回路基板の製造方法およびウェットエッチング装置
【課題】金属膜のウェットエッチングの終点を的確に検出できる回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】回路基板の製造方法は、基板上に、少なくとも第1の金属材料よりなる第1の金属層を介して、前記第1の金属材料とは異なる第2の金属材料よりなる第2の金属層を形成する工程と、前記第2の金属層上に第3の金属材料よりなる金属配線パタ―ンを形成する工程と、前記金属配線パタ―ンの形成工程の後、エッチング液中におけるウェットエッチングにより前記第2の金属層をエッチングし、前記第2の金属層を前記第1の金属層に対して選択的に除去するエッチング工程と、を含み、前記ウェットエッチング工程は、前記エッチング液中における前記第2の金属層の浸漬電位の時間変化を測定する工程を含み、前記浸漬電位がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記浸漬電位の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了する。
【解決手段】回路基板の製造方法は、基板上に、少なくとも第1の金属材料よりなる第1の金属層を介して、前記第1の金属材料とは異なる第2の金属材料よりなる第2の金属層を形成する工程と、前記第2の金属層上に第3の金属材料よりなる金属配線パタ―ンを形成する工程と、前記金属配線パタ―ンの形成工程の後、エッチング液中におけるウェットエッチングにより前記第2の金属層をエッチングし、前記第2の金属層を前記第1の金属層に対して選択的に除去するエッチング工程と、を含み、前記ウェットエッチング工程は、前記エッチング液中における前記第2の金属層の浸漬電位の時間変化を測定する工程を含み、前記浸漬電位がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記浸漬電位の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置は一般に、電子部品を実装するのにビアプラグおよび配線パタ―ンを有する回路基板を使う。従来の回路基板では、抵抗率の低い銅(Cu)がビアプラグおおよび配線パタ―ンの材料として使われている。
【0003】
一方近年では、電子装置に非常に高い性能が要求されており、その一方で小型化も同時に要求されている。その結果、回路基板上における電子部品の実装密度は増大の一途をたどっている。
【0004】
Cu配線を使ってこのような高密度実装を低い費用で可能とする回路基板の製造方法として、いわゆるセミアディティブ方式による回路基板の製造方法が知られている。
【0005】
図1(A)〜(E)は、回路基板上へのセミアディティブ方式によるCu配線パタ―ンの形成方法を説明する図である。
【0006】
図1(A)を参照するに、樹脂、ガラスあるいはシリコンなどよりなる基板11上にはTiなどの密着層12を介してCuシード層13が、典型的にはスパッタリングにより形成され、図1(B)の工程において、その上に所望の配線パタ―ンに対応するレジスト開口部14Aを有するレジスト膜14が形成される。
【0007】
さらに図1(C)の工程において前記Cuシード層13を電極に、前記レジスト開口部14A中にCuパタ―ン15が電解メッキ法により形成される。
【0008】
さらに図1(D)の工程において前記レジストパターン12を除去した後、図1(E)の工程においてウェットエッチングにより、前記Cuシード層13を除去する。このようなウェットエッチングの結果、得られるCu配線パタ―ンの幅Wは、当初のレジスト開口部の幅W'よりも小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−33482号公報
【特許文献2】特許第3188822号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、このようなセミアディティブ方式によるCu配線パタ―ンの形成方法では、図1(E)の工程におけるCu配線パタ―ンの幅Wの管理が、前記幅Wが5μm、2μmあるいはそれ以下の幅へと縮小した場合、非常に困難になる。
【0011】
例えばこのようなウェットエッチングを、エッチング残渣が生じないように確実に行うため、ウェットエッチングの後の配線パタ―ンの状態を顕微鏡により検査し、必要に応じて再エッチングを行うことが考えられるが、このようなプロセスは回路基板の製造費用を増大させるので論外である。
【0012】
また予めエッチング残渣の発生を見越して、図1(E)の工程でウェットエッチングを必要以上の時間をかけて行う、いわゆるオーバーエッチング技術を使うことも考えられるが、配線パタ―ンのエッチング状態はパタ―ン幅により、またパタ―ン密度により異なるため、同一の回路基板上に異なった幅で配線パタ―ンを形成する場合や、異なった配線密度で配線パタ―ンを形成する場合には、設計通りの配線パタ―ン幅を得るのが非常に困難になる。
【0013】
このように、エッチング残渣を発生させず、かつ過大なオーバーエッチングが生じないように、エッチング残渣の消失を検出できる、エッチングの管理方法、およびかかるエッチングの管理方法を使った回路基板の製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の側面によれば回路基板の製造方法は、基板上に、少なくとも第1の金属材料よりなる第1の金属層を介して、前記第1の金属材料とは異なる第2の金属材料よりなる第2の金属層を形成する工程と、前記第2の金属層上に第3の金属材料よりなる金属配線パタ―ンを形成する工程と、前記金属配線パタ―ンの形成工程の後、エッチング液中におけるウェットエッチングにより前記第2の金属層をエッチングし、前記第2の金属層を前記第1の金属層に対して選択的に除去するエッチング工程と、を含み、前記ウェットエッチング工程は、前記エッチング液中における前記第2の金属層の浸漬電位の時間変化を測定する工程を含み、前記浸漬電位がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記浸漬電位の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了する。
【0015】
第2の側面によればウェットエッチング装置は、エッチング液を保持する容器と、被処理基板を保持し、前記エッチング液中に浸漬する保持装置と、前記エッチング液中に浸漬される電極と、前記保持装置中の被処理基板と前記電極との間の起電力の時間変化を測定する測定部と、前記起電力の時間変化からエッチングの終点を判断する制御部と、を備え、前記制御部は、前記起電力がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記起電力の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了する。
【発明の効果】
【0016】
第1および第2の側面によれば、基板上に微細なパターンを形成するウェットエッチングの終点を適切に判断することができ、アンダーエッチングに伴うエッチング残渣を確実に除去でき、かつ、過剰なオーバーエッチングを回避でき、微細なパターンの幅を的確に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)〜(E)は、セミアディティブ方式による回路パターンの形成方法を説明する断面図である。
