説明

回転動力式ポンプのためのシールチャンバ調整バルブ

回転動力式ポンプにおいて、シールチャンバ調整バルブが、ポンプのシールチャンバ内に少なくとも部分的に位置決めされ、選択的且つ間欠的に流体をシールチャンバに運び、またはシールチャンバから中身を排出し、シールチャンバ内の状態および中身を修正し、機械的シールをたとえば固体の蓄積または空気の存在による失敗から効率的に保護する。調整バルブ機構は、シールチャンバの状態、特に機械的シール面の状態を決定する監視装置と連絡する制御装置により駆動できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、典型的にはスラリーを処理または取り扱うための形式の回転動力式ポンプに関する。特に、本発明は、回転動力式ポンプのような装置とともに用いられる機械的なシール構成を取り囲むチャンバの状態および内容物を制御するための構造および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転動力式ポンプは、一般に、駆動シャフトに接続された回転翼およびポンプケーシングを有し、ポンプケーシングの中で回転翼が回転する。ポンプにより処理される流体は、駆動シャフトの周りで、回転翼とケーシングの駆動側との間の領域を移動することができる。それゆえ、駆動シャフトを、駆動シャフトの周りの流体の漏れからシールするための機械的なシール構成が提供される。この駆動シャフトの機械的なシールは、しばしば、シールの近くに流される液体により、冷却および/または潤滑される。しばしば、システムを流すために用いられる流体は、ポンプに処理される流体である。澄んだ水を処理するおよび化学物質を処理するポンプにおいて、機械的なシールに関する洗い流しシステム(flushing system)が知られている。
【0003】
例示的な流しシステムが、Pedersenによる米国特許第5605436号明細書、およびRockwoodによる米国特許第5772396号明細書に開示されている。396号特許は、シール構成を例示しており、ここで、柔軟なシール面が採用されており、シール回転面と静止詰め込みボックスとの間に環が形成される。396号特許の構成から得られる1つの効果は、シールの流しが継続的に維持されない場合の、シール面におけるドライランニングへの高い可能性である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スラリーのような固体が混入した流体を処理する回転動力式ポンプにおいて、機械的なシールは、シールに接触する固体からの磨耗にさらされる。スラリーを処理するために用いられるある種の回転動力式ポンプにおいて、拡大した領域またはシールチャンバは、
周りに機械的なシールを備え得る。一般に回転翼の後ろとポンプケーシングとの間に画定される拡大されたシールチャンバは、静止チャンバ(stilling chamber)、および相対的に圧力が高く、空気が低く、乱流が低いシール環境を提供する。シールチャンバはまた、ポンプに処理される流体が通過する領域を提供し、流体はここを通って、低い速度、およびそれゆえ高い圧力で循環し、シール機構を冷却及び/または洗浄する。
【0005】
いくつかのシステムにおいて、冷却流体はシールチャンバに増大した圧力でポンプ輸送され、流し流体をシールチャンバからポンプケーシングに向かって追い出す。他のシステムにおいて、Stirlingによる米国特許第5195867号明細書に開示されているように、流体はシールチャンバ内で流し出すように循環され、シール面を冷却する。867号特許において、ポンプ輸送された流体は、シールチャンバを通って低速度、および相対的に高い圧力で循環され、空気は常に高圧領域から低圧領域に移動するので、シールチャンバが正の圧力で動作する見込みを増加され、空気が集まる見込みを低減させる。
【0006】
しかし、ある種タイプのスラリーにおいて、特に高い空気、固体、または空気と固体の懸濁液の濃度を含む流体において、空気のポケットはシール面の領域に集められ、乾燥運転状態を発生させる。さらに、シール面における固体の収集は、機械的シールの磨耗の原因となり、または、固体が大きなサイズに蓄積すると、蓄積した大きな固体がシールチャンバ内の表面を壊し、シール面に損傷を与える。それゆえ、乾燥運転状態は、シールチャンバ内に蓄積した固体にさらされることによる磨耗により、または、固体の大きな塊との衝突によりもたらされる実際の損傷により、機械的なシールの失敗原因となり得る。
【0007】
機械的なシールのための知られた流しシステムまたは冷却システムは、これらの問題に対応するような構造ではない。たとえば、知られたシステムは、シール面の近くに位置決めされる1つまたはそれ以上の流し開口を含み、これがシール面を冷却または潤滑するが、このような開口は、シール面に運ばれる流し流体の量を制御するようには構成されておらず、たとえば、冷却流体が、乾燥状態で運転している高温シールを打つ場合にシール面の実際の損傷を発生させ得る。また、シールチャンバ内の固体の蓄積条件を取り除くように構成または配置された流しシステムも知られていない。さらに、知られた流しシステムは、シール面に近接して固体含有流体で流されたとき、磨耗または損傷の原因となり得る。これらの知られた流しシステムは、シールを機能させるために連続的に運転する必要がある。流しシステムの失敗または妨害は、究極的にはシールの失敗原因となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面によれば、ポンプケーシング、ポンプシャフトに固定された回転翼、ポンプシャフトをシールするための機械的なシール、および機械的なシールに隣接するシールチャンバを有する回転動力式ポンプが提供され、該ポンプはさらに、少なくとも1つのバルブ機構を備えるシールチャンバ調整装置を有し、バルブ機構は、ポンプケーシングを通って、シールチャンバの方を向くように位置決めされ、少なくとも1つのバルブ機構を断続的かつ選択的に駆動することにより、シールチャンバの中身の状態を修正する。
