説明

回転モータ

【課題】大型化せず、並進円運動のストロークを大きくできる回転モータを提供する。
【解決手段】回転モータは、基台1と、基台1に対して、第1方向に直進可動である第1スライダ3と、第1スライダ3を第1方向に駆動させる第1駆動部6と、第1スライダ3に対して、第1方向とは異なる第2方向に直進可動である第2スライダ4と、第2スライダ4を第2方向に駆動させる第2駆動部と、第2スライダ4に固定された並進歯車5と、並進歯車5と異なる歯数である、回転歯車21とを備え、第1スライダ3の駆動および第2スライダ4の駆動によって、並進歯車5は第2スライダ4と一体に、基台1に対して並進駆動し、並進歯車5が並進駆動により、回転歯車21と噛み合うように、円運動することで、回転歯車21が回転運動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立2方向の並進運動を回転運動に変換して駆動する回転モータに関する。
【背景技術】
【0002】
外周に歯が形成された外歯歯車および内周に歯が形成された内歯歯車を有し、いずれか一方の歯車をいわゆる並進円運動させ、他方の歯車と噛み合わせることで、他方の歯車を回転駆動させる構造の回転モータが種々提案されている。ここで、並進円運動とは、歯車が自転運動を伴わずに公転運動のみを行うことをいう。そして、例えば内歯歯車が並進円運動をし、その内歯が、内歯歯車の内周側に位置する外歯歯車の外歯と噛み合うことで、外歯歯車は回転軸を中心に回転運動する。このとき、内歯歯車は外歯歯車の回転軸のまわりを回転移動している。また、内歯歯車の内径は外歯歯車の外径よりも大きく、内歯歯車の歯数は外歯歯車の歯数よりも多い。なお、両者の歯数が同一の場合は、外歯歯車が回転することはない。
【0003】
このように、並進円運動を回転運動に変換することで駆動する回転モータは、比較的大きな減速比を得ることができるため、回転出力トルクを大きくできるという利点がある。例えば、並進円運動を回転運動に変換する回転モータとしては、例えば、特許文献1に開示された回転モータがある。特許文献1に開示された従来の回転モータについて、図16を用いて説明する。図16は、従来の回転モータの断面図である。図16に示すように、従来の回転モータは、外歯歯車である駆動歯車505をその中央部に有し、支持球502により支持されている駆動軸501と、駆動歯車505と噛み合う内歯歯車である被駆動歯車506をその内面に有する被駆動筒504とを備えている。そして、駆動軸501は左右両側に4個ずつ設けられた圧電素子503と接している。この圧電素子503に順次位相が変化する電圧を与えられることで、駆動軸501が撓み変形し、その撓み方向が軸の静止中心に対して回転する。これにより駆動歯車505は並進円運動をする。これにより、駆動歯車505と被駆動歯車506との噛み合い位置が前記静止中心の回りを回転して円運動により移動し、被駆動歯車506が回転する。そのため、被駆動歯車506とともに、被駆動筒504が回転し、この被駆動筒504から外部へ回転動力が取出される。
【0004】
また非特許文献1に記載の回転モータも同様に、内歯歯車が並進円運動することで、内歯歯車と噛み合わされた外歯歯車が回転軸を中心に回転運動をする。この回転モータも並進円運動には圧電素子を用いていて、内歯歯車の外周に設置された圧電素子に順次位相が変化する電圧が与えられることで内歯歯車が並進円運動し、内歯歯車と噛み合わされた外歯歯車が回転軸を中心に回転運動をする。このように、圧電素子の変位により並進円運動を発生させる場合は、圧電素子の振幅が微小であることから、内歯歯車の変位が小さく、並進円運動のストロークも比較的小さい。そこで、非特許文献1の回転モータでは、圧電素子と内歯歯車の外周との間にヒンジを有し、てこの原理を用いる変位拡大機構を設置している。これにより、並進円運動のストロークを大きくすることができる。
【特許文献1】特開平6−30570号公報
【非特許文献1】林巌、岩附信行、藤本幸輔,「圧電サイクロイドモータの高周波駆動時の出力特性について」,精密工学会誌,58/11/1992 p.133−138
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の回転モータにおいて、並進円運動のストロークは比較的小さく、変位拡大機構を用いている非特許文献1の回転モータであっても、並進円運動のストロークは比較的小さい。これは、上述のように圧電素子の変位により並進円運動を行っているためである。つまり、圧電素子が直接あるいは間接的に歯車の回転軸と接していて、圧電素子の変位を直接あるいは間接的に歯車の並進円運動のストロークとして用いているためである。例えば、非特許文献1においては、上述のように変位拡大機構を用いているにもかかわらず、並進円運動のストロークは数μm〜1mm程度である。ところで、歯車の歯のサイズは歯車の並進円運動のストロークを大きくできれば、それに応じて大きくできる。歯車の歯のサイズを大きくすれば歯の強度が増すことから、回転モータの出力トルクを大きくすることができる。具体的には、歯車の歯丈は、並進円運動の直径を若干下回る値に設定される。したがって、上述の非特許文献1においては、歯車の歯丈が数μm〜1mm程度よりも小さくなる。つまり、回転モータとしては、微細〜超小型レベルのサイズとなる。