固体撮像装置およびその製造方法
【課題】カラーフィルタの膜厚が不均一となるのを抑制することができる画像撮像装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板21と、半導体基板21上に形成され、画素領域3に相当する上面が周辺回路領域5に相当する上面より低い下地層(25)と、下地層(25)の画素領域3に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタ27と、各カラーフィルタ27間に配された隔壁29とを備え、下地層(25)における画素領域3に相当する上面に対して直交する断面において、周辺回路領域5に接する外側部分(9)に配されている隔壁29の占有面積が、画素領域3の中央部分(11)に配されている隔壁29の占有面積よりも小さい。
【解決手段】半導体基板21と、半導体基板21上に形成され、画素領域3に相当する上面が周辺回路領域5に相当する上面より低い下地層(25)と、下地層(25)の画素領域3に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタ27と、各カラーフィルタ27間に配された隔壁29とを備え、下地層(25)における画素領域3に相当する上面に対して直交する断面において、周辺回路領域5に接する外側部分(9)に配されている隔壁29の占有面積が、画素領域3の中央部分(11)に配されている隔壁29の占有面積よりも小さい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置およびその製造方法に関し、特にカラーフィルタ間に隔壁を用いた固体撮像装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板に複数形成された受光部のそれぞれに対応してカラーフィルタが形成されてなる固体撮像装置において、カラーフィルタに対して斜めに入射した光が、隣接する他のカラーフィルタや受光部に入射するのを防止する技術として、カラーフィルタ間に隔壁を用いた固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1である。)。
【0003】
図11は、特許文献1に記載の固体撮像装置の断面図である。
特許文献1に記載の固体撮像装置900は、受光部901の上に平坦化層903が形成され、受光部901の上方に形成されたフィルタ907〜910が有機ケイ素材料層904によって分割された構成を有する。つまり、各受光部901に対応したフィルタ907〜910間に有機ケイ素材料層904である隔壁が配されている。
【0004】
この構成により、受光部901に対して斜めから入射した光が、隔壁(904)により反射したり、隔壁(904)に入射して内部で吸収されたりして、隣の受光部901に達するのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−282403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の固体撮像装置900では、均一な厚みのフィルタ907〜910を得ることができず感度が不均一となり、色ムラや感度ムラを招くという問題がある。
【0007】
つまり、固体撮像装置は、画素領域と周辺回路領域とを有し、半導体基板上に形成された配線層の厚みが周辺回路領域の方が画素領域よりも厚くなっている。これにより、配線層の表面で画素領域と周辺回路領域とで大きな段差が生じている。なお、上述した隔壁は、配線層における画素領域の表面、或いは配線層における画素領域に形成された平坦化層の表面に形成されている。
【0008】
有機材料を塗布してフィルタを形成するとき上記段差の影響により、フィルタの表面が周辺回路領域から画素領域にかけて有機材料の上面が傾斜してしまう。その結果、画素領域におけるフィルタの厚みが周辺回路領域付近で厚くなる。
【0009】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、カラーフィルタの膜厚が不均一となるのを抑制することができる画像撮像装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い下地層と、前記下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと、前記各カラーフィルタ間に配された隔壁とを備え、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に対して直交する断面において、前記周辺回路領域に接する外側部分に配されている隔壁の占有面積が、前記画素領域の中央部分に配されている隔壁の占有面積よりも小さいことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い構成の下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと隔壁とを有する固体撮像装置の製造方法において、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に対して直交する断面において、前記周辺回路領域に接する外側部分に配される隔壁の占有面積が、前記画素領域の中央部分に配される隔壁の占有面積よりも小さい状態に、前記隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁間にカラーフィルタを形成するフィルタ形成工程とを含むことを特徴としている。
【0012】
あるいは、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い下地層と、前記下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと、前記周辺回路領域に接する外側部分を除いた中央部分に存する各カラーフィルタ間に配された隔壁とを備えることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い構成の下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと隔壁とを有する固体撮像装置の製造方法において、前記周辺回路領域に接する外側部分を除いた中央部分に複数の隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記外側部分と前記中央部分の各隔壁間とにカラーフィルタを形成するフィルタ形成工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る固体撮像装置およびその製造方法は、隔壁の体積を外側部分で中央部分よりも小さくすることで、画素領域の外側部分でカラーフィルム用の成形材料を貯留する空間が確保できる。これにより、外側部分から中央部分にかけてのカラーフィルタ表面の傾斜が小さくなり、カラーフィルタの膜厚が不均一となるのを抑制できる。
【0015】
また、前記断面において、前記外側部分の隔壁面積は、前記中央部分の隔壁面積よりも小さいことを特徴とし、前記隔壁は、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に立設し、前記断面において、前記外側部分の隔壁の立設幅は、前記中央部分の隔壁の立設幅よりも狭いことを特徴とする。あるいは、前記隔壁は、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に立設し、前記断面において、前記外側部分の隔壁の立設高さは、前記中央部分の隔壁の立設高さよりも低いことを特徴とする。
【0016】
また、前記断面において、前記外側部分の隔壁面積は、前記周辺回路領域に近づくに従って小さくなることを特徴とする。あるいは、前記外側部分は、前記周辺回路領域に沿って延伸し、その幅が、1μm以上、100μm以下の範囲であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の平面図である。
【図2】図1のA部の拡大図であり、(a)はマイクロレンズを取り外した状態での平面図であり、(b)は断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係る固体撮像装置において図1のA部に相当する部分の拡大図であり、(a)はマイクロレンズを取り外した状態での平面図であり、(b)は断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る固体撮像装置の1画素部を拡大した図である。
【図8】変形例1に係る固体撮像装置の断面図である。
【図9】変形例2に係る固体撮像装置の断面図である。
【図10】変形例3に係る固体撮像装置の断面図である。
【図11】特許文献1に記載の固体撮像装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る固体撮像装置およびその製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態では、本発明で使用している、材料、数値は好ましい例を例示しているだけであり、この形態に限定されることはない。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施の形態との組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
<第1の実施の形態>
本実施の形態に係る固体撮像装置1は、半導体基板21と、半導体基板21上に形成され、画素領域3に相当する上面が周辺回路領域5に相当する上面より低い下地層である配線層25と、下地層である配線層25の画素領域3に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタ27と、各カラーフィルタ27間に配された隔壁29とを備え、下地層である配線層25における画素領域3に相当する上面に対して直交する断面において、周辺回路領域5に接する外側部分である無効画素領域9に配されている隔壁29の占有面積が、画素領域3の中央部分である有効画素領域11に配されている隔壁29の占有面積よりも小さい。
1.全体構成
図1は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置1の平面図である。
【0019】
固体撮像装置1は、図1に示すように、平面視形状が例えば四角形状(ここでは、長方形状である。)をしている。固体撮像装置1は、その中央に画素領域3を、画素領域3の周辺に周辺回路領域5をそれぞれ有する。
【0020】
なお、ここでは、周辺回路領域5は、四角形状の画素領域3の全周に添ってその外側に存在しているが、画素領域3の周辺の一部の範囲に設けられても良い。
画素領域3には複数の画素部7が2次元状に形成されている。画素領域3には、その外周部分の無効画素領域9と、無効画素領域9の内側部分の有効画素領域11とがある。
【0021】
周辺回路領域5は、画素領域3、特に有効画素領域11内の画素部7からの画素信号を外部装置に出力したり、画素領域3内の画素部7に給電したりするための回路を備える。
ここでは、複数の画素部7は画素領域3内を行列状に形成されている。
【0022】
