回転電機
【課題】ブラシおよびスリップリングの当接部の近傍で発生する熱を効率よく外部雰囲気に放出して、ブラシの過度の温度上昇を防止した回転電機を提供する。
【解決手段】樹脂モールド14されたスリップリング4の内周面にターミナル9の一端が接合され、この樹脂モールド14から露出するターミナル9の他端に、界磁巻線の口出し線18が接続される口出し線巻き付け部9aと、放熱部9bとが設けられ、ブラシおよびスリップリングの当接部で発生する熱を前記口出し線巻き付け部9aと放熱部9bとから放熱する。
【解決手段】樹脂モールド14されたスリップリング4の内周面にターミナル9の一端が接合され、この樹脂モールド14から露出するターミナル9の他端に、界磁巻線の口出し線18が接続される口出し線巻き付け部9aと、放熱部9bとが設けられ、ブラシおよびスリップリングの当接部で発生する熱を前記口出し線巻き付け部9aと放熱部9bとから放熱する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転電機に関するものであり、特に、ブラシおよびスリップリングの温度上昇を防止したスリップリングのターミナル構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車輌用の界磁巻線式の回転電機において、界磁電流はブラシからスリップリングを介して固定子の界磁巻線へと供給される。この際ブラシは、ブラシ後方に取り付けられたスプリングで押し付けられた状態で摺動する。ブラシとスリップリングは、摺動部の電気的損失、摺動摩擦およびそれぞれの通電経路の電気的損失に起因した発熱を生じる。スリップリングとブラシは、プラス側とマイナス側で一組ずつ設置されている。これらのブラシとスリップリングは、一般にプラス側とマイナス側間の電気絶縁性を確保するため熱伝導率の低い絶縁性の樹脂等で覆われ、保持されている。また、ブラシが収納されているブラシホルダとスリップリングのモールド樹脂との間には、外部からの異物や水分の進入を防止するとともに、ブラシ磨耗粉の排出機能をもつ迷路構造が設けられている。この迷路構造には、わずかな隙間が設けられているが、回転子に設置された冷却ファンにより生じた冷却風はスリップリングとブラシの当接部に、供給される割合は少ない。これらの要因により、スリップリングおよびブラシは、当接部を中心に高温になる。この際ブラシが、高温状態になると摩耗速度が大きくなるため、ブラシ寿命の低下が問題となる。
【0003】
このとき、スリップリングのフロント側に冷却用フィンと通風路を設置し、スリップリングおよびブラシを冷却すると共にブラシ摩耗粉を効果的に排出する構造をとっている(例えば、特許文献1)。あるいはスリップリングとセンサ被検出部との間に冷却ファンを設置することにより、外部から迷路構造を介してセンサ被検出部およびスリップリングとブラシ当接部付近への風の流れを促し、ブラシとスリップリングを冷却すると共にブラシ磨耗粉を効果的に排出する構造が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−303356号公報
【特許文献2】特開2010−063250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1および特許文献2に示されたものでは、冷却風用の風路の一部が外部からの異物や水などの浸入を防止する迷路構造を含んでいる。この迷路構造に相当する部分の風路断面積が異物や水の侵入を防止する機能上制限される。この結果、スリップリングとブラシに供給される冷却風の流量は制限され、冷却風によるブラシ温度上昇防止効果も限定的である。また、軸方向に追加のファンが設置されているので、回転電機全体の軸長が増大するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような従来の課題を解消するためになされたものであり、ブラシおよびスリップリング当接部近傍で発生する熱を効率よく外部雰囲気に放出し、ブラシの過度の温度上昇を防止することができる回転電機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明はハウジングに支持される回転軸と、回転軸に固定され界磁巻線が設けられた回転子と、回転軸に固定されたスリップリングと、スリップリングを介して界磁巻線に電流を供給するブラシが設けられた回転電機において、スリップリングは樹脂モールドされているとともに、スリップリングの内周面にターミナルの一端が接合されており、樹脂モールドから露出するターミナルの他端には、界磁巻線の口出し線が接続される口出し線巻き付け部と放熱部とが設けられているものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明による回転電機は、上記の構成を採用しているので、スリップリングとブラシの当接部で発生した熱を、スリップリングに接合して設けられた放熱部から放熱させることが可能となる。これにより、ブラシの過度の温度上昇を防止することで長寿命なブラシをもつ回転電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1による回転電機の断面図である。
【図2】実施の形態1による回転電機の回路図である。
【図3】実施の形態1による樹脂モールド後のスリップリングとターミナル接合後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図4】実施の形態2による樹脂モールド後のスリップリングとターミナル接合後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図5】実施の形態3による樹脂モールド後のスリップリングとターミナル接合後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図6】実施の形態3による樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図7】実施の形態3による樹脂モールド後のスリップリングの拡大リア斜視図である。
【図8】実施の形態4による樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図9】実施の形態4による樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図10】実施の形態4による樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図11】実施の形態5によるターミナルおよび樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図12】実施の形態5によるターミナルおよび樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図13】従来の樹脂モールド後のスリップリングの概観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1の回転電機の断面図である。本実施の形態1で説明する回転電機は、車両用の交流発電電動機(モータジェネレータ)を示しているが車両用の交流発電機でも適用可能である。
【0011】
