説明

回路素子内蔵コネクタ

【課題】耐熱ストレス性能に優れた車両用交流発電機用回路素子内蔵型コネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタケース1に設けられた素子収容室11には、リード型回路素子6が収容されている。素子収容室11及びリード型回路素子6のリード61、62は、直角に曲げられる。リード61、62の先端部は、コネクタケース1から素子収容室11に突出する配線金具3、5の素子接続端子32、52に個別にはんだ付けされている。素子収容室11には、弾力性を持った封止樹脂が充填されている。 リード61、62が直角に曲がっているため、コネクタケース1とリード61、62との熱膨張率の差を良好に吸収するとともに、弾力性を持った封止樹脂とリード型回路素子6やリード61、62との間の亀裂発生を抑制し、耐環境性向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関し、特に回路素子を内蔵するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用交流発電機は、外部のECUなどとの信号授受のためのコネクタを有している(特許文献1―3参照)。このコネクタに、サージ吸収回路などの回路素子を内蔵することが従来より行われている。以下に、回路素子を内蔵するコネクタを、回路素子内蔵型コネクタと称する。内蔵されるべき回路素子としては、コンデンサや抵抗素子あるいはバリスタなどの他、種々の受動素子や能動素子あるいはICが考えられる。これらの回路素子としては、回路基板が不要なリード型回路素子が採用されている。このリード型回路素子は、その両端から長手方向へリードが延在している。
【0003】
車両用交流発電機に採用されている回路素子内蔵型コネクタの従来例を図6〜図8を参照して説明する。図6はコネクタを表側から見たその正面図、図7はコネクタを裏側からみた裏面図、図8は樹脂充填後の縦方向断面図である。
【0004】
図6〜8において、1は樹脂成形品であるコネクタケース、2〜5はインサート成形又は樹脂モールド成形によりコネクタケース1に固定された配線金具、6はリード型回路素子である。コネクタケース1は、横向きに延在する素子収容室11a、11bを有する角形ブロック状の本体部12と、この本体部12から図1中上方に突出する筒状のコネクタ部13とを有している。リード型回路素子6は、素子本体部60の両端から素子本体部60の長手方向に延在する一対のリード61、62をもち、単独あるいは他の回路素子と共同してスナバ回路などのサージ吸収回路機能を実現している。リード61の先端部は配線金具3の素子接続端子32にはんだ付けされ、リード62の先端部は配線金具5の素子接続端子52にはんだ付けされている。なお、100は正面側の素子収容室11xと、裏面側の素子収容室11yとを遮断するコネクタケース1の仕切壁部である。
【特許文献1】特開2001−016829号公報
【特許文献2】特開2002−033438号公報
【特許文献3】特開平10−318403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図6〜図8に示した従来の車両用交流発電機用回路素子内蔵型コネクタでは、高温環境下において、リード61、62が断線する可能性が生じた。以下、この問題を図6を参照して説明する。
【0006】
高温下においてコネクタケース1が熱膨張する。コネクタケース1に固定された素子接続端子32、52間の横方向寸法Lの温度変化は、コネクタケース1の熱膨張率×横方向寸法Lの積にほぼ等しい。これに対して、金属製のリード61、62の熱膨張率は樹脂製のコネクタケース1のそれよりも小さいため、素子接続端子32、52にはんだ付けされる金属製のリード61、62にはその長手方向に引っ張り応力が掛かり、これにより、リード61、62と素子接続端子32、52とのはんだ接合部には横方向への応力が掛かる。このような応力が繰り返し発生すると、はんだ接合部の疲労破壊が懸念される。すなわち、今後のエンジンルームの高温化を考慮すると、車両用交流発電機用の回路素子内蔵型コネクタにおいて、上記問題の改善が要求される。
【0007】
