説明

噴霧剤としてTG227EA又はTG134Aを含有するエアロゾル懸濁製剤

本発明は、化学的に結合している水を含む少なくとも1種の懸濁活性成分と、水と、噴霧剤TG 227又はTG 134 aとを含有する噴霧製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、計量用量エアロゾル用加圧ガス製剤であって、医薬組成物が噴霧剤としてのTG 277 ea(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)又はTG 134 a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)中の懸濁液として処方されている製剤、及びその医薬組成物を調製するための使用に関する。本発明は、好ましくは吸入用エアロゾルに関する。
【0002】
〔先行技術〕
特定のクロロフルオロカーボンのオゾン損傷の可能性に関する社会的な議論以来、医薬的な計量用量エアロゾル用の代替噴霧剤の分野に仕事が集中している。1990年代初期以来エアロゾル用代替噴霧ガスとして噴霧ガスTG 227 ea又はTG 134 aを使用しうることは知られている。
驚くべきことに、今や、活性物質の懸濁粒子と、噴霧剤としてTG 227 ea又はTG 134 aを有する噴霧ガス製剤は、該噴霧ガス又は噴霧ガス混合物が特定量の水を含む場合、安定化しうることが分かった。
【0003】
〔発明の詳細な説明〕
本発明の噴霧製剤では、TG 227 ea及び/又はTG 134 aを噴霧ガスとして使用し、任意に1種以上の他の噴霧ガスとの混合物として用いてよく、他の噴霧ガスは、好ましくはプロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、CHClF2、CH2F2、CF3CH3、イソブタン、イソペンタン及びネオペンタンの中から選択される。
本発明の好ましい懸濁液は、噴霧ガスとしてTG 227 eaのみ又はTG 134 aのみを含有するものである。
噴霧ガスTG 227 ea及びTG 134 aの混合物を本発明の懸濁製剤に使用する場合、この2種の噴霧ガス成分を使用しうる質量比は自由に変えられるが、TG 227 eaは存在しなければならない。
プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、CHClF2、CH2F2、CF3CH3、イソブタン、イソペンタン及びネオペンタンの中から選択される1種以上の他の噴霧ガスとの混合物では、この他の噴霧ガス成分の割合は、好ましくは60%未満、好ましくは40%未満、最も好ましくは30%未満である。
使用する活性物質は、好ましくはその粒子構造に1つ以上の水分子を組み入れ、又は結びつける活性物質である。水は、活性物質の粒子と物理的に混ざっているだけではない。好ましくは、活性物質の粒子は結晶であり、前記水は、結晶化の水又は錯体結合水であり、或いは別の様式で化学的に結合している、例えば水和物の水である。この形態の水の組み入れは、以後、化学的に結合している水とも称する。この場合、水は、一般的に活性物質分子の結晶構造にも影響を及ぼす。
吸入により効果的な化合物を使用することが好ましく、結果として、本発明の懸濁製剤は、好ましくは吸入用を意図する。
この文脈で特に好ましくは、抗コリン作用薬、ベータミメティック(betamimetic)、ステロイド、ホスホジエステラーゼIVインヒビター、LTD4-アンタゴニスト及びEGFR-キナーゼインヒビター、抗アレルギー薬、麦角アルカロイド誘導体、トリプタン(triptane)、CGRPアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ-Vインヒビター、及びこの種の活性物質の組合せ、例えばベータミメティック+抗コリン作用薬又はベータミメティック+抗アレルギー薬の中から選択される医薬組成物である。組合せの場合、少なくとも1種の活性物質は化学的に結合している水を含有する。抗コリン作用薬含有活性物質は、好ましくは単製剤又は混合製剤の形態として用いられる。
【0004】
以下は、活性成分又はその塩の具体例である。
使用する抗コリン作用薬は、好ましくはチオトロピウムブロミド、オキシトロピウムブロミド、フルトロピウムブロミド、イプラトロピウムブロミド、グリコピロニウム塩、トロスピウムクロリド、トルテロジン、トロペノール(tropenol)2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン(scopine)2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン2-フルオロ-2,2-ジフェニルアセテート-メトブロミド、トロペノール2-フルオロ-2,2-ジフェニルアセテート-メトブロミド、トロペノール3,3',4,4'-テトラフルオロベンジラートメトブロミド、スコピン3,3',4,4'-テトラフルオロベンジラートメトブロミド、トロペノール4,4'-ジフルオロベンジラートメトブロミド、スコピン4,4'-ジフルオロベンジラートメトブロミド、トロペノール3,3'-ジフルオロベンジラートメトブロミド、スコピン3,3'-ジフルオロベンジラートメトブロミド、トロペノール9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-フルオロ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-フルオロ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-メチル-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-メチル-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピンベンジラートメトブロミド、2,2-ジフェニルプロピオネートシクロプロピルトロピンメトブロミド、シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9-メチル-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9-メチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、メチルシクロプロピルトロピン4,4'-ジフルオロベンジラートメトブロミド、トロペノール9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレート