説明

商品管理システムおよび方法

【課題】顧客を音声で認知することで、顧客により大きな利益を与えるサービスを提供することを可能にする。
【解決手段】サーバによって、製造された個々の商品を識別する識別情報を生成し、前記商品を梱包したときに前記商品の梱包部材の外部表面となる所定の位置に前記生成された識別情報を提示させ、前記生成された識別情報と顧客の声紋データをデータベースに格納するサーバ側処理ステップと、端末装置によって、識別情報読取手段により商品を梱包した前記梱包部材の表面の識別情報を読み取り、音声入力手段により顧客に読上げ名称データを通知して音声データを入力させ、顧客の音声データをサーバに送信するステップと、サーバによって、前記音声データから顧客の声紋データを抽出しデータベースに格納するステップと、声紋データにより顧客を認知して顧客にサービスを提供するステップにより商品を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品管理システムおよび方法に関し、特に顧客情報をデータベースに格納、管理して商品の販売情報を管理する商品管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業、特に商品を提供するメーカは、出荷する商品にお客様カードなどを同梱し、購入した顧客の情報を入手して、バージョンアップやリコールなどの通知に利用している。このようなシステムでは、顧客がお客様カードを書いて投函する必要があるので、高い回収率は望めないことから種々のシステムが提案されている。例えば、店舗紹介用の名刺情報等を無線タグ情報化し、携帯電話機に内蔵の無線タグ送受信機により無線タグから情報を取得して、顧客情報を自動的に追加していくことにより、お客様カードの記入や情報の入力における煩わしい作業を簡素化することができる携帯通信端末装置及びその端末装置を活用した顧客管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、近年では高級ブランドの偽造品やソフトウェア製品の海賊版などが市場に流入し、多くのメーカがその対策に頭を痛めており、販売店を巡回したり、顧客にどのような偽造品が出回っているかなどの偽造品情報を提供したりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−208097号公報
【特許文献2】特開2008−293284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の商品管理システムおよび方法では、高価な無線タグを用いていており、携帯電話も特殊な無線タグ読取機器を備える必要があるという問題がある。また、従来の偽造品対策では販売店を巡回してもなかなか偽造品売買の多い販売店を特定することが困難であり、顧客への情報提供もあくまで偽造品の特徴等を送ることができるだけなので、購入した商品の真偽を顧客が確実に判断できるものではないという問題がある。
【0006】
そのため、特許文献2では、このような問題を解決するために、商品一点一点に、個別の識別情報を二次元バーコードで指定して、その識別情報(ユニーク二次元バーコードと呼ぶ)を提示した梱包材に商品を梱包して出荷することにより、梱包材の識別情報を通常の携帯電話の撮像カメラで撮影する等の、端末装置の画像読み取り装置で読取って容易に会員登録することが可能となる商品管理システムおよび方法を提供し、それにより会員登録率を向上させる技術が提案された。また、登録済みの顧客情報や流通経路情報を用いることにより商品の偽造品や海賊版を判定することができる技術が提案された。
【0007】
しかし、特許文献2の技術では、顧客以外の者がその顧客の用いた携帯電話等やパーソナルコンピュータ等の端末装置を用いて商品管理システムにアクセスすることも可能であるため、顧客向けのサービスが他者に与えられる可能性もあり、顧客により大きな利益を与えるサービスを提供するために障害となっていた。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するものであり、顧客を音声で認知することで、顧客により大きな利益を与えるサービスを提供することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、製造された個々の商品を識別する識別情報を生成する識別情報生成手段と、前記商品を梱包したときに前記商品の梱包部材の外部表面となる所定の位置に前記生成された識別情報を提示させる識別情報提示手段と、前記生成された識別情報と顧客の声紋データをデータベースに格納するデータベース管理手段とを含むサーバと、
商品を梱包した前記梱包部材の表面の識別情報を読み取る識別情報読取手段と、顧客の音声データを入力する音声入力手段と、前記識別情報と顧客の音声データとを前記サーバに通信ネットワークを介して送信する識別情報送信手段とを含む端末装置とを備え、
前記端末装置の識別情報読取手段が、前記識別情報提示手段から前記識別情報を読み取り、
前記音声入力手段が顧客に読上げ名称データを通知して顧客に音声データを入力させ、
前記端末装置が前記音声データと前記識別情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバが前記音声データから顧客の声紋データを抽出し前記データベースに格納し、前記サーバが前記声紋データにより顧客を認知して顧客にサービスを提供することを特徴とする商品管理システムである。
【0010】
本発明は、以上の構成により、顧客に読上げ名称データを通知して顧客に音声データを入力させることで、音声認識システムで認識し易く正確な音声データを取得し易いように管理された音声データを取得することができ、顧客を音声で正確に認知できるので、顧客により大きな利益を与えるサービスを提供することが可能になる効果がある。
【0011】
また、本発明は、上記の商品管理システムにおいて、上記識別情報は、上記商品ごとに設定された一意の情報が上記梱包材に印刷された二次元バーコードであり、上記識別情報読取手段が二次元画像読取手段であることを特徴とする商品管理システムである。
【0012】
また、本発明は、上記の商品管理システムにおいて、上記識別情報は、上記商品ごとの流通先情報を含むことを特徴とする商品管理システムである。
【0013】
また、本発明は、上記の商品管理システムにおいて、上記サーバは、上記端末装置に上記音声入力手段のプログラムのデータを送信して上記端末装置にインストールさせることを特徴とする商品管理システムである。
【0014】
また、本発明は、サーバによって、製造された個々の商品を識別する識別情報を生成し、前記商品を梱包したときに前記商品の梱包部材の外部表面となる所定の位置に前記生成された識別情報を提示させ、および前記生成された識別情報と顧客の声紋データをデータベースに格納するサーバ側処理ステップと、
端末装置によって、識別情報読取手段により商品を梱包した前記梱包部材の表面の識別情報を読み取り、音声入力手段により顧客に読上げ名称データを通知して顧客に音声データを入力させ、当該識別情報と顧客の音声データとを前記サーバに通信ネットワークを介して送信するステップと、
前記サーバによって、前記音声データから顧客の声紋データを抽出し前記データベースに格納するステップと、
前記声紋データにより顧客を認知して顧客にサービスを提供するステップと
を備えたことを特徴とする商品管理方法である。
【0015】
また、本発明は、上記の商品管理方法において、上記識別情報は、上記商品ごとに設定された一意の情報が上記梱包材に印刷された二次元バーコードであり、上記識別情報読取手段が二次元画像読取手段であることを特徴とする商品管理方法である。
