動により、定流量弁第1当接面46と第1通水路当接面48が離間し、定流量弁38の周囲に、新たに定流量弁38を迂回する第3通水路72が形成される。第3通水路72は、定流量弁外側部60の周囲、第3通水路当接面68が定流量弁第3当接面70と当接している際に第2通水路形成部材42と定流量弁38との間の通水できる隙間、及び定流量弁第1当接面46と第1通水路当接面48の間へと定流量弁38の外周に沿って通水する通水路である。第3通水路72は、定流量弁38の周囲に環状に形成され、定流量弁内部通水路64と第3通水路72で同心円上の2重環流路を形成する。このように、定流量弁38が第二位置に移動されると、定流量弁第1当接面46と第1通水路当接面48が離間し、その間を通る第3通水路72が形成される。これにより、定流量弁部14を通る湯水の圧力損失は著しく低下し、吐水装置1が給水圧力の低い地域に配置された場合にも、発電機16には十分な給水圧力の湯水が流入して、必要な電力が生成される。
【0040】
上述した本発明の第1実施形態による吐水装置1によれば、切替機構36により、供給された湯水が定流量弁38を通過する第一位置と、供給された湯水の少なくとも一部が定流量弁38を通過せずに第3通水路72を流れる第二位置とを切り替えることができる。この切り替えは、まず、ねじ11によりカバー9を外し、定流量弁38が第2通水路50内に配置されたままの状態で、通水路固定用ピン51を、第2通水路50の外部から第一位置挿入部56或いは第二位置挿入部58に挿入することにより実行される。通水路固定用ピン51の挿入により、第2通水路形成部材42の、第1通水路形成部材40に対する位置を移動させると共に、固定させる。この第2通水路50の相対移動により、定流量弁38を通過しない第3通水路72形成の有無を、外部から簡単に切り替えることができる。
これにより、通水路25内に定流量弁38が配置されていると、定流量弁38の圧力損失が大きくなりすぎて発電機16が発電できない環境に吐水装置1を設置する場合にも、吐水装置1本体内の通水路を分解して定流量弁38を取り出すことなく、吐水装置1を容易に設置することができる。
【0041】
上述した本発明の第1実施形態の吐水装置1によれば、切替機構36は、定流量弁38の位置を第2通水路50内で第2通水路形成部材42と共に移動させることにより、供給された湯水が定流量弁38を通過する第一位置と、供給された湯水の少なくとも一部が定流量弁38を通過せずに流れる第3通水路72が形成される第二位置とを切り替える。このように、第2通水路形成部材42は、定流量弁38を移動させて、通水路25を分解させずに、通水路25の形状を変更させることができる。従って、本発明の第1実施形態による吐水装置1によれば、簡単な機構で、定流量弁38の第一位置と第二位置とを切り替えて定流量弁38による圧力損失を簡単に抑制することができる。
【0042】
上述した本発明の第1実施形態の吐水装置1によれば、通水路25の一部を形成する第1通水路形成部材40と第2通水路形成部材42が備えられ、定流量弁38は第2通水路形成部材42の第2通水路内部に収容され、保持されている。定流量弁38の第一位置と第二位置は、第1通水路形成部材40と第2通水路形成部材42の相対位置が、定流量弁第1当接面46と第1通水路当接面48とが当接する第一位置と、定流量弁第1当接面46と第1通水路当接面48の間の第3通水路72を湯水が通過する第二位置との間で変化することにより切り替えられる。通水路固定機構44は、第1通水路形成部材40と第2通水路形成部材42の相対位置を、通水路の外部から第一位置又は第二位置に固定する。これにより、第1通水路形成部材40と第2通水路形成部材42を相対的に移動させるだけで、第2通水路50を分解することなく、定流量弁38の第一位置と第二位置を切り替えることができる。さらに、定流量弁38を通過しない通水経路を別に独立して設ける構造等に比べて、部品点数も増えず、簡単な構成で、大型化せずに吐水装置1を構成することができる。
【0043】
上述した本発明の第1実施形態の吐水装置1によれば、通水路固定用ピン51をピン挿入部52に第2通水路50の外部から挿入することにより、第1通水路形成部材40と第2通水路形成部材42の相対位置が第一位置又は第二位置に固定される。これにより、簡単な構成で、第一位置又は第二位置を選択することができる。
【0044】
