説明

周期構造体および周期構造体の製造方法

【課題】針状あるいはファイバー状の形態を有する材料を大量に生産できる周期構造体および周期構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】球形状単分散シリカ粒子を分散媒に分散させた微粒子分散液202を容器203に入れて、毛細管201の一端を微粒子分散液202に漬ける。微粒子分散液202は毛細管現象により毛細管201内部まで入り込んでいき、毛細管201内へ微粒子の配給が行われ、毛細管201内には針状微粒子構造体205が集積する。この後、毛細管201内の分散媒を充分に蒸発させて除去する。また、内部に微粒子構造体が形成された毛細管の一端を紫外線照射後に樹脂となる前駆物質の液体に浸け、前駆体の液体が毛細管の上端まで満たされた後、紫外線を照射して、前駆体の液体を樹脂へと転じる。その後、樹脂を1%フッ酸水溶液に浸漬し、ファイバー微粒子を除去した後、水洗、乾燥する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元に規則配列してなる周期構造体および周期構造体の製造方法に関し、特に周期構造効果により発揮される特性を利用した針状あるいはファイバー状の形態を有する三次元に規則配列してなる周期構造体および周期構造体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、発色材料において、原理的に吸光により発色する材料は、時間が経つと退色する。経時的に退色しない構造色を製造するには、通常、発色する波長以下(100〜数百nm)のスケールで特定の形状を有していなければならず、人工的にこうした材料を形成する際には、かなりの精度を有した製造技術が必要となってくる。
【0003】
このような発色材料を得るための高精度な製造技術においては、主に2つの課題が挙げられる。第1の課題としては、形成される発色材料が、粉体あるいは細かいチップ状で大量に製造できなければならないという課題が挙げられる。また、第2の課題としては、他の化学物質や素材を修飾することにより、形成される発色材料がさらに高機能化できた方が望ましいという課題が挙げられる。
【0004】
まず、第一の課題について、従来技術を引用しながら説明する。こうした構造色を形成するには、いくつかの方法があるが、一番容易な方法は、蒸着やスパッタリングと呼ばれる薄膜形成技術を用いて、基板状に薄膜多層膜を形成するというものである。しかしながら、この方法では、いくつかの問題点がある。まず、この構造による発色は多層薄膜の干渉現象を利用しているため、見る方向により色が変わって見えてしまう。また、構造色材料は、通常、粉体の形状にして多量に用いることが多い。しかしながら、この作成方法では、平面基板上に多層薄膜を形成した後、多層膜を基板から剥がしとり、粉砕することにより粉体形状にする。したがって、この方法では、平面基板上に薄膜を形成するという手法の特徴から、粉体として大量に回収することは無理である。
【0005】
また、単純な多層膜構造では、反射光波長の光入射角度依存性が大きすぎて、見る方向によって色が変わってしまう恐れがあるので、色材として不適当である。こういった問題を解決するためには、三次元的な空間構造を形成する必要がある。従来は、この問題に対する解決方法として、特許文献1、2に開示された発明により、この問題を解決している。特許文献1では、微粒子が三次元的に配列した、つまりは、見る方向によって色が変わらない、オパール構造に関する発明が記載されている。また特許文献2では、入射角度が何度であろうと構わない、つまりは、光入射角度依存性がない、らせん構造を有する材料に関する発明が記載されている。
【0006】
特許文献1では、1種あるいは2種以上の単分散粒子によるオパール結晶構造を有する粉体の発明において、上記に述べたとおり、見る方向によって色が変わらないので、応用して着色顔料を想定している。また、オパール結晶構造の形成は、平面基板上での粒子の集積による配列現象を用いている。
【0007】