【図2】一の実施形態で使われるエッチング装置を示す断面図である。
【図3】第1の実施形態による浸漬電位の時間変化を示すグラフおよび電子顕微鏡写真を示す図である。
【図4】図2のエッチング装置で使われる試料基板の一部を拡大して示す断面図である。
【図5】図2のエッチング装置への試料基板の装着の概要を説明する平面図である。
【図6】図2のエッチング装置への試料基板の装着の詳細を説明する断面図である。
【図7】(A)〜(D)は、図6の工程に対応して生じる配線パタ―ンの状態変化を示す断面図である。
【図8】別のエッチング液を使った場合の浸漬電位の時間変化を示すグラフである。
【図9】さらに別のエッチング液を使った場合の浸漬電位の時間変化を示すグラフである。
【図10】パタ―ン密度を変えた場合の浸漬電位の時間変化を示すグラフである。
【図11】金属膜の多層積層構造への適用例を示す断面図である。
【図12】TiO2膜上のTi膜への適用を示す断面図である。
【図13】第2の実施形態における浸漬電位の時間変化を示すグラフである。
【図14】第3の実施形態によるエッチング装置の構成を示すブロック図である。
【図15】第4の実施形態による保持具の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施形態]
まず本発明で使われるウェットエッチング装置1について、図2を参照しながら説明する。
【0019】
図2を参照するに、前記ウェットエッチング装置1はエッチング液2を保持する容器3を有しており、前記エッチング液2中には、表面に金属層4Aを担持したシリコンウェハ4が、保持具5により保持されて試料として浸漬されている。
【0020】
前記保持具5中には、前記エッチング液2が侵入しない空間5Aが形成されており、前記空間5Aにおいては電極端子5aが、前記ウェハ4の表面の金属層4Aにコンタクトしている。
【0021】
さらに前記容器3中には、例えばAg/AgClなどの基準電極6が、前記エッチング液2に浸漬して設けられており、前記電極端子5aと基準電極6との間に発生する起電力が、浸漬電位として測定部7において測定される。
【0022】
図3は、図2のウェットエッチング装置1において前記ウェハ4表面の金属膜4Aをウェットエッチングした場合に観測された浸漬電位の時間変化を示すグラフ、およびこれに対応する電子顕微鏡写真である。ただし前記金属膜4Aには、後で図4を参照して説明するラインアンドスペースパターンが、セミアディティブ法により形成されており、図1(D)の状態となっている。またエッチング液2としては硫酸カリウムエッチング液(例えばメルテックス社製CU3930)の5倍希釈水溶液を使っている。
【0023】
図3中、左側のグラフを参照するに、ウェハ4が前記エッチング液2に浸漬されてウェットエッチングが開始されてから62秒位までの間は、標準水素電極(SHE)対する電位にして255〜250mVの浸漬電位が観測されているが、その後、この浸漬電位は時間が62秒を超えると急速に降下を初め、エッチング開始から約81秒後に最低値に到達するのがわかる。
【0024】
その後、浸漬電圧は急速に上昇を始め、エッチング開始から約100秒後には、再び260Vから265Vの間で定常状態に移行するのがわかる。
【0025】
そこで、ウェットエッチング開始から浸漬電位の降下が始まるまでを第1期、降下がはじまって浸漬電位が最低値に達するまでを第2期、最低値から再び定常状態に戻るまでも第3期、定常状態に戻って以後を第4期と名付けることにすると、図3中、右側の走査型電子顕微鏡写真のうち、エッチング開始から90秒後の状態を示す左端の写真よりわかるように、第3期まではパタ―ンの間にエッチング残渣が存在するのが見られるのに対し、エッチング開始から130秒後の状態を示す右端の写真に示されるように、第4期ではエッチング残渣は存在しない。ただし第4期ではパタ―ンの幅が細くなり、オーバーエッチング、およびこれに伴うエッチングシフトが発生しているのがわかる。
【0026】
これに対しウェットエッチング開始から100秒後の状態、すなわち第3期から第4期へ移行するところでは、エッチング残渣もなくなり、かつパタ―ンも所望の幅となっており、最適なエッチングが得られているのがわかる。
【0027】
なお図3の右側のそれぞれの写真において、下側の写真は前記図1(D)に対応したエッチング開始前の状態を示しており、上側の写真が図1(E)に対応したエッチング後の状態を、下側の写真と同一のスケールで示している。
【0028】
図4は、前記図3の実験で使われた試料の一部を拡大して示す断面図、図5は前記試料として使われた6インチシリコンウェハ4を示す平面図、図6は図2のエッチング装置1で前記シリコンウェハ4を保持するのに使われる保持具5を、前記シリコンウェハ4を保持した状態で詳細に示す断面図である。
【0029】
図4を参照するに、前記シリコンウェハ4上には、例えば厚さが300nmの熱酸化膜42が形成され、前記熱酸化膜42上には密着膜としてTi膜43がスパッタ法により、例えば5nmの厚さに形成される。さらに前記Ti膜43上にはCu膜44がシード層として、例えば50nmの膜厚に形成される。さらに前記Cu膜44上には先に図1で説明したセミアディティブ法により、高さが2μmで幅が2μmのCuラインアンドスペースパターン45が形成されている。ただし図4の状態では、前記Cuシード層44のウェットエッチングに備えて、前記ラインアンドスペースパタ―ン45を構成する個々のCuパタ―ンは、2μmの設計値Wよりも多少大きい値W'を有するように形成されている。ここで前記Ti密着膜43からCuラインアンドスペースパターン45までが、前記金属層4Aに相当する。
【0030】
次に図5,6を参照するに、シリコンウェハ4のうち、図5において破線で示した、例えば幅が5mmの外周部4aが前記保持具5により保持され、前記破線より内側の主部4bに、前記図4のCuラインアンドスペースパターン45が形成されている。その際図6に示すように、前記保持具5は前記シリコンウェハ4を、内部空間5Aにエッチング液は侵入しないようにシール部材5bを介して保持し、前記内部空間5AにおいてはPtよりなる、あるいはPtコートした電極端子5aが前記外周部4aにおいて前記Cuシード層44にコンタクトする。前記外周部4aにおいてはCuシード層44にはCuパタ―ン45は形成されておらず、前記Cuシード層44は前記外周部4aにおいて前記本体部4bを囲んでリング状に連続的に延在する。このような構成により、浸漬電位の測定中にエッチング液2が前記保持具5の空間5Aにおいて電極端子5aとコンタクトし、その結果生じる接触電位により、浸漬電位の測定が乱される問題が回避される。
【0031】
なお図6の構成において電極端子5aは、後に図14の実施形態で説明する測定部81に接続される。
【0032】
図6の状態のウェハ4を前記容器3中のエッチング液2に浸漬すると、前記Cuパタ―ン45およびCuシード層44とエッチング液2との界面においてCuが溶解し、反応
Cu→Cu2++2e↑ (式1)
により電子がエッチング液2へと放出され、エッチング液2と前記電極端子5aがコンタクトしているCuシード層44との間に起電力が発生する。
【0033】
