説明

回動装置、及びこれを備えた開閉式携帯端末

【課題】安定したトルクが発生する構造を実現しながら小型化できる回動装置、及び開閉式携帯端末を提供すること。
【解決手段】本発明の回動装置は、太径部と細径部を有する回動軸部材と、前記細径部を回動可能に保持する保持部材と、前記細径部に取り付けられクリックを発生するカム部材と、角部を有し、前記太径部側に向けて前記カム部材を付勢するばね部材と、開口部を有し、前記開口部が広がる変形をしながら前記細径部を通過して該細径部に取り付けられる止め輪と、前記ばね部材と前記止め輪との間に介在し、第1平坦面に裏面に第2平坦面を有する平坦部材と、を備え、前記第1平坦面に前記付勢部材の角部を当接させ、前記第2平坦面側を前記止め輪側の平面に当接させる構成をとる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1筐体と第2筐体とが連結部を介して開閉自在に連結された開閉式携帯端末、及びその連結部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、主に操作部を有する第1筐体と、主に液晶画面等の表示部を有する第2筐体とが、ヒンジ機構を介して開閉可能な折りたたみ式の携帯端末が知られている。一般的なヒンジ機構は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体とを回動自在に連結する連結筐体と、前記連結筐体と前記第1筐体とを該第1筐体の短手方向を軸心とする第1軸を中心に回動自在に取り付ける第1ヒンジ部と、前記連結筐体と前記第2筐体とを該第2筐体の長手方向を軸心とする第2軸を中心に回動自在に取り付ける第2ヒンジと、を備え、前記第2ヒンジ部は、前記連結筐体の長手方向に沿って該連結筐体内部に固定された板状の第1連結体と、前記第2筐体の短手方向に沿って該第2筐体内部に固定された板状の第2連結体と、前記第1連結体と前記第2連結体とを、前記第2軸を中心に回動自在に枢着する枢着部と、を有し、前記連結筐体は前記第1ヒンジ部と前記第2ヒンジ部とを連結するとともに、前記第1連結体を覆うように構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
近年、このような携帯端末の表示部および操作部を用いて、メールの送受信や、ゲームを行ったり、TV放送を受信したりすることが行われるようになってきた。このような携帯電子機器の使用態様の多様化に伴い、例えば、通話やメールの送受信やゲームを行う場合には、使用者が長方形の表示部を縦長使いで見ながら片手で操作できるように、下筐体(第1筐体)と上筐体(第2筐体)とを連結部(ヒンジ機構)を介して長手方向へ開いて表示部と操作部とを縦長にするいわゆる縦開き状態とするのが便利である。一方、ゲーム、ブラウザやTV受信の場合には、表示部を横長使いで使用するように、第1筐体と第2筐体とを幅方向(短手方向)へ開くいわゆる横開き状態とするのが便利である。
【0004】
このため、特許文献1に記載の携帯端末においては、連結部(ヒンジ機構)を介して、第1筐体と第2筐体とを縦方向に開く縦開き状態および横方向に開く横開き状態が可能となっている。
【0005】
また、2つの筐体があって、何れか一方の筐体に対して他方の筐体を開閉及び回転可能に連結するヒンジは、開閉軸支持部に回動可能に支持された開閉軸と、該開閉軸を直交状態で回動可能に貫通した回転軸と、前記開閉軸支持部と開閉軸に相互に当接するように設けられた角度規制片と、前記回転軸に突設された規制フランジと前記開閉軸支持部に取り付けられ前記規制フランジに臨む回転規制部と、前記開閉軸の先端にかしめて固着され該開閉軸の抜け止めをする取付板と、を備えたものがある。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4206118号公報
【特許文献2】特開2000−240636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年では、開閉式携帯端末の小型化に伴って連結部にも小型化が求められている。このような要望に対して、貫通穴を小径化したり、さらには枢着部や連結体を小型化することが考えられる。
【0008】
しかしながら、従来構造の連結部においては、連結体が傾くような外力が加わって、一方の連結体に対して他方の連結体の支持力が弱くなると、ガタが生じやすいという問題が生じる。そのため、一方の連結体と他方の連結体との距離を大きくすることで、生じるガタをできるだけ小さくすることができるが、反面、連結部は小型化できないという問題があった。また、回転軸は開閉軸に枢着されているが、回転軸の傾きを小さくするためには、開閉軸の直径を大きくするとよいが、これに伴い、ヒンジ機構を大型化させてしまう。
【0009】
また、従来構造の連結部に使用するヒンジにおいては、開閉軸の抜け止めをする取付板をかしめて取り付けているため、かしめによる結合を解除に要する時間が長くなってしまう。分解に要する時間が長くなると、分解コストをアップさせてしまう。そのため、発生するトルクを安定させ、組み立て性も良好にしながら、さらには、分解性も向上させる構造が好ましい。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、前述した課題を解決するためになされたものであり、安定したトルクが発生する構造を実現しながら小型化できる回動装置、及びこれを備えた開閉式携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の回動装置の第1の態様として、太径部と細径部を有する回動軸部材と、前記細径部を回動可能に保持する保持部材と、前記細径部に取り付けられクリックを発生するカム部材と、角部を有し、前記太径部側に向けて前記カム部材を付勢するばね部材と、開口部を有し、前記開口部が広がる変形をしながら前記細径部を通過して該細径部に取り付けられる止め輪と、前記ばね部材と前記止め輪との間に介在し、第1平坦面に裏面に第2平坦面を有する平坦部材と、を備え、前記第1平坦面に前記付勢部材の角部を当接させ、前記第2平坦面側を前記止め輪側の平面に当接させた、ことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、着脱可能な止め輪を用いた構成であり、またばね部材は平坦な第1平坦面に当接させられるので、簡単な作業で組立てができながら、ばね部材に一定な撓みを安定して付与することができる。また、止め輪を外すだけで分解ができるので、メンテナンス性を良好にしたり、廃棄時の分解時間の短縮、材料の分類を容易にすることができる。
【0013】
本発明の回動装置の第2の態様として、上記第1の態様において、前記保持部材は、前記クリック発生部と前記ばね部材と前記止め輪と前記平坦部材とを間に挟むように前記回動軸部材を保持した、ことを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、細径部を可能な限り長い距離で保持できるので、保持部材に対する回動軸部材の傾きを小さくすることができる。
【0015】
本発明の開閉式携帯端末の第1の態様として、上記第1又は第2の態様の回動装置を備える。
【0016】
