説明

四輪駆動用トランスファの操作装置

【課題】 フォークを正確に位置決めすることができる機構を備えながらも、コストの削減、質量の削減、および、車両搭載性の向上を可能とする、四輪駆動用トランスファの操作装置を提供する。
【解決手段】 2−4フォークシャフト110が、その移動可能範囲の一端である2WD位置で停止し、2−4切替シフトフォーク130が二輪駆動(2WD)を形成した状態において、H−L切替シフトフォーク140をHモード(H)からニュートラルモード(N)に作動させる場合に、ロックピン151が第2溝121の他端側に当接することで、精度良くH−L切替シフトフォーク140を、ニュートラルモード(N)位置に停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、四輪駆動用トランスファの操作装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、四輪駆動状態での「高速(Hモード)」・「ニュートラルモード(N)」・「低速(Lモード)」の切り替えを、運転者のシフト操作により選択可能な、四輪駆動用トランスファの操作装置が開示されている。このトランスファの操作装置によれば、シフト操作されるシフトレバーに連結するフォークをニュートラル位置にて係止させるために、アクチュエータによって出没されるストッパピンが用いられている。
【0003】
しかし、フォークのニュートラル位置を係止させるために、アクチュエータを採用することは、車両への搭載性の悪化、質量の増加、コストアップを招くことになる。また、ストッパピンを出没させるアクチュエータの採用に替わり下記特許文献2に示されるようなモータ駆動によりフォーク位置を選択するタイプの操作装置の場合、モータの停止位置精度が悪い場合には、適正なニュートラル位置にフォークを正確に停止させることができないという問題が生じる。
【特許文献1】実公平03−002052号公報
【特許文献2】特開平04−260830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする課題は、背景技術における四輪駆動用トランスファの操作装置において、ストッパピンを出没させるアクチュエータを採用した場合には、車両への搭載性が悪いこと、質量の増加、コストアップの要因を含んでいる点、また、モータ駆動によりフォーク位置を選択するタイプの操作装置の場合には、ニュートラル位置にフォークを正確に停止させることができない場合がある点にある。
【0005】
したがってこの発明の目的は、四輪駆動用トランスファの操作装置において、フォークを正確に位置決めすることができる機構を備えながらも、コストの削減、質量の削減、および、車両搭載性の向上を可能とする、四輪駆動用トランスファの操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に基づいた、四輪駆動用トランスファの操作装置においては、軸方向に移動可能に支持され互いに並列する2本の操作軸と、上記各操作軸に連結した駆動手段により駆動して、上記各操作軸を選択的に移動させることにより、上記各操作軸に連結した作動機構を切替える駆動手段とを備える、四輪駆動用トランスファの操作装置において、上記各操作軸に連動する連動部材を備え、第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、第2の操作軸の移動可能範囲が制限されるように、上記連動部材が連動することを特徴としている。
【0007】
また、上記発明の他の形態においては、上記連動部材は、各軸方向と交差する方向に移動可能なように介装され、上記連動部材が上記第1の操作軸に設けられた第1凹部に突出可能な場合には、上記第2の操作軸の移動可能範囲への制限が解除され、上記第1の操作軸が、該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、上記第1凹部が上記連動部材から上記第1の操作軸方向に偏移した状態となり、上記連動部材が上記第2の操作軸に設けられた第2凹部に突出することにより上記第2の操作軸の移動可能範囲が制限される。
【発明の効果】
【0008】
上記構成からなる四輪駆動用トランスファの操作装置によれば、2本の操作軸の間において、第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、第2の操作軸の移動可能範囲が制限されるように連動部材を係合させている。これにより、第1の操作軸に対する第2の操作軸の位置決めを、アクチュエータ、モータ駆動を用いることなく実現することが可能となり、コストの削減、質量の削減、および、車両搭載性の向上を可能としながら、第1の操作軸に対する第2の操作軸の正確な位置決めを行なうことを可能としている。
【0009】
また、上記発明の他の形態によれば、各軸方向と交差する方向に移動可能なように連動部材を介装することで、いわゆるインターロック機構の採用が可能となり、精度よくかつ簡易(軽量・コンパクト)な構造での連動部材の実現を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明に基づいた四輪駆動用トランスファの操作装置の各実施の形態について、図を参照しながら説明する。なお、各実施の形態において同一または相当部分については、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さないこととする。
【0011】
(実施の形態1)
まず、図1から図8を参照して、実施の形態1におけるパートタイム形式における四輪駆動用トランスファの操作装置について説明する。なお、図1は、従来のパートタイム式トランスファ4WDモードを示す図であり、図2は、本実施の形態におけるパートタイム式トランスファ4WDモード(Nモード付)を示す図であり、図3は、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置における切換部配置を示す図であり、図4は、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置におけるシフト系作動状態を示す図である。また、図5〜図8は、図4に示す各4WDモードの具体的構成を示す図である。
【0012】