また、特許文献2では、可視光線、赤外線および紫外線の反射特性のうちの少なくともいずれか一つを有する構造色として用いることのできる繊維状の光反射構造体に関する発明が記載されている。構造的には、繊維軸に対してある角度のらせん軸を有したらせん構造により所定の角度をもって傾いていることにより、発色する第一の構造色材と、第一の構造色材をも含み、屈折率の異なる材料からなる第二の構造色材と、一度物体に当たって反射し、あるいは物体を透過した光を通して感じることができる色を有する第三の物体色材と、文字通り光源から出て直接的に我々の眼に入る光の色、つまりは、光源色を有する第四の発光色材との中から、第一の構造色材と、第二の構造色材、第三の物体色材、第四の発光色材のいずれか一つとを組み合わせることを特徴としている。こうした繊維状構造体を用いて、糸・織物・編物・不織布にしたり、微小チップ状にして媒質に混ぜ膜状として、あるいは膜を積層した形態について言及している。
【0008】
また特許文献3では、主に歯科治療のための粉末材料に関する発明が記載されており、構成材料のなかにオパール調の発色をする材料を混合することが開示されている。ここでは、オパールの発色材に関する詳しい記述はない。
【0009】
次に、粉体状としたときに発色材料がどれぐらい回収できるかという点に関しては、例えば上述した特許文献1のように、平面基板の上に薄膜状のオパール結晶を形成する手法が発明されたが、大量に回収することは期待できない。オパール結晶は、バルク状の大結晶も形成することが知られているので、バルク状の大結晶を最初に形成し、粉砕するという方法も理屈上は考えられる。しかし、良好な品質のバルク状大結晶を形成するのには、非常に長い時間を要するため、実用的ではない。これは、薄膜状のオパール結晶では、粒子配列の際に基板表面が境界条件となって規則配列が比較的短時間で行われるのに対して、バルク状結晶では、こうした効果は期待できないからである。バルク状結晶では、微粒子・分散媒系から分散媒が徐々に除去され、粒子間距離が短くなってくるのに合わせて、粒子どうしが規則配列するための緩和時間を充分にとる必要がある。
【0010】
また、特許文献4,5に開示された発明のように、高分子薄膜の積層(多層膜)構造である場合、色材などの用途のために粉体状としたときに、大量に回収することは期待できない。以上のように、多層膜技術をベースにしたものでは、製造するのに、大型の特殊な装置が必要だったり、膜を多層化するのに多くの工程や時間を要してしまう。したがって、手間がかかる工程の割には、粉体としたときに収量が少ないといった問題がある。
【0011】
次に、第二の課題について説明する。特許文献2に開示されているように、今日では、“らせん構造”により構造色を発現し、製造には紡糸の技術を用いることで、上で述べたような製造手間や収量に関する問題は改善される。“らせん構造”をとる物質とは、固定時の条件により“らせん構造”のピッチが変わるような液晶高分子材料である。具体的には、コレステリック液晶が望ましいとしており、その説明からわかるように、構造色を発現している“らせん構造”のところは全て材料が充填されている。このため、他の糸状の材料と合わせて編物・布状としたり、チップ状とし、媒質に混ぜたり、他の材料による膜との多層化を行うことにより、さらに高機能化しようとしている。しかしながら、構造色を発現している箇所自体が高機能化に適している方が望ましい。
【0012】
また、上述した2つの課題を解決する従来技術としては、特許文献4から6の発明などが挙げられる。上記に取り上げた特許文献4では、屈折率の異なる少なくとも2種類以上の高分子薄膜の積層構造により、反射性の高分子体の発明した技術が開示されている。また、特許文献5では、屈折率の異なる2種類の高分子薄膜の積層構造による構造色の発明において、構造色材を小さなチップ状にして、塗料として用いる技術が開示されている。さらに、特許文献6では、単層の粒子配列あるいは、粒子配列により作られる表面レプリカ形状を利用した構造色に関する技術がある。
【特許文献1】特表2004−514558号公報
【特許文献2】特開2005−226196号公報
【特許文献3】特表2005−508996号公報
【特許文献4】特開平4−295804号公報
【特許文献5】特許第3036305号公報
【特許文献6】特開平8−234007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の製造技術では、粉体(あるいは細かいチップ状)で大量に製造できないという課題と他の化学物質や素材を修飾することにより、さらに高機能化できないという課題があった。
【0014】
