周波数選択光結合器−光分岐器装置
フォトニック結晶の周期的要素(12)の少数の列を有する少なくとも1つの長手方向のエッジを備えた導波管(14)が中に形成されているフォトニック結晶構造からなる構成要素(10)を有し、この導波管(14)とフォトニック結晶の外側との間に、特に、この導波管(14)の幅により並びに/もしくはフォトニック結晶要素(12)の空間的な周期により決定されている結合周波数での結合領域を形成するものとした周波数選択光結合器−光分岐器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトニック結晶構造の構成要素の中に形成されている導波管を有するタイプの周波数選択光結合器−光分岐器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトニック結晶は、大きな屈折率(index)の相違を有する誘電体の要素の周期的な構成である。2次元のフォトニック結晶を、誘電体材料の複数の平行な柱のアレイ若しくは、誘電体の基板の中に形成されている複数の平行な円筒状の穴のアレイにより構成することができる。このような構成要素の中で柱又は穴の複数の列をなくすることにより、導波管を形成することができる。
【0003】
特に、S.Olivier、M.Rattier、H.Benisty、C.Weisbuchらによる論文「1次元系のミニストップバンド:2次元フォトニック結晶における導波管チャネル」(“Mini−stopbands of one―dimensional system:the channel waveguide in a two−dimensional system”)2001年3月1日のPhysical Review B,Vol.63,113311から、フォトニック結晶中の導波管は、導波管の中の基本モードと高次のモードとの結合のために、フォトニックバンドすなわちミニストップバンド(MSB)を示し、これらの非透過バンドの周波数は、特に、フォトニック結晶のディメンジョンのパラメータ(周期、ディメンジョン、要素の形状、充填比(fill factor))により、そして、導波管の幅により決定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特に、フォトニック結晶の中に形成されている導波管のこの特色を周波数選択性である光結合器−光分岐器装置(light coupler-decoupler devices)を作るために、用いることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は、周期的な空間的な分布を伴った複数の誘電体の要素により構成されているフォトニック結晶構造の構成要素を有し、長手方向のエッジに沿って延びている前記要素の列を有する導波管が、前記要素の少なくとも1つの列が存在しないことにより並びに/もしくは前記導波管の前記要素の列の間に互いにずれがあることにより形成されている周波数選択性の光結合器−光分岐器装置を提供する。この装置は、前記長手方向のエッジの少なくとも1つで、前記周期的に分布している要素の列の数が、導波管の薄いエッジを規定し、複数の結合周波数に対して導波管とフォトニック結晶との間の結合領域を形成するように、減少しており、各領域は、導波管の基本モードを伝播する光信号に対応する周波数の構成成分が、この導波管から抽出されることを可能とし、並びに/もしくは、光信号のこの周波数での構成成分が、この導波管の中へと入射されることを可能にしており、前記結合周波数は、導波管のフォトニックバンドギャップすなわちMSB内にあり、導波管の、並びに/もしくは導波管のエッジの間のフォトニック結晶の、ディメンジョンパラメータ(dimensional parameter)の変化により規定されていることを特徴としている。
【0006】
フォトニック結晶の中に形成されている導波管の中では、フォトニックバンドギャップすなわちMSBが導波管の基本モードと高次のモードとの間の結合の結果から生じるため、そして、この高次のモードは、導波管に並んであるフォトニック結晶の部分の中へとかなり深く侵入できることから、結合領域において、導波管に並んでいるフォトニック結晶の部分の厚さを減少させることにより、すなわち、フォトニック結晶を規定している周期的に分布している誘電体の要素の列の数をこの領域において減少させることにより、この導波管から高次のモードの信号を抽出することが可能である。
【0007】
したがって、導波管から、その基本モードを伝播する信号の周波数成分を抽出することが可能である。この抽出される成分の周波数は、導波管のフォトニックギャップ、すなわち、MSBの中にある。
【0008】
前記周波数成分が抽出される領域において、フォトニック結晶の薄いエッジを形成している誘電体の要素の列の数は、少なくとも、2つ乃至6つの範囲の中にある。
【0009】
この発明により、複数のチャネルを有し、様々な周波数で複数の信号を結合させ又は分岐させることを可能にする、周波数選択の光結合器−光分岐器装置を提供することが可能である。
【0010】
この目的のために、導波管の幅は、この導波管のエッジの間で、連続的にか、段階的にかのいずれか一方で変化しうる。
【0011】
一変形例において、フォトニック結晶の誘電体の要素の空間的な周期が、導波管のエッジの間で、連続的にか、段階的にかのいずれか一方で変化しうる。
【0012】
他の変形例において、結合周波数と結合の強さとを変化させるために、導波管のエッジの間で変化させられているのは、フォトニック結晶の要素の形状又はサイズである。
【0013】
周波数成分を抽出し又は入射させるための、導波管の中の各結合領域の長さは、典型的に、前記誘電体の要素の空間的な周期の数十周期に対応している。
【0014】
本発明の他の特性に係われば、導波管の薄いエッジに結合領域を形成している誘電体の要素の複数の列は、この導波管の外側に向かって集束させる又は発散させるレンズを構成するように変形されている。
【0015】
このことにより、導波管から抽出された周波数成分に対応する光信号をセンサに集束させ、又は、逆に、結合領域を通して導波管の中へと注入されている周波数成分に対応する光信号を、この導波管の内側に集束させることが特に可能となる。
【0016】
本発明のこの上他の特性に係われば、少なくとも1つの検出器、例えば、集積ホトダイオード、が、導波管の基本モードを伝播する光信号から抽出された周波数成分を検出するために、結合領域に沿って導波管の外側に位置している。
【0017】
このように、導波管の基本モードで伝播している信号の(フォトニックバンドギャップの中の)周波数のうちわけをモニタすることは容易である。
【0018】
本発明に係る装置の導波管の外側に結合領域に沿って、複数の光検出器を位置させることにより、導波管の基本モードの中へと入射される光信号の複数のフォトニックバンドギャップすなわち複数のMSBの中にある様々な周波数成分を検出することが可能である。
【0019】
前記装置をレーザダイオードの背面と結合することにより、このダイオードにより放射されるレーザビームの周波数を検出し、モニタすることがこのように可能である。
【0020】
このことにより、また、調整可能なレーザダイオードにより放射されるレーザビームの周波数をモニタし、コントロールすることが可能となる。
【0021】
本発明に係る装置を、また、フォトニック結晶からなる導波管の中で複数の周波数成分を結合するために用いることができ、こうして、これら複数の周波数成分を多重送信するための装置を構成することを可能にしている。
【0022】
本発明に係る、多重送信するための装置は、類似の周波数の2つの光信号をヘテロダインする役割を果たすことができ、これら類似の周波数の光信号の一方は、振幅、周波数、又は、位相が変調された情報を搬送している。それから、導波管の中では、これら信号は、線形に混合される。導波管のエッジに位置しているホトダイオードにより、電気信号を複数の信号の周波数の間の相違で検出することが可能であり、こうして、これら信号の1つにより搬送されている情報を検出することが可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
例として与えられ、添付されている図面を参照するようにされている、以下の記述を読むとすぐに、本発明を、よりよく理解することができ、この発明の他の特性、詳細、及び有利な点は、より明確になる。