図1に示すように、従来のパートタイム式トランスファ4WDモードにおいては、H(High)−L(Low)切換部と2(2WD)−4(4WD)切換部との位置選択により、「H」と「2WD」との選択からなる「H2」モード、「H」と「4WD」との選択からなる「H4」モード、および、「L」と「4WD」との選択からなる「L4」モードの3モードが選択可能となっていた。一方、本実施の形態のパートタイム式トランスファ4WDモードにおいては、図2に示すように、N(ニュートラル)モードの位置選択を可能とし、「H」と「2WD」との選択からなる「H2」モード、「N」と「2WD」との選択からなる「N」モード、「H」と「4WD」との選択からなる「H4」モード、および、「L」と「4WD」との選択からなる「L4」モードの4モードの選択を可能としている。
【0013】
図3に示すように、H−L切換部は、「H」・「N」・「L」に配置され、2−4切換部は、「2WD」・「4WD」に配置されている。シフト系作動状態においては、図4に示すように、2−4切換部が「2WD」に選択されている場合には、H−L切換部と2−4切換部との間に、インターロック機構を機能させることで、H−L切換部は、「H」または「N」のみの選択が許容されるように構成し、一方、2−4切換部が「4WD」に選択されている場合には、H−L切換部と2−4切換部との間のインターロック機構が解除されることで、H−L切換部は、「H」または「L」の選択が可能に構成されている。
【0014】
(具体的構成)
次に、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置100Aの、上記H−L切換部および2−4切換部の具体的構成について、図5〜図8を参照して説明する。まず、図5を参照して、2−4切換部を構成する第1の操作軸としての2−4フォークシャフト110と、H−L切換部を構成する第2の操作軸としてのH−Lフォークシャフト120とを有している。2−4フォークシャフト110とH−Lフォークシャフト120とは、軸方向に移動可能にケース101およびケース102に支持され互いに並列するように配置されている。ケース101には、支持孔101aが設けられ、また、ケース102には、支持孔102aが設けられ、2−4フォークシャフト110は、支持孔101aおよび支持孔102aにおいて軸方向に摺動可能なように収容されている。同様に、ケース101には、支持孔101bが設けられ、また、ケース102には、支持孔102bが設けられ、H−Lフォークシャフト120は、支持孔101bおよび支持孔102bにおいて軸方向に摺動可能なように支持されている。
【0015】
2−4フォークシャフト110には、2−4切替シフトフォーク130が連結固定され、H−Lフォークシャフト120には、H−L切替シフトフォーク140が連結固定されている。また、2−4フォークシャフト110には、2−4フォークシャフト110に連結したモータにより駆動して、2−4フォークシャフト110を選択的に移動させることにより、2−4フォークシャフト110に連結した2−4切替シフトフォーク130を「2WD」位置と、「4WD位置」とに切替えるためのモータ等からなる駆動手段160が設けられている。同様に、H−Lフォークシャフト120には、H−Lフォークシャフト120に連結したモータにより駆動して、H−Lフォークシャフト120を選択的に移動させることにより、H−Lフォークシャフト120に連結したH−L切替シフトフォーク140を「H」位置と、「N」位置と、「L」位置とに切替えるためのモータ等からなる駆動手段170が設けられている。
【0016】
2−4フォークシャフト110とH−Lフォークシャフト120との間には、2−4フォークシャフト110の移動可能範囲である「2WD」位置と「4WD」位置との間において、2−4フォークシャフト110が「2WD」で停止している場合には、H−Lフォークシャフト120の移動可能範囲を制限するための連動部材が設けられている。本実施の形態における連動部材としては、ケース102に、支持孔102aと支持孔102bとを連通し、2−4フォークシャフト110およびH−Lフォークシャフト120の軸方向と直交する連通孔150が設けられ、この連通孔150に、2−4フォークシャフト110に設けられた第1凹部としての第1溝111およびH−Lフォークシャフト120に設けられた第2凹部としての第2溝121への突出が可能なロックピン151が介装されている。
【0017】
以下、本実施の形態におけるパートタイム式トランスファ4WDモード(Nモード付)における上記連動部材の機能について説明する。まず、図5を参照して、2−4フォークシャフト110に支持された2−4切替シフトフォーク130が切替られることにより、二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)とが切り換わり、H−Lフォークシャフト120に支持されたH−L切替シフトフォーク140が切替られることにより、Hモード(H)と、ニュートラルモード(N)と、Lモード(L)とが切り換わる。
【0018】
図5および図6に示すように、2−4フォークシャフト110が、この2−4フォークシャフト110の移動可能範囲(2WD位置と4WD位置との間)の一端である2WD位置で停止している場合には、2−4切替シフトフォーク130は二輪駆動(2WD)を形成し、図7および図8に示すように、2−4フォークシャフト110が、この2−4フォークシャフト110の移動可能範囲の他端である4WD位置で停止している場合には、2−4切替シフトフォーク130は四輪駆動(4WD)を形成する。
【0019】
また、図5および図7に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲(H位置とL位置との間)の一端である、H位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はHモード(H)を形成し、図8に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲の他端であるL位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はLモード(L)を形成し、図6に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲の中程であるN位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はニュートラルモード(N)を形成している。