上述した本発明の第1実施形態の吐水装置1によれば、定流量弁38を通過した湯水の流れにより、発電機16は電力を生成し、この電力は蓄電器に蓄えられる。制御部18は、蓄電器に蓄えられた電気により、人感センサ8及び電磁弁12を制御し、作動させる。本実施形態においては、吐水口6からの吐水流量を適正値に調整すると共に、発電機16に適正な給水圧力が作用するように、第2通水路50内に定流量弁38が配置されている。しかしながら、給水圧力の低い環境に吐水装置1を設置する場合には、定流量弁38を通過することによる圧力損失があるため、発電機16に流入する給水圧力が低下し、十分な発電を行うことが困難になる。このような場合には、切替機構36を第二位置に切り替えて、湯水を第3通水路72に迂回させ、定流量弁38による圧力損失を減少させ、発電機16によって十分な発電ができるようにする。
【0045】
次に、図9及び図10を参照して、本発明の第2実施形態による吐水装置について説明する。本実施形態の吐水装置は、切替機構が上述した第1実施形態とは異なる。ここでは、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。上述した第1実施形態においては、切替機構36として通水路固定用ピン51を使用し、これを通水路の外部から挿入することにより、第1通水路形成部材40に対する第2通水路形成部材42の相対位置を第一位置又は第二位置に固定していた。本実施形態においては、切替機構136は、第2通水路形成部材142と電磁弁側配管122とが螺合されている。
【0046】
図9は、本発明の第2実施形態による第2通水路形成部材が第一位置に固定された状態を示す部分拡大断面図であり、図10は、本発明の第2実施形態による第2通水路形成部材が第二位置に固定された状態を示す部分拡大断面図である。
【0047】
図9に示すように、電磁弁側配管122は、電磁弁側配管122内の下流側の端部に配管側ねじ部174を備える。配管側ねじ部174は、ねじ山の間隔が約1.5mmである。切替機構136は、第1通水路形成部材140と、第2通水路形成部材142とを備える。第1通水路形成部材140は、第1通水路形成部材140と第2通水路形成部材142との間を螺合できるように構成してもよい。第2通水路形成部材142は、第2通水路形成部材ねじ部176とねじ回転部178を備える。第2通水路形成部材ねじ部176は、第2通水路形成部材142の上流端外周に、配管側ねじ部174と螺合されるように形成されている。従って、第2通水路形成部材142がその中心軸線の周りに回転されると、回転に応じて第1通水路形成部材140に対する第2通水路形成部材142の相対位置が変化されるようになっている。ねじ回転部178は通水路固定機構として機能する。
ねじ回転部178は、第2通水路形成部材142をその中心軸線の周りに回転させるように構成され、例えば、使用者が手で回転操作可能な取手部或いはねじまわし等でもよい。さらに、ねじ回転部178は、持ち手が外れるなど取り外し可能な構成であってもよい。
また、変形例としては、切替機構136は、第1通水路形成部材140と第2通水路形成部材142との間が螺合されるように構成されていてもよい。なお、この場合には、第1通水路形成部材140を第2通水路形成部材142に対して回転させる。
【0048】
次に、本発明の第2実施形態による吐水装置101の作用を第1実施形態とは異なる点のみ説明する。
図9に示すように、使用者は、ねじ回転部178を第2通水路形成部材142の中心軸線の周りに回転させて、第2通水路形成部材142を回転させる。第2通水路形成部材ねじ部176と配管側ねじ部174は螺合されているので、第2通水路形成部材142の回転に伴い、第1通水路形成部材140に対して第2通水路形成部材142が移動される。このように、第2通水路形成部材142を回転させることにより、第2通水路形成部材142を軸線方向に移動させ、第2通水路形成部材142は図9に示す第一位置、又は図10に示す第二位置に固定される。
【0049】
図9に示すように、第2通水路形成部材142の第一位置においては、定流量弁38の定流量弁第1当接面と第1通水路形成部材140の第1通水路当接面が当接されているので、供給された湯水は、ほぼ全量が定流量弁38を通過する。一方、図10に示すように、第2通水路形成部材142の第二位置においては、定流量弁38の定流量弁第1当接面と第1通水路形成部材140の第1通水路当接面が離間しているので、供給された湯水の一部は定流量弁38を迂回して、定流量弁第1当接面と第1通水路当接面の間を流れて発電機16に流入する。
【0050】
上述した本発明の第2実施形態の吐水装置101によれば、第2通水路形成部材142を回転させると、第2通水路形成部材ねじ部176と配管側ねじ部174が螺合されていることにより、第1通水路形成部材140と第2通水路形成部材142の相対位置が第一位置又は第二位置に移動され、固定される。これにより、使用者は、ねじ回転部178を第2通水路形成部材142の中心軸線の周りに回転させるだけで、簡単な操作で、第一位置又は第二位置を選択することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 吐水装置