【0024】
最初に、図1、図2及び図3を参照する。これらは、本発明の装置の3つの実施形態のダイアグラムである。
【0025】
装置は、本質的にフォトニック結晶構成要素10を有しており、これは、例えば、3に近い屈折率を有する誘電体又は半導体の基板の中に形成されている、例えば、円筒状の穴12の複数の列のような、周期的な分布の誘電体の要素のアレイにより構成されている。
【0026】
このように作られたフォトニック結晶は、誘電体の要素12の空間的な周期aの数百倍のオーダになりうる長さと、空間的な周期aの約十倍から数十倍の範囲にあり得る幅とを有する細長い長方形の形式である。マルチモードの細長い導波管14が、構成要素10の中に誘電体の要素12の少なくとも1つの列が存在しないことにより形成されている。存在しない列の数は、典型的に2乃至6の範囲の中にある。
【0027】
前記導波管は、フォトニック結晶の中に他の方法で、例えば、フォトニック結晶の2つの部分を分離し、導波管の軸に沿って、並びに/もしくは、結晶の平面の中のこれに垂直な方向(in the perpendicular direction)に、これらをずらすことでこれら2つの部分を動かすことにより、作られることもできる。導波管の軸上でのずれは、0から半周期の範囲にある任意の値を有している。
【0028】
より一般的には、導波管は、このように、フォトニック結晶の2つの部分の間の周期的要素がないことにより形成されることができる。
【0029】
導波管14がフォトニック結晶の中の1つ以上の列の存在しない周期的要素12により構成されている場合、複数のモードが、この導波管の中に共存することができ、この導波管のエッジの伝播する信号の波長のスケールでの強い周期性により、これらのモードは共に結合される。すなわち、複数のモードは、相互に1つのモードが他のモードの中に散乱される(diffracted)。このモード結合は、フォトニック結晶及び導波管に特有なパラメータの関数として決定される正確な周波数で起こり、モード結合は、この効果を完全に生じさせるために所定数の空間的な周期を必要とする。この数は、数十周期であり得て、結合の強度と、結合される(又は分岐される)光の部分(fraction)とに依存する。
【0030】
2つの結合されるモードが非常に異なる種類である時、高次のモードは、導波管14の結合領域に並んでいるフォトニック結晶の部分の中へと極めて深く侵入することができる。この領域のフォトニック結晶の幅を減少させることにより、すなわち、この領域のフォトニック結晶に並んでいる要素12の列の数を減少させることにより、導波管から高次のモードを抽出することを促進させることが可能であり、このモードは、そのエネルギー束を実質的に導波管に垂直な方向へと向ける傾向がある。
【0031】
図1乃至3に示されている発明に係る装置において、導波管14は、一方の側では、誘電体の要素12の比較的多数の列により規定され、高次のモードが結合領域から抽出されることを防止し、他方の側では、誘電体の要素12の少数の列により規定され、矢印16により示されているように、高次のモードが結合領域からこれらの列を通って抽出されることを可能にしている。
【0032】
この少数の列は、よく規定された高次のモードを維持し、従って、導波管のエッジに対してある幅を求める必要と、この導波管のエッジを通って通過する時にこのモードの光におこる損失との間の妥協策である。
【0033】
図1に示されている発明に係る装置は、実質的に同じ長さであり、フォトニック結晶の誘電体の要素12の周期により互いに異なる、5つの結合領域C1乃至C5を有している。領域C1においては、この周期は、aに等しく、領域C2においては、この周期は、0.8aに等しく、領域C3においては、この周期は、1.2aに等しく、領域C4においては、この周期は、0.9aに等しく、領域C5においては、この周期は、1.1aに等しい。これらの結合領域は、結合周波数f1乃至f5に対応している。これらの周波数は、誘電体の要素12の周期と逆向きに(inversely)変化し、この結果、最も長い周期を有する領域C3は、こうして、最も低い結合周波数f5を有する一方、0.8aの最も短い周期を有する結合領域C2は、最も高い結合周波数f1を有する。
【0034】
周波数f1乃至f5の成分を有する光信号が、基本モードで導波管14のエッジの中へと入射されると、これらの信号の周波数成分は、結合領域C1乃至C5により、f3、f1、f5、f2、及びf4の周波数順序で抽出される。
【0035】
図2に概略的に示されている実施の形態において、構成要素10は、同じ結合領域C1乃至C5を有するが、それらは、導波管の長手方向のエッジの間で、誘電体の要素12の分布に対して空間的な周期が増加する順序で、すなわち、導波管14の入口と出口との間でC2−C4−C1−C5−C3の順序で、形成されている。
【0036】
周波数f1乃至f5の成分を有する光信号が、基本モードで導波管14の入力に入射されると、入口と出口との間で導波管から抽出される周波数は、f1、f2、f3、f4、及びf5の順番である。
【0037】
図3の実施の形態において、構成要素10は、同じ周期aで分布しているフォトニック結晶の誘電体の要素12を有する同じ長さの4つの結合領域C1、C2、C3、及びC4を有している。これらの結合領域は、導波管14の幅で異なっており、この幅は、導波管への入口での結合領域C1から導波管からの出口での結合領域C4へと減少している。図示されているように、導波管14は、結合領域C1において幅wを有し、結合領域C2において、0.98wに等しい幅を有し、結合領域C3において0.96wに等しい幅を有し、結合領域C4おいて、0.94wに等しい幅を有する。これらの幅の小さな変化は、実際的に1つの結合領域からその次の結合領域へ全く光信号の反射を伴わないとても良好な透過を与える。
【0038】
これらの結合領域は、結合周波数f1、f2、f3、及びf4に対応し、これは、f1からf4へと増加している。
【0039】
周波数f1乃至f4の成分を有する光信号が、基本モードで導波管14の入口の中へと入射すると、周波数f1の成分が結合領域C1において導波管から抽出され、周波数f2の成分が、結合領域C2において導波管から抽出され、周波数f3の成分が、結合領域C3から抽出され、周波数f4の成分が結合領域C4から抽出される。
【0040】
当然、フォトニック結晶の誘電体の要素12の空間的分布の周期を変化させ、一方で、又同時に導波管14の幅を変化させることは、可能である。
【0041】
空間的周期と幅とは、図1乃至図3に示されているように、段階的に変化するようにすることができ、また、連続的に変化するようにすることができる。
【0042】
本発明に係る装置が図1乃至図3に示されているように分岐のために用いられる時、導波管14の薄いエッジを形成しているフォトニック結晶10の部分が、結合領域Cの所でレンズを形成し、このレンズは、この装置が、光の分岐のために使われるか、光の結合のために使われるかによって、導波管の外側に向かって集束するか発散する。
【0043】
図4において、フォトニック結晶10の中に形成されている導波管は、その薄いエッジに沿って、誘電体の要素12の2つの列により規定されており、これらの列の少なくとも1つは、導波管14の外側に向かった集束レンズとして作用するレンズ18を構成するように変形されている。図示されている例において、誘電体の要素12の外側の列は、この要素の内側の列に結合領域Cの中央で横向きの距離bだけ近づき、L2/8bfに等しい焦点距離Dの集束レンズを構成するものとしている。Lは、誘電体の要素12の外側の列の変形された領域の長さで、bは、この列の横向きの変形で、フォトニック結晶の充填比である。これは、22μmに等しい長さL、0.5μmに等しい変形b、及び0.3に等しい充填比に対して100マイクロメートル(μm)の焦点距離を生じる。
【0044】
図5に示されているように、導波管の外側に向かって発散するレンズ20は、結合領域において導波管14の薄いエッジを形成する要素12の外側の列を反対の方向に変形することにより形成される。この発散するレンズは、レンズ20に対応する結合領域の中へと外側から入射される周波数成分を導波管の内側に向かって集束させる役割を果たしている。
