説明

回胴式遊技機

【課題】略矩形状と異なる全体形状を採用するとともに、前扉と筐体本体の隙間から不正器具が挿入されるのを防止する。
【解決手段】筐体本体2は、円筒状に形成された円筒部11を有し、当該円筒部11の一端及び他端がそれぞれ上面板12及び底面板13により閉塞されるとともに、前方に開口8を有する。前扉3は、左右の幅が前記開口8の左右の内径より大きく形成され、外側面が前記筐体本体2の内周に沿って回転スライド可能に設けられ、前記開口8の開放及び閉塞を行うとともに、前記開口8を閉塞した状態で、その左右両脇が前記筐体本体2の前記開口8の縁部とが重なり合って左右の重複部202を形成しているので、筐体本体2に前扉3を施錠した状態で前扉3と筐体本体2の隙間から不正器具が挿入されるのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の図柄を切り換えて表示する回胴式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチスロやスロットマシンと呼ばれる回胴式遊技機は、例えば特許文献1に記載されているように、略矩形状の箱体である筐体(筐体本体)と、当該筐体に開閉可能に取付けられた前扉(フロントドア)とを備えている。
【0003】
また、一般的な回胴式遊技機は、前扉に形成された透明な表示窓を通して筐体内の3列のリールが目視される。各リールの周面には複数種類の図柄が配列されて描かれており、リールを回転させることで遊技の入賞又はハズレに係る図柄が変動表示される。また、回胴式遊技機には、リールを一斉に回転させるスタートボタンと、回転する各リールを個別に停止させるためのストップボタンが設けられ、スタートボタンが傾倒操作されて回転を開始したリールは、ストップボタンの押圧操作を契機にそれぞれ制動されて停止する。そして、各リールが表示する図柄の組合せが有効ライン上に揃うと入賞が確定し、入賞図柄の組合せに応じた数の遊技媒体(メダル)を配当するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−230024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の回胴式遊技機では、筐体本体に略矩形状の箱体を用いているため全体形状について機種毎の変化が少なく、遊技者の興味を維持するのが困難になってきている。また、略矩形状では応力が集中するの角が多く筐体の軽量化が困難である。さらに、前扉が筐体本体に対して回動して前方に開く構造を採用していので、不正行為者により前扉と前扉の隙間から薄型の不正器具が挿入されて回胴式遊技機の内部部品に対して不正行為が行われる可能性があった。
【0006】
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、略矩形状と異なる全体形状を採用するとともに、筐体本体の軽量化が容易で、筐体本体に前扉を施錠した状態で前扉と筐体本体の隙間から薄型の不正器具が挿入されるのを防止できる回胴式遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、回胴式遊技機であって、円筒状に形成された円筒部を有し、当該円筒部の一端及び他端がそれぞれ上面板及び底面板により閉塞されるとともに、前方に開口を有する筐体本体と、左右の幅が前記開口の左右の内径より大きく形成され、外側面が前記筐体本体の内周に沿って回転スライド可能に設けられ、前記開口の開放及び閉塞を行うとともに、前記開口を閉塞した状態で、その左右両脇が前記筐体本体の前記開口の縁部とが重なり合って重複部を形成する前扉と、前記前扉の外側面に設けられ、遊技に係わる操作が行われる遊技操作手段と、前記筐体本体と前記前扉によって閉塞される空間の内部に設けられ、遊技に係わる制御を行う制御基板と、周面に複数種類の図柄が描かれ複数のリールを有し、前記筐体本体と前記前扉によって閉塞される空間の内部に設けられ、前記制御基板の制御に基づいて前記複数のリールの回転及び停止を行うリールユニットと、前記前扉に設けられ、当該前扉が前記筐体本体の前記開口を閉塞した状態で前記複数のリールの前方に配置して当該複数のリールの前側を視認可能にするリール表示窓とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の回胴式遊技機によれば、筐体本体は、エッジの少ない円筒状に形成されているので、略矩形状と異なる全体形状を採用できるとともに、筐体本体の軽量化が容易になり、前記前扉が前記開口を閉塞した状態で、当該前扉の左右両脇が前記筐体本体の前記開口の縁部とが重なり合って重複部を形成するので、筐体本体に前扉を施錠した状態で前扉と筐体本体の隙間から不正器具が挿入されるのを防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の回胴式遊技機によれば、略矩形状と異なる全体形状を採用するとともに、筐体本体の軽量化が容易になり、筐体本体に前扉を施錠した状態で前扉と筐体本体の隙間から薄型の不正器具が挿入されるのを防止できるので、遊技者の興味を容易に維持できるとともに、当該回胴式遊技機の設置作業や撤去作業の際に当該回胴式遊技機を容易に移動でき、不正行為を未然に防止して遊技施設の経営改善を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る回胴式遊技機の好適な一実施形態を図面を参照して説明する。