そして、回転モータの出力トルクは歯車を破壊しないよう歯車の強度以下に設定されるが、このサイズの歯車における強度では、出力トルクは十分とはいえない。出力トルクをさらに向上させるためには、歯車の強度アップが必要となる。したがって、並進円運動のストロークをさらに大きくする必要がある。また、非特許文献1では、変位拡大機構を備えているが、これは回転モータ全体に対して比較的大きな体積を占めており、回転モータが大型化するという問題もある。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、大型化せず、並進円運動のストロークを大きくできる回転モータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明に係る一態様に係る回転モータは、基台と、前記基台に対して、第1方向に直進可動である第1スライダと、前記第1スライダを第1方向に駆動させる第1駆動部と、前記第1スライダに対して、前記第1方向とは異なる第2方向に直進可動である第2スライダと、前記第2スライダを第2方向に駆動させる第2駆動部と、前記第2スライダに固定された並進歯車と、前記並進歯車と異なる歯数である、回転歯車とを備え、前記第1スライダの駆動および前記第2スライダの駆動によって、前記並進歯車は前記第2スライダと一体に、前記基台に対して並進駆動し、前記並進歯車が前記並進駆動により、前記回転歯車と噛み合うように、円運動することで、前記回転歯車が回転運動する。
【0008】
このような構成とすることで、並進円運動を回転運動に変換する駆動方式であるため、比較的大きな減速比を得ることができ、回転出力トルクを大きくできるという利点がある。また、直線駆動するアクチュエータを2つ組み合わせて、並進歯車を円運動(並進円運動)させ、それによって回転歯車を回転させるので、この並進円運動のストロークを大きくできる。すなわち、並進円運動の径を大きくできる。これにより、これら歯車の歯のサイズを大きくすることができるため、歯車の歯の強度を増大させることが可能であり、歯車の歯が破損しにくいため、回転出力トルクを大きくすることができる。また、大型化することがない。さらに、歯車の歯のサイズを大きくすることができるため、容易に製造できるという効果も奏する。
【0009】
また、上述の回転モータにおいて、前記並進歯車には内歯が形成され、前記回転歯車には外歯が形成され、前記回転歯車が前記並進歯車の内周側に位置し、前記内歯と前記外歯とが噛み合わされていることが好ましい。
【0010】
さらに、上述の回転モータにおいて、前記並進歯車には外歯が形成され、前記回転歯車には内歯が形成され、前記並進歯車が前記回転歯車の内周側に位置し、前記内歯と前記外歯とが噛み合わされていることが好ましい。
【0011】
これらいずれの構成においても、回転動力を取り出すことができ、設計の自由度が高い。
【0012】
また、上述の回転モータにおいて、前記第1駆動部および前記第2駆動部は、超音波アクチュエータであることが好ましい。
【0013】
これにより、容易に、直線駆動を得ることができ、構成が大型化することがない。また、超音波アクチュエータは制御が容易であり、ステップ駆動等も可能である。
【0014】
また、上述の回転モータにおいて、前記第1駆動部および前記第2駆動部は、電磁アクチュエータであることが好ましい。
【0015】
これにより、容易に、直線駆動を得ることができ、構成が大型化することがない。また、電磁アクチュエータは制御が容易であり、ステップ駆動等も可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、大型化せず、並進円運動のストロークを大きくできる回転モータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る回転モータについて説明する。まず、本発明の実施の形態1に係る回転モータの構成について説明する。図1は実施の形態1に係る回転モータの構成を説明するための平面図である。また、図2は図1のII−II矢視断面図であり、図3は図1のIII−III矢視断面図である。また、図4は実施の形態1に係る回転モータのYスライダの平面図であり、図5は実施の形態1に係る回転モータのXYスライダの平面図である。なお、図1、図4および図5において、Y方向は上下方向であり、X方向は左右方向である。また、図2において、Y方向は紙面に対して垂直方向であり、X方向は上下方向である。また、図3において、Y方向は上下方向であり、X方向は紙面垂直方向である。
【0019】
実施の形態1に係る回転モータ100は、他の部材をその内部に設置されたケース1を備えている。ケース1からは、回転歯車21の回転軸であって、回転駆動する駆動軸2が突出している。なお、駆動軸2は軸受け22、23によって、ケース1に回転可能に支持されている。回転歯車21はその外周に歯を有する外歯構造である。また、回転モータ100は、基台であるケース1に対してY方向に並進運動が可能なYスライダ(第1スライダ)3と、Yスライダ3に対してX方向に並進運動が可能なXYスライダ(第2スライダ)4とを備えている。
【0020】
