説明

回転電機

【課題】負荷側軸受および反負荷側軸受それぞれを効率よく冷却する。
【解決手段】回転電機は、負荷側軸受15および反負荷側軸受16で支持された回転軸10と、回転子11および固定子12等を収容するフレーム13と、フレーム13上部に配置された熱交換部19と、を有する。フレーム13の外側に外部ファン21が設けられ、内側に内部ファン23が設けられる。また、回転電機は、外部ファン21により送風される外気が、熱交換部19内の軸受冷却外気流路用配管35を流通して、負荷側軸受15近傍を流通して外部に排出される負荷側受冷却系統51と、内部ファン23により送風された気体媒体が、熱交換部19に流入して、冷却されながら反負荷側に向かって流れてフレーム13に流れ込み、反負荷側軸受16近傍を流通した後にフレーム13内を負荷側に向かって流れる反負荷側受冷却系統52と、が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換部等を有する回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機は、一般に、軸受に回転自在に支持された回転軸と、この回転軸に固定されてその周りを回転する回転子と、この回転子を取り囲む固定子と、これらを収容するフレームとを有している。回転軸を支持する軸受は、少なくとも2つ、すなわち回転軸の負荷側および反負荷側それぞれに配置されている。また、軸受やフレーム内の回転子等を冷却するための内部空気を循環させるファンと、このファンによって循環される内部空気を冷却するための熱交換部を有している。
【0003】
回転子や固定子のコイルへの通電等に伴い発生した熱は、軸受等の温度を上昇させる。軸受の温度が上昇すると、軸受内の潤滑用グリース等が劣化することがある。このため回転中に軸受を冷却する必要がある。
【0004】
フレーム内を循環する内部空気は、熱交換部で冷却される。回転電機は、熱交換部等を流れて冷却された内部空気が、軸受を優先的に冷却してこの後に固定子や回転子等を冷却して、再び熱交換部に戻るように循環する系統が形成されている。
【0005】
フレーム内の内部空気を循環させて、回転電機の内部を冷却する方法は、例えば特許文献1に開示されているように、熱交換部で冷却された内部空気が、反負荷側の軸受を冷却して固定子鉄心近傍を流通して加温された後、一旦熱交換部に戻されて、その後負荷側の軸受近傍を流通するように循環させる方法等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−254438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、このような循環系統では、循環経路が複雑になり流動抵抗等が大きくなることがある。内部空気の流れが滞ると、負荷側および反負荷側それぞれの軸受近傍に、熱交換部等で冷却された空気を流通させることが困難になる場合がある。この場合、負荷側および反負荷側それぞれの軸受を、効率よく冷却することが困難になることがある。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、回転電機における負荷側および反負荷側それぞれの軸受を効率よく冷却することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る回転電機は、一方が負荷に連結されて、互いに間隔をあけて配置された第1軸受および第2軸受によって回転自在に支持された回転軸と、軸方向に延びて、前記第1軸受および第2軸受の間に配置されて前記回転軸に固定されて前記回転軸周りを回転する回転子と、前記第1軸受および第2軸受の間で、軸方向に延びて前記回転子を半径方向外側から覆うように固定された固定子と、少なくとも前記回転子および固定子を収容するように形成されたフレームと、前記フレームの外側に配置された外部ファンと、前記フレーム内の気体媒体を循環させるための内部ファンと、前記フレームに隣接配置されて、前記第1軸受側で前記フレーム内部と連通する第1連通部と、前記第2軸受側で前記フレーム内部と連通する第2連通部と、が形成されて、前記外部ファンによって送風される外気の一部が前記第2軸受から前記第1軸受の方向に流通した後に外部に排出可能な流路を形成する熱交換外気流路用配管が互いに間隔をあけて内部に複数配置された熱交換部と、前記外気の一部が、前記第2軸受から前記第1軸受に向かって流通可能な流路が形成された軸受冷却外気流路用配管と、を有し、前記外気の一部が、前記軸受冷却外気流路配管内を流通して、前記第1軸受近傍を流通した後に、外部に排出されるように形成された第1軸受冷却系統と、前記内部ファンにより送風された前記気体媒体の一部が、前記第1連通部から前記熱交換部に流入して、前記熱交換外気流路用配管内を流れる前記外気と熱交換されながら前記第1軸受から前記第2軸受の方向に流通して、前記第2連通部から前記フレームに流れ込み前記第2軸受近傍を流通した後に、前記フレーム内を前記第1連通部に向かって流れるように循環する第2軸受冷却系統と、が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、回転電機における負荷側および反負荷側それぞれの軸受を効率よく冷却することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る回転電機の一実施形態の概略正面図である。