メトブロミド、トロペノール9-メチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-メチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-エチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-ジフルオロメチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド及びスコピン9-ヒドロキシメチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド(任意にそのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形態でよく、並びに任意にその溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)の中から選択される。
【0005】
使用しうるベータミメティックは、好ましくはアルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール(reproterol)、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール、ソテレノット(soterenot)、スルホンテロール(sulphonterol)、チアラミド、テルブタリン、トルブテロール(tolubuterol)、CHF-1035、HOKU-81、KUL-1248、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン、1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール、5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンゾキサジン-3-(4H)-オン、1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-tert.-ブチルアミノ)エタノール及び1-(4-エトキシカルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(tert.-ブチルアミノ)エタノール(任意にそのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形態並びに任意にその薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)の中から選択される。
【0006】
使用しうるステロイドは、好ましくはプレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコルトプロピオネート(butixocortpropionate)、RPR-106541、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、ST-126、デキサメタゾン、(S)-フルオロメチル6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチーネート(carbothionate)、(S)-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチーネート及びエチプレドノール(etiprednol)-ジクロロアセテート(BNP-166)(任意にそのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形態並びに任意にその塩及び誘導体、その溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)の中から選択される。
【0007】
使用しうるPDE IVインヒビターは、好ましくはエンプロフィリン(enprofyllin)、テオフォリン(theophyllin)、ロフルミラスト、アリフロ(ariflo)(シロミラスト(cilomilast))、CP-325,366、BY343、D-4396(Sch-351591)、AWD-12-281(GW-842470)、N-(3,5-ジクロロ-1-オキソ-ピリジン-4-イル)-4-ジフルオロメトキシ-3-シクロプロピルメトキシベンズアミド、NCS-613、プマフェンチン(pumafentine)、(-)p-[(4aR*,10bS*)-9-エトキシ-1,2,3,4,4a,10b-ヘキサヒドロ-8-メトキシ-2-メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン-6-イル]-N,N-ジイソプロピルベンズアミド、(R)-(+)-1-(4-ブロモベンジル)-4-[(3-シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-ピロリドン、3-(シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-1-(4-N'-[N-2-シアノ-S-メチル-イソチオウレイド]ベンジル)-2-ピロリドン、シス[4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸]、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン、シス[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]、(