【0009】
本明細書を通じて、「ポンプケーシング」との語が用いられる場合、この語は通常運転において回転翼を囲むポンプの部品を参照すると理解されたい。これらの部品は、ケーシングの前および後ろの部分、前ライナーおよび後ライナー、および後ろケーシングに取り付けられるフレームプレートアダプタを含むことができる。さらに、本発明のシールチャンバ調整装置は、後ケーシング、後ライナーおよびフレームプレートアダプタの1つまたはそれ以上に貫通するようにあるいは接触するよう位置決めされ得ることを理解されたい。
【0010】
バルブ機構は、機械的なシールの適正な運転および条件を常に保証することができ、そのためポンプのシールの寿命が改善される。本発明のシールチャンバ調整バルブは、スラリータイプの遠心ポンプに用いるものとして説明されるが、本バルブ機構は、澄んだ液体のポンプおよびタービンのような機械的なシールを含む他のタイプの装置に用いるように構成することもできる。
【0011】
一実施形態において、ポンプはさらに、シールチャンバの状態を監視するための監視装置を含み、また、少なくとも1つのバルブ機構と連絡する制御装置に信号を送り、受け取ったシールチャンバの条件に応じて選択的におよび間欠的に少なくとも1つのバルブ機構を駆動する。この一形態において、この監視装置は熱電対を有し、熱電対は機械的シール付近の温度条件を監視するように構成され、シール上の磨耗の原因となる過度な固体の存在を検出する。
【0012】
一実施形態において、少なくとも1つのバルブ機構は、選択的および間欠的に駆動でき、二者択一的に流体をシールチャンバ内に導入し、または、シールチャンバ内の少なくとも一部の流体をポンプの外側に排出する。
【0013】
一実施形態において、バルブ機構は、バルブ座部を備えるバルブハウジングと、およびバルブ座部に対して取り付けられるバルブとを有する。一形態において、ハウジングは少なくとも部分的に、回転動力式ポンプのシールチャンバ内に位置決めされ、機械シールのシール面を含むシールチャンバへの流体の輸送を与える。一形態において、バルブ機構は第1の端部を有し、ここでバルブとバルブ座部とが選択的に移動でき、第1の端部はシールチャンバの内側を向く。
【0014】
一実施形態において、バネがバルブハウジングとバルブステムとの間でバイアスされ、少なくとも1つの弁機構の選択的な駆動を可能にする。例示的な一実施形態において、バルブはバネにより、バルブ座部に対して着座するようにバイアスされる。バルブをバルブ座部に対して選択的に移動させるための他の装置を実装してもよい。
【0015】
一実施形態において、バルブハウジングは、ポンプケーシングの外側に位置決めされる端部を有し、これは流体導管の取り付け部を受け入れるように構成され、この導管は、少なくとも1つのバルブ機構にシールチャンバに導入するための流し流体を提供する。この機械的な駆動の一形態において、ハウジングの第2の端部(バルブ座部の反対側の端部)は、シールチャンバの外側に位置するように位置決めされ、好ましくはポンプのポンプケーシングの外側からアクセス可能である。第2の端部にある開口がバイアスされたバルブへのアクセスを提供し、バルブを手動で操作可能にする。
【0016】
ハウジングの第2の端部にある開口は、好ましくはネジ切りされており、同様にネジ切りされた、流体をバルブハウジングに運搬するホース継手またはパイプ継手のような導管を受け入れる。導管により運搬された流体は、バルブがバルブ座部から流体を排出させるのに十分な程度に加圧される。流体は、たとえば、加圧タンクまたはポンプ以外の他の源から提供することができる。代替的に、導管は、ポンプで処理された流体をシールチャンバに運搬するためのバルブに輸送することができるように、他の端部において、ポンプの出口に接続することができる。本明細書で用いられる「流体」との語は、液体およびガスの両者、およびそれらの混合物を含む。バルブ機構は、圧力制限装置および流れ制限装置を含むことができ、これらは、バルブを流れる流体の流れを修正する。
【0017】
一実施形態において、バルブはシールチャンバ内および機械的シールに向けられる円錐形状のしぶきを提供するように形状付けられる。この一形態において、バルブは概ね円錐形状であり、それによりシールチャンバへの円錐形状の流体のしぶきを与える。従って、シールチャンバ内のバルブ機構の位置決め、およびバルブにより生成される円錐形状のしぶきパターンは、流体をシールチャンバの表面に運搬し、蓄積した固体をシールチャンバの表面から洗い流し取り除くことを可能にする。また、バルブ機構は機械的シールのシール面の方向にしぶきを向けるように方向付けられ、シール面の冷却および潤滑を提供する。このバルブ機構はまた、バルブの円錐形状しぶきが、大きな空気泡を壊すことができるように、シールチャンバ内に位置決めされ、ポンプシャフトのまわりで高い空気密度を形成するドーナツ形状の空気泡集団(mass)を消散させる。この領域からの空気泡の消散(dissipation)は、シールチャンバの条件をより均一な流体と固体の混合になるように修正することによりシールチャン環境を改善する。
【0018】
上述のように、バルブ機構は、選択的に手動で、または、加圧した流体をバルブ機構の第2の端部に導入することにより操作可能である。このように、バルブ機構は、バルブを開くように手動で駆動でき、それにより、シールチャンバの固体またはガス(たとえば空気)の内容物の修正要求により、シールチャンバからの排出に影響を与えることができる。
【0019】
流体の外部ソースが流体導管を通じてバルブ機構に提供される場合、バルブの構成は、バルブがバルブ座部に適正に位置し、適正に閉じることを保証する。加圧流体のハウジングへの提供は、バルブハウジングの洗い流しを提供し、バルブハウジング蓄積した固体物を取り除く。
【0020】