上記構成によれば、開閉式携帯端末の開閉時に、安定したトルクで回動させることができる。また、開閉式携帯端末を構成する筐体の傾きを小さくすることができる。
【0017】
本発明の回動装置の第3の態様として、太径部と細径部とを有する回動軸部材と、前記細径部を回動可能に保持する保持部材と、前記細径部に取り付けられクリックを発生するカム部材と、前記太径部側に向けて前記カム部材を付勢するばね部材と、開口部を有し、前記開口部が広がる変形をしながら前記細径部を通過して該細径部に取り付けられる止め輪と、前記ばね部材の付勢力が装着される前記回動軸部材に作用するように前記ばね部材と前記止め輪との間に介在する平坦部材と、を備える。
【0018】
上記構成によれば、着脱可能な止め輪を用いた構成であり、またばね部材の伸縮力が、平坦部材を介して、止め輪に作用するので、簡単な作業で組立てができながら、ばね部材に一定な撓みを安定して付与することができる。また、止め輪を外すだけで分解ができるので、メンテナンス性を良好にしたり、廃棄時の分解時間の短縮、材料の分類を容易にすることができる。さらに、細径部を可能な限り長い距離で保持できるので、保持部材に対する回動軸部材の傾きを小さくすることができる。
【0019】
本発明の回動装置の第4態様として、上記第3の態様において、前記保持部材は、前記クリック発生部と前記ばね部材と前記止め輪と前記平坦部材とを間に挟むように前記回動軸部材を保持する。
【0020】
上記構成によれば、細径部を可能な限り長い距離で保持できるので、保持部材に対する回動軸部材の傾きを小さくすることができる。
【0021】
本発明の開閉式携帯端末の第2の態様として、上記第3又は第4の態様の回動装置を備える。
【0022】
上記構成によれば、開閉式携帯端末の開閉時に、安定したトルクで回動させることができる。また、開閉式携帯端末を構成する筐体の傾きを小さくすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る回動装置及びそれを備えた開閉式携帯端末によれば、安定したトルクが発生する構造を実現しながら小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態における開閉式携帯電話の外観を示す斜視図(a)閉状態、(b)第1開状態、(c)第2開状態、(d)第3開状態
【図2】図1(a)における第2ヒンジの中心を図示した断面図
【図3】本発明の実施形態における開閉式携帯電話の筐体内の電気的構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施形態における第2ヒンジの分解斜視図
【図5】図2の部分拡大図(a)本実施形態の平坦部材を使用した場合、(b)図2から平坦部材を除外した場合
【図6】本発明の実施形態における開閉式携帯電話が閉状態のときの第1ヒンジの中心を図示した断面図
【図7】本発明の実施形態における開閉式携帯電話が第2開状態のときの第1ヒンジの中心を図示した断面図
【図8】図7の部分拡大図
【図9】本発明の実施形態における開閉式携帯電話が第1開状態のときの第1ヒンジの中心を図示した断面図
【図10】本発明の実施形態における開閉式携帯電話のケーブルの断面図(a)第2ヒンジの中での状態、(b)第2ヒンジから脱出直後の状態
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは、本発明の開閉式携帯端末として、折畳型(開閉式)携帯電話に適用して説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態における開閉式携帯電話の外観を示す斜視図であり、(a)は閉状態、(b)は第1開状態、(c)は第2開状態を示す。図2は、図1(a)における第2ヒンジの中心を図示した断面図である。図3は、本発明の実施形態における開閉式携帯電話の筐体内の電気的構成を示すブロック図である。図4は、本発明の実施形態における第2ヒンジの分解斜視図である。図5は、図2の部分拡大図であり、(a)は本実施形態の平坦部材を使用した場合、(b)は図2から平坦部材を除去した場合を示す。図6は、本発明の実施形態における開閉式携帯電話が閉状態のときの第1ヒンジの中心を図示した断面図である。図7は、本発明の実施形態における開閉式携帯電話が第2開状態のときの第1ヒンジの中心を図示した断面図である。図8は、図7の部分拡大図である。図9は、本発明の実施形態における開閉式携帯電話が第1開状態のときの第1ヒンジの中心を図示した断面図である。図10は、本発明の実施形態における開閉式携帯電話のケーブルの断面図であり、(a)は第2ヒンジの中での状態、(b)は第2ヒンジから脱出直後の状態を示す。
【0027】
図1に示すように、本実施形態の開閉式携帯電話(以下、本体部という)1は、大略構成として、略箱状の上筐体2(第2筐体)と、略箱状の下筐体3(第1筐体)と、上下の筐体2、3を開閉可能に連結する連結部4と、を備えて、本体部1を構成している。連結部4の回動動作により、本体部1は、軸心aを中心に矢印A方向(第1方向)及び矢印A方向に直交し軸心bを中心に矢印B方向(第2方向)に開閉可能に連結されている。
【0028】
携帯時には、図1(a)に示すように、本体部1を構成する上筐体2と下筐体3とが互いに重なった重畳状態(閉じた状態または閉状態)で用いられる。例えば、通話時、文字や数字、電話番号を入力する場合、図1(b)に示すように、本体部1が閉状態から、下筐体3に対して上筐体2を軸心aを中心に矢印A方向(または第1方向)に回動させた第1の開いた状態(第1開状態または縦開きの状態)で用いられる。例えば、TVを横長画面で視聴する場合、図1(c)に示すように、本体部1が閉状態から、下筐体3に対して上筐体2を軸心bを中心に矢印B方向(または第2方向といい、第1方向と直交する方向である)に回動させた第2の開いた状態(第2開状態または横開きの状態)で用いられる。
【0029】
次に、本実施形態の開閉式携帯電話の本体部1が有する各構成要素について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0030】
上筐体2は、レシーバ5と、スピーカ6と、第1表示部7と、第2表示部8と、第1カメラ部9と、磁気検出素子として用いる第1ホール素子10と第2ホール素子11と、第1の電気回路部である第1プリント基板12と、を収容している。上筐体2の主面2A側には第1表示部7が設けられている。主面2Aとは反対側の裏面2Bには第2表示部8が設けられている。
【0031】
下筐体3は、送話部(マイクロフォン)13と、操作部14と、第2カメラ部15と、第1磁石16と、アンテナ17と、第2の電気回路部である第2プリント基板18と、UIMカード装着部19と、着脱可能な電池20などを収容している。第2プリント基板18には、無線回路部21、データ変換部22、音声処理部23、画像処理部24、情報記録部25及び制御部26などを実装している(図2では、2点鎖線で示している)。また、第2プリント基板18には給電部(図示せず)を形成し、給電部にアンテナ17が接続される。このうち、下筐体3の主面3Aには、本体部1が第1、第2開状態のときに露出する操作部14が設けられる。契約者の情報や電話番号情報、個人識別情報などが記録されたICカードとして使用されるUIM(User Identity Module)カードは、電池20に隣接配置されたUIMカード装着部19に装着され、電池20を覆う電池カバー27と電池20が外された状態で交換(抜き挿し)できるようになっている。電池カバー27は、主面3Aとは反対側の背面3Bの一部を構成し、着脱可能になっている。