Yスライダ3は円盤状であり、その上面には駆動軸2の伸びる方向に突出し、Y方向に伸びる板状のY方向移動部31と、駆動軸2の伸びる方向に突出し、ボール12が嵌まり込むV溝13が形成されたY方向に伸びる第1Y方向直進案内部32とを備えている。また、Yスライダ3の中心部には、駆動軸2が貫通し、駆動軸2の径よりも十分大きな径を有する貫通孔36が形成されている。第1Y方向直進案内部32のV溝13は、ケース1の内側上面に設置され、駆動軸2の伸びる方向に突出し、Y方向に伸びる第2Y方向直進案内部11に形成されたV溝10と対になっており、これらの間にはボール12が配置されている。このような構成であることから、Yスライダ3はケース1に対してY方向へ滑らかに直進運動が可能である。
【0021】
Y方向駆動部(第1駆動部)6は、バネ8により付勢力をかけられて、Y方向移動部31に押し付けられている。なお、Y方向駆動部6はY方向にずれないように、ケース1に固定された支持部18により支持されている。また、Y方向駆動部6は圧電素子を有し、電圧をかけることで楕円振動を生じる。その振動により、Y方向移動部31がケース1に対してY方向に沿って移動し、一体となってYスライダ3もケース1に対してY方向に並進運動する。ここで、Y方向駆動部6について図6および図7を用いて説明する。図6はY方向駆動部の構成を説明するための図であり、図7はY方向駆動部に印加する電圧の波形を示したグラフである。図6に示すように、Y方向駆動部6は、ベース64と、ベース64に接着され、互いに略垂直となるように配置されたた第1圧電素子62および第2圧電素子63と、第1圧電素子62および第2圧電素子63の交差側端部に、例えば、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス、超硬合金、タングステン等の、安定して高い摩擦係数が得られ、かつ耐摩耗性に優れた材料からなるチップ部61が、例えばエポキシ等の比較的高い弾性率を有する接着剤を用いて接着されている。第1圧電素子62および第2圧電素子63は、例えば、PZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛)等からなる、圧電特性を示す複数のセラミック薄板が積層され、それらセラミック薄板の間に交互に異なる電極が挿入されている構成である。このように、Y方向駆動部6は超音波アクチュエータである。
【0022】
これらの異なる電極に交流電圧をかけることで、第1圧電素子62および第2圧電素子63はそれぞれ伸縮を繰り返す。そこで、図7に示すように、第1圧電素子62および第2圧電素子63に位相差の異なる電圧を印加することで、第1圧電素子62および第2圧電素子63はそれぞれタイミングがずれた伸縮を繰り返すことになる。より具体的には、第1圧電素子62および第2圧電素子63の共振周波数に一致し、かつ互いに90°の位相差をもつ正弦波電圧を第1圧電素子62および第2圧電素子63にそれぞれ入力すると、チップ部61に楕円軌道(円軌道を含む)を描くような運動つまり楕円振動が発生する。チップ部61はY方向移動部31に接していることから、チップ部61およびY方向移動部31間の摩擦力と、チップ部61の楕円振動とにより、Y方向移動部31は突き動かされる。
【0023】
なお、Y方向移動部31の移動方向は楕円振動の回転方向によって切り替えることができる。ここで、楕円振動の回転方向は、第1圧電素子62および第2圧電素子63に入力する正弦波の位相差を変化させることで切り替えることができる。すなわち、より具体的には、第1圧電素子62および第2圧電素子63への入力正弦波電圧の位相差が+90°のときは、Y方向移動部31がXの正方向に移動し、位相差が−90°のときはXの負方向に移動する。なお、Y方向駆動部6は、上記以外の構成であってもよく、圧電素子により、楕円振動を生じさせ、それによりY方向移動部31を移動させるものであればよい。また、上記構成のY方向駆動部6は公知であって、トラス型アクチュエータと呼ばれる構成である。同様の構成による超音波アクチュエータは、例えば、特開2005−333778号公報等に開示されている。
【0024】
Y方向移動部31はYスライダ3と一体であることから、Yスライダ3がケース1に対してY方向に沿って移動する。なお、第1Y方向直進案内部32のV溝13と第2Y方向直進案内部11のV溝10との間にボール12が位置していることで、Yスライダ3の移動方向はY方向に規制される。バネ8は円弧を描く形状とされた板バネであり、ケース1に固定された2つの係止具82に引っかけられ、Y方向移動部31へとY方向駆動部6に付勢力をかけている。
【0025】
XYスライダ4は円盤状であり、その上面には駆動軸2の伸びる方向に突出し、X方向に伸びる板状のX方向移動部41と、駆動軸2の伸びる方向に突出し、ボール34が嵌まり込むV溝35が形成されたX方向に伸びる第1X方向直進案内部42とを備えている。また、XYスライダ4の中心部には、駆動軸2が貫通し、駆動軸2の径よりも十分大きな径を有する貫通孔46が形成されている。第1X方向直進案内部42のV溝35は、Yスライダ3の底面に設置され、駆動軸2の伸びる方向に突出し、X方向に伸びる第2X方向直進案内部33に形成されたV溝30と対になっており、これらの間にはボール34が配置されている。このような構成であることから、XYスライダ4はYスライダ3に対してX方向へ滑らかに直進運動が可能である。
【0026】
