説明

含フッ素ポリエーテル化合物およびその製造方法

【課題】潤滑油、洗浄剤、溶剤、伝熱媒体、消火剤、動力循環作動流体、反応媒体、乾燥剤(水切り剤)等として有用な、塩素を含まず、フッ素、水素を含む新規含フッ素ポリエーテル化合物およびその製造法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される新規含フッ素ポリエーテル化合物。


(式中、Rfは、ペルフルオロアルキル基を示し、nは0または1を示す。) この化合物はフルオロビニルエーテル化合物と、ポリアルコール化合物とを遷移金属触媒の存在下で反応させることによって製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油、洗浄剤、溶剤、伝熱媒体、消火剤、動力循環作動流体、反応媒体、乾燥剤(水切り剤)等として有用な、塩素を含まず、フッ素、水素を含む新規含フッ素ポリエーテル化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
含フッ素化合物は高分子材料、冷媒、洗浄剤、溶剤、発泡剤、医薬、農薬等、工業的に幅広く用いられている。特に、含フッ素ポリエーテル化合物は、潤滑油、洗浄剤、溶剤、伝熱媒体、消火剤、動力循環作動流体、反応溶媒、乾燥剤(水きり剤)等の用途が期待されている。
【0003】
このような含フッ素ポリエーテル化合物には、直鎖状のパーフルオロカーボン骨格が酸素によって結合、或いは一部にトリフルオロメチル基による分岐構造を有するパーフルオロポリエーテルが知られており、例えば、ソルベイソレクシス社のガルデン(登録商標)、フォンブリン(登録商標)、デュポン社のクライトックス(登録商標)、ダイキン工業社のデムナム(登録商標)等が既知化合物として上市されている。
【0004】
しかし、パーフルオロポリエーテル類は一般の炭化水素系有機溶剤への溶解性が低く、例えば、塗布、浸漬、噴霧などの操作にはフッ素系有機溶剤を使用する必要があり、環境破壊などの弊害を招くおそれがある。また、溶剤が高価なために回収の費用が必要になる等の問題点も多い(特許文献1)。
【0005】
近年、ハイドロフルオロエーテル(HFE)が、クロロフルオロカーボン(CFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)に代替する新しい冷媒、洗浄剤、発泡剤として注目されている。特に、洗浄分野において、RF−CHFCF2−O−R (ここで、RFはフッ素原子またはペルフルオロアルキル基である)の構造を有するHFEは、オゾン層を破壊せず、かつ温暖化効果の低い洗浄剤として期待されている(非特許文献1)。
【0006】
上記、−CHFCF2−O−の構造を有するHFE類のうち、エーテル酸素を2つ有するポリエーテル類として、トリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテルとアルコールから合成されたジエーテル類が知られている(特許文献2)。
しかしながら、これらのポリエーテルは沸点が低く揮発性が高いため、潤滑油などの用途には適していない。
【0007】
また、分岐エーテル骨格を含有する1,1,2-トリフルオロ-(2’-ヘプタフルオロプロポキシ)-2-ヘキサフルオロプロポキシエチレンとポリオール類から合成されたポリエーテル類も知られている(非特許文献2)が、これらの化合物の多くは安定性に欠け、その物性も明確とはされなかった。
【0008】
このように、これまでに知られている−O−CHFCF2−O−の構造を有する化合物は、沸点が低く、また安定性に欠けるものであり、たとえば潤滑油等の用途に用いることが極めて困難なものであった。
【0009】
【非特許文献1】J. Fluorine Chem., 101, 215 (2000)
【非特許文献2】J. Fluorine Chem., 117, 149 (2002)
【特許文献1】特開平8-259482号公報
【特許文献2】特開平11-147847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、オゾン層破壊もなく地球環境に及ぼす影響の少なく、かつ揮発性が少なくて潤滑油等としても好適に使用できる新規な含フッ素ポリエーテルを提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)下記一般式(1)で表される含フッ素ポリエーテル化合物。
【化3】

(式中、Rfは、ペルフルオロアルキル基を示し、nは0または1を示す。)
(2)下記一般式(2)で表されるフルオロビニルエーテル化合物と、

(式中、Rfはペルフルオロアルキル基を示す。)
と、下記一般式(3)で表されるポリアルコール化合物
【化4】

(式中、nは0または1を示す。)
とを遷移金属触媒の存在下で反応させることを特徴とする上記(1)に記載の含フッ素ポリエーテル化合物の製造方法。
(3)遷移金属がパラジウムであることを特徴とする上記(2)に記載の含フッ素ポリエーテル化合物の製造方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の新規な含フッ素ポリエーテル化合物は下記一般式(1)で表される含フッ素ポリエーテル化合物で示される。
【化5】