【0020】
また、上記連動部材において、図5および図6に示すように、2−4切替シフトフォーク130が二輪駆動(2WD)を形成している場合には、H−L切替シフトフォーク140がHモード(H)とニュートラルモード(N)とのみ形成可能なようにH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲が制限され、また、この移動可能範囲の制限が可能なように、第1溝111の溝深さおよび溝長さ、第2溝121の溝深さおよび溝長さ、さらに、ロックピン151の突出長さが設定されている。
【0021】
したがって、図5においては、図2に示す「H2」モードが形成され、図6においては、図2に示す「N」モードが形成され、図7においては、図2に示す「H4」モードが形成され、図8においては、図2に示す「L4」モードが形成されることとなる。
【0022】
(作用・効果)
以上の構成により、ロックピン151が2−4フォークシャフト110に設けられた第1溝111に突出可能な場合には(図7、図8に示す状態)、H−Lフォークシャフト120の移動可能範囲への制限が解除されるインターロック非作動の選択が可能となり、また、2−4フォークシャフト110が、2−4フォークシャフト110の移動可能範囲の一端である2WD位置で停止している場合には(図5、図6に示す状態)、第1溝111がロックピン151から2−4フォークシャフト110の軸方向に偏移した状態となり、ロックピン151がH−Lフォークシャフト120に設けられた第2溝121に突出することによりH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲が制限されるインターロック作動の選択が可能となる。
【0023】
その結果、2−4フォークシャフト110が、その移動可能範囲の一端である2WD位置で停止し、2−4切替シフトフォーク130が二輪駆動(2WD)を形成した状態において、H−L切替シフトフォーク140を図5に示すHモード(H)から、図6に示すニュートラルモード(N)に作動させる場合に、ロックピン151が第2溝121の他端側に当接することで、精度良くH−L切替シフトフォーク140を、ニュートラルモード(N)位置に停止させることができる。これにより、2−4フォークシャフト110に対するH−Lフォークシャフト120の位置決めを、アクチュエータ、モータ駆動を用いることなく実現することが可能となり、コストの削減、質量の削減、および、車両搭載性の向上を可能としながら、2−4フォークシャフト110に対するH−Lフォークシャフト120の正確な位置決めを行なうことが可能となる。
【0024】
また、各軸方向と直交する方向に移動可能なようにロックピン151を採用した連動部材を介装することで、いわゆるインターロック機構の採用が可能となり、精度よくかつ簡易(軽量・コンパクト)な構造での連動部材の実現が可能となる。
【0025】
(実施の形態2)
次に、図9から図17を参照して、実施の形態2におけるマルチモード形式における四輪駆動用トランスファの操作装置について説明する。なお、図9は、本実施の形態におけるマルチモード式トランスファ4WDモードを示す図であり、図10は、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置における切換部配置を示す図であり、図11は、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置におけるシフト系作動状態を示す図である。また、図12〜図17は、図11に示す各4WDモードの具体的構成を示す図である。
【0026】
本実施の形態のマルチモード式トランスファ4WDモードにおいては、図9に示すように、N(ニュートラル)モードの位置選択を可能とし、「H」と「2WD」との選択からなる「H2」モード、「N」と「2WD」との選択からなる「N」モード、「H」と「4F」との選択からなる「H4F」モード、「H」と「4L」との選択からなる「H4L」モード、「L」と「4F」との選択からなる「L4F」モード、および、「L」と「4L」との選択からなる「L4L」モードの6モードの選択を可能としている。なお、「4L」は、センターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動状態を示し、「4F」とは、センターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動状態を示す。
【0027】
図10に示すように、H−L切換部は、「H」・「N」・「L」に配置され、2−4切換部は、「2WD」・「4L」・「4F」に配置されている。シフト系作動状態においては、図11に示すように、2−4切換部が「2WD」に選択されている場合には、H−L切換部と2−4切換部との間に、インターロック機構を機能させることで、H−L切換部は、「H」または「N」のみの選択が許容されるように構成し、一方、2−4切換部が「4L」または「4F」に選択されている場合には、H−L切換部と2−4切換部との間のインターロック機構が解除されることで、H−L切換部は、「H」または「L」の選択が可能に構成されている。
【0028】
(具体的構成)
次に、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置100Bの、上記H−L切換部および2−4切換部の具体的構成について、図12〜図17を参照して説明する。まず、図12を参照して、基本的構成は、上記実施の形態1の構成と同じであり、相違点は、2−4切換部を構成する第1の操作軸としての2−4フォークシャフト110に設けられる駆動手段160においては、2−4フォークシャフト110に連結した2−4切替シフトフォーク130を「2WD」位置、「4L」位置、および、「4F」位置とが選択的に切替えるように制御されている点にある。したがって、第1溝111の溝深さおよび溝長さ、第2溝121の溝深さおよび溝長さ、さらに、ロックピン151の突出長さを除いて、連動部材の基本的構成も、上記実施の形態1の場合と同様である。
【0029】