図2は、図1のA部の拡大図であり、(a)はマイクロレンズ31を取り外した状態での平面図であり、(b)は断面図である。なお、断面は、フィルタ27等が形成されている面に直交する断面である。
【0023】
半導体基板21は、画素領域3の各画素部7に対応して受光部23を2次元状に有している。半導体基板21上には配線層25が形成されている。配線層25は、後述するが、多層構造をしている。配線層25は、画素領域3では2層構造をし、周辺回路領域5では3層構造をしている。
【0024】
配線層25上の画素領域3においては、各画素部7に対応して複数のカラーフィルタ27が形成され、各カラーフィルタ27間に対応して隔壁29が形成されている。カラーフィルタ27と隔壁29上には、同図の(b)に示すように、各画素部7に対応してマイクロレンズ31が形成されている。
【0025】
配線層25上の周辺回路領域5においては、層間絶縁膜33が形成されている。層間絶縁膜33上には、周辺回路の構成要素が形成されている。層間絶縁膜33におけるパッド配線35が形成されていない領域上およびパッド配線35上には保護膜37が形成されている。ここでは、構成要素はパッド配線35である。
2.各構成
(1)半導体基板
半導体基板21は、例えばシリコン基板が利用され、各画素部7に対応して受光部23であるフォトダイオードPDが形成されている。固体撮像装置1が、所謂、CMOSタイプである場合、さらに、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ等を有する。
【0026】
なお、画素部7が所謂n画素1セル構造(nは、自然数である。)である場合、各画素部7は、n個のフォトダイオードPDと、n個の転送トランジスタと、1個のリセットトランジスタと1個の増幅トランジスタを有する。
【0027】
フォトダイオードPDは受けた光に応じて光電変換により電荷を蓄積する。転送トランジスタはフォトダイオードPDに蓄えられた電荷を転送制御信号に応じて電荷蓄積部(フローティングディフュージョン)に転送する。リセットトランジスタはリセット信号に応じて電荷蓄積部を初期化する。増幅トランジスタは電荷蓄積部に蓄積された電荷のレベルに応じた信号を出力する。
(2)配線層
配線層25は、各画素部7と周辺回路(図示省略)とを電気的に接続する配線等が配されている。画素領域3の配線層25は第1層25aと第2層25bとの2層構造であり、周辺回路領域5の配線層25は第1層25aと第2層25bと第3層25cとの3層構造である。
【0028】
なお、半導体基板21に近い層が第1層25aである。また、言うまでもなく、配線層は1層でも良く、また、画素領域3と周辺回路領域5とで同じ層数であっても良い。
各層25a,25b,25cは、例えば、絶縁膜32と、絶縁膜32内の配線34とを備え、必要がある場合には配線34用の拡散防止膜を備える。なお、配線34は金属配線である。このため、配線34は、フォトダイオードPDへの入射光を遮断しないように、隣接するフォトダイオードPD間に形成されている。
(3)カラーフィルタ
カラーフィルタ27は、フォトダイオードPDへの入射光を波長により選択する。カラーフィルタ27は、島状(各画素部に対応して個別に形成された状態である。)に形成されている。
(4)隔壁
隔壁29は、マイクロレンズ31やカラーフィルタ27から入射した光が、隣の画素部7に入射するのを防止する。
【0029】
隔壁29は、平面視において、カラーフィルタ27に相当する部分が開口する格子状(網の目状)をしている。但し、後述するが、隔壁29の断面における幅が有効画素領域11と無効画素領域9とで異なるため、場所によって開口の大きさが異なる格子状をしている。なお、図2の(b)の断面図では、各隔壁29は独立したように見える。
【0030】
隔壁29の断面形状は、ここでは、全体として長方形状をしている。有効画素領域11における隔壁29の幅は、図2に示すように、無効画素領域9における隔壁29の幅よりも大きくなっている。
【0031】
つまり、横断面において、無効画素領域9の隔壁29の占有面積が、有効画素領域11の隔壁29の占有面積を小さくなっている。
隔壁29は、カラーフィルタ27を構成する材料よりも屈折率が低い材料で構成されている。このため、カラーフィルタ27内を斜め方向に進行する光は、隔壁29の表面に達した際に反射する。
(5)マイクロレンズ
マイクロレンズ31は、上方から入射する光を対応する画素部7のフォトダイオードPDに集光させるものである。
【0032】
マイクロレンズ31は、ここでは、半導体基板21から離れる方向に突出する凸レンズである。ここでは、マイクロレンズ31は、フォトダイオードPD上に配されたレンズ部と、各レンズ部を隔壁29上で連結する連結部とを有する一体品となっている。なお、マイクロレンズは、少なくとも、集光機能を有する部分(レンズ部)がフォトダイオードPD上に形成されていれば良く、レンズ部が孤立した構成であっても良い。
3.実施例
(1)半導体基板および配線層
半導体基板21および配線層25は従来と同じ構成であり、簡単に説明する。
【0033】
半導体基板21には、例えばシリコン基板が利用される。配線層25は、絶縁膜32として、例えば絶縁材料である酸化シリコンを利用することができる。配線34として、例えばアルミニウム線を利用することができる。
【0034】
配線層25における画素領域3の表面と周辺回路領域5の表面との段差は、100[nm]〜400[μm]である。
なお、半導体基板21に形成されている複数のフォトダイオードPDは、その間隔が1.8[μm]以下であり、セルサイズが1.4[μm]である。また、無効画素領域9は、有効画素領域11の外周に、少なくとも1つ画素部7が形成されておれば良く、ここでは10個の画素部7が形成されている。つまり、無効画素領域9の幅、換言すると、有効画素領域11と周辺回路領域5との距離は、15[μm]〜20[μm]である。
(2)層間絶縁膜、パッド配線、保護膜
層間絶縁膜33は、例えばシリコン酸化膜であり、その膜厚は、50[nm]〜400[nm]である。パッド配線35は、例えばアルミニウム線であり、その膜厚は、200[nm]〜800[nm]である。保護膜37は、例えばシリコン酸化膜であり、その膜厚は400[nm]〜1100[nm]である。
【0035】
なお、保護膜37の表面と、配線層25における画素領域3の表面との段差は、750[nm]〜2700[nm]であり、本実施の形態では、層間絶縁膜33が形成されていることから段差が大きく、2000[nm]である。
(3)カラーフィルタ
カラーフィルタ27は、ここでは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類あり、例えば、ベイヤー配列されている。各色用のカラーフィルタ27は、例えば各色用の顔料がアクリル樹脂材料に混入されてなる。この場合のカラーフィルタ27の屈折率は、1.5〜1.7である。カラーフィルタ27の膜厚は300[nm]〜1000[nm]である。
(4)隔壁
隔壁29は、例えば酸化シリカを含有するアクリル樹脂を利用している。隔壁29としての高さは300[nm]〜1000[nm]で、幅は50[nm]〜500[nm]である。アクリル樹脂を利用した場合、屈折率は、1.5以下である。
【0036】
詳細に説明すると、隔壁29の高さは、800[nm]であり、画素領域3のすべての範囲で同じである。隔壁29の幅は、有効画素領域11における幅が200[nm]〜250[nm]であり、無効画素領域9の幅が50[nm]〜200[nm]であり、有効画素領域11の隔壁29の方が無効画素領域9の隔壁29より大きくなっている。
(5)効果
画素領域3内の隔壁29の幅の相違より、後述の理由により、カラーフィルタ27の膜厚を均一にできる効果が得られる。
【0037】
具体的に説明すると、画素領域内の隔壁の幅(占有面積)を一定にした場合、有効画素領域(11)と周辺回路領域(5)の間の無効画素領域(9)の画素部(7)が100個より多くなると、配線層(25)における画素領域(3)と周辺回路領域(5)との段差の影響によるカラーフィルタ(27)の膜厚のムラは無くなる(均一な膜厚が得られる。)。
【0038】
これに対して、無効画素領域9内の隔壁29の幅(占有面積)を有効画素領域11内の隔壁29の幅(占有面積)よりも小さくした場合、有効画素領域11と周辺回路領域5の間の無効画素領域9の画素部7が10個程度で均一な膜厚のカラーフィルタ27が得られる。
4.製造方法
図3〜図5は、本実施の形態に係る固体撮像装置1の製造方法を説明する断面図である。なお、ここでの説明は、上記の実施例で説明した固体撮像装置1の製造方法に関するものであり、本発明の製造方法の一例である。
(a)図3の(a)に示すように、シリコン基板等に複数のフォトダイオードPD等を形成してなる半導体基板21の上面に配線層25を積層(形成)し、その後、層間絶縁膜33、パッド配線35、保護膜37を形成する。
【0039】
なお、層間絶縁膜33、パッド配線35および保護膜37は、例えば、層間絶縁膜33用の絶縁膜、パッド配線35用の金属膜を形成した後、パッド配線35に対応した金属膜、層間絶縁膜33に対応した絶縁膜をエッチング等により除去した後、保護膜37用の絶縁膜を形成した後、保護膜37に対応した絶縁膜をエッチング等により除去することで得られる。
(b)図3の(b)に示すように、配線層25上の画素領域3には隔壁29の材料である酸化シリカが混入されたアクリル樹脂の媒質を有する隔壁成形用材料51を塗布する。隔壁成形用材料51の塗布は、例えば回転塗布(スピンコート)により行われる。なお、アクリル樹脂は、アルカリ現象により溶解するポジ型感光性樹脂である。
(c)図3の(c)に示すように、配線層25上に塗布された隔壁成形用材料51に対して、隔壁(29)に相当する部分以外が開口するマスク(ネガフィルム)53を設けた状態で露光・現像を行う。これにより、図4の(a)に示すように、マスクの開口に対応した部分の隔壁成形用材料51を除去することで、隔壁29が形成される。
(d)図4の(b)に示すように、カラーフィルタ用の顔料入りアクリル樹脂(フィルタ成形用材料ともいう。)55を配線層25の画素領域3および保護膜37の上面に塗布する。なお、顔料は各色に対応したものである。
【0040】
この際、保護膜37の上面、つまり、周辺回路領域5の上面の方が、配線層25の画素領域3よりも高くなっているため、保護膜37上のアクリル樹脂55が配線層25の画素領域3上に流れ込み、アクリル樹脂55の表面が周辺回路領域5から画素領域3にかけて傾斜する。
【0041】
画素領域3における周辺回路領域5に近い領域、つまり、配線層25の無効画素領域9に形成されている隔壁29は、配線層25の有効画素領域11に形成されている隔壁29よりも幅が小さくなっている。
【0042】
このため、無効画素領域9では、配線層25上の画素領域3の全範囲に有効画素領域11の隔壁29の幅と同じ隔壁を形成した場合よりも、アクリル樹脂55を貯留できる空間が大きくなる。
【0043】
これにより、無効画素領域9における周辺回路領域5に近い領域では、無効画素領域9の隔壁29が小さくなった分、より多くのアクリル樹脂55を貯留することができる。より多くのアクリル樹脂55が貯留可能となることで、アクリル樹脂55の厚くなっていた余分な樹脂が隔壁29間に貯留される。したがって、無効画素領域9における周辺回路領域5に近い領域からアクリル樹脂55の膜厚を一定にすることができる。