(式中、Rfは、ペルフルオロアルキル基を示し、nは0または1を示す。)
一般式(1)において、Rfは分岐していてもよいペルフルオロアルキル基であり、好ましくは炭素数1から12までのペルフルオロアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜3のCF3, CF2CF3, CF2CF2CF3である。
本発明の新規な含フッ素ポリエーテル化合物の代表例としては、以下のようなものが例示される。
【化6】

【0013】
これらの化合物は前記一般式(2)で表されるフルオロビニルエーテル化合物と前記一般式(3)で表されるポリアルコール化合物とを反応させることによって製造できる。
前記一般式(2)で表されるフルオロビニルエーテル化合物のRfは前記一般式(1)のものと同様なペルフロアルキル基を示す。
また、前記一般式(3)で表されるポリアルコール化合物に特に制限はないが、たとえば、HOCH2CH2OHやHOCH2CH(OH)CH2OH等が例示される。
このフルオロビニルエーテルとポリアルコールとの反応は、遷移金属触媒やアルカリ性触媒の存在下で好適に行うことができる。好ましくは遷移金属触媒の存在下で行うのがよい。
【0014】
遷移金属触媒としては、第10族遷移金属を含有する触媒がよく、遷移金属としてはニッケル、パラジウム、プラチナが例示されるが、パラジウムが好ましい。
また、これらの第10族遷移金属触媒は、金属単体でもよく、また前記金属を中心金属として、それに15族元素を含有する配位子が配位した金属錯体でもよい。15族元素としては窒素、リン、砒素等が例示されるが、好ましくはリンが適している。リン配位子は、前記金属の配位子として適用できれば特に制限はなく、3価あるいは5価のリン化合物が挙げられるが、好ましくは、トリフェニルホスフィン、トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノメタン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノブタン、ジフェニルホスフィノフェロセン等が例示される。また、触媒の使用に当たっては、金属単体や金属錯体を単独で使用しても、これに上記のような配位子を共存させてもよい。
【0015】
前記一般式(3)で表されるポリアルコールに対する前記一般式(2)で表されるフルオロビニルエーテルの使用量は本反応が適応できれば特に制限はないが、通常、0.1〜10当量、好ましくは0.5〜3当量である。また、溶媒中で反応を行ってもよい。溶媒としては、本反応が適用できれば特に制限はないが、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン等が挙げられる。
【0016】
反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは10℃〜100℃、さらに好ましくは20℃〜60℃の範囲とするのがよい。
【0017】
反応時間は、反応温度、基質の種類等により異なるが、通常0.5〜500時間、好ましくは1〜200時間の範囲である。
【実施例】
【0018】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。
【0019】
実施例1
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4: 116 mg; 0.10 mmol)と1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb: 85 mg; 0.20 mmol)を仕込んだ内容量5〜8 mLのテフロン(登録商標)製真空バルブ付きガラス反応器を真空乾燥させた後、エチレングリコール(62 mg; 1.0 mmol)及びアセトニトリル(3.0 mL)を加え、真空脱気した。次いで、液体窒素で冷やしながら真空ラインを用いてトリフルオロメチル トリフルオロビニル エーテル(3.0 mmol)を仕込んだ。反応器を室温に保ち48時間攪拌した。反応により得られた粗生成物を1H-NMR、19F-NMRで分析した結果、目的とする1,2-ジ[1’,1’,2’-トリフルオロ-2’-(トリフルオロメトキシ)エトキシ]エタン(CF3OCHFCF2OCH2CH2OCF2CHFOCF3)が得られたことを確認した(収率98%)。1H-NMR (CD3CN, TMS)
δ 4.23 (s, -OCH2CH2O-, 4H)
δ 6.06 〜 6.29 (dm, -CF2CHFO-, 2H, JHF=53Hz)
19F-NMR (CD3CN, CFCl3)
δ -58.9 〜 -59.2 (m, -OCF3, 6F)
δ -88.2 〜 -89.8 (m, -OCF2CHF-, 4F)
δ -145.3 〜 -145.7 (m, -OCF2CHF-, 2F, JHF=51Hz)
【0020】
実施例2
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4: 116 mg; 0.10 mmol)と1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb: 85 mg; 0.20 mmol)を仕込んだ内容量5〜8 mLのテフロン(登録商標)製真空バルブ付きガラス反応器を真空乾燥させた後、エチレングリコール(62 mg; 1.0 mmol)及びアセトニトリル(3.0 mL)を加え、真空脱気した。次いで、液体窒素で冷やしながら真空ラインを用いてペンタフルオロエチル トリフルオロビニル エーテル(3.0 mmol)を仕込んだ。反応器を室温に保ち144時間攪拌した。反応により得られた粗生成物を蒸留精製し、1H-NMR、19F-NMRで分析した結果、目的とする1,2-ジ[1’,1’,2’-トリフルオロ-2’-(ペンタフルオロエトキシ)エトキシ]エタン(CF3CF2OCHFCF2OCH2CH2OCF2CHFOCF2CF3) が得られたことを確認した(収率77%)。Bp 80℃/15 mmHg;
1H-NMR (CD3CN, TMS)
δ 4.20 (s, -OCH2CH2O-, 4H)
δ 5.75 〜 5.95 (dt, -CF2CHFO-, 2H, J2=53Hz, J3=3Hz)
19F-NMR (CD3CN, CFCl3)
δ -86.8 (s, -CF2CF3, 6F)
δ -89.4 〜 -92.0 (m, -CF2CF3, 4F)
δ -89.7 〜 -91.4 (m, -OCF2CHF-, 4F)
δ -144.9 〜 -145.2 (m, -OCF2CHF-, 2F, JHF=53Hz)