以下、本実施の形態におけるマルチモード式トランスファ4WDモードにおける上記連動部材の機能について説明する。まず、図12を参照して、2−4フォークシャフト110に支持された2−4切替シフトフォーク130が切替られることにより、二輪駆動(2WD)と、センターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動(4L)と、センターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動(4F)とが切り換わり、H−Lフォークシャフト120に支持されたH−L切替シフトフォーク140が切替られることにより、Hモード(H)と、ニュートラルモード(N)と、Lモード(L)とが切り換わる。
【0030】
また、図12および図13に示すように、2−4フォークシャフト110が、この2−4フォークシャフト110の移動可能範囲(2WD位置と4F位置との間)の一端である2WDで停止している場合には、2−4切替シフトフォーク130は二輪駆動(2WD)を形成し、図14および図16に示すように、2−4フォークシャフト110が、この2−4フォークシャフト110の移動可能範囲の他端である4F位置で停止している場合には、2−4切替シフトフォーク130はセンターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動(4F)を形成し、図15および図17に示すように、2−4フォークシャフト110が、この2−4フォークシャフト110の移動可能範囲の中程である4L位置で停止している場合には、2−4切替シフトフォーク130はセンターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動4Lを形成している。
【0031】
また、図12、図14および図15に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲(H位置とL位置との間)の一端である、H位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はHモード(H)を形成し、図16および図17に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲の他端であるL位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はLモード(L)を形成し、図13に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲の中程であるN位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はニュートラルモード(N)を形成している。
【0032】
また、上記連動部材において、図12および図13に示すように、2−4切替シフトフォーク130が二輪駆動(2WD)を形成している場合には、H−L切替シフトフォーク140がHモード(H)とニュートラルモード(N)とのみ形成可能なようにH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲が制限され、また、この移動可能範囲の制限が可能なように、第1溝111の溝深さおよび溝長さ、第2溝121の溝深さおよび溝長さ、さらに、ロックピン151の突出長さが設定されている。
【0033】
したがって、図12においては、図9に示す「H2」モードが形成され、図13においては図9に示す「N」モードが形成され、図14においては図9に示す「H4F」モードが形成され、図15においては図9に示す「H4L」モードが形成され、図16においては図9に示す「L4F」モードが形成され、図17においては図9に示す「L4L」モードが形成されることとなる。
【0034】
(作用・効果)
以上の構成により、ロックピン151が2−4フォークシャフト110に設けられた第1溝111に突出可能な場合には(図12、図13に示す状態)、H−Lフォークシャフト120の移動可能範囲への制限が解除されるインターロック非作動の選択が可能となり、また、2−4フォークシャフト110が、2−4フォークシャフト110の移動可能範囲の一端である2WD位置で停止している場合には(図12、図13に示す状態)、第1溝111がロックピン151から2−4フォークシャフト110の軸方向に偏移した状態となり、ロックピン151がH−Lフォークシャフト120に設けられた第2溝121に突出することによりH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲が制限されるインターロック作動の選択が可能となる。
【0035】
その結果、2−4フォークシャフト110が、その移動可能範囲の一端である2WD位置で停止し、2−4切替シフトフォーク130が二輪駆動(2WD)を形成した状態において、H−L切替シフトフォーク140を図12に示すHモード(H)から、図13に示すニュートラルモード(N)に作動させる場合に、ロックピン151が第2溝121の他端側に当接することで、精度良くH−L切替シフトフォーク140を、ニュートラルモード(N)位置に停止させることができる。これにより、2−4フォークシャフト110に対するH−Lフォークシャフト120の位置決めを、アクチュエータ、モータ駆動を用いることなく実現することが可能となり、コストの削減、質量の削減、および、車両搭載性の向上を可能としながら、2−4フォークシャフト110に対するH−Lフォークシャフト120の正確な位置決めを行なうことが可能となる。
【0036】
また、各軸方向と直交する方向に移動可能なようにロックピン151を採用した連動部材を介装することで、いわゆるインターロック機構の採用が可能となり、精度よくかつ簡易(軽量・コンパクト)な構造での連動部材の実現が可能となる。
【0037】
(実施の形態3)
次に、図18から図26を参照して、実施の形態3におけるフルタイム形式における四輪駆動用トランスファの操作装置について説明する。なお、図18は、本実施の形態におけるフルタイム式トランスファ4WDモードを示す図であり、図19は、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置における切換部配置を示す図であり、図20は、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置におけるシフト系作動状態を示す図である。また、図21〜図26は、図20に示す各4WDモードの具体的構成を示す図である。