【図2】図1のII-II矢視側面図であって、切欠き線の右側はIIA-IIA矢視断面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る回転電機の一実施形態について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る回転電機の概略正面図である。図2は、図1のII-II矢視側面図で、切欠き線の右側はIIA-IIA矢視断面を示している。
【0013】
先ず、本実施形態の回転電機の構成について説明する。
【0014】
本実施形態の回転電機は、水平に延びる回転軸10と、この回転軸10に固定されてその周りを回転する回転子11と、この回転子11を半径方向外側から覆うように固定された固定子12と、を有する。また、この回転電機は、少なくとも回転子11および固定子12を収容するフレーム13と、このフレーム13の上部に配置された熱交換部19を有する。
【0015】
回転軸10は、一方の端部が負荷に連結されている。図示は省略しているが、この負荷は、図1の右方にある。以後、図1において右側を負荷側、左側を反負荷側として説明する。この回転軸10は、2つの軸受、すなわち互いに間隔をあけて負荷側および反負荷側それぞれ配置された第1軸受(負荷側軸受)15および第2軸受(反負荷側軸受)16によって、回転自在に支持されている。これらの軸受は、フレーム13に取り付けられた軸受ハウジング17等によって固定されている。回転子11および固定子12それぞれは、これら負荷側軸受15および反負荷側軸受16の間に配置されている。
【0016】
詳細な図示は省略するが、固定子12は、複数の固定子用鋼板群(図示せず)および複数の固定子用間隔板(図示せず)を有し、これらが軸方向に交互に積層されて構成されている。固定子用鋼板群は、中空円板状の複数の固定子用鋼板(図示せず)が軸方向に積層されて形成されている。各固定子用鋼板それぞれは、回転子11の外側面と半径方向に所定の半径方向間隙29を保ちながら回転子11を半径方向外側から覆うように配置されている。固定子用間隔板は、半径方向間隙29を保ちながら回転子11を半径方向外側から覆う中空円板状で、半径方向内側と外側とが連通する半径方向溝が複数形成されている。
【0017】
回転子11は、複数のリブ18を有している。これら複数のリブ18は、軸方向に延びて、回転軸10の周面に互いに周方向間隙をあけて配置されている。また、この回転子11は、詳細な図示は省略するが、複数の回転子用鋼板群(図示せず)および複数の回転子用間隔板(図示せず)を有し、これらが軸方向に交互に積層されて構成されている。回転子用鋼板群は、中空円板状の複数の回転子用鋼板(図示せず)が軸方向に積層されて形成される。各回転子用鋼板それぞれの内周側は、複数のリブ18の半径方向外側と接するように配置されている。回転子用間隔板は、各リブ18を半径方向外側から覆う中空円板状で、固定子用間隔板と同様に、半径方向内側と外側とが連通する半径方向溝が複数形成されている。
【0018】
隣接するリブ18間に形成される周方向間隙は、回転子11の負荷側に配置された閉止板(図示せず)等によって、閉止されている。
【0019】
回転軸10はフレーム13の反負荷側を貫通するように配置されており、フレーム13の反負荷側の軸方向外側には、外部ファン21が取り付けられている。この外部ファン21は、回転軸10に固定されその周りを回転する。この外部ファン21の周りには、外部ファン21を覆うように形成された外部ファン用ダクト22が配置されている。この外部ファン用ダクト22は、熱交換部19側の端部が、熱交換部19の反負荷側の軸方向端部と連結されている。外部ファン21は、回転軸10の回転と共に回転して、フレーム13の外側の空気(外気)の一部を外部ファン用ダクト22の内部に吸い込む機能を有している。
【0020】
フレーム13の内部には、回転軸10に固定されてその周りを回転する内部ファン23が設けられている。この内部ファン23は、固定子12の負荷側の軸方向端部よりも負荷側で、且つ負荷側軸受15よりも軸方向内側に配置されている。内部ファン23は、回転軸10と共に回転して、フレーム13内の空気(内部空気)を循環させる機能を有している。
【0021】