【0016】
また、本発明は、上記の商品管理方法において、上記識別情報は、上記商品ごとの流通先情報を含むことを特徴とする商品管理方法である。
【0017】
また、本発明は、上記の商品管理方法において、上記サーバは、上記端末装置に上記音声入力手段のプログラムのデータを送信して上記端末装置にインストールさせることを特徴とする商品管理方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、顧客に読上げ名称データを通知して顧客に音声データを入力させることで、音声認識システムで認識し易く正確な音声データを取得し易いように管理された音声データを取得することができ、顧客を音声で正確に認知できるので、商品管理システムにアクセスする者を登録された顧客に限ることができるため、登録された顧客向けのサービスをその顧客を見分けて与えることができ、顧客を認知した上で与える必要があるような、より大きな利益を顧客に与えるサービスを提供することができるようになる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)本実施形態にかかる商品管理システムの構成図である。(b)梱包材に印刷されたユニーク二次元バーコードを端末装置の機能により読取る実施例を説明するための図である。
【図2】本実施形態で用いられるサーバと端末装置のソフトウェアのモジュール構成を示す図である。
【図3】(a)第1の実施形態の会員登録情報のデータ構造を示す図である。(b)第2の実施形態の会員登録情報のデータ構造を示す図である。(c)本実施形態の商品名簿データのデータ構造を示す図である。
【図4】本実施形態の顧客が購入した商品の端末装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の顧客が購入した商品の端末装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の顧客が購入した商品の端末装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の顧客が購入した商品の端末装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本実施形態で購入商品の景品の会員登録を行う端末装置の画面の例を示す図である。
【図9】本実施形態の端末装置からの音声入力する読上げ名称を表示する画面の例を示す図である。
【図10】本実施形態の会員のポイントを処理する端末装置の画面の例を示す図である。
【図11】本実施形態に景品の送付先のデータを入力する端末装置の画面の例を示す図である。
【図12】本実施形態で購入した商品の真偽判定を行った結果の端末装置の画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる商品管理システムについて図面を参照して説明する。まず、本実施形態にかかるシステムの構成を説明する。図1(a)及び図2は、本実施形態にかかる商品管理システムの構成図である。本実施形態の商品管理システムは、商品一点一点毎にユニーク二次元バーコード302を生成する識別情報生成部201と、それを商
品の梱包材301に印刷する識別情報印刷部202と、会員登録情報を管理するデータベース管理部203と情報送受信部204を有するコンピュータから成るサーバ101と、通信ネットワーク105と、端末装置102とを備える。端末装置102は、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の端末装置102であって、撮像カメラや二次元画像スキャナ等の二次元画像読取手段304を有し、二次元バーコード読み取りプログラム305と音声入力プログラム306とのアプリケーションソフトウェアが組み込まれていて、それらのプログラム(アプリ)で読み込んだユニーク二次元バーコード302の情報と音声データをサーバ101に送信して顧客の会員登録を行う。サーバ101は、端末装置102と通信ネットワーク105を介して接続され、また顧客の会員登録情報207や会員の声紋データ208を記憶するデータベース104と接続されている。二次元バーコード302には、(株)デンソーウェーブが開発したQRコード(登録商標)等のマトリックス型二次元コードを用いることができる。
【0021】
図1(a)において、通信ネットワーク105は、1つの通信ネットワークとして示されているが、種々の通信ネットワーク形態とすることができる。例えば、通常はサーバ101はインターネットにより外部と接続されており、一方、携帯電話等の端末装置102は図示しない独自の無線通信ネットワークを有するが、この無線通信ネットワークが図示しないゲートウェイなどによりインターネットに接続される。このようにして、端末装置102とサーバ101とでメールの送受信などを行うことができるが、通信ネットワーク105はこのような通信ネットワーク形態に限られることなく、本技術分野で知られたいずれの通信ネットワークとすることもできる。
【0022】
以上の構成に加えて、本実施形態では通信ネットワーク105に接続した販売店端末103を備えることができる。販売店端末103は本システムの対象である商品を取り扱う販売店に設置、あるいは使用されているコンピュータである。販売店は商品の流通の通過点であり、商品によっては複数の販売店を転送されていき販売経路を形成する。販売店端末103およびサーバ101は、通常のコンピュータ機能に加え通信ネットワークを介した通信機能を備えていれば本実施形態において使用することができ、各システムのそれぞれの機能に応じて必要な機能のアプリケーションソフトウェアを実装(インストール)すればよい。端末装置102は、無線で接続してデータ通信をする機能のほか、CCDカメラ等の撮像カメラや二次元スキャナ等の二次元画像読取手段304と、それにより読み取った二次元バーコード302から商品の識別符号データ401を抽出するアプリケーションソフトウェアである二次元バーコード読み取りプログラム305を実装(インストール)しておく。本実施形態のシステム構成は、例えば、端末装置102は音声入力手段と、二次元バーコード302を読み取るスキャナ式画像読み取り手段を備える小型コンピュータを用いることもできる。そのように、本実施形態を応用して、図1(a)以外の方法あるいは機構のシステムも構成することが可能であることはいうまでも無い。
【0023】
(本実施形態のモジュール構成)
本システムの全体の構成は以上のようなものであるが、本実施形態の個別のシステムを構成するサーバ101及び端末装置102は、少なくとも通信ネットワーク105に接続可能な通常のコンピュータの機能を有している必要がある。このようなハードウェアの条件の下、本実施形態の個別のシステムの処理の実行はアプリケーションソフトウェア(プログラム)がこのようなハードウェアにインストールされて行われる。各アプリケーションソフトウェアは例えば図2に示すようなモジュール構成で示すことができるが、これは単なる例示であり、各モジュールの機能をさらにいくつかのモジュールで分担したり、いくつかのモジュールの機能を統合したモジュールを想定したりすることができるのはいうまでもない。以下に、各個別のモジュールを説明するが、これらのモジュールが相互に連携を取って実行され、後述する本実施形態の処理が達成されるのである。図2は、本実施形態で用いられるサーバ101と端末装置102のソフトウェアのモジュール構成を示す
図である。
【0024】