本発明の例示的な実施形態において、バルブのバネ付勢構成は、バルブに過度な圧力が発生したらバルブを閉じることを可能にする。すなわち、バルブに接続されている円錐形状バネは、バネに付勢される圧力の総量が選択された負荷を超えると閉じる。弁機構の自動的な閉鎖は、加圧流体の過度な流れを防止し、過度に高圧な洗い流し流体がシールチャンバおよびシール面に到達するのを防止する。この過度な洗い流し流体は、シールチャンバ内に望ましくない乱流を発生させ得る。バルブの周りの円錐形バネは、制限オリフィスとして機能する追加的な利点を備え、バルブハウジング内の圧力が上昇しバルブが開いたときに、バネのコイルは締まりバルブ機構を通過する流体の流れを制限する。従って、円錐形バネは、圧力および流れの制限装置を提供する。また、コイルバネは、バネが伸縮するので固体がバネの周りに蓄積できないので、自己洗浄できる。
【0021】
シールチャンバ内に位置決めされるバルブ機構の数は変更してもよい。一実施形態において、複数のバルブ機構をポンプケーシングを通じて位置決めでき、ポンプシャフトの周りに放射状に配置でき、各バルブ機構を選択的および間欠的に駆動できる。この一形態において、少なくとも3つのバルブ機構が駆動シャフトを中心に等間隔で円周上に配置される。6つあるいはそれ以上のバルブ機構を駆動シャフトの周りに等間隔で配置してもよい。
【0022】
一実施形態において、複数のバルブ機構を、同期してシールチャンバから内容物を放出するように、または、同期してールチャンバ内に洗い流し流体を導入するように、構成することができる。代替実施形態において、複数のバルブ機構は、可変式に駆動するように構成でき、ここで、複数のバルブ機構のある部分集合は、シールチャンバから内容物を排出するように構成され、また複数のバルブ機構の他の部分集合は、シールチャンバ内に洗い流し流体を導入するように構成され、たとえば、これらを駆動シャフトを中心に交互のパターンで配置してもよい。さらに、圧力、温度、およびたとえば空気や過度の固体物の存在等のようなシールチャンバの状態を監視するために、他のバルブ機構を用いてもよい。
【0023】
これに続いて、シールチャンバ調整バルブ機構は、シールチャンバ内のまたはシール表面の特定の状態の決定に応じて、シールチャンバから中身を排出するように、または、シールチャンバに洗い流し流体を導入するように、選択的に駆動できる。すなわち、たとえば、ガス泡の形成を導く可能性のある、および、機械シールの乾燥運転を導く可能性のある、過度なガスがシールチャンバ内に存在しているとの決定がされると、バルブ機構のいくつかまたは全てを手動で駆動してシールチャンバからガスを解放し、他方で、シールチャンバに洗い流し流体を導入するようにバルブ機構を駆動して大きな空気ポケットを消散させ、シール面を潤滑または冷却する。シールチャンバ内の環境の条件または状態の決定は、熱電対のような任意の適当な手段で監視できる。監視素子は、シールチャンバ内に位置決めでき、好ましくはシール面またはその付近に位置決めされる。
【0024】
独特の能力として、本発明のシールチャンバ調整バルブ機構を選択的に駆動して、シールチャンバ内の環境の状態を修正し、または、その中身を修正し、回転動力式ポンプにおける機械的シールの保護性およびメンテナンス性の改善を提供する。すなわち、シールチャンバ内の不都合な状態による、シール上の応力またはシールの切迫した失敗を決定し、シールチャンバ内の状態を修正してシールを保護する能力は、本発明により提供される最も有意な効果を提供する。これらおよび他の利点は、以下に提供される説明を参照することにより明らかになるであろう。
【0025】
第2の側面によれば、本発明は遠心ポンプのシールチャンバのための調整バルブを提供し、この調整バルブは、
ポンプのシールチャンバ内に位置決めするための第1の端部およびング、ポンプのシールチャンバの外側に位置決めするための第2の端部を備えるバルブハウジと、
バルブ座部、およびバルブハウジングの第1の端部に位置し、ポンプのシールチャンバの内側に向くように位置決めされたバルブと、
バルブハウジングの第1の端部に位置するバルブにアクセスするためのバルブハウジングの第2の端部に位置する開口と、を有し、この開口はバルブ座部に流体連通し且つポンプのシールチャンバの外側からアクセスできるように方向付けられ、
調整バルブはさらに、第1の端部と第2の端部との間に位置決めされたバルブハウジング上に位置する、バルブハウジングをポンプケーシングに固定するのに適した構造を有する。
【0026】
一実施形態において、バルブ座部およびバルブは、感知されたシールチャンバ内における状態に応答して、選択的および間欠的に駆動するように操作可能である。
一実施形態において、前述の応答した駆動は、流体をシールチャンバに導入することを、または、シールチャンバの中身の少なくとも一部を第2の端部を介して排出することを二者択一的に行う。
【0027】
一実施形態において、バルブは、シールチャンバおよび機械的シールに向けられる円錐形状のしぶきを提供するように形状付けられる。
一実施形態において、第2の端部は流体導管の取り付け部を受け入れるように構成され、第2の端部に、シールチャンバ内への導入のための、前記少なくとも1つのバルブ機構に洗い流し流体を提供する。
【0028】
第3の側面によれば、本発明は遠心ポンプに調整バルブを取り付けるための方法が提供され、この方法は、
ポンプケーシング、ポンプケーシング内に延びるように位置決めされた駆動シャフト、駆動シャフトの端部に取り付けられ且つポンプケーシング内に位置決めされる回転翼、および駆動シャフトの周りに位置決めされる機械的シールに隣接するシールチャンバを備える遠心ポンプを提供するステップを有し、シールチャンバは、シールチャンバの内側からポンプケーシングの外側に延びる開口を有し、
さらにこの方法は、バルブハウジングを備える調整バルブを提供するステップを有し、バルブおよびバルブ座部がバルブハウジングの第1の端部に位置し、開口がバルブハウジングの第2の端部に位置し、バルブハウジングの開口がバルブおよびバルブ座部と流体連通し、
さらにこの方法は、バルブハウジングをシールチャンバの開口を通して位置決めし、バルブハウジングの第1の端部がシールチャンバの内側に向くように方向決めするステップを有し、