本実施の形態1の回転電機100は、ハウジングとしてのフロントブラケット6及びリアブラケット7と、上記フロントブラケット6のベアリング19a及びリアブラケット7のベアリング19bを介して回転自在に支持されている回転軸1と、上記フロントブラケット6及びリアブラケット7に固定されると共に電機子巻線を有する固定子5と、回転軸1に固定されると共に界磁鉄心2及び界磁巻線3を有する回転子10と、回転軸1のフロント側の端部に固着されたプーリ20を備えている。そして、この回転電機100は、プーリ20に掛けられたベルト(図示せず)を介してエンジンの回転軸(図示せず)に連結されている。また、回転電機100の駆動の際の発熱により、回転子10や固定子5の温度が上昇するため、回転子10の軸方向両端面には冷却用ファン12、13が設けられている。
【0012】
また、回転電機100は、回転軸1のリヤ側に装着された一対のスリップリング4と、回転軸1のリヤ側外周に位置するようにリヤブラケット7に取り付けられたブラシホルダ80と、上記一対のスリップリング4に摺接するようにブラシホルダ80内に配置された一対のブラシ8を備えている。
【0013】
さらに、回転電機100は、直流電力を交流電力又は交流電力を直流電力に変換するパワー回路部30と、回転子10の界磁巻線3に界磁電流を供給する界磁回路部31と、パワー回路部30及び界磁回路部31を制御する制御回路部32を備え、外部接続用コネクタ35及び電源端子(図示せず)を介して外部に接続される。
【0014】
パワー回路部30は、複数のパワー素子30a、30bと、当該パワー素子30a、30bに電気的に接続される電極部材を兼ねたヒートシンク30gを備えている。各パワー素子30a、30b間の接続は、樹脂にインサート成形された導電性部材(図示せず)と、ヒートシンク30gとによって行われ、中継配線部材(図示せず)により制御回路部32に電気的に接続される。
【0015】
ここで図1に示す制御回路部32は、制御回路基板32aと、制御回路基板32aを収納するための樹脂製のケース33を備えている。ケース33は、防水カバー33a等により制御回路基板32aへの塩泥水の浸入を防ぐような防水構造を有している。界磁回路部31は、制御回路基板32aと同一基板上に実装することも可能であり、また、制御回路基板32aと分離して構成してもよい。図2の回路図に示すように、パワー回路部30、界磁回路部31、制御回路部32でパワーASSY300が構成されている。外部接続用コネクタ35は、制御回路部32の近傍に配設され、制御回路部32と電気的に接続されている。
【0016】
また、図1に示す界磁巻線式の回転電機100において、界磁回路部31からの界磁電流はリヤブラケット7に固定されたブラシホルダ80に保持されたブラシ8と回転軸1に取り付けられたスリップリング4を介して供給される。固定されているブラシ8と回転しているスリップリング4が接触するために、両者の摩擦により、ブラシ8とスリップリング4との摺動部では発熱が生じる。また、この摺動部では、ブラシ8とスリップリング4は接触状態で保持されるため、接触部の電気抵抗に起因した発熱も生じる。さらに、通電にともなう各部材中のジュール発熱も同時に生じる。また、ブラシホルダ80とスリップリング4の間は、外部からの異物や水の進入を防止するため樹脂モールド14によって形成される迷路14aの隙間があるのみで冷却風の流入も制限される。以上の理由から、ブラシ温度が上昇し、ブラシ寿命が低下する問題がある。
【0017】
そこで、本実施の形態1では、後述するようにスリップリング4と口出し線18を接続するターミナル9に放熱部を設けたものである。
【0018】
ここで本願発明をより理解し易くするため、従来の例について述べる。
図13は、従来の樹脂モールド成型後のターミナル9が接続されたスリップリング4の概観斜視図である。図13(a)に示すようにスリップリング4の内周面には、回転子界磁巻線のコイルの口出し線18を接続するターミナル9の一端が接合されている。図13(b)に示すようにこのターミナル9が接合されたスリップリング4は樹脂モールド14されている。この樹脂モールド14のフロント側の回転軸1に対する外周面にターミナル9が露出した他端に口出し線巻き付け部9aがあり、図13(c)に示すように口出し線18は、この口出し線巻き付け部9aに巻かれている。図1にも示しているようにスリップリング4はプラス側とマイナス側でそれぞれ一つずつ配置されており、それぞれのスリップリング4に対して一つずつブラシ8も配置されている。ブラシ8は絶縁性部材からなるブラシホルダ80に包括されている。ブラシ8のスリップリング4の逆側の面にはスプリング15が備えられ、スプリング15の復元力により、スリップリング4の表面にブラシ8が押し付けられる状態を保持している。このブラシ8とスリップリング4の当接部は、ブラシホルダ80とスリップリング4の樹脂モールド14により半密閉状態になっている。これにより、外部からの異物や水分の浸入を防ぎ、プラス側とマイナス側のブラシまたはスリップリング4等の部材間の短絡を防止する。しかしながら半密閉状態のブラシ8とスリップリング4の当接部は、ほとんど冷却風を通すことができず、十分な冷却性を得ることは困難である。そこで本発明では、スリップリング4に接合されたターミナル9を用いて冷却風の風量が大きい部分で効率よく放熱させる。
【0019】
図3(a)は、実施の形態1による樹脂モールド14後のスリップリング4と、ターミナル9を接合した斜視図である。ターミナル9の一端はスリップリング4の内周面に接合され他端は樹脂モールド14から露出して、口出し線巻き付け部9aの部分を伸延して放熱部9bが設けられている。このため、スリップリング4とブラシ8の当接部で発生した熱は、ターミナル9を通してコイル接続側に伝達され、放熱部9bで外部雰囲気へと放熱される。口出し線巻き付け部9a付近は、回転子5に設置された冷却ファン12により大きな冷却風量がある。この時、放熱部9bは、大量の冷却風が流れている樹脂モールド14の外部に配置する。この結果、スリップリング4とブラシ8の放熱が効果的になされる。その結果、長寿命化した回転電機100が得られる。
【0020】
この放熱部9bは、望ましくはスリップリング4の回転方向に対して、口出し線巻き付け部9aよりも外周部に設置することが望ましい。また、口出し線巻き付け部9aから延長する方向に放熱部9bを設置すると、一回のプレス加工で形成でるきため、コストを低くできる。
また、図3(b)に示すように放熱部9bは、口出し線巻き付け部9aに対して、折れ曲っていてもよく、さらには折れ曲った垂直面が回転方向に対して傾斜角度をもっていてもよい。これにより、スリップリング4が回転したときに、大量の空気と接し、より冷却性が高まる。
【0021】
さらに、ターミナル9は回転子5の回転と同期して回転するため、相対的にターミナル表面には高速の冷却風が供給される。また、ターミナル9の形状は、回転軸1に対して均等になるように配置することが望ましい。これにより、回転子10の回転の偏芯やスリップリング4またはターミナル9の変形を防止できる。
【0022】
また、ターミナル9の形状は、ターミナル長手方向で幅および厚みが変化しても良い。ターミナル9の形状は、幅と厚さともに大きいほうが放熱性の点で有利である。しかしながら例えば、スリップリング4とターミナル9を超音波接合で接合する場合、ターミナル接合部の面積は接合が可能な大きさあればよく、この様な場合、長手方向に伸びるターミナル9を途中から幅もしくは厚さを増加させることで、ターミナル9の放熱部9bまでの熱抵抗を低減でき、ブラシ温度上昇低減効果が向上できる。
【0023】
実施の形態2.