R)-(+)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート、(S)-(-)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート、CDP840、Bay-198004、D-4418、PD-168787、T-440、T-2585、アロフィリン(arofyllin)、アチゾラム、V-11294A、Cl-1018、CDC-801、CDC-3052、D-22888、YM-58997、Z-15370、9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(2-チエニル)-9H-ピラゾロ[3,4-c]-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジン及び9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(tert-ブチル)-9H-ピラゾロ[3,4-c]-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジン(任意にそのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形態並びに任意にその薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)の中から選択される。
【0008】
使用しうるLTD4-アンタゴニストは、好ましくはモンテルカスト、1-(((R)-(3-(2-(6,7-ジフルオロ-2-キノリニル)エテニル)フェニル)-3-(2-(2- ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン-酢酸、1-(((1(R)-3(3-(2-(2,3-ジクロロチエノ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-(E)-エテニル)フェニル)-3-(2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)-メチル)シクロプロパン-酢酸、プランルカスト、ザフィルルカスト、[2-[[2-(4-tert-ブチル-2-チアゾリル)-5-ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸、MCC-847(ZD-3523)、MN-001、MEN-91507(LM-1507)、VUF-5078、VUF-K-8707及びL-733321(任意にそのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形態、任意にその薬理学的に許容しうる酸付加塩の形態並びに任意にその塩及び誘導体、その溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)の中から選択される。
【0009】
使用しうるEGFR-キナーゼインヒビターは、好ましくはセツキシマブ、トラスツズマブ、ABX-EGF、Mab ICR-62、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(モルフォリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-(モルフォリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルフォリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-((S)-6-メチル-2-オキソ-モルフォリン-4-イル)-エトキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-({4-[N-(テトラヒドロピラン-4-イル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(R)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6,7-ビス-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-(4-ヒドロキシ-フェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、3-シアノ-4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-エトキシ-キノリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルフォリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(モルフォリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-{[4-(5,5-ジメチル-2-オキソ-モルフォリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{2-[4-(2-オキソ-モルフォリン-4-イル)-ピペリジン-1-イル]-エトキシ}-7-メトキシ-キナゾリン, 