熱交換部19とフレーム13との間には仕切り板25が配置されて、この仕切り板25等によってフレーム13の内部と熱交換部19の内部とが仕切られている。この仕切り板25には、2つの連通部、すなわち第1連通部(負荷側連通部)26および第2連通部(反負荷側連通部)27が形成されている。負荷側連通部26は、内部ファン23のほぼ真上に開口されて、フレーム13の内部と熱交換部19の内部とを連通する。反負荷側連通部27は、固定子12の反負荷側の軸方向端部より外側で且つ上方に開口されて、フレーム13の内部と連通する。
【0022】
熱交換部19の内部には、図2に示すように、複数の熱交換外気流路用配管31が配置されている。なお、図1では、これらの熱交換外気流路用配管31の図示は省略している。これらの熱交換外気流路用配管31それぞれは、軸方向に延びた円環状の配管で、負荷側および反負荷側それぞれの軸方向端部が開口している。各熱交換外気流路用配管31の反負荷側の開口部それぞれは、外部ファン用ダクト22内に吸引された外気が流入可能である。各熱交換外気流路用配管31の負荷側の開口部それぞれは、熱交換部19の外部に連通する。また、これらの熱交換外気流路用配管31は、上下および左右に互いに間隔をあけて配置されている。
【0023】
また、熱交換部19の内部には、熱交換外気流路用配管31よりも流路断面が大きい軸受冷却外気流路用配管35が配置されている。この軸受冷却外気流路用配管35は、流路断面が横方向に長い長方形状の配管で、負荷側および反負荷側それぞれで開口している。反負荷側の開口部は外部ファン用ダクト22内に吸引された外気が流入可能である。この軸受冷却外気流路用配管35は、負荷側の開口部から反負荷側に向かって軸方向に延びて、負荷側軸受15の上方で下向きに屈折して、負荷側の開口部が負荷側軸受15の上方で下向きに開口するように形成されている。
【0024】
この回転電機には、負荷側軸受15および反負荷側軸受16それぞれを冷却するための2つの冷却系統、すなわち、第1軸受冷却系統(負荷側軸受冷却系統)51および第2軸受冷却系統(反負荷側軸受冷却系統)52が形成されている。図1では、負荷側軸受冷却系統51は実線矢印で示し、反負荷側軸受冷却系統52は破線矢印で示している。
【0025】
負荷側軸受冷却系統51は、外部ファン21によって吸い込まれる外気によって負荷側軸受15を冷却する系統である。反負荷側軸受冷却系統52は、フレーム13内の内部空気を内部ファン23により循環させて、負荷側軸受15を冷却する系統である。以下に、負荷側軸受冷却系統51および反負荷側軸受冷却系統52それぞれの気体媒体の流れについて説明する。
【0026】
先ず、反負荷側軸受16を冷却する反負荷側軸受冷却系統52の流れについて説明する。
【0027】
回転子や固定子のコイルへの通電等によって、熱が発生する。この熱は、回転子11および固定子12の近傍等、フレーム13内の雰囲気の温度を上昇させる。
【0028】
回転軸10と共に内部ファン23が回転すると、固定子12および回転子11付近のフレーム13内の内部空気が、内部ファン23に吸い込まれる。吸い込まれた内部空気は、負荷側連通部26を通り抜けて熱交換部19に流入される。
【0029】
熱交換部19に流入された内部空気は、複数の熱交換外気流路用配管31の間を負荷側から反負荷側に向かって流通する。熱交換外気流路用配管31の間を流通した内部空気は、後述の熱交換外気流路用配管31の内部を流れる外気と熱交換されて、冷却される。
【0030】
冷却された内部空気は、反負荷側連通部27を通り抜けてフレーム13内部に流入される。フレーム13内に流入された内部空気は、反負荷側軸受16近傍を流通して、反負荷側軸受16を冷却する。
【0031】
反負荷側軸受16近傍を流通した内部空気は、回転子11に形成された周方向間隙に流れ込む。周方向間隙は上記の通り閉止板等で閉止されているため、周方向間隙を流通する内部空気は、回転子用間隔板に形成された半径方向溝に流れ込む。当該半径方向溝を流れた内部空気は、固定子12と回転子11との間に形成された半径方向間隙29に流入される。このとき、回転子11は冷却される。
【0032】
半径方向間隙29内の内部空気は、固定子用間隔板に形成された半径方向溝に流入されて、固定子12の半径方向外側に流出される。このとき、固定子12は冷却される。固定子12の半径方向外側に流出された内部空気は、再び、内部ファン23に向かって流れ込み、負荷側連通部26に向かって流れる。
【0033】
反負荷側軸受16近傍を流通した内部空気の一部は、周方向間隙に流入する他に、半径方向間隙29に流入して軸方向に沿って流れるものもある。しかし、当該半径方向間隙29は、周方向間隙や半径方向溝に比べて流路断面が小さいため、これらに比べて流動抵抗等が大きい。よって、半径方向間隙29内の流れは、軸方向の流れよりも、回転子用間隔板に形成された半径方向溝から、固定子用間隔板に形成された半径方向溝への径方向の流れが主流となる。
【0034】