【0021】
実施例3
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4: 116 mg; 0.10 mmol)と1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb: 85 mg; 0.20 mmol)を仕込んだ内容量5〜8 mLのテフロン(登録商標)製真空バルブ付きガラス反応器を真空乾燥させた後、エチレングリコール(62 mg; 1.0 mmol)及びアセトニトリル(3.0 mL)を加え、真空脱気した。次いで、液体窒素で冷やしながら真空ラインを用いてヘプタフルオロプロピル トリフルオロビニル エーテル(3.0 mmol)を仕込んだ。反応器を室温に保ち144時間攪拌した。反応により得られた粗生成物を蒸留精製し、1H-NMR、19F-NMRで分析した結果、目的とする1,2-ジ[1’,1’,2’-トリフルオロ-2’-(ヘプタフルオロプロポキシ)エトキシ]エタン(CF3CF2CF2OCHFCF2OCH2CH2OCF2CHFO CF2CF2CF3) が得られたことを確認した(収率75%)。Bp 94℃/15 mmHg;
1H-NMR (CD3CN, TMS)
δ 4.19 (s, -OCH2CH2O-, 4H)
δ 5.77 〜 5.98 (dt, -CF2CHFO-, 2H, J2=53Hz, J3=3Hz)
19F-NMR (CD3CN, CFCl3)
δ -82.0 (t, -CF2CF2CF3, 6F, J=7Hz)
δ -85.1 〜 -88.0 (m, -CF2CF2CF3, 4F)
δ -89.8 〜 -91.4 (m, -OCF2CHF-, 4F)
δ -130.4 (s, -CF2CF2CF3, 4F)
δ -144.8 〜 -145.4 (m, -OCF2CHF-, 2F, JHF=53Hz)
【0022】
実施例4
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4: 218mg; 0.19 mmol)と1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb: 161 mg; 0.38 mmol)を仕込んだ内容量5〜8 mLのテフロン(登録商標)製真空バルブ付きガラス反応器を真空乾燥させた後、グリセロール(116 mg; 1.3 mmol)及びアセトニトリル(3.0 mL)を加え、真空脱気した。次いで、液体窒素で冷やしながら真空ラインを用いてトリフルオロメチル トリフルオロビニル エーテル(5.0 mmol)を仕込んだ。反応器を室温に保ち72時間攪拌した。反応により得られた粗生成物を蒸留精製し、1H-NMR、19F-NMRで分析した結果、目的とする1,2,3-トリ[1’,1’,2’-トリフルオロ-2’-(トリフルオロメトキシ)エトキシ]プロパン(CF3OCHFCF2OCH2CH(OCF2CHFOCF3)CH2OCF2CHFOCF3) が得られたことを確認した(収率71%)。Bp 160℃/20 mmHg;
1H-NMR (CD3CN, TMS)
δ 4.15 〜 4.30 (m, -CH2O-, 4H)
δ 4.83 〜 4.90 (m, -CH(OCF2-)-, 1H)
δ 6.06 〜 6.29 (dm, -CF2CHFO-, 3H, JHF=54Hz)
19F-NMR (CD3CN, CFCl3)
δ -59.0 〜 -59.2 (m, -OCF3, 9F)
δ -85.7 〜 -90.5 (m, -OCF2CHF-, 6F)
δ -145.4 〜 -145.9 (m, -OCF2CHF-, 3F, JHF=53Hz)
【0023】
実施例5
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4: 173 mg; 0.15 mmol)と1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb: 128 mg; 0.30 mmol)を仕込んだ内容量5〜8 mLのテフロン(登録商標)製真空バルブ付きガラス反応器を真空乾燥させた後、グリセロール(117 mg; 1.3 mmol)及びアセトニトリル(3.0 mL)を加え、真空脱気した。次いで、液体窒素で冷やしながら真空ラインを用いてペンタフルオロエチル トリフルオロビニル エーテル(4.0 mmol)を仕込んだ。反応器を室温に保ち144時間攪拌した。反応により得られた粗生成物を蒸留精製し、1H-NMR、19F-NMRで分析した結果、目的とする1,2,3-トリ[1’,1’,2’-トリフルオロ-2’-(ペンタフルオロエトキシ)エトキシ]プロパン(CF3CF2OCHFCF2OCH2CH(OCF2CHFOCF2CF3)CH2OCF2CHFOCF2CF3) が得られたことを確認した(収率61%)。Bp 127℃/15 mmHg;
