説明

回転角検出装置

【課題】構成部材の組み付けの確認作業を容易に行うことができる回転角検出装置を提供する。
【解決手段】主動ギア、従動ギア50、磁石60と、磁気センサ81と、従動ギア50の回転軸方向への移動を規制するホルダ70と、これらを収容するケース20とを備える回転角検出装置において、従動ギア50は、ケース20に回転可能に軸支され、ホルダ70は、従動ギア50の軸受と反対側の部位に接触した状態で装着され、カバー30のホルダ70に対向する部位には、弾性変形可能とされた規制部材35を設け、カバー30を軸受と反対側からホルダ70に対向してケース20に取り付けたとき、規制部材35は、ホルダ70が存在しない場合には、従動ギア50と係合してこれの回転を規制する一方、ホルダ70が存在するときには、ホルダ70との接触により弾性変形して従動ギア50とは係合しない回転角検出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転角検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転体の回動に基づく磁場の変化を、磁気センサを通じて検出することで回転体の回転角を検出する回転角検出装置が知られている。例えば、図4に示されるように、特許文献1に記載の回転角検出装置100は、ステアリング軸101と一体回転する主動ギア102、および同主動ギア102と噛合する2つの従動ギア103を備える(図中では1つのみ図示する)。また、この従動ギア103には、同従動ギア103と一体回転する磁石104が設けられている。この回転角検出装置100は、磁石104の回転軸方向にこれと対向する磁気センサ105を有する回路基板106を備えている。磁気センサ105は、磁場(磁束密度)に応じた電圧を生成する磁気抵抗素子と備える。従って、この回転角検出装置100では、ステアリング軸101の回転にともない磁石104が回転し、この磁石周辺の磁場が変化する。2つの磁気センサ105は、磁場の変化に応じて位相の異なる2つの電圧を生成する。この回転角検出装置100では、2つの従動ギア103の回転によって生じる2つの電圧の位相差からステアリング軸101の絶対角を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−266263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の回転角検出装置100では、先に説明した構成部材(102〜106)は、断面コの字状のカバー107とその開口部を塞ぐ態様で同カバー107に取り付けられる板状のケース108との間に形成される空間に収容されている。ここで、従動ギア103とカバー107との間にはシート状部材109が、同じく従動ギア103とケース108との間にはホルダ110が、それぞれ介在されている。シート状部材109及びホルダ110は、従動ギア103の回転軸を軸支するとともに、この回転軸を軸方向、すなわち、図中における上下方向において挟持する。これにより、従動ギア103は、回転軸方向への移動が規制されている。
【0005】
しかしながら、この回転角検出装置では、組み付け忘れなどに起因してシート状部材109及びホルダ110のどちらか一方が欠落した場合でも、従動ギア103をカバー107とケース108との間の空間に収容してこれらカバー107とケース108とを互いに組み付けることができる。例えば、ホルダ110が欠落した場合、従動ギア103とケース108(正確には回路基板106)との間には、ホルダ110分のスペースが生じる。すなわち、従動ギア103は、このスペース分だけ回転軸方向への移動が可能となる。この従動ギア103の回転軸方向への移動に伴い異音が発生するおそれがある。また、移動に伴い従動ギア103と主動ギア102との良好な噛み合い状態が維持できず、その結果、主動ギア102が回転しても従動ギア103は円滑に回転しなくなるおそれがある。
【0006】
これらの問題の発生を抑制するために、カバー107とケース108との組み付け前にシート状部材109及びホルダ110が組み付けられているか否かの確認を目視により行うことは可能である。しかしながら、この確認作業をカバー107とケース108とが組み付けられた後に行うことは困難であった。組み付け前における目視での確認では、不十分となるおそれもあるため、組み付け後においてもこの確認作業を行いたいという要望があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成部材の組み付けの確認作業を容易に行うことができる回転角検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、検出対象の回転に合わせて回転する主動ギアと、前記主動ギアに連動して回転する従動ギアと、前記従動ギアに固定された磁石と、前記磁石と対向して同磁石の回転に伴う磁場の変化を検出する磁気センサと、前記従動ギアの回転軸方向への移動を規制するホルダと、前記主動ギア、従動ギア、及びホルダを収容するケースとを備える回転角検出装置において、前記ケースに取り付けられて同ケースとの間に空間を形成する付属部材を備え、前記従動ギアは、前記ケースに設けられた軸受を回転可能に支持し、前記ホルダは、前記従動ギアの前記軸受と反対側の部位に接触した状態で装着され、前記付属部材は、前記軸受と反対側から前記ホルダに対向して、前記ケースに取り付けられ、同付属部材の前記ホルダに対向する部位には、弾性変形可能とされた規制部材を設け、前記規制部材は、前記ホルダが存在しない状態で、前記付属部材を前記ケースに取り付けたとき、前記従動ギアに係合して同従動ギアの回転を規制する一方、前記ホルダが存在するときには、前記ホルダとの接触を通じて弾性変形することにより、前記従動ギアに対する係合が規制されることを要旨とする。