X方向駆動部(第2駆動部)7は、バネ9により付勢力をかけられて、X方向移動部41に押し付けられている。なお、X方向駆動部7はX方向にずれないように、ケース1に固定された支持部19により支持されている。また、X方向駆動部7は圧電素子を有し、電圧を印加することで楕円振動を生じ、その振動とX方向駆動部7およびX方向移動部41間の摩擦力とにより、X方向移動部41がYスライダ3に対してX方向に沿って移動し、一体となってXYスライダ4もYスライダ3に対してX方向に沿って直進運動する。X方向駆動部7は上述のY方向駆動部6と同様の構成であり、動作原理も同様であるので説明を省略する。なお、第1X方向直進案内部42のV溝35と第2X方向直進案内部33のV溝30との間にボール34が位置していることで、XYスライダ4の移動方向はYスライダ3に対してX方向に規制される。また、バネ9は円弧を描く形状とされた板バネであり、Yスライダ3の底面に設置された2つの係止具92に引っかけられ、X方向移動部41へとX方向駆動部7に付勢力をかけている。なお、XYスライダ4は、Yスライダ3に対してX方向に移動し、Yスライダ3はケース1に対してY方向に移動することから、XYスライダ4はケース1に対して、XおよびY方向に移動できる。すなわち、XY平面内を並進運動が可能である。
【0027】
XYスライダ4はさらに並進歯車5を有している。並進歯車5はXYスライダ4の底面に固定設置され、XYスライダ4と一体となって移動する。すなわち、並進歯車5は、ケース1に対してXY平面内を並進運動が可能である。並進歯車5はその内周に歯が設置された内歯構造であり、回転歯車21と噛み合うよう配置されている。より具体的には、並進歯車5の内径は回転歯車21の外径よりも大きく、並進歯車5の歯数は回転歯車21の歯数よりも多い。そして、並進歯車5が並進円運動を行うことで、回転歯車21と並進歯車5とが噛み合い、回転歯車21は駆動軸を中心に回転する。
【0028】
実施の形態1に係る回転モータ100の動作について、図8を用いて説明する。図8は実施の形態1に係る回転モータの動作について説明するための図であって、図8(A)は回転モータの駆動時における並進歯車の各方向への移動量を示すグラフであり、図8(B)は回転モータの駆動時における並進歯車の動作を示す図である。実施の形態1に係る回転モータ100のY方向駆動部6およびX方向駆動部7は、図示していないが、リード線やFPC(フレキシブルプリント配線基板)等を介して駆動回路と接続されている。この駆動回路から、Y方向駆動部6およびX方向駆動部7を所望の動作をするよう、Y方向駆動部6およびX方向駆動部7に電圧(駆動信号)が印加される。より具体的には、Y方向駆動部6およびX方向駆動部7における第1圧電素子62および第2圧電素子63の各セラミック薄板の間に交互に挿入された電極に交流電圧が印加される。上述のように、この交流電圧を制御することで、チップ部61の楕円振動の回転方向等を制御することができる。それにより、Y方向移動部31あるいはX方向移動部41の移動量および移動方向等を制御することができる。したがって、Yスライダ3およびXYスライダ4の移動量および移動方向を制御することができる。
【0029】
ここで、上述のように、Yスライダ3はケース1に対して、Y方向に沿って移動可能である。また、XYスライダ4はYスライダ3に対して、X方向に沿って移動可能である。したがって、XYスライダ4は、ケース1に対してXY平面内を並進運動が可能であり、ケース1に対するXYスライダ4の移動量および移動方向を制御することができる。つまり、並進歯車5の駆動を制御することができる。なお、貫通孔36および46gは駆動軸2の径に比べて大きな径を有しているので、Yスライダ3およびXYスライダ4は、駆動軸2に干渉されることなく、XY平面内を移動可能である。
【0030】
図8(A)において、並進歯車5のX方向およびY方向の位置をグラフで示し、合わせて各区間(0−a、a−b、b−c、c−d)の、並進歯車5のX、Yの各移動方向を示している。なお、移動量および移動方向の基準をケース1とし、並進歯車5の中心が回転歯車21と同一である位置を、(X,Y)=(0,0)とする。まず、区間0−aにおいては、図8(A)に示すように並進歯車5はX、Y方向ともに正の方向へと移動している。また、区間a−bにおいては、図8(A)に示すように並進歯車5は、X方向において正の方向、Y方向は負の方向へと移動している。区間b−cにおいては、図8(A)に示すように並進歯車5はX、Y方向ともに負の方向へと移動している。区間c−dにおいては、図8(A)に示すように並進歯車5は、X方向において負の方向、Y方向において正の方向へと移動している。そして、これら時間とX方向およびY方向位置とを示すグラフは、正弦波となる。このように、並進歯車5の駆動を駆動信号により制御することで、X方向およびY方向の運動成分が合成されて、並進歯車5はXY平面内において時計回りの円運動すなわち並進円運動を行う。なお、並進円運動を反時計回りにするには、駆動信号の順を逆にすればよい。
【0031】
図8(B)は、図8(A)中のa、b、c、dの時点における、並進歯車5と回転歯車21との配置を示しており、並進歯車5が回転歯車21と噛み合いながら、回転歯車21の駆動軸2の周りを、円運動していることがわかる。また、回転歯車21と並進歯車5との噛み合い位置が駆動軸2の周りを回転して円運動により移動している。なお、回転歯車21は回転するが、その位置は変動しない。このとき、上述したように、並進歯車5の歯数は回転歯車21の歯数よりも多いことから、回転歯車21は駆動軸2を中心軸として回転運動する。そして、回転歯車21と一体に運動する駆動軸2により、回転動力を取り出すことができる。また、回転歯車21と並進歯車5とは噛み合っているので、これらの間にすべりが発生することがないため、例えばa、b、c、dの各状態において並進歯車5の動作を停止させれば並進円運動を1/4回転ごとにステップ駆動が可能である。したがって、回転歯車21も、並進歯車5のステップ駆動により、減速比に応じた所定角度回転のステップ駆動が可能である。