(e)図5の(a)に示すように、各色に合わせて塗布されたアクリル樹脂55を所定の隔壁29間に配置する(形成する)。具体的には、各色の対応する位置以外が開口するマスクを用いて、露光・現像を行うことで実施できる(図示等省略)。
(f)図5の(b)に示すように、最後に、カラーフィルタ27および隔壁29の上面にマイクロレンズ31を形成する。これにより、上記実施例で説明した固体撮像装置1を製造することができる。
【0044】
マイクロレンズ31は、レンズ成形用材料を塗布し、露光、現像により画素部ごとに成形する。レンズは150[℃]以上300[℃]以下の加熱により球面を形成している。なお、球面は、グレースケールマスクを用いた露光やエッチングバック技術を用いても形成することができる。
5.その他
本実施の形態では、隔壁29に感光性を有する樹脂により形成していたが、例えば、感光性を有しない、所謂、非感光性材料を用いて形成する場合には、例えば、ドライエッチング等により所定の形状・大きさに形成することができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、隔壁29を樹脂材料(55)により構成し、さらに、隔壁29は、有効画素領域11と無効画素領域9とで横断面での幅が異なっている。
【0045】
しかしながら、隔壁の材料は樹脂材料に限定するものでなく、他の材料、例えば無機材料を利用しても良い。さらに、隔壁は、少なくとも有効領域に形成されておれば良く、無効画素領域の隔壁は、カラーフィルタの形成時に、画素領域と周辺回路領域との間の段差に起因したフィルタ形成用樹脂のフローによる膜厚ムラを抑制できれば良く、必ずしも必要ではない。
【0046】
第2の実施の形態に係る固体撮像装置101は、半導体基板21と、半導体基板21上に形成され、画素領域3に相当する上面が周辺回路領域5に相当する上面より低い下地層である配線層25と、下地層である配線層25の画素領域3に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタ103と、周辺回路領域5に接する外側部分である無効画素領域9を除いた中央部分である有効画素領域に存する各カラーフィルタ103間に配された隔壁105とを備える。
【0047】
第2の実施の形態では、隔壁105を無機材料により構成し、無効画素領域9に隔壁を形成していない固体撮像装置101について説明する。
図6は、第2の実施の形態に係る固体撮像装置101において図1のA部に相当する部分の拡大図であり、(a)はマイクロレンズを取り外した状態での平面図であり、(b)は断面図である。
【0048】
固体撮像装置101は、第1の実施の形態と同様に、画素領域3と周辺回路領域5とを有し、画素領域3には有効画素領域11と無効画素領域9とがある。
固体撮像装置101は、第1の実施の形態と同様の半導体基板21と、半導体基板の上面に形成された配線層25を有している。
【0049】
配線層25の有効画素領域11には、隔壁105が形成されている。隔壁105の形状・寸法は、第1の実施の形態で説明した有効画素領域11に形成された隔壁29と同じである。なお、第2の実施の形態では、上述したように、無効画素領域9には隔壁は形成されていない。
【0050】
隔壁105は、無機材料により構成され、例えば、酸化ケイ素を含む無機材料により形成されている。隔壁105は、配線層25上の画素領域3にシリコン酸化膜を略全面に形成し、隔壁に対応する部分以外をエッチングすることで得ることができる。
【0051】
より具体的に説明すると、TEOS(テオス:Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料としたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法にて堆積したシリコン酸化膜(テオス膜)である。その後、シリコン酸化膜上にリソグラフィ技術にて隔壁105に対応したレジストパターンを形成し、例えばプラズマエッチングなどにより隔壁105以外の部分を除去し、これにより隔壁105が形成される。
【0052】
カラーフィルタ103は、有効画素領域11においては第1の実施の形態と同様に、半導体基板21の受光部23に対応して受光部23上であって隔壁105間に形成されている。なお、無効画素領域9の全体にカラーフィルタと同じ材料の膜が形成されている。
【0053】
カラーフィルタ103は、第1の実施の形態と同様に、顔料が混入されたアクリル樹脂を利用し、第1の実施の形態で説明した方法で形成される。なお、カラーフィルタ103および隔壁105上には、第1の実施の形態と同様に、マイクロレンズ31が形成されている。
【0054】
第2の実施の形態においても、無効画素領域9では、配線層25上の画素領域3の全範囲に有効画素領域11の隔壁29の幅が同じ隔壁を形成した場合よりも、フィルタ成形用材料(例えばアクリル樹脂である。)を貯留できる空間が大きくなる。
【0055】
これにより、無効画素領域9における周辺回路領域5に近い領域では、無効画素領域9の隔壁105がない分、より多くのフィルタ成形用材料を貯留することができ、無効画素領域9における周辺回路領域5に近い領域からカラーフィルタ103の膜厚を均一にすることができる。
<第3の実施の形態>
第1および第2の実施の形態では、半導体基板21の受光部23の上方には配線層25が配されていたが、マイクロレンズに入射した光のフォトダイオードへの光伝播効率を高めるために、配線層におけるフォトダイオードの上方に位置する部分に、配線層の層間絶縁膜よりも高屈折率の材料からなるコア部を持つ光導波路を備えた構成としても良い。
【0056】
以下、光導波路を備えた固体撮像装置201を第3の実施の形態として説明する。
図7は、第3の実施の形態に係る固体撮像装置201の1画素部を拡大した図である。
固体撮像装置201は、半導体基板21上に配線層203を有する。配線層203は、画素領域3において第1層203aと第2層203bとを有する2層構造を有し、各層203a,203bは、絶縁膜205、配線207、拡散防止膜209を備える。
【0057】
ここでは、配線207として銅線を利用しており、拡散防止膜209は銅線から銅原子が絶縁膜205等へ拡散するのを防止する。
配線層203におけるフォトダイオードPD上には導波路用の凹部211が形成されている。
【0058】
なお、配線層203は、凹部211の底に相当する部分に凹部211の形成時の基準となる膜(213)が形成されている。具体的には、凹部211をエッチングにより形成する際のエッチングを規制するエッチングストップ膜213が形成されている。
【0059】
配線層203の凹部211内には、絶縁層215が形成されている。絶縁層215は、層構造を有している。具体的には、配線層203の表面および凹部211を構成する底面と側面を覆うように形成された第1絶縁膜217と、凹部211内の第1絶縁膜217の上面に形成された第2絶縁膜219と、第1および第2絶縁膜217,219が形成された凹部211内に配された第3絶縁部221とを有する。
【0060】
第1絶縁膜217、第2絶縁膜219および第3絶縁部221における屈折率は、第1絶縁膜217よりも第2絶縁膜219の方が低く、第2絶縁膜219よりも第3絶縁部221の方が高くなっている。
【0061】
これにより、第3絶縁部221から第2絶縁膜219に入射した光は、第1絶縁膜217と第2絶縁膜219の屈折率の関係で、第1絶縁膜217内を伝わり、フォトダイオードPD側で出射される。
【0062】
フォトダイオードPD上に配されたカラーフィルタ225は、上面227が半導体基板21側に凹入し、下面229がマイクロレンズ231側に凹入している。つまり、カラーフィルタ225は、凹レンズ状をしている。これにより、マイクロレンズ231により屈折された光がよりフォトダイオードPDに向かって進行するように、カラーフィルタ225で屈折される。
【0063】
なお、第3絶縁部221はカラーフィルタ225の下面229の凸状に沿って、マイクロレンズ31側に突出する形状をしている。また、カラーフィルタ225の上面227には平坦化を目的とする平坦化膜233が形成されている。
【0064】
隔壁235は、同図に示すように、横断面形状においてマイクロレンズ231側の幅が半導体基板21側の幅よりも小さい台形状をしている。つまり、半導体基板21側からマイクロレンズ231側に移るに従って幅が狭くなる台形状をしている。
【0065】
隔壁235は、例えば、多層構造、ここでは、2層構造をしている。つまり、半導体基板21に近い下層部237と、マイクロレンズ231に近い上層部239とを有する。上層部239の屈折率は、下層部237の屈折率よりも高くなっている。
【0066】
隔壁235は、上述したように、第1の実施の形態で説明したように、カラーフィルタ225の屈折率よりも低くなっており、カラーフィルタ225から隔壁235に光が入射するのを抑制しているが、光の入射を完全に抑制することはできない。つまり、隔壁235内に侵入し、隔壁235の上部から下部へと進行する光が存在する。
【0067】
隔壁235内を上部から下部へと進む光、つまり、上層部239内を下層部237に向かって進行する光は、下層部237と上層部239との界面241でマイクロレンズ231側へと光を反射させ、隔壁235を通過して隣の画素部へ光が入射するのを抑制することができる。
【0068】
界面241は、半導体基板21の主面(配線層側の面である。)に沿って形成されているが、上層部239から下層部237へと光の入射を抑制することができれば良い。つまり、界面241は、半導体基板21の主面と平行、もしくは、周面に対して±5(度)程度傾斜していても良い。
【0069】
なお、界面241は、下層部237と上層部239とで材料が異なる場合は両者の間に形成される。また、下層部237と上層部239とが同じ材料であっても、例えば、下層部237の上面(上層部239側の面)をプラズマエッチング等により改質することで改質した層と上層部との間に形成される。
【0070】
隔壁235とカラーフィルタ225、絶縁層215の第3絶縁部221とカラーフィルタ225との間には、両者の密着性を向上させるための密着層243が形成されている。特に、隔壁235と絶縁層215(特に第3絶縁部221)とが無機材料で構成され、カラーフィルタ225を無機材料との結合力が低い有機材料で構成した場合、無機材料と有機材料との結合力が低く、無機材料との結合力が高い有機材料を用いることで、隔壁235とカラーフィルタ225や絶縁層215とカラーフィルタ225との結合力を高めることかできる。密着層243は、具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等がある。
【0071】
また、カラーフィルタ225は、隔壁235の上面において、隣接する他のカラーフィルタ(225)と間隔をおいて隔壁235の上面にまで張り出しており(張出部245)、カラーフィルタ225と隔壁235との結合面積を広くしている。
<変形例>
上記第1から第3の実施の形態では、代表的な形態について説明したが、本発明は上記構成に限定されることはなく、例えば以下のような形態でもあっても良い。
1.配線層