【0009】
ホルダをはじめとして回転角検出装置の各構成部材は、ケース及び付属部材との間に形成される空間に収容される。従って、ケースと付属部材とが組み付いた後では、ホルダが収容されているか否かを確認することが難しい。その点、同構成によれば、ホルダがケース及び付属部材との間に形成される空間に収容されない場合、規制部材は、従動ギアの回転を規制する。これに伴い主動ギアの回転も規制される。従って、主動ギアの回転が規制されるとき、ホルダがケース及び付属部材との間に形成される空間に収容されていないことを容易に確認することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転角検出装置において、前記規制部材は、前記従動ギアの回転軸と同軸方向に延びる軸状部材であって、前記ホルダが存在しない状態で前記付属部材を前記ケースに取り付けたとき、前記従動ギアの歯先円と歯底円との間に位置するように設けたことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、弾性変形部材で構成された軸状部材を、従動ギアの歯先円と歯底円との間に位置するように配置という簡易な構成でホルダが配置されないときに従動ギアの回転を規制することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回転角検出装置において、前記ホルダは、前記従動ギアへ向かうにつれて拡径するテーパ状に形成し、前記従動ギアと同軸に設けたことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、規制部材は、回転角検出装置に組み付けられるとき、ホルダの形状に沿って弾性変形する。すなわち、従動ギアに近づくにつれて拡径するように弾性変形する。従って、ホルダは、この規制部材の弾性変形にともなう従動ギア方向への弾性力を受ける。すなわち、ホルダは従動ギア側へ押しつけられる。これにより、ホルダは、従動ギアの回転軸方向への移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、構成部材の組み付けの確認作業を容易に行うことができる回転角検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態における回転角検出装置の斜視図。
【図2】図1の回転角検出装置の平面図。
【図3】(a)図2の断面指示線A−Aにおける断面図、(b)ホルダが欠落した場合の図3(a)に対応する断面図。
【図4】従来の回転角検出装置の半断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。本例では、自動車のステアリングと一体回転するステアリング軸に設けられて、同ステアリング軸の回転角を検出する回転角検出装置について説明する。
【0017】
<回転角検出装置の構成>
図1に示されるように、回転角検出装置10は、ケース20と、同ケース20に取り付けられるカバー30と、これら両者に回転可能に挟持される主動ギア40とを備えてなる。これらケース20、カバー30、及び主動ギア40は、合成樹脂材料により形成されている。なお、カバー30は、合成樹脂材料のなかでも弾性が大きい材料、例えばABS樹脂が採用される。
【0018】
ケース20は、円筒部21とこれの右側に連続して下方に延びる収容部22とを備えている。円筒部21は、内壁、外壁、及びこれらを繋ぐ円盤状の底壁によって形成されている。収容部22は、下部が塞がれるとともに上部が開口している四角筒状とされている。円筒部21の外周部には等間隔で3つの係止突部23が、収容部22の上縁部には前側と後側に2つずつ計4つの係止突部24が設けられている。
【0019】
カバー30は、円筒部21の内径及び外径と一致する円筒部31と、これの右側に連続する板状の蓋部32とを備えている。この蓋部32は方形とされ、収容部22の開口部の外郭形状と一致する。円筒部31の外周部には先の3つの係止突部23のそれぞれと対応する3つの係止孔33が設けられている。また、蓋部32には、先の4つの係止突部24のそれぞれと対応する4つの係止孔34が設けられている。
【0020】