【0045】
図6は、本発明に係る装置のダイアグラムで、この装置は、構成要素10の薄いエッジに沿って配置されている集積光ダイオードのような、一連の検出器22を有し、各検出器22は、それぞれの結合領域C1、C2、C3、C4、又はC5と向かい合わせに(in register)位置しており、薄いエッジの要素12の列は、各光検出器22に較正された光ビームを搬送するように形作られている。このビームは、導波管14の対応する領域における基本モードと高次のモードとの間に結合周波数成分を有している。
【0046】
図7は、同様の配列を示しているが、この配列において、光検出器22に面して位置している導波管14の薄い長手方向のエッジを規定している誘電体の要素12の列は、結合領域C1乃至C5において導波管から抽出された周波数成分26を光検出器に集束させるための集束レンズ18を有している。
【0047】
図8は、様々な周波数成分を導波管の中へと多重送信するための、周波数選択の光結合のために用いられる本発明に係る装置を示している。
【0048】
図示されている例において、この装置は、5つの結合領域C1、C2、C3、C4、及びC5を有し、それぞれの結合周波数は、f1、f2、f3、f4、及びf5である。
【0049】
これらの結合周波数の成分を有する光信号30が、構成要素10の薄いエッジに向けられる場合、信号30の周波数f1の成分は、結合領域C1において導波管の中へと入射され、信号30の周波数f2の成分は、結合領域C2において導波管の中へと入射される等する。その結果、結合領域C5から下流では、導波管14は、周波数f1、f2、f3、f4、及びf5での光信号30の成分の線形の混合を有している。
【0050】
このように、構成要素10の様々な結合領域の結合周波数に対応するそれぞれの周波数を有する複数の光信号を、この光信号の各々が導波管の薄いエッジの適当な部分に向けられる時に、導波管14の基本モードに結合させることが可能である。
【0051】
導波管14の基本モードとの結合を容易にするために、導波管のこれらの薄いエッジ部分は、図5に示されているように複数の発散レンズ20を有することができる。
【0052】
図9は、本発明に係る構成要素10を後部に位置させて有するレーザダイオード32により放射されたビームの周波数をモニタリングすることへの、本発明に係る装置の適用を示している。この構成要素は、例えば、周波数f1乃至f5に対する5つの結合領域C1乃至C5を有している。ダイオード32により放射されたレーザビームが、周波数f2にある時、周波数f2の光信号を、図示されているように、レーザダイオード32の後ろから基本モードで導波管14の中へと入射させることができる。
【0053】
周波数f2のこの信号は、レーザビームの周波数に等しいかこの周波数にとても近い結合周波数f2の結合領域C2において、高次のモードに結合され、この結果、高次のモードにおける信号は、結合領域C2における導波管の薄いエッジを通して通過することができ、この結合領域と関連付けられている光検出器22により検出されることができる。
【0054】
図10に概略的に示されているように、調整可能なレーザダイオード32の放射周波数をモニタリングしコントロールするために、本発明に係る装置を用いることも可能である。
【0055】
この例において、レーザダイオード32の後ろに位置している装置は、2つの薄いエッジの間の導波管14を用いて形成された上で特定したタイプの、すなわち、周期的要素12の少数列から作られているエッジを有する、構成要素10を有する。
【0056】
例として、この装置は、4つの結合領域C1、C2、C3、及びC4を、結合周波数f2−δf、f2+δf、f3−δf、及びf3+δfにそれぞれ対応して、有している。
【0057】
集積ホトダイオードのような光検出器22、22’が、導波管14に沿って、構成要素10のいずれの側にも配置されている。各ホトダイオード22は、結合領域C1乃至C4と関連付けられており、各ホトダイオード22’は、結合領域の対C1及びC2、又は、C3及びC4とそれぞれ関連付けられている。
【0058】
ホトダイオード22’により出力される信号は、レーザダイオード32により放射される周波数f2又はf3の粗いモニタリングのために用いられることができる。このレーザダイオードは、一方のホトダイオード22’からの出力信号の最大を探すことにより調整される。一方、ホトダイオード22からの出力信号は、周波数f2−δf及びf2+δfの信号を受信する2つのホトダイオード22の間の、又は、周波数f3−δf及びf3+δfの信号を受信する2つのホトダイオード22の間の微分的な(differential)測定値に基づいた精度の高いモニタリングのために用いられる。
【0059】
本発明に係る装置の実施の形態は、図11を参照して以下に詳細に説明される。
【0060】
この実施の形態においては、構成要素10は、屈折率n=3.33と、厚さe=450ナノメートル(nm)とを有するGaInAsPのコア層を備えた光ガイド垂直へテロ構造(light-guiding vertical heterostructure)である。このコアは、比較的低い屈折率(index)n=3.17を有するInPの2つの閉じ込め層(confining layer)により囲まれている。フォトニック結晶の三角形のアレイは、ヘテロ構造を通してエッチングされ、ホールの平均深度(mean depth)は、約2μmである。これらの構造の空気中の充填比は、40%である。ホール22の三角形のアレイの周期aは、380nmに等しい。導波管14は、この構成要素の中に、ホールの3つの列を取り除くことにより形成され、ホール22の4つの列の幅に対応する、エッジの間の幅を示す。この幅は、導波管14の一端から他端へ、図11に与えられている値の間、すなわち、
【数1】
【0061】
から
【数2】
【0062】
へ、連続的に変化する。
【0063】
導波管の長手方向のエッジの一方は、ホール22の8つの列を有し、したがって、
【数3】
【0064】
に等しい幅を有する。そして、導波管14の他方の長手方向のエッジは、ホールの3つの列を有し、したがって、
【数4】
【0065】
に等しい幅を有する。
【0066】
6つの出口チャネル(outlet channel)36が、構成要素の中でリフレクタとして作用し、光信号が互いに分離されることを可能にしている空気溝(air trenches)38により規定され、これらの空気溝の間に広い導波管を形成している。
【0067】
導波管14の長さは、周期aの300倍に等しく、出口チャネル36の長さは、10μmである。
【0068】
出口チャネル36の中で検出された光信号の強度をプロットした曲線は、図12に概略的に示されている。
【0069】
これらの強度曲線は、150nmのスペクトル幅を有する1.55μmの中心波長を有する、導波管14への入口での入射光に対応する。この例において、光は垂直へテロ構造の中に含まれている活性層(active layer)を光学的にポンピングすることにより生成されている。この光は、導波管14の基本モードと結合し、第1の出口チャネル36に対応する第1の結合領域を通過するとすぐに、1610nmの周りの光のスペクトル部分は、オーダ5(of order 5)のモードに結合され、第1の出口チャネル36の中へと通過する。
【0070】
対応するスペクトルは、図12の中の40で示されており、第1の出口チャネル36で検出された信号は、高い規格化された周波数に対する入射された光による干渉を含んでいる。
【0071】
第2の出口チャネル36において、導波管14の比較的狭い部分の中での基本モードのオーダ5のモードとの結合の結果である光が検出され、その結果、したがって、結合周波数は、導波管の開始部分におけるよりも高い。この第2の出口チャネル36において検出される信号は、図12の中の42に示されている。
【0072】
図12に示されている他のスペクトル44、46、48、50は、チャネル3乃至チャネル6の他の出口チャネルで検出される信号に対応している。
【数5】
【0073】
に等しい、導波管の幅の全変化に対して、チャネル1とチャネル6とにおいて検出される信号の波長の間の相違により与えられる、50nmの波長のシフトがあることを図12に示されているスペクトルから見ることができる。この測定値は、実に、期待される理論値に対応している。