【0038】
図18に示すように、本実施の形態におけるフルタイム式トランスファ4WDモードにおいては、H(High)−L(Low)切換部とデフロック切換部との位置選択により、「H」と「DUMMY」との選択からなる「HD」モード、「N」と「DUMMY」との選択からなる「N」モード、「H」と「FREE」との選択からなる「H4F」モード、「H」と「LOCK」との選択からなる「H4L」モード、「L」と「FREE」との選択からなる「L4F」モード、および、「L」と「LOCK」との選択からなる「L4L」モード、6モードが選択可能となっている。なお、「LOCK」は、「4L」を意味し、センターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動状態を示し、「FREE」は、「4F」を意味し、センターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動状態を示す。
【0039】
図19に示すように、H−L切換部は、「H」・「N」・「L」に配置され、デフロック切換部は、「DUMMY」・「FREE」・「LOCK」に配置されている。シフト系作動状態においては、図20に示すように、デフロック切換部が「DUMMY」に選択されている場合には、H−L切換部とデフロック切換部との間に、インターロック機構を機能させることで、H−L切換部は、「H」または「N」のみの選択が許容されるように構成し、一方、デフロック切換部が「FREE」または「LOCK」に選択されている場合には、H−L切換部とデフロック切換部との間のインターロック機構が解除されることで、H−L切換部は、「H」または「L」の選択が可能に構成されている。
【0040】
(具体的構成)
次に、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置100Cの、上記H−L切換部およびデフロック切換部の具体的構成について、図21〜図26を参照して説明する。まず、図21を参照して、基本的構成は、上記実施の形態1の構成と同じであり、相違点は、2−4フォークシャフト110をデフロックフォークシャフト110Dとし、2−4切替シフトフォーク130をデフロック切替シフトフォーク130Dとしている点にある。したがって、デフロック切替部を構成する第1の操作軸としてのデフロックフォークシャフト110Dに設けられる駆動手段160においては、デフロックフォークシャフト110Dに連結したデフロック切替シフトフォーク130Dを「DUMMY(D)」位置、「FREE(F)」位置、および、「LOCK(L)」位置とが選択的に切替えるように制御されている。したがって、第1溝111の溝深さおよび溝長さ、第2溝121の溝深さおよび溝長さ、さらに、ロックピン151の突出長さを除いて、連動部材の基本的構成も、上記実施の形態1の場合と同様である。
【0041】
以下、本実施の形態におけるフルタイム式トランスファ4WDモードにおける上記連動部材の機能について説明する。まず、図21を参照して、デフロックフォークシャフト110Dに支持されたデフロック切替シフトフォーク130Dが切替られることにより、DUMMY(D)と、FREE(F)と、LOCK(L)とが切り換わり、H−Lフォークシャフト120に支持されたH−L切替シフトフォーク140が切替られることにより、Hモード(H)と、ニュートラルモード(N)と、Lモード(L)とが切り換わる。
【0042】
また、図21および図22に示すように、2−4フォークシャフト110が、このデフロックフォークシャフト110Dとの移動可能範囲(2WD位置と4F位置との間)の一端である「D」で停止している場合には、デフロック切替シフトフォーク130DはDUMMYを形成し、図24および図26に示すように、デフロックフォークシャフト110Dが、このデフロックフォークシャフト110Dとの移動可能範囲の他端であるL位置で停止している場合には、デフロック切替シフトフォーク130Dはセンターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動(4L)を形成し、図23および図25に示すように、デフロックフォークシャフト110Dが、このデフロックフォークシャフト110Dの移動可能範囲の中程である4F位置で停止している場合には、デフロック切替シフトフォーク130Dはセンターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動(4F)を形成している。
【0043】
また、図21、図23および図24に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲(H位置とL位置との間)の一端である、H位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はHモード(H)を形成し、図25および図26に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲の他端であるL位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はLモード(L)を形成し、図22に示すように、H−Lフォークシャフト120が、このH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲の中程であるN位置に停止している場合には、H−L切替シフトフォーク140はニュートラルモード(N)を形成している。
【0044】
また、上記連動部材において、図21および図22に示すように、デフロック切替シフトフォーク130DがDUMMY(D)を形成している場合には、H−L切替シフトフォーク140がHモード(H)とニュートラルモード(N)とのみ形成可能なようにH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲が制限され、また、この移動可能範囲の制限が可能なように、第1溝111の溝深さおよび溝長さ、第2溝121の溝深さおよび溝長さ、さらに、ロックピン151の突出長さが設定されている。
【0045】
したがって、図21においては、図18に示す「HD」モードが形成され、図22においては図18示す「N」モードが形成され、図23においては図18に示す「H4F」モードが形成され、図24においては図18に示す「H4L」モードが形成され、図25においては図18に示す「L4F」モードが形成され、図26においては図18に示す「L4L」モードが形成されることとなる。