【0032】
連結部4は、第1連結部(第1回動装置、または第1ヒンジ)28と第2連結部(第2回動装置、または第2ヒンジ)29が装着され、上筐体2と下筐体3とを回動可能に連結するものである。また、連結部4には、片端は第1プリント基板12の表面に設けられた第1コネクタ30に差し込まれ、他端は第2プリント基板18の表面に設けられた第2コネクタ31に差し込まれて、第1プリント基板12と第2プリント基板18とを電気的に接続する、可撓性を有する配線部材(ケーブル)32が通される。ケーブル32は複数本からなり、ポリエステルなどの繊維で形成された筒状の管部材33の中に通される。第2磁石34は、閉状態と第1開状態のときに第2ホール素子11と対向するように連結部4の内部に設けられている。
【0033】
次に、下筐体3について、詳述する。マイクロフォン13は、下筐体3の主面3Aにあって本体部1が閉状態のときに上筐体2が対向して覆われ、本体部1が第1または第2開状態のときに露出するように設けられている。通話時は、使用者の音声を通信相手に送話する。
【0034】
操作部14は、下筐体3の主面3Aに配置されている。電話番号や文字を入力するために、数字や文字、記号が印刷されている。受話や終話、レシーバ5やスピーカ6から出力される音量の調節、マナーモードへの切替え、メニュー画面における選択と確定などができる複数の操作ボタンなどからなる。
【0035】
第2カメラ部15は、主面3Aの反対側の背面3B側であって第2プリント基板18に近接して配設され、第1開状態のときには第1表示部7の後方が撮像可能になっている。被写体が使用者の前方にあるとき、撮影しながら第1表示部7に表示される撮影画像が確認できる。
【0036】
第2カメラ部15と前述した第1カメラ部9は、ともに捉えた被写体からの入射光を、レンズ群を通過してCCD(電荷結合素子)などの光電変換素子にて光信号から電気信号に変換され、画像情報が生成される。画像情報は、画像処理部24にて処理された後、第1表示部7に画像を生成する。また、撮像した画像は電話番号とともに電話帳に記録できる。画像が保存されている相手から着信があった場合、本体部1が閉状態であれば第2表示部8に、本体部1が第1または第2開状態であれば第1表示部7に、該当する電話番号と関連付けられた画像を表示する。関連付けられた画像が顔画像であれば、発信相手を容易(一目)に認識できる。
【0037】
このため、第1表示部7、第2表示部8、第1カメラ部9及び第2カメラ部15は、画像処理部24と接続されており、第1カメラ部9及び第2カメラ部15が撮影した画像情報は、所定の操作を行うと、情報記録部25に記録される。なお、情報記録部25は、第1カメラ部9及び第2カメラ部15が撮影した画像情報の以外にも、電話番号情報や音声情報、他の画像情報(受信した画像情報等)、作成中または送受信したメール等の文字情報を記録することができる。
【0038】
アンテナ17は、下筐体2内に配置される。アンテナ17は、GSM方式の帯域である900MHz帯、1.8GHz帯、1.9GHz帯と、W−CDMA方式の帯域である2GHz帯のいずれかで共振点を有し、これらいずれかの帯域、或は複数の帯域で送受信が行える。またアンテナ17は、デジタルテレビ放送やラジオ放送などを受信したり、或は近距離無線通信用の送受用アンテナとして用いても構わない。
【0039】
第2プリント基板18は、操作部14の下側であって、第2カメラ部15の周辺に設けられ、一部にはUIMカード装着部19や電池20に接続されるコネクタ(図示せず)を備える。
【0040】
制御部26は、操作部14、第1ホール素子10、第2ホール素子11、無線回路部21、データ変換部22、画像処理部24及び情報記録部25接続されており、これらの制御を行う。さらに、制御部26は、UIMカード装着部19や電池20にも接続されている。
【0041】
無線回路部21はアンテナ17に接続されており、このアンテナ17で受信したデータを処理してデータ変換部22に出力するように構成されている。データ変換部22は音声処理部23に接続されており、音声処理部23は、レシーバ5、スピーカ6及びマイクロフォン13にそれぞれ接続されている。
【0042】
従って、データ変換部22では、無線回路部21及び制御部26を介して、アンテナ17からの受信データを音声データに変換して音声処理部23に出力する。
【0043】
音声処理部23は、音声データを復号化して音声信号を生成した後、レシーバ5やスピーカ6に出力する。レシーバ5やスピーカ6は、音声処理部23から伝達された音声信号に対応する音声を出力する。
【0044】
また、音声処理部23は、マイクロフォン13が受けた音声を符号化して音声データを生成した後、データ変換部22に出力する。データ変換部22は、入力した音声データを通信データに変換した後、無線回路部21に出力する。無線回路部21は、受け取った通信データを処理し、アンテナ17から無線信号の電波として送信する。
【0045】
次に、第1ホール素子10と第2ホール素子11について説明する。第1ホール素子10は、本体部1が閉状態では第1磁石16が近接状態にあるため、第1磁石16の磁界を検出して制御部26に検出信号を出力する。また、第1ホール素子10は、本体部1が第1開状態及び第2開状態であれば第1磁石16が離間するので、第1磁石16の磁界を検出できないため、第1ホール素子10は検出信号を生成しない。
【0046】
第2ホール素子11は、本体部1が閉状態及び第1開状態では、第2磁石34が近接状態にあるため、第2磁石34の磁界を検出して制御部26に検出信号を出力する。また、この第2ホール素子11は、本体部1が第2開状態であれば第2磁石34が離遠するので、第2磁石34の磁界を検出できないため、ホール素子11は検出信号を生成しない。
【0047】
すなわち、第1ホール素子10が第1磁石16を検出し、第2ホール素子11が第2磁石34を検出すると、本体部1は第1閉状態である。第1ホール素子10が第1磁石16を検出せず、第2ホール素子11が第2磁石34を検出すると、本体部1は第1開状態である。第1ホール素子10が第1磁石16を検出せず、第2ホール素子11も第2磁石34を検出しなければ、本体部1は第2開状態である。
【0048】
本体部1を閉状態から第1開状態または第2開状態にすると、操作部14と第1表示部7が露出し、操作部14を照明する光源や第1表示部7を照明する光源がオンとなる。所定時間操作されなければ、光源はオフとなる。本体部1が開かれた状態から閉状態にすると、操作部14や第1表示部7を照明する光源がともにオフとなり、消費電力を低減させる。また、本体部1が閉状態のときに着信すると、第2表示部8に相手先情報が表示される。使用者が着信動作をするために本体部1を第1開状態にすると、第2表示部8に表示された情報は非表示となり、代わりに第1表示部7に表示されるなど、本体部1の態様により、種々、表示の仕方が制御される。
【0049】