【0074】
本発明に係る装置のディメンジョン特性(dimensional characteristic)を、実際に、以下で述べるようにして決定することができる。第1に、薄いエッジのないものにおいて、フォトニック結晶導波管の変化のない部分の周波数バンドをモデル化することが可能である。これを、平面波展開又はどんな他の既知の方法により、例えば、有限差分時間領域(FDTD)シミュレーションにより用いることができる。導波管の中の許容バンドとこれと関連付けられるモードとは、当業者に知られている文献に記述されている。
【0075】
この後、基本モードと高次のモードとの間の相互作用の力を以下の公式の適用により2つのモードの間のミニストップバンドΔωを用いて、定量化される。
【数6】
【0076】
Kは、結合定数であり、cは、光速度であり、ngaとngbとは、モードaとモードbとのグループの係数である。
【0077】
長さLの一様な部分に対する、あるモードの波から他のモードの波への転移の程度Tcは、大きなLに対して、以下の式により与えられる。
【数7】
【0078】
coshは、双曲線余弦である。これにより、所望の転移率の関数として長さLを選択することが可能となる。
【0079】
上述のように、導波管の中の結合周波数を変化させるために、導波管の幅を並びに/もしくは、周期的要素12の空間的周期を変化させることが可能であり、これら要素の形状並びに/もしくはサイズを、例えば、構成要素の中に形成されているホールの形状(円形の、楕円の、三角形の、などの形状)を変化させることにより、そして、それらのサイズを変化させることにより、変化させることが可能である。このような変更は、導波管に並んでいる複数の列のうちのただ1つの列にあてはまり、必ずしも導波管に隣接する列にあてはまる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る結合−分岐装置の実施の形態を示すダイアグラムである。
【図2】本発明に係る結合−分岐装置の実施の形態を示すダイアグラムである。
【図3】本発明に係る結合−分岐装置の実施の形態を示すダイアグラムである。
【図4】集束レンズと共に形成されている本発明に係る装置を示すダイアグラムである。
【図5】発散レンズと共に形成されている本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図6】光信号の中で周波数成分を検出するための本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図7】光信号の中で周波数成分を検出するための本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図8】マルチプレクサとして用いられている本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図9】放射されたレーザビームの周波数を検出するために、レーザダイオードと結合されている本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図10】放射されるレーザビームの周波数を検出し制御するための調整可能なレーザダイオードと結合されている本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図11】本発明に係る装置の実施の形態を示すダイアグラムである。
【図12】図11の装置の様々な出口チャネルにより導波管から抽出された周波数成分の曲線をプロットしたダイアグラムである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトニック結晶構造の構成要素の中に形成されている導波管を有するタイプの周波数選択光結合器−光分岐器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトニック結晶は、大きな屈折率(index)の相違を有する誘電体の要素の周期的な構成である。2次元のフォトニック結晶を、誘電体材料の複数の平行な柱のアレイ若しくは、誘電体の基板の中に形成されている複数の平行な円筒状の穴のアレイにより構成することができる。このような構成要素の中で柱又は穴の複数の列をなくすることにより、導波管を形成することができる。
【0003】
特に、S.Olivier、M.Rattier、H.Benisty、C.Weisbuchらによる論文「1次元系のミニストップバンド:2次元フォトニック結晶における導波管チャネル」(“Mini−stopbands of one―dimensional system:the channel waveguide in a two−dimensional system”)2001年3月1日のPhysical Review B,Vol.63,113311から、フォトニック結晶中の導波管は、導波管の中の基本モードと高次のモードとの結合のために、フォトニックバンドすなわちミニストップバンド(MSB)を示し、これらの非透過バンドの周波数は、特に、フォトニック結晶のディメンジョンのパラメータ(周期、ディメンジョン、要素の形状、充填比(fill factor))により、そして、導波管の幅により決定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特に、フォトニック結晶の中に形成されている導波管のこの特色を周波数選択性である光結合器−光分岐器装置(light coupler-decoupler devices)を作るために、用いることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は、周期的な空間的な分布を伴った複数の誘電体の要素により構成されているフォトニック結晶構造の構成要素を有し、長手方向のエッジに沿って延びている前記要素の列を有する導波管が、前記要素の少なくとも1つの列が存在しないことにより並びに/もしくは前記導波管の前記要素の列の間に互いにずれがあることにより形成されている周波数選択性の光結合器−光分岐器装置を提供する。この装置は、前記長手方向のエッジの少なくとも1つで、前記周期的に分布している要素の列の数が、導波管の薄いエッジを規定し、複数の結合周波数に対して導波管とフォトニック結晶との間の結合領域を形成するように、減少しており、各領域は、導波管の基本モードを伝播する光信号に対応する周波数の構成成分が、この導波管から抽出されることを可能とし、並びに/もしくは、光信号のこの周波数での構成成分が、この導波管の中へと入射されることを可能にしており、前記結合周波数は、導波管のフォトニックバンドギャップすなわちMSB内にあり、導波管の、並びに/もしくは導波管のエッジの間のフォトニック結晶の、ディメンジョンパラメータ(dimensional parameter)の変化により規定されていることを特徴としている。
【0006】
フォトニック結晶の中に形成されている導波管の中では、フォトニックバンドギャップすなわちMSBが導波管の基本モードと高次のモードとの間の結合の結果から生じるため、そして、この高次のモードは、導波管に並んであるフォトニック結晶の部分の中へとかなり深く侵入できることから、結合領域において、導波管に並んでいるフォトニック結晶の部分の厚さを減少させることにより、すなわち、フォトニック結晶を規定している周期的に分布している誘電体の要素の列の数をこの領域において減少させることにより、この導波管から高次のモードの信号を抽出することが可能である。
【0007】
したがって、導波管から、その基本モードを伝播する信号の周波数成分を抽出することが可能である。この抽出される成分の周波数は、導波管のフォトニックギャップ、すなわち、MSBの中にある。
【0008】
前記周波数成分が抽出される領域において、フォトニック結晶の薄いエッジを形成している誘電体の要素の列の数は、少なくとも、2つ乃至6つの範囲の中にある。
【0009】
この発明により、複数のチャネルを有し、様々な周波数で複数の信号を結合させ又は分岐させることを可能にする、周波数選択の光結合器−光分岐器装置を提供することが可能である。
【0010】
この目的のために、導波管の幅は、この導波管のエッジの間で、連続的にか、段階的にかのいずれか一方で変化しうる。
【0011】