なお、この疲労破壊に対し、特開平10−318403号に示されたように、素子のリードに屈曲部を設け変位を吸収する構造がある。しかし、この公報は、圧縮機の制御弁に関するものであり、素子部も含めて全体を樹脂モールド成形される構造となっている。この構造を、車両用交流発電機に採用すると、圧縮機にくらべて、車両用交流発電機自身が高温発熱体であるので、制御素子周辺の熱ストレスが大きく、かつ、被水の可能性が大きい使用環境にあるため、モールド成形された樹脂と素子やリードとの熱膨張差により、両者の境界面に亀裂が入りやすい。以上より、この亀裂に水が浸入することにより、素子のリード間や素子自体の絶縁不良、短絡を生じ、発電不良に至る可能性が懸念される。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、優れた耐熱信頼性を有する車両用交流発電機用回路素子内蔵型コネクタを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明は、回路素子を収容するための密閉された素子収容室を有する樹脂製のコネクタケースと、長手方向両端に一対のリードを有して前記素子収容空間に収容されるリード型回路素子と、インサート成形により前記コネクタケースに固定される複数の配線金具とを備え、前記配線金具は、外部接続のために前記コネクタケースの外壁面から突出する外部接続端子と、前記素子収容室内に突出して前記リード型回路素子のリードの先端部にはんだ接合される素子接続端子とを有する車両用交流発電機用コネクタにおいて、前記一対のリードはそれぞれ、前記素子収容空間内にて45度又はそれ以上曲がっている曲部を有し、前記素子収容空間には弾力性を持った封止樹脂が充填されていることを特徴としている。
【0010】
すなわち、この発明では、リード型回路素子の両端のリードは、45度又はそれ以上曲がっている曲部を経た後、配線金具の素子接続端子にはんだ付けされる。このようにすれば、上記したコネクタケース固定の一対の素子接続端子間の熱膨張量と、それらに個別にはんだ付けされるリード型回路素子の熱膨張量の差を、リード型回路素子の一対のリードの曲部の弾性変形により容易に吸収することができるため、優れた耐熱ストレス性を有する車両用交流発電機用回路素子内蔵型コネクタを実現することができる。更に、上記した一対のリードの曲げによるリード型回路素子の長手方向長さが短縮される分だけ、この方向における一対のハンダ付け部分間の距離を減らすことができるため、上記した熱膨張量の差もその分だけ減らすことができ、一層の耐熱ストレス性の向上を図ることができる。
【0011】
また、素子収容空間部は弾力性を持った封止樹脂で充填される為、より耐熱性の向上と耐環境性を兼ね備えた車両用交流発電機用回路素子内蔵型コネクタとすることができる。この発明では、リード型回路素子のリードが曲がっているため、リード型回路素子はその長手方向へ変位しやすくなり、外部振動によるリード型回路素子の変位が問題となる。しかし、この態様では、リード型回路素子は素子収容室内の弾力性を持った封止樹脂によりその変位を規制されるため、上記弊害を軽減することができる。しかも、モールド樹脂で封止される場合に比べ、弾力性を持った封止樹脂では、熱ストレスの繰り返しにより樹脂と素子やリードとの境界面に亀裂が形成されにくく、よって、そこに水が浸入し、素子やリードの絶縁性を損なうことを低減できる。
【0012】
なお、曲部の曲げ量は45度よりも大幅に大きくしてもよい。たとえば、一対のリードはそれぞれ略180度曲がっていてもよい。この場合には、それぞれ素子接続端子に接合される一対のリードの先端部間の横方向距離(リード型回路素子の長手方向距離)が短縮されるため、上記した熱膨張量の差を減らすという効果も派生することができる。その他、曲部を波状に曲げてもよい。
【0013】
好適な態様において、前記コネクタケースは、前記リードが押し込まれる窪みを有して前記リードと略直角に延在するリード保持壁部を有し、前記リード保持壁部は、前記リードの前記先端部と前記曲部との間に位置して前記リードを保持している。このようにすれば、温度による曲部の変形の影響が、リード先端部すなわちはんだ付け部には給電するのが抑止される。更に、本発明のリード型回路素子のリードは湾曲しているため、リード型回路素子の質量に加えられる車両振動力によるリード型回路素子の振動による曲部の変形が大きくなって、それがリード先端のはんだ付け部に作用するという問題を派生する。この態様によれば、リードの曲部とリード先端部との間の部分がリード保持壁部により保持されるため、この問題を大幅に軽減することができる。
【0014】
好適な態様において、前記一対のリードは、互いに平行かつ同じ向きに略直角に湾曲している。このようにすれば、リード型回路素子を収容するコネクタケースの素子収容室をコンパクト化することができる。
【0015】