図2を参照すると、サーバ101は、生産される一点一点の個別の商品ごとに一意なユニーク二次元バーコード302を生成する識別情報生成部201、生成されたユニーク二次元バーコード302を商品の梱包材301の表に印刷する識別情報印刷部202、生成された識別情報を格納したり、入手した顧客情報を管理したりするデータベース管理部203および識別情報を生成するための情報や顧客情報を入手したり、生成された各種情報を送信する情報送受信部204を備える。本実施形態で、識別情報はユニーク二次元バーコード302を使用するが、これは顧客が商品を購入して、その商品の識別情報を読取る際に、一般に普及している機器で読み込めるようにするためである。二次元バーコード302であれば、近年広く普及しているJava(登録商標)や、Qualcom社が開発したアプリケーション・プラットフォームBREW等の、アプリケーションソフトウェアのインストール機能を有する携帯電話などの端末装置102で、かつ、CCDカメラやMOSカメラ等の撮像カメラやあるいは二次元スキャナ等の二次元画像読取手段304を有する端末装置102を用いることができる。すなわち、それらの端末装置102の二次元画像読取手段304で二次元バーコード302を撮影して、その画像を二次元バーコード読み取りプログラム305で識別情報を読取って商品の識別符号データ401を得、それを電子メール機能を用いてサーバ101に送信することができる。
【0025】
このような機能を有する端末装置102を用いた例を図1(b)を参照して説明する。図1(b)は、商品の梱包材301の表面に印刷されたユニーク二次元バーコード302の識別情報を端末装置102の二次元画像読取手段304により撮影して読取る実施例を説明するための図である。このような状態では、通常のアプリケーションソフトウェアの二次元バーコード読み取りプログラム305では、端末装置102の表示部303に撮影した二次元バーコード302が表示され、この画像を端末装置102が内蔵した二次元バーコード読み取りプログラム305により解析して復号し、二次元バーコード302があらわす商品の識別符号データ401を取得することができる。このように、本実施形態では一般の顧客でも容易に会員登録へ進むことができることを考慮して、二次元バーコード302を用いて印刷するが、これに限られることなく二次元バーコード302以外の二次元コード、通常のバーコードや種々の識別情報提示手段を採用することができる。また、無線タグなど、現時点では読取機器が一般的ではないものでも、本願発明の要件を満たすような機器が開発された場合は本実施形態の提示方法として採用することができる。また、本実施形態では梱包材301とは、梱包箱や梱包袋などその形態や材質にかかわらず、商品を出荷する際に商品を包む物一般を指すものとし、梱包材301といった場合、組み上げられて商品を梱包した状態のものに限らず、組み上げられる前の部材の状態から、開梱された状態までをも含むものとする。
【0026】
ここで、本実施形態では、サーバ101の識別情報生成部201が、製造された商品一点一点毎に一意な値を発行した商品の識別符号データ401をあらわすユニーク二次元バーコード302を生成しデータベース104に登録するとともに、識別情報印刷部202が、そのユニーク二次元バーコード302を商品の梱包材301に印刷して顧客に提示する。この個別の商品毎に一意に生成する商品の識別符号データ401は、種々の方法で生成することができるのはいうまでもないが、その生成規則はシステムに適合させて選択される。例えば、本実施形態では、本来メーカ自身が購入顧客を調査してデータベース104を構築する代わりとして梱包材メーカ、あるいはデータベース104を作成、あるいはデータベース104の管理サービスを提供する企業が、購入顧客の情報を収集してデータベース104を作成し、あるいは管理するような実施例も想定していることから、識別番号もこのような形態を考慮して選択することができる。すなわち、メーカが商品ごとに個別に割り付けて製造番号を含む識別番号により商品の識別符号データ401を生成する。具体的には、商品の識別符号データ401の生成者がメーカ以外の企業の場合は、メーカから事前に製造番号リストを入手し、または商品自体の製造番号を利用して商品の識別符号データ401を特定し、これにメーカごとに別途定められるメーカコードなどを付加することにより、一意な商品の識別符号データ401を生成する。本実施形態の商品の識別符号データ401は以上のようなサービスを想定して商品の識別符号データ401として定められ、後述する処理の説明においても概ねこのような想定を前提として進める。しかし、本実施形態は、商品の識別符号データ401の定め方の如何にかかわらず、メーカ自身が顧客情報を管理したり、対象となる商品がメーカによる製造品でない場合にも適用できることは明らかである。
【0027】
本実施形態では、このようにして個別の商品毎に商品の識別符号データ401を生成し、その商品の識別符号データ401からユニーク二次元バーコード302を生成して梱包材301に印刷して識別情報にする。その識別情報を端末装置102が撮影して商品の識別符号データ401を抽出し、そのデータを電子メールでサーバ101に送信する。それにより、サーバ101が収集した購入顧客情報をメーカの管理する製造番号と関連付けて商品情報205に登録してデータベース104で記憶して管理することができる。しかし、商品の識別符号データ401はこれに限られず、システムに最適な方法で生成することができる。例えば、対象となる商品がメーカにより製造されたものではなく、貴金属であったり、輸入された高級ブランドであったりする場合、製造番号に代えて別の規則で商品の識別符号データ401を定める必要がある。また、商品の識別符号データ401は製造番号に基づいて生成される場合は、数字、すなわち識別番号となるが、これに限られず文字も含む商品の識別符号データ401を用いることもできる。
【0028】
さらに図2を参照すると、サーバ101は、データベース104を備えており、データベース104には、管理対象の商品について、例えば製造番号と関連付けられている商品情報205、会員の声紋データ208、そして、ダウンロード用の音声入力プログラム306が格納されている。商品情報205は、商品の識別符号データ401と商品名のデータ410等のデータ、登録された商品購入顧客の情報を管理するための会員登録情報207、商品名簿データ209、および、後述する他の実施形態で用いる購入された商品の真偽を判定するための偽造情報206等の、商品に関する総合的な情報を記述したデータである。会員登録情報207のデータ構造は図3(a)に示す。会員登録情報207には、出荷済みの商品の識別符号データ401、顧客IDデータ402、顧客がダウンロードした音声入力プログラム306のプログラムIDデータ407、会員の声紋データ208の格納アドレス、会員毎のポイント数の集計データの格納アドレス、その他の顧客情報を格納する。本実施形態では、以上の情報をデータベース104に格納して情報の管理を行うが、これに限られず本発明の目的を達成するために、さらに別の情報を付加し、あるいは各情報を統合してより少ない数のデータを用いるなど、本実施形態で知られる種々のデータ管理方法を用いて管理することができるのはいうまでもない。
【0029】
本実施形態では、サーバ101は印刷システム210にも接続され、上述のユニーク二次元バーコード302を商品の梱包材301に印刷することにより、梱包材301の表面にユニーク二次元バーコード302の識別情報を提示させることができる。もちろん、このような梱包材301への印刷は梱包材301の製造、加工ラインの一部として行われるのが一般的であるが、ユニーク二次元バーコード302の印刷以外の工程は本願発明には直接関係せず、本技術分野で知られたいずれの方法も用いることができるので、ここでは説明を省略する。したがって、本実施形態のユニーク二次元バーコード302の印刷は、梱包材301の製造工程に関係なく実行することができるものであり、例えば印刷後に梱包材301を加工するか、加工後に印刷するか等、製造工程の如何に関わらず、ユニーク二次元バーコード302の印刷を行っていれば本願発明の範囲に含まれることとなる。