ケーブル32は、第1プリント基板12と第2プリント基板18とを電気的に接続するものである。制御部26による制御によって、レシーバ5やスピーカ6から音声を出力させる信号、第1カメラ部9や第2カメラ部15による撮影画像を第1表示部7に表示させるための信号等の送受信が行われる。管部材33は、両端がテープ34(図2に片端側のみ図示)によってケーブル32に固定される。管部材33は伸縮するため、本体部1への組み付け時、ケーブル32に対して管部材33が任意に動くことを防止するために固定される。
【0050】
次に、連結部4について、図2、図4、図5を用いて詳述する。図4に示すように、連結部4に収容される第2ヒンジ29は、回動軸部材41と、保持部材42と、カム部材43と、第1ばね部材44と、筒部材45と、平坦部材46と、止め輪47と、移動部材48と、第2ばね部材49と、からなる。この第2ヒンジ29と隣接して下筐体3に回動不能に取り付けられる取付部材(軸受部材または移動制御部)50が配置される。
【0051】
回動軸部材41は、細径部51と、細径部51に形成された溝部52と、細径部51より直径が大きい太径部53と、太径部53と直交するように形成されたアーム部54と、アーム部54に形成されておりねじ55、56によって上筐体2に固定される第1ねじ穴部57、第2ねじ穴部58と、細径部51と太径部53に貫通した第1貫通穴59と、を有する。太径部53は切欠き面60を有する(図6参照)。太径部53は、細径部51とアーム部54の間に形成されている。
【0052】
保持部材42は、回動軸部材41の細径部51を回動可能に保持、支承する第2貫通穴61、第3貫通穴62と、移動部材48を収容して保持する収容部63と、第3ねじ部64と、第1突起部65と、第2突起部66と、を有する。第2貫通穴61に通された細径部51には、細径部51と共回りするように取り付けられるカム部材43と、第1ばね部材44と、筒部材45と、平坦部材46と、が取り付けられる。その後、太径部53は保持部材42と当接して、細径部51先端が保持部材42の第3貫通穴62を貫通しないよう、保持部材42に対して回動軸部材41が位置決めされる。
【0053】
溝部52に止め輪47が取り付けられて、回動軸部材41が保持部材42に回動可能に取り付けられる。そして、回動軸部材41は、保持部材42からが抜けないように保持される。
【0054】
第1ばね部材44は、皿ばねが直列配置になるように複数枚重ねられて構成されている。
【0055】
筒部材45は、第1ばね部材44を囲むように設けられる。筒部材45が第1ばね部材44を囲むことにより、組み立て中に第1ばね部材44の中に塵埃の侵入を防止する。また、保持部材42に対して回動軸部材41が抜けるような力が作用して、複数枚の皿ばねからなる第1ばね部材44が全て平坦になるような極度な変形が生じるのを防止する(第1ばね部材44が永久変形しないようにする)。
【0056】
カム部材43は、回動軸部材41が回動したときにクリックを発生させる部材である。そのために、細径部51のスラスト方向に可動可能に設けられる。一側面には凹凸上の第1凹凸面67が形成され、第1凹凸面67の反対側は第1ばね部材44によって付勢される。第1凹凸面67と対向する保持部材42にも凹凸状の第2凹凸面68が形成されている。第1凹凸面67の凸面と第2凹凸面68の凹面が対面している状態から、回動軸部材41とともにカム部材43が回動すると、第1凹凸面67の凸面が第2凹凸面68の凹面が対面している状態から脱出して、第1凹凸面67の凸面と第2凹凸面68の凸面が対面する。この脱出時に第1ばね部材44の撓みが増大し、クリックが発生する。また、第1凹凸面67の凸面と第2凹凸面68の凸面が対面した状態から、第1凹凸面67の凸面が第2凹凸面68の凹面が対面するときには、第1ばね部材44の撓みが減少して、クリックを発生する。
【0057】
すなわち、回動軸部材41を回動させるとき、回動に要するトルクが急激に変わるときにクリック感として得られる。クリックが発生する位置は、閉状態から第2開状態へと移行開始するときと、第2開状態への移行を完了するときに発生するように構成されている。使用者は、閉状態から第2開状態へと移行させるとき、移行開始時と移行完了時にクリック感として得られる。また、第2開状態から閉状態へと移行させるときの移行開始時と移行完了時にも、クリック感として得られる。
【0058】
平坦部材46は、第1ばね部材44を構成する皿ばねの角部44Aが止め輪47と直接、当接させないようにするために設けられる。また、穴69を有し、この穴69に細径部51が挿通する。
【0059】
皿ばねの角部44Aは円状であるが、止め輪47は切り欠かれた開口部70を有するため、開口部70で皿ばねの角部44Aが脱落して傾斜するなど、所定の撓みが発生しなくなることを回避する。
【0060】
ここで、図5を用いて、平坦部材46の作用を説明する。図5(a)のように、平坦部材46があるので、第1ばね部材44における止め輪47に最も近く配置される皿ばねの内径側の角部44Aは、全周が平坦部材46の第1平坦面46Aと当接する。皿ばねの外径側の角部44Bを止め輪47に最も近く配置した場合でも、角部44A全周が平坦部材46の第1平坦面46Aと当接する。一方、図5(b)のように、平坦部材46がないと、第1ばね部材44における止め輪47に最も近く配置される皿ばねの内径側の角部44Aの一部は、止め輪47の開口部70に陥落する。そのため、図5(b)に示すように、皿ばねが傾いてしまう。皿ばねが傾くと、複数枚重なった第1ばね部材44は、所定の撓みが発生しない。そのため、所定の荷重でカム部材43を付勢しないので、回動軸部材41と共に回動するカム部材43は、所定の摺動トルクや所望のクリックを発生しない。
【0061】
従って、第2ヒンジ29は、平坦部材46を設けたので、第1ばね部材44が所定の撓みを生じることで回動軸部材41に安定したトルクを発生させられるなど、生じるトルクの安定性を犠牲にすることなくばらつきを最小化しながら小型化を図っている。
【0062】
なお、第1ばね部材44が生じる付勢力を、止め輪47における第1ばね部材44側の面に対して垂直に力を受けるようにすれば、第1ばね部材44に所定の撓みを発生させることができるなど、適宜、第1ばね部材と止め輪47の間に、第1ばね部材44側を向く側面と止め輪47側を向く側面が、ともに止め輪47と平行にする部品を、適宜、追加してもよい。
【0063】
平坦部材46の第1平坦部46A、第1平坦部46Aの裏面であって第1平坦部46Aと平行な第2平坦部46Bと隣接しながら当接する止め輪47、止め輪47が取り付けられる溝52であって第1ばね部材44に対して遠方の端面52A、カム部材43の第1凹凸面67の反対面は、全て平行で、かつ回動軸部材41の軸心bに垂直にしている。そのため、第1ばね部材44おける止め輪47に最も近く配置される皿ばねの内径側の角部44Aは、第1平坦面46Aと当接するので、第1ばね部材44の反力は細径部51のスラスト方向に作用させることができる。従って、第1ばね部材44による付勢力は、端面52Aと第1凹凸面67の反対面に垂直(軸心bに平行)に作用させる。