主動ギア40は、輪状に形成されている。主動ギア40の内周部には、2つの係合突部41が互いに対向して設けられている。また、主動ギア40の外周部には、図示しないギア部が形成されている。また、主動ギア40の上面及び下面における内周面には、図示しないリング状のレールが形成されている。このレールの外径は、円筒部21の内径よりも若干小さく設定されている。
【0021】
ケース20及びカバー30は、間に主動ギア40を挟む態様で組み付けられている。主動ギア40の下面に形成されたレールは円筒部21に、同じく上面のレールはカバー30の円筒部31にそれぞれ挿入されている。また、円筒部31は円筒部21に上方から挿入されている。蓋部32により収容部22の開口部は閉塞されている。係止孔33が係止突部23に、係止孔34が係止突部24に、それぞれ係止されている。これにより、ケース20とカバー30とが互いに固定されている。また、このとき主動ギア40は、ケース20の内壁とカバー30と内壁とによって回転可能に挟持される。
【0022】
この回転角検出装置10が図示しないステアリング軸に組み付けられるとき、主動ギア40の係合突部41は、ステアリング軸に設けられた係合部と回転方向において係合する。これにより、主動ギア40は、ステアリング軸と一体回転する。
【0023】
図3(a)に示されるように、回転角検出装置10は、主動ギア40の回転にともない回転する、2つの従動ギア50を備えている。この従動ギア50は、合成樹脂材料により形成されている。この従動ギア50は、ケース20の収容部22に収容されている。
【0024】
次に、従動ギア50の支持構造について説明する。図3(a)に示されるように、収容部22の上面には、上方に向かって延びる円筒状の軸支持部25が形成されている。従動ギア50は、軸支持部25に回転可能に支持される円柱状の軸部51と、同軸部51の上部に形成された円板状のギア部52と、同ギア部52の上面に形成された筒状の磁石収容部53とを備えている。これら、軸部51、ギア部52、及び磁石収容部53は、同軸上に形成されている。従動ギア50は、その軸部51が軸支持部25に支持されることにより、半径方向への移動が規制されている。なお、図示は省略するが、従動ギア50のギア部52は、主動ギア40と噛み合っている。従って、主動ギア40の回転に伴い従動ギア50も回転する。また、磁石収容部53には、磁石60が収容され固定されている。磁石60は、従動ギア50と一体回転する。すなわち、主動ギア40の回転にともない磁石60も回転する。
【0025】
ケース20とカバー30との間において、従動ギア50の上部には、円錐台状のホルダ70が設けられる。このホルダ70は、下側に向かって徐々に拡径している。ホルダ70の最下部の外径は、ギア部52の外径よりも大きく設定されている。ホルダ70の下面には凹部71が形成されている。凹部71は、ギア部52を収容可能とされている。すなわち、凹部71の内径はギア部52の外径よりも大きい。また、凹部71の深さは、ギア部52の厚みよりも大きい。この凹部71の中央には貫通孔72が形成されている。貫通孔72の内径は、磁石収容部53の外径よりも大きい。また、凹部71の内底面には、環状の凸部73が形成されている。この凸部73は、貫通孔72の周囲を囲んでいる。ホルダ70は、凸部73を介してギア部52の上面に当接している。また、ホルダ70の底面における外縁は、収容部22の上面に設けられた支持部材26に当接している。
【0026】
ホルダ70の上方には、基板80が配設されている。この基板80は図示しない係止構造によりケース20に取り付けられている。基板80の下面には、磁気センサ81が固定されている。磁気センサ81は、軸支持部25の軸線Oの延長上に設けられている。磁気センサ81は、磁場(磁束密度)に応じた電圧を生成する磁気抵抗素子を利用したものである。基板80には、2つの孔82が形成されている。これら孔82は、先の軸線Oを挟んでギア部52のピッチ円にあたる左右2カ所に設けられている。
【0027】
カバー30の内頂面には、下方に向かって延びる2本の規制部材35が形成されている。規制部材35は、円柱形状とされている。この規制部材35は、先の孔82と対応する位置に形成されている。また、この規制部材35の外径は、先の孔82の内径よりも小さく設定されている。さらに、規制部材35の下方への突出長は、その先端が従動ギア50のギア部52に到達する程度の長さに設定されている。規制部材35は、ギア部52の歯間に挿入可能とされている。なお、カバー30はABS樹脂で形成されているので、規制部材35は弾性変形が可能とされている。
【0028】
カバー30は、規制部材35を基板80の孔82を下方に向かって貫通する態様でケース20に取り付けられている。このとき、規制部材35はホルダ70の斜面に沿って弾性変形した状態に維持されている。規制部材35は、弾性変形に伴う弾性力によってホルダ70を下方に押しつける。すなわち、ホルダ70は従動ギア50をケース20に押しつける。これにより、従動ギア50の上下方向への移動が規制される。
【0029】