【0030】
(本実施形態の処理)
以上、本実施形態のシステムおよびモジュール構成について説明したが、図4から図7のフローチャートを参照して以上の構成を用いた本実施形態の処理を説明する。本実施形態では原則として図4から図7に示す番号の順番に処理が行われるが、これはあくまで本実施形態のようなシステムの典型的な流れであって、常にこのような順序である必要はなく、一部順序を変更したり、一部の手順を入れ替えたり、異なる手順を加えることもできる。また、図8から図12の画面例を参照して本実施形態の端末装置102の表示部303の画面への表示データと、入力データを説明する。これらの画面はあくまで本実施形態のようなシステムが端末装置102により顧客に送受する情報の典型的な表現方法をあらわすものであって、常にこのようなレイアウトやこのような情報が表示される必要はなく、情報を表示する画面を分割あるいは統合して表示しても良く、更に、顧客に伝達する情報の一部を音声にして顧客に伝達するようにしても良い。
【0031】
上述したようにサーバ101の処理により、商品の梱包材301にユニーク二次元バーコード302を印刷し、梱包材301にそのユニーク二次元バーコード302に対応する商品を梱包して種々の流通経路を介して出荷した後に、顧客がその出荷された商品を購入する。さらに、通常は商品出荷時に、商品を識別する商品の識別符号データ401をデータベース104の会員登録情報207に登録する。すなわち、会員登録情報207には、図3(a)に示すように、予め、出荷済みの商品の識別符号データ401のみが含まれる情報が作成される。その後、商品が顧客に購入され、顧客情報がサーバ101に送られてくると、サーバ101が顧客の端末装置102から受信した、商品の識別符号データ401に結び付けられた顧客IDデータ402と音声入力プログラム306のプログラムIDデータ407と、会員の声紋データ208の格納アドレスと、会員毎のポイント数の集計データの格納アドレス、その他の顧客情報を一緒に格納し、会員登録情報207を完成させる。本実施形態では、会員登録情報は出荷時に作成するが、これに限られず商品の製造から購入までの任意のタイミングで生成することができる。
【0032】
以下で、図4と図5のフローチャートにより、本実施形態の顧客が商品を購入後に、最初に会員登録する場合の、端末装置102でのプログラムの動作を主体に表した処理の流れを説明する。また、端末装置102側の処理プログラムの動作に対応してサーバ101側の処理プログラムが動作する手順も図4と図5のフローチャートに記載した。
(処理S401)
顧客は、商品の購入後に、自己の所有する携帯電話やパーソナルコンピュータなどの端末装置102の二次元画像読取手段により、梱包材301に印刷されたユニーク二次元バーコード302を撮像する。従来のお客様カードなどの場合、顧客が会員登録しようとする際は、梱包を解いて商品とともにお客様カードを取り出し、さらに商品の製造番号を写す必要があったが、本実施形態の処理によれば、顧客が商品を開梱することなく、その後の処理を適切に実行することによって、会員登録の処理を行うことができる。
【0033】
(処理S402)
端末装置102の二次元画像読取手段によって読取られたユニーク二次元バーコード302の画像データは、図2に示す、端末装置102に予めインストールしたアプリケーションソフトウェアの二次元バーコード読み取りプログラム305により、復号させて商品の識別符号データ401を抽出する。商品の識別符号データ401は、商品を一意に識別する情報を有する。顧客は、その識別符号データ401を、予め端末装置102に実装(インストール)されている電子メール送信機能を使用して電子メールに添付してサーバ101に送信する。ここで、電子メール発信先であるサーバ101の電子メールアドレスは、例えば端末装置102に実装(インストール)されたインターネットアクセス機能により、サーバ101を管理する企業が提供する端末装置用ウェブサイトにアクセスして取得することができる。電子メールアドレスは、これに限られず種々の方法で取得することができる。例えば、顧客が説明書やパンフレットを見て直接入力することもできるし、梱包材301に商品のユニーク二次元バーコード302と並んで送信先情報を同様に二次元バーコード302などの符号化された情報として、またはそのまま印刷しておいて、それを端末装置102の種々の読取機能を用い読取ることもできる。また、顧客が商品の識別符号データ401をサーバ101に送る方法としては、端末装置102の電子メール送信機能を用いることのほか、先に説明したサーバ101の企業のウェブサイトにデータ転送機能を設定しておき、顧客が事前設定しておけばこの機能を呼び出して商品の識別符号データ401を送るようにすることもでき、その他本技術分野で知られた伝送方法のいずれも本実施形態に適合させて使用することができる。
【0034】
(処理S403)
商品の識別符号データ401を添付した電子メールを受信したサーバ101は、データベース管理部203のプログラムの動作により、電子メールから、その電子メールを送信した端末装置102の電子メールアドレスを抽出して、それを顧客ID情報402として、該当する商品についてデータベース104に作成された会員登録情報207に登録する。サーバ101は、このような会員登録処理とともに、顧客情報をさらに収集するため、取得した商品の識別符号データ401に固有の会員登録ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)、すなわち、その電子メールに応答するウェブサイトのページの情報の種類やサーバ名、ポート番号、フォルダ名、ファイル名などで構成されるアクセス用URLページを作成し、顧客の端末装置102に、その商品の識別符号データ401に固有の会員登録サイトのページのアドレスを記載した電子メールを、顧客の端末装置102に返信する。
【0035】
(処理S404)
端末装置102は、サーバ101から、取得した商品の識別符号データ401に固有のウェブサイトのページのアドレスを記載した電子メールを受信する。受信した電子メールのメッセージを開くと、アクセス用URLページの情報がリンク可能な形で記載されて表示部303に表示される。
【0036】
(処理S405)
顧客が、端末装置102で、そのように表示された電子メールの文章の中のアクセス用URLページにリンク可能に記載された部分をクリックすることで、端末装置102からサーバ101に、会員登録処理の実行を要求するコマンドデータを送信する。また、この処理で、最初に電子メールをサーバ101に送った端末装置102以外のコンピュータのブラウザに、端末装置102が受信した電子メールに記載されていたウェブサイトのURLアドレスを入力することで、サーバ101のウェブサイトの画面を、そのコンピュータの表示部303に表示することもできる。
【0037】
(処理S406)
サーバ101は、端末装置102から電子メールでブラウザが表示すべき画面を要求するコマンドを受信した場合に、顧客の端末装置のメールアドレスを顧客ID情報402として、会員登録情報207を調べて、既にその顧客ID情報402の顧客の会員登録がされているかを調べ、既に登録されている場合は、顧客に既に登録された会員である旨を通知し、図6の処理S1以降の処理を行ない、顧客の会員登録がされていない場合は、以下の処理S407を行なう。