さらにこの方法は、バルブハウジングをポンプケーシングに固定するステップを有し、調整バルブの第2の端部は、シールチャンバの外側に位置決めされ、調整バルブの第2の端部にある開口は、選択的な駆動のためにアクセス可能である。
【0029】
第4の側面によれば、本発明は、遠心ポンプ内の調整バルブを改良するための方法を提供し、この方法は、
ポンプケーシング、ポンプケーシング内に延びるように位置決めされる駆動シャフト、駆動シャフトの端部に取り付けられ且つポンプケーシング内に位置決めされる回転翼、および駆動シャフトの周りに位置決めされる機械的シールに隣接するシールチャンバを備える遠心ポンプを提供するステップを有と、
シールチャンバの内側からポンプケーシングの外側に延びるシールチャンバ開口を形成するステップと、
バルブハウジングを備える調整バルブを提供するステップとを有し、バルブおよびバルブ座部がバルブハウジングの第1の端部に位置し、開口がバルブハウジングの第2の端部に位置し、バルブハウジングの開口がバルブおよびバルブ座部と流体連通し、
この方法はさらに、バルブハウジングをシールチャンバ開口を通して位置決めし、バルブハウジングの第1の端部がシールチャンバの内側を向くように方向付けるステップを有し、
この方法はさらに、バルブハウジングをポンプケーシングに固定するステップを有し、調整バルブの第2の端部はシールチャンバの外側に位置決めされ、調整バルブの第2の端部の開口は選択的な駆動のためにアクセス可能である。
【0030】
一実施形態において、シールチャンバ開口を形成するステップは、ポンプケーシングに穴を形成することにより達成される。
発明の概要で説明された装置の範囲内においてその他の形態が存在するが、装置の特定の実施形態が例示として添付図面とともに以下に説明される。添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】遠心ポンプの長手方向の断面図であり、シールチャンバを含むポンプの一般的な素子を示しており、本発明の調整バルブの位置を示す図である。
【図2】ポンプのシールチャンバの長手方向断面の拡大図であり、調整バルブの詳細を示す図である。
【図3】本発明のシールチャンバ調整バルブの拡大断面図である。
【図4】シールチャンバ内の状態を監視するためのシステムを採用する本発明の位置実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、スラリーを処理するために用いられる形式の遠心ポンプ10の断面の一部を示している。ポンプ10は一般にポンプケーシング12を有し、ポンプケーシング12は、ボリュートケーシング14を備え、ここに吸い込み入口ケーシング16が取り付けられている。図示されているように、ボリュートケーシング14は、好ましくは、前ケーシング18および後ケーシング20を備えることができる。図示のポンプ10の特定の実施形態において、ケーシングライナー22、24は、前ケーシング18および後ケーシング20の内側表面上に取り付けられる。ポンプ10はさらに、後ケーシング20に取り付けられるフレームプレートアダプタ28を有する。フレームプレートライナー挿入部30がフレームプレートアダプタ28に隣接して位置決めされる。
【0033】
回転翼32がポンプケーシング12内に位置決めされ且つポンプシャフト34に固定される。ポンプシャフト34はフレームプレートアダプタ28を通って延びる。ポンプシャフト34はまた、ベアリングハウジング36を通って延び、ベアリングハウジング36にポンプシャフトを支持する一組のベアリング(図示せず)が配置される。ポンプシャフト34はまた、モーターまたは駆動ベルト機構(図示せず)への取り付けられるように構成される。ポンプベアリングハウジング36の特徴およびモーターは本技術分野においてよく知られているので、ここではこれ以上説明しないが、本技術分野の当業者には分かるであろう。
【0034】
機械的シール40は、フレームプレートアダプタ28を通るポンプシャフト34の延長部のところで、ポンプシャフトスリーブ58の周りに位置決めされる。機械的シール40は、ポンプ10およびポンプシャフト34の周りから液体が漏れるのを防止する。スラリーポンプ10のこの実施形態において、ポンプ10は、シールチャンバ42を備えるように構成され、シールチャンバ42は、機械的シール40の周りに拡大領域を備える。本発明のシールチャンバ調整バルブ機構の相対的な位置決めが図1に示されている。
【0035】
図1のポンプ10から、ケーシング12内の回転翼32の回転により形成される吸気力により、流体がポンプ10の入口48に入ることが分かる。回転翼32は、流体をボリュート14内に導き、ここで流体は、ボリュートの接線方向に向いた出口か(図示せず)ら排出される。処理される流体の圧力は、回転翼52の後シュラウド52とポンプ10のフレームプレートライナー挿入部30との間に形成されたギャップ50を通って流体を移動させ、流体をシールチャンバ42内に移動させる。典型的には固体および気体が流体の中に混入している。固体はシールチャンバ内に蓄積することがあり、また、フレームプレートライナー挿入部30および回転翼34の後シュラウド52上に蓄積することもある。このような状態はシール40の表面温度を上昇させる原因となる。従って、損傷または乾燥運転によるシール40の失敗を防止するために、固体および気体を取り除くことが必要である。シールチャンババルブ機構44は、それゆえ、シールチャンバ42の状態または中身を迅速に修正するように機能し、問題の原因が解消されるまでシール40を漏れることなく運転し続けられるようにする。
【0036】
図2は、ポンプ34およびシールチャンバ42の半分の拡大図を示していおり、機械的シール40およびバルブ機構44の要素をより詳細に示している。前述のように、ポンプシャフト34は、適当な手段により回転翼32に接続されており、ここではネジ係合部56が示されている。ポンプシャフトスリーブ58はポンプシャフト34を囲み、また、回転翼32のハブ部分59と解放カラー60との間に軸方向に位置決めされる。ポンプシャフトスリーブ58と解放カラー60との両方は、ポンプシャフト34とともに回転する。