実施の形態における配線層は、画素領域では2層であり、周辺回路領域では3層であったが、半導体基板のサイズ、1画素のサイズ等により適宜決定しても良い。つまり、配線するスペースに余裕がある場合は、画素領域および周辺回路領域を2層構造にしても良い(但し、この場合、画素領域と周辺回路領域との段差が小さくなり、カラーフィルタの膜厚ムラは小さくなる。)。1画素のサイズが小さく画素間に配線スペースがない場合は、画素領域を3層以上の多層構造としても良い。なお、配線層の材料等は、実施の形態で説明した以外の材料を用いても良い。
2.層間絶縁膜および保護膜
第1の実施の形態では、層間絶縁膜および保護膜は同じ材料、つまり、シリコン酸化膜で構成していたが、それぞれ別の材料で構成しても良い。例えば、層間絶縁膜をシリコン酸化膜、保護膜をシリコン酸窒化膜でそれぞれ構成しても良いし、層間絶縁膜をシリコン酸窒化膜、保護膜をシリコン酸化膜でそれぞれ構成しても良い。
【0072】
第3の実施の形態で説明した隔壁235では、下層部237と上層部239との2層構造としている。この際、下部層を層間絶縁膜と同じ材料で、上部層を保護膜と同じ材料でそれぞれ構成することにより、層間絶縁膜および保護膜の成形を利用して隔壁のベースとなる2層構造を成形することができる。
3.隔壁
(1)材料
第1の実施の形態では、隔壁を構成する有機材料として、感光性樹脂であるアクリル樹脂を利用したが、他の有機材料により構成しても良い。他の有機材料は、例えば、酸化シリカ、フッ素を含有した有機高分子樹脂でも良く、高分子樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂等がある。なお、これらの材料の屈折率が1.5より低い。
【0073】
第2の実施の形態では、隔壁を構成する無機材料として、酸化ケイ素(酸化シリコン膜)を利用したが、他の無機材料に構成しても良い。他の無機材料は、例えば、窒化ケイ素(窒化シリコン膜)、酸窒化ケイ素(酸窒化シリコン膜)等がある。
【0074】
但し、カラーフィルタ側からの光を受光部側に反射させる本来の機能を有する必要があり、カラーフィルタの屈折率よりも低い材料を用いることが好ましい。カラーフィルタの屈折率を考慮すると、隔壁の屈折率は1.6以下が好ましく、さらには、1.5以下がより好ましい。
(2)層数
第1および第2の実施の形態では、隔壁29,105は単層構造であり、第3の実施の形態では、隔壁235は下層部237と上層部239との2層構造(下層部237の上面を改質する場合は、全体で3層構造ともいえる。)であったが、隔壁は3層以上の構成としても良い。例えば、下層部、中層部、上層部の3層構造とし、中層部を反射層としても良い。また、下層部から上層部に移るに従って屈折率が高くなるようにしても良い。逆に、下層部から上層部に移るに従って屈折率が低くなるようにし、その中間層で反射面(反射層)を設けるようにしても良い。
(3)形状
第1および第2の実施の形態では、隔壁の横断面形状が長方形状をし、第3の実施の形態では台形状をしていたが、隔壁の横断面形状は他の形状であっても良い。他の断面形状としては、三角形状、長円を半分にした形状等がある。
【0075】
さらに、隔壁を平面視したときに格子状をし、正方形状の開口にカラーフィルタが形成されていたが、開口は正方形状以外の形状、例えば、長方形状、円形状、楕円形状、多角形状等であっても良い。また、開口の平面形状が、長方形状、多角形をしている場合、角部を丸くしても良い。
(4)大きさ
第1の実施の形態における無効画素領域9の隔壁29は、横断面形状が同じ形状であり、また、同じ大きさであった。しかしながら、無効画素領域の隔壁は、横断面において、占有面積が有効画素領域の隔壁の占有面積よりも小さければ良く、その形状・大きさが同じである必要はない。
【0076】
以下、形状・大きさが異なる隔壁を備える固体撮像装置301,351を変形例1,2としてそれぞれ説明する。
図8は、変形例1に係る固体撮像装置301の断面図であり、図9は、変形例2に係る固体撮像装置351の断面図である。
【0077】
なお、変形例1に係る固体撮像装置301と変形例2に係る固体撮像装置351において、第1の実施の形態に係る固体撮像装置1、第2の実施の形態に係る固体撮像装置101、第3の実施の形態に係る固体撮像装置201のそれぞれについて説明した構成と同じ符号を用いて説明している場合は、変形例に係る構成は、第1〜第3の実施の形態で説明した同じ符号の構成と同じである。
【0078】
固体撮像装置301は、半導体基板21、配線層25を備える。画素領域3では、さらに、カラーフィルタ303、隔壁305、マイクロレンズ307を有し、周辺回路領域5では、実施の形態と同様に、層間絶縁膜33、パッド配線35、保護膜37を有する。
【0079】
配線層25における無効画素領域9の一部に遮光膜309が形成された領域、所謂オプティカルブラック領域を有する。このオプティカルブラック領域は、黒基準信号を検出するためのものである。
【0080】
カラーフィルタ303は、フォトダイオードPDに対応してそれぞれ形成されており、各カラーフィルタ303間に隔壁305が形成されている。各カラーフィルタ303および隔壁305にはマイクロレンズ307が形成されている。
【0081】
有効画素領域11の隔壁305は、その横断面形状および大きさが同じである。無効画素領域9の隔壁305は、有効画素領域11の隔壁よりも占有面積が小さい。つまり、隔壁305の断面形状は、両領域9,11とも長方形状としては同じであるが、無効画素領域9の隔壁305の幅が有効画素領域11の隔壁305の幅よりも小さな長方形状をしている。
【0082】
無効画素領域9の隔壁305は、周辺回路領域5に近づくに従って、隔壁の幅が小さくなる。つまり、カラーフィルタ303を成形するためのフィルタ成形用材料の貯留する空間が周辺回路領域5に近づくに従って大きくなっている。
【0083】
固体撮像装置351は、半導体基板353、配線層355を備える。画素領域3では、さらに、カラーフィルタ357、隔壁359、マイクロレンズ361を有し、周辺回路領域5では、実施の形態と同様に、層間絶縁膜33、パッド配線35、保護膜37を有する。
【0084】
半導体基板353は、有効画素領域11と、無効画素領域9における有効画素領域11側の領域とに複数の受光部(フォトダイオードPD)を有している。配線層355は、半導体基板353に形成された各フォトダイオードPD間に配線363を絶縁膜365内に有する。なお、本変形例2においても、配線層355は多層構造をしている。
【0085】
カラーフィルタ357は、半導体基板353上であってフォトダイオードPD上に形成され、また無効画素領域9のフォトダイオードPDのない領域では、有効画素領域11でのカラーフィルタ357が形成されているピッチと同じピッチで同じ材料でダミーフィルタ367が形成されている。
【0086】
各カラーフィルタ357間には隔壁359が形成され、各ダミーフィルタ367間にはダミー隔壁369が形成されている。
各カラーフィルタ357と隔壁359上にはマイクロレンズ361が、ダミーフィルタ367とダミー隔壁369上にはダミーのマイクロレンズ371が形成されている。なお、ダミーのマイクロレンズ371は、マイクロレンズ361と同じ大きさ・材料・工程で形成される。
【0087】
有効画素領域11の隔壁359は、その横断面形状および大きさが同じである。無効画素領域9の隔壁359およびダミー隔壁369は、有効画素領域11の隔壁359よりも占有面積が小さい。つまり、隔壁359とダミー隔壁369との断面形状は、両領域9,11とも長方形状としては同じであるが、無効画素領域9の隔壁359の高さが有効画素領域11の隔壁305の高さよりも低い長方形状をしている。
【0088】
無効画素領域9の隔壁359およびダミー隔壁369は、周辺回路領域5に近づくに従って、高さが小さくなる。つまり、カラーフィルタ357およびダミーフィルタ367を成形するためのフィルタ成形用材料の貯留する空間が周辺回路領域5に近づくに従って大きくなっている。
(5)ピッチ
各実施の形態および上記の変形例では、隣接する隔壁のピッチは同じであったが、例えば、周辺回路領域5に近づくに従って隔壁のピッチを大きくしても良い。このようにしても、カラーフィルタを成形するためのフィルタ成形用材料の貯留する空間が周辺回路領域5に近づくに従って大きくできる。
(6)その他
図10は、変形例3に係る固体撮像装置401の断面図である。
【0089】
本変形例3に係る固体撮像装置401において、第1〜第3の実施の形態に係る固体撮像装置1,101,201、変形例1,2固体撮像装置301,351のそれぞれについて説明した構成と同じ符号を用いて説明している場合は、変形例3に係る構成は、第1〜第3の実施の形態や変形例1,2で説明した同じ符号の構成と同じである。
【0090】
固体撮像装置401は、半導体基板21、配線層25を備える。画素領域3では、さらに、カラーフィルタ27,403、隔壁29,405、マイクロレンズ31を有し、周辺回路領域5では、実施の形態と同様に、層間絶縁膜33、パッド配線35、保護膜37を有する。
【0091】
図10では、有効画素領域11を省略しているが、有効画素領域11におけるカラーフィルタ、隔壁は、第1の実施の形態のカラーフィルタ27、隔壁29と同じ構成である。つまり、無効画素領域9におけるカラーフィルタ403および隔壁405が異なる。
【0092】
無効画素領域9において有効画素領域に近い領域9aでは、有効画素領域11と同じカラーフィルタ27、隔壁29を有する。無効画素領域9において周辺回路領域5に近い領域9bでは、第2の実施の形態で説明したように、隔壁が形成されておらず、カラーフィルタ403だけが形成されている。これにより、周辺回路領域5に近いカラーフィルタ27の膜厚ムラを抑制することができる。
【0093】
無効画素領域9における中央の領域9cでは、複数の画素部、ここでは2個の画素部に跨って隔壁405(この隔壁405は、有効画素領域11の隔壁よりも横断面の面積が大きければ良い。)が形成されている。これは、周辺回路領域5に近いカラーフィルタ27の膜厚ムラは、周辺回路領域5に近い領域9bでの隔壁をなくすることでフィルタ用成形材料を多く貯留することで抑制している。このため、周辺回路領域5に近い領域9bではフィルタ用成形材料をより多く使用することとなる。
【0094】
しかしながら、複数の画素部に跨って隔壁405を形成することで、この領域9cのフィルタ用成形材料の使用量を少なくすることができ、結果的に、カラーフィルタの膜厚ムラを抑制でき、さらに、フィルタ用成形材料の使用量も抑えることができる。
4.画素領域
実施の形態等では、画素部が2次元配置、例えば、行列状に配置されている。無効画素領域の幅等について詳細に説明していなかったが、無効画素領域の幅は、行方向、列方向とも同じであっても良いし、行方向・列方向のどちらかが長くでも良い。
【0095】
例えば、平面視における画素領域が四角形状をしている場合、各辺に対応する無効画素領域の幅がすべて同じでも良いし、すべて異なっても良いし、列方向に沿う辺に対応した無効画素領域同士が同じであっても良いし、ある角を挟む2辺に対応する無効画素領域同士が同じであっても良い。
【0096】
なお、半導体基板上に受光部が形成されていても、当該受光部からの画素信号が画像情報と使用されない場合は、当該受光部は無効画素領域内にある。また、画像信号等の補正のための信号、例えば、黒基準信号を検出する受光部も無効画素領域にあるものとする。つまり、無効画素領域とは、画像として出力または出力のための演算処理に関わらない受光部が存在する領域である。
5.固体撮像装置