そこで、この起電力を、前記Ag/AgCl基準電極6と前記エッチング液2との間の起電力と比較することにより、前記シリコンウェハ4上における浸漬電位が測定される。なお、先の図3の例では、前記エッチング液として市販のCuエッチング液(例えばメルテックス社製Cu3930)を使っている。
【0034】
以下、図7(A)〜(D)を参照しながら図3のグラフに示された結果について説明する。
【0035】
図7(A)は、先の図4と同じ試料を示しているが、これを図7(B)の工程において前記エッチング液2中に浸漬すると、前記Cuラインアンドスペースパターン45およびCuシード層44の表面部が前記エッチング液2に前記式(1)に従って溶解し、前記基準電極6との間に、約260mVの浸漬電位が発生する。これが図3の第1期に相当する。
【0036】
一方、さらに前記Cuラインアンドスペースパターン45およびCuシード層44のエッチングが進行すると、図7(C)に示すように前記Cuシード層44にその下のTi密着層43を露出する開口部が形成されはじめる。このTi膜43は前記エッチング液2には溶解しないが、露出したTi密着膜43がエッチング液2に接触するのに伴い、また露出したTi膜の面積が徐々に増大するのに伴い、前記式(1)の反応が、前記第1期におけるようなCuシード層44上における反応(Cu→Cu2++2e−↑ on Cu)から、Ti密着膜43上における反応(Cu→Cu2++2e−↑ on Ti)に切り替わり、これに伴って浸漬電位が前記第1期のものから変化し、下降を始める。これが図2における第2期に対応する。これは、Cuシード層23を構成する金属状態のCuの熱力学的な活動度ないし活量が、露出したTi密着膜23との接触部分において、前記Ti密着膜23が露出していない場合と比べて減少するために他ならない。
【0037】
さらにエッチングが進行すると前記Ti密着層43の露出面積が時間と共に増大し、やがて図7(D)に示すようにシード層44は実質的に全て除去される。前記図7(C)の状態から図7(D)の状態への移行が、図3における第3期に対応する。図7(D)の状態では、前記Ti密着膜43上における反応(Cu→Cu2++2e−↑ on Ti)自体は継続しているが、前記Ti密着層43の露出面積が増大するため、測定している浸漬電位は、主にTi密着膜43上でのTiとエッチャント種との電極反応の効果を反映するようになっている。このため、観測される浸漬電位は、前記Cuシード層44のエッチング残渣の縮小および消失に伴って、急激に上昇する。なおTi膜自体の浸漬電位は274mVであった。
【0038】
図7(D)の状態以降も、前記Ti密着膜43上のCuパタ―ンは、エッチング液2に徐々に溶解し、これに伴って前記浸漬電位も、図3のグラフの第4期に示されるように前記274mVの電位に向かって徐々に上昇するが、この状態ではCuシード層43がすでに消失しており、大量に残っている孤立した太いCuラインアンドスペースパタ―ンが徐々に溶解するだけであるので浸漬電位の時間変化率は急減し、図3のグラフに示されるように、第3期と第4期の境目において浸漬電位の時間変化に明瞭な肩、ないし折れ曲がりが生じる。
【0039】
このグラフの折れ曲がりが、前記図7(D)の状態に対応しているため、この折れ曲がりが検出された時点(図3のグラフの「エッチングEnd−point」)でエッチングを終了すると、前記図7(D)の状態に対応した構造が得られ、ほぼ理想的なエッチングの管理を行うことが可能となる。実際に、このようにして得られたラインアンドスペースパターンについて電子顕微鏡観察を行った結果が、図3の右側の電子顕微鏡写真の中央に「100sec」のラベルで示している図であるが、Cu残渣は観察されず、またラインアンドスペースパターンのパタ―ン幅も、左側の「90sec」のラベルを付した第3期(アンダーエッチング)の電子顕微鏡写真のものと変わらず、所定値に管理されているのがわかる。ただし上記第3期のものでは、エッチング残渣が生じている。また、図3の電子顕微鏡写真中、右側の「130sec」のラベルで示した第4期(オーバーエッチング)のものでは、エッチング後にラインアンドスペースパターンを構成する個々のCuパタ―ンの幅が減少しており、所定値から外れてしまっているのがわかる。
【0040】
なお図3のグラフに示す浸漬電位の変化、すなわち時間と共に浸漬電位がいったん急激に下降し、その後急激に上昇した後、なだらかな変化に移行し、その移行の際に浸漬電位の時間変化に肩、ないし折り曲がりが生じる傾向は、エッチング液を変更しても、同様に観察された。
【0041】
例えば図8は、前記図3のグラフおよび電子顕微鏡写真の実験で使ったエッチング液の原液を、希釈なしで使った例を示しているが、この場合でも同様な傾向は明瞭に認められ、浸漬電位の時間変化の肩部、ないし折り曲がり点においてエッチングを終了することにより、エッチングを的確に管理することが可能となる。
【0042】
また図9は、前記エッチング液2として長期間使い続けた劣化液を使った場合の浸漬電位の時間変化を示しているが、先の例と同様に、肩部ないし織間が利点を明瞭に検出することができる。なお図9の実験では、前記エッチング液2として、先に図3の実験で使ったエッチング液と同じもので、かつウェハを30枚処理した後のエッチング液を使っている。
【0043】
さらに本実施形態の発明者は、前記図4の断面図の試料においてCuラインアンドスペースパターン45の密度を変化させてエッチングを行い、浸漬電位を測定した。その結果を図10のグラフに示す。ただし図10のグラフ中、「パタ―ンA」で示すカーブは、ウェハ上のCuパタ―ンの面積比を表すパタ―ン密度が14%の場合についての結果を、また「パタ―ンB」で示すカーブはパタ―ン密度が11%の場合についての結果を示す。
【0044】
図10のグラフを参照するに、いずれの場合においても、浸漬電位の時間変化率の肩ないし折れ曲がりは明瞭に検出でき、これが検出された時点でエッチングを停止することにより、先の実施例と同様にオーバーエッチングおよびアンダーエッチングを回避した的確なエッチング管理が可能となる。
【0045】
このように本実施形態は、先に説明した特定のパタ―ン密度の試料に対してのみならず、他の様々なパタ―ン密度の試料に対しても、エッチング終点を検出するのに有効であり有用である。また本実施形態において対象となるパタ―ンはラインアンドスペースパターンに限定されるものではない。
【0046】
さらに前記図4の断面図の試料において、前記シード層44はCuである必要はなく、例えばNi膜やCo,Cr膜など、Cu以外の金属材料であってもよい。この場合にも、前記シード層44の熱力学的活動度ないし活量は、その下のTi密着膜43が露出した時点で急減し、浸漬電位がいったんは下降するものの、前記Ti密着膜43の露出面積が増大するにつれて浸漬電位は急激に上昇し、エッチング残渣が消失した時点で緩やかな上昇に変化する。このため浸漬電位の時間変化率の肩ないし折れ曲がり点の出現を検出することにより、エッチングの終点を的確に判断することが可能となる。
【0047】
また本実施形態は、図11の断面図に示すような、金属膜の多層積層構造のパターニングにおいて、エッチングの終点を検出するのにも有用である。
【0048】