【0038】
(処理S407)
処理S407は、顧客の会員登録がされていない場合に実施し、図8(a)のようなアクセス用URLの画面データを端末装置102に送信する。図8(a)の画面の顧客IDデータ402の入力欄には、顧客の端末装置のメールアドレスが書き込まれた画面のデータを端末装置102に送信する。
【0039】
(処理S408)
端末装置102は、サーバ101から図8(a)の画面のデータを受信すると、それを表示部303が表示する。図8(a)の画面データでは、顧客による氏名データ403の入力部や電話番号データ404の入力部も表示している。顧客によって、端末装置102のブラウザが表示部303に表示した図8(a)の画面内のログインボタン405がクリックされた場合に、端末装置102はサーバ101にログインコマンドを送信する。
【0040】
(処理S409)
サーバ101は、端末装置102からログインコマンドを受信した場合は、図8(b)のような音声入力プログラム306のダウンロード画面のデータを端末装置102に送信する。その画面のデータにおいても、購入商品の識別符号データ401を引き続き表示する。端末装置102は図8(b)の画面データを表示部303に表示する。端末装置102は、図8(b)の画面において、音声入力プログラムダウンロードボタン406がクリックされた場合に、サーバ101に、専用の音声入力プログラム306のデータをダウンロードするコマンドを送信する。サーバ101は、そのコマンドを受信すると、端末装置102に、専用の音声入力プログラム306のデータを送信する。また、その専用の音声入力プログラム306には、そのプログラムの顧客毎に異なるプログラムIDデータ407と、顧客の最初の購入商品の識別符号データ401とを記憶させて送付する。
【0041】
(処理S501)
次に、図5のように、端末装置102が、受信した専用の音声入力プログラム306をインストールして起動させると、専用の音声入力プログラム306は、サーバ101に商品名簿データ209を要求するコマンドを送信する。商品名簿データ209のデータ構造を図3(c)に示す。商品名簿データ209は、商品の識別符号データ401のうち商品面を示す部分のデータと商品名のデータ410を対応させる表を記述したデータである。
【0042】
(処理S502)
サーバ101は、端末装置102から、商品名簿データ209を要求するコマンドを受信すると、データベース104から商品名簿データ209を読み出して端末装置102に返信する。端末装置102の音声入力プログラム306は、受信した商品名簿データ209を端末装置の記憶手段に記憶する。
【0043】
(音声入力処理S503)
次に、音声入力プログラム306は、受信した商品名簿データ209から、音声入力プログラム306に記憶されている最初の購入商品の識別符号データ401に基づき、購入した商品名を抽出し読上げ名称データ410を作成する、あるいは、顧客の声紋登録用に定めた言葉や、顧客の端末装置102がサーバ101にアクセスする毎にサーバ101がランダムに変更して端末装置102に指定する言葉等により読上げ名称データ410を作成する。そして、端末装置102の表示部303に、図9のような、読上げ名称データ410を表示する画面データを表示する。次に、顧客が、その読上げ名称データ410を音声で読み上げて端末装置102に入力し、読み上げ終了ボタン411をクリックすると、端末装置102の専用の音声入力プログラム306が入力した音声を記憶手段に記憶する。なお、端末装置102の専用の音声入力プログラム306は、読上げ名称データ410を表示部303に図9のように表示するかわりに音声で読上げ名称データ410を顧客に伝えるように構成しても良い。
【0044】
(音声認識処理S504)
次に、端末装置102の専用の音声入力プログラム306が、入力された音声データを、読上げ名称データ410と対応させて音声認識処理を行なう。音声入力プログラム30
6の音声認識処理(S504)が、入力された音声をその読上げ名称データ410の音声であると認識できない場合は、音声入力処理(S503)に戻って、適切な音声を取得するまで音声入力処理(S503)と音声認識処理(S504)を繰り返す。
【0045】
(処理S505)
次に、端末装置102の専用の音声入力プログラム306が、サーバの声紋登録用のアドレスを指定する演算を行う。
(処理506)
次に、専用の音声入力プログラム306のプログラムIDデータ407と、端末装置メールアドレス等の顧客IDデータ402をサーバ101の声紋登録用のアドレスに送信する。
(処理507)
次に、商品の識別符号データ401と音声入力データとをサーバ101に送信する。
【0046】
(サーバの会員登録処理S701)
次に、商品の識別符号データ401と音声入力データを受け取ったサーバ101は、図7のフローチャートの会員登録処理S701以降の処理を行なう。会員登録処理S701は初回会員の音声入力データから会員の声紋データ208を作成する。そして、会員の声紋データ208をデータベース104の記憶手段で記憶する。また、商品の識別符号データ401と顧客IDデータ402と顧客がダウンロードした専用の音声入力プログラム306のプログラムIDデータ407と、会員の声紋データ208のデータベース104の記憶手段内の格納アドレスを記録した会員登録情報207をデータベース104の記憶手段で記憶する。
【0047】
以下に、会員登録に伴う会員サービスの一例としてポイント登録処理を示す。会員サービスはこの処理に限定されず、会員を認証した上で行えるあらゆる会員サービスが可能である。
(サーバのポイント加算処理S702)
サーバが会員登録処理S701を実施した後に、サーバ101のポイント加算処理S702が、ユニーク二次元コードの指定する商品の識別符号データ401に応じた所定のポイント数を、データベース104の会員のポイント数記憶手段の値に加算し、加算結果の値をポイント数記憶手段で記憶する。
【0048】
こうして会員データをデータベース104に記憶して会員登録することができる。この場合、システムによっては顧客に、図8(a)のように氏名データ403や電話番号データ404等の様々な入力データを要請するが、必須なデータでは無い。また、少なくとも会員登録に最低限必要な情報である、メールアドレス等の顧客IDデータ402は、処理S402で最初に端末装置102からサーバ101に送信される電子メールから抽出できるので顧客が直接入力する必要はなく、また、購入された商品の識別符号データ401やプログラムIDデータ407は、その電子メールに添付されて送られる。この会員登録処理では、顧客にID番号やパスワードを入力させずに音声のみで顧客を登録できるので、顧客の処理の負担が少ない効果がある。
【0049】
こうして、顧客が、商品を購入した後に、商品に添付されたユニーク二次元バーコード302を端末装置102で読み取ってその商品の識別符号データ401を得て、それをサーバ101に転送することで、サーバ101の提供する図8(a)の会員登録ページにアクセスできる。そして、その会員登録ページのログインボタン405をクリックして、図8(b)のプログラムダウンロードページに移って音声入力プログラムダウンロードボタン406をクリックして音声入力プログラム306のデータを端末装置102にダウンロードできる。顧客がその音声入力プログラム306を起動させて、端末装置102の表示部303に、図9のような画面で表示された商品名を顧客が読み上げて端末装置102に入力することで端末装置102の記憶手段で顧客の音声を記憶して、その音声のデータをサーバに送信するだけで、端末装置102から会員登録ができる。したがって、図8(a)の会員登録画面において種々の顧客情報を入力したくない、あるいは入力する時間がない等により入力しない顧客がいるとしても、音声入力プログラム306のデータがダウンロードでき、顧客が音声のデータをサーバ101に送信するだけで簡単にサーバ101に会員登録できるので、会員登録率の向上を図ることができる。