なお、図1は回胴式遊技機1の外観構造を表した斜視図である。図2は回胴式遊技機1の正面図である。図3は前扉3を開放した状態の回胴式遊技機1を表した斜視図である。図4は図2のA−A線断面図である。図5は回胴式遊技機1の正面から見た断面図である。図6は前扉3の筐体内側面を示す背面図である。図7は回胴式遊技機1の制御システムを表したブロック図である。
【0011】
尚、図1乃至図7を用いた説明において、各部材の左側及び右側はそれぞれ回胴式遊技機1の正面面側から見た場合の左側及び右側を示しており、背面側から見た図6では、図面に向かって左側が各部材の右側になっている。
【0012】
図1において、回胴式遊技機1は、前方に開口を有する円筒形状の筐体本体2と、当該筐体本体2の開口の開放及び閉塞を行う前扉3とを備えている。
【0013】
筐体本体2は、円筒状に形成された円筒部11を有し、円筒部11の一端及び他端がそれぞれ上面板12及び底面板13により閉塞されるとともに、前方に開口8(図3参照)を有する。
【0014】
支持板14は、四角形の板状に形成され、前記筐体本体に収納された状態で上辺及び下辺がそれぞれ前記上面板12及び前記底面板13に接触して前記上面板12及び前記底面板13の間を支持する。
【0015】
前扉3は、図4に示すように、左右の幅が前記開口8の左右の内径より大きく形成され、図3に示すように、上面板12の下側面に形成されたレール溝15の底面板13の上側面に設けられたレール溝16によって外側面が前記筐体本体2の内周に沿って回転スライド可能に設けられ、前記開口8の開放及び閉塞を行う。
また、前扉3は、前記開口8を閉塞した状態で、その左右両脇が前記筐体本体2の前記開口8の縁部とが重なり合って図4に示す左右の重複部201、202を形成する。
【0016】
図1において、円筒部11の外周の上下には、補強用のリブ17、18が帯状に形成されている。
【0017】
前扉3の前面側は、上方から見て円周形状に形成されている。
【0018】
図1及び図2において、前扉3の前面側は、遊技動作に関する表示を行う上側部4と機種及び機番に係わる表示を行う下側部5を備え、これらは視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板として、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。更に、下側部5の下方には、入賞時に払い出されるメダル(遊技媒体)を貯留するメダル受皿62が一体的に形成されたメダル受皿部6が設けられている。
【0019】
また、上側部4と下側部5との間には、ゲーム操作を行うためのスイッチ類が配置されている操作部7が設けられている。なお、上側部4、操作部7、下側部5、及びメダル受皿部6は、遊技者側に面し、これらによって「前面パネル部」が構成される。
【0020】
上側部4の中央には、略長方形の透明なリール表示窓41が形成されている。回胴式遊技機1は、このようなリール表示窓41を通して筐体本体2内に設けられているリールユニット100の3個のリール101a、101b、101cが目視されるようになっている。
【0021】
ここで、筐体本体2内に設置されているリールユニット100は、円筒形状のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並べられ、各リール101a、101b、101cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄が描かれている。遊技者は、リール表示窓41を通して3列のリールに描かれたそれぞれ上下方向3個の図柄を目視できる。
【0022】
上側部4の上部には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれて形成された表示窓42に面して遊技機の演出装置として液晶表示装置43が配置されている。なお、液晶表示装置43は、ゲームの演出に係る映像やゲーム(遊技)に関する情報を主に表示する。
【0023】
操作部7の上面右側にはメダル投入部71が設けられている。メダル投入部71はメダルを投入するためのメダル投入口72を有する。前扉3の前面におけるメダル投入部71の上方には、取手73が設けられている。取手73は、前記筐体本体2の内側に向かって膨出することで外側面に対して凹んだ形状に形成される。