【0046】
(作用・効果)
以上の構成により、ロックピン151がデフロックフォークシャフト110Dに設けられた第1溝111に突出可能な場合には(図21、図22に示す状態)、H−Lフォークシャフト120の移動可能範囲への制限が解除されるインターロック非作動の選択が可能となり、また、デフロックフォークシャフト110Dが、デフロックフォークシャフト110Dの移動可能範囲の一端であるDUMMY位置で停止している場合には(図21、図22に示す状態)、第1溝111がロックピン151からデフロックフォークシャフト110Dの軸方向に偏移した状態となり、ロックピン151がH−Lフォークシャフト120に設けられた第2溝121に突出することによりH−Lフォークシャフト120の移動可能範囲が制限されるインターロック作動の選択が可能となる。
【0047】
その結果、デフロックフォークシャフト110Dが、その移動可能範囲の一端であるDUMMY位置で停止し、デフロック切替シフトフォーク130DがDUMMYを形成した状態において、H−L切替シフトフォーク140を図21に示すHモード(H)から、図22に示すニュートラルモード(N)に作動させる場合に、ロックピン151が第2溝121の他端側に当接することで、精度良くH−L切替シフトフォーク140を、ニュートラルモード(N)位置に停止させることができる。これにより、デフロックフォークシャフト110Dに対するH−Lフォークシャフト120の位置決めを、アクチュエータ、モータ駆動を用いることなく実現することが可能となり、コストの削減、質量の削減、および、車両搭載性の向上を可能としながら、デフロックフォークシャフト110Dに対するH−Lフォークシャフト120の正確な位置決めを行なうことが可能となる。
【0048】
また、各軸方向と直交する方向に移動可能なようにロックピン151を採用した連動部材を介装することで、いわゆるインターロック機構の採用が可能となり、精度よくかつ簡易(軽量・コンパクト)な構造での連動部材の実現が可能となる。
【0049】
(実施の形態4)
次に、図27から図29を参照して、実施の形態4におけるマルチモード形式における四輪駆動用トランスファの操作装置について説明する。なお、図27は、本実施の形態における、マルチモード式トランスファ4WDモードを示す図であり、図28は、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置における切換部配置を示す図であり、図29は、本実施の形態における四輪駆動用トランスファの操作装置におけるシフト系作動状態を示す図である。
【0050】
本実施の形態におけるマルチモード式トランスファ4WDモードは、H−L切替部にNポジションを設定しない代わりに、マルチ切替部の中間位置決めのために、上述した連動部材を適用したインターロック機構を採用したものである。したがって、本実施の形態のマルチモード式トランスファ4WDモードにおいては、図27に示すように、「H」と「2WD」との選択からなる「H2」モード、「H」と「4F」との選択からなる「H4F」モード、「L」と「4F」との選択からなる「L4F」モード、および、「L」と「4L」との選択からなる「L4L」モードの4モードの選択を可能としている。なお、「4L」は、センターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動状態を示し、「4F」とは、センターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動状態を示す。
【0051】
図28に示すように、H−L切換部は、「H」・「L」に配置され、マルチ切替部は、「2WD」・「4L」・「4F」に配置されている。シフト系作動状態においては、図29に示すように、H−L切換部が「L」に選択されている場合には、H−L切換部とマルチ切替部との間に、インターロック機構を機能させることで、マルチ切替部は、「4L」または「4F」のみの選択が許容されるように構成し、一方、H−L切換部が「H」に選択されている場合には、H−L切換部と2−4切換部との間のインターロック機構が解除されることで、マルチ切替部は、「2WD」または「4F」の選択が可能に構成されている。
【0052】
(具体的構成)
本実施の形態におけるマルチモード式トランスファ4WDモードの具体的構成は、実施の形態1の図5から図8に示す構成において、実施の形態1のH−L切替部を、本実施の形態のマルチ切替部に置き換え、H→2WD、N→4L、L→4Fとし、実施の形態1の2−4切替部を、本実施の形態のH−L切替部に置き換え、2WD→L、4WD→Hとしたものと同じ構成となる。
【0053】
(作用・効果)
以上の構成により、実施の形態1の場合と同様の作用効果が得られ、H−Lフォークシャフトの移動可能範囲の一端であるN位置で停止し、H−L切替シフトフォークがLモード(L)を形成した状態において、マルチ切替シフトフォークを4Fモードから、4Lモードに作動させる場合に、ロックピンが第2溝の他端側に当接することで、精度良く2−4切替シフトフォークを、4Lモード位置に停止させることができる。これにより、H−Lフォークシャフトに対する2−4フォークシャフトの位置決めを、アクチュエータ、モータ駆動を用いることなく実現することが可能となり、コストの削減、質量の削減、および、車両搭載性の向上を可能としながら、H−Lフォークシャフトに対する2−4フォークシャフトの正確な位置決めを行なうことが可能となる。
【0054】
また、各軸方向と直交する方向に移動可能なようにロックピンを採用した連動部材を介装することで、いわゆるインターロック機構の採用が可能となり、精度よくかつ簡易(軽量・コンパクト)な構造での連動部材の実現が可能となる。
【0055】
なお、上記各実施の形態において、連動部材に、操作軸の軸方向と直交する方向に移動可能なロックピン151を採用する場合について説明したが、操作軸の軸方向と直交する方向に限らず、操作軸の軸方向と交差する方向に移動するカム、レバー、ボール等を用いることにより同様の機能を生じさせることも可能である。
【0056】