一変形例において、フォトニック結晶の誘電体の要素の空間的な周期が、導波管のエッジの間で、連続的にか、段階的にかのいずれか一方で変化しうる。
【0012】
他の変形例において、結合周波数と結合の強さとを変化させるために、導波管のエッジの間で変化させられているのは、フォトニック結晶の要素の形状又はサイズである。
【0013】
周波数成分を抽出し又は入射させるための、導波管の中の各結合領域の長さは、典型的に、前記誘電体の要素の空間的な周期の数十周期に対応している。
【0014】
本発明の他の特性に係われば、導波管の薄いエッジに結合領域を形成している誘電体の要素の複数の列は、この導波管の外側に向かって集束させる又は発散させるレンズを構成するように変形されている。
【0015】
このことにより、導波管から抽出された周波数成分に対応する光信号をセンサに集束させ、又は、逆に、結合領域を通して導波管の中へと注入されている周波数成分に対応する光信号を、この導波管の内側に集束させることが特に可能となる。
【0016】
本発明のこの上他の特性に係われば、少なくとも1つの検出器、例えば、集積ホトダイオード、が、導波管の基本モードを伝播する光信号から抽出された周波数成分を検出するために、結合領域に沿って導波管の外側に位置している。
【0017】
このように、導波管の基本モードで伝播している信号の(フォトニックバンドギャップの中の)周波数のうちわけをモニタすることは容易である。
【0018】
本発明に係る装置の導波管の外側に結合領域に沿って、複数の光検出器を位置させることにより、導波管の基本モードの中へと入射される光信号の複数のフォトニックバンドギャップすなわち複数のMSBの中にある様々な周波数成分を検出することが可能である。
【0019】
前記装置をレーザダイオードの背面と結合することにより、このダイオードにより放射されるレーザビームの周波数を検出し、モニタすることがこのように可能である。
【0020】
このことにより、また、調整可能なレーザダイオードにより放射されるレーザビームの周波数をモニタし、コントロールすることが可能となる。
【0021】
本発明に係る装置を、また、フォトニック結晶からなる導波管の中で複数の周波数成分を結合するために用いることができ、こうして、これら複数の周波数成分を多重送信するための装置を構成することを可能にしている。
【0022】
本発明に係る、多重送信するための装置は、類似の周波数の2つの光信号をヘテロダインする役割を果たすことができ、これら類似の周波数の光信号の一方は、振幅、周波数、又は、位相が変調された情報を搬送している。それから、導波管の中では、これら信号は、線形に混合される。導波管のエッジに位置しているホトダイオードにより、電気信号を複数の信号の周波数の間の相違で検出することが可能であり、こうして、これら信号の1つにより搬送されている情報を検出することが可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
例として与えられ、添付されている図面を参照するようにされている、以下の記述を読むとすぐに、本発明を、よりよく理解することができ、この発明の他の特性、詳細、及び有利な点は、より明確になる。
【0024】
最初に、図1、図2及び図3を参照する。これらは、本発明の装置の3つの実施形態のダイアグラムである。
【0025】
装置は、本質的にフォトニック結晶構成要素10を有しており、これは、例えば、3に近い屈折率を有する誘電体又は半導体の基板の中に形成されている、例えば、円筒状の穴12の複数の列のような、周期的な分布の誘電体の要素のアレイにより構成されている。
【0026】
このように作られたフォトニック結晶は、誘電体の要素12の空間的な周期aの数百倍のオーダになりうる長さと、空間的な周期aの約十倍から数十倍の範囲にあり得る幅とを有する細長い長方形の形式である。マルチモードの細長い導波管14が、構成要素10の中に誘電体の要素12の少なくとも1つの列が存在しないことにより形成されている。存在しない列の数は、典型的に2乃至6の範囲の中にある。
【0027】
前記導波管は、フォトニック結晶の中に他の方法で、例えば、フォトニック結晶の2つの部分を分離し、導波管の軸に沿って、並びに/もしくは、結晶の平面の中のこれに垂直な方向(in the perpendicular direction)に、これらをずらすことでこれら2つの部分を動かすことにより、作られることもできる。導波管の軸上でのずれは、0から半周期の範囲にある任意の値を有している。
【0028】
より一般的には、導波管は、このように、フォトニック結晶の2つの部分の間の周期的要素がないことにより形成されることができる。
【0029】
導波管14がフォトニック結晶の中の1つ以上の列の存在しない周期的要素12により構成されている場合、複数のモードが、この導波管の中に共存することができ、この導波管のエッジの伝播する信号の波長のスケールでの強い周期性により、これらのモードは共に結合される。すなわち、複数のモードは、相互に1つのモードが他のモードの中に散乱される(diffracted)。このモード結合は、フォトニック結晶及び導波管に特有なパラメータの関数として決定される正確な周波数で起こり、モード結合は、この効果を完全に生じさせるために所定数の空間的な周期を必要とする。この数は、数十周期であり得て、結合の強度と、結合される(又は分岐される)光の部分(fraction)とに依存する。
【0030】
2つの結合されるモードが非常に異なる種類である時、高次のモードは、導波管14の結合領域に並んでいるフォトニック結晶の部分の中へと極めて深く侵入することができる。この領域のフォトニック結晶の幅を減少させることにより、すなわち、この領域のフォトニック結晶に並んでいる要素12の列の数を減少させることにより、導波管から高次のモードを抽出することを促進させることが可能であり、このモードは、そのエネルギー束を実質的に導波管に垂直な方向へと向ける傾向がある。
【0031】
図1乃至3に示されている発明に係る装置において、導波管14は、一方の側では、誘電体の要素12の比較的多数の列により規定され、高次のモードが結合領域から抽出されることを防止し、他方の側では、誘電体の要素12の少数の列により規定され、矢印16により示されているように、高次のモードが結合領域からこれらの列を通って抽出されることを可能にしている。
【0032】
この少数の列は、よく規定された高次のモードを維持し、従って、導波管のエッジに対してある幅を求める必要と、この導波管のエッジを通って通過する時にこのモードの光におこる損失との間の妥協策である。
【0033】
図1に示されている発明に係る装置は、実質的に同じ長さであり、フォトニック結晶の誘電体の要素12の周期により互いに異なる、5つの結合領域C1乃至C5を有している。領域C1においては、この周期は、aに等しく、領域C2においては、この周期は、0.8aに等しく、領域C3においては、この周期は、1.2aに等しく、領域C4においては、この周期は、0.9aに等しく、領域C5においては、この周期は、1.1aに等しい。これらの結合領域は、結合周波数f1乃至f5に対応している。これらの周波数は、誘電体の要素12の周期と逆向きに(inversely)変化し、この結果、最も長い周期を有する領域C3は、こうして、最も低い結合周波数f5を有する一方、0.8aの最も短い周期を有する結合領域C2は、最も高い結合周波数f1を有する。
【0034】
周波数f1乃至f5の成分を有する光信号が、基本モードで導波管14のエッジの中へと入射されると、これらの信号の周波数成分は、結合領域C1乃至C5により、f3、f1、f5、f2、及びf4の周波数順序で抽出される。
【0035】
図2に概略的に示されている実施の形態において、構成要素10は、同じ結合領域C1乃至C5を有するが、それらは、導波管の長手方向のエッジの間で、誘電体の要素12の分布に対して空間的な周期が増加する順序で、すなわち、導波管14の入口と出口との間でC2−C4−C1−C5−C3の順序で、形成されている。
【0036】
周波数f1乃至f5の成分を有する光信号が、基本モードで導波管14の入力に入射されると、入口と出口との間で導波管から抽出される周波数は、f1、f2、f3、f4、及びf5の順番である。
【0037】