実施の形態では、所謂CMOSタイプであったが、CCDタイプでも良いし、さらには、光電変換膜を上部・下部電極で挟むようにして受光部を構成したものであっても良い。
6.その他
(1)下地層
本発明に係る下地層は、カラーフィルタおよび隔壁を形成している、カラーフィルタおよび隔壁の下地に存する層をいい、実施の形態等で説明した配線層25、絶縁層215が相当する。
【0097】
しかしながら、配線層の上層に平坦化膜(層)が形成され、当該平坦化膜(層)上にカラーフィルタおよび隔壁が形成されている場合は、当該平坦膜(層)が下地層に該当する。配線層の上層に他の層が形成され、当該層上にカラーフィルタおよび隔壁が形成されている場合は、当該層が下地層に該当する。
【0098】
なお、下地層には、第1の実施の形態で説明した、層間絶縁膜33、パッド配線35および保護層37が含まれるものとしても良いし、含まれないものとしても良い。つまり、カラーフィルタを形成する際に、カラーフィルム用の成形材料が周辺回路領域から画素領域に向かって傾斜するような構成であれば、下地層における周辺回路領域の構造は問わない。
(2)画素領域
本発明に係る画素領域は、必ずしも領域内すべての範囲に受光部を有する必要はない。画素領域のすべての範囲に受光部が形成されている一例が第1の実施の形態である。また、画素領域のすべての範囲に受光部が形成されていない一例が変形例2である。
【0099】
さらに、画素領域内のすべての受光部からの画像信号は、すべて画像を形成するための映像情報として使用される必要はない。画像情報として使用されない一例が変形例1である。
(3)占有面積
本発明に係る占有面積は、隔壁を含んだ所定の範囲の面積における当該隔壁の面積をいう。所定の範囲は、外側部分の隔壁の面積が一定の場合(この一例が第1の実施の形態である。)は、少なくとも隔壁が1個含まれる領域であれば良い。
【0100】
所定の範囲は、外側部分の隔壁の面積が一定でない場合(この例が変形例1および変形例2である。)は、外側部分に相当する領域であっても良いし、外側部分に配されている隔壁のうち、最も面積が小さい隔壁が1個含まれる領域であっても良い。
【0101】
但し、1個の隔壁の面積が同じであり、外側部分の隔壁のピッチが中央部分の各壁のピッチより大きい場合は、外側部分の隔壁であってピッチの異なっている少なくとも2個の隔壁を含む領域である必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、カラーフィルタ間に設けられた隔壁を有する固体撮像装置において、カラーフィルタの厚みムラを防止するのに広く利用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 固体撮像装置
3 画素領域
5 周辺回路領域
21 半導体基板
23 受光部
25 配線層
27 カラーフィルタ
29 隔壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置およびその製造方法に関し、特にカラーフィルタ間に隔壁を用いた固体撮像装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板に複数形成された受光部のそれぞれに対応してカラーフィルタが形成されてなる固体撮像装置において、カラーフィルタに対して斜めに入射した光が、隣接する他のカラーフィルタや受光部に入射するのを防止する技術として、カラーフィルタ間に隔壁を用いた固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1である。)。
【0003】
図11は、特許文献1に記載の固体撮像装置の断面図である。
特許文献1に記載の固体撮像装置900は、受光部901の上に平坦化層903が形成され、受光部901の上方に形成されたフィルタ907〜910が有機ケイ素材料層904によって分割された構成を有する。つまり、各受光部901に対応したフィルタ907〜910間に有機ケイ素材料層904である隔壁が配されている。
【0004】
この構成により、受光部901に対して斜めから入射した光が、隔壁(904)により反射したり、隔壁(904)に入射して内部で吸収されたりして、隣の受光部901に達するのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−282403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の固体撮像装置900では、均一な厚みのフィルタ907〜910を得ることができず感度が不均一となり、色ムラや感度ムラを招くという問題がある。
【0007】
つまり、固体撮像装置は、画素領域と周辺回路領域とを有し、半導体基板上に形成された配線層の厚みが周辺回路領域の方が画素領域よりも厚くなっている。これにより、配線層の表面で画素領域と周辺回路領域とで大きな段差が生じている。なお、上述した隔壁は、配線層における画素領域の表面、或いは配線層における画素領域に形成された平坦化層の表面に形成されている。
【0008】
有機材料を塗布してフィルタを形成するとき上記段差の影響により、フィルタの表面が周辺回路領域から画素領域にかけて有機材料の上面が傾斜してしまう。その結果、画素領域におけるフィルタの厚みが周辺回路領域付近で厚くなる。
【0009】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、カラーフィルタの膜厚が不均一となるのを抑制することができる画像撮像装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い下地層と、前記下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと、前記各カラーフィルタ間に配された隔壁とを備え、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に対して直交する断面において、前記周辺回路領域に接する外側部分に配されている隔壁の占有面積が、前記画素領域の中央部分に配されている隔壁の占有面積よりも小さいことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い構成の下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと隔壁とを有する固体撮像装置の製造方法において、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に対して直交する断面において、前記周辺回路領域に接する外側部分に配される隔壁の占有面積が、前記画素領域の中央部分に配される隔壁の占有面積よりも小さい状態に、前記隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁間にカラーフィルタを形成するフィルタ形成工程とを含むことを特徴としている。
【0012】
あるいは、本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い下地層と、前記下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと、前記周辺回路領域に接する外側部分を除いた中央部分に存する各カラーフィルタ間に配された隔壁とを備えることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い構成の下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと隔壁とを有する固体撮像装置の製造方法において、前記周辺回路領域に接する外側部分を除いた中央部分に複数の隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記外側部分と前記中央部分の各隔壁間とにカラーフィルタを形成するフィルタ形成工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る固体撮像装置およびその製造方法は、隔壁の体積を外側部分で中央部分よりも小さくすることで、画素領域の外側部分でカラーフィルム用の成形材料を貯留する空間が確保できる。これにより、外側部分から中央部分にかけてのカラーフィルタ表面の傾斜が小さくなり、カラーフィルタの膜厚が不均一となるのを抑制できる。
【0015】
また、前記断面において、前記外側部分の隔壁面積は、前記中央部分の隔壁面積よりも小さいことを特徴とし、前記隔壁は、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に立設し、前記断面において、前記外側部分の隔壁の立設幅は、前記中央部分の隔壁の立設幅よりも狭いことを特徴とする。あるいは、前記隔壁は、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に立設し、前記断面において、前記外側部分の隔壁の立設高さは、前記中央部分の隔壁の立設高さよりも低いことを特徴とする。
【0016】
また、前記断面において、前記外側部分の隔壁面積は、前記周辺回路領域に近づくに従って小さくなることを特徴とする。あるいは、前記外側部分は、前記周辺回路領域に沿って延伸し、その幅が、1μm以上、100μm以下の範囲であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の平面図である。
【図2】図1のA部の拡大図であり、(a)はマイクロレンズを取り外した状態での平面図であり、(b)は断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係る固体撮像装置において図1のA部に相当する部分の拡大図であり、(a)はマイクロレンズを取り外した状態での平面図であり、(b)は断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る固体撮像装置の1画素部を拡大した図である。
【図8】変形例1に係る固体撮像装置の断面図である。
【図9】変形例2に係る固体撮像装置の断面図である。
【図10】変形例3に係る固体撮像装置の断面図である。
【図11】特許文献1に記載の固体撮像装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る固体撮像装置およびその製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態では、本発明で使用している、材料、数値は好ましい例を例示しているだけであり、この形態に限定されることはない。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施の形態との組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
<第1の実施の形態>
本実施の形態に係る固体撮像装置1は、半導体基板21と、半導体基板21上に形成され、画素領域3に相当する上面が周辺回路領域5に相当する上面より低い下地層である配線層25と、下地層である配線層25の画素領域3に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタ27と、各カラーフィルタ27間に配された隔壁29とを備え、下地層である配線層25における画素領域3に相当する上面に対して直交する断面において、周辺回路領域5に接する外側部分である無効画素領域9に配されている隔壁29の占有面積が、画素領域3の中央部分である有効画素領域11に配されている隔壁29の占有面積よりも小さい。