したがって、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】従来のパートタイム式トランスファ4WDモードを示す図である。
【図2】実施の形態1におけるパートタイム式トランスファ4WDモード(Nモード付)を示す図である。
【図3】実施の形態1における四輪駆動用トランスファの操作装置における切換部配置を示す図である。
【図4】実施の形態1における四輪駆動用トランスファの操作装置におけるシフト系作動状態を示す図である。
【図5】図2に示すH2モードの第1具体的構成を示す図である。
【図6】図2に示すNモードの第2具体的構成を示す図である。
【図7】図2に示すH4モードの第3具体的構成を示す図である。
【図8】図2に示すL4モードの第4具体的構成を示す図である。
【図9】実施の形態2におけるマルチモード式トランスファ4WDモードを示す図である。
【図10】実施の形態2における四輪駆動用トランスファの操作装置における切換部配置を示す図である。
【図11】実施の形態2における四輪駆動用トランスファの操作装置におけるシフト系作動状態を示す図である。
【図12】図9に示すH2モードの具体的構成を示す図である。
【図13】図9に示すNモードの具体的構成を示す図である。
【図14】図9に示すH4Fモードの具体的構成を示す図である。
【図15】図9に示すH4Lモードの具体的構成を示す図である。
【図16】図9に示すL4Fモードの具体的構成を示す図である。
【図17】図9に示すL4Lモードの具体的構成を示す図である。
【図18】実施の形態3におけるフルタイム式トランスファ4WDモードを示す図である。
【図19】実施の形態3における四輪駆動用トランスファの操作装置における切換部配置を示す図である。
【図20】実施の形態3における四輪駆動用トランスファの操作装置におけるシフト系作動状態を示す図である。
【図21】図18に示すHDモードの具体的構成を示す図である。
【図22】図18に示すNモードの具体的構成を示す図である。
【図23】図18に示すH4Fモードの具体的構成を示す図である。
【図24】図18に示すH4Lモードの具体的構成を示す図である。
【図25】図18に示すL4Fモードの具体的構成を示す図である。
【図26】図18に示すL4Lモードの具体的構成を示す図である。
【図27】実施の形態4におけるマルチモード式トランスファ4WDモードを示す図である。
【図28】実施の形態4における四輪駆動用トランスファの操作装置における切換部配置を示す図である。
【図29】実施の形態4における四輪駆動用トランスファの操作装置におけるシフト系作動状態を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
100A,100B,100C 四輪駆動用トランスファの操作装置、101,102 ケース、101a,101b,102a,102b 支持孔、110 2−4フォークシャフト、110D デフロックフォークシャフト、111 第1溝、120 H−Lフォークシャフト、121 第2溝、130 2−4切替シフトフォーク、130D デフロック切替シフトフォーク、140 H−L切替シフトフォーク、150 連通孔、151 ロックピン、160,170 駆動手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に移動可能に支持され互いに並列する2本の操作軸と、前記各操作軸に連結した駆動手段により駆動して、前記各操作軸を選択的に移動させることにより、前記各操作軸に連結した作動機構を切り替ええる駆動手段とを備える、四輪駆動用トランスファの操作装置において、
前記各操作軸に連動する連動部材を備え、
第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、第2の操作軸の移動可能範囲が制限されるように、前記連動部材が連動することを特徴とする、四輪駆動用トランスファの操作装置。
【請求項2】
前記連動部材は、各軸方向と交差する方向に移動可能なように介装され、
前記連動部材が前記第1の操作軸に設けられた第1凹部に突出可能な場合には、前記第2の操作軸の移動可能範囲への制限が解除され、
前記第1の操作軸が、該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第1凹部が前記連動部材から前記第1の操作軸方向に偏移した状態となり、
前記連動部材が前記第2の操作軸に設けられた第2凹部に突出することにより前記第2の操作軸の移動可能範囲が制限される、請求項1に記載の四輪駆動用トランスファの操作装置。
【請求項3】
前記第1の操作軸に支持された第1の作動機構が切り替えられることにより、二輪駆動と、センターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動と、センターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動とが切り換わり、
前記第2の操作軸に支持された第2の作動機構が切り替えられることにより、Hモードと、ニュートラルモードと、Lモードとが切り換わり、
前記第1の操作軸が、該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第1の作動機構は二輪駆動を形成し、
前記第1の操作軸が、該操作軸の移動可能範囲の他端で停止している場合には、前記第1の作動機構はセンターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動を形成し、
前記第1の操作軸が、該操作軸の移動可能範囲の中程で停止している場合には、前記第1の作動機構はセンターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動を形成し、
前記第2の操作軸が、該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第2の作動機構はHモードを形成し、
前記第2の操作軸が、該操作軸の移動可能範囲の他端で停止している場合には、前記第2の作動機構はLモードを形成し、
前記第2の操作軸が、該操作軸の移動可能範囲の中程で停止している場合には、第2の作動機構はニュートラルモードを形成し、
前記第1の作動機構が二輪駆動を形成している場合には、前記第2の作動機構がHモードとニュートラルモードとのみ形成可能なように前記第2の操作軸の移動可能範囲が制限される、請求項2に記載の四輪駆動用トランスファの操作装置。