図3の実施の形態において、構成要素10は、同じ周期aで分布しているフォトニック結晶の誘電体の要素12を有する同じ長さの4つの結合領域C1、C2、C3、及びC4を有している。これらの結合領域は、導波管14の幅で異なっており、この幅は、導波管への入口での結合領域C1から導波管からの出口での結合領域C4へと減少している。図示されているように、導波管14は、結合領域C1において幅wを有し、結合領域C2において、0.98wに等しい幅を有し、結合領域C3において0.96wに等しい幅を有し、結合領域C4おいて、0.94wに等しい幅を有する。これらの幅の小さな変化は、実際的に1つの結合領域からその次の結合領域へ全く光信号の反射を伴わないとても良好な透過を与える。
【0038】
これらの結合領域は、結合周波数f1、f2、f3、及びf4に対応し、これは、f1からf4へと増加している。
【0039】
周波数f1乃至f4の成分を有する光信号が、基本モードで導波管14の入口の中へと入射すると、周波数f1の成分が結合領域C1において導波管から抽出され、周波数f2の成分が、結合領域C2において導波管から抽出され、周波数f3の成分が、結合領域C3から抽出され、周波数f4の成分が結合領域C4から抽出される。
【0040】
当然、フォトニック結晶の誘電体の要素12の空間的分布の周期を変化させ、一方で、又同時に導波管14の幅を変化させることは、可能である。
【0041】
空間的周期と幅とは、図1乃至図3に示されているように、段階的に変化するようにすることができ、また、連続的に変化するようにすることができる。
【0042】
本発明に係る装置が図1乃至図3に示されているように分岐のために用いられる時、導波管14の薄いエッジを形成しているフォトニック結晶10の部分が、結合領域Cの所でレンズを形成し、このレンズは、この装置が、光の分岐のために使われるか、光の結合のために使われるかによって、導波管の外側に向かって集束するか発散する。
【0043】
図4において、フォトニック結晶10の中に形成されている導波管は、その薄いエッジに沿って、誘電体の要素12の2つの列により規定されており、これらの列の少なくとも1つは、導波管14の外側に向かった集束レンズとして作用するレンズ18を構成するように変形されている。図示されている例において、誘電体の要素12の外側の列は、この要素の内側の列に結合領域Cの中央で横向きの距離bだけ近づき、L2/8bfに等しい焦点距離Dの集束レンズを構成するものとしている。Lは、誘電体の要素12の外側の列の変形された領域の長さで、bは、この列の横向きの変形で、フォトニック結晶の充填比である。これは、22μmに等しい長さL、0.5μmに等しい変形b、及び0.3に等しい充填比に対して100マイクロメートル(μm)の焦点距離を生じる。
【0044】
図5に示されているように、導波管の外側に向かって発散するレンズ20は、結合領域において導波管14の薄いエッジを形成する要素12の外側の列を反対の方向に変形することにより形成される。この発散するレンズは、レンズ20に対応する結合領域の中へと外側から入射される周波数成分を導波管の内側に向かって集束させる役割を果たしている。
【0045】
図6は、本発明に係る装置のダイアグラムで、この装置は、構成要素10の薄いエッジに沿って配置されている集積光ダイオードのような、一連の検出器22を有し、各検出器22は、それぞれの結合領域C1、C2、C3、C4、又はC5と向かい合わせに(in register)位置しており、薄いエッジの要素12の列は、各光検出器22に較正された光ビームを搬送するように形作られている。このビームは、導波管14の対応する領域における基本モードと高次のモードとの間に結合周波数成分を有している。
【0046】
図7は、同様の配列を示しているが、この配列において、光検出器22に面して位置している導波管14の薄い長手方向のエッジを規定している誘電体の要素12の列は、結合領域C1乃至C5において導波管から抽出された周波数成分26を光検出器に集束させるための集束レンズ18を有している。
【0047】
図8は、様々な周波数成分を導波管の中へと多重送信するための、周波数選択の光結合のために用いられる本発明に係る装置を示している。
【0048】
図示されている例において、この装置は、5つの結合領域C1、C2、C3、C4、及びC5を有し、それぞれの結合周波数は、f1、f2、f3、f4、及びf5である。
【0049】
これらの結合周波数の成分を有する光信号30が、構成要素10の薄いエッジに向けられる場合、信号30の周波数f1の成分は、結合領域C1において導波管の中へと入射され、信号30の周波数f2の成分は、結合領域C2において導波管の中へと入射される等する。その結果、結合領域C5から下流では、導波管14は、周波数f1、f2、f3、f4、及びf5での光信号30の成分の線形の混合を有している。
【0050】
このように、構成要素10の様々な結合領域の結合周波数に対応するそれぞれの周波数を有する複数の光信号を、この光信号の各々が導波管の薄いエッジの適当な部分に向けられる時に、導波管14の基本モードに結合させることが可能である。
【0051】
導波管14の基本モードとの結合を容易にするために、導波管のこれらの薄いエッジ部分は、図5に示されているように複数の発散レンズ20を有することができる。
【0052】
図9は、本発明に係る構成要素10を後部に位置させて有するレーザダイオード32により放射されたビームの周波数をモニタリングすることへの、本発明に係る装置の適用を示している。この構成要素は、例えば、周波数f1乃至f5に対する5つの結合領域C1乃至C5を有している。ダイオード32により放射されたレーザビームが、周波数f2にある時、周波数f2の光信号を、図示されているように、レーザダイオード32の後ろから基本モードで導波管14の中へと入射させることができる。
【0053】
周波数f2のこの信号は、レーザビームの周波数に等しいかこの周波数にとても近い結合周波数f2の結合領域C2において、高次のモードに結合され、この結果、高次のモードにおける信号は、結合領域C2における導波管の薄いエッジを通して通過することができ、この結合領域と関連付けられている光検出器22により検出されることができる。
【0054】
図10に概略的に示されているように、調整可能なレーザダイオード32の放射周波数をモニタリングしコントロールするために、本発明に係る装置を用いることも可能である。
【0055】
この例において、レーザダイオード32の後ろに位置している装置は、2つの薄いエッジの間の導波管14を用いて形成された上で特定したタイプの、すなわち、周期的要素12の少数列から作られているエッジを有する、構成要素10を有する。
【0056】
例として、この装置は、4つの結合領域C1、C2、C3、及びC4を、結合周波数f2−δf、f2+δf、f3−δf、及びf3+δfにそれぞれ対応して、有している。
【0057】
集積ホトダイオードのような光検出器22、22’が、導波管14に沿って、構成要素10のいずれの側にも配置されている。各ホトダイオード22は、結合領域C1乃至C4と関連付けられており、各ホトダイオード22’は、結合領域の対C1及びC2、又は、C3及びC4とそれぞれ関連付けられている。
【0058】
ホトダイオード22’により出力される信号は、レーザダイオード32により放射される周波数f2又はf3の粗いモニタリングのために用いられることができる。このレーザダイオードは、一方のホトダイオード22’からの出力信号の最大を探すことにより調整される。一方、ホトダイオード22からの出力信号は、周波数f2−δf及びf2+δfの信号を受信する2つのホトダイオード22の間の、又は、周波数f3−δf及びf3+δfの信号を受信する2つのホトダイオード22の間の微分的な(differential)測定値に基づいた精度の高いモニタリングのために用いられる。
【0059】
本発明に係る装置の実施の形態は、図11を参照して以下に詳細に説明される。
【0060】