【0037】
機械的シール40は、機械的シールスリーブ62を有し、機械的シールスリーブ62はポンプシャフトスリーブ58の周りに位置決めされてポンプシャフトスリーブ58とともに回転する。図2に示されるように、回転シール面ホルダ64が機械的シールスリーブ62に固定され、機械的シールスリーブ62ともに回転する。回転シール面ホルダ64は、回転シール面ホルダ64とともに回転する機械的シール回転面66の支持を提供する。静止機械的シール面68は、機械的シール回転面66に当接し、それにより、その間にシール面70を画定する。静止機械的シール面68は、複数の駆動ピン76の手段により機械的シールグランドプレート74に固定される。図示しないが、複数のバイアスバネが、機械的シールグランドプレート74と静止機械的シール面68との間に位置決めされ、シール面70における、静止機械的シール面68と回転面66との間の緊密な嵌合を維持する。また、機械的シールグランドプレート74と静止機械的シール面68との間にOリング78が位置決めされ、その間の流体の漏れを防止する。
【0038】
シールチャンバ調整バルブ機構44は、機械的シールグランドプレート74内に形成された開口80を通るように位置決めされて示されている。1つのバルブ機構44だけが示されているが、複数のこのようなバルブ機構44を、好ましくはポンプシャフト34の周りに円周上に配置することができ、また、図示のようにグランドプレート74を通るように位置決めできることを理解されたい。図示の実施形態において、バルブ機構44は、好ましくは、グランドプレート74の開口80内にネジにより受け入れられるが、他の形態の相互嵌合方法または固定方法を用いることもできる。Oリング82が、バルブ機構44とネジ開口80との間に位置決めされる。バルブ機構44はハウジング90を有し、ハウジング90は第1の端部92を有し、第1の端部92はシールチャンバ42の内側を向くように方向付けられ、またハウジング90は第2の端部94を有し、第2の端部94は、ポンプケーシング12の外に位置決めされ、それにより、バルブ機構44の駆動のためのアクセスを提供する。
【0039】
シールチャンバ調整バルブ機構44のさらなる詳細が図3に示されており、ここで注目すべきことは、ハウジング90は、ネジ付きネック部分96を備え、ネジ付きネック部分96は、対応するグランドプレート7内のネジ付き開口80(図2)に受け入れられている。また、ハウジング90は、内部ボア98が形成されており、内部ボア98はバルブ機構44の第1の端部92から第2の端部94まで延びている。バルブ機構44の第1の端部のところで、内部ボア98は、バルブ座部100を画定し、バルブ機構44が図示のように閉じ位置にあるときに、バルブがバルブ座部100に着座する。
【0040】
バルブ102はバルブステム106に接続され、バルブステム106は、ハウジング90のボア98内に同軸に位置決めされる。図示の特定の実施形態において、バルブステム106は6角フランジボルトであり、6角フランジボルトは第1の終端部110に6角フランジ頭部108を備え、ここにバルブ102が位置決めされる。バルブステム106の反対側の第2の端部116に、平坦なワッシャ112および固定ナット114がねじ込まれる。円錐形に構成されたバネ120が、バルブステム106を囲むように位置決めされ、平坦なワッシャ112とボア98の内側に延びる肩部122との間でバイアスされる。
【0041】
バルブ機構44のハウジング90の第2の端部126は、ネジ付き雌連結部126のように構成され、ここに、ホースまたは他のパイプ継手(図示せず)のような流体導管が取り付けられ、流体をバルブ機構44内に導入できるようにする。また、連結部126は開口部を提供し、この開口部を通って、バルブステム106の第2の端部116へのアクセスを可能にし、以下でより詳細に説明されるように、手動でバルブ102を駆動できるようにする。
【0042】
バルブ102は円錐形状であり、バルブ102が着座するバルブ座部100は相補的な円錐形状に構成される。従って、流体が、連結部126を通ってバルブハウジング90のボア98に導入されるとき、流体の圧力は、バルブ102をバルブ座部100との着座位置から動かし、円錐形状のしぶきが生成される。
【0043】
図2を参照すると、バルブ機構44のハウジング90の第1の端部92が、シールチャンバ42内の内側を向いたグランドプレート74の表面130と同一平面にあることが見て取れる。それゆえ、バルブ機構44は、グランドプレート74およびシール面70に、固体、特にこれらの表面または構造に蓄積した固体を洗い流すように、円錐形のしぶきを提供するように位置決めされる。ポンプシャフト34の周りに円周上に配置された複数のこのようなバルブ機構44は、シールチャンバ42が、実質的に、すくなくとも使用中に機械的シール40の損傷を避けることができる程度に固体が洗い流されることを確保する。ポンプシャフト34の周りのバルブ機構の配置は、さらに、シールチャンバ42内、特にシール面70の領域内に形成され得る大きな空気ポケットを広範囲に消滅させることを確保する。バルブ102により提供される円錐形状のしぶきは、大きな空気ポケットをより小さな泡になるように壊し、シールチャンバ42の中により効率的に分散させる。グランドプレート74の表面130と同一平面にあるバルブハウジング90の第1の端部の位置は、また、置換流体が円錐形しぶきにより導入されたときの、シールチャンバ内の乱流の発生を回避する。
【0044】
また、バルブ102の円錐形状は、ハウジング90のボア98を通りバルブステム106の周り均一な流れを可能にする。この要素は、バルブ機構44から固体が洗い流されることを確保する。バネ120の円錐形状は、バルブ102の円錐形状と組み合わされて、さらに、バルブステム106がハウジング90の中心位置に維持されることを確保し、バネ120の円錐形状は、バルブ102のバルブ座部100への適正な閉鎖を確保する予負荷条件を提供する。