そこで本発明は、一軸方向に細長い針状の形状を有する周期構造体および周期構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の発明は、周期構造体において、材質の内部に大きさの等しい球状空間が三次元的に規則配列してなる周期構造体であって、前記周期構造体の形状は、一軸方向に細長い針状であることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の周期構造体において、前記周期構造体は適切な長さに裁断されたことを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、周期構造体の製造方法において、毛細管の一方の端部に球形状単分散微粒子を分散媒に分散された微粒子分散液に浸漬し、前記毛細管の他方の端部に微粒子を規則配列させ、前記分散媒を除去することにより前記毛細管の内部に微粒子構造を形成する工程と、材質の前駆物質となる液体を前記毛細管内部及び前記微粒子構造中の前記微粒子間の空隙に充填し、前記液体を前記材質へと転じ、前記毛細管及び前記微粒子を除去する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の周期構造体の製造方法において、前記毛細管は、アレイ状であることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の周期構造体の製造方法において、前記アレイ状である前記毛細管は、複数の前記毛細管を束ねる、あるいは、複数のファイバーを束ねたものを用いることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の周期構造体の製造方法において、前記周期構造体は、適切な長さに裁断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
このように、本発明によれば、一軸方向に細長い針状の形状を有する周期構造体および周期構造体の製造方法を提供することができるので、粉体状とすることが容易となり、大量生産が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本実施形態では周期構造効果により発揮される特性を利用した材料の分野において、三次元的な繰り返し構造を有する周期構造体に関して、特には周期構造効果により発揮される特性を利用した針状あるいはファイバー状の形態を有する材料提供することを目的とする。
【0023】
本実施形態で、応用対象としている構造色は、光の干渉、回折、散乱などの現象を用いることにより発色される機構である。このため、原理的に吸光により発色する通常の発色材料とは異なり、経時的な退色は発生しない。また、見る角度により微妙に色調が変わるといった特徴を有している。こうした特長から構造色を有する材料は、塗料中の顔料などの色材として需要がある。
【0024】
以下、図面を参照して、本実施形態において、針状周期構造体の製造を実施する上で最良な形態を、詳細に説明する。
【0025】
本実施形態の針状周期構造体とは、内部には、図1(a)に示すような材質中に球状の空隙が規則配列した、いわゆる一般的にインバース構造と呼ばれている周期構造を有しており、全体は図1(b)に示すように一方向に長軸を有する形状である構造体を指す。
【0026】
本実施形態の針状周期構造体は、その内部構造により、任意の波長の光を反射するという構造色特性を有している。
【0027】
また、本実施例の針状周期構造体は、その反転型となる針状周期構造体を形成する際に、毛細管(及びそのアレイ)を使用していることにより、薄膜(二次元)粒子配列の高品質さを有しながら、三次元成長としての高収量を期待できる。
【0028】
以下からは、本実施形態の周期構造体および周期構造体の製造方法について、実施例を用いて製法とともに詳細に説明を行う。
【実施例1】
【0029】
まず、本実施例では、微粒子分散液の調整方法について説明を行う。図2は、針状微粒子構造体の成長方法を示す図である。粒径277nmの球形状単分散シリカ粒子をエタノールに分散させたものを粒子の濃度0.3wt%に調整する。この微粒子分散液202を容器203に入れ、内径100μmの透明ガラス製毛細管201の一端を微粒子分散液に漬ける。このとき、図2に示すがごとく、微粒子分散液を入れた容器の蓋204と毛細管との間には隙間がないようにする。
【0030】
図2の状態で、雰囲気を50℃に保持する。微粒子分散液は毛細管現象により、毛細管の内部まで入り込んでいき、毛細管の上端では、分散媒のエタノールが蒸発していくため、毛細管内部の上端で微粒子の配列が開始する。また、毛細管の上端でエタノールが蒸発していくため、微粒子分散液を溜めた容器から毛細管内へ微粒子の供給が行われる。この状態で4日間ほど保持することにより、毛細管内には長さ1cmほどの針状微粒子構造体205が集積する。この後、毛細管を容器より取り出し、毛細管内のエタノールを充分に蒸発させて除去する。