【0032】
なお、回転歯車21の歯数は並進歯車5の歯数より少ない。また、並進歯車5および回転歯車21のそれぞれの歯丈が並進円運動の直径よりも大きい場合は、各歯が干渉するため、歯丈は上記並進円運動の直径よりも小さくする必要がある。また、並進歯車5の並進円運動1回転あたり、回転歯車21は、回転歯車21の歯数と並進歯車5の歯数との差分だけ回転する。例えば、並進歯車5の歯数が38であり、回転歯車21の歯数が36であれば、並進歯車5が並進円運動を1回する間に、回転歯車21は38−36=2歯分回転する。
【0033】
このように、実施の形態1に係る回転モータ100は、並進円運動を回転運動に変換する駆動方式であるため、比較的大きな減速比を得ることができる。それにより、回転出力トルクを大きくできるという利点がある。また、直線駆動する超音波アクチュエータを2つ組み合わせて並進円運動を実現するので、並進円運動のストロークを大きくできる。すなわち、並進円運動の直径を大きくできる。これにより、歯車の歯のサイズを大きくすることができるため、歯車の歯の強度を増大させることが可能であり、回転モータ100の出力を大きくしても、歯車の歯が破損することがない。このように、回転モータ100は回転出力トルクを高出力とすることが可能である。また、歯車の歯のサイズを大きくすることができるため、製造が容易であるという効果も奏する。さらに、直線駆動する超音波アクチュエータは、大型化することがないので、回転モータ100も大型化することはない。また、超音波アクチュエータは制御も容易である。
【0034】
また、直線駆動する2つの超音波アクチュエータにより並進円運動を実現しているため、任意位置での動作の停止が可能である。また、内歯と外歯の噛合いにより並進円運動が回転運動に変換されるため、この変換においてすべりが生じることもない。したがって、回転モータ100は、所定の回転量を得るステップ駆動が可能である。
【0035】
なお、上述の回転モータ100は並進歯車5を内歯歯車とし、回転歯車21を外歯歯車としたが、これは逆でもよい。すなわち、並進歯車5を外歯歯車とし、回転歯車21を内歯歯車としてもよい。その場合は、例えば外歯歯車をXYスライダ4に固定し、駆動軸2が内歯歯車の回転軸となるような構成とすればよい。なお、この場合に、内歯歯車の歯数が外歯歯車の歯数よりも多くなければ回転運動が生じることはない。
【0036】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る回転モータについて説明する。実施の形態2に係る回転モータ200は、実施の形態1に係る回転モータ100の変形例である。具体的には、実施の形態1に係る回転モータ100と同様に、Y(第1スライダ)スライダおよびXYスライダ(第2スライダ)を有し、並進歯車を並進円運動させる構成であるが、YスライダおよびXYスライダの構成が回転モータ100とは異なる。また、実施の形態1に係る回転モータ100においては、Yスライダ3およびXYスライダ4を直接Y方向およびX方向駆動部6および7が駆動させていた。しかし、実施の形態2に係る回転モータ200においては、Y方向およびX方向6aおよび7aは、XYスライダ4aに固定された並進歯車5aを直接駆動させ、間接的にYスライダ3aおよびXYスライダ4aを駆動させる構成である。
【0037】
なお、実施の形態1で示した部材と同様の部材については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0038】
まず、本発明の実施の形態2に係る回転モータの構成について説明する。図9は実施の形態2に係る回転モータの構成を説明するための断面図である。また、図10は実施の形態2に係る回転モータのスライダの平面図であって、図10(A)は実施の形態2に係る回転モータのYスライダの平面図であり、図10(B)は実施の形態2に係る回転モータのXYスライダの平面図である。また、図11は実施の形態2に係る回転モータにおける並進歯車の平面図である。なお、図9において、Y方向は紙面垂直方向であり、X方向は左右方向であり、図10(A)、図10(B)および図11においてY方向は上下方向であり、X方向は左右方向である。
【0039】
実施の形態2に係る回転モータ200は、他の部材をその内部に設置されたケース1aを備えている。ケース1aからは、実施の形態1の回転モータ100と同様に、回転歯車21の回転軸であって、回転駆動する駆動軸2が突出している。なお、駆動軸2は軸受け22、23によって、ケース1aに回転可能に支持されている。回転歯車21はその外周に歯を有する外歯構造である。回転モータ200は、基台であるケース1aに対してY方向に並進運動が可能なYスライダ(第1スライダ)3aと、Yスライダ3aに対してX方向に並進運動が可能なXYスライダ(第2スライダ)4aとを備えている。
【0040】