4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-アミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-メタンスルホニルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-3-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(モルフォリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(ピペリジン-3-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[1-(2-アセチルアミノ-エチル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-エトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(モルフォリン-4-イル)カルボニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(ピペリジン-1-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(モルフォリン-4-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-エタンスルホニルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[1-(2-メトキシ-アセチル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(ピペリジン-1-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{シス-4-[(モルフォリン-4-イル)カルボニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-アセチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-{1-[(モルフォリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(N-メチル-N-2-メトキシエチル-アミノ)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-エチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[シス-4-(N-メタンスルホニル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[シス-4-(N-アセチル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-メチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[トランス-4-(N-メタンスルホニル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-ジメチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-{N-[(モルフォリン-4-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルフォリン-4-イル)-エトキシ]-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-シアノ-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン、及び4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(2-メトキシエチル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン(任意にそのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形態、任意にその薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態でよい)の中から選択される。
【0010】
本化合物が形成可能な、薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロメタンスルホン酸塩、ヒドロ硝酸塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロ酢酸塩、ヒドロ安息香酸塩、ヒドロクエン酸塩、ヒドロフマル酸塩、ヒドロ酒石酸塩、ヒドロシュウ酸塩、ヒドロコハク酸塩、ヒドロ安息香酸塩及びヒドロ-p-トルエンスルホン酸塩の中から選択される塩の意であり、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロ硫酸塩、ヒドロリン酸塩、ヒドロフマル酸塩及びヒドロメタンスルホン酸塩である。
【0011】
抗アレルギー薬の例は、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルである。
麦角アルカロイドの例は、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミンである。
吸入に適した物質の例として、上記活性物質、及びその塩とエステル、並びにこれら活性物質の組合せ、その塩とエステルを含有する医薬組成物が挙げられる。
完成製剤中の懸濁薬物の割合は、0.001〜5%、好ましくは0.005〜3%、特に0.01〜2%である。0.01〜10%、好ましくは0.05〜5%、特に0.05〜3%の量で表面活性物質が添加される(%=質量%)。
イプラトロピウムブロミド一水和物の場合、本発明の懸濁液は、好ましくは0.001〜1%、特に0.005〜0.5%のイプラトロピウムを含有する。本発明の特に好ましい懸濁液は0.01〜0.1%のイプラトロピウムを含む懸濁液である。
サルブタモール及びその塩の場合、本発明の懸濁液は、好ましくは0.005〜5%、特に0.025〜2.5%のサルブタモールを含有する。本発明の特に好ましい懸濁液は0.05〜1%サルブタモールを含む懸濁液である。
チオトロピウムブロミド一水和物の場合、本発明の懸濁液は、好ましくは0.001〜1%、特に0.0012〜0.8%のチオトロピウムを含有する。本発明の好ましい懸濁液は0.002〜0.5%、特に好ましくは0.008〜0.4%のチオトロピウムを含む懸濁液である。