好適な態様において、前記素子収容室は、角形ブロック形状の前記コネクタケースの平坦な第1の壁部に沿いつつ前記第1の壁部と略平行に延在して前記リード型回路素子の主部を前記第1の壁部と略平行に収容する素子収容部と、前記第1の壁部の一端から前記第1の壁部と直交する方向に延在する第2の壁部に沿いつつ前記第2の壁部と略平行に延在して前記一対のリードの一方を前記第2の壁部と略平行に収容する第1のリード収容部と、前記第1の壁部の他端から前記第1の壁部と直交する方向に延在する第3の壁部に沿いつつ前記第3の壁部と略平行に延在して前記一対のリードの他方を前記第3の壁部と略平行に収容する第3のリード収容部とを有する。このようにすれば、湾曲乃至屈曲した一対のリードを角形ブロック形状のコネクタケースの3面に沿いつつ延在させることができるため、コネクタケース内に収容された他の回路素子とこれらリードとの空間的干渉を抑止し、コネクタケースをコンパクト化することができる。
【0016】
好適な態様において、前記コネクタケースは、互いに略直角に延在してそれぞれ前記リードの前記曲部の両側を個別に保持する一対の前記リード保持壁部を有する。なお、ここで言う一対のリード保持壁部とは、図4の14と15のペア、あるいは16と17のペアを言う。このようにすれば、車両振動によるリード型回路素子の本体部の変位を抑止でき、それによるリードの曲部の変形を抑止することができるため、振動によるリードの疲労を低減することができる。更に、これら一対のリード保持壁部が互いに直角にリードを保持するため、種々の方向の外部振動によるリード変形をこれらリード保持壁部により規制することができる。
【0017】
好適な態様において、前記素子接続端子は、前記コネクタケースから完全に離れて前記リードがはんだ付けされる接合端部と、前記接合端部から前記コネクタケースに完全に埋設される部分までの間に配置される接触露出部を有し、前記素子接続端子の前記接触露出部のうち前記素子収容室の開口側から隠れる面のみが、前記コネクタケースの内壁面に密着する。このようにすれば、配線金具の素子接続端子が相対的を長くできるため、上記した熱膨張量の差の一部を素子接続端子の変形により吸収できるため、一層の耐熱ストレス性能を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の車両用交流発電機用コネクタの好適実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
(実施形態1)
実施形態1を図1〜図5を参照して説明する。図1は車両用交流発電機用コネクタの正面図、図2はその裏面図、図3は縦断面図、図4は図1の要部拡大正面図、図5は図2のAA線矢視断面図である。
【0020】
(全体構成)
1は樹脂成形品であるコネクタケース、2〜5はインサート成形又は樹脂モールド成形によりコネクタケース1に固定された配線金具、6はリード型回路素子である。コネクタケース1は、上向きコ字状の素子収容室11を有する角形ブロック状の本体部12と、この本体部12から図1中上方に突出する筒状のコネクタ部13とを有している。リード型回路素子6は、素子本体部60の両端から突出するリード61、62をもつ抵抗素子やバリスタなどの受動回路素子により構成されている。
【0021】
(素子収容室11)
素子収容室11は、本体部12の平坦な第1の壁部12aに沿いつつ第1の壁部12aと平行に延在している素子収容部11aと、第1の壁部12aの一端から第1の壁部12aと直交する方向に延在する第2の壁部12bに沿いつつ第2の壁部12bと平行に延在する第1のリード収容部11bと、第1の壁部12aの他端から第1の壁部12aと直交する方向に延在する第3の壁部12cに沿いつつ第3の壁部12cと平行に延在する第2のリード収容部11cとを有している。リード型回路素子6の素子本体部60は素子収容部11aに、リード型回路素子6のリード61は第1のリード収容部11bに、リード型回路素子6の第2のリード62は第2のリード収容部11cにそれぞれ収容されている。
【0022】
図1からわかるように、リード61、62は所定曲率(この実施形態では曲率半径を2.5mmとした)でそれぞれ直角に湾曲している。更に説明すると、リード61は、素子本体部60の一端から素子本体部60の長手方向すなわち素子収容部11aの延在方向へ延在した後、コネクタ部13側へ向けて90度湾曲する曲部と、この曲部から素子本体部60の長手方向と直角に延在する先端部とを有している。同様に、リード62は、素子本体部60の他端から素子本体部60の長手方向すなわち素子収容部11aの延在方向へ延在した後、コネクタ部13側へ90度湾曲する曲部と、この曲部から素子本体部60の長手方向と直角に延在する先端部とを有している。
【0023】
(配線金具2〜5)