図11の断面図の例では、シリコンウェハ4上に熱酸化膜42および金属膜61を介して金属膜621〜62nを積層しているが、このような構造においても、ラインアンドスペースパターンを形成する際に、下層の金属膜、例えば金属膜62n−1が露出する度にエッチングされている上層の金属膜62nの熱力学的活動度ないし活量が急変し、これに伴って浸漬電位がいったん急減し、引き続き急増する。さらに下層の金属膜62n−1のエッチングが完了しエッチング残渣が消失した時点で、浸漬電位の時間変化が緩やかになるため、同様に浸漬電位の時間変化率の肩ないし折り曲がり点の出現を検出することにより、エッチングの終点を的確に判断することが可能となる。なお図11の構成では、最下層の金属膜61は、浸漬電位を検出できるように、エッチング液には溶解しないものであるのが望ましい。
【0049】
本実施形態において、前記密着層43はTiに限定されるものではなく、Ta,W,Zrおよびそれらの化合物などを使うことが可能である。
【0050】
[第2の実施形態]
さらに本発明は、先の実施形態で説明したようなCu膜のエッチング終点の検出のみならず、他の金属膜、例えばTi膜のエッチング終点の検出に対しても有効である。
【0051】
図12は、シリコンウェハ4上に熱酸化膜41およびTiO2膜71を介してTi膜72が形成された構造を、図13は、図12のTi膜72をウェットエッチングによりパターニングし、ラインアンドスペースパターンを形成した場合の浸漬電位の時間変化を示す、それぞれ断面図およびグラフである。ただし図12,13の例では、エッチング液2として、TiO2膜71がエッチングされないように、メルテックス社のTi3991を使用した。
【0052】
図13を参照するに、この場合にも浸漬電位は最初、図3の第1期に対応して時間と共に徐々に低下し、浸漬開始後約85秒を経過したところで、図3の第2期に対応して急減し、その後、図3の第3期に対応して急増し、浸漬開始後約105秒後に、図3の第4期に対応して安定化することがわかる。前記第3期から第4期への移行が生じるところで、浸漬電位の時間変化に肩ないし折れ曲がりが生じており、かかる折れ曲がりに対応してエッチングを終了することにより、的確なエッチングの管理が可能になる。
【0053】
このように本発明は、金属膜をエッチング液中における浸漬ウェットエッチングで除去するプロセスであれば、一般的に使用することができる。ただし、浸漬電位の測定が可能なように、エッチングされる金属膜の下には、エッチングされない導電性の膜あるいは部材が存在することが好ましい。
【0054】
[第3の実施形態]
図14は、上記の知見をもとに構成した、第3の実施形態によるエッチング装置1Aの構成を示すブロック図である。ただし図14中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0055】
図14を参照するに、前記容器3中においては前記エッチング液2中にシリコンウェハ4が、保持具5に保持されて、立てた状態で浸漬されており、前記保持具5中において電極端子5aが、前記ウェハ4の表面に形成された金属層4Aにコンタクトしている。
【0056】
また本実施形態では、前記保持具5に結合されて、前記シリコンウェハ4を保持具5ごと、前記エッチング液2中に浸漬し、また引き上げる駆動部5Bが設けられている。
【0057】
そこで前記電極端子5aにて検出された前記金属膜4Aの電位は図2の測定部7に相当する測定部81に、前記基準電極6が検出した基準電位と共に供給され、前記測定部81はこれらの値から、前記金属膜4Aの浸漬電位を算出し、これを表す信号を制御部82に供給する。
【0058】
前記制御部はコンピュータを含み、前記測定部から送られた浸漬電位の時間変化、ないし時間変化率をもとに、前記浸漬電位がいったん降下した後上昇に転じ、その後、さらに浸漬電位の時間変化率が減少した場合に、アラームを発する。
【0059】
さらに前記制御部82は前記アラームの発出と同時に制御信号を前記駆動部5Bに送り、前記シリコンウェハ4を、保持具5ごと、前記エッチング液2から引き上げる。これにより、前記金属層4Aのエッチングは終了する。
【0060】
なお図14のエッチング装置1Bでは、前記基準電極6の他に、例えばPt被覆した導電性板ないしピンを、参照電極6Aとして、前記エッチング液2中に挿入しているが、前記浸漬電位の時間変化は、このような基準電極6以外の参照電極6Aを使い、前記参照電極6Aと金属膜4Aの間に生じる電位差ないし起電力を測定することにより行うことも可能である。この場合には、Ag/AgCl基準電極6を使った場合のように浸漬電位の絶対値は求められないが、本発明においては、その時間変化さえ求まればよく、このため、このような使いやすい参照電極を使っても、エッチング終点を検出することが可能である。
【0061】
[第4の実施形態]
なお、図6の保持具5では、浸漬電位の測定中は、前記空間5Aにエッチング液2が侵入することはないが、かかる構成では、エッチング後にシリコンウェハ4の外周部4aに沿ってCuシ―ド層44が残ってしまうことになる。
【0062】
そこでこのようなCuシード層44の除去を行うのが好ましい場合には、前記シリコンウェハ4をエッチング液2から引き上げた後、図15に示すように、前記空間5Aにエッチング液2を導入することも可能である。
【0063】
このため、図15の実施形態では、前記保持具5に、前記空間5Aに前記エッチング液2を導入するためのポート5cおよび排出するためのポート5dが設けられている。
【0064】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1,1A ウェットエッチング装置
2 エッチング液
3 容器
4 シリコンウェハ
4A 金属層
4a 外周部
4b 主部
5 保持具
5A 空間
5B 駆動部
5a 電極端子
5b シール
5c,5d ポート
6 標準電極
6A 参照電極
7,81 測定部
42 熱酸化膜
43 Ti密着層
44 Cuシード層
45 Cuラインアンドスペースパターン
61,621〜62n 金属膜
71 TiO2膜
72 Ti膜
82 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置は一般に、電子部品を実装するのにビアプラグおよび配線パタ―ンを有する回路基板を使う。従来の回路基板では、抵抗率の低い銅(Cu)がビアプラグおおよび配線パタ―ンの材料として使われている。
【0003】
一方近年では、電子装置に非常に高い性能が要求されており、その一方で小型化も同時に要求されている。その結果、回路基板上における電子部品の実装密度は増大の一途をたどっている。
【0004】
Cu配線を使ってこのような高密度実装を低い費用で可能とする回路基板の製造方法として、いわゆるセミアディティブ方式による回路基板の製造方法が知られている。
【0005】
図1(A)〜(E)は、回路基板上へのセミアディティブ方式によるCu配線パタ―ンの形成方法を説明する図である。
【0006】
図1(A)を参照するに、樹脂、ガラスあるいはシリコンなどよりなる基板11上にはTiなどの密着層12を介してCuシード層13が、典型的にはスパッタリングにより形成され、図1(B)の工程において、その上に所望の配線パタ―ンに対応するレジスト開口部14Aを有するレジスト膜14が形成される。
【0007】
さらに図1(C)の工程において前記Cuシード層13を電極に、前記レジスト開口部14A中にCuパタ―ン15が電解メッキ法により形成される。
【0008】