【0031】
このようにして、図3に示すような、鞘となる透明ガラス製の毛細管内に針状の微粒子構造体を形成することができる。次に、本実施例について、図4を用いて説明する。図4(a)は、本実施形態による樹脂充填工程において、針状周期構造体の内部構造(インバース構造)を示す図である。図4(b)は、本実施形態において、針状周期構造体概観を示す図である。図4(c)は本実施形態において、紫外線照射によって樹脂の固化を示した図である。
【0032】
まず、図4(a)に示すように、内部に微粒子構造体が形成された毛細管の一端を紫外線照射後に樹脂となる前駆物質の液体に漬ける。次に、図4(b)に示すように、前駆体の液体は毛細管現象により、毛細管及び微粒子間空隙に入り込んでいく。前駆体の液体が毛細管の上端まで満たされた後、図4(c)に示すように、毛細管に前駆体の液体で満たされたものに紫外線を照射して、前駆体の液体を樹脂へと転じる。本実施例で用いた樹脂は、紫外線を浴びると硬化する紫外線硬化型のエポキシ系の樹脂を用い、波長254nmの紫外線を100J照射した。この後、出来上がった樹脂に、1%フッ酸水溶液に浸漬させて、毛細管と微粒子を除去した後、水洗、乾燥することにより、図1に示すがごとき針状周期構造体を形成することができる。
【実施例2】
【0033】
本実施例では、実施例1の毛細管内部に微粒子構造体を形成する工程において、毛細管を束ねてアレイ状にしたものを用いる。残りの工程は実施例1と同様であるが、毛細管をアレイ状にすることにより、1度に複数本の針状微粒子構造体を得ることができ結果として、実施例1と同様の周期構造体を1度に複数本得ることができる。
【実施例3】
【0034】
図5は、本実施形態において、毛細管のアレイとして使用するファイバーを束ねたものを示す図である。また、図6は、本実施形態において、針状周期構造体を示す図である。本実施例では、原料として用いる微粒子分散液は、実施例1と同じものを使用する。毛細管のアレイには、図5に示すがごとき直径75μmのガラス製ファイバー508を束ねたもの509を使用する。この束ねられたファイバー509には、それぞれのファイバー508の間に空間510が存在しており、これを毛細管として使用する。この束ねられたファイバーの一端を実施例1及び実施例2と同様に、微粒子分散液に漬け、他方の端からエタノールを蒸発させることにより、ファイバー間の空間510に微粒子を集積・配列させる。残りの工程は、実施例2と同様にして、図6に示すがごとき針状周期構造体を1度に複数本得ることができる。
【実施例4】
【0035】
図7は、本実施形態において、針状周期構造体(短尺)を示す図である。本実施例では、実施例3と同じ微粒子分散液とガラス製ファイバーを束ねたアレイ状の毛細管を使用し、実施例3と同様の手順により、ファイバー間の空間に針状微粒子構造体を集積・配列させる。本実施例では、毛細管としてファイバー間の空間を利用しているので、使用するファイバーの長さ、及び、微粒子の集積・配列の成長条件を選択することにより、最終的に裁断して粉体形状にすることを目的とした場合に、充分に長い長さの針状微粒子構造体を形成することができる。
【0036】
こうして得られた針状微粒子構造体をファイバーとともに所望の長さに裁断することにより、短尺の針状微粒子構造体を得る。この後、針状微粒子構造体に1%フッ酸水溶液に浸漬させて、ファイバーと微粒子を除去した後、水洗、乾燥することにより、図7に示すがごとき針状周期構造体を大量に形成することができる。従来の薄膜形成技術をベースにした形成技術では、粉体状の高品質周期子構造体を大量に得ることは困難であったが、本実施例では、長い針状の微粒子構造体をアレイ状に形成し、裁断したものを使用することにより、粉体状の高品質周期子構造体を大量に得ることが可能となる。
【0037】
このように、上述した周期構造体は、一軸方向に細長い形状をしていることにより、裁断などの後工程により、粉体状とすることが容易という効果を奏する。
【0038】
また上述した製造方法では、針状の周期構造体を形成する前に、周期構造体の反転型として用いる針状の微粒子構造体を形成する。この針状の微粒子構造体を形成する際に、毛細管内部での微粒子の配列(結晶化)現象を利用している。このことにより、毛細管の内壁を結晶化の際の境界層とすることができ、高品質の針状の微粒子構造体が形成できるため、最終的な針状周期構造体も高品質にできるという効果を奏する。