【0024】
操作部7の構成する化粧板70は、奥方に窪む段部になっている。化粧板70の右側部には、押しボタンスイッチであるベットボタン74が設けられている。
ベットボタン74は回胴式遊技機1の1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。本回胴式遊技機1においては、ベットボタン74が押圧操作されることで3枚の当該ゲームにメダルが賭けられる。
【0025】
操作部7の前面を構成する化粧板70の左側部には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートボタン75が設けられている。
また、化粧板70の中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止をそれぞれ指示するためのストップボタン76a、76b、76cが各リールの配列に対応して並設されている。
【0026】
さらに、操作部7の前面の左隅には、ゲームに賭けられたメダルをキャンセルして払い出させることを指示するとともに、後述するメダルクレジット手段126(図3参照)が内部貯留したメダルを精算して払い出させることを指示するための精算ボタン77が設けられている。
【0027】
筐体本体2の操作部7の右側に対応する位置には、前扉用シリンダ錠ユニット78が設けられている。前扉用シリンダ錠ユニット78には、前扉3を開錠するための鍵が挿入される鍵穴79が設けられている。回胴式遊技機1の管理者等が鍵穴79に所定の扉キーを挿入して開錠操作すると、筐体本体2に取付けられている前扉3を左側へ開くことができる。
【0028】
ここで、前記前扉3には、図3に示すように、当該前扉3が前記筐体本体2の前記開口8を閉塞した状態で前記筐体本体2の内側に押し込まれた前記前扉用シリンダ錠ユニット78が挿入される貫通孔92が形成されている。前扉用シリンダ錠ユニット78は、前扉3を開錠した状態で外側方向に突出し、貫通孔92から抜き出される。
【0029】
下側部5には、回胴式遊技機1の機種を遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの絵などを表示する表示パネル51が設けられている。
下側部5の下側に配置されたメダル受皿部6には、入賞時にメダルを排出するメダル払出口61と、払い出されたメダルを貯留するメダル受皿62と、演出効果音を発生させるスピーカを内蔵する左右の演出用放音部63a、63bとが配置されている。
【0030】
次に、図5及び図6を参照して、筐体本体2の内部構造と前扉3の裏面構造とを説明する。
【0031】
図5において、筐体本体2の内部には、支持板14が設けられている。支持板14の前面上部には、左右のブラケット部材81、82を介して硬質プラスチックの基板ケース80に収納された主制御基板20が取付けられている。主制御基板20は、回胴式遊技機1の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)を備えている。
【0032】
また、支持板14の前面には、リール101a、101b、101cを備えるリールユニット100が取付けられている。リールユニット100は、前扉3が閉じられると前扉3のリール表示窓41にリール101a、101b、101cが対向するように、所定フレームに位置決めされて取付けられている。なお、各リール101a、101b、101cは、それぞれに内蔵されたステッピングモータによって回転駆動される。
【0033】
また、リールユニット100の上部には、各リールを回転駆動する前記ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を送出する回胴装置基板110が取付けられており、主制御基板20が回胴装置基板に回胴駆動(励磁)パルスデータを送出することで、各リールの回転と制動及び停止の制御を行っている。
【0034】
リールユニット100の下方には、ホッパ装置21と、ホッパ装置21から溢れたメダルを収容するための補助貯留部23と、電源ユニット24が設けられている。電源ユニット24の内部の右側には、いわゆる配電盤に相当する電源基板25が設けられている。
【0035】
電源ユニット24は、ハーネスを介してホッパ装置21及び主制御基板20等の電気部品と電気的に接続する。また、電源ユニット24は、支持板14の壁面に形成された貫通孔9及び前記筐体本体2の壁面に形成された貫通孔に挿通された電源コード10を介して筐体本体2の外部から電力が供給され、供給された電力から所定の電圧値の電力を生成してホッパ装置21及び主制御基板20等の電気部品に供給する。ホッパ装置21の前面には、メダルを排出するメダル排出口22が設けられている。