実施の形態2によるターミナル9の接合後のスリップリング斜視図4(a)および樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図4(b)を示す。図4(a)に示すように、スリップリング4と口出し線18を接続する口出し線巻き付け用ターミナル91a以外に、少なくとも一つのスリップリング4につき一個以上の放熱のみの機能を有する放熱用ターミナル91bが接合されている。これにより、伝熱面積が増加し、スリップリング4とブラシ8で発生した熱が効率よく放熱用ターミナル91bへと運ばれる。また、放熱用ターミナル91bの本数が増加したことで、放熱面積も大きくなり、放熱用ターミナル91bからの放熱性能も向上する。この際、口出し線巻き付け用ターミナル91a、放熱用ターミナル91bは、スリップリング4の内周部のどの位置に接合されていてもよい。また、1つのスリップリング4につき2本以上の本数を接合してもよい。スリップリング4の内周部に複数本の口出し線巻き付け用ターミナル91a、放熱用ターミナル91bが接合されていることで、スリップリング4の内周部に放熱経路が点在することになるため、スリップリング4の温度分布も低減できる。また、スリップリング4の熱容量も増加するため、瞬時に大量の電流が流れるモードでのブラシ8の温度上昇も低減できるという効果がある。
【0024】
また、この実施の形態2の回転電機100では、軸方向に2個配置されたスリップリング4があり、ブラシ8もこれに対になるように設置されている。この場合、1個毎のスリップリング4に接合される口出し線巻き付け用ターミナル91a、放熱用ターミナル91bの本数は異なる本数でもよい。また例えば、2個配置された内のフロント側に配置されるスリップリング4には、口出し線巻き付け用ターミナル91aと、放熱用ターミナル91bを接合し、リア側のスリップリングには口出し線巻き付け用ターミナル91aのみを接合してもよい。このような構成では、発熱の特性や回転電機構造に起因したスリップリング4間の温度差がある場合、温度差を低減することが可能となる。温度差があると、温度が高い方のブラシ8が、他方のブラシ8よりも早く摩耗が進展することになるため、ブラシ8の寿命は温度が高い方のブラシによって規定される。これに対して、ブラシ8間の温度差がなくなるとブラシ8の摩耗速度の差が小さくなる。この結果、ブラシ8の全長分使い切ることが可能となるため、ブラシ8の寿命が向上する。
【0025】
また、1個のスリップリング4に接合された複数本の口出し線巻き付け用ターミナル91a、放熱用ターミナル91bは、例えば、図4(a)に示した口出し線巻き付け用ターミナル91aと放熱用ターミナル91bとの間を樹脂モールド14の外部で熱伝導性の良い部材(図示省略)で連結されていてもよい。このような構造を採用すると口出し線巻き付け用ターミナル91aと放熱用ターミナル91b同士が連結されていることで、機械的な強度が向上できる。また、連結部分を樹脂モールド14の外部に設けているので、放熱面積を増加することもできる。
【0026】
ここで前述した実施の形態1を含み本願発明の全ての実施の形態によるスリップリング4に接合されるターミナル9は、金属(Cu系金属、Al系金属、Fe系金属など)、セラミック、セラミックもしくは金属の微小粒を含有する樹脂系接着剤などの電気伝導性および熱伝導率の良い物質からなる。この際、少なくとも口出し線巻き付け用ターミナル91aは、電気伝導性の良い物質からなる。また、口出し線巻き付け用ターミナル91aと、放熱用ターミナル91bは、異なる材質でもよい。また、これらは異なる製造方法で作られていても良い。例えば、口出し線巻き付け用ターミナル91aは、電気伝導率が高いCuを使用し、放熱用ターミナル91bにはアルミのダイキャスト材を使用する。これにより、通電にともなう発熱を抑えるとともに、複雑な形状をもつ放熱性の高い放熱部を持たせることができるため、さらなるブラシ8の温度低減効果が得られる。
【0027】
ターミナル9は、溶接、ろう付け、接着、かしめ、圧着などによりスリップリング4の内周に接合される。
【0028】
実施の形態3.
図5に、実施の形態3を示す。図5(a)は、スリップリング4とターミナル9の接合後の、図5(b)は、樹脂モールド14後の斜視図である。図5(a)に示すターミナル9は、口出し線巻き付け部9aから分岐部9cから分岐して円周方向に伸延した放熱部9bを有している。そして図5(b)に示すように、口出し線巻き付け部9aおよび放熱部9bがモールド樹脂14を成形後、モールド樹脂14の外部に露出している。
【0029】
図5(a)に示すように、ターミナル9は口出し線巻き付け部9aから放熱部9bが分岐部9cから樹脂モールド外周部14aの円周方向に分岐した形状を有している。これにより、ターミナル9の放熱は口出し線巻き付け部9aと放熱部9bの二箇所で行われる。従って、ターミナル9の露出面積を大きくとることが可能となる。その結果、樹脂モールド14の表面には、回転子10に設置されたファン12によって生じた冷却風が直接吹き付けられるため大きな冷却効果が得られる。
このようにターミナル9の樹脂モールド14の外部に露出した口出し線巻き付け部9aおよび放熱部9bは、スリップリング4の回転軸1の外周方向に突出するように表面露出しているので、スリップリング4が回転すると、ターミナル9が樹脂モールド14から露出している付近では、大きな風速の冷却風が供給される。このため、スリップリング4およびブラシ8の冷却効果が向上する。
【0030】
図6は、実施の形態3の他の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。スリップリング4に接合されたターミナル9は前述した図5(a)に示したように分岐している。そして放熱部9bが樹脂モールド外周部14aに表面を対面するように設置されている。つまり放熱部9bを折りたたむようにして樹脂モールド外周部14aに対面している。これにより、冷却風の風路に対して大きな放熱面積を得ることができる。この構造では、フロント側からスリップリング4を見た時の投影面積(スリップリングが内接する円の直径)を増大することなく放熱面積を獲得できる。このため、回転電機全体のサイズの増加やスリップリング4の外部に設置される部品との干渉などの問題は生じない。
【0031】
図7は、実施の形態3の別の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4をフロント側から見た斜視図である。放熱部9bは、樹脂モールド14の回転軸1に対して垂直な面に対面して折りたたむように配置されている。このため樹脂モールド14後のスリップリング4本体の大きさを増大することがない。従って、この構造では、回転電機全体のサイズの増加やスリップリング4の外部に設置される部品との干渉という問題は生じず、さらに、放熱部9bは、回転軸1に対して垂直な面の中で回転子10の対向面に設けることで上記効果が大きい。
【0032】
また、図5または図6において、樹脂モールド外周部14aに段差や突起部があってもよい。これにより、口出し線巻き付け部9aや放熱部9b近傍の冷却風は乱流となり、効率よく熱を放出させる。
【0033】
また、ターミナル9を構成する口出し線巻き付け部9aと放熱部9bとは、2個以上の別部材を接合して製作されていてもよい。すなわち、口出し巻き付け部9a部と放熱部9bを別部材で作製し、これを後で接合するなどしてもよい。これにより、より複雑な形状のターミナル9が形成可能となる。この結果、さらなる放熱面積の拡大が可能である。また、表面に複雑な形状、例えば凸凹部を設けた形状を形成すれば冷却風は乱流となり、ターミナル9から効率よく熱を放出させる。
【0034】
実施の形態4.