少なくとも、第1凹凸面67の裏面と、端面52Aと、が軸心bに対して直角であって、第1平坦部46Aと第1凹凸面67の裏面が、第1ばね部材44の角部がすべて当接する平面にすれば、平坦部材46と止め輪47との間にばねの付勢力を伝達する部品を介在させれば、第1ばね部材44は所定の付勢力を発生し、回動軸部材41は所定トルクで回動し、カム部材43は所望のクリックを発生する。
【0064】
なお、上述したように、第1ばね部材44における止め輪47に最も近く配置される皿ばねの内径側の角部44Aは、平坦部材46に当てなければならないため、細径部51外形に対する穴69との隙間(ガタ)は、組み立て性も考慮しながら設定しなければならない。すなわち、ガタが最大になっても、第1ばね部材44における止め輪47に最も近く配置される皿ばねの内径側の角部44Aに確実に当接するように、適宜設定すればよい。
【0065】
止め輪47は、開口部70が広がる変形をしながら溝部52に取り付けると、第1ばね部材44は所定量だけ撓み、カム部材43を保持部材42に向けて付勢する。
【0066】
すなわち、止め輪47の開口部70が広がる変形をしながら溝部52に取り付けられると、保持部材42は、カム部材43と第1ばね部材44と止め輪47と平坦部材46とを間に挟むようにして保持する。所謂、片持ち状態ではなく、両端支持状態となる。これにより、保持部材42は、細径部51を保持する保持長L1(図2に図示した、第1凹凸面67の裏面から端面52Aまでの長さ)を大きくすることができるので、保持部材42に対する回動軸部材41の振れを小さくしている。
【0067】
溝部52に止め輪47が取り付けられた状態では、第1ばね部材44の付勢力により太径部53が第2貫通穴61の入り口に付勢当接され、平坦部材46が止め輪41に付勢当接されるので、細径部51は、保持部材42に対して回動軸部材41のスラスト方向に微動しない(ガタが無い)状態で取り付けられる。
【0068】
移動部材48は、突出部72と、脚部73と、円柱部74と、を有する。第2ばね部材(コイルばね)49の中に円柱部74が差し込まれながら、保持部材42の収容部63に収容される。突出部72は、第2ばね部材49により付勢される方向の先端に形成されている。移動部材48が収容部63に収容された状態では、第2ばね部材49により矢印C方向に付勢され、突出部72が保持部材42の収容部63より突出する。収容部63から突出した突出部72は、収容部63入り口に形成された第2突起部66と隣接する。
【0069】
軸受部材50は、下筐体3と連結部4に跨るように設けられ、下筐体3に対しては固定され、連結部4に対しては回動可能に取り付けられる。軸受部材50は、第4貫通穴75と、先端側に形成された引掛け部76と、を有し、引掛け部76は本体部が第1開状態のときに脚部73と当接して、移動部材48を図4に示す矢印C方向とは反対側へ移動させる。
【0070】
次に、図6を用いて、連結部4について説明する。下筐体3の一端側(連結部4が装着される側)には、端部(図6では左端側)に略円筒状の第1ヒンジ装着部77、略中央部に略円筒状のガイド部78が形成されている。
【0071】
連結部4は、第1保持部79と、第2保持部80と、第1保持部79と第2保持部80を接続する接続部81と、からなる。第1保持部79は、第1ヒンジ装着部77とガイド部78の間に配置される。
【0072】
接続部81はガイド部78の外側に配置され、第1保持部79と第2保持部80とがガイド部78の外側から挟み込むように形成されている。接続部81の内部に第2ヒンジ29が装着される第2ヒンジ装着部82を有する。第2ヒンジ装着部82は、連結部4に対して第2ヒンジ29の第3ねじ部64を先頭に、本体部1が閉状態のときの上筐体2側から下筐体3側への方向へと組み付けられる。第2ヒンジ29が連結部4内に収容された後、ねじ83が第3ねじ部64に螺着して固定される。
【0073】
第1ヒンジ28は、第1ヒンジ装着部77に回動不能に保持される第1固定部28Aと、第1保持部79に回動不能に保持される第2固定部28Bと、を有する。下筐体3に対して上筐体2が、図6に示す軸心aを中心に矢印A方向に回動したとき、第1固定部28Aに対して第2固定部28Bが回動し、内蔵されたクリック発生部(図示せず)とトルク発生部(図示せず)とにより、所望の摺動トルクやクリックが得られるようになっている。
【0074】
図7乃至図9に示す符号は図6に示す符号と同じなので、図7乃至図9の符号の説明は省く。なお、ケーブル部材32は、複数本から構成されているが、図7乃至図9では、まとめて1本のケーブルとして図示している。
【0075】
次に、図2及び図10を用いて、ケーブル32について説明する。図2において、ケーブル32は、複数本から構成される。図示しないが、1本のケーブル32は、複数の中心導体と、中心導体の外部に設けられた第1絶縁層と、第1絶縁層の外部に設けられた外部導体と、外部導体の外部に設けられた第2絶縁層とからなる同軸細線である。複数本のケーブル32は、中空状に形成された管部材33の中に通される。管部材33は、ポリエステルなどからなる繊維で製紐されている。断面形状が容易に変形可能であり、かつ、表面と内面がともに低摩擦性を備えさせるため、繊維材で形成している。
【0076】
例えば、ゴム材で、管部材33を形成した場合について説明する。本体部1を開閉した場合、管部材33は周囲の他の構成部品(連結部4の内面や回動軸部材41の第1貫通穴59など)と擦れるため、磨耗が生じ易い。このとき、ゴム材の表面は摩擦抵抗が大きいため、擦れると磨耗が生じ、穴が開いてしまう。そのため、一般的に、ゴム製管部材の周囲に保護テープを巻く場合がある。その結果、コストアップを招きやすい。
【0077】
管部材33は、中空部分に複数本のケーブル32を通した状態で第1貫通穴59内に配置される。管部材33の片端側は、第1貫通穴59から脱出後に上筐体2内へと導かれる。管部材33の他端側は、第1貫通穴59から脱出後、略90度に曲げられ、軸受部材50の第4貫通穴75を通って下筐体3側へと導かれる。複数本のケーブル32が90度に曲げられた部位近傍において、例えば、複数本のケーブル32が粘着性のテープなどで束ねられていれば、束ねられた複数本のケーブル32は曲がりづらくなり、結果的に、形成される曲率Rが大きくなってしまう。曲率Rが大きくても、連結部4内に束ねられた複数本のケーブル32を配線するためには、第1貫通穴59から連結部4の内面4Aまでの距離L2も大きくしなければならないため、結果的に、連結部4及び本体部1全体を大きくしなければならない。
【0078】
そこで、本実施形態では、管部材33の中に複数本のケーブル32を束線せずに通しているのみである。そのため、複数本のケーブル32は、図10(a)に示すように、第1貫通穴59の中では略円状に配列されて並走する。管部材33も直線状に配置される。ここで、管部材33の直径をDとすると、管部材33の直径は、前述した第1貫通穴59から連結部4の内面4Aまでの距離L2よりも大きい(D>L2)の関係である。また、第1貫通穴59から複数本のケーブル32が脱出直後は、第1貫通穴59から連結部4の内面4Aまでの距離L2の空間を通すので、図10(b)のようにケーブル部材32は略楕円状となる。管部材33も略楕円状に変形する。管部材33の短軸側はほぼ距離L2と等しくなる。
【0079】