1.全体構成
図1は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置1の平面図である。
【0019】
固体撮像装置1は、図1に示すように、平面視形状が例えば四角形状(ここでは、長方形状である。)をしている。固体撮像装置1は、その中央に画素領域3を、画素領域3の周辺に周辺回路領域5をそれぞれ有する。
【0020】
なお、ここでは、周辺回路領域5は、四角形状の画素領域3の全周に添ってその外側に存在しているが、画素領域3の周辺の一部の範囲に設けられても良い。
画素領域3には複数の画素部7が2次元状に形成されている。画素領域3には、その外周部分の無効画素領域9と、無効画素領域9の内側部分の有効画素領域11とがある。
【0021】
周辺回路領域5は、画素領域3、特に有効画素領域11内の画素部7からの画素信号を外部装置に出力したり、画素領域3内の画素部7に給電したりするための回路を備える。
ここでは、複数の画素部7は画素領域3内を行列状に形成されている。
【0022】
図2は、図1のA部の拡大図であり、(a)はマイクロレンズ31を取り外した状態での平面図であり、(b)は断面図である。なお、断面は、フィルタ27等が形成されている面に直交する断面である。
【0023】
半導体基板21は、画素領域3の各画素部7に対応して受光部23を2次元状に有している。半導体基板21上には配線層25が形成されている。配線層25は、後述するが、多層構造をしている。配線層25は、画素領域3では2層構造をし、周辺回路領域5では3層構造をしている。
【0024】
配線層25上の画素領域3においては、各画素部7に対応して複数のカラーフィルタ27が形成され、各カラーフィルタ27間に対応して隔壁29が形成されている。カラーフィルタ27と隔壁29上には、同図の(b)に示すように、各画素部7に対応してマイクロレンズ31が形成されている。
【0025】
配線層25上の周辺回路領域5においては、層間絶縁膜33が形成されている。層間絶縁膜33上には、周辺回路の構成要素が形成されている。層間絶縁膜33におけるパッド配線35が形成されていない領域上およびパッド配線35上には保護膜37が形成されている。ここでは、構成要素はパッド配線35である。
2.各構成
(1)半導体基板
半導体基板21は、例えばシリコン基板が利用され、各画素部7に対応して受光部23であるフォトダイオードPDが形成されている。固体撮像装置1が、所謂、CMOSタイプである場合、さらに、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ等を有する。
【0026】
なお、画素部7が所謂n画素1セル構造(nは、自然数である。)である場合、各画素部7は、n個のフォトダイオードPDと、n個の転送トランジスタと、1個のリセットトランジスタと1個の増幅トランジスタを有する。
【0027】
フォトダイオードPDは受けた光に応じて光電変換により電荷を蓄積する。転送トランジスタはフォトダイオードPDに蓄えられた電荷を転送制御信号に応じて電荷蓄積部(フローティングディフュージョン)に転送する。リセットトランジスタはリセット信号に応じて電荷蓄積部を初期化する。増幅トランジスタは電荷蓄積部に蓄積された電荷のレベルに応じた信号を出力する。
(2)配線層
配線層25は、各画素部7と周辺回路(図示省略)とを電気的に接続する配線等が配されている。画素領域3の配線層25は第1層25aと第2層25bとの2層構造であり、周辺回路領域5の配線層25は第1層25aと第2層25bと第3層25cとの3層構造である。
【0028】
なお、半導体基板21に近い層が第1層25aである。また、言うまでもなく、配線層は1層でも良く、また、画素領域3と周辺回路領域5とで同じ層数であっても良い。
各層25a,25b,25cは、例えば、絶縁膜32と、絶縁膜32内の配線34とを備え、必要がある場合には配線34用の拡散防止膜を備える。なお、配線34は金属配線である。このため、配線34は、フォトダイオードPDへの入射光を遮断しないように、隣接するフォトダイオードPD間に形成されている。
(3)カラーフィルタ
カラーフィルタ27は、フォトダイオードPDへの入射光を波長により選択する。カラーフィルタ27は、島状(各画素部に対応して個別に形成された状態である。)に形成されている。
(4)隔壁
隔壁29は、マイクロレンズ31やカラーフィルタ27から入射した光が、隣の画素部7に入射するのを防止する。
【0029】
隔壁29は、平面視において、カラーフィルタ27に相当する部分が開口する格子状(網の目状)をしている。但し、後述するが、隔壁29の断面における幅が有効画素領域11と無効画素領域9とで異なるため、場所によって開口の大きさが異なる格子状をしている。なお、図2の(b)の断面図では、各隔壁29は独立したように見える。
【0030】
隔壁29の断面形状は、ここでは、全体として長方形状をしている。有効画素領域11における隔壁29の幅は、図2に示すように、無効画素領域9における隔壁29の幅よりも大きくなっている。
【0031】
つまり、横断面において、無効画素領域9の隔壁29の占有面積が、有効画素領域11の隔壁29の占有面積を小さくなっている。
隔壁29は、カラーフィルタ27を構成する材料よりも屈折率が低い材料で構成されている。このため、カラーフィルタ27内を斜め方向に進行する光は、隔壁29の表面に達した際に反射する。
(5)マイクロレンズ
マイクロレンズ31は、上方から入射する光を対応する画素部7のフォトダイオードPDに集光させるものである。
【0032】
マイクロレンズ31は、ここでは、半導体基板21から離れる方向に突出する凸レンズである。ここでは、マイクロレンズ31は、フォトダイオードPD上に配されたレンズ部と、各レンズ部を隔壁29上で連結する連結部とを有する一体品となっている。なお、マイクロレンズは、少なくとも、集光機能を有する部分(レンズ部)がフォトダイオードPD上に形成されていれば良く、レンズ部が孤立した構成であっても良い。
3.実施例
(1)半導体基板および配線層
半導体基板21および配線層25は従来と同じ構成であり、簡単に説明する。
【0033】
半導体基板21には、例えばシリコン基板が利用される。配線層25は、絶縁膜32として、例えば絶縁材料である酸化シリコンを利用することができる。配線34として、例えばアルミニウム線を利用することができる。
【0034】
配線層25における画素領域3の表面と周辺回路領域5の表面との段差は、100[nm]〜400[μm]である。
なお、半導体基板21に形成されている複数のフォトダイオードPDは、その間隔が1.8[μm]以下であり、セルサイズが1.4[μm]である。また、無効画素領域9は、有効画素領域11の外周に、少なくとも1つ画素部7が形成されておれば良く、ここでは10個の画素部7が形成されている。つまり、無効画素領域9の幅、換言すると、有効画素領域11と周辺回路領域5との距離は、15[μm]〜20[μm]である。
(2)層間絶縁膜、パッド配線、保護膜
層間絶縁膜33は、例えばシリコン酸化膜であり、その膜厚は、50[nm]〜400[nm]である。パッド配線35は、例えばアルミニウム線であり、その膜厚は、200[nm]〜800[nm]である。保護膜37は、例えばシリコン酸化膜であり、その膜厚は400[nm]〜1100[nm]である。
【0035】
なお、保護膜37の表面と、配線層25における画素領域3の表面との段差は、750[nm]〜2700[nm]であり、本実施の形態では、層間絶縁膜33が形成されていることから段差が大きく、2000[nm]である。
(3)カラーフィルタ
カラーフィルタ27は、ここでは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類あり、例えば、ベイヤー配列されている。各色用のカラーフィルタ27は、例えば各色用の顔料がアクリル樹脂材料に混入されてなる。この場合のカラーフィルタ27の屈折率は、1.5〜1.7である。カラーフィルタ27の膜厚は300[nm]〜1000[nm]である。
(4)隔壁
隔壁29は、例えば酸化シリカを含有するアクリル樹脂を利用している。隔壁29としての高さは300[nm]〜1000[nm]で、幅は50[nm]〜500[nm]である。アクリル樹脂を利用した場合、屈折率は、1.5以下である。
【0036】
詳細に説明すると、隔壁29の高さは、800[nm]であり、画素領域3のすべての範囲で同じである。隔壁29の幅は、有効画素領域11における幅が200[nm]〜250[nm]であり、無効画素領域9の幅が50[nm]〜200[nm]であり、有効画素領域11の隔壁29の方が無効画素領域9の隔壁29より大きくなっている。
(5)効果
画素領域3内の隔壁29の幅の相違より、後述の理由により、カラーフィルタ27の膜厚を均一にできる効果が得られる。
【0037】
具体的に説明すると、画素領域内の隔壁の幅(占有面積)を一定にした場合、有効画素領域(11)と周辺回路領域(5)の間の無効画素領域(9)の画素部(7)が100個より多くなると、配線層(25)における画素領域(3)と周辺回路領域(5)との段差の影響によるカラーフィルタ(27)の膜厚のムラは無くなる(均一な膜厚が得られる。)。
【0038】
これに対して、無効画素領域9内の隔壁29の幅(占有面積)を有効画素領域11内の隔壁29の幅(占有面積)よりも小さくした場合、有効画素領域11と周辺回路領域5の間の無効画素領域9の画素部7が10個程度で均一な膜厚のカラーフィルタ27が得られる。
4.製造方法
図3〜図5は、本実施の形態に係る固体撮像装置1の製造方法を説明する断面図である。なお、ここでの説明は、上記の実施例で説明した固体撮像装置1の製造方法に関するものであり、本発明の製造方法の一例である。
(a)図3の(a)に示すように、シリコン基板等に複数のフォトダイオードPD等を形成してなる半導体基板21の上面に配線層25を積層(形成)し、その後、層間絶縁膜33、パッド配線35、保護膜37を形成する。
【0039】
なお、層間絶縁膜33、パッド配線35および保護膜37は、例えば、層間絶縁膜33用の絶縁膜、パッド配線35用の金属膜を形成した後、パッド配線35に対応した金属膜、層間絶縁膜33に対応した絶縁膜をエッチング等により除去した後、保護膜37用の絶縁膜を形成した後、保護膜37に対応した絶縁膜をエッチング等により除去することで得られる。
(b)図3の(b)に示すように、配線層25上の画素領域3には隔壁29の材料である酸化シリカが混入されたアクリル樹脂の媒質を有する隔壁成形用材料51を塗布する。隔壁成形用材料51の塗布は、例えば回転塗布(スピンコート)により行われる。なお、アクリル樹脂は、アルカリ現象により溶解するポジ型感光性樹脂である。
(c)図3の(c)に示すように、配線層25上に塗布された隔壁成形用材料51に対して、隔壁(29)に相当する部分以外が開口するマスク(ネガフィルム)53を設けた状態で露光・現像を行う。これにより、図4の(a)に示すように、マスクの開口に対応した部分の隔壁成形用材料51を除去することで、隔壁29が形成される。
(d)図4の(b)に示すように、カラーフィルタ用の顔料入りアクリル樹脂(フィルタ成形用材料ともいう。)55を配線層25の画素領域3および保護膜37の上面に塗布する。なお、顔料は各色に対応したものである。