図8は、実施の形態4による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。図5、図6で示したターミナル9の放熱部9bがこの実施の形態4では、複数のフィンを備えたヒートシンク9cの形状になっている。これにより、放熱部であるヒートシンク9cは、限られた占有体積で高い放熱面積を獲得し、冷却効率が向上する。
【0035】
図9は、実施の形態4の別の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。ターミナル9は例えば、前述した実施の形態2の図5に示すような放熱部9bの平面上に別体のヒートシンク9cが設置されている。このヒートシンク9cは熱伝導率の良い部材で形成されている。このように、放熱作用の高い別体のヒートシンク9cを放熱部9b上に設置しているのでブラシ温度上昇低減効果が得られる。また、ターミナル形状を単純化でき生産性、成形性の観点で有利となる。別体のヒートシンク9cを放熱部9bへ接続する際は、溶接、ろう付け、接着、かしめ、圧着などの方法で行う。
【0036】
図10は、実施の形態4の他の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。ターミナル9は、例えば図5に示した放熱部9bの平面上にフィン9dが、スリップリング回転方向に対してファンとして作用するような平面になる位置に設けられている。これにより、回転電機100の動作にともなってスリップリング4が回転する際に、フィン9dがファンとして作用する。この結果、ブラシ8とスリップリング4からの熱を放熱すると同時に、スリップリング4周りに風の流れを生じさせる。この風により、回転電機100の内の熱が外部に放出されるのを後押しするとともにスリップリング4周りに配置された部材の温度上昇を防止する。このファン状に配置されたフィン9dは平面形状でも流線型になっていてもよい。また、図10では、回転軸1に対して放射状に配置したが、角度がついていてもよい。また、スリップリング4の回転方向に垂直に対面する方向に向いていても良いし、この面が回転方向に対して傾斜して面するように配置しても良い。これにより、フィン9dに大量の冷却風が供給される。また、回転方向に対して傾斜して面するように配置することで、回転にともなって生じる音を低減することができる。
【0037】
実施の形態5.
図11(c)は、実施の形態5による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。ターミナル9は、図11(a)に示すように、口出し線巻き付け部9aと放熱部9bがそれぞれ突起部9eを有して別個に作成され、別個の部品を図11(b)に示すように、スリップリング4に接合、図11(c)に示すように、樹脂モールド14成型後上記別部品の口出し線巻き付け部9a、放熱部9bを突起部9eで溶接、ロウ付け、かしめ、接着、あるいは圧着することで接合する。なお、放熱部9bは樹脂モールド14aに対面している。このように口出し線巻き付け部9aと放熱部9bとを別個に作成後突起部9eで接合するため、複雑なターミナル形状にしたときの、ターミナル成形性の向上およびモールド成形不良の防止ができる。また、口出し線巻き付け部9aと放熱部9bの突起部9eがスリップリング4の樹脂モールド14の外部に露出しているため、露出面積が増大し、放熱性能が向上する。また突起部9eがお互いの平面同士が合わせられるように配置されるため、接合された突起部9e付近の熱流束の伝熱方向に対するターミナル断面積が増大し、熱抵抗が減少することにより放熱性が向上する。
【0038】
図12は、実施の形態5の他の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。図12(a)に示すように、口出し線巻き付け部92aと放熱部92bとが別個の部品で、かつ放熱部92bには、口出し線巻き付け部92aと接合する接合面92b−1が設けられている。なお放熱部92bは樹脂モールド外周部14aに対面している。図12(b)に示すように、スリップリング4に口出し線巻き付け部92aの平坦面92a−1と放熱部92bの接合面92b−1上に図示省略した口出し線を載置あるいは巻きつけて、これら3部品を溶接、ロウ付け、かしめ、あるいは圧着を行う工程で一括で接合される。その後、図12(c)に示すように樹脂モールド14を行うこのような構造を採用しているので、別途口出し線巻き付け部91aと放熱部91b同士を接合するプロセスが簡略化され、工程の増加や新規設備の導入が不要となるためコストの面で有利である。
【符号の説明】
【0039】
1 回転軸、3 界磁巻線、4 スリップリング、8 ブラシ、9 ターミナル、
9a 口出し線巻き付け部、9b 放熱部、9c ヒートシンク、9d フィン、
9e 突起部、10 回転子、14 樹脂モールド部、14a 樹脂モールド外周部、
18 コイル口出し線、30 パワー回路部、31 界磁回路部、32 制御回路部、
92a 口出し線巻き付け部、92b 放熱部、100 回転電機。
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転電機に関するものであり、特に、ブラシおよびスリップリングの温度上昇を防止したスリップリングのターミナル構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車輌用の界磁巻線式の回転電機において、界磁電流はブラシからスリップリングを介して固定子の界磁巻線へと供給される。この際ブラシは、ブラシ後方に取り付けられたスプリングで押し付けられた状態で摺動する。ブラシとスリップリングは、摺動部の電気的損失、摺動摩擦およびそれぞれの通電経路の電気的損失に起因した発熱を生じる。スリップリングとブラシは、プラス側とマイナス側で一組ずつ設置されている。これらのブラシとスリップリングは、一般にプラス側とマイナス側間の電気絶縁性を確保するため熱伝導率の低い絶縁性の樹脂等で覆われ、保持されている。また、ブラシが収納されているブラシホルダとスリップリングのモールド樹脂との間には、外部からの異物や水分の進入を防止するとともに、ブラシ磨耗粉の排出機能をもつ迷路構造が設けられている。この迷路構造には、わずかな隙間が設けられているが、回転子に設置された冷却ファンにより生じた冷却風はスリップリングとブラシの当接部に、供給される割合は少ない。これらの要因により、スリップリングおよびブラシは、当接部を中心に高温になる。この際ブラシが、高温状態になると摩耗速度が大きくなるため、ブラシ寿命の低下が問題となる。
【0003】
このとき、スリップリングのフロント側に冷却用フィンと通風路を設置し、スリップリングおよびブラシを冷却すると共にブラシ摩耗粉を効果的に排出する構造をとっている(例えば、特許文献1)。あるいはスリップリングとセンサ被検出部との間に冷却ファンを設置することにより、外部から迷路構造を介してセンサ被検出部およびスリップリングとブラシ当接部付近への風の流れを促し、ブラシとスリップリングを冷却すると共にブラシ磨耗粉を効果的に排出する構造が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−303356号公報