さらに図1(D)の工程において前記レジストパターン12を除去した後、図1(E)の工程においてウェットエッチングにより、前記Cuシード層13を除去する。このようなウェットエッチングの結果、得られるCu配線パタ―ンの幅Wは、当初のレジスト開口部の幅W'よりも小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−33482号公報
【特許文献2】特許第3188822号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、このようなセミアディティブ方式によるCu配線パタ―ンの形成方法では、図1(E)の工程におけるCu配線パタ―ンの幅Wの管理が、前記幅Wが5μm、2μmあるいはそれ以下の幅へと縮小した場合、非常に困難になる。
【0011】
例えばこのようなウェットエッチングを、エッチング残渣が生じないように確実に行うため、ウェットエッチングの後の配線パタ―ンの状態を顕微鏡により検査し、必要に応じて再エッチングを行うことが考えられるが、このようなプロセスは回路基板の製造費用を増大させるので論外である。
【0012】
また予めエッチング残渣の発生を見越して、図1(E)の工程でウェットエッチングを必要以上の時間をかけて行う、いわゆるオーバーエッチング技術を使うことも考えられるが、配線パタ―ンのエッチング状態はパタ―ン幅により、またパタ―ン密度により異なるため、同一の回路基板上に異なった幅で配線パタ―ンを形成する場合や、異なった配線密度で配線パタ―ンを形成する場合には、設計通りの配線パタ―ン幅を得るのが非常に困難になる。
【0013】
このように、エッチング残渣を発生させず、かつ過大なオーバーエッチングが生じないように、エッチング残渣の消失を検出できる、エッチングの管理方法、およびかかるエッチングの管理方法を使った回路基板の製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の側面によれば回路基板の製造方法は、基板上に、少なくとも第1の金属材料よりなる第1の金属層を介して、前記第1の金属材料とは異なる第2の金属材料よりなる第2の金属層を形成する工程と、前記第2の金属層上に第3の金属材料よりなる金属配線パタ―ンを形成する工程と、前記金属配線パタ―ンの形成工程の後、エッチング液中におけるウェットエッチングにより前記第2の金属層をエッチングし、前記第2の金属層を前記第1の金属層に対して選択的に除去するエッチング工程と、を含み、前記ウェットエッチング工程は、前記エッチング液中における前記第2の金属層の浸漬電位の時間変化を測定する工程を含み、前記浸漬電位がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記浸漬電位の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了する。
【0015】
第2の側面によればウェットエッチング装置は、エッチング液を保持する容器と、被処理基板を保持し、前記エッチング液中に浸漬する保持装置と、前記エッチング液中に浸漬される電極と、前記保持装置中の被処理基板と前記電極との間の起電力の時間変化を測定する測定部と、前記起電力の時間変化からエッチングの終点を判断する制御部と、を備え、前記制御部は、前記起電力がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記起電力の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了する。
【発明の効果】
【0016】
第1および第2の側面によれば、基板上に微細なパターンを形成するウェットエッチングの終点を適切に判断することができ、アンダーエッチングに伴うエッチング残渣を確実に除去でき、かつ、過剰なオーバーエッチングを回避でき、微細なパターンの幅を的確に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)〜(E)は、セミアディティブ方式による回路パターンの形成方法を説明する断面図である。
【図2】一の実施形態で使われるエッチング装置を示す断面図である。
【図3】第1の実施形態による浸漬電位の時間変化を示すグラフおよび電子顕微鏡写真を示す図である。
【図4】図2のエッチング装置で使われる試料基板の一部を拡大して示す断面図である。
【図5】図2のエッチング装置への試料基板の装着の概要を説明する平面図である。
【図6】図2のエッチング装置への試料基板の装着の詳細を説明する断面図である。
【図7】(A)〜(D)は、図6の工程に対応して生じる配線パタ―ンの状態変化を示す断面図である。
【図8】別のエッチング液を使った場合の浸漬電位の時間変化を示すグラフである。
【図9】さらに別のエッチング液を使った場合の浸漬電位の時間変化を示すグラフである。
【図10】パタ―ン密度を変えた場合の浸漬電位の時間変化を示すグラフである。
【図11】金属膜の多層積層構造への適用例を示す断面図である。
【図12】TiO2膜上のTi膜への適用を示す断面図である。
【図13】第2の実施形態における浸漬電位の時間変化を示すグラフである。
【図14】第3の実施形態によるエッチング装置の構成を示すブロック図である。
【図15】第4の実施形態による保持具の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施形態]
まず本発明で使われるウェットエッチング装置1について、図2を参照しながら説明する。
【0019】
図2を参照するに、前記ウェットエッチング装置1はエッチング液2を保持する容器3を有しており、前記エッチング液2中には、表面に金属層4Aを担持したシリコンウェハ4が、保持具5により保持されて試料として浸漬されている。
【0020】
前記保持具5中には、前記エッチング液2が侵入しない空間5Aが形成されており、前記空間5Aにおいては電極端子5aが、前記ウェハ4の表面の金属層4Aにコンタクトしている。
【0021】
さらに前記容器3中には、例えばAg/AgClなどの基準電極6が、前記エッチング液2に浸漬して設けられており、前記電極端子5aと基準電極6との間に発生する起電力が、浸漬電位として測定部7において測定される。
【0022】
図3は、図2のウェットエッチング装置1において前記ウェハ4表面の金属膜4Aをウェットエッチングした場合に観測された浸漬電位の時間変化を示すグラフ、およびこれに対応する電子顕微鏡写真である。ただし前記金属膜4Aには、後で図4を参照して説明するラインアンドスペースパターンが、セミアディティブ法により形成されており、図1(D)の状態となっている。またエッチング液2としては硫酸カリウムエッチング液(例えばメルテックス社製CU3930)の5倍希釈水溶液を使っている。
【0023】
図3中、左側のグラフを参照するに、ウェハ4が前記エッチング液2に浸漬されてウェットエッチングが開始されてから62秒位までの間は、標準水素電極(SHE)対する電位にして255〜250mVの浸漬電位が観測されているが、その後、この浸漬電位は時間が62秒を超えると急速に降下を初め、エッチング開始から約81秒後に最低値に到達するのがわかる。
【0024】
その後、浸漬電圧は急速に上昇を始め、エッチング開始から約100秒後には、再び260Vから265Vの間で定常状態に移行するのがわかる。
【0025】