Yスライダ3aは板状であり、その上面にはボール12aが嵌まり込む、Y方向に伸びるV溝13aが形成されている。そして、ケース1aの内側上面にはV溝13aと対であり、ボール12aが嵌まり込むV溝10aが形成されている。このような構成とすることで、Yスライダ3aのケース1aに対する移動方向はY方向に規制され、Yスライダ3aはケース1aに対してY方向へ滑らかに直進運動が可能である。また、Yスライダ3aの中心部には、駆動軸2が貫通し、駆動軸2の径よりも十分大きな径を有する貫通孔36aが形成されている。
【0041】
XYスライダ4aは板状であり、その上面にはボール34aが嵌まり込む、X方向に伸びるV溝35aが形成されている。そして、Yスライダ3aの底面にはV溝35aと対であり、ボール34aが嵌まり込むV溝30aが形成されている。このような構成とすることで、XYスライダ4aの移動方向はYスライダ3aに対してX方向に規制され、XYスライダ4aはYスライダ3aに対してX方向へ滑らかに直進運動が可能である。また、XYスライダ4aの中心部には、駆動軸2が貫通し、駆動軸2の径よりも十分大きな径を有する貫通孔46aが形成されている。
【0042】
また、XYスライダ4aはさらに並進歯車5aを有している。並進歯車5aはXYスライダ4aの底面に固定設置され、XYスライダ4aと一体となって移動する。すなわち、並進歯車5aは、ケース1aに対してXY平面内を並進運動が可能である。並進歯車5aはその内周に歯が設置された内歯構造であり、回転歯車21と噛み合うよう配置されている。より具体的には、並進歯車5aの内径は回転歯車21の外径よりも大きく、並進歯車5aの歯数は回転歯車21の歯数よりも多い。そして、並進歯車5aが並進円運動を行うことで、回転歯車21と並進歯車5aとが噛み合い、回転歯車21は駆動軸を中心に回転する。
【0043】
Y方向駆動部(第1駆動部)6aおよびX方向駆動部(第2駆動部)7aは、押圧台9a上に設置されている。押圧台9aは、円盤状であり並進歯車5aの下方に設置され、その中心部には、駆動軸2が貫通し、駆動軸2の径よりも十分大きな径を有する貫通孔56が形成されている。このため、押圧台9aが駆動軸2と干渉することはない。また、押圧台9aとケース1aの内部底面と押圧台9aの底面との間にはバネ8aが設置されていて、押圧台9aは上方(並進歯車方向)へと付勢力をかけられている。それにより、Y方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aは、並進歯車5aの底面に押し付けられている。また、Y方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aは実施の形態1に係る回転モータ100のY方向駆動部6と同様の構成であり、交流電圧を印加することで、楕円振動を生じる。また、その振動は、印加する電圧の位相差のずれにより制御できる。Y方向駆動部6aは並進歯車5aをY方向に駆動させるよう、楕円振動の方向を考慮して配置され、X方向駆動部7aは並進歯車5aをX方向に駆動させるよう、楕円振動の方向を考慮して配置される。これにより、Y方向駆動部6aを楕円振動させれば、並進歯車5aと共に、Yスライダ3aがY方向に沿って移動する。また、X方向駆動部7aを楕円振動させれば、並進歯車5aと共に、XYスライダ4aがX方向に沿って移動する。これにより、並進歯車5aはケース1abに対して、XY平面内を並進運動が可能である。なお、印加する交流電圧を制御することで、Y方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aを上下振動させることも可能である。この場合は、これらY方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aと並進歯車5aの底面との間の摩擦力が低減する。
【0044】
このような回転モータ200において、Y方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aの移動量および移動方向等を制御し、具体的には、図8(A)で示すように制御することで、図8(B)に示すように回転歯車21と噛み合いながら、回転歯車21の駆動軸2の周りを円運動(並進円運動)するよう、並進歯車5aの駆動を制御することができる。これにより、回転歯車21は駆動軸2を中心軸として回転運動する。そして、回転歯車21と一体に運動する駆動軸2により、回転動力を取り出すことができる。
【0045】
このように、実施の形態2に係る回転モータ200は、実施の形態1に係る回転モータ100と同様に、並進円運動を回転運動に変換する駆動方式であるため、比較的大きな減速比を得ることができる。それにより、回転出力トルクを大きくできるという利点がある。また、直線駆動するアクチュエータを2つ組み合わせて並進円運動を実現するので、並進円運動のストロークを大きくできる。すなわち、並進円運動の径を大きくできる。これにより、歯車の歯のサイズを大きくすることができるため、歯車の歯の強度を増大させることが可能であり、回転モータ200の出力を大きくしても、歯車の歯が破損することがない。このように、回転モータ200は回転出力トルクを高出力とすることが可能である。また、歯車の歯のサイズを大きくすることができるため、容易に製造できる。さらに、直線駆動するアクチュエータは、大型化することがないので、回転モータ200も大型化することはない。