【0040】
この際、保護膜37の上面、つまり、周辺回路領域5の上面の方が、配線層25の画素領域3よりも高くなっているため、保護膜37上のアクリル樹脂55が配線層25の画素領域3上に流れ込み、アクリル樹脂55の表面が周辺回路領域5から画素領域3にかけて傾斜する。
【0041】
画素領域3における周辺回路領域5に近い領域、つまり、配線層25の無効画素領域9に形成されている隔壁29は、配線層25の有効画素領域11に形成されている隔壁29よりも幅が小さくなっている。
【0042】
このため、無効画素領域9では、配線層25上の画素領域3の全範囲に有効画素領域11の隔壁29の幅と同じ隔壁を形成した場合よりも、アクリル樹脂55を貯留できる空間が大きくなる。
【0043】
これにより、無効画素領域9における周辺回路領域5に近い領域では、無効画素領域9の隔壁29が小さくなった分、より多くのアクリル樹脂55を貯留することができる。より多くのアクリル樹脂55が貯留可能となることで、アクリル樹脂55の厚くなっていた余分な樹脂が隔壁29間に貯留される。したがって、無効画素領域9における周辺回路領域5に近い領域からアクリル樹脂55の膜厚を一定にすることができる。
(e)図5の(a)に示すように、各色に合わせて塗布されたアクリル樹脂55を所定の隔壁29間に配置する(形成する)。具体的には、各色の対応する位置以外が開口するマスクを用いて、露光・現像を行うことで実施できる(図示等省略)。
(f)図5の(b)に示すように、最後に、カラーフィルタ27および隔壁29の上面にマイクロレンズ31を形成する。これにより、上記実施例で説明した固体撮像装置1を製造することができる。
【0044】
マイクロレンズ31は、レンズ成形用材料を塗布し、露光、現像により画素部ごとに成形する。レンズは150[℃]以上300[℃]以下の加熱により球面を形成している。なお、球面は、グレースケールマスクを用いた露光やエッチングバック技術を用いても形成することができる。
5.その他
本実施の形態では、隔壁29に感光性を有する樹脂により形成していたが、例えば、感光性を有しない、所謂、非感光性材料を用いて形成する場合には、例えば、ドライエッチング等により所定の形状・大きさに形成することができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、隔壁29を樹脂材料(55)により構成し、さらに、隔壁29は、有効画素領域11と無効画素領域9とで横断面での幅が異なっている。
【0045】
しかしながら、隔壁の材料は樹脂材料に限定するものでなく、他の材料、例えば無機材料を利用しても良い。さらに、隔壁は、少なくとも有効領域に形成されておれば良く、無効画素領域の隔壁は、カラーフィルタの形成時に、画素領域と周辺回路領域との間の段差に起因したフィルタ形成用樹脂のフローによる膜厚ムラを抑制できれば良く、必ずしも必要ではない。
【0046】
第2の実施の形態に係る固体撮像装置101は、半導体基板21と、半導体基板21上に形成され、画素領域3に相当する上面が周辺回路領域5に相当する上面より低い下地層である配線層25と、下地層である配線層25の画素領域3に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタ103と、周辺回路領域5に接する外側部分である無効画素領域9を除いた中央部分である有効画素領域に存する各カラーフィルタ103間に配された隔壁105とを備える。
【0047】
第2の実施の形態では、隔壁105を無機材料により構成し、無効画素領域9に隔壁を形成していない固体撮像装置101について説明する。
図6は、第2の実施の形態に係る固体撮像装置101において図1のA部に相当する部分の拡大図であり、(a)はマイクロレンズを取り外した状態での平面図であり、(b)は断面図である。
【0048】
固体撮像装置101は、第1の実施の形態と同様に、画素領域3と周辺回路領域5とを有し、画素領域3には有効画素領域11と無効画素領域9とがある。
固体撮像装置101は、第1の実施の形態と同様の半導体基板21と、半導体基板の上面に形成された配線層25を有している。
【0049】
配線層25の有効画素領域11には、隔壁105が形成されている。隔壁105の形状・寸法は、第1の実施の形態で説明した有効画素領域11に形成された隔壁29と同じである。なお、第2の実施の形態では、上述したように、無効画素領域9には隔壁は形成されていない。
【0050】
隔壁105は、無機材料により構成され、例えば、酸化ケイ素を含む無機材料により形成されている。隔壁105は、配線層25上の画素領域3にシリコン酸化膜を略全面に形成し、隔壁に対応する部分以外をエッチングすることで得ることができる。
【0051】
より具体的に説明すると、TEOS(テオス:Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料としたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法にて堆積したシリコン酸化膜(テオス膜)である。その後、シリコン酸化膜上にリソグラフィ技術にて隔壁105に対応したレジストパターンを形成し、例えばプラズマエッチングなどにより隔壁105以外の部分を除去し、これにより隔壁105が形成される。
【0052】
カラーフィルタ103は、有効画素領域11においては第1の実施の形態と同様に、半導体基板21の受光部23に対応して受光部23上であって隔壁105間に形成されている。なお、無効画素領域9の全体にカラーフィルタと同じ材料の膜が形成されている。
【0053】
カラーフィルタ103は、第1の実施の形態と同様に、顔料が混入されたアクリル樹脂を利用し、第1の実施の形態で説明した方法で形成される。なお、カラーフィルタ103および隔壁105上には、第1の実施の形態と同様に、マイクロレンズ31が形成されている。
【0054】
第2の実施の形態においても、無効画素領域9では、配線層25上の画素領域3の全範囲に有効画素領域11の隔壁29の幅が同じ隔壁を形成した場合よりも、フィルタ成形用材料(例えばアクリル樹脂である。)を貯留できる空間が大きくなる。
【0055】
これにより、無効画素領域9における周辺回路領域5に近い領域では、無効画素領域9の隔壁105がない分、より多くのフィルタ成形用材料を貯留することができ、無効画素領域9における周辺回路領域5に近い領域からカラーフィルタ103の膜厚を均一にすることができる。
<第3の実施の形態>
第1および第2の実施の形態では、半導体基板21の受光部23の上方には配線層25が配されていたが、マイクロレンズに入射した光のフォトダイオードへの光伝播効率を高めるために、配線層におけるフォトダイオードの上方に位置する部分に、配線層の層間絶縁膜よりも高屈折率の材料からなるコア部を持つ光導波路を備えた構成としても良い。
【0056】
以下、光導波路を備えた固体撮像装置201を第3の実施の形態として説明する。
図7は、第3の実施の形態に係る固体撮像装置201の1画素部を拡大した図である。
固体撮像装置201は、半導体基板21上に配線層203を有する。配線層203は、画素領域3において第1層203aと第2層203bとを有する2層構造を有し、各層203a,203bは、絶縁膜205、配線207、拡散防止膜209を備える。
【0057】
ここでは、配線207として銅線を利用しており、拡散防止膜209は銅線から銅原子が絶縁膜205等へ拡散するのを防止する。
配線層203におけるフォトダイオードPD上には導波路用の凹部211が形成されている。
【0058】
なお、配線層203は、凹部211の底に相当する部分に凹部211の形成時の基準となる膜(213)が形成されている。具体的には、凹部211をエッチングにより形成する際のエッチングを規制するエッチングストップ膜213が形成されている。
【0059】
配線層203の凹部211内には、絶縁層215が形成されている。絶縁層215は、層構造を有している。具体的には、配線層203の表面および凹部211を構成する底面と側面を覆うように形成された第1絶縁膜217と、凹部211内の第1絶縁膜217の上面に形成された第2絶縁膜219と、第1および第2絶縁膜217,219が形成された凹部211内に配された第3絶縁部221とを有する。
【0060】
第1絶縁膜217、第2絶縁膜219および第3絶縁部221における屈折率は、第1絶縁膜217よりも第2絶縁膜219の方が低く、第2絶縁膜219よりも第3絶縁部221の方が高くなっている。
【0061】
これにより、第3絶縁部221から第2絶縁膜219に入射した光は、第1絶縁膜217と第2絶縁膜219の屈折率の関係で、第1絶縁膜217内を伝わり、フォトダイオードPD側で出射される。
【0062】
フォトダイオードPD上に配されたカラーフィルタ225は、上面227が半導体基板21側に凹入し、下面229がマイクロレンズ231側に凹入している。つまり、カラーフィルタ225は、凹レンズ状をしている。これにより、マイクロレンズ231により屈折された光がよりフォトダイオードPDに向かって進行するように、カラーフィルタ225で屈折される。
【0063】
なお、第3絶縁部221はカラーフィルタ225の下面229の凸状に沿って、マイクロレンズ31側に突出する形状をしている。また、カラーフィルタ225の上面227には平坦化を目的とする平坦化膜233が形成されている。
【0064】
隔壁235は、同図に示すように、横断面形状においてマイクロレンズ231側の幅が半導体基板21側の幅よりも小さい台形状をしている。つまり、半導体基板21側からマイクロレンズ231側に移るに従って幅が狭くなる台形状をしている。
【0065】
隔壁235は、例えば、多層構造、ここでは、2層構造をしている。つまり、半導体基板21に近い下層部237と、マイクロレンズ231に近い上層部239とを有する。上層部239の屈折率は、下層部237の屈折率よりも高くなっている。
【0066】
隔壁235は、上述したように、第1の実施の形態で説明したように、カラーフィルタ225の屈折率よりも低くなっており、カラーフィルタ225から隔壁235に光が入射するのを抑制しているが、光の入射を完全に抑制することはできない。つまり、隔壁235内に侵入し、隔壁235の上部から下部へと進行する光が存在する。
【0067】
隔壁235内を上部から下部へと進む光、つまり、上層部239内を下層部237に向かって進行する光は、下層部237と上層部239との界面241でマイクロレンズ231側へと光を反射させ、隔壁235を通過して隣の画素部へ光が入射するのを抑制することができる。
【0068】
界面241は、半導体基板21の主面(配線層側の面である。)に沿って形成されているが、上層部239から下層部237へと光の入射を抑制することができれば良い。つまり、界面241は、半導体基板21の主面と平行、もしくは、周面に対して±5(度)程度傾斜していても良い。
【0069】
なお、界面241は、下層部237と上層部239とで材料が異なる場合は両者の間に形成される。また、下層部237と上層部239とが同じ材料であっても、例えば、下層部237の上面(上層部239側の面)をプラズマエッチング等により改質することで改質した層と上層部との間に形成される。
【0070】