そこで、ウェットエッチング開始から浸漬電位の降下が始まるまでを第1期、降下がはじまって浸漬電位が最低値に達するまでを第2期、最低値から再び定常状態に戻るまでも第3期、定常状態に戻って以後を第4期と名付けることにすると、図3中、右側の走査型電子顕微鏡写真のうち、エッチング開始から90秒後の状態を示す左端の写真よりわかるように、第3期まではパタ―ンの間にエッチング残渣が存在するのが見られるのに対し、エッチング開始から130秒後の状態を示す右端の写真に示されるように、第4期ではエッチング残渣は存在しない。ただし第4期ではパタ―ンの幅が細くなり、オーバーエッチング、およびこれに伴うエッチングシフトが発生しているのがわかる。
【0026】
これに対しウェットエッチング開始から100秒後の状態、すなわち第3期から第4期へ移行するところでは、エッチング残渣もなくなり、かつパタ―ンも所望の幅となっており、最適なエッチングが得られているのがわかる。
【0027】
なお図3の右側のそれぞれの写真において、下側の写真は前記図1(D)に対応したエッチング開始前の状態を示しており、上側の写真が図1(E)に対応したエッチング後の状態を、下側の写真と同一のスケールで示している。
【0028】
図4は、前記図3の実験で使われた試料の一部を拡大して示す断面図、図5は前記試料として使われた6インチシリコンウェハ4を示す平面図、図6は図2のエッチング装置1で前記シリコンウェハ4を保持するのに使われる保持具5を、前記シリコンウェハ4を保持した状態で詳細に示す断面図である。
【0029】
図4を参照するに、前記シリコンウェハ4上には、例えば厚さが300nmの熱酸化膜42が形成され、前記熱酸化膜42上には密着膜としてTi膜43がスパッタ法により、例えば5nmの厚さに形成される。さらに前記Ti膜43上にはCu膜44がシード層として、例えば50nmの膜厚に形成される。さらに前記Cu膜44上には先に図1で説明したセミアディティブ法により、高さが2μmで幅が2μmのCuラインアンドスペースパターン45が形成されている。ただし図4の状態では、前記Cuシード層44のウェットエッチングに備えて、前記ラインアンドスペースパタ―ン45を構成する個々のCuパタ―ンは、2μmの設計値Wよりも多少大きい値W'を有するように形成されている。ここで前記Ti密着膜43からCuラインアンドスペースパターン45までが、前記金属層4Aに相当する。
【0030】
次に図5,6を参照するに、シリコンウェハ4のうち、図5において破線で示した、例えば幅が5mmの外周部4aが前記保持具5により保持され、前記破線より内側の主部4bに、前記図4のCuラインアンドスペースパターン45が形成されている。その際図6に示すように、前記保持具5は前記シリコンウェハ4を、内部空間5Aにエッチング液は侵入しないようにシール部材5bを介して保持し、前記内部空間5AにおいてはPtよりなる、あるいはPtコートした電極端子5aが前記外周部4aにおいて前記Cuシード層44にコンタクトする。前記外周部4aにおいてはCuシード層44にはCuパタ―ン45は形成されておらず、前記Cuシード層44は前記外周部4aにおいて前記本体部4bを囲んでリング状に連続的に延在する。このような構成により、浸漬電位の測定中にエッチング液2が前記保持具5の空間5Aにおいて電極端子5aとコンタクトし、その結果生じる接触電位により、浸漬電位の測定が乱される問題が回避される。
【0031】
なお図6の構成において電極端子5aは、後に図14の実施形態で説明する測定部81に接続される。
【0032】
図6の状態のウェハ4を前記容器3中のエッチング液2に浸漬すると、前記Cuパタ―ン45およびCuシード層44とエッチング液2との界面においてCuが溶解し、反応
Cu→Cu2++2e↑ (式1)
により電子がエッチング液2へと放出され、エッチング液2と前記電極端子5aがコンタクトしているCuシード層44との間に起電力が発生する。
【0033】
そこで、この起電力を、前記Ag/AgCl基準電極6と前記エッチング液2との間の起電力と比較することにより、前記シリコンウェハ4上における浸漬電位が測定される。なお、先の図3の例では、前記エッチング液として市販のCuエッチング液(例えばメルテックス社製Cu3930)を使っている。
【0034】
以下、図7(A)〜(D)を参照しながら図3のグラフに示された結果について説明する。
【0035】
図7(A)は、先の図4と同じ試料を示しているが、これを図7(B)の工程において前記エッチング液2中に浸漬すると、前記Cuラインアンドスペースパターン45およびCuシード層44の表面部が前記エッチング液2に前記式(1)に従って溶解し、前記基準電極6との間に、約260mVの浸漬電位が発生する。これが図3の第1期に相当する。
【0036】
一方、さらに前記Cuラインアンドスペースパターン45およびCuシード層44のエッチングが進行すると、図7(C)に示すように前記Cuシード層44にその下のTi密着層43を露出する開口部が形成されはじめる。このTi膜43は前記エッチング液2には溶解しないが、露出したTi密着膜43がエッチング液2に接触するのに伴い、また露出したTi膜の面積が徐々に増大するのに伴い、前記式(1)の反応が、前記第1期におけるようなCuシード層44上における反応(Cu→Cu2++2e−↑ on Cu)から、Ti密着膜43上における反応(Cu→Cu2++2e−↑ on Ti)に切り替わり、これに伴って浸漬電位が前記第1期のものから変化し、下降を始める。これが図2における第2期に対応する。これは、Cuシード層23を構成する金属状態のCuの熱力学的な活動度ないし活量が、露出したTi密着膜23との接触部分において、前記Ti密着膜23が露出していない場合と比べて減少するために他ならない。
【0037】
さらにエッチングが進行すると前記Ti密着層43の露出面積が時間と共に増大し、やがて図7(D)に示すようにシード層44は実質的に全て除去される。前記図7(C)の状態から図7(D)の状態への移行が、図3における第3期に対応する。図7(D)の状態では、前記Ti密着膜43上における反応(Cu→Cu2++2e−↑ on Ti)自体は継続しているが、前記Ti密着層43の露出面積が増大するため、測定している浸漬電位は、主にTi密着膜43上でのTiとエッチャント種との電極反応の効果を反映するようになっている。このため、観測される浸漬電位は、前記Cuシード層44のエッチング残渣の縮小および消失に伴って、急激に上昇する。なおTi膜自体の浸漬電位は274mVであった。
【0038】
図7(D)の状態以降も、前記Ti密着膜43上のCuパタ―ンは、エッチング液2に徐々に溶解し、これに伴って前記浸漬電位も、図3のグラフの第4期に示されるように前記274mVの電位に向かって徐々に上昇するが、この状態ではCuシード層43がすでに消失しており、大量に残っている孤立した太いCuラインアンドスペースパタ―ンが徐々に溶解するだけであるので浸漬電位の時間変化率は急減し、図3のグラフに示されるように、第3期と第4期の境目において浸漬電位の時間変化に明瞭な肩、ないし折れ曲がりが生じる。
【0039】