【0045】
置換流体は、様々なソースからバルブ機構44の連結部126内に導入できる。たとえば、処理流体を当業界で知られている適当な導管手段によりポンプの出口から取り出してバルブ機構44内に循環させることができる。また、置換流体は、タンクのような外部ソースから供給される気体または液体の形態とすることもできる。
【0046】
また、本発明のバルブ機構44は、連結部126を通じてバルブステム106にアクセスすることにより手動で駆動できるように構成できる。これは、連結部126を通してバルブステム106の第2の端部116に係合する道具を挿入することにより達成することができ、バルブステム106の軸方向の変位を可能にし、バルブ102をバルブ座部100から脱係合させることができる。バルブ機構44の手動による駆動は、空気、流体および固体を必要に応じてシールチャンバから排出するためにバルブ機構44を開放することを可能にする。空気、流体および固体がバルブ機構44から排出されると、バルブ102を閉じて、連結部126に接続されている流体導管から流体を導入することにより、残っている固体はバルブ機構から洗い流されて、バルブハウジング90に入る。
【0047】
シールチャンバ42およびシール面70の状態は、任意の適切な監視装置または手段により監視でき、シールチャンバ42の状態または中身を修正する必要に応じてバルブ44を間欠的に駆動できるようにする。図4に概略的に示されているように、1つの例示的な監視装置120は熱電対122であり、静止機械的シール面68に隣接して位置決めされ、シール面70にまたはその付近に位置するようにされる。熱電対122は、シール面70における温度を監視することができ、ワイヤ126などにより制御装置128に伝達される信号を生成する。制御装置128は、ポンプのケーシング12の外側に配置される。制御装置128は、ワイヤ132を介してソレノイドバルブ136と電気的に接続されており、ソレノイドバルブ136は調整バルブ機構44に接続されている。
【0048】
従って、シール面70またはシールチャンバ42の状態に関する温度データが熱電対122から制御装置128に送られると、制御装置128はデータを処理し、ソレノイドバルブ136の駆動を介してバルブ102を開く信号を送ることが適切であるかを決定する。バルブ102は開いて、シールチャンバ42の中身の一部を排出できるように、または、バルブ機構44を通じてシールチャンバ42内に流体を導入できるようにする。制御装置128は、それゆえ、条件に応じてバルブハウジング90も流体を提供するように、流体ソースを制御することもできる。1つまたはそれ以上の制御装置128を、複数のバルブ44を操作するのに用いることができ、制御装置128は、複数の装置128間でデータを相互伝達できるように構成される。
【0049】
監視装置のさらなる実施形態は、シール面70にまたはその付近に位置するように、静止機械的シール面68に隣接して位置決めされる振動センサまたは他の物理的センサを含むことができる。上述の装置と同様に、シール面70の領域にある振動センサは、ポンプの運転中の安定性を監視することができ、既に説明した変更を行うように制御装置128に伝達される信号を生成することができる。既に説明した変更とは、たとえば、シールチャンバ42の中身の一部を排出できるようにすること、または、シール面70の領域内に、バルブ機構44を通じて流体を導入できるようにすることである。さらなる実施形態において、バルブステム106を軸方向に駆動するソレノイドバルブではなく、機械的なアームを用いることもできる。
【0050】
説明したように、遠心ポンプは、ポンプシャフト34を取り囲む複数のバルブ機構44を備えるように構成でき、ここで全てのバルブ機構44は、同じ時間に同様の手法で駆動される。すなわち、全てのバルブ機構44は、シールチャンバ42に流体を導入するか、または、シールチャンバ42から流体を排出するように、同時に一緒に駆動できる。代替的に、バルブ機構は個別的または二者択一的に駆動することもでき(たとえば、すべての第2のバルブ機構44がシールチャンバ42内に流体を導入するように駆動する)、シールチャンバ42内に、シールチャンバ42の現在の状態に特有な調整効果を提供できる。
【0051】
シールチャンバ調整バルブ44は、ハウジング90を対応する穴に嵌合させることにより取り付けることができる。対応する穴は、シールチャンバ42へのアクセスが提供される限り、フレームプレートアダプタ28、後ケーシング20、フレームプレート(後)ライナー30および機械的シールグランドプレートを含む群の少なくとも1つに形成することができる。新しいポンプの通常の状態において、これらの部分の1つは穴およびハウジング90を受け入れるための、たとえばネジのようなある種の継手機構が形成される。ポンプにはポンプケーシングに穴が形成されておらず、シールチャンバ調整バルブ44をそのようなポンプに適用する場合において、ハウジング90のためのシールチャンバ42へのアクセスを可能にするために、操作者は適切な穴をケーシングに設ける必要がある。このような穴は、掘削、牙孔、切断、接合等の標準的な技術で設けることができる。
【0052】
以上のように、シールチャンババルブの好ましい実施形態が説明されたが、本発明は以下の利点のいくつかを備えるといえる。
1.本発明は機械的シールチャンバの磨耗を低減しうる。
2.本発明は機械的シール自身の磨耗を低減し得る。
3.本発明はシールチャンバに形成された固体成分を洗い流すのに用いることができる。
4.本発明はシールチャンバ内の空気を取り除きまたは排出し、シールの乾燥運転を防止し得る。
5.空気の排出とともに用いる場合、本発明は回転翼の中心に空気が形成されるのを防止でき、空気ロックの攻撃を遅らせることができる。
6.本発明は、使用しないときに栓をすることなく間欠的に使用することができる。
【0053】