【請求項4】
前記第1の操作軸に支持された第1の作動機構が切り替えられることにより、二輪駆動と、四輪駆動とが切り換わり、
前記第2の操作軸に支持された第2の作動機構が切り替えられることにより、Hモードと、ニュートラルモードと、Lモードとが切り換わり、
前記第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第1の作動機構は二輪駆動を形成し、
前記第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の他端で停止している場合には、前記第1の作動機構は四輪駆動を形成し、
前記第2の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第2の作動機構はHモードを形成し、
前記第2の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の他端で停止している場合には、前記第2の作動機構はLモードを形成し、
前記第2の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の中程で停止している場合には、前記第2の作動機構はニュートラルモードを形成し、
前記第1の作動機構が二輪駆動を形成している場合には、前記第2の作動機構がHモードとニュートラルモードとのみ形成可能なように前記第2の操作軸の移動可能範囲が制限される、請求項2に記載の四輪駆動用トランスファの操作装置。
【請求項5】
前記第1の操作軸に支持された第1の作動機構が切り替えられることにより、ダミーポジションと、センターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動と、センターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動とが切り換わり、
前記第2の操作軸に支持された第2の作動機構が切り替えられることにより、Hモードと、ニュートラルモードと、Lモードとが切り換わり、
前記第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第1の作動機構はダミーポジションを形成し、
前記第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の他端で停止している場合には、前記第1の作動機構はセンターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動を形成し、
前記第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の中程で停止している場合には、前記第1の作動機構はセンターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動を形成し、
前記第2の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第2の作動機構はHモードを形成し、
前記第2の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の他端で停止している場合には、前記第2の作動機構はLモードを形成し、
前記第2の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の中程で停止している場合には、前記第2の作動機構はニュートラルモードを形成し、
前記第1の作動機構がダミーポジションを形成している場合には、前記第2の作動機構がHモードとニュートラルモードとのみ形成可能なように前記第2の操作軸の移動可能範囲が制限される、請求項2に記載の四輪駆動用トランスファの操作装置。
【請求項6】
前記第1の操作軸に支持された第1の作動機構が切り替えられることにより、二輪駆動と、センターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動と、センターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動とが切り換わり、
前記第2の操作軸に支持された第2の作動機構が切り替えられることにより、Hモードと、Lモードとが切り換わり、
前記第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第1の作動機構は二輪駆動を形成し、
前記第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の他端で停止している場合には、前記第1の作動機構はセンターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動を形成し、
前記第1の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の中程で停止している場合には、前記第1の作動機構はセンターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動を形成し、
前記第2の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の一端で停止している場合には、前記第2の作動機構はHモードを形成し、
前記第2の操作軸が該操作軸の移動可能範囲の他端で停止している場合には、前記第2の作動機構はLモードを形成し、
前記第2の作動機構がLモードを形成している場合には、前記第1の作動機構はセンターディファレンシャルが差動可能な四輪駆動とセンターディファレンシャルが非差動状態の四輪駆動とのみ形成可能なように前記第1の操作軸の移動可能範囲が制限される、請求項2に記載の四輪駆動用トランスファの操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−21678(P2006−21678A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202289(P2004−202289)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(592058315)アイシン・エーアイ株式会社 (490)
【Fターム(参考)】