このグラフの折れ曲がりが、前記図7(D)の状態に対応しているため、この折れ曲がりが検出された時点(図3のグラフの「エッチングEnd−point」)でエッチングを終了すると、前記図7(D)の状態に対応した構造が得られ、ほぼ理想的なエッチングの管理を行うことが可能となる。実際に、このようにして得られたラインアンドスペースパターンについて電子顕微鏡観察を行った結果が、図3の右側の電子顕微鏡写真の中央に「100sec」のラベルで示している図であるが、Cu残渣は観察されず、またラインアンドスペースパターンのパタ―ン幅も、左側の「90sec」のラベルを付した第3期(アンダーエッチング)の電子顕微鏡写真のものと変わらず、所定値に管理されているのがわかる。ただし上記第3期のものでは、エッチング残渣が生じている。また、図3の電子顕微鏡写真中、右側の「130sec」のラベルで示した第4期(オーバーエッチング)のものでは、エッチング後にラインアンドスペースパターンを構成する個々のCuパタ―ンの幅が減少しており、所定値から外れてしまっているのがわかる。
【0040】
なお図3のグラフに示す浸漬電位の変化、すなわち時間と共に浸漬電位がいったん急激に下降し、その後急激に上昇した後、なだらかな変化に移行し、その移行の際に浸漬電位の時間変化に肩、ないし折り曲がりが生じる傾向は、エッチング液を変更しても、同様に観察された。
【0041】
例えば図8は、前記図3のグラフおよび電子顕微鏡写真の実験で使ったエッチング液の原液を、希釈なしで使った例を示しているが、この場合でも同様な傾向は明瞭に認められ、浸漬電位の時間変化の肩部、ないし折り曲がり点においてエッチングを終了することにより、エッチングを的確に管理することが可能となる。
【0042】
また図9は、前記エッチング液2として長期間使い続けた劣化液を使った場合の浸漬電位の時間変化を示しているが、先の例と同様に、肩部ないし織間が利点を明瞭に検出することができる。なお図9の実験では、前記エッチング液2として、先に図3の実験で使ったエッチング液と同じもので、かつウェハを30枚処理した後のエッチング液を使っている。
【0043】
さらに本実施形態の発明者は、前記図4の断面図の試料においてCuラインアンドスペースパターン45の密度を変化させてエッチングを行い、浸漬電位を測定した。その結果を図10のグラフに示す。ただし図10のグラフ中、「パタ―ンA」で示すカーブは、ウェハ上のCuパタ―ンの面積比を表すパタ―ン密度が14%の場合についての結果を、また「パタ―ンB」で示すカーブはパタ―ン密度が11%の場合についての結果を示す。
【0044】
図10のグラフを参照するに、いずれの場合においても、浸漬電位の時間変化率の肩ないし折れ曲がりは明瞭に検出でき、これが検出された時点でエッチングを停止することにより、先の実施例と同様にオーバーエッチングおよびアンダーエッチングを回避した的確なエッチング管理が可能となる。
【0045】
このように本実施形態は、先に説明した特定のパタ―ン密度の試料に対してのみならず、他の様々なパタ―ン密度の試料に対しても、エッチング終点を検出するのに有効であり有用である。また本実施形態において対象となるパタ―ンはラインアンドスペースパターンに限定されるものではない。
【0046】
さらに前記図4の断面図の試料において、前記シード層44はCuである必要はなく、例えばNi膜やCo,Cr膜など、Cu以外の金属材料であってもよい。この場合にも、前記シード層44の熱力学的活動度ないし活量は、その下のTi密着膜43が露出した時点で急減し、浸漬電位がいったんは下降するものの、前記Ti密着膜43の露出面積が増大するにつれて浸漬電位は急激に上昇し、エッチング残渣が消失した時点で緩やかな上昇に変化する。このため浸漬電位の時間変化率の肩ないし折れ曲がり点の出現を検出することにより、エッチングの終点を的確に判断することが可能となる。
【0047】
また本実施形態は、図11の断面図に示すような、金属膜の多層積層構造のパターニングにおいて、エッチングの終点を検出するのにも有用である。
【0048】
図11の断面図の例では、シリコンウェハ4上に熱酸化膜42および金属膜61を介して金属膜621〜62nを積層しているが、このような構造においても、ラインアンドスペースパターンを形成する際に、下層の金属膜、例えば金属膜62n−1が露出する度にエッチングされている上層の金属膜62nの熱力学的活動度ないし活量が急変し、これに伴って浸漬電位がいったん急減し、引き続き急増する。さらに下層の金属膜62n−1のエッチングが完了しエッチング残渣が消失した時点で、浸漬電位の時間変化が緩やかになるため、同様に浸漬電位の時間変化率の肩ないし折り曲がり点の出現を検出することにより、エッチングの終点を的確に判断することが可能となる。なお図11の構成では、最下層の金属膜61は、浸漬電位を検出できるように、エッチング液には溶解しないものであるのが望ましい。
【0049】
本実施形態において、前記密着層43はTiに限定されるものではなく、Ta,W,Zrおよびそれらの化合物などを使うことが可能である。
【0050】
[第2の実施形態]
さらに本発明は、先の実施形態で説明したようなCu膜のエッチング終点の検出のみならず、他の金属膜、例えばTi膜のエッチング終点の検出に対しても有効である。
【0051】
図12は、シリコンウェハ4上に熱酸化膜41およびTiO2膜71を介してTi膜72が形成された構造を、図13は、図12のTi膜72をウェットエッチングによりパターニングし、ラインアンドスペースパターンを形成した場合の浸漬電位の時間変化を示す、それぞれ断面図およびグラフである。ただし図12,13の例では、エッチング液2として、TiO2膜71がエッチングされないように、メルテックス社のTi3991を使用した。
【0052】
図13を参照するに、この場合にも浸漬電位は最初、図3の第1期に対応して時間と共に徐々に低下し、浸漬開始後約85秒を経過したところで、図3の第2期に対応して急減し、その後、図3の第3期に対応して急増し、浸漬開始後約105秒後に、図3の第4期に対応して安定化することがわかる。前記第3期から第4期への移行が生じるところで、浸漬電位の時間変化に肩ないし折れ曲がりが生じており、かかる折れ曲がりに対応してエッチングを終了することにより、的確なエッチングの管理が可能になる。
【0053】
このように本発明は、金属膜をエッチング液中における浸漬ウェットエッチングで除去するプロセスであれば、一般的に使用することができる。ただし、浸漬電位の測定が可能なように、エッチングされる金属膜の下には、エッチングされない導電性の膜あるいは部材が存在することが好ましい。
【0054】
[第3の実施形態]
図14は、上記の知見をもとに構成した、第3の実施形態によるエッチング装置1Aの構成を示すブロック図である。ただし図14中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0055】
図14を参照するに、前記容器3中においては前記エッチング液2中にシリコンウェハ4が、保持具5に保持されて、立てた状態で浸漬されており、前記保持具5中において電極端子5aが、前記ウェハ4の表面に形成された金属層4Aにコンタクトしている。
【0056】
また本実施形態では、前記保持具5に結合されて、前記シリコンウェハ4を保持具5ごと、前記エッチング液2中に浸漬し、また引き上げる駆動部5Bが設けられている。
【0057】
そこで前記電極端子5aにて検出された前記金属膜4Aの電位は図2の測定部7に相当する測定部81に、前記基準電極6が検出した基準電位と共に供給され、前記測定部81はこれらの値から、前記金属膜4Aの浸漬電位を算出し、これを表す信号を制御部82に供給する。
【0058】
前記制御部はコンピュータを含み、前記測定部から送られた浸漬電位の時間変化、ないし時間変化率をもとに、前記浸漬電位がいったん降下した後上昇に転じ、その後、さらに浸漬電位の時間変化率が減少した場合に、アラームを発する。