隔壁235とカラーフィルタ225、絶縁層215の第3絶縁部221とカラーフィルタ225との間には、両者の密着性を向上させるための密着層243が形成されている。特に、隔壁235と絶縁層215(特に第3絶縁部221)とが無機材料で構成され、カラーフィルタ225を無機材料との結合力が低い有機材料で構成した場合、無機材料と有機材料との結合力が低く、無機材料との結合力が高い有機材料を用いることで、隔壁235とカラーフィルタ225や絶縁層215とカラーフィルタ225との結合力を高めることかできる。密着層243は、具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等がある。
【0071】
また、カラーフィルタ225は、隔壁235の上面において、隣接する他のカラーフィルタ(225)と間隔をおいて隔壁235の上面にまで張り出しており(張出部245)、カラーフィルタ225と隔壁235との結合面積を広くしている。
<変形例>
上記第1から第3の実施の形態では、代表的な形態について説明したが、本発明は上記構成に限定されることはなく、例えば以下のような形態でもあっても良い。
1.配線層
実施の形態における配線層は、画素領域では2層であり、周辺回路領域では3層であったが、半導体基板のサイズ、1画素のサイズ等により適宜決定しても良い。つまり、配線するスペースに余裕がある場合は、画素領域および周辺回路領域を2層構造にしても良い(但し、この場合、画素領域と周辺回路領域との段差が小さくなり、カラーフィルタの膜厚ムラは小さくなる。)。1画素のサイズが小さく画素間に配線スペースがない場合は、画素領域を3層以上の多層構造としても良い。なお、配線層の材料等は、実施の形態で説明した以外の材料を用いても良い。
2.層間絶縁膜および保護膜
第1の実施の形態では、層間絶縁膜および保護膜は同じ材料、つまり、シリコン酸化膜で構成していたが、それぞれ別の材料で構成しても良い。例えば、層間絶縁膜をシリコン酸化膜、保護膜をシリコン酸窒化膜でそれぞれ構成しても良いし、層間絶縁膜をシリコン酸窒化膜、保護膜をシリコン酸化膜でそれぞれ構成しても良い。
【0072】
第3の実施の形態で説明した隔壁235では、下層部237と上層部239との2層構造としている。この際、下部層を層間絶縁膜と同じ材料で、上部層を保護膜と同じ材料でそれぞれ構成することにより、層間絶縁膜および保護膜の成形を利用して隔壁のベースとなる2層構造を成形することができる。
3.隔壁
(1)材料
第1の実施の形態では、隔壁を構成する有機材料として、感光性樹脂であるアクリル樹脂を利用したが、他の有機材料により構成しても良い。他の有機材料は、例えば、酸化シリカ、フッ素を含有した有機高分子樹脂でも良く、高分子樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂等がある。なお、これらの材料の屈折率が1.5より低い。
【0073】
第2の実施の形態では、隔壁を構成する無機材料として、酸化ケイ素(酸化シリコン膜)を利用したが、他の無機材料に構成しても良い。他の無機材料は、例えば、窒化ケイ素(窒化シリコン膜)、酸窒化ケイ素(酸窒化シリコン膜)等がある。
【0074】
但し、カラーフィルタ側からの光を受光部側に反射させる本来の機能を有する必要があり、カラーフィルタの屈折率よりも低い材料を用いることが好ましい。カラーフィルタの屈折率を考慮すると、隔壁の屈折率は1.6以下が好ましく、さらには、1.5以下がより好ましい。
(2)層数
第1および第2の実施の形態では、隔壁29,105は単層構造であり、第3の実施の形態では、隔壁235は下層部237と上層部239との2層構造(下層部237の上面を改質する場合は、全体で3層構造ともいえる。)であったが、隔壁は3層以上の構成としても良い。例えば、下層部、中層部、上層部の3層構造とし、中層部を反射層としても良い。また、下層部から上層部に移るに従って屈折率が高くなるようにしても良い。逆に、下層部から上層部に移るに従って屈折率が低くなるようにし、その中間層で反射面(反射層)を設けるようにしても良い。
(3)形状
第1および第2の実施の形態では、隔壁の横断面形状が長方形状をし、第3の実施の形態では台形状をしていたが、隔壁の横断面形状は他の形状であっても良い。他の断面形状としては、三角形状、長円を半分にした形状等がある。
【0075】
さらに、隔壁を平面視したときに格子状をし、正方形状の開口にカラーフィルタが形成されていたが、開口は正方形状以外の形状、例えば、長方形状、円形状、楕円形状、多角形状等であっても良い。また、開口の平面形状が、長方形状、多角形をしている場合、角部を丸くしても良い。
(4)大きさ
第1の実施の形態における無効画素領域9の隔壁29は、横断面形状が同じ形状であり、また、同じ大きさであった。しかしながら、無効画素領域の隔壁は、横断面において、占有面積が有効画素領域の隔壁の占有面積よりも小さければ良く、その形状・大きさが同じである必要はない。
【0076】
以下、形状・大きさが異なる隔壁を備える固体撮像装置301,351を変形例1,2としてそれぞれ説明する。
図8は、変形例1に係る固体撮像装置301の断面図であり、図9は、変形例2に係る固体撮像装置351の断面図である。
【0077】
なお、変形例1に係る固体撮像装置301と変形例2に係る固体撮像装置351において、第1の実施の形態に係る固体撮像装置1、第2の実施の形態に係る固体撮像装置101、第3の実施の形態に係る固体撮像装置201のそれぞれについて説明した構成と同じ符号を用いて説明している場合は、変形例に係る構成は、第1〜第3の実施の形態で説明した同じ符号の構成と同じである。
【0078】
固体撮像装置301は、半導体基板21、配線層25を備える。画素領域3では、さらに、カラーフィルタ303、隔壁305、マイクロレンズ307を有し、周辺回路領域5では、実施の形態と同様に、層間絶縁膜33、パッド配線35、保護膜37を有する。
【0079】
配線層25における無効画素領域9の一部に遮光膜309が形成された領域、所謂オプティカルブラック領域を有する。このオプティカルブラック領域は、黒基準信号を検出するためのものである。
【0080】
カラーフィルタ303は、フォトダイオードPDに対応してそれぞれ形成されており、各カラーフィルタ303間に隔壁305が形成されている。各カラーフィルタ303および隔壁305にはマイクロレンズ307が形成されている。
【0081】
有効画素領域11の隔壁305は、その横断面形状および大きさが同じである。無効画素領域9の隔壁305は、有効画素領域11の隔壁よりも占有面積が小さい。つまり、隔壁305の断面形状は、両領域9,11とも長方形状としては同じであるが、無効画素領域9の隔壁305の幅が有効画素領域11の隔壁305の幅よりも小さな長方形状をしている。
【0082】
無効画素領域9の隔壁305は、周辺回路領域5に近づくに従って、隔壁の幅が小さくなる。つまり、カラーフィルタ303を成形するためのフィルタ成形用材料の貯留する空間が周辺回路領域5に近づくに従って大きくなっている。
【0083】
固体撮像装置351は、半導体基板353、配線層355を備える。画素領域3では、さらに、カラーフィルタ357、隔壁359、マイクロレンズ361を有し、周辺回路領域5では、実施の形態と同様に、層間絶縁膜33、パッド配線35、保護膜37を有する。
【0084】
半導体基板353は、有効画素領域11と、無効画素領域9における有効画素領域11側の領域とに複数の受光部(フォトダイオードPD)を有している。配線層355は、半導体基板353に形成された各フォトダイオードPD間に配線363を絶縁膜365内に有する。なお、本変形例2においても、配線層355は多層構造をしている。
【0085】
カラーフィルタ357は、半導体基板353上であってフォトダイオードPD上に形成され、また無効画素領域9のフォトダイオードPDのない領域では、有効画素領域11でのカラーフィルタ357が形成されているピッチと同じピッチで同じ材料でダミーフィルタ367が形成されている。
【0086】
各カラーフィルタ357間には隔壁359が形成され、各ダミーフィルタ367間にはダミー隔壁369が形成されている。
各カラーフィルタ357と隔壁359上にはマイクロレンズ361が、ダミーフィルタ367とダミー隔壁369上にはダミーのマイクロレンズ371が形成されている。なお、ダミーのマイクロレンズ371は、マイクロレンズ361と同じ大きさ・材料・工程で形成される。
【0087】
有効画素領域11の隔壁359は、その横断面形状および大きさが同じである。無効画素領域9の隔壁359およびダミー隔壁369は、有効画素領域11の隔壁359よりも占有面積が小さい。つまり、隔壁359とダミー隔壁369との断面形状は、両領域9,11とも長方形状としては同じであるが、無効画素領域9の隔壁359の高さが有効画素領域11の隔壁305の高さよりも低い長方形状をしている。
【0088】
無効画素領域9の隔壁359およびダミー隔壁369は、周辺回路領域5に近づくに従って、高さが小さくなる。つまり、カラーフィルタ357およびダミーフィルタ367を成形するためのフィルタ成形用材料の貯留する空間が周辺回路領域5に近づくに従って大きくなっている。
(5)ピッチ
各実施の形態および上記の変形例では、隣接する隔壁のピッチは同じであったが、例えば、周辺回路領域5に近づくに従って隔壁のピッチを大きくしても良い。このようにしても、カラーフィルタを成形するためのフィルタ成形用材料の貯留する空間が周辺回路領域5に近づくに従って大きくできる。
(6)その他
図10は、変形例3に係る固体撮像装置401の断面図である。
【0089】
本変形例3に係る固体撮像装置401において、第1〜第3の実施の形態に係る固体撮像装置1,101,201、変形例1,2固体撮像装置301,351のそれぞれについて説明した構成と同じ符号を用いて説明している場合は、変形例3に係る構成は、第1〜第3の実施の形態や変形例1,2で説明した同じ符号の構成と同じである。
【0090】
固体撮像装置401は、半導体基板21、配線層25を備える。画素領域3では、さらに、カラーフィルタ27,403、隔壁29,405、マイクロレンズ31を有し、周辺回路領域5では、実施の形態と同様に、層間絶縁膜33、パッド配線35、保護膜37を有する。
【0091】
図10では、有効画素領域11を省略しているが、有効画素領域11におけるカラーフィルタ、隔壁は、第1の実施の形態のカラーフィルタ27、隔壁29と同じ構成である。つまり、無効画素領域9におけるカラーフィルタ403および隔壁405が異なる。
【0092】
無効画素領域9において有効画素領域に近い領域9aでは、有効画素領域11と同じカラーフィルタ27、隔壁29を有する。無効画素領域9において周辺回路領域5に近い領域9bでは、第2の実施の形態で説明したように、隔壁が形成されておらず、カラーフィルタ403だけが形成されている。これにより、周辺回路領域5に近いカラーフィルタ27の膜厚ムラを抑制することができる。
【0093】
無効画素領域9における中央の領域9cでは、複数の画素部、ここでは2個の画素部に跨って隔壁405(この隔壁405は、有効画素領域11の隔壁よりも横断面の面積が大きければ良い。)が形成されている。これは、周辺回路領域5に近いカラーフィルタ27の膜厚ムラは、周辺回路領域5に近い領域9bでの隔壁をなくすることでフィルタ用成形材料を多く貯留することで抑制している。このため、周辺回路領域5に近い領域9bではフィルタ用成形材料をより多く使用することとなる。
【0094】
しかしながら、複数の