【特許文献2】特開2010−063250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1および特許文献2に示されたものでは、冷却風用の風路の一部が外部からの異物や水などの浸入を防止する迷路構造を含んでいる。この迷路構造に相当する部分の風路断面積が異物や水の侵入を防止する機能上制限される。この結果、スリップリングとブラシに供給される冷却風の流量は制限され、冷却風によるブラシ温度上昇防止効果も限定的である。また、軸方向に追加のファンが設置されているので、回転電機全体の軸長が増大するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような従来の課題を解消するためになされたものであり、ブラシおよびスリップリング当接部近傍で発生する熱を効率よく外部雰囲気に放出し、ブラシの過度の温度上昇を防止することができる回転電機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明はハウジングに支持される回転軸と、回転軸に固定され界磁巻線が設けられた回転子と、回転軸に固定されたスリップリングと、スリップリングを介して界磁巻線に電流を供給するブラシが設けられた回転電機において、スリップリングは樹脂モールドされているとともに、スリップリングの内周面にターミナルの一端が接合されており、樹脂モールドから露出するターミナルの他端には、界磁巻線の口出し線が接続される口出し線巻き付け部と放熱部とが設けられているものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明による回転電機は、上記の構成を採用しているので、スリップリングとブラシの当接部で発生した熱を、スリップリングに接合して設けられた放熱部から放熱させることが可能となる。これにより、ブラシの過度の温度上昇を防止することで長寿命なブラシをもつ回転電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1による回転電機の断面図である。
【図2】実施の形態1による回転電機の回路図である。
【図3】実施の形態1による樹脂モールド後のスリップリングとターミナル接合後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図4】実施の形態2による樹脂モールド後のスリップリングとターミナル接合後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図5】実施の形態3による樹脂モールド後のスリップリングとターミナル接合後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図6】実施の形態3による樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図7】実施の形態3による樹脂モールド後のスリップリングの拡大リア斜視図である。
【図8】実施の形態4による樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図9】実施の形態4による樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図10】実施の形態4による樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図11】実施の形態5によるターミナルおよび樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図12】実施の形態5によるターミナルおよび樹脂モールド後のスリップリングの拡大斜視図である。
【図13】従来の樹脂モールド後のスリップリングの概観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1の回転電機の断面図である。本実施の形態1で説明する回転電機は、車両用の交流発電電動機(モータジェネレータ)を示しているが車両用の交流発電機でも適用可能である。
【0011】
本実施の形態1の回転電機100は、ハウジングとしてのフロントブラケット6及びリアブラケット7と、上記フロントブラケット6のベアリング19a及びリアブラケット7のベアリング19bを介して回転自在に支持されている回転軸1と、上記フロントブラケット6及びリアブラケット7に固定されると共に電機子巻線を有する固定子5と、回転軸1に固定されると共に界磁鉄心2及び界磁巻線3を有する回転子10と、回転軸1のフロント側の端部に固着されたプーリ20を備えている。そして、この回転電機100は、プーリ20に掛けられたベルト(図示せず)を介してエンジンの回転軸(図示せず)に連結されている。また、回転電機100の駆動の際の発熱により、回転子10や固定子5の温度が上昇するため、回転子10の軸方向両端面には冷却用ファン12、13が設けられている。
【0012】
また、回転電機100は、回転軸1のリヤ側に装着された一対のスリップリング4と、回転軸1のリヤ側外周に位置するようにリヤブラケット7に取り付けられたブラシホルダ80と、上記一対のスリップリング4に摺接するようにブラシホルダ80内に配置された一対のブラシ8を備えている。
【0013】
さらに、回転電機100は、直流電力を交流電力又は交流電力を直流電力に変換するパワー回路部30と、回転子10の界磁巻線3に界磁電流を供給する界磁回路部31と、パワー回路部30及び界磁回路部31を制御する制御回路部32を備え、外部接続用コネクタ35及び電源端子(図示せず)を介して外部に接続される。
【0014】
パワー回路部30は、複数のパワー素子30a、30bと、当該パワー素子30a、30bに電気的に接続される電極部材を兼ねたヒートシンク30gを備えている。各パワー素子30a、30b間の接続は、樹脂にインサート成形された導電性部材(図示せず)と、ヒートシンク30gとによって行われ、中継配線部材(図示せず)により制御回路部32に電気的に接続される。
【0015】
ここで図1に示す制御回路部32は、制御回路基板32aと、制御回路基板32aを収納するための樹脂製のケース33を備えている。ケース33は、防水カバー33a等により制御回路基板32aへの塩泥水の浸入を防ぐような防水構造を有している。界磁回路部31は、制御回路基板32aと同一基板上に実装することも可能であり、また、制御回路基板32aと分離して構成してもよい。図2の回路図に示すように、パワー回路部30、界磁回路部31、制御回路部32でパワーASSY300が構成されている。外部接続用コネクタ35は、制御回路部32の近傍に配設され、制御回路部32と電気的に接続されている。
【0016】
また、図1に示す界磁巻線式の回転電機100において、界磁回路部31からの界磁電流はリヤブラケット7に固定されたブラシホルダ80に保持されたブラシ8と回転軸1に取り付けられたスリップリング4を介して供給される。固定されているブラシ8と回転しているスリップリング4が接触するために、両者の摩擦により、ブラシ8とスリップリング4との摺動部では発熱が生じる。また、この摺動部では、ブラシ8とスリップリング4は接触状態で保持されるため、接触部の電気抵抗に起因した発熱も生じる。さらに、通電にともなう各部材中のジュール発熱も同時に生じる。また、ブラシホルダ80とスリップリング4の間は、外部からの異物や水の進入を防止するため樹脂モールド14によって形成される迷路14aの隙間があるのみで冷却風の流入も制限される。以上の理由から、ブラシ温度が上昇し、ブラシ寿命が低下する問題がある。
【0017】
そこで、本実施の形態1では、後述するようにスリップリング4と口出し線18を接続するターミナル9に放熱部を設けたものである。
【0018】
ここで本願発明をより理解し易くするため、従来の例について述べる。