この実施の形態においては、構成要素10は、屈折率n=3.33と、厚さe=450ナノメートル(nm)とを有するGaInAsPのコア層を備えた光ガイド垂直へテロ構造(light-guiding vertical heterostructure)である。このコアは、比較的低い屈折率(index)n=3.17を有するInPの2つの閉じ込め層(confining layer)により囲まれている。フォトニック結晶の三角形のアレイは、ヘテロ構造を通してエッチングされ、ホールの平均深度(mean depth)は、約2μmである。これらの構造の空気中の充填比は、40%である。ホール22の三角形のアレイの周期aは、380nmに等しい。導波管14は、この構成要素の中に、ホールの3つの列を取り除くことにより形成され、ホール22の4つの列の幅に対応する、エッジの間の幅を示す。この幅は、導波管14の一端から他端へ、図11に与えられている値の間、すなわち、
【数1】
【0061】
から
【数2】
【0062】
へ、連続的に変化する。
【0063】
導波管の長手方向のエッジの一方は、ホール22の8つの列を有し、したがって、
【数3】
【0064】
に等しい幅を有する。そして、導波管14の他方の長手方向のエッジは、ホールの3つの列を有し、したがって、
【数4】
【0065】
に等しい幅を有する。
【0066】
6つの出口チャネル(outlet channel)36が、構成要素の中でリフレクタとして作用し、光信号が互いに分離されることを可能にしている空気溝(air trenches)38により規定され、これらの空気溝の間に広い導波管を形成している。
【0067】
導波管14の長さは、周期aの300倍に等しく、出口チャネル36の長さは、10μmである。
【0068】
出口チャネル36の中で検出された光信号の強度をプロットした曲線は、図12に概略的に示されている。
【0069】
これらの強度曲線は、150nmのスペクトル幅を有する1.55μmの中心波長を有する、導波管14への入口での入射光に対応する。この例において、光は垂直へテロ構造の中に含まれている活性層(active layer)を光学的にポンピングすることにより生成されている。この光は、導波管14の基本モードと結合し、第1の出口チャネル36に対応する第1の結合領域を通過するとすぐに、1610nmの周りの光のスペクトル部分は、オーダ5(of order 5)のモードに結合され、第1の出口チャネル36の中へと通過する。
【0070】
対応するスペクトルは、図12の中の40で示されており、第1の出口チャネル36で検出された信号は、高い規格化された周波数に対する入射された光による干渉を含んでいる。
【0071】
第2の出口チャネル36において、導波管14の比較的狭い部分の中での基本モードのオーダ5のモードとの結合の結果である光が検出され、その結果、したがって、結合周波数は、導波管の開始部分におけるよりも高い。この第2の出口チャネル36において検出される信号は、図12の中の42に示されている。
【0072】
図12に示されている他のスペクトル44、46、48、50は、チャネル3乃至チャネル6の他の出口チャネルで検出される信号に対応している。
【数5】
【0073】
に等しい、導波管の幅の全変化に対して、チャネル1とチャネル6とにおいて検出される信号の波長の間の相違により与えられる、50nmの波長のシフトがあることを図12に示されているスペクトルから見ることができる。この測定値は、実に、期待される理論値に対応している。
【0074】
本発明に係る装置のディメンジョン特性(dimensional characteristic)を、実際に、以下で述べるようにして決定することができる。第1に、薄いエッジのないものにおいて、フォトニック結晶導波管の変化のない部分の周波数バンドをモデル化することが可能である。これを、平面波展開又はどんな他の既知の方法により、例えば、有限差分時間領域(FDTD)シミュレーションにより用いることができる。導波管の中の許容バンドとこれと関連付けられるモードとは、当業者に知られている文献に記述されている。
【0075】
この後、基本モードと高次のモードとの間の相互作用の力を以下の公式の適用により2つのモードの間のミニストップバンドΔωを用いて、定量化される。
【数6】
【0076】
Kは、結合定数であり、cは、光速度であり、ngaとngbとは、モードaとモードbとのグループの係数である。
【0077】
長さLの一様な部分に対する、あるモードの波から他のモードの波への転移の程度Tcは、大きなLに対して、以下の式により与えられる。
【数7】
【0078】
coshは、双曲線余弦である。これにより、所望の転移率の関数として長さLを選択することが可能となる。
【0079】
上述のように、導波管の中の結合周波数を変化させるために、導波管の幅を並びに/もしくは、周期的要素12の空間的周期を変化させることが可能であり、これら要素の形状並びに/もしくはサイズを、例えば、構成要素の中に形成されているホールの形状(円形の、楕円の、三角形の、などの形状)を変化させることにより、そして、それらのサイズを変化させることにより、変化させることが可能である。このような変更は、導波管に並んでいる複数の列のうちのただ1つの列にあてはまり、必ずしも導波管に隣接する列にあてはまる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る結合−分岐装置の実施の形態を示すダイアグラムである。
【図2】本発明に係る結合−分岐装置の実施の形態を示すダイアグラムである。
【図3】本発明に係る結合−分岐装置の実施の形態を示すダイアグラムである。
【図4】集束レンズと共に形成されている本発明に係る装置を示すダイアグラムである。
【図5】発散レンズと共に形成されている本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図6】光信号の中で周波数成分を検出するための本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図7】光信号の中で周波数成分を検出するための本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図8】マルチプレクサとして用いられている本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図9】放射されたレーザビームの周波数を検出するために、レーザダイオードと結合されている本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図10】放射されるレーザビームの周波数を検出し制御するための調整可能なレーザダイオードと結合されている本発明に係る装置のダイアグラムである。
【図11】本発明に係る装置の実施の形態を示すダイアグラムである。
【図12】図11の装置の様々な出口チャネルにより導波管から抽出された周波数成分の曲線をプロットしたダイアグラムである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的な空間的分布を有する複数の誘電体の要素(12)により構成されているフォトニック結晶構造からなる構成要素(10)を具備し、長手方向のエッジに沿って延びている前記要素の複数の列を有する導波管(14)が、前記要素の少なくとも1つの列が存在しないことにより、並びに/もしくは、前記導波管の前記要素の列の間に互いにずれがあることにより形成されている、周波数選択光結合器−光分岐器装置において、
前記長手方向のエッジの少なくとも一方で、前記周期的に分布している要素の列の数は、前記導波管の薄いエッジを規定し、そして、複数の周波数(f1乃至f5)を結合するために、前記導波管(14)とフォトニック結晶(10)の外側との間に複数の結合領域(C1乃至C5)を形成するように、減少されており、これら結合領域の各々は、前記導波管の基本モードで伝播する光信号に対応する周波数の成分が、この導波管(14)から抽出されることを可能にし、並びに/もしくは、光信号の前記周波数の成分が、この導波管の中へと入射されることを可能にし、また、前記結合周波数(f1乃至f5)は、この導波管のフォトニックバンドギャップすなわちMSB内にあり、この導波管(14)の、並びに/もしくはこの導波管のエッジの間のフォトニック結晶(10)の、複数のディメンジョンパラメータの変化により規定されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記結合領域(C1乃至C5)の薄いエッジの周期的に分布した要素(12)の列の数は、2つ乃至6つの範囲の中にあることを特徴とする請求項1に係る装置。