配線金具2は、コネクタケース1の本体部12の外側面から外部に突出する外部接続端子21、22を有している。配線金具3は、筒状のコネクタ部13内に突出する外部接続端子であるコネクタ端子31と、素子収容室11内に突出する素子接続端子32とを有している。配線金具4は、コネクタケース1の本体部12の外側面から外部に突出する外部接続端子41と、筒状のコネクタ部13内に突出する外部接続端子である図略のコネクタ端子とを有している。配線金具5は、コネクタケース1の本体部12の外側面から外部に突出する外部接続端子51と、素子収容室11内に突出する素子接続端子52とを有している。外部接続端子22、41は、コネクタケース1の本体部12の下側面からコネクタ部13と反対向きに突出している。外部接続端子21と外部接続端子51とは、コネクタケース1の本体部12の左右側面から互いに反対向きに突出している。配線金具3の素子接続端子32の先端部であるその接合端部はリード61の先端部にはんだ付けされている。配線金具5の素子接続端子52の先端部であるその接合端部はリード62の先端部にはんだ付けされている。配線金具3の素子接続端子32と、配線金具5の素子接続端子52とは、図1に示すように、コネクタケース1の本体部12から横方向左向きに突出している。
【0024】
(コネクタケース1のリード保持壁部14〜17)
コネクタケース1は、リード61、62を保持するリード保持壁部14〜17を有している。
【0025】
リード保持壁部14は、素子収容室11の第1のリード収容部11bにおいて、リード61の先端部と曲部との間にてリード収容部11bを横断する向きに延在している。リード保持壁部15は、素子収容室11の素子収容部11aにおいて、リード61の根元部と曲部との間にて素子収容部11aを横断する向きに延在している。リード保持壁部16は、素子収容室11の素子収容部11aにおいて、リード62の根元部と曲部との間にて素子収容部11aを横断する向きに延在している。リード保持壁部17は、素子収容室11の第2のリード収容部11cにおいて、リード62の先端部と曲部との間にてリード収容部11cを横断する向きに延在している。
【0026】
リード保持壁部14〜17は、図1においてリード61、62の背面側にてリード61、62と接してリード61、62と直角の方向へ延在している。リード保持壁部14〜17は、図示されてはいないが、リード保持壁部14〜17にはリード61、62が図1中、紙奥方向へ押し込まれる窪みをそれぞれ有している。これらの窪みは摩擦力により、リード61、62を保持している。
【0027】
(封止樹脂部7)
図3に示すように、素子収容室11には封止樹脂部7が充填されている。素子収容室11の正面側の開口11d、裏面側の開口11eは樹脂蓋板により密閉されている。なお、素子収容室11の裏面側は、その正面側よりも縦方向コネクタ部13向きに拡張されて、コンデンサ8を収容している。すなわち、素子収容室11の正面側にリード型回路素子6が、素子収容室11の裏面側にコンデンサ8が収容されている。ただし、図2ではコンデンサ8の図示は省略されている。
【0028】
(素子接続端子52)
配線金具5のうち、素子収容室11に露出する部分である素子接続端子52は、リード62の先端部にはんだ付けされる先端部である接合端部52aと、この接合端部52aよりも素子接続端子52の根元側に位置する接触露出部52bとを有している(図5参照)。
【0029】
この接触露出部52bは、図1、図2、図5に示すように、素子接続端子52よりも正面側に位置するコネクタケース1の壁部1vに密着している。コネクタケース1の壁部1vは、図4に示すように、コネクタケース1の内側面に沿いつつ延在する壁部1wの一部を断面コ字状に肉盗みして形成した壁部1wの溝部1xの中において、接触露出部52bの位置にて溝部1xから裏面側に少し突出させて形成されている。言い換えると、素子接続端子52の接触露出部52bは、その断面(図5参照)においてその正面側の平坦面にのみコネクタケース1の壁部1vに接するものの、素子接続端子52の接触露出部52bの断面(図5参照)のうち、残る3つの平坦面はコネクタケース1から分離されている。このようにすれば、素子接続端子52の壁部1v向き以外の方向への弾性変形性を改善することができる。
【0030】
(試験結果)
図6〜図8に記載した従来の回路素子内蔵型コネクタ5個と、図1〜図5に記載したこの実施形態の回路素子内蔵型コネクタ5個とに対して−30℃〜150℃の温度サイクルを繰り返し与えた。その結果、従来品(図6〜図8)の回路素子内蔵型コネクタは平均して500サイクルでリード断線が生じた。それに対して、実施例品(図1〜図5)では2000サイクルを越えても一つも断線が生じることがなかった。
【0031】
(実施例効果)
上記構成を採用したこの実施形態の車両用交流発電機用の回路素子内蔵型コネクタは、既述の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】車両用交流発電機用コネクタの正面図である。