活性物質、例えば、チオトロピウム又はイプラトロピウムはすべて、それぞれそのフリーなアンモニウムカチオンを意味する。本発明の噴霧ガス懸濁液は、チオトロピウム又はイプラトロピウムを結晶性一水和物の形態で含むことを特徴とする。従って、本発明は、好ましくは結晶性チオトロピウムブロミド一水和物又はイプラトロピウムブロミド一水和物を含有する懸濁液に関する。チオトロピウムブロミド一水和物懸濁液については0.001〜0.62%、特に好ましくは0.002〜0.5、最も特に好ましくは0.002〜0.06の結晶性チオトロピウムブロミド一水和物を含む懸濁液が特に有利である。
【0012】
本発明の範囲内で特定されるパーセンテージ量は、通常質量%である。チオトロピウムの質量による量を質量%で表す場合、本発明の範囲内で好ましく使用される結晶性チオトロピウムブロミド一水和物について対応する値は、換算係数1.2495を乗じることによって得られる。同じことをイプラトロピウムに適用する。
無水噴霧ガスを使用する場合、本発明では該噴霧ガスに小量の水を添加する。しかし、本発明によれば、水含有噴霧ガスを使用することも可能であり、使用時に特有の含水量でなければならない。この添加され、又は完成懸濁製剤中に存在する水は、活性物質又は賦形剤の1つに化学的に結合している水とは異なる。本発明の範囲内では、この化学的に結合していない水をフリーな水とも称して、活性物質に分子的又は化学的に結合している水と区別する。
含水量が少なすぎると、活性物質の懸濁粒子が変化することが分かった。一方、含水量が多すぎると粒子サイズが変化することが分かった。各物質について個々に最適な含水量を決定することができる。噴霧ガスTG 227 ea中、又はTG 227 eaと、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、CHClF2、CH2F2、CF3CH3、イソブタン、イソペンタン及びネオペンタンの中から選択される噴霧ガスとの混合物中の水の好ましい量は、一般的に10〜1000ppm、特に好ましくは50〜500ppmであり、最も特に好ましくは水の量は100〜450ppmであることが分かった。
イプラトロピウムブロミド一水和物と噴霧ガスTG 227 eaを含有する製剤の場合、該製剤の最も好ましい含水量は20〜500ppmであり、含水量は特に50〜350ppmである。
チオトロピウムブロミド一水和物の場合、好ましい含水量は、イプラトロピウムブロミド一水和物の含水量と似通っている。最も好ましい範囲は50〜230ppmである。
噴霧ガスTG 134 a中又はTG 134 aと、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、CHClF2、CH2F2、CF3CH3、イソブタン、イソペンタン及びネオペンタンの群から選択される噴霧ガスとの混合物中の水の好ましい量は30〜4000ppm、特に好ましくは150〜2000ppm、最も特に好ましくは350〜1700ppmであることも分かった。
イプラトロピウム一水和物と噴霧ガスTG 134 aを含有する製剤の場合、該製剤の最も好ましい含水量は70〜1800ppmであり、特に、含水量は180〜1300ppmである。
チオトロピウム一水和物の場合、好ましい含水量はイプラトロピウムブロミドの場合と同様である。最も好ましい範囲は180〜900ppmである。
噴霧ガスTG 134 aとTG 227 eaの混合物を使用する場合、好ましい含水量は、この2つの噴霧ガスの混合比から得られる。
【0013】
本発明では、噴霧ガス、噴霧ガス混合物又は製剤が、活性物質に化学的に結合している水以外に如何なる水(フリーな水)も含有しない場合、該噴霧ガス又は完成エアロゾル製剤に上述した量の水を添加する。このプロセスでは、医薬懸濁液を調製する前に噴霧ガスに水を予め添加していてもよく、或いは、まず無水の噴霧ガス又は噴霧ガス混合物で医薬懸濁液を調製してから、相当する量の水を添加してもよい。
ppmで与えられる量は、基準量として液化噴霧剤に基づく。
【0014】
本発明の範囲内では、用語“懸濁製剤”を用語“懸濁液”の代わりに使用しうる。この2つの用語は、本発明の範囲内では同等とみなすものとする。
本発明の噴霧剤含有吸入用エアロゾル又は懸濁製剤は、表面活性物質(界面活性剤)、アジュバント、抗酸化剤又は香料のような他の成分を含んでもよい。
本発明の懸濁液中に任意に存在してよい表面活性物質(界面活性剤)は、好ましくは、Polysorbate 20、Polysorbate 80、Myvacet 9-45、Myvacet 9-08、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、Brij、オレイン酸エチル、グリセリルトリオレエート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノリシノレート、セチルアルコール、オレイルオレエート、ステリルアルコール、セチルピリジニウムクロリド、ブロックポリマー、天然油、エタノール及びイソプロパノールから成る群より選択される。
本発明の懸濁液が界面活性剤を含む場合、好ましくは0.0005〜1%、特に好ましくは0.005〜0.5%の量で使用する。
本発明の懸濁液に任意に含まれるアジュバントは、好ましくはアラニン、アルブミン、アスコルビン酸、アスパルテーム、ベタイン、システイン、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸及びクエン酸から成る群より選択される。アスコルビン酸、リン酸、塩酸又はクエン酸が好ましく使用されるが、塩酸又はクエン酸が最も好ましく用いられる。
本発明の懸濁液にアジュバントが存在する場合、好ましくは0.0001〜1.0%、特に0.0005〜0.1%、特に好ましくは0.001〜0.01%の量で使用されるが、本発明では、0.001〜0.005%の量が特に重要である。
本発明の懸濁液に任意に含まれる抗酸化剤は、好ましくはアスコルビン酸、クエン酸、エデト酸ナトリウム、エデト酸(editic acid)、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール及びアスコルビン酸パルミテートから成る群より選択されるが、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール又はアスコルビン酸パルミテートが好ましく使用される。