図13は、従来の樹脂モールド成型後のターミナル9が接続されたスリップリング4の概観斜視図である。図13(a)に示すようにスリップリング4の内周面には、回転子界磁巻線のコイルの口出し線18を接続するターミナル9の一端が接合されている。図13(b)に示すようにこのターミナル9が接合されたスリップリング4は樹脂モールド14されている。この樹脂モールド14のフロント側の回転軸1に対する外周面にターミナル9が露出した他端に口出し線巻き付け部9aがあり、図13(c)に示すように口出し線18は、この口出し線巻き付け部9aに巻かれている。図1にも示しているようにスリップリング4はプラス側とマイナス側でそれぞれ一つずつ配置されており、それぞれのスリップリング4に対して一つずつブラシ8も配置されている。ブラシ8は絶縁性部材からなるブラシホルダ80に包括されている。ブラシ8のスリップリング4の逆側の面にはスプリング15が備えられ、スプリング15の復元力により、スリップリング4の表面にブラシ8が押し付けられる状態を保持している。このブラシ8とスリップリング4の当接部は、ブラシホルダ80とスリップリング4の樹脂モールド14により半密閉状態になっている。これにより、外部からの異物や水分の浸入を防ぎ、プラス側とマイナス側のブラシまたはスリップリング4等の部材間の短絡を防止する。しかしながら半密閉状態のブラシ8とスリップリング4の当接部は、ほとんど冷却風を通すことができず、十分な冷却性を得ることは困難である。そこで本発明では、スリップリング4に接合されたターミナル9を用いて冷却風の風量が大きい部分で効率よく放熱させる。
【0019】
図3(a)は、実施の形態1による樹脂モールド14後のスリップリング4と、ターミナル9を接合した斜視図である。ターミナル9の一端はスリップリング4の内周面に接合され他端は樹脂モールド14から露出して、口出し線巻き付け部9aの部分を伸延して放熱部9bが設けられている。このため、スリップリング4とブラシ8の当接部で発生した熱は、ターミナル9を通してコイル接続側に伝達され、放熱部9bで外部雰囲気へと放熱される。口出し線巻き付け部9a付近は、回転子5に設置された冷却ファン12により大きな冷却風量がある。この時、放熱部9bは、大量の冷却風が流れている樹脂モールド14の外部に配置する。この結果、スリップリング4とブラシ8の放熱が効果的になされる。その結果、長寿命化した回転電機100が得られる。
【0020】
この放熱部9bは、望ましくはスリップリング4の回転方向に対して、口出し線巻き付け部9aよりも外周部に設置することが望ましい。また、口出し線巻き付け部9aから延長する方向に放熱部9bを設置すると、一回のプレス加工で形成でるきため、コストを低くできる。
また、図3(b)に示すように放熱部9bは、口出し線巻き付け部9aに対して、折れ曲っていてもよく、さらには折れ曲った垂直面が回転方向に対して傾斜角度をもっていてもよい。これにより、スリップリング4が回転したときに、大量の空気と接し、より冷却性が高まる。
【0021】
さらに、ターミナル9は回転子5の回転と同期して回転するため、相対的にターミナル表面には高速の冷却風が供給される。また、ターミナル9の形状は、回転軸1に対して均等になるように配置することが望ましい。これにより、回転子10の回転の偏芯やスリップリング4またはターミナル9の変形を防止できる。
【0022】
また、ターミナル9の形状は、ターミナル長手方向で幅および厚みが変化しても良い。ターミナル9の形状は、幅と厚さともに大きいほうが放熱性の点で有利である。しかしながら例えば、スリップリング4とターミナル9を超音波接合で接合する場合、ターミナル接合部の面積は接合が可能な大きさあればよく、この様な場合、長手方向に伸びるターミナル9を途中から幅もしくは厚さを増加させることで、ターミナル9の放熱部9bまでの熱抵抗を低減でき、ブラシ温度上昇低減効果が向上できる。
【0023】
実施の形態2.
実施の形態2によるターミナル9の接合後のスリップリング斜視図4(a)および樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図4(b)を示す。図4(a)に示すように、スリップリング4と口出し線18を接続する口出し線巻き付け用ターミナル91a以外に、少なくとも一つのスリップリング4につき一個以上の放熱のみの機能を有する放熱用ターミナル91bが接合されている。これにより、伝熱面積が増加し、スリップリング4とブラシ8で発生した熱が効率よく放熱用ターミナル91bへと運ばれる。また、放熱用ターミナル91bの本数が増加したことで、放熱面積も大きくなり、放熱用ターミナル91bからの放熱性能も向上する。この際、口出し線巻き付け用ターミナル91a、放熱用ターミナル91bは、スリップリング4の内周部のどの位置に接合されていてもよい。また、1つのスリップリング4につき2本以上の本数を接合してもよい。スリップリング4の内周部に複数本の口出し線巻き付け用ターミナル91a、放熱用ターミナル91bが接合されていることで、スリップリング4の内周部に放熱経路が点在することになるため、スリップリング4の温度分布も低減できる。また、スリップリング4の熱容量も増加するため、瞬時に大量の電流が流れるモードでのブラシ8の温度上昇も低減できるという効果がある。
【0024】
また、この実施の形態2の回転電機100では、軸方向に2個配置されたスリップリング4があり、ブラシ8もこれに対になるように設置されている。この場合、1個毎のスリップリング4に接合される口出し線巻き付け用ターミナル91a、放熱用ターミナル91bの本数は異なる本数でもよい。また例えば、2個配置された内のフロント側に配置されるスリップリング4には、口出し線巻き付け用ターミナル91aと、放熱用ターミナル91bを接合し、リア側のスリップリングには口出し線巻き付け用ターミナル91aのみを接合してもよい。このような構成では、発熱の特性や回転電機構造に起因したスリップリング4間の温度差がある場合、温度差を低減することが可能となる。温度差があると、温度が高い方のブラシ8が、他方のブラシ8よりも早く摩耗が進展することになるため、ブラシ8の寿命は温度が高い方のブラシによって規定される。これに対して、ブラシ8間の温度差がなくなるとブラシ8の摩耗速度の差が小さくなる。この結果、ブラシ8の全長分使い切ることが可能となるため、ブラシ8の寿命が向上する。
【0025】
また、1個のスリップリング4に接合された複数本の口出し線巻き付け用ターミナル91a、放熱用ターミナル91bは、例えば、図4(a)に示した口出し線巻き付け用ターミナル91aと放熱用ターミナル91bとの間を樹脂モールド14の外部で熱伝導性の良い部材(図示省略)で連結されていてもよい。このような構造を採用すると口出し線巻き付け用ターミナル91aと放熱用ターミナル91b同士が連結されていることで、機械的な強度が向上できる。また、連結部分を樹脂モールド14の外部に設けているので、放熱面積を増加することもできる。
【0026】
ここで前述した実施の形態1を含み本願発明の全ての実施の形態によるスリップリング4に接合されるターミナル9は、金属(Cu系金属、Al系金属、Fe系金属など)、セラミック、セラミックもしくは金属の微小粒を含有する樹脂系接着剤などの電気伝導性および熱伝導率の良い物質からなる。この際、少なくとも口出し線巻き付け用ターミナル91aは、電気伝導性の良い物質からなる。また、口出し線巻き付け用ターミナル91aと、放熱用ターミナル91bは、異なる材質でもよい。また、これらは異なる製造方法で作られていても良い。例えば、口出し線巻き付け用ターミナル91aは、電気伝導率が高いCuを使用し、放熱用ターミナル91bにはアルミのダイキャスト材を使用する。これにより、通電にともなう発熱を抑えるとともに、複雑な形状をもつ放熱性の高い放熱部を持たせることができるため、さらなるブラシ8の温度低減効果が得られる。
【0027】
ターミナル9は、溶接、ろう付け、接着、かしめ、圧着などによりスリップリング4の内周に接合される。
【0028】
実施の形態3.