更に、筐体本体2の上部右側の内面に、遊技場に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板26が取付けられている。
【0036】
一方、図6において、前扉3の筐体内側面の上部には、液晶表示装置43が取付けられている。更に、液晶表示装置43の裏面側には、電気回路基板で形成され硬質プラスチックの基板ケース90に収納されたサブ制御基板40が取付けられている。
【0037】
主制御基板20及びサブ制御基板40は、回胴式遊技機1の作動を制御する制御基板である。
【0038】
サブ制御基板40の下方には、リール101a、101b、101cを目視させるための透明なリール表示窓41が形成されたパネル板44が配置され、リール表示窓41の下方には、前面側のベットボタン74、スタートボタン75(図1参照)、ストップボタン76a、76b、76c(図1参照)及び精算ボタン77(図1参照)等の操作スイッチ類の出力信号を主制御基板20へ転送する中継基板として機能する中央表示基板33が設けられている。
【0039】
中央表示基板33の下方には、メダル選別装置34が取付けられている。メダル選別装置34は、メダル投入部71に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。また、メダル選別装置34はメダルセンサを内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入され、メダルセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受け付けを示す信号を主制御基板20へ送出する。
【0040】
メダル選別装置34の装置本体の下方には、メダル選別装置34によって振り分けられた正規のメダルを筐体本体2内に設けられているホッパ装置21へ案内するガイド部材35と、メダル選別装置34により排除されたメダル(又は異物)をメダル払出口61(図1参照)へ案内するキャンセルシュート部材36が設けられている。また、前扉3の裏面側下部には、ホッパ装置21のメダル排出口22から排出されたメダルをメダル払出口61(図1参照)へ案内するガイド部材37が設けられている。更に、メダル払出口61(図1参照)に隣接して、上述した演出用放音部63a、63b(図1参照)に対向するスピーカ38a、38bが取付けられている。
【0041】
なお、回胴式遊技機1全体の動作は、筐体本体2側に設けられている主制御基板20によって統括制御されており、サブ制御基板40は、液晶表示装置43による演出映像の表示制御、及び演出用放音部63a、63bのスピーカ38a、38bを使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
【0042】
次に、図7のブロック図を参照して、回胴式遊技機1に設けられている制御システムについて説明する。
図7において、主制御基板20は、CPU120と、記憶部121とを主要構成として備えている。
【0043】
記憶部121は、ROM、RAM等の半導体メモリによって構成され、主要構成としてプログラムROM122と制御RAM123を有している。記憶部121のプログラムROM122には、回胴式遊技機ゲーム用のシステムプログラム124が予め記憶されている。主制御基板20は、記憶部121のプログラムROM122に記憶されたシステムプログラム124に従ってCPU120が演算処理を実行することで、回胴式遊技機1全体の動作を統括制御している。
【0044】
また、記憶部121の制御RAM123にはメダルクレジット手段126が設けられている。メダルクレジット手段126は回胴式遊技機1が内部貯留するメダルの数であるクレジットをメモリに記憶する。
【0045】
また、主制御基板20には、ベットボタン74、スタートボタン75、ストップボタン76a、76b、76c、精算ボタン77等の操作スイッチ類が誤動作防止用の入力回路を介して接続されるとともに、メダル選別装置34のメダルセンサ131及びソレノイド132がハーネスを介して接続されている。
【0046】
また、主制御基板20には、電源基板25を介して、メダル払出装置であるホッパ装置21が電気的に接続されている。スタートボタン75は、当該スタートボタン75の操作を検出するフォトセンサ91を備えている。フォトセンサ91の検出出力は、主制御基板20に設けられた入力回路161を介してCPU120に入力される。尚、図7において、主制御基板20には、説明の簡略化のため操作スイッチ類の入力回路としてスタートボタン75用の入力回路161のみ図示しているが、主制御基板20には、他のスイッチ用の入力回路も設けられている。
【0047】
ソレノイド132は、メダル選別装置34に流下するコインを強制排除する場合に用いられるメダルブロッカを駆動するためのものである。CPU120は、主制御基板20に設けられたソレノイド駆動回路130を制御することでソレノイド132のオン、オフを行う。