【0059】
さらに前記制御部82は前記アラームの発出と同時に制御信号を前記駆動部5Bに送り、前記シリコンウェハ4を、保持具5ごと、前記エッチング液2から引き上げる。これにより、前記金属層4Aのエッチングは終了する。
【0060】
なお図14のエッチング装置1Bでは、前記基準電極6の他に、例えばPt被覆した導電性板ないしピンを、参照電極6Aとして、前記エッチング液2中に挿入しているが、前記浸漬電位の時間変化は、このような基準電極6以外の参照電極6Aを使い、前記参照電極6Aと金属膜4Aの間に生じる電位差ないし起電力を測定することにより行うことも可能である。この場合には、Ag/AgCl基準電極6を使った場合のように浸漬電位の絶対値は求められないが、本発明においては、その時間変化さえ求まればよく、このため、このような使いやすい参照電極を使っても、エッチング終点を検出することが可能である。
【0061】
[第4の実施形態]
なお、図6の保持具5では、浸漬電位の測定中は、前記空間5Aにエッチング液2が侵入することはないが、かかる構成では、エッチング後にシリコンウェハ4の外周部4aに沿ってCuシ―ド層44が残ってしまうことになる。
【0062】
そこでこのようなCuシード層44の除去を行うのが好ましい場合には、前記シリコンウェハ4をエッチング液2から引き上げた後、図15に示すように、前記空間5Aにエッチング液2を導入することも可能である。
【0063】
このため、図15の実施形態では、前記保持具5に、前記空間5Aに前記エッチング液2を導入するためのポート5cおよび排出するためのポート5dが設けられている。
【0064】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1,1A ウェットエッチング装置
2 エッチング液
3 容器
4 シリコンウェハ
4A 金属層
4a 外周部
4b 主部
5 保持具
5A 空間
5B 駆動部
5a 電極端子
5b シール
5c,5d ポート
6 標準電極
6A 参照電極
7,81 測定部
42 熱酸化膜
43 Ti密着層
44 Cuシード層
45 Cuラインアンドスペースパターン
61,621〜62n 金属膜
71 TiO2膜
72 Ti膜
82 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、少なくとも第1の金属材料よりなる第1の金属層を介して、前記第1の金属材料とは異なる第2の金属材料よりなる第2の金属層を形成する工程と、
前記第2の金属層上に第3の金属材料よりなる金属配線パタ―ンを形成する工程と、
前記金属配線パタ―ンの形成工程の後、エッチング液中におけるウェットエッチングにより前記第2の金属層をエッチングし、前記第2の金属層を前記第1の金属層に対して選択的に除去するエッチング工程と、
を含み、
前記ウェットエッチング工程は、前記エッチング液中における前記第2の金属層の浸漬電位の時間変化を測定する工程を含み、
前記浸漬電位がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記浸漬電位の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記浸漬電位の時間変化の測定は、前記第2の金属層と前記エッチング液中に浸漬された参照電極との間に生じる起電力の時間変化を測定することにより実行されることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1の金属材料はTi,Ta,W,Zrよりなる群から選択され、前記第2の金属材料はCu,Ni,Co,Crよりなる群から選択され、前記第3の金属材料はCuであることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
エッチング液を保持する容器と、
被処理基板を保持し、前記エッチング液中に浸漬する保持装置と、
前記エッチング液中に浸漬される電極と、
前記保持装置中の被処理基板と前記電極との間の起電力の時間変化を測定する測定部と、
前記起電力の時間変化からエッチングの終点を判断する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記起電力がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記起電力の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了することを特徴とするウェットエッチング装置。
【請求項1】
基板上に、少なくとも第1の金属材料よりなる第1の金属層を介して、前記第1の金属材料とは異なる第2の金属材料よりなる第2の金属層を形成する工程と、
前記第2の金属層上に第3の金属材料よりなる金属配線パタ―ンを形成する工程と、
前記金属配線パタ―ンの形成工程の後、エッチング液中におけるウェットエッチングにより前記第2の金属層をエッチングし、前記第2の金属層を前記第1の金属層に対して選択的に除去するエッチング工程と、
を含み、
前記ウェットエッチング工程は、前記エッチング液中における前記第2の金属層の浸漬電位の時間変化を測定する工程を含み、
前記浸漬電位がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記浸漬電位の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記浸漬電位の時間変化の測定は、前記第2の金属層と前記エッチング液中に浸漬された参照電極との間に生じる起電力の時間変化を測定することにより実行されることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1の金属材料はTi,Ta,W,Zrよりなる群から選択され、前記第2の金属材料はCu,Ni,Co,Crよりなる群から選択され、前記第3の金属材料はCuであることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
エッチング液を保持する容器と、
被処理基板を保持し、前記エッチング液中に浸漬する保持装置と、
前記エッチング液中に浸漬される電極と、
前記保持装置中の被処理基板と前記電極との間の起電力の時間変化を測定する測定部と、
前記起電力の時間変化からエッチングの終点を判断する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記起電力がいったん降下した後上昇に転じ、その後さらに前記起電力の時間変化率が減少したのが検出された場合に、前記ウェットエッチング工程を終了することを特徴とするウェットエッチング装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図3】
【公開番号】特開2011−256449(P2011−256449A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133407(P2010−133407)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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