【0039】
また、上述した製造方法では、周期構造体の反転型となる針状の微粒子構造体を形成するのに用いている毛細管がアレイ状となっていることにより、針状の微粒子構造体が大量に製造できるという効果を奏する。また、針状の微粒子構造体がアレイ状に成長できるということは、実質的に三次元的な成長が可能となり、薄膜状成長をベースにした技術よりも大きな収量の増大を期待できる。結果として、針状周期構造体の収量も大きくすることが可能になる。
【0040】
また上述した製造方法では、アレイ状に針状の微粒子構造体を形成するのに、毛細管やファイバーなど、現在入手可能なものにより、容易にアレイ化が可能になり、針状微粒子構造体の径の制御も、毛細管やファイバーの径を適切に選択すればよいといったように、容易に微粒子構造体を大量に製造することができるようになる。結果として、針状周期構造体も容易に大量に製造することが可能となる。
【0041】
また上述した周期構造体は、適切な長さに裁断されているため、色材として利用できるような粉体形状とすることが可能となるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本実施形態の針状周期構造体は、三次元的な繰り返し構造により発揮される構造色を利用した色材の分野に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)は本実施形態による針状周期構造体において、針状周期構造体の内部構造(インバース構造)を示す図である。(b)は、本実施形態において、針状周期構造体概観を示す図である。
【図2】本実施形態において、針状微粒子構造体の成長方法を示す図である。
【図3】本実施形態において、毛細管内に形成された針状微粒子構造体を示す図である。
【図4】(a)は、本実施形態による樹脂充填工程において、針状周期構造体の内部構造(インバース構造)を表す図である。(b)は本実施形態において、樹脂充填を示す図である。(c)は本実施形態において、紫外線照射によって樹脂の固化を示した図である。
【図5】本実施形態において、毛細管のアレイとして使用するファイバーを束ねたものを示す図である。
【図6】本実施形態において、針状周期構造体を示す図である。
【図7】本実施形態において、針状周期構造体(短尺)を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
201,401 毛細管
202 微粒子分散液
203 容器
204 分散媒蒸散防止のためのカバー
205、405 微粒子構造体
406 樹脂の前駆物質
407 樹脂
508 ファイバー
509 束ねられたファイバー
510 微粒子が集積する空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材質の内部に大きさの等しい球状空間が三次元的に規則配列してなる周期構造体であって、
前記周期構造体の形状は、一軸方向に細長い針状であることを特徴とする周期構造体。
【請求項2】
前記周期構造体は、適切な長さに裁断されたことを特徴とする請求項1に記載の周期構造体。
【請求項3】
毛細管の一方の端部に球形状単分散微粒子を分散媒に分散された微粒子分散液に浸漬し、前記毛細管の他方の端部に微粒子を規則配列させ、前記分散媒を除去することにより前記毛細管の内部に微粒子構造を形成する工程と、
材質の前駆物質となる液体を前記毛細管内部及び前記微粒子構造中の前記微粒子間の空隙に充填し、前記液体を前記材質へと転じ、前記毛細管及び前記微粒子を除去する工程とを有することを特徴とする周期構造体の製造方法。
【請求項4】
前記毛細管は、アレイ状であることを特徴とする請求項3に記載の周期構造体の製造方法。
【請求項5】
前記毛細管は、複数の前記毛細管を束ねる、あるいは、複数のファイバーを束ねたものを用いることを特徴とする請求項4に記載の周期構造体の製造方法。
【請求項6】
前記周期構造体を適切な長さに裁断する工程を有することを特徴とする請求項3に記載の周期構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−326759(P2007−326759A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161302(P2006−161302)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】