なお、ケース20とカバー30との間に配設される従動ギア50、磁石60、ホルダ70、及び基板80に固定される磁気センサ81の各構成は、図2における指示線B−Bで示される位置にもう一組設けられる。また、この指示線B−Bで示される位置には、基板80に設けられる孔82、及びこの孔82に挿入される規制部材35についても、もう一組設けられる。これら各構成は、先に説明した構成と同一であることから、これらについての説明は省略する。
【0030】
<回転角検出装置の動作>
このように構成された回転角検出装置10では、ステアリング軸と一体回転する主動ギア40の回転に伴い2つの従動ギア50が回転する。すると2つの磁石60が回転し、磁場が変化する。2つの磁気センサ81は、磁場の変化に応じた位相の異なる電圧を生成する。回転角検出装置10の図示しない制御装置は、2つの磁気センサ81において生成される2つの電圧の位相差からステアリング軸の絶対角を算出する。
【0031】
<組み付けの確認>
また、回転角検出装置10では、各構成部材を組み付ける際にホルダ70を組み付け忘れるおそれがある。この状況を想定した断面図を図3(b)に示す。同図に示されるように、ホルダ70が組み付け忘れられた場合、規制部材35は、弾性変形せずに、従動ギア50のギア部52まで到達する。規制部材35は、ギア部52のピッチ円と同じ位置に形成されている。従って、規制部材35は、ギア部52の歯間に挿入される。この状態で、主動ギア40が回転しようとすると、ギア部52の歯が規制部材35と当接し従動ギア50は回転することができない。これにより、ホルダ70が組み付けられていないことを検出することができる。
【0032】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)カバー30に弾性変形可能とされた規制部材35を設けた。そして、カバー30とケース20とが組み付けられた際に、ホルダ70が組み付けられていない場合には、規制部材35が従動ギア50のギア部52と係合するようにした。これにより、従動ギア50が規制される。ひいては主動ギア40の回転が規制される。これにより、ケース20とカバー30とが組み付けられた後においても、主動ギア40が回転するか否かでホルダ70が組み付けられているか否かを確認することができる。
【0033】
(2)このホルダ70を従動ギア50に向かって徐々に拡径するように形成した。これにより、ケース20とカバー30とが組み付けられた際に、規制部材35は、ホルダ70の斜面に沿って弾性変形する。規制部材35は、弾性変形に伴う弾性力によってホルダ70を下方に押しつける。すなわち、ホルダ70は従動ギア50をケース20に押しつける。これにより、従動ギア50の上下方向への移動が規制される。また、2つの規制部材35を軸線Oを挟んで互いに反対側に設けた。これにより、規制部材35は、ホルダ70に対して軸線Oを挟んで均等に弾性力を印加することができる。
【0034】
(3)カバー30に規制部材35を一体形成した。これにより、カバー30と規制部材35とを別部材で設けるよりも回転角検出装置10の構成部材を減らすことができる。このため、回転角検出装置10の組み付け工数が減少する。
【0035】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、カバー30と規制部材35とを一体形成したが、これらは別体であってもよい。また、規制部材35は他の部材、例えば基板80と一体とされてもよい。このように構成しても上記実施形態の(1),(2)の効果と同様の効果を得ることができる。
【0036】
・上記実施形態では、ホルダ70は、従動ギア50側が拡径するように形成したが、規制部材35を弾性変形させて従動ギア50と係合しないような形状であればよい。例えば、貫通孔72を上方に向かって拡径するように形成する。このように構成しても上記実施形態の(1),(3)の効果と同様の効果を得ることができる。
【0037】
・上記実施形態において、規制部材35の軸方向は、軸部51の軸方向と同じとされたが、ホルダ70がない場合にギア部52に係合すれば、異なっていてもよい。例えば、図3(a)において2本の円柱がハの字状に、すなわち左側の規制部材35が下側に向かうにつれて離間するように形成してもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
・上記実施形態において、カバー30は、ABS樹脂とされたが、弾性変形が可能であればこのほかの材料、例えばシリコン等のケイ素樹脂であってもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
・上記実施形態において、規制部材35は、その先端部がギア部52のピッチ円状に位置するように配置したが、ギア部52の歯先円と歯底円との間に位置するようにすればよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
・上記実施形態では、規制部材35を貫通させるための孔82を基板80に設けたが、基板80の形状は、規制部材35とギア部52との係合を阻害しない形状であれば、特に限定されるものではない。すなわち、必ずしも孔82の構成が必須であるわけではない。
【0041】