以上が、反負荷側軸受冷却系統52内の内部空気の主な流れである。
【0035】
続いて、負荷側軸受冷却系統51の流れについて説明する。
【0036】
回転軸10の回転と共に外部ファン21が回転する。この回転によって、外気の一部は、外部ファン用ダクト22内に吸い込まれる。吸い込まれた外気は、外部ファン用ダクト22の内部を、熱交換部19の反負荷側の端部に向かって流通する。熱交換部19の反負荷側端部を流れる外気の一部は、各熱交換外気流路用配管31の内部および軸受冷却外気流路用配管35の内部それぞれに流れ込むように分岐される。
【0037】
複数の熱交換外気流路用配管31それぞれの内部を流れる外気は、内部ファン23によって熱交換部19に流入された内部空気と熱交換されて、温度が上昇する。温度が上昇した当該外気は、負荷側の開口部から回転電機の外に排出される。
【0038】
軸受冷却外気流路用配管35の内部を流れる外気は、当該配管の負荷側に形成された下向きの開口部から、負荷側軸受15に向かって排出される。このとき、負荷側軸受15を冷却する。負荷側軸受15近傍を流れた外気は、そのまま外部に排出される。以上が、負荷側軸受冷却系統51内の内部空気の流れである。
【0039】
軸受冷却外気流路用配管35の流路断面は、上記の通り、各熱交換外気流路用配管31それぞれの流路断面よりも大きくなるように形成されているため流動抵抗等が小さい。このため、軸受冷却外気流路用配管35を流れる外気の流速等は、各熱交換外気流路用配管31を流れる外気の流速よりも大きくなる。
【0040】
これにより、軸受冷却外気流路用配管35を流れる外気は、各熱交換外気流路用配管31それぞれの内部を流れる外気よりも、温度が上昇した内部空気等と熱交換されにくくなる。よって、軸受冷却外気流路用配管35を流れる外気は、内部空気による加温を抑制された状態で、負荷側軸受15を冷却することができる。
【0041】
以上の説明からわかるように、本実施形態によれば、負荷側軸受15および反負荷側軸受16それぞれを冷却する独立した冷却系統(負荷側軸受冷却系統51、反負荷側軸受冷却系統52)を設けることによって、負荷側軸受15および反負荷側軸受16を効率よく冷却することが可能になる。
【0042】
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態では、反負荷側軸受冷却系統52を流通する気体媒体は、空気であるが、これに限らない。防爆タイプの回転電機等には、窒素等の不活性ガスを充填しておいてもよい。
【0044】
また、軸受冷却外気流路用配管35は、各熱交換外気流路用配管31よりも、流路断面を大きくすることで、軸受冷却外気流路用配管35内を流れる外気が加温されることを抑制しているが、これに限らない。例えば、軸受冷却外気流路用配管35の内面または外面に、断熱材等を設けて、温度上昇を抑制してもよい。
【0045】
また、軸受冷却外気流路用配管35の上面部を、熱交換部19内の最上部に配置してもよい。これにより、軸受冷却外気流路用配管35の内部を流れる外気は、熱交換部19の外部空気と当該上面部を介して熱交換できる。このため、軸受冷却外気流路用配管35の内部を流れる外気が内部空気で多少加温されても、当該外気の温度上昇を抑制することができる。また、軸受冷却外気流路用配管35を、熱交換部19の外部に配置してもよい。
【0046】
また、熱交換部19とフレーム13とを仕切る仕切り板25を、熱交換部19と一体となるように形成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…回転軸、11…回転子、12…固定子、13…フレーム、15…第1軸受(負荷側軸受)、16…第2軸受(反負荷側軸受)、17…軸受ハウジング、18…リブ、19…熱交換部、21…外部ファン、22…外部ファン用ダクト、23…内部ファン、25…仕切り板、26…第1連通部(負荷側連通部)、27…第2連通部(反負荷側連通部)、29…半径方向間隙、31…熱交換外気流路用配管、35…軸受冷却外気流路用配管、51…第1軸受冷却系統(負荷側軸受冷却系統)、52…第2軸受冷却系統(反負荷側軸受冷却系統)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方が負荷に連結されて、互いに間隔をあけて配置された第1軸受および第2軸受によって回転自在に支持された回転軸と、
軸方向に延びて、前記第1軸受および第2軸受の間に配置されて前記回転軸に固定されて前記回転軸周りを回転する回転子と、
前記第1軸受および第2軸受の間で、軸方向に延びて前記回転子を半径方向外側から覆うように固定された固定子と、
少なくとも前記回転子および固定子を収容するように形成されたフレームと、
前記フレームの外側に配置された外部ファンと、
前記フレーム内の気体媒体を循環させるための内部ファンと、