上述のように、複数本のケーブル32は断面が変形可能な管部材33内に設け、90度に曲げた後に管部材33の直径より狭い空間に配置したので、曲げた場合に生成する曲率を小さくすることができる。よって、配線スペースを小さくすることができるので、本体部1の大型化が回避できる。
【0080】
次に、図1を用いて、実施形態の開閉式携帯電話の動作について、図1を用いて説明する。使用者は、使用モードに合わせて、閉状態(図1(a))、第1開状態(図1(b))、第2開状態(図1(c))を選択する。
【0081】
本体部1に電源が投入されると、受信待受動作を開始される。操作部14を操作することで、カメラモードやTV受信モードに切り替えることができる。
【0082】
カメラモードにおいては、第2カメラ部15の起動によって、モードが切り替わる。第2カメラ部15を起動させると、第2カメラ部15の撮影画像を第1表示部7に表示させることができ、撮像画像を保存したいた場合には情報記録部25に記録させることができる。
【0083】
TV受信モードにおいては、TV放送を受信すれば、第1表示部7でTV視聴が可能になる。TV画像は横長画面であるため、横長画面で視聴することが望ましい。この場合、下筐体3に対して上筐体2を、図1(c)に示す軸心bを中心に矢印B方向に開いて本体部1を第2開状態にし、操作部14を手前側に持つと横長画面として第1表示部7を見ることができるなど、TV視聴に好適な態様となる。
【0084】
なお、各モード下において着信した場合、着信を報知するために、スピーカ6から着信音が出力される。このとき、上筐体2を、図1(b)に示すA方向に回動して本体部1を第1開状態にし、所定の操作を行うと受話できる。使用者の音声はマイクロフォン13から出力される。
【0085】
終話すると、受話直前のモードが再開する。
【0086】
携帯時には、閉状態が好適である。
【0087】
次に、図6を用いて、本体部1が開閉するときの動作について説明する。図6において、本体部1は閉状態なので、軸受部材50の引掛け部76は移動部材48の脚部73と当接して、移動部材48を矢印C方向(図4参照)とは反対方向へ移動させる(図6では、紙面奥行き方向)。図6では、移動部材48は収容部63の中に埋没している状態を示している。移動部材48の突出部72は、回動軸部材41の太径部53の切欠き面60と対面していないので、回動軸部材41は軸心bを中心に図6に示す矢印B方向に回動できる。
【0088】
次に、図7、図8を用いて、図1(a)に示す閉状態から、下筐体3に対して上筐体2を軸心bを中心に矢印B方向に回動して、図1(c)に示す第2開状態になるときの各部材の動作について、説明する。図7は、図6の状態(閉状態)から回動軸部材41が軸心bを中心に矢印B方向に約170度回動した状態(第2開状態)を示している。回動軸部材41の太径部53は、移動部材48の突出部72の先端側を通過して、第2開状態となる。切欠き面60が保持部材42に形成された第1突起部65と当接することで、所定量の角度(本実施形態では170度)だけしか回動できないようになっている。第2開状態では、太径部53が移動部材48の突出部72先頭を覆う。
【0089】
すなわち、軸受部材50の引掛け部76が移動部材48の脚部73と当接して、軸受部材50は、第2ばね部材49の付勢力に抗して移動部材48を矢印C方向とは反対方向に移動させて、突出部72を収容部63の中に引き込んでいる。そして、回動軸部材41の太径部53は、移動部材48の突出部72における矢印C側先端を覆うように構成している。
【0090】
ここで、図8は、図7の部分拡大図である。図8において、第2開状態では、太径部53が移動部材48の突出部72の一部(先頭部分)を覆い、覆われた部位を、斜線部72Aで示す。
【0091】
次に、図9を用いて、軸受部材50の動作について説明する。図9は、図6に示す状態(閉状態)から下筐体3に対して上筐体2を軸心bを中心に矢印B方向に回動させず、下筐体3に対して上筐体2が軸心aを中心に矢印A方向に回動した状態と同じであって、上筐体2に対して下筐体3が軸心aを中心に矢印A方向とは反対方向に回動した状態を示している。
【0092】
軸受部材50は、下筐体3のガイド部78に回動不能に保持されるとともに連結部4の第2保持部80に対しては回動可能に保持されているので、下筐体3に対して上筐体2が軸心aを中心に矢印A方向に所定角度だけ回動すると、軸受部材50は、連結部4に対して軸心aを中心に矢印A方向とは反対方向に所定角度だけ回動する。その結果、軸受部材50の引掛け部76が脚部73から離遠する。軸受部材50が離遠した移動部材48は、第2ばね部材49の付勢により、突出部72が保持部材42から突出する方向に移動する。突出後の突出部72は切欠き面60と当接するので、上筐体2は軸心bを中心に矢印B方向へは回動しない。
【0093】
すなわち、軸受部材50は、本体部1の筐体態様に応じて、第1ばね部材49による付勢力に抗して移動部材48の位置を制御するものである。また、突出部72は、第2突起部66と隣接しているので、上筐体2を軸心bを中心に矢印B方向とは反対方向に故意や不意に回動させると、突出部72は切欠き面60と第2突起部66の両方に当接する。このとき、大きな力当接すると、突出部72が破損してしまうので、切欠き面60から力を受けても破損しないように、突出部72は第2突起部66と当接する構成にしている。
【0094】
すなわち、突出部72は、収容部63から突出した状態では、切欠き面60から力を受けると、所謂、片持ちばり状態となり、曲げモーメートが生じる。曲げモーメントが作用しても突出部72が破損しないようにするためには、移動部材48を大きくしたり許容応力が大きい材料を使用するのがよいが、反面、大型化やコストアップを招いてしまう。
【0095】
そこで、本実施形態では、移動部材48の力を受ける面とは反対面を第2突起部66に当接することで、曲げモーメントが生じないようにすることができるので、移動部材48の大型化、コストアップを回避している。すなわち、突出部72に加わる力は、曲げられる力から圧縮される力に代わる。圧縮力に耐え得る材料は豊富なので、移動部材48は汎用材料で構成できる。
【0096】
次に、図1(d)を用いて、本体部1の第3開状態について説明する。使用者が、図1(c)に示す第2開状態から、下筐体3に対して上筐体2を軸心aを中心に矢印A方向に回動させてしまう誤操作を行った場合、移動部材48の脚部73から軸受部材50の引掛け部76が離遠する。離遠すると、第2ばね部材49の付勢により、移動部材48は矢印C方向に移動しようとするが、移動部材48の一部(先頭部分)は太径部53に覆われた状態なので、矢印C方向への移動はできない。仮に、移動部材48の先頭部分が太径部53に覆われていなければ、移動部材48は矢印C方向へ移動する。本体部1の態様としては、下筐体3に対して上筐体2がA方向及びB方向へともに回動した状態であり、図1(d)に示す本体部1の態様を第3開状態と称することにする。第3開状態では、第1表示部7は使用者側を向いていないので、表示部7に表示される表示情報を見ることができない。そこで、使用者が第3開状態を解消するためには、下筐体3に対して上筐体2をA方向及びB方向のいずれか一方の方向の反対側へ回動させるだけで済むとよい。下筐体3に対して上筐体2をA方向及びB方向のいずれか一方の方向へのみ回動する構成にすれば、使用者が誤って回動できない方向へ力を入れて、本体部1を破損してしまう場合がある。