【0046】
また、直線駆動する2つの超音波アクチュエータにより並進円運動を実現しているため、任意位置での動作の停止が可能である。また、内歯と外歯の噛合いにより並進円運動が回転運動に変換されるため、この変換においてすべりが生じることもない。したがって、回転モータ200は、所定の回転量を得るステップ駆動が可能である。
【0047】
また、Y方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aは押圧台9a上に設置し、回転モータ200の駆動により移動しない構成としたので、Y方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aに電圧を印加するための配線等に力がかかることがなく、絡まる、断線等が起こりえない。また、バネ8aがY方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aに付勢力をかける構造なので、複数のバネを設置する必要がない。
【0048】
なお、上述の回転モータ200は並進歯車5aを内歯歯車とし、回転歯車21を外歯歯車としたが、これは逆でもよい。すなわち、並進歯車5aを外歯歯車とし、回転歯車21を内歯歯車としてもよい。その場合は、例えば外歯歯車をXYスライダ4に固定し、駆動軸2が内歯歯車の回転軸となるような構成とすればよい。なお、この場合に、内歯歯車の歯数が外歯歯車の歯数よりも多くなければ回転運動が生じることはない。
【0049】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る回転モータについて説明する。実施の形態3の回転モータ300は、実施の形態1の回転モータ100と略同様の構成であり、並進歯車5を並進円運動させるための直線駆動するアクチュエータが、超音波アクチュエータでなく、電磁リニアアクチュエータである点が異なる。なお、電磁リニアアクチュエータは、超音波アクチュエータと同様、制御が容易であり、超音波アクチュエータを用いた場合と同様の動作が可能である。
【0050】
図12は図1のII−II矢視断面図であり、図13は図1のIII−III矢視断面図である。また、図14は実施の形態3に係る回転モータのYスライダの平面図であり、図15は実施の形態3に係る回転モータのXYスライダの平面図である。なお、図14および図15において、Y方向は上下方向であり、X方向は左右方向である。また、図12において、Y方向は紙面に対して垂直方向であり、X方向は上下方向である。また、図13において、Y方向は上下方向であり、X方向は紙面垂直方向である。
【0051】
実施の形態3に係る回転モータ300と実施の形態1に係る回転モータ100との相違点は、具体的には、Y方向駆動部6およびX方向駆動部7の代わりに、Y方向駆動コイル16a、Y方向駆動マグネット16bおよびX方向駆動コイル17a、X方向駆動マグネット17bが設置されている点であり、それ以外は同様である。図12〜図15に示すように、Y方向移動部31にY方向駆動マグネット16bが設置され、Y方向駆動マグネット16bと対向するように、Y方向駆動コイル16aが設置されている。なお、Y方向駆動コイル16aはケース1に固定されている。また、X方向移動部41にX方向駆動マグネット17bが設置され、X方向駆動マグネット17bと対向するように、X方向駆動コイル17aが設置されている。なお、X方向駆動コイル17aはYスライダ3に固定されている。電磁リニアアクチュエータは、Y方向駆動コイル16aおよびY方向駆動マグネット16b、X方向駆動コイル17aおよびX方向駆動マグネット17bにより構成されている。
【0052】
このような構成であって、Y方向駆動コイル16aおよびX方向駆動コイル17aには、図示していないが、リード線やFPC(フレキシブルプリント配線基板)等を介して駆動回路と接続されている。この駆動回路から、Y方向駆動コイル16aおよびX方向駆動コイル17aに所望とする磁力を発生させるよう電流(駆動信号)が流れる。Y方向駆動コイル16aからの磁力により、Y方向駆動マグネット16bに力がかかり、Y方向移動部31がケース1に対してY方向に沿って移動し、一体となってYスライダ3もケース1に対してY方向に沿って並進運動する。また、X方向駆動コイル17aからの磁力により、X方向駆動マグネット17bに力がかかり、X方向移動部41がYスライダ3に対してX方向に沿って移動し、一体となってXYスライダ4もYスライダ3に対してX方向に沿って並進運動する。XYスライダ4およびYスライダ3の移動量および移動方向等は、Y方向駆動コイル16aおよびX方向駆動コイル17aへの駆動信号により制御できる。
【0053】
実施の形態3に係る回転モータ300は、このような構成であって、実施の形態1に係る回転モータ100と同様の動作によって、並進歯車5を並進円運動させることで、回転歯車23を回転運動させて、回転動力を駆動軸2から取り出すことができる。
【0054】
なお、実施の形態1に係る回転モータ100と同様に、上述の回転モータ300において、並進歯車5を外歯歯車とし、回転歯車21を内歯歯車としてもよい。その場合は、例えば外歯歯車をXYスライダ4に固定し、駆動軸2が内歯歯車の回転軸となるような構成とすればよい。なお、この場合に、内歯歯車の歯数が外歯歯車の歯数よりも多くなければ回転運動が生じることはない。