2 吐水装置本体
2a 基端部
2b 水平部
4 温度調節用ツマミ
6 吐水口
8 人感センサ
9 カバー
10 温度調節バルブ
12 電磁弁
14 定流量弁部
16 発電機
18 制御部
20a 湯供給管
20b 水供給管
22 電磁弁側配管
24 発電機側配管
25 通水路
26 発電機通水路形成部材
28 羽根車
30 発電用マグネット
32 回転軸
34 発電用コイル
36 切替機構
38 定流量弁
40 第1通水路形成部材
42 第2通水路形成部材
44 通水路固定機構
45 第1通水路
46 定流量弁第1当接面(定流量弁当接面)
48 第1通水路当接面(通水路当接面)
49 定流量弁内部通水路
50 第2通水路
51 通水路固定用ピン
52 ピン挿入部
53 係合部
54 取手部
55 縁部
56 第一位置挿入部
58 第二位置挿入部
60 定流量弁外側部
61 定流量弁内側部
62 第2通水路当接面
64 定流量弁内部通水路
66 定流量弁第2当接面
68 第3通水路当接面
70 定流量弁第3当接面
72 第3通水路
101 吐水装置
122 電磁弁側配管
136 切替機構
140 第1通水路形成部材
142 第2通水路形成部材
144 通水路固定機構
174 配管側ねじ部
176 第2通水路形成部材ねじ部(ねじ部)
178 ねじ回転部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定流量弁を内蔵し、吐水口から湯水を吐出させる吐水装置であって、
吐水装置本体と、
前記吐水装置本体内に配置され、供給された湯水を吐水口へ導く通水路と、
前記通水路の内部に配置され、所定流量の湯水を流出させる定流量弁と、
供給された湯水が定流量弁を通過する第一位置と、供給された湯水の少なくとも一部が定流量弁を通過せずに流れる第二位置とを、前記定流量弁が前記通水路内に配置されたまま通水路の外部から切り替え可能な切替機構と、
を備えることを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記切替機構は、前記定流量弁の位置を前記通水路内で移動させることにより、前記第一位置と前記第二位置とを切り替える請求項1記載の吐水装置。
【請求項3】
前記切替機構は、
前記通水路の一部を形成すると共に、前記定流量弁の定流量弁当接面と当接する通水路当接面を有する第1通水路形成部材と、
前記定流量弁を内部に保持すると共に、前記第1通水路形成部材に対して摺動可能に接続された第2通水路形成部材と、
前記第1通水路形成部材と前記第2通水路形成部材の相対位置を、前記定流量弁当接面と前記通水路当接面が当接する前記第一位置、又は、前記定流量弁当接面と前記通水路当接面が離間し、前記定流量弁当接面と前記通水路当接面の間を湯水が通過する前記第二位置に、前記通水路の外部から固定する通水路固定機構と、
を備えた請求項1記載の吐水装置。
【請求項4】
前記通水路固定機構は、通水路固定用ピンと、この通水路固定用ピンが通水路の外部から挿入されることにより、前記第1通水路形成部材と前記第2通水路形成部材の相対位置を前記第一位置又は前記第二位置に固定するピン挿入部と、を有する請求項3記載の吐水装置。
【請求項5】
前記通水路固定機構は、前記第1通水路形成部材又は前記第2通水路形成部材と螺合されるねじ部を備え、前記第1通水路形成部材又は前記第2通水路形成部材を回転させることにより、前記第1通水路形成部材と前記第2通水路形成部材の相対位置を前記第一位置又は前記第二位置に固定する請求項3記載の吐水装置。
【請求項6】
さらに、前記定流量弁の下流側に配置され、湯水の流れにより電力を生成する発電機と、この発電機が生成した電力が蓄えられる蓄電器と、この蓄電器に蓄えられた電気により作動される人感センサ及び電磁弁と、これらの人感センサ及び電磁弁を制御する制御部と、を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載の吐水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−57367(P2012−57367A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201955(P2010−201955)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】