1H-NMR (CD3CN, TMS)
δ 4.11 〜 4.26 (m, -CH2O-, 4H)
δ 4.70 〜 4.78 (m, -CH(OCF2-)-, 1H)
δ 5.77 〜 6.00 (dm, -CF2CHFO-, 3H, JHF=53Hz)
19F-NMR (CD3CN, CFCl3)
δ -86.6 〜 -86.9 (s, -CF2CF3, 9F)
δ -89.4 〜 -90.4 (m, -CF2CF3, 6F)
δ -89.7 〜 -92.0 (m, -OCF2CHF-, 6F)
δ -145.0 〜 -145.3 (m, -OCF2CHF-, 3F, JHF=54Hz)
【0024】
実施例6
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4: 173 mg; 0.15 mmol)と1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb: 129 mg; 0.30 mmol)を仕込んだ内容量5〜8 mLのテフロン(登録商標)製真空バルブ付きガラス反応器を真空乾燥させた後、グリセロール(111 mg; 1.2 mmol)及びアセトニトリル(3.0 mL)を加え、真空脱気した。次いで、液体窒素で冷やしながら真空ラインを用いてヘプタフルオロプロピル トリフルオロビニル エーテル(4.0 mmol)を仕込んだ。反応器を室温に保ち144時間攪拌した。反応により得られた粗生成物を蒸留精製し、1H-NMR、19F-NMRで分析した結果、目的とする1,2,3-トリ[1’,1’,2’-トリフルオロ-2’-(ヘプタフルオロプロポキシ)エトキシ]プロパン(CF3CF2CF2OCHFCF2OCH2CH(OCF2CHFOCF2CF2CF3)CH2OCF2CHFOCF2 CF2CF3) が得られたことを確認した(収率59%)。Bp 136℃/15 mmHg;
1H-NMR (CD3CN, TMS)
δ 4.12 〜 4.20 (m, -CH2O-, 4H)
δ 4.68 〜 4.76 (m, -CH(OCF2-)-, 1H)
δ 5.78 〜 6.02 (dm, -CF2CHFO-, 3H, JHF=53Hz)
19F-NMR (CD3CN, CFCl3)
δ -81.7 〜 -82.1 (t, -CF2CF2CF3, 9F, J=7Hz)
δ -85.0 〜 -88.0 (m, -CF2CF2CF3, 6F)
δ -87.0 〜 -92.0 (m, -OCF2CHF-, 6F)
δ -130.1 〜 -120.5 (s, -CF2CF2CF3, 6F)
δ -144.6 〜 -145.3 (m, -OCF2CHF-, 3F)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される含フッ素ポリエーテル化合物。
【化1】

(式中、Rfは、ペルフルオロアルキル基を示し、nは0または1を示す。)

【請求項2】
下記一般式(2)で表されるフルオロビニルエーテル化合物と、

(式中、Rfはペルフルオロアルキル基を示す。)
と、下記一般式(3)で表されるポリアルコール化合物
【化2】

(式中、nは0または1を示す。)
とを遷移金属触媒の存在下で反応させることを特徴とする請求項1に記載の含フッ素ポリエーテル化合物の製造方法。
【請求項3】
遷移金属がパラジウムであることを特徴とする請求項2に記載の含フッ素ポリエーテル化合物の製造方法。


【公開番号】特開2007−238583(P2007−238583A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67253(P2006−67253)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「二酸化炭素削減等地球環境産業技術研究開発事業 地球環境産業技術に係る先導研究 温室効果ガス代替物質の革新的製造技術開発に関する先導研究」産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】