・上記実施形態において、規制部材35は円柱とされたが、形状はこれに限定されるものではない。例えば、三角柱、四角柱などの多角柱、板状、錐形状などであってもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
・上記実施形態において、規制部材35の数は、一つの従動ギアに対して2つであったが、これに限定されるものではない。1つ以上であれば上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
・上記実施形態では、磁気センサ81としてGMRを採用したが、他の磁気センサであってもよい。例えば、MRセンサなどを採用してもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
・上記実施形態では、従動ギア50は、2つあるとされたが、1つであってもよいし、3つ以上あってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
【0045】
(イ)請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の回転角検出装置において、前記規制部材は、前記付属部材と一体形成されている回転角検出装置。
同構成によれば、回転角検出装置の構成部材を減らすことができる。このため、回転角検出装置の組み付け工数が減少する。
【0046】
(ロ)請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の回転角検出装置において、前記付属部材は、前記ケースに取り付けられて同ケースとともに前記主動ギア、従動ギア、ホルダを保護するカバーである回転角検出装置。
【0047】
同構成によれば、回転角検出装置の構成部材を外部環境から保護することができる。
(ハ)請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の回転角検出装置において、前記付属部材は、前記磁気センサが設けられる基板である回転角検出装置。
【0048】
同構成によれば、回転角検出装置の構成部材を減らすことができる。このため、回転角検出装置の組み付け工数が減少する。
【符号の説明】
【0049】
10…回転角検出装置、20…ケース、21,31…円筒部、22…収容部、23,24…係止突部、25…軸支持部、26…支持部材、30…付属部材としてのカバー、32…蓋部、33,34…係止孔、35…規制部材、40…主動ギア、41…係合突部、50…従動ギア、51…軸部、52…ギア部、53…磁石収容部、60…磁石、70…ホルダ、71…凹部、72…貫通孔、73…凸部、80…基板、81…磁気センサ、82…孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の回転に合わせて回転する主動ギアと、
前記主動ギアに連動して回転する従動ギアと、
前記従動ギアに固定された磁石と、
前記磁石と対向して同磁石の回転に伴う磁場の変化を検出する磁気センサと、
前記従動ギアの回転軸方向への移動を規制するホルダと、
前記主動ギア、従動ギア、及びホルダを収容するケースとを備える回転角検出装置において、
前記ケースに取り付けられて同ケースとの間に空間を形成する付属部材を備え、
前記従動ギアは、前記ケースに設けられた軸受を回転可能に支持し、
前記ホルダは、前記従動ギアの前記軸受と反対側の部位に接触した状態で装着され、
前記付属部材は、前記軸受と反対側から前記ホルダに対向して、前記ケースに取り付けられ、同付属部材の前記ホルダに対向する部位には、弾性変形可能とされた規制部材を設け、
前記規制部材は、前記ホルダが存在しない状態で、前記付属部材を前記ケースに取り付けたとき、前記従動ギアに係合して同従動ギアの回転を規制する一方、前記ホルダが存在するときには、前記ホルダとの接触を通じて弾性変形することにより、前記従動ギアに対する係合が規制される回転角検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転角検出装置において、
前記規制部材は、前記従動ギアの回転軸と同軸方向に延びる軸状部材であって、前記ホルダが存在しない状態で前記付属部材を前記ケースに取り付けたとき、前記従動ギアの歯先円と歯底円との間に位置するように設けた回転角検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の回転角検出装置において、
前記ホルダは、前記従動ギアへ向かうにつれて拡径するテーパ状に形成し、前記従動ギアと同軸に設けた回転角検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−242131(P2012−242131A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109709(P2011−109709)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】