図5に、実施の形態3を示す。図5(a)は、スリップリング4とターミナル9の接合後の、図5(b)は、樹脂モールド14後の斜視図である。図5(a)に示すターミナル9は、口出し線巻き付け部9aから分岐部9cから分岐して円周方向に伸延した放熱部9bを有している。そして図5(b)に示すように、口出し線巻き付け部9aおよび放熱部9bがモールド樹脂14を成形後、モールド樹脂14の外部に露出している。
【0029】
図5(a)に示すように、ターミナル9は口出し線巻き付け部9aから放熱部9bが分岐部9cから樹脂モールド外周部14aの円周方向に分岐した形状を有している。これにより、ターミナル9の放熱は口出し線巻き付け部9aと放熱部9bの二箇所で行われる。従って、ターミナル9の露出面積を大きくとることが可能となる。その結果、樹脂モールド14の表面には、回転子10に設置されたファン12によって生じた冷却風が直接吹き付けられるため大きな冷却効果が得られる。
このようにターミナル9の樹脂モールド14の外部に露出した口出し線巻き付け部9aおよび放熱部9bは、スリップリング4の回転軸1の外周方向に突出するように表面露出しているので、スリップリング4が回転すると、ターミナル9が樹脂モールド14から露出している付近では、大きな風速の冷却風が供給される。このため、スリップリング4およびブラシ8の冷却効果が向上する。
【0030】
図6は、実施の形態3の他の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。スリップリング4に接合されたターミナル9は前述した図5(a)に示したように分岐している。そして放熱部9bが樹脂モールド外周部14aに表面を対面するように設置されている。つまり放熱部9bを折りたたむようにして樹脂モールド外周部14aに対面している。これにより、冷却風の風路に対して大きな放熱面積を得ることができる。この構造では、フロント側からスリップリング4を見た時の投影面積(スリップリングが内接する円の直径)を増大することなく放熱面積を獲得できる。このため、回転電機全体のサイズの増加やスリップリング4の外部に設置される部品との干渉などの問題は生じない。
【0031】
図7は、実施の形態3の別の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4をフロント側から見た斜視図である。放熱部9bは、樹脂モールド14の回転軸1に対して垂直な面に対面して折りたたむように配置されている。このため樹脂モールド14後のスリップリング4本体の大きさを増大することがない。従って、この構造では、回転電機全体のサイズの増加やスリップリング4の外部に設置される部品との干渉という問題は生じず、さらに、放熱部9bは、回転軸1に対して垂直な面の中で回転子10の対向面に設けることで上記効果が大きい。
【0032】
また、図5または図6において、樹脂モールド外周部14aに段差や突起部があってもよい。これにより、口出し線巻き付け部9aや放熱部9b近傍の冷却風は乱流となり、効率よく熱を放出させる。
【0033】
また、ターミナル9を構成する口出し線巻き付け部9aと放熱部9bとは、2個以上の別部材を接合して製作されていてもよい。すなわち、口出し巻き付け部9a部と放熱部9bを別部材で作製し、これを後で接合するなどしてもよい。これにより、より複雑な形状のターミナル9が形成可能となる。この結果、さらなる放熱面積の拡大が可能である。また、表面に複雑な形状、例えば凸凹部を設けた形状を形成すれば冷却風は乱流となり、ターミナル9から効率よく熱を放出させる。
【0034】
実施の形態4.
図8は、実施の形態4による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。図5、図6で示したターミナル9の放熱部9bがこの実施の形態4では、複数のフィンを備えたヒートシンク9cの形状になっている。これにより、放熱部であるヒートシンク9cは、限られた占有体積で高い放熱面積を獲得し、冷却効率が向上する。
【0035】
図9は、実施の形態4の別の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。ターミナル9は例えば、前述した実施の形態2の図5に示すような放熱部9bの平面上に別体のヒートシンク9cが設置されている。このヒートシンク9cは熱伝導率の良い部材で形成されている。このように、放熱作用の高い別体のヒートシンク9cを放熱部9b上に設置しているのでブラシ温度上昇低減効果が得られる。また、ターミナル形状を単純化でき生産性、成形性の観点で有利となる。別体のヒートシンク9cを放熱部9bへ接続する際は、溶接、ろう付け、接着、かしめ、圧着などの方法で行う。
【0036】
図10は、実施の形態4の他の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。ターミナル9は、例えば図5に示した放熱部9bの平面上にフィン9dが、スリップリング回転方向に対してファンとして作用するような平面になる位置に設けられている。これにより、回転電機100の動作にともなってスリップリング4が回転する際に、フィン9dがファンとして作用する。この結果、ブラシ8とスリップリング4からの熱を放熱すると同時に、スリップリング4周りに風の流れを生じさせる。この風により、回転電機100の内の熱が外部に放出されるのを後押しするとともにスリップリング4周りに配置された部材の温度上昇を防止する。このファン状に配置されたフィン9dは平面形状でも流線型になっていてもよい。また、図10では、回転軸1に対して放射状に配置したが、角度がついていてもよい。また、スリップリング4の回転方向に垂直に対面する方向に向いていても良いし、この面が回転方向に対して傾斜して面するように配置しても良い。これにより、フィン9dに大量の冷却風が供給される。また、回転方向に対して傾斜して面するように配置することで、回転にともなって生じる音を低減することができる。
【0037】
実施の形態5.