【0055】
また、実施の形態2に係る回転モータ200において、Y方向駆動部6aおよびX方向駆動部7aの代わりに、Y方向駆動コイル16a、Y方向駆動マグネット16bおよびX方向駆動コイル17a、X方向駆動マグネット17bを用いてもよい。
【0056】
なお、実施の形態1〜3において、駆動部は超音波アクチュエータまたは電磁リニアアクチュエータとしたが、駆動部はこれらに限定されるわけではなく、これら以外の直線駆動するアクチュエータを用いてもよい。
【0057】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態1に係る回転モータの構成を説明するための平面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図1のIII−III矢視断面図である。
【図4】実施の形態1に係る回転モータのYスライダの平面図である。
【図5】実施の形態1に係る回転モータのXYスライダの平面図である。
【図6】Y方向駆動部の構成を説明するための図である。
【図7】Y方向駆動部に印加する電圧の波形を示したグラフである。
【図8】実施の形態1に係る回転モータの動作について説明するための図であって、図8(A)は回転モータの駆動時における並進歯車の各方向への移動量を示すグラフであり、図8(B)は回転モータの駆動時における並進歯車の動作を示す図である。
【図9】実施の形態2に係る回転モータの構成を説明するための断面図である。
【図10】実施の形態2に係る回転モータのスライダの平面図であって、図10(A)は実施の形態2に係る回転モータのYスライダの平面図であり、図10(B)は実施の形態2に係る回転モータのXYスライダの平面図である。
【図11】実施の形態2に係る回転モータにおける駆動装置の並進歯車の平面図である。
【図12】図1のII−II矢視断面図である。
【図13】図1のIII−III矢視断面図である。
【図14】実施の形態3に係る回転モータのYスライダの平面図である。
【図15】実施の形態3に係る回転モータのXYスライダの平面図である。
【図16】従来の回転モータの断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1、1a ケース
2 駆動軸
3、3a Yスライダ
4、4a XYスライダ
5、5a 並進歯車
6、6a Y方向駆動部
7、7a X方向駆動部
8、8a、9 バネ
9a 押圧台
10、10a、13、13a、30、30a、35、35a V溝
11 第2Y方向直進案内部
12、12a、34、34a ボール
16a Y方向駆動コイル
16b Y方向駆動マグネット
17a X方向駆動コイル
17b X方向駆動マグネット
18、19 支持部
21 回転歯車
22、23 軸受け
31 Y方向移動部
32 第1Y方向直進案内部
33 第2X方向直進案内部
36、36a、46、46a、56 貫通孔
41 X方向移動部
42 第1X方向直進案内部
61 チップ部
62 第1圧電素子
63 第2圧電素子
64 ベース
92、82 係止具
100、200、300 回転モータ
501 駆動軸
502 支持球
503 圧電素子
504 被駆動筒
505 駆動歯車
506 被駆動歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台に対して、第1方向に直進可動である第1スライダと、
前記第1スライダを第1方向に駆動させる第1駆動部と、
前記第1スライダに対して、前記第1方向とは異なる第2方向に直進可動である第2スライダと、
前記第2スライダを第2方向に駆動させる第2駆動部と、
前記第2スライダに固定された並進歯車と、
前記並進歯車と異なる歯数である、回転歯車とを備え、
前記第1スライダの駆動および前記第2スライダの駆動によって、前記並進歯車は前記第2スライダと一体に、前記基台に対して並進駆動し、
前記並進歯車が前記並進駆動により、前記回転歯車と噛み合うように、円運動することで、前記回転歯車が回転運動する回転モータ。
【請求項2】
前記並進歯車には内歯が形成され、
前記回転歯車には外歯が形成され、
前記回転歯車が前記並進歯車の内周側に位置し、前記内歯と前記外歯とが噛み合わされている請求項1に記載の回転モータ。
【請求項3】
前記並進歯車には外歯が形成され、
前記回転歯車には内歯が形成され、
前記並進歯車が前記回転歯車の内周側に位置し、前記内歯と前記外歯とが噛み合わされている請求項1に記載の回転モータ。
【請求項4】
前記第1駆動部および前記第2駆動部は、超音波アクチュエータである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回転モータ。
【請求項5】
前記第1駆動部および前記第2駆動部は、電磁アクチュエータである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回転モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−7826(P2010−7826A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170633(P2008−170633)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】