本発明の懸濁液に任意に含まれる香料は、好ましくはペパーミント、サッカリド、Dentomint(登録商標)、アスパルテーム及び精油(例えばシナモン、アニス、メントール、樟脳)から成る群より選択され、ペパーミント又はDentomint(登録商標)が特に好ましい。
【0015】
吸入による投与のため、微細形態で活性物質を提供することが必須である。この目的のため、粉砕(微粉化)又は先行技術で公知の他の方法(例えば、沈殿、噴霧乾燥)のいずれかによって微細形態の活性物質を得る。活性物質を微粉化する方法は技術的に公知である。好ましくは、微粉化後、活性物質は0.5〜10μm、好ましくは1〜6μm、特に好ましくは1.5〜5μmの平均粒径を有する。好ましくは、活性物質の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、特に好ましくは少なくとも70%の粒子は、上述したサイズ範囲内である粒径を有する。活性物質の特に好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の粒子が上記サイズ範囲内である粒径を有する。
【0016】
驚くべきことに、上記噴霧ガス以外に、活性物質又は複数の活性物質だけを含み、他の添加剤を含まない懸濁液も調製しうることが分かった。従って、別の局面では、本発明は、活性物質又は複数の活性物質だけを含み、他の添加剤を含まない懸濁液に関する。
技術的に公知の方法を利用して本発明の懸濁液を調製することができる。このため、製剤の成分を噴霧ガス又は複数の噴霧ガスと混合し(任意に低温でよい)、適切な容器に詰める。
技術的に公知の吸入器を用いて本発明の上記噴霧剤含有懸濁液を投与することができる(pMDI=加圧計量用量吸入器(pressurized metered dose inhaler))。従って、別の局面では、本発明は、前述したような懸濁液を投与するために適した1種以上の吸入器と組み合わせた、前記懸濁液の形態の医薬組成物に関する。さらに、本発明は、前述した本発明の噴霧含有懸濁液を含むことを特徴とする吸入器に関する。
本発明は、使用前に含水量について調整される適切なバルブを備えた容器(例えば、カートリッジ)にも関する。この容器は適切な吸入器で使用され、上述した1種の本発明の噴霧剤含有懸濁液を含む。適切な容器(例えば、カートリッジ)及びこのカートリッジを本発明の噴霧剤含有懸濁液と共に詰める方法は技術的に公知である。
【0017】
抗コリン作用薬の医薬活性に照らして、本発明は、吸入又は鼻投与用医薬組成物の調製のため、好ましくは抗コリン作用薬が治療利益を発現させる疾患の吸入又は鼻治療用医薬組成物を調製するための本発明の懸濁液の使用にも関する。
特に好ましくは、本発明は、呼吸器の病気、好ましくは喘息又はCOPD、粘液粘稠症(mucoviscidosis)、嚢胞性線維症;及び全身の病気、例えば疼痛、偏頭痛、高血圧、勃起障害の吸入治療用医薬組成物を調製するための本発明の懸濁液の使用にも関する。
以下の実施例は、例として本発明をさらに詳細に説明するために役立つが、その内容に本発明を限定するものではない。
【0018】
〔製剤の実施例〕
1.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.03wt.%
- フェノテロールヒドロブロミド 0.07wt.%
- Myvacet型9-08(アセチル化モノグリセリド) 0.4wt.%
- TG 227ea 99.5wt.%
合計 100wt.%(15.9g)
2.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.03wt.%
- フェノテロールヒドロブロミド 0.07wt.%
- ミリスチン酸イソプロピル 0.4wt.%
- TG 227ea 99.5wt.%
合計 100wt.%(15.9g)
【0019】
3.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.03wt.%
- フェノテロールヒドロブロミド 0.07wt.%
- Tween 20 0.4wt.%
- TG 227ea 99.5wt.%
合計 100wt.%(15.9g)
4.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.03wt.%
- フェノテロールヒドロブロミド 0.07wt.%
- Tween 80 0.4wt.%
- TG 227ea 99.5wt.%
合計 100wt.%(15.9g)
5.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.03wt.%
- フェノテロールヒドロブロミド 0.07wt.%
- ミリスチン酸イソプロピル 10.00wt.%
- TG 227ea 89.90wt.%
合計 100wt.%(15.9g)
【0020】
6.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.03wt.%
- フェノテロールヒドロブロミド 0.07wt.%
- ミリスチン酸イソプロピル 10.00wt.%
- 大豆レシチン(Soyalecithin) 0.004wt.%
- TG 227ea 89.9wt.%
合計 100wt.%(15.9g)
7.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.03wt.%
- サルブタモールサルフェート 0.19wt.%
- Tween 20 0.4wt.%
- TG 227ea 99.38wt.%
合計 100wt.%(15.9g)
8.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.03 wt.%
- サルブタモールサルフェート 0.19wt.%
- TG 227ea 99.78wt.%
合計 100wt.%(15.9g)
製剤例1〜8は、好ましくは50〜300ppmの水を含む。
9.