【0048】
主制御基板20は、前記操作スイッチ類やメダル選別装置34のメダルセンサ131からの出力信号によりゲームに係る操作を検出する。
【0049】
また、主制御基板20は、動作モードがメダルベット待機状態となっている場合において、メダルセンサ131がメダルを検出した場合、検出したメダルをゲームの賭数に加算する。
【0050】
また、主制御基板20は、動作モードがメダルクレジット入力待機状態となっている場合において、メダルセンサ131がメダルを検出した場合、検出したメダルをメダルクレジット手段126のクレジットに加算する。ここで、メダルベット待機状態とは、1つのゲームが終了した後、当該ゲームにメダルが賭けられるのを待機している状態のことを示している。メダルクレジット入力待機状態とは、当該ゲームにメダルが賭けられた後、メダルクレジット手段126の前記クレジット数が最大値(50)になるまでの状態のことを示している。
【0051】
また、主制御基板20は、各リール101a、101b、101cに設けられる基準位置センサ103a、103b、103cの検出信号を入力し、各リールの基準となる回転位置を把握しながら、回胴装置基板110に所定の回胴駆動パルスデータを送出する。回胴装置基板110は、主制御基板20からの回胴駆動パルスデータに従って各ステッピングモータ102a、102b、102cを回転駆動することで、各リール101a、101b、101cの回転及び停止の動作制御を行っている。
【0052】
また、主制御基板20は、入賞が確定した場合等において、電源基板25を介してホッパ装置21を制御することで、所定数のメダルをメダル受皿62に払い出す。
【0053】
さらに、主制御基板20は、精算ボタン77が操作された場合、ゲームに賭けられたメダルをキャンセルしてホッパ装置21に払い出させるとともに、メダルクレジット手段126(図7参照)が内部貯留したメダルを精算してホッパ装置21に精算前のクレジット数のメダルを払い出させる。
【0054】
サブ制御基板40は、主制御基板20からの制御信号に基づいて液晶表示装置43(図1参照)、演出用放音部63a、63b(図1参照)のスピーカ38a、38b等の演出装置50を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出をゲームの進行に応じて行っている。
【0055】
一方、主制御基板20の記憶部121のプログラムROM122には、入賞抽選テーブル125が記憶されている。また、記憶部121の制御RAM123には、内部当選した入賞役に対応するフラグを記憶する内部抽選フラグ記憶領域127が設定されている。
【0056】
さらに、記憶部121の制御RAM123には、前記入賞役を抽選する抽選確率の設定を記憶する設定記憶領域128が設定されている。
また、主制御基板20には、乱数値のデータを発生する乱数発生装置162がCPU120に接続した状態で設けられている。乱数発生装置162は、入力回路161の出力側と接続しており、入力回路161からの操作検出信号がスタートボタン75の操作の検出を示したタイミングで乱数を発生される。
【0057】
CPU120は、入力回路161からの操作検出信号がスタートボタン75の操作の検出を示すことを契機に乱数発生装置162から乱数値を取得し、設定記憶領域128に記憶された設定に対応する入賞抽選テーブル125を参照することで、得られた乱数値に割り当てられた入賞役またはハズレを抽選する。そして、CPU120は、乱数値に対応する入賞役が存在すると、それを当該ゲームの入賞役として抽選結果を当選にし、記憶部121の内部抽選フラグ記憶領域127における当選した入賞役のフラグをオンにする。ここでは、かかる入賞役の抽選方法を「内部抽選」と呼んでいる。
【0058】
次に、回胴式遊技機1におけるゲーム動作の概要を説明する。
【0059】
回胴式遊技機1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの配当が完了した時、又は先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この待機状態においては、当該状態を遊技者に示唆するとともにゲーム操作を促す待機モードの演出が液晶表示装置43等によって行われる。次に、遊技者がメダル投入部71にメダルを投入し、もしくは、ベットボタン74を押圧操作することで、回胴式遊技機1は、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームに所定枚数(3枚)のメダルが賭けられゲームを準備する。
【0060】
ゲーム準備の状態でスタートボタン75が操作されゲームが開始されると、主制御基板20は、3個のリール101a、101b、101cを一斉に回転させ始めるとともに、上述した内部抽選を実行する。内部抽選の結果は、内部抽選フラグ記憶領域127に記憶される。