【請求項3】
前記導波管(14)の幅は、この導波管のエッジの間で連続的に又は段階的に変化していることを特徴とする請求項1又は2に係る装置。
【請求項4】
前記フォトニック結晶の要素(12)の空間的周期(a)は、前記導波管(14)のエッジの間で連続的に又は段階的に変化していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に係る装置。
【請求項5】
前記導波管(14)の幅又はフォトニック結晶の前記要素(12)の空間的な周期(a)は、このフォトニック結晶の要素(12)の数十周期に対応する長さに渡って一定であることを特徴とする請求項3又は4に係る装置。
【請求項6】
周期的な前記要素のサイズ並びに/又は形状は、前記導波管のエッジの間で変化していることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか1に係る装置。
【請求項7】
前記導波管の外側に向かって集束させ、又は、発散させるレンズ(18、20)が、前記結合領域(C1乃至C5)において、前記導波管の薄いエッジの要素(12)の複数の列を変形することにより、前記導波管に沿って形成されていることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか1に係る装置。
【請求項8】
少なくとも1つの検出器、例えば、集積ホトダイオード(22)、が、前記導波管の基本モードを伝播している光信号から抽出される周波数成分を検出するために、前記導波管(14)の薄いエッジの外側で、結合領域(C1乃至C5)に位置していることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか1に係る装置。
【請求項9】
例えば、複数の集積ホトダイオード(22、22’)のような、複数の検出器が、前記導波管の基本モードを伝播する光信号の周波数成分を検出するために、この導波管(14)の薄い長手方向のエッジに沿って、配置されていることを特徴とする請求項8に係る装置。
【請求項10】
レーザダイオードにより放射される周波数を検出し又はモニタするためにレーザダイオード(32)、特に調節可能なタイプのレーザダイオードと結合されていることを特徴とする請求項8又は9に係る装置。
【請求項11】
フォトニック結晶の薄いエッジを通して前記導波管(14)の中へと入射される光信号(30)を多重送信するための手段を構成していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に係る装置。
【請求項1】
周期的な空間的分布を有する複数の誘電体の要素(12)により構成されているフォトニック結晶構造からなる構成要素(10)を具備し、長手方向のエッジに沿って延びている前記要素の複数の列を有する導波管(14)が、前記要素の少なくとも1つの列が存在しないことにより、並びに/もしくは、前記導波管の前記要素の列の間に互いにずれがあることにより形成されている、周波数選択光結合器−光分岐器装置において、
前記長手方向のエッジの少なくとも一方で、前記周期的に分布している要素の列の数は、前記導波管の薄いエッジを規定し、そして、複数の周波数(f1乃至f5)を結合するために、前記導波管(14)とフォトニック結晶(10)の外側との間に複数の結合領域(C1乃至C5)を形成するように、減少されており、これら結合領域の各々は、前記導波管の基本モードで伝播する光信号に対応する周波数の成分が、この導波管(14)から抽出されることを可能にし、並びに/もしくは、光信号の前記周波数の成分が、この導波管の中へと入射されることを可能にし、また、前記結合周波数(f1乃至f5)は、この導波管のフォトニックバンドギャップすなわちMSB内にあり、この導波管(14)の、並びに/もしくはこの導波管のエッジの間のフォトニック結晶(10)の、複数のディメンジョンパラメータの変化により規定されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記結合領域(C1乃至C5)の薄いエッジの周期的に分布した要素(12)の列の数は、2つ乃至6つの範囲の中にあることを特徴とする請求項1に係る装置。
【請求項3】
前記導波管(14)の幅は、この導波管のエッジの間で連続的に又は段階的に変化していることを特徴とする請求項1又は2に係る装置。
【請求項4】
前記フォトニック結晶の要素(12)の空間的周期(a)は、前記導波管(14)のエッジの間で連続的に又は段階的に変化していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に係る装置。
【請求項5】
前記導波管(14)の幅又はフォトニック結晶の前記要素(12)の空間的な周期(a)は、このフォトニック結晶の要素(12)の数十周期に対応する長さに渡って一定であることを特徴とする請求項3又は4に係る装置。
【請求項6】
周期的な前記要素のサイズ並びに/又は形状は、前記導波管のエッジの間で変化していることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか1に係る装置。
【請求項7】
前記導波管の外側に向かって集束させ、又は、発散させるレンズ(18、20)が、前記結合領域(C1乃至C5)において、前記導波管の薄いエッジの要素(12)の複数の列を変形することにより、前記導波管に沿って形成されていることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか1に係る装置。
【請求項8】
少なくとも1つの検出器、例えば、集積ホトダイオード(22)、が、前記導波管の基本モードを伝播している光信号から抽出される周波数成分を検出するために、前記導波管(14)の薄いエッジの外側で、結合領域(C1乃至C5)に位置していることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか1に係る装置。
【請求項9】
例えば、複数の集積ホトダイオード(22、22’)のような、複数の検出器が、前記導波管の基本モードを伝播する光信号の周波数成分を検出するために、この導波管(14)の薄い長手方向のエッジに沿って、配置されていることを特徴とする請求項8に係る装置。
【請求項10】
レーザダイオードにより放射される周波数を検出し又はモニタするためにレーザダイオード(32)、特に調節可能なタイプのレーザダイオードと結合されていることを特徴とする請求項8又は9に係る装置。
【請求項11】
フォトニック結晶の薄いエッジを通して前記導波管(14)の中へと入射される光信号(30)を多重送信するための手段を構成していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に係る装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−510179(P2007−510179A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537350(P2006−537350)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002726
【国際公開番号】WO2005/043205
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(500174661)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・サイエンティフィーク−セ・エン・エール・エス− (54)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002726
【国際公開番号】WO2005/043205
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(500174661)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・サイエンティフィーク−セ・エン・エール・エス− (54)
【Fターム(参考)】
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