【0050】
このようにして、サーバ101はデータベース104上に会員登録情報を作成することができるので、作成された情報をメーカに渡すこともでき、またメーカの委託を受ける等により作成された会員登録情報を管理し、あるいは会員登録情報を活用して顧客に情報を提示したり、警告情報の提供のため、例えばアラームを通知したりすることができる。このように本実施形態では、梱包材301にユニーク二次元バーコード302を印刷することにより、商品の製造とは別に商品を個別に識別する識別符号を付すことができるので、梱包材301を介して商品の管理ができるので、商品を製造したメーカ以外の企業がメーカに替わって、会員登録業務を代行したり、会員登録情報とともに顧客を管理したりすることが容易となる。また、メーカ自身がこのような処理を行う場合でも、識別符号が梱包材301に印刷されているので、顧客の会員登録が格段に容易になり会員登録率を向上させるという効果が期待できる。
【0051】
以下に、会員サービスの一例を示す。会員サービスはこの処理に限定されず、会員を認証した上で行えるあらゆる会員サービスが可能である。
(処理S703)
次に、サーバ101が、図10のような会員専用ページの画面のデータを端末装置102に送信する。
(処理S704)
この画面のデータを受信した端末装置102は、音声入力プログラム306が、図10のような会員専用ページの画面を端末装置102の表示部303に表示する。顧客は、この会員専用ページの画面によって各種の会員ポイント処理の選択ボタンを選択することができる。例えば、端末装置102が、表示部303に、抽選ゲームボタン501、景品交換ボタン502、デジタル景品ボタン503を表示し、これらのボタンを顧客にクリックさせることで選択された会員ポイント処理を指令するデータをサーバ101に送信することができる。サーバ101は、そのデータを受け取ると、選択された会員ポイント処理、例えば、抽選ゲーム方式S705か、ポイント景品方式S706か、デジタル景品方式S707に、サーバ101のポイント処理手順を切り替える。そして、指定された会員ポイント処理の画面データを端末装置102に送信する。なお、端末装置102で、会員専用ページの終了ボタン504がクリックされた場合はポイント処理を終了する。
【0052】
(抽選ゲーム方式)
サーバ101は、顧客が抽選ゲーム方式S705の処理を選択した場合には、先ず、抽選処理S708を行ない、会員のポイント数集計アドレスに記憶されたポイント数を読み出し、その値から抽選に必要なポイント数を引き算した値のポイント数をポイント数集計アドレスに記憶させる。抽選処理S708の結果、顧客が当選した場合、サーバ101から図11のような当選処理画面データを端末装置102に送付する。端末装置102の音声入力プログラム306は、受信した当選処理画面データを表示部303に表示する。そして、顧客に、景品の宛先名データ505と住所データ506を入力させ、景品送付確定ボタン507かデジタル景品ダウンロードボタン508を選択してクリックさせる。それらの何れかのボタンがクリックされた場合は、端末装置102からサーバ101に、その画面で入力したデータを送信する。それにより、サーバ101は、景品送付確定ボタン507が選択されたか、デジタル景品ダウンロードボタン508が選択されたかの状況に応じて、景品送付先登録処理S709かデジタル景品ダウンロード処理S710かの処理を行なう。
【0053】
(ポイント景品交換方式)
サーバ101は、ポイント景品交換方式S706の処理が選択された場合には、図11と同様な画面で、景品の宛先名データ505と住所データ506を入力させる画面のデータを端末装置102に送付し、その画面を端末装置102の表示部303に表示させて、入力されたデータをサーバ101に送信する景品送付先登録処理S711を行なう。そして、サーバ101が、景品の送付先を登録する。
【0054】
(デジタル景品方式)
サーバ101は、デジタル景品方式S707の処理が選択された場合には、デジタル景品ダウンロード処理S712を行ない、図11のようなデジタル景品ダウンロード画面データを端末装置102に送付する。次に、端末装置102の音声入力プログラム306が、表示部303に、デジタル景品ダウンロード処理画面データを表示し、顧客に、デジタル景品ダウンロードボタン508をクリックさせる。デジタル景品ダウンロードボタン508がクリックされた場合は、入力されたデータを端末装置102からサーバ101に送信する。サーバ101は、端末装置102から、デジタル景品のダウンロード指令を受信すると、端末装置102にデジタル景品のデータを送信し、端末装置102がそのデータを受信して記憶する。
【0055】
このように顧客に商品の購入に伴う顧客サービスを提供することができる。この顧客サービスの選択肢は上記の抽選ゲーム方式S705、ポイント景品方式S706、デジタル景品方式S707に限定されず、それ以外の種々のサービスを商品を購入した顧客に提供できる。顧客が提供されるサービスを受ける際に、登録した声紋により、サーバ101が速やかに顧客を認知するので、顧客はサーバ101にアクセスする際に、顧客IDやパスワードを記憶しておいて入力する手間を要さず、速やかにサーバ101に認知されてサービスを受けられる利便性がある効果がある。
【0056】
(2回目以降のポイント登録処理)
2回目以降のポイント登録処理の手順を図6と図7により説明する。
(処理S601)
先ず、端末装置102が、専用の音声入力プログラム306を起動させる。起動された専用の音声入力プログラム306は、先ず、端末装置102からサーバ101に商品名簿データ209を要求するコマンドを送信する。
【0057】
(処理S602)
サーバ101は、端末装置102から商品名簿データ209を要求するコマンドを受信すると、データベース104から商品名簿データ209を読み出して端末装置102に送信する。端末装置102の音声入力プログラム306は、受信した商品名簿データ209を記憶手段に記憶する。
【0058】
(処理S603)
顧客は、専用の音声入力プログラム306によって、購入した商品の梱包材301に印刷されたユニーク二次元バーコード302を読取る。
(処理S604)
読取られたユニーク二次元バーコード302は、専用の音声入力プログラム306によって復号されて商品を一意に識別する商品の識別符号データ401を取得する。専用の音声入力プログラム306は、その識別符号データ401と専用の音声入力プログラム306自身のプログラムIDデータ407をサーバ101に送信する。そのデータを受信したサーバ101は、それらのデータを音声入力データが送られるまで仮登録データとして記憶する。
【0059】
(音声入力処理S605)
次に、音声入力プログラム306は、先にサーバ101から受信して記憶していた商品名簿データ209から、仮登録した商品の識別符号データ401毎に読上げ名称データ410を作成する、あるいは、顧客の声紋登録用に定めた言葉や、顧客の端末装置102がサーバ101にアクセスする毎にサーバ101がランダムに変更して端末装置102に指定する言葉等により読上げ名称データ410を作成する。そして、端末装置102の表示部303に、図9のような、読上げ名称データ410を表示する画面データを表示する。次に、顧客が、その読上げ名称データ410を音声で読み上げて端末装置102に入力し、読み上げ終了ボタン411をクリックすると、端末装置102の専用の音声入力プログラム306が入力した音声を記憶手段に記憶する。なお、端末装置102の専用の音声入力プログラム306は、読上げ名称データ410を表示部303に図9のように表示するかわりに音声で読上げ名称データ410を顧客に伝えるように構成しても良い。