【0061】
次に、遊技者により何れかのストップボタン76a、76b、76cが押圧操作されることで、リール101a、101b、101cが停止し、主制御基板20は、停止した各リールが表示する図柄と上述の内部抽選フラグ記憶領域127に記憶された内部抽選の入賞役に係る図柄の組合せとが一致しているかどうか判定する。
【0062】
これら図柄の組合せが一致し役への入賞が確定すると、回胴式遊技機1は、主制御基板20によりメダルクレジット手段126の制御を行い、内部貯留しているメダルのクレジット数が所定の数になるまで、当該役の種類に応じて予め決められた配当数のメダルをクレジット数に加算する。さらに、回胴式遊技機1は、前記配当数と前記クレジット数の加算結果が前記所定の数を超過すると、この超過した数のメダルをメダル受皿62へ払い出す。
【0063】
次に、このような前扉3を開く方法を以下に説明する。
【0064】
前扉用シリンダ錠ユニット78の開錠して前扉3を開く場合、作業者は、まず、鍵穴79に前扉キーを挿入する。これにより前扉用シリンダ錠ユニット78は、前記筐体本体2の外側に突出する方向に移動し、前扉用シリンダ錠ユニット78は、前扉3の貫通孔92から引き抜かれ、前扉3は、筐体本体2の内周に沿って回転スライド可能になる。この状態で、作業者は、取手73を操作し前扉3を左側へスライドさせて筐体本体2を開口8の開放する。
また、作業者は、前扉用シリンダ錠ユニット78の施錠を行う場合、開錠と逆の操作を行う。
【0065】
このような構成及び動作を纏めて説明すると、筐体本体2は、円筒状に形成された円筒部11を有し、当該円筒部11の一端及び他端がそれぞれ上面板12及び底面板13により閉塞されるとともに、前方に開口8を有する。
【0066】
前扉3は、左右の幅が前記開口8の左右の内径より大きく形成され、外側面が前記筐体本体2の内周に沿って回転スライド可能に設けられ、前記開口8の開放及び閉塞を行うとともに、前記開口8を閉塞した状態で、その左右両脇が前記筐体本体2の前記開口8の縁部とが重なり合って左右の重複部201、202を形成する。
【0067】
前面側のベットボタン74、スタートボタン75(図1参照)、ストップボタン76a、76b、76c(図1参照)及び精算ボタン77(図1参照)は、前記前扉3の外側面に設けられ、遊技に係わる操作が行われる遊技操作手段になっている。
【0068】
主制御基板20は、前記筐体本体2と前記前扉3によって閉塞される空間の内部に設けられ、遊技に係わる制御を行う制御基板になっている。
【0069】
リールユニット100は、周面に複数種類の図柄が描かれ複数のリール101a、101b、101cを有し、前記筐体本体2と前記前扉3によって閉塞される空間の内部に設けられ、主制御基板20の制御に基づいて前記複数のリール101a、101b、101cの回転及び停止を行う。
【0070】
リール表示窓41は、前記前扉3に設けられ、当該前扉3が前記筐体本体2の前記開口8を閉塞した状態で前記複数のリール101a、101b、101cの前方に配置して当該複数のリール101a、101b、101cの前側を視認可能にする。
【0071】
前扉用シリンダ錠ユニット78は、外側に突出する方向にスライド可能な状態で前記筐体本体2の円筒部11の前記開口8の近傍に設けられ、前記筐体本体2の内側に押し込まれた状態で施錠され前記筐体本体2に対して固定される
【0072】
貫通孔92は、前記前扉3に形成され、当該前扉3が前記筐体本体2の前記開口8を閉塞した状態で前記筐体本体2の内側に押し込まれた前記前扉用シリンダ錠ユニット78が挿入される。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の回胴式遊技機1によれば、筐体本体2がエッジの少ない円筒状に形成されているので、略矩形状と異なる全体形状を採用して遊技者の興味を容易に維持できる。また、筐体本体2は、略矩形状よりエッジが少なく背面側と左右両側が一体形成され支持板14により上下方向の補強がなされているので、筐体本体2の軽量化が容易になり、回胴式遊技機1の設置作業や撤去作業の際に当該回胴式遊技機1を容易に移動できるとともに、特に筐体本体2の上面側と底面側で左右逆方向となる横方向の力が加えられた場合の強度を向上し、筐体本体2の上下方向の圧縮力に対する強度を向上することができるので、例えば複数の回胴式遊技機1を高く積み重ねることが可能になる。さらに、回胴式遊技機1は、前記前扉3が前記開口8を閉塞した状態で、当該前扉3の左右両脇が前記筐体本体2の前記開口8の縁部とが重なり合って重複部201、202を形成するので、この重複部201、202には隙間が生じにくく、さらに隙間が生じた場合でも隙間の方向には不正行為の対象となるホッパ装置21や電源ユニット24等の機器が配置されていないので、筐体本体2に前扉3を施錠した状態で前扉3と筐体本体2の隙間から不正器具が挿入されるのを防止でき、不正行為を未然に防止して遊技施設の経営改善を図ることができる。