【0097】
本実施形態のように、第3開状態では、移動部材48が太径部53によって覆われており、移動部材48が突出する方向へ移動できないようにしてあるので、第3開状態からは、下筐体3に対して上筐体2を、軸心aを中心に矢印A方向とは反対方向及び軸心bを中心に矢印B方向とは反対方向のいずれか一方の方向へ回動すれば、第1開状態か第2開状態のいずれか一方の態様へと本体部1の態様を変化させることができる。第1開状態にすれば、移動部材50が移動して突出部72が突出し、前述したように、突出後の突出部72は切欠き面60と当接するので、下筐体3に対して上筐体2は軸心bを中心に矢印B方向へは回動できない。よって、第2開状態から第3開状態へとは戻らない。
【0098】
以上より、保持部材42は、回動軸部材41の細径部51を、連結部4の中では最大限長い距離L1で保持する構成としたので、回動軸部材41に対するガタを小さくすることができる。外部から力が加わった場合でも、長い距離L1で保持しているので、ガタの増長も小さくできる。
【0099】
また、第1開状態においては、移動部材48が突出して太径部53と当接した状態なので、上筐体2を軸心bを中心に矢印B方向に回動させようとしても回動しないようにすることができる。しかも、閉状態では、上筐体2を軸心bを中心に矢印B方向に回動させようとした場合には簡単に行える。本体部1において、使用者が誤って第3の開状態にしてしまった場合、第1開状態または第2開状態の何れにも容易に変態させることができ、第1開状態にした場合は第3開状態へ態様を変化することを防止するなど、使用者には使い勝手のよい本体部1を提供できる。
【0100】
すなわち、本体部1の態様が第1開状態から第3開状態へと変化しないように、第2ヒンジ内29に本体部1の状態と連動する移動部材48を設けたので、使用者が、第1開状態で上筐体2を頭部に当てて通話するときには、使用者の意図に反して上筐体が回動しないようになっている。
【0101】
また、上筐体2と下筐体3を電気的に接続する複数本のケーブル32は、断面が変形可能な管部材33に配線したので、配線スペースの省スペース化が可能となり、本体部1の大型化を回避する。
【0102】
なお、管部材33を設けない場合、第2絶縁層が第2ヒンジ29の第1貫通穴59と直接触れる。回動軸部材41が回動すると、第1貫通穴59と第2絶縁層とに擦れが生じ、時には、外部導体を露出させてしまう場合がある。一般に、第2ヒンジ29は、高剛性が求められるので、金属製材料から形成される。そのため、外部導体が露出してしまうと、回動軸部材41と外部導体とが短絡し、中心導体に信号とともにノイズとして重送してしまう恐れがある。これを回避するためには、所望の厚みを有する第2絶縁層を形成するのが好ましいが、反面、ケーブル32が曲がりづらくなってしまう。その結果、第1貫通穴59の内径やL2を大きくしなければならない。そのため、省スペース化、第1貫通穴59の小径化により第2ヒンジ29の小形化を図る上では、ケーブル32はテープによる束線をせず管部材33に挿通させるのがよい。
【0103】
また、本実施形態では、本体部1が閉状態のときに軸受部材50が移動部材48と当接して、移動部材を矢印Cとは反対方向へ移動させる制御をしたが、下筐体3に固定された部品、或は下筐体3の一部が軸受部材50の代替として、移動部材48の位置を制御するようにしてもよい。
【0104】
また、本実施形態の第2ばね部材49は圧縮ばねで構成し、本体部1が閉状態のときには、第2ばね部材49のばね力に抗して移動部材48を矢印Cとは反対方向へ移動させるようにしたが、必ずしもこの限りではない。例えば、第2ばね部材49を引張りばねで構成し、引張りばねの力で突出部72を矢印Cと反対方向に引っ張る。本体部1が閉状態及び第2開状態のときは、軸受部材50や下筐体3の一部が、ばね力に抗して移動部材48を矢印C方向へ移動させるようにしてもよい。
【0105】
また、移動部材48は、所謂、並進運動をする構成としたが、必ずしもこの限りではない。例えば、回転軸を備えさせ、第1位置では回動軸部材とは当接しないようにし、第2位置では回動軸部材と当接して回動規制をするように、回転軸を中心に回転運動によって移動させるようにしてもよい。
【0106】
また、止め輪47の周囲について詳述しなかったが、例えば、使用者が誤って本体部を落下させてしまった場合には、止め輪47が溝部52から抜けてしまうような衝撃力が作用する。こういう事態を想定して、連結部4内には、止め輪41の開口部70が広がらないように、止め輪47外周に臨むリブ等を設けるとよい。
【0107】
なお、前述した角部は全て直角に図示してあるが、部品製作上、曲面や平面が付与されたものであっても、同一のエッヂが第1平坦面46Aに対して当接させる構造としてもよい。
また、太径部は回動軸部材と一体な構造として説明したが、別部材を装着して構成してもよい。
【0108】
以上、上記実施形態によれば、第2ヒンジを構成する平坦部材46は、第1ばね部材44の最も近接する角部に当接する第1平坦面46Aと、第1平坦部46Aの裏面であって止め輪47と当接する第2平坦面46Bと、を有し、第1ばね部材44は第1平坦面46Aに当接させ、前記第2平坦面側を前記止め輪側の平面に当接させたものである。また、保持部材42は、カム部材43と第1ばね部材44と止め輪47と平坦部材46とを間に挟むように回動軸部材41を保持させた。
【0109】
上記構成によれば、着脱可能な止め輪47を用いた構成であり、また第1ばね部材44は、平坦な第1平坦面46Aに当接させられるので、簡単な作業で組立てができながら、第1ばね部材44に一定な撓みを安定して付与することができる。また、止め輪47を外すだけで分解ができるので、メンテナンス性を良好にしたり、廃棄時の分解時間の短縮、材料の分類を容易にすることができる。さらに、細径部51を可能な限り長い距離で保持できるので、保持部材42に対する回動軸部材41の傾きを小さくすることができる。
【0110】
また、第2ヒンジを開閉式携帯端末に備えたので、開閉式携帯端末を構成する筐体の傾きを小さくすることができる。
【0111】
上記実施形態によれば、第2ヒンジを構成する平坦部材46は、前記ばね部材44の付勢力が前記回動軸部材に作用するように前記ばね部材44と前記止め輪47との間に介在する。また、保持部材42は、カム部材43と第1ばね部材44と止め輪47と平坦部材46とを間に挟むように回動軸部材41を保持させた。
【0112】
また、上記構成によれば、着脱可能な止め輪47を用いた構成であり、また第1ばね部材44の付勢力が、平坦部材46と止め輪47を介して回動軸部材に作用するので、簡単な作業で組立てができながら、第1ばね部材44に一定な撓みを安定して付与することができる。また、止め輪47を外すだけで分解ができるので、メンテナンス性を良好にしたり、廃棄時の分解時間の短縮、材料の分類を容易にすることができる。さらに、細径部51を可能な限り長い距離で保持できるので、保持部材42に対する回動軸部材41の傾きを小さくすることができる。
【0113】