本発明のシールチャンバ調整バルブ機構は、遠心スラリーポンプ内のシールチャンバの状態および中身を修正するのに特に適しているが、本発明のバルブ機構は、多くの他の形式のポンプおよび他の目的に用いることもできる。従って、ここで参照される、本発明のバルブ機構の特定の構造および配置は単なる例示であり限定的なものではない。
【0054】
さらに、本発明は、実施形態の説明で参照された特定の機械的シールとともに用いるように限定することを意図するものではなく、本発明は、類似の技術的な目的を達成するための類似の方法で操作されるあらゆる技術的に等価な機械的シールに対して適用可能であることを理解されたい。
【0055】
添付の特許請求の範囲および本明細書は、文脈において明示的な文言または必要な示唆がない限り、「有する」および「有している」等の類似の表現は開いた意味であり、すなわち、記載された特徴の存在を特定しており、方法および装置の様々な実施形態の他の特徴の存在や追加を排除するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転動力式ポンプであって、前記ポンプは、ポンプケーシング、ポンプシャフトに固定される回転翼、前記ポンプシャフトおよび機械的シールに隣接するシールチャンバをシールするための機械的シール、を有し、前記ポンプはさらにシールチャンバ調整装置を有し、前記シールチャンバ調整装置は少なくとも1つバルブ機構を備え、前記少なくとも1つのバルブ機構は、前記少なくとも1つのバルブ機構の間欠的および選択的な駆動により前記シールチャンバの状態および中身を修正するように、前記ポンプケーシングを通して位置決めされ且つシールチャンバ内に方向付けられる、回転動力式ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の回転動力式ポンプであって、前記ポンプはさらに、前記シールチャンバの状態を監視するための監視装置を有し、前記監視装置は、前記シールチャンバ内の感知した状態に応答して、前記少なくとも1つのバルブ機構を選択的且つ間欠的に駆動するように、前記少なくとも1つのバルブ機構に連絡する制御装置に信号を送る、回転動力式ポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載の回転動力式ポンプであって、前記監視装置は熱電対を有する、回転動力式ポンプ。
【請求項4】
請求項2に記載の回転動力式ポンプであって、前記少なくとも1つのバルブ機構は、二者択一的に、流体を前記シールチャンバに導入し、または、前記シールチャンバの中身の少なくとも一部を前記ポンプの外に排出するように選択的且つ間欠的に駆動することができる、回転動力式ポンプ。
【請求項5】
請求項1に記載の回転動力式ポンプであって、前記少なくとも1つのバルブ機構は、二者択一的に、流体を前記シールチャンバに導入し、または、前記シールチャンバの中身の少なくとも一部を前記ポンプの外に排出する、ように選択的且つ間欠的に駆動することができる、回転動力式ポンプ。
【請求項6】
請求項1に記載の回転動力式ポンプであって、前記少なくとも1つのバルブ機構はさらに、バルブ座部を備えるバルブハウジング、および前記バルブ座部に着座するように位置決めされるバルブ、を有する、回転動力式ポンプ。
【請求項7】
請求項6に記載の回転動力式ポンプであって、前記バルブは、前記シールチャンバおよび前記機械的シールに向かう円錐形状のしぶきを提供するように形状付けられる、回転動力式ポンプ。
【請求項8】
請求項6に記載の回転動力式ポンプであって、前記ポンプはさらに、前記少なくとも1つのバルブ機構の選択的な駆動を可能にするために、前記バルブハウジングとバルブステムとの間でバイアスされるバネを有し、前記バルブステムは前記バルブに取り付けられる、回転動力式ポンプ。
【請求項9】
請求項6に記載の回転動力式ポンプであって、前記バルブハウジングは、前記ポンプケーシングの外側に位置決めされた端部を有し、前記端部は、前記少なくとも1つのバルブ機構に前記シールチャンバ内に導入される洗い流し流体を提供するように、流体導管の取り付け部を受け入れるように構成される、回転動力式ポンプ。
【請求項10】
請求項1に記載の回転動力式ポンプであって、前記少なくとも1つのバルブ機構は手動で駆動される、回転動力式ポンプ。
【請求項11】
請求項1に記載の回転動力式ポンプであって、前記少なくとも1つのバルブ機構は機械的に駆動される、回転動力式ポンプ。
【請求項12】
請求項1に記載の回転動力式ポンプであって、前記少なくとも1つのバルブ機構は、前記ポンプケーシングを通して位置決めされ且つ前記ポンプシャフトの周りに放射状に配置される複数のバルブ機構を有し、前記各バルブ機構は選択的且つ間欠的に駆動される、回転動力式ポンプ
【請求項13】
請求項12に記載の回転動力式ポンプであって、前記複数のバルブ機構は、前記シールチャンバから中身を排出し、または、洗い流し流体を前記シールチャンバ内に導入するように、同期して駆動するように構成される、回転動力式ポンプ。
【請求項14】
請求項12に記載の回転動力式ポンプであって、前記複数のバルブ機構は可変駆動するように構成され、ここで、前記複数のバルブ機構のある部分集合は、前記シールチャンバから中身を排出するように構成され、前記複数のバルブ機構の他の部分集合は、前記シールチャンバ内に洗い流し流体を導入するように構成される、回転動力式ポンプ
【請求項15】
請求項14に記載の回転動力式ポンプであって、前記複数のバルブ機構のさらなる部分集合は、前記シールチャンバ内の状態を監視するための監視装置を備えるように構成される、回転動力式ポンプ。
【請求項16】
請求項14に記載の回転動力式ポンプであって、前記複数のバルブ機構は、前記シールチャンバ内の感知された状態に応答して前記複数のバルブ機構を駆動するための制御手段により駆動される、回転動力式ポンプ。
【請求項17】
請求項5に記載の回転動力式ポンプであって、前記ポンプはさらに、前記バルブ機構に接続される圧力および流れ制限装置を有する、回転動力式ポンプ。
【請求項18】