【図2】図1の車両用交流発電機用コネクタの裏面図である。
【図3】図1の車両用交流発電機用コネクタの縦断面図である。
【図4】図1の要部拡大正面図である。
【図5】図2のAA線矢視断面図である。
【図6】従来の車両用交流発電機用コネクタの正面図である。
【図7】図6の車両用交流発電機用コネクタの裏面図である。
【図8】図6の車両用交流発電機用コネクタの縦断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 コネクタケース
2〜5 配線金具
6 リード型回路素子
7 封止樹脂部
8 コンデンサ
11a 素子収容室の素子収容部
11b 素子収容室のリード収容部
11c 素子収容室のリード収容部
11d 開口
11e 開口
12a 壁部
12b 壁部
12c 壁部
12 本体部
13 コネクタ部
14〜17 リード保持壁部
21 外部接続端子
22 外部接続端子
31 コネクタ端子
32 素子接続端子
41 外部接続端子
51 外部接続端子
52a 接合端部
52b 接触露出部
52 素子接続端子
60 素子本体部
61 リード
62 リード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路素子を収容するための密閉された素子収容室を有する樹脂製のコネクタケースと、長手方向両端に一対のリードを有して前記素子収容空間に収容されるリード型回路素子と、インサート成形により前記コネクタケースに固定される複数の配線金具とを備え、
前記配線金具は、外部接続のために前記コネクタケースの外壁面から突出する外部接続端子と、前記素子収容室内に突出して前記リード型回路素子のリードの先端部にはんだ接合される素子接続端子とを有する車両用交流発電機用コネクタにおいて、
前記一対のリードはそれぞれ、前記素子収容空間内にて45度又はそれ以上曲がっている曲部を有し、
前記素子収容室には、弾力性をもつ封止樹脂が充填されていることを特徴とする車両用交流発電機用コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の車両用交流発電機用コネクタにおいて、
前記コネクタケースは、
前記リードが押し込まれる窪みを有して前記リードと略直角に延在するリード保持壁部を有し、
前記リード保持壁部は、前記リードの前記先端部と前記曲部との間に位置して前記リードを保持している車両用交流発電機用コネクタ。
【請求項3】
請求項2記載の車両用交流発電機用コネクタにおいて、
前記一対のリードは、
互いに平行かつ同じ向きに略直角に湾曲している車両用交流発電機用コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載の車両用交流発電機用コネクタにおいて、
前記素子収容室は、
角形ブロック形状の前記コネクタケースの平坦な第1の壁部に沿いつつ前記第1の壁部と略平行に延在して前記リード型回路素子の主部を前記第1の壁部と略平行に収容する素子収容部と、
前記第1の壁部の一端から前記第1の壁部と直交する方向に延在する第2の壁部に沿いつつ前記第2の壁部と略平行に延在して前記一対のリードの一方を前記第2の壁部と略平行に収容する第1のリード収容部と、
前記第1の壁部の他端から前記第1の壁部と直交する方向に延在する第3の壁部に沿いつつ前記第3の壁部と略平行に延在して前記一対のリードの他方を前記第3の壁部と略平行に収容する第3のリード収容部と、
を有する車両用交流発電機用コネクタ。
【請求項5】
請求項4記載の車両用交流発電機用コネクタにおいて、
前記コネクタケースは、
互いに略直角に延在してそれぞれ前記リードの前記曲部の両側を個別に保持する一対の前記リード保持壁部を有する車両用交流発電機用コネクタ。
【請求項6】
請求項1記載の車両用交流発電機用コネクタにおいて、
前記素子接続端子は、
前記コネクタケースから完全に離れて前記リードがはんだ付けされる接合端部と、
前記接合端部から前記コネクタケースに完全に埋設される部分までの間に配置される接触露出部を有し、
前記素子接続端子の前記接触露出部のうち前記素子収容室の開口側から隠れる面のみが、前記コネクタケースの内壁面に密着する車両用交流発電機用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−97930(P2008−97930A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−276522(P2006−276522)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】