【0074】
尚、図1乃至図7に示した実施形態は、前扉3の施錠を行う錠ユニットとして、前扉用シリンダ錠ユニット78を用いたが、電子ロック錠等の錠ユニットを適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による回胴式遊技機1の外観構造を表した斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による回胴式遊技機1の正面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による前扉3を開放した状態の回胴式遊技機1を表した斜視図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による図2のA−A線断面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態による回胴式遊技機1の断面である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態による前扉3の筐体内側面を示す背面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態による回胴式遊技機1の制御システムを表したブロック図である。
【符号の説明】
【0076】
1…回胴式遊技機、2…筐体、3…前扉、4…上側部、
5…下側部、6…メダル受皿部、
7…操作部、8…開口、9…貫通孔、10…電源コード、
11…円筒部、12…上面板、13…底面板、14…支持板、
15、16…レール溝、17、18…リブ、
20…主制御基板、21…ホッパ装置、
22…メダル排出口、23…補助貯留部、24…電源ユニット、
25…電源基板、26…外部集中端子基板、30…発光駆動部、
32a、32b…スピーカ、33…中央表示基板、
34…メダル選別装置、
35…ガイド部材、36…キャンセルシュート部材、
37…ガイド部材、38a、38b…スピーカ、
39…放電灯点灯装置、40…サブ制御基板、
41…リール表示窓、43…液晶表示装置、44…パネル板、
50…演出装置、51…表示パネル、61…メダル払出口、
62…メダル受皿、63a、63b…左右の演出用放音部、
70…化粧板、
71…メダル投入部、
72…メダル投入口、73…取手、74…ベットボタン、
75…スタートボタン、76a、76b、76c…ストップボタン、
78…前扉用シリンダ錠ユニット、鍵穴…79、
80…基板ケース、81、82…左右のブラケット部材、
90…基板ケース、91…フォトセンサ、92…貫通孔、
100…リールユニット、
101a、101b、101c…リール、110…回胴装置基板、
120…CPU、121…記憶部、122…プログラムROM、
123…制御RAM、124…システムプログラム、
125…入賞抽選テーブル、126…メダルクレジット手段、
130…ソレノイド駆動回路、131…メダルセンサ、
132…ソレノイド、201、202…重複部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に形成された円筒部を有し、当該円筒部の一端及び他端がそれぞれ上面板及び底面板により閉塞されるとともに、前方に開口を有する筐体本体と、
左右の幅が前記開口の左右の内径より大きく形成され、外側面が前記筐体本体の内周に沿って回転スライド可能に設けられ、前記開口の開放及び閉塞を行うとともに、前記開口を閉塞した状態で、その左右両脇が前記筐体本体の前記開口の縁部とが重なり合って重複部を形成する前扉と、
前記前扉の外側面に設けられ、遊技に係わる操作が行われる遊技操作手段と、
前記筐体本体と前記前扉によって閉塞される空間の内部に設けられ、遊技に係わる制御を行う制御基板と、
周面に複数種類の図柄が描かれ複数のリールを有し、前記筐体本体と前記前扉によって閉塞される空間の内部に設けられ、前記制御基板の制御に基づいて前記複数のリールの回転及び停止を行うリールユニットと、
前記前扉に設けられ、当該前扉が前記筐体本体の前記開口を閉塞した状態で前記複数のリールの前方に配置して当該複数のリールの前側を視認可能にするリール表示窓と、
を備えることを特徴とする回胴式遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−136623(P2009−136623A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318765(P2007−318765)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】