図11(c)は、実施の形態5による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。ターミナル9は、図11(a)に示すように、口出し線巻き付け部9aと放熱部9bがそれぞれ突起部9eを有して別個に作成され、別個の部品を図11(b)に示すように、スリップリング4に接合、図11(c)に示すように、樹脂モールド14成型後上記別部品の口出し線巻き付け部9a、放熱部9bを突起部9eで溶接、ロウ付け、かしめ、接着、あるいは圧着することで接合する。なお、放熱部9bは樹脂モールド14aに対面している。このように口出し線巻き付け部9aと放熱部9bとを別個に作成後突起部9eで接合するため、複雑なターミナル形状にしたときの、ターミナル成形性の向上およびモールド成形不良の防止ができる。また、口出し線巻き付け部9aと放熱部9bの突起部9eがスリップリング4の樹脂モールド14の外部に露出しているため、露出面積が増大し、放熱性能が向上する。また突起部9eがお互いの平面同士が合わせられるように配置されるため、接合された突起部9e付近の熱流束の伝熱方向に対するターミナル断面積が増大し、熱抵抗が減少することにより放熱性が向上する。
【0038】
図12は、実施の形態5の他の実施例による樹脂モールド14後のスリップリング4の斜視図である。図12(a)に示すように、口出し線巻き付け部92aと放熱部92bとが別個の部品で、かつ放熱部92bには、口出し線巻き付け部92aと接合する接合面92b−1が設けられている。なお放熱部92bは樹脂モールド外周部14aに対面している。図12(b)に示すように、スリップリング4に口出し線巻き付け部92aの平坦面92a−1と放熱部92bの接合面92b−1上に図示省略した口出し線を載置あるいは巻きつけて、これら3部品を溶接、ロウ付け、かしめ、あるいは圧着を行う工程で一括で接合される。その後、図12(c)に示すように樹脂モールド14を行うこのような構造を採用しているので、別途口出し線巻き付け部91aと放熱部91b同士を接合するプロセスが簡略化され、工程の増加や新規設備の導入が不要となるためコストの面で有利である。
【符号の説明】
【0039】
1 回転軸、3 界磁巻線、4 スリップリング、8 ブラシ、9 ターミナル、
9a 口出し線巻き付け部、9b 放熱部、9c ヒートシンク、9d フィン、
9e 突起部、10 回転子、14 樹脂モールド部、14a 樹脂モールド外周部、
18 コイル口出し線、30 パワー回路部、31 界磁回路部、32 制御回路部、
92a 口出し線巻き付け部、92b 放熱部、100 回転電機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに支持される回転軸と、この回転軸に固定され界磁巻線が設けられた回転子と、前記回転軸に固定されたスリップリングと、該スリップリングを介して前記界磁巻線に電流を供給するブラシが設けられた回転電機において、
前記スリップリングは樹脂モールドされているとともに、前記スリップリングの内周面にターミナルの一端が接合されており、前記樹脂モールドから露出する前記ターミナルの他端には、前記界磁巻線の口出し線が接続される口出し線巻き付け部と放熱部とが設けられていることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
ハウジングに支持される回転軸と、この回転軸に固定され界磁巻線が設けられた回転子と、前記回転軸に固定されたスリップリングと、該スリップリングを介して前記界磁巻線に電流を供給するブラシが設けられた回転電機において、
前記スリップリングは樹脂モールドされているとともに、前記スリップリングの内周面に口出し線巻き付け用ターミナルおよび放熱用ターミナルの一端が接合されており、前記口出し線巻き付け用ターミナルおよび放熱用ターミナルの他端は前記樹脂モールドから露出し、前記界磁巻線の口出し線が前記口出し線巻き付け用ターミナルに接続されることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
前記樹脂モールドから露出する前記ターミナルの他端は、前記口出し線巻き付け部と一体で、前記スリップリングの円周方向に分岐した放熱部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】
前記樹脂モールドから露出する前記ターミナルの他端は、前記口出し線巻き付け部と前記放熱部とが別部品で形成されるとともに、それぞれに設けられた突起部で接合して一体化され、かつ前記放熱部が前記樹脂モールドの外周部に対面して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項5】
前記樹脂モールドから露出する前記ターミナルの他端は、前記口出し線巻き付け部と前記放熱部とが別部品で形成されるとともに、前記放熱部に設けられた接合面と前記口出し線巻き付け部とを合わせ、これに載置した前記界磁巻線の口出し線とが結合、一体化され、かつ前記放熱部が前記樹脂モールド外周部に対面して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項6】
前記放熱部は、前記樹脂モールドの外周部に対面して折りたたむように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項7】
前記放熱部は、前記スリップリングのフロント側であって前記回転軸に対して垂直となる前記樹脂モールド外周部に対面して、折りたたむように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項8】
前記放熱部は、前記樹脂モールドの円周方向に伸延した複数のフィンによって形成されるヒートシンクであることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項9】
前記放熱部は、前記樹脂モールドの外周部に対面した複数のフィンによって形成されるヒートシンクであることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項10】
前記放熱部は、前記樹脂モールドの外周部から径方向に放射状に突出した複数のフィンによって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項1】
ハウジングに支持される回転軸と、この回転軸に固定され界磁巻線が設けられた回転子と、前記回転軸に固定されたスリップリングと、該スリップリングを介して前記界磁巻線に電流を供給するブラシが設けられた回転電機において、
前記スリップリングは樹脂モールドされているとともに、前記スリップリングの内周面にターミナルの一端が接合されており、前記樹脂モールドから露出する前記ターミナルの他端には、前記界磁巻線の口出し線が接続される口出し線巻き付け部と放熱部とが設けられていることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
ハウジングに支持される回転軸と、この回転軸に固定され界磁巻線が設けられた回転子と、前記回転軸に固定されたスリップリングと、該スリップリングを介して前記界磁巻線に電流を供給するブラシが設けられた回転電機において、
前記スリップリングは樹脂モールドされているとともに、前記スリップリングの内周面に口出し線巻き付け用ターミナルおよび放熱用ターミナルの一端が接合されており、前記口出し線巻き付け用ターミナルおよび放熱用ターミナルの他端は前記樹脂モールドから露出し、前記界磁巻線の口出し線が前記口出し線巻き付け用ターミナルに接続されることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
前記樹脂モールドから露出する前記ターミナルの他端は、前記口出し線巻き付け部と一体で、前記スリップリングの円周方向に分岐した放熱部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】
前記樹脂モールドから露出する前記ターミナルの他端は、前記口出し線巻き付け部と前記放熱部とが別部品で形成されるとともに、それぞれに設けられた突起部で接合して一体化され、かつ前記放熱部が前記樹脂モールドの外周部に対面して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項5】
前記樹脂モールドから露出する前記ターミナルの他端は、前記口出し線巻き付け部と前記放熱部とが別部品で形成されるとともに、前記放熱部に設けられた接合面と前記口出し線巻き付け部とを合わせ、これに載置した前記界磁巻線の口出し線とが結合、一体化され、かつ前記放熱部が前記樹脂モールド外周部に対面して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項6】
前記放熱部は、前記樹脂モールドの外周部に対面して折りたたむように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項7】
前記放熱部は、前記スリップリングのフロント側であって前記回転軸に対して垂直となる前記樹脂モールド外周部に対面して、折りたたむように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項8】
前記放熱部は、前記樹脂モールドの円周方向に伸延した複数のフィンによって形成されるヒートシンクであることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項9】
前記放熱部は、前記樹脂モールドの外周部に対面した複数のフィンによって形成されるヒートシンクであることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【請求項10】
前記放熱部は、前記樹脂モールドの外周部から径方向に放射状に突出した複数のフィンによって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−125035(P2012−125035A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273132(P2010−273132)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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