【0060】
(音声認識処理S606)
次に、端末装置102の専用の音声入力プログラム306が、入力された音声データを、読上げ名称データ410と対応させて音声認識処理を行なう。音声入力プログラム306の音声認識処理(S504)が、入力された音声をその読上げ名称データ410の音声であると認識できない場合は、音声入力処理(S503)に戻って、適切な音声を取得するまで音声入力処理(S503)と音声認識処理(S504)を繰り返す。また、仮登録した商品の識別符号データ401毎に、音声入力処理(S605)と音声認識処理(S606)を繰り返してデータを登録しても良いが、一回の音声入力処理(S605)と音声認識処理(S606)で、仮登録した商品全部を一括して登録することも可能である。
【0061】
(処理S607)
次に、端末装置102の専用の音声入力プログラム306が、サーバの声紋登録用のアドレスを指定する演算を行う。
(処理608)
次に、専用の音声入力プログラム306のプログラムIDデータ407と、商品の識別符号データ401とをサーバの声紋登録用のアドレスに送信する。
(処理609)
次に、商品の識別符号データ401と音声入力データとをサーバ101に送信する。
【0062】
(サーバの会員の音声の声紋判定処理S720)
次に、商品の識別符号データ401と音声入力データを受け取ったサーバ101は、図7のフローチャートの会員の音声の声紋判定処理S720以降の処理を行なう。会員の音声の声紋判定処理S720は、入力した商品の音声の声紋を抽出する。一方、データベース104の記憶手段で記憶手段が記憶していた会員の声紋データ208を読み出し、入力した商品の音声の声紋と照合する。両者が一致した商品について、ポイント加算処理S702を行なう。声紋が一致しなかった商品については、顧客に声紋が一致しなかった旨を通知し、処理の流れを顧客の端末装置102の処理S605以降の処理に戻す。
【0063】
(第2実施形態)
本実施形態では、基本的に上述の第1実施形態と同様のシステム、モジュール構成を使用するが、流通経路(あるいは販売経路)上の販売店103でもユニーク二次元バーコード302を読取って、そのデータをサーバ101に送信することにより、顧客情報に流通経路情報を含める点で第1実施形態と相違する。すなわち、第1実施形態では、商品を購入した顧客の情報のみが登録または管理の対象であるが、本実施形態ではこれに加えて、
流通経路上の各ノード、典型的には販売店の情報も対象とするものである。このように流通経路の各ノードで情報を取得することにより、上述の第1実施形態の効果に加え種々の商品管理上の効果を得ることができる。例えば、対象となる商品について偽造品あるいは海賊品などが発見された場合、図3(b)に示すように、会員登録情報207に、店舗コードデータ408の欄と、チェック結果データ409欄を設け、そのチェック欄に格納しておくことにより、実際に顧客が購入して会員登録した際に、例えばアラーム通知等で警告情報を提供することもできる。
【0064】
本実施形態は、流通経路上のノードとして1つの販売店を経由して販売、すなわちメーカから直接販売店が商品を仕入れ顧客に販売する流通経路に限られることなく、種々の形態の流通経路でも使用することができる。流通経路上の全てのノードでユニーク二次元バーコード302を取得することもできるし、いくつか選択されたノードのみで取得することもできる。また、本実施形態では販売店端末103で取得した情報も、会員登録情報207において顧客側で取得した情報とともに管理されるが、これに限られず会員登録情報207とは別個の図示しない流通経路用の登録情報を使用することもできる。なお、サーバ101のデータベース104の記憶する会員登録情報207で流通経路上で取得した情報を管理する場合、以下のように、会員登録情報207に順次にデータが加えられる。最初にサーバ101に商品情報を送信するのは、顧客ではなく流通経路上のいずれかのノードとなるため、最初の会員登録情報207の登録の際には、顧客情報が無いままに会員登録情報207が登録される。そこで登録された会員登録情報207は、該当する商品を顧客が購入して、顧客の端末装置102からサーバ101に顧客情報が送信されたときに、サーバ101のデータベース104の会員登録情報207の登録が完了することとなる。もちろん、流通経路の記録のために会員登録情報207とは別の情報をデータベース104に格納する場合は、その別の情報は、商品の識別符号データ401にひも付けてデータベース104で記憶するようにする必要がある。
【0065】
本実施形態では、まず、販売店が商品を入荷すると、販売店端末103においてユニーク二次元バーコード302を読取り(処理(1))、サーバ101に送信する(処理(2))。読取り方法や送信方法は、通常は、販売店端末103が備える専用スキャナを用いてユニーク二次元バーコード302を読取り、専用の二次元バーコード読取プログラム305で解析したり、専用の業務用アプリケーションソフトウェアを使用してデータ送信したりすることで行ない、具体的なアプリケーションソフトウェアの実装(インストール)は本技術分野で知られたいずれの方法でも行うことができる。
【0066】
サーバ101にて識別情報を受信したときに、未登録の場合は受信した識別情報に対応する商品の会員登録情報207を生成して、販売店端末103から送信された店舗コードを格納する(処理(3))。ここで、店舗コードはメーカの出荷先として通常は予め登録されているものであり、送信元のメールアドレスから検索して取得することもできる。ただし、このような状態において、顧客が商品を購入すると(処理(4))、上述の第1実施形態と同様の処理により、ユニーク二次元バーコード302の読取(処理(5)、送信および登録処理(処理(6))が行われる。
【0067】
本実施形態の会員登録情報207は、付加情報を設定できるエリアを有しており、流通経路にかかわる種々の情報を格納しておき、顧客に通知したり、販売店の管理に使用したりといった様々な用途に用いることができる。例えば上述したように、偽造品を扱っている販売店の場合は、顧客に警告情報としてアラームを発することが可能であるが、このアラームは偽造品の可能性が高いといった直接的なものではなく、さらに販売店の状況を把握するために顧客を誘導するものとすることができる。また、統計的にどの地域が偽造品の流通が多いかなどを調査するための下資料とすることもでき、効率的な販売店の巡回が可能となる。
【0068】
(第3実施形態)
本実施形態は、上述の第2実施形態と同じく、基本的には第1実施形態と同様のシステム、モジュールを用いるが、顧客から得た情報をもとに偽造品あるいは海賊品の真偽を判定するものである。すなわち、梱包材301にユニーク二次元バーコード302自体がない場合は、偽造などであると判断できるが、ユニーク二次元バーコード302が印刷されていても必ずしも真性品と判断することはできず、例えば梱包材301自体をコピーした偽造品の可能性がある。
【0069】
そこで、本実施形態では、顧客が商品を購入してユニーク二次元バーコード302をサーバ101に登録する際、正規に出荷した商品の識別符号データ401であるか否かを判定する。具体的は、上述の通り会員登録情報207には出荷時あるいは購入までの任意のタイミングで出荷済みの正規の商品の識別符号データ401が全て登録されているから、購入時に読取った識別符号がデータベース104の会員登録情報207に存在しない場合は、偽造品等であると判定することができる。