前記フレームに隣接配置されて、前記第1軸受側で前記フレーム内部と連通する第1連通部と、前記第2軸受側で前記フレーム内部と連通する第2連通部と、が形成されて、前記外部ファンによって送風される外気の一部が前記第2軸受から前記第1軸受の方向に流通した後に外部に排出可能な流路を形成する熱交換外気流路用配管が互いに間隔をあけて内部に複数配置された熱交換部と、
前記外気の一部が、前記第2軸受から前記第1軸受に向かって流通可能な流路が形成された軸受冷却外気流路用配管と、
を有し、
前記外気の一部が、前記軸受冷却外気流路配管内を流通して、前記第1軸受近傍を流通した後に、外部に排出されるように形成された第1軸受冷却系統と、
前記内部ファンにより送風された前記気体媒体の一部が、前記第1連通部から前記熱交換部に流入して、前記熱交換外気流路用配管内を流れる前記外気と熱交換されながら前記第1軸受から前記第2軸受の方向に流通して、前記第2連通部から前記フレームに流れ込み前記第2軸受近傍を流通した後に、前記フレーム内を前記第1連通部に向かって流れるように循環する第2軸受冷却系統と、
が形成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記固定子は、
前記回転子の外側面と半径方向に所定の半径方向間隙を保ちながら前記回転子を半径方向外側から覆う中空円板状の複数の固定子用鋼板が軸方向に積層されてなる固定子用鋼板群と、前記半径方向間隙を保ちながら前記回転子を半径方向外側から覆う中空円板状で半径方向内側と外側とが連通する半径方向溝が複数形成された固定子用間隔板とが、軸方向に交互に積層するように形成されて、
前記第2軸受冷却系統は、
前記第2軸受近傍を流通した前記気体媒体の一部が、前記第2軸受側から前記半径方向間隙に流入し前記半径方向間隙内を軸方向に沿って流通して前記半径方向溝を通り抜けるように構成された流路を含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記回転子は、
軸方向に延びて、前記回転軸の周面に互いに周方向間隙をあけて複数配置されたリブを有し、
前記複数のリブを半径方向外側から覆う中空円板状の複数の回転子用鋼板が軸方向に積層されてなる回転子用鋼板群と、前記複数のリブを半径方向外側から覆う中空円板状で半径方向内側と外側とが連通する半径方向溝が複数形成された回転子用間隔板と、が軸方向に交互に積層するように形成されて、
前記第2軸受冷却系統は、
前記第2軸受近傍を流通した前記気体媒体の一部が、前記第2軸受側から前記各周方向間隙に流入されて、軸方向に沿って流通して前記回転子用間隔板に形成された半径方向溝を通り抜けた後に、前記半径方向間隙に流れるように構成された流路を含むこと、
を特徴とする請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記第2軸受冷却系統を流通する前記気体媒体の少なくとも一部は、前記熱交換外気流路用配管内を流通する前記外気と熱交換されて冷却されること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項5】
前記外部ファンは、前記第2軸受よりも軸方向外側で前記回転軸に固定されて、前記回転軸と共に回転して少なくとも前記フレームの外側の前記外気を前記熱交換部内に送風可能であること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項6】
前記内部ファンは、前記フレーム内で前記固定子および第1軸受の間で前記回転軸に固定されて、前記回転軸と共に回転するように構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項7】
前記第1軸受は、前記固定子の負荷側に配置されて、
前記第2軸受は、前記固定子の反負荷側に配置されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項8】
前記第2軸受冷却系統は、前記第1連通部から前記熱交換部に流入した前記気体媒体が、前記各熱交換外気流路用配管の間を冷却されながら流れた後に、前記第2連通部から前記フレーム内に流れ込む流路を含むこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項9】
前記軸受冷却外気流路用配管の流路断面は、前記熱交換外気流路用配管の流路断面よりも大きくなるように形成されていること、
を特徴とする請求項8に記載の回転電機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−36006(P2011−36006A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178541(P2009−178541)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】