- イプラトロピウムブロミド一水和物 0.04wt.%
- サルブタモールサルフェート 0.21wt.%
- TG 134a 99.75wt.%
合計 100wt.%(14.8g)
製剤例9は、200〜1000ppmの水を含有しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学的に結合している水を有する活性物質の粒子と、少なくとも85wt.%の噴霧ガス又は噴霧ガス混合物(TG 227 ea及び/又はTG 134 aを有し、或いはプロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、CHClF2、CH2F2、CF3CH3、イソブタン、イソペンタン及びネオペンタンの中から選択される少なくとも1種の他の噴霧ガスとの混合物として)とを含有する噴霧剤含有エアロゾル懸濁液であって、前記活性物質に化学的に結合している水とは別に、追加のフリーな水を含有することを特徴とする前記噴霧剤含有エアロゾル懸濁液。
【請求項2】
前記水を結晶化、水和物又は錯体の水として結びつける、活性物質の結晶粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項3】
前記活性物質が、ベータミメティック、抗コリン作用薬、ステロイド、抗アレルギー薬、麦角アルカロイドの誘導体、トリプタン、CGRP-アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ-Vインヒビター、ホスホジエステラーゼ-IVインヒビター、LTD4-アンタゴニスト、EGFR-キナーゼインヒビター、及び該活性物質の組合せの中から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項4】
活性物質として抗コリン作用薬、好ましくはイプラトロピウム塩又はチオトロピウム塩、さらに好ましくはイプラトロピウムブロミド又はチオトロピウムブロミド、特に好ましくはイプラトロピウムブロミド一水和物又はチオトロピウムブロミド一水和物を含むことを特徴とする請求項3に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項5】
前記活性物質の量が0.001〜5%、好ましくは0.002〜3%、特に0.002〜2%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項6】
前記噴霧ガス227 ea又はこの噴霧ガスとの混合物については、水の量が10〜1000ppm、特に好ましくは50〜500ppm、最も特に好ましくは100〜450ppmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項7】
前記噴霧ガス134 a又はこの噴霧ガスとの混合物については、水の量が30〜4000ppm、特に好ましくは150〜2000ppm、最も特に好ましくは350〜1700ppmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項8】
さらなる成分として表面活性物質(界面活性剤)、アジュバント、抗酸化剤及び/又は香料を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項9】
表面活性物質(界面活性剤)として、Polysorbate 20、Polysorbate 80、Myvacet 9-45、Myvacet 9-08、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、Brij、オレイン酸エチル、グリセリルトリオレエート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノリシノレート、セチルアルコール、オレイルオレエート、ステリルアルコール、セチルピリジニウムクロリド、ブロックポリマー、天然油、エタノール及びイソプロパノールの中から選択される1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項10】
アジュバントとして、アラニン、アルブミン、アスコルビン酸、アスパルテーム、ベタイン、システイン、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸及びクエン酸の中から選択される1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項11】
抗酸化剤として、アスコルビン酸、クエン酸、エデト酸ナトリウム、エデト酸(editic acid)、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール及びアスコルビン酸パルミテートの中から選択される1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項12】
前記活性物質、水及び噴霧ガス以外には、他の成分を何も含まないことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液。
【請求項13】
医薬組成物を調製するため、好ましくは抗コリン作用薬が治療利益を与えうる疾患の吸入又は場合によっては鼻経路による治療用医薬組成を調製するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液の使用。
【請求項14】
前記疾患が呼吸器の病気、好ましくは喘息、COPD、粘液粘稠症又は嚢胞性線維症であることを特徴とする請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記疾患が全身の病気、好ましくは疼痛、偏頭痛、高血圧又は勃起障害であることを特徴とする請求項13に記載の使用。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液の調製方法であって、水含有噴霧ガス又は噴霧ガス混合物を用いて前記エアロゾル懸濁液を調製することを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のエアロゾル懸濁液の調製方法であって、無水噴霧ガス又は噴霧ガス混合物でエアロゾル懸濁液を調製してから水を添加することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の噴霧剤含有エアロゾルを詰めるための容器であって、使用前にその含水量に関連して調整される適切なバルブを含むことを特徴とする容器。

【公表番号】特表2008−504325(P2008−504325A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518518(P2007−518518)
【出願日】平成17年6月25日(2005.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006865
【国際公開番号】WO2006/002840
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】