【0070】
さらに、該当する識別符号が存在しても、そのユニーク二次元バーコード302がいずれかの顧客で登録済みの場合は、ユニーク二次元バーコード302は一意であるからいずれかの商品が偽造である可能性が高いと判断する。購入時期の差によっても異なるが、通常は、後に購入された商品が偽造である可能性が高いのでその旨顧客に警告情報としてアラームを出すことができる。あるいは、さらに重複登録となったいずれかの顧客の購入した商品の真偽を判断できる論理を適用して、真偽を判定することもできる。
【0071】
この真偽判定法は、上述の第2実施形態で扱った販売店などの流通経路上の任意のノードについても使用することができる。例えば、販売店が登録しようとする際に、上記のように識別符号が登録されているか否か、販売店や顧客が既に登録されているか否かを確認することによって、真偽を判定することができる。
【0072】
図12は、本実施形態で購入した商品の真偽判定を行った結果を端末装置102の表示部303に表示する例を示す図である。図12に示すように、真偽の判定結果とともに購入先の販売店を示す購入店番号を表示することもできる。本実施形態では、梱包材301の表面にユニーク二次元バーコード302を印刷していることから、このような真偽の判定が可能となり、顧客は、偽造でないことを確認して商品を購入することができるのである。また、販売店でこのようなことができない場合でも、少なくとも購入後開梱せずに真偽を確認できるので、返品も容易で被害を最小限にとどめることができる。
【0073】
以上、本発明を実際のシステムに適用した場合の例をいくつか説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限られることなく、種々の変形例も含まれることは当業者であれば理解することができる。
【符号の説明】
【0074】
101・・・サーバ
102・・・端末装置
103・・・販売店端末
104・・・データベース
105・・・通信ネットワーク
201・・・識別情報生成部
202・・・識別情報印刷部
203・・・データベース管理部
204・・・情報送受信部
205・・・商品情報
206・・・偽造情報
207・・・会員登録情報
208・・・会員の声紋データ
209・・・商品名簿データ
210・・・印刷システム
301・・・梱包材
302・・・ユニーク二次元バーコード
303・・・表示部
304・・・二次元画像読取手段
305・・・二次元バーコード読み取りプログラム
306・・・音声入力プログラム
401・・・商品の識別符号データ
402・・・顧客ID情報
403・・・氏名データ
404・・・電話番号データ
405・・・ログインボタン
406・・・音声入力プログラムダウンロードボタン
407・・・プログラムIDデータ
408・・・店舗コードデータ
409・・・チェック結果データ
410・・・商品名のデータ
411・・・読み上げ終了ボタン
501・・・抽選ゲームボタン
502・・・景品交換ボタン
503・・・デジタル景品ボタン
504・・・会員専用ページの終了ボタン
505・・・宛先名データ
506・・・住所データ
507・・・景品送付確定ボタン
508・・・デジタル景品ダウンロードボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造された個々の商品を識別する識別情報を生成する識別情報生成手段と、前記商品を梱包したときに前記商品の梱包部材の外部表面となる所定の位置に前記生成された識別情報を提示させる識別情報提示手段と、前記生成された識別情報と顧客の声紋データをデータベースに格納するデータベース管理手段とを含むサーバと、
商品を梱包した前記梱包部材の表面の識別情報を読み取る識別情報読取手段と、顧客の音声データを入力する音声入力手段と、前記識別情報と顧客の音声データとを前記サーバに通信ネットワークを介して送信する識別情報送信手段とを含む端末装置とを備え、
前記端末装置の識別情報読取手段が、前記識別情報提示手段から前記識別情報を読み取り、
前記音声入力手段が顧客に読上げ名称データを通知して顧客に音声データを入力させ、
前記端末装置が前記音声データと前記識別情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバが前記音声データから顧客の声紋データを抽出し前記データベースに格納し、前記サーバが前記声紋データにより顧客を認知して顧客にサービスを提供することを特徴とする商品管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の商品管理システムにおいて、前記識別情報は、前記商品ごとに設定された一意の情報が前記梱包材に印刷された二次元バーコードであり、前記識別情報読取手段が二次元画像読取手段であることを特徴とする商品管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の商品管理システムにおいて、前記識別情報は、前記商品ごとの流通先情報を含むことを特徴とする商品管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の商品管理システムにおいて、前記サーバは、前記端末装置に前記音声入力手段のプログラムのデータを送信して前記端末装置にインストールさせることを特徴とする商品管理システム。
【請求項5】
サーバによって、製造された個々の商品を識別する識別情報を生成し、前記商品を梱包したときに前記商品の梱包部材の外部表面となる所定の位置に前記生成された識別情報を提示させ、および前記生成された識別情報と顧客の声紋データをデータベースに格納するサーバ側処理ステップと、
端末装置によって、識別情報読取手段により商品を梱包した前記梱包部材の表面の識別情報を読み取り、音声入力手段により顧客に読上げ名称データを通知して顧客に音声データを入力させ、当該識別情報と顧客の音声データとを前記サーバに通信ネットワークを介して送信するステップと、
前記サーバによって、前記音声データから顧客の声紋データを抽出し前記データベースに格納するステップと、
前記声紋データにより顧客を認知して顧客にサービスを提供するステップと
を備えたことを特徴とする商品管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の商品管理方法において、前記識別情報は、前記商品ごとに設定された一意の情報が前記梱包材に印刷された二次元バーコードであり、前記識別情報読取手段が二次元画像読取手段であることを特徴とする商品管理方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の商品管理方法において、前記識別情報は、前記商品ごとの流通先情報を含むことを特徴とする商品管理方法。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れか一項に記載の商品管理方法において、前記サーバは、前記端末装置に前記音声入力手段のプログラムのデータを送信して前記端末装置にインストールさ
せることを特徴とする商品管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−28695(P2011−28695A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176590(P2009−176590)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】