また、第2ヒンジは、移動部材48が第1位置にあるときは、移動部材48が回動軸部材41と当接して回動軸部材41の回動規制がされ、移動部材48が前記第2位置にあるときは、移動部材48と回動軸部材41の当接が解消されて回動軸部材41の回動規制が解除されるとともに、回動軸部材41の一部は、移動部材48の第1位置側先端を覆うようにした、ことを特徴とする。
【0114】
上記構成によれば、移動部材48が第2位置にある状態から、回動軸部材41が不動であっても誤動作、誤操作により移動部材が第1位置へ移動しようとしたとき、移動部材48の移動を阻止することができる。
【0115】
また、第2ヒンジを開閉式携帯端末に備えたので、移動部材48が第2位置にある開閉式携帯端末の一つの態様から、回動軸部材41が不動であっても誤動作、使用者の誤操作により移動部材48が第1位置へ移動しようとしたとき、移動部材48の移動を阻止することができる。
【0116】
また、本体部1が閉状態から、下筐体3に対して上筐体2を軸心aを中心に矢印A方向へ回動可能に連結するとともに、下筐体3に対して上筐体2を軸心bを中心に矢印B方向へ回動可能に連結する連結部4と、を備え、連結部4は、上筐体2に接続される回動軸部材41と、回動軸部材41を回動可能に保持する保持部材42と、連結部4内に配設され、第1位置から第2位置へ移動可能な移動部材48と、第1位置から第2位置へ向けて移動部材を付勢する第2ばね部材49と、下筐体3の一部で形成または下筐体3に取り付けられ、本体部1の態様に応じて移動部材48の位置を変更させるように制御する移動制御部と、を有し、移動部材48は、第1位置及び第2位置のうち何れか一方の位置では回動軸部材41と当接して回動軸部材41の回動を規制し、第1位置及び第2位置のうち何れか他方の位置では回動軸部材41との当接が解消されて回動軸部材41の回動を許可し、移動制御部は、下筐体3に対して上筐体を軸心aを中心に矢印A方向へ、または軸心aを中心に矢印A方向とは反対方向へ回動するときには移動部材48と当接して第2ばね部材49による付勢力に抗して移動部材48の位置を制御するように構成した、ことを特徴とする。
【0117】
上記構成によれば、本体部1を構成する筐体の態様に連動して、移動制御部が移動部材48の位置を制御するので、使用者は、閉状態から上筐体2を軸心aを中心に矢印A方向に変化させるだけで上筐体2の回動規制ができる。また、重畳状態に変化させる(戻す)だけで上筐体2の回動規制の解除ができる。また、上筐体2を軸心bを中心に矢印B方向に変化させた後に軸心aを中心に矢印A方向に回動させてしまった非正常状態(第3開状態)にしてしまった場合、上筐体2を軸心aを中心に矢印A方向の反対側または軸心bを中心に矢印B方向の反対側に回動させることで、正常状態(第1開状態又は第2開状態)に回復できる。
【0118】
また、上記実施形態によれば、閉じ状態から横開きが可能になり、また、閉じ状態から縦開きへ状態と移行させたとき、縦開き状態から、第2筐体が横開き方向へ回動することが規制できる。よって、使用者は、頭部に第2筐体を当てながら通話をしても、使用者の意に反して第2筐体が回ることを防止するなど、従来の開閉式端末と何ら使用勝手は変わらないようにすることができる。また、配線スペースを小さくできるので、保持部材に対する回動軸部材の傾きを小さくすることができるなど、端末の大型化も回避できるなど、部品点数が少なくかつ簡単な構造で、かつ大型化を回避しながら、縦開きと横開きができる開閉式端末を提供することができる。
【0119】
また、上記実施形態によれば、本発明の回動装置は、第1の所定状態では回動が禁止され、第2の所定位置では回動を許可するように構成したり、簡単な構造により組み立て性、分解性を向上させたものである。この回動装置を備えた開閉式携帯端末は、第1開状態から第3開状態へ変化しないように構成し、かつ、第2開状態から第3開状態へと変化させてしまった場合には、第1または第2開状態に何れにも変えられる構成にしたものである。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明に係る回動装置及びそれを備えた開閉式携帯端末によれば、安定したトルクが発生する構造を実現しながら小型化することができるという効果を奏し、携帯電話機、PDA、モバイル型のPC、ノート型PCなどの電子機器における開閉式携帯端末に適用するのに好適である。
【符号の説明】
【0121】
1 開閉式携帯電話の本体部
2 上筐体
3 下筐体
4 連結部
29 第2ヒンジ
32 ケーブル
33 管部材
41 回動軸部材
42 保持部材
43 カム部材
44 第1ばね部材
44A、44B 角部
46 平坦部材
46A 第1平坦面
46B 第2平坦面
47 止め輪
48 移動部材
49 第2ばね部材
50 取付部材(軸受部材または移動制御部)
51 細径部
52 溝部
53 太径部
59 第1貫通穴
70 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太径部と細径部を有する回動軸部材と、
前記細径部を回動可能に保持する保持部材と、
前記細径部に取り付けられクリックを発生するカム部材と、
角部を有し、前記太径部側に向けて前記カム部材を付勢するばね部材と、
開口部を有し、前記開口部が広がる変形をしながら前記細径部を通過して該細径部に取り付けられる止め輪と、
前記ばね部材と前記止め輪との間に介在し、第1平坦面に裏面に第2平坦面を有する平坦部材と、
を備え、
前記第1平坦面に前記付勢部材の角部を当接させ、前記第2平坦面側を前記止め輪側の平面に当接させた、
ことを特徴とする回動装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記クリック発生部と前記ばね部材と前記止め輪と前記平坦部材とを間に挟むように前記回動軸部材を保持した、
ことを特徴とする請求項1記載の回動装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の回動装置を備えたことを特徴とする開閉式携帯端末。
【請求項4】
太径部と細径部とを有する回動軸部材と、
前記細径部を回動可能に保持する保持部材と、
前記細径部に取り付けられクリックを発生するカム部材と、
前記太径部側に向けて前記カム部材を付勢するばね部材と、
開口部を有し、前記開口部が広がる変形をしながら前記細径部を通過して該細径部に取り付けられる止め輪と、
前記ばね部材の付勢力が前記止め輪が装着される前記回動軸部材に作用するように前記ばね部材と前記止め輪との間に介在する平坦部材と、
を備える回動装置。
【請求項5】
前記保持部材は、前記クリック発生部と前記ばね部材と前記止め輪と前記平坦部材とを間に挟むように前記回動軸部材を保持した、
ことを特徴とする請求項4記載の回動装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の回動装置を備えたことを特徴とする開閉式携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−21650(P2011−21650A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165923(P2009−165923)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】