請求項17に記載の回転動力式ポンプであって、前記圧力および流れ制限装置はバルブ座部に接続された円錐形バネである、回転動力式ポンプ
【請求項19】
遠心ポンプのシールチャンバのための調整バルブであって、前記調整バルブは、
ポンプの前記シールチャンバ内に位置決めするための第1の端部、およびポンプの前記シールチャンバの外側に位置決めするための第2の端部、を備えるバルブハウジングと、
前記バルブハウジングの前記第1の端部に配置され且つポンプのシールチャンバの内部に向くように位置決めされる、バルブ座部およびバルブと、
前記バルブハウジングの前記第1の端部に位置するバルブにアクセスするための、前記バルブハウジングの前記第2の端部に位置する開口と、を有し、前記開口は、前記バルブ座部と流体連通し、且つポンプの前記シールチャンバの外側からのアクセスのために方向付けられ、
前記調整バルブはさらに、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置決めされ、前記バルブハウジング上の配置される、前記バルブハウジングをポンプケーシングに固定するのに適した構造を有する、調整バルブ。
【請求項20】
請求項19に記載の調整バルブであって、前記バルブ座部およびバルブは、前記シールチャンバ内の感知された状態に応答して選択的且つ完結的に駆動するように操作可能である、調整バルブ。
【請求項21】
請求項20に記載の調整バルブであって、前記応答性の駆動は、二者択一的に、前記シールチャンバ内に流体を導入し、または、前記シールチャンバの中身の少なくとも一部を前記第2の端部を介して排出する、調整バルブ。
【請求項22】
請求項19に記載の調整バルブであって、前記バルブは、前記シールチャンバ内および前記機械的シールに向けて円錐形状のしぶきを提供するように形状付けられる、調整バルブ。
【請求項23】
請求項19に記載の調整バルブであって、前記第2の端部は、前記少なくとも1つのバルブ機構に前記シールチャンバ内に導入する洗い流し流体を提供するように、流体導管の取り付け部を受け入れるように構成される、調整バルブ。
【請求項24】
遠心ポンプに調整バルブを取り付けるための方法であって、前記方法は、
ポンプケーシング、前記ポンプケーシング内に延びるように位置決めされた駆動シャフト、前記駆動シャフトの端部に取り付けられ且つ前記ポンプケーシング内に位置決めされる回転翼、および前記駆動シャフトの周りに位置決めされた機械的シールに隣接するシールチャンバ、を有する遠心ポンプを提供するステップを有し、前記シールチャンバは、前記シールチャンバの内側から前記ポンプケーシングの外側に延びる開口を備え、
前記方法は、バルブハウジングを備える調整バルブを提供するステップを有し、前記バルブハウジングは前記バルブハウジングの第1の端部に位置するバルブおよびバルブ座部を備え、前記バルブハウジングは、前記バルブハウジングの第2の端部に位置する開口を備え、前記バルブハウジング内の前記開口は、前記バルブおよびバルブ座部と流体連通し、
前記方法は、前記バルブハウジングを、前記シールチャンバ開口を通して位置決めし、前記バルブハウジングの前記第1の端部を、前記シールチャンバの内側に向くように方向付けるステップを有し、
前記方法は、前記調整バルブの前記第2の端部が前記シールチャンバの外側に位置決めされ、前記調整バルブの前記第2の端部にある前記開口が選択駆動のためにアクセス可能となるように、前記バルブハウジングを前記ポンプケーシングに固定するステップを有する、方法。
【請求項25】
遠心ポンプに調整バルブを取り付ける方法であって、前記方法は、
ポンプケーシング、前記ポンプケーシング内に延びるように位置決めされた駆動シャフト、前記駆動シャフトの端部に取り付けられ且つ前記ポンプケーシング内に位置決めされる回転翼、および前記駆動シャフトの周りに位置決めされた機械的シールに隣接するシールチャンバを有する遠心ポンプを提供するステップと、
前記シールチャンバの内側から前記ポンプケーシングの外側まで延びるシールチャンバ開口を形成するステップと、
バルブハウジングを備える調整バルブを提供するステップと、を有し、前記バルブハウジングは前記バルブハウジングの第1の端部に位置するバルブおよびバルブ座部を備え、前記バルブハウジングは、前記バルブハウジングの第2の端部に位置する開口を備え、前記バルブハウジング内の前記開口は、前記バルブおよびバルブ座部と流体連通し、
前記方法は、前記バルブハウジングを、前記シールチャンバ開口を通して位置決めし、前記バルブハウジングの前記第1の端部を、前記シールチャンバの内側に向くように方向付けるステップを有し、
前記方法は、前記調整バルブの前記第2の端部が前記シールチャンバの外側に位置決めされ、前記調整バルブの前記第2の端部にある前記開口が選択駆動のためにアクセス可能となるように、前記バルブハウジングを前記ポンプケーシングに固定するステップを有する、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の遠心ポンプに調整バルブを取り付ける方法であって、前記シールチャンバ開口を形成するステップは、前記ポンプケーシング内に穴を形成することにより達成される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−516944(P2010−516944A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547319(P2009−547319)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/001086
【国際公開番号】WO2008/094501
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(506256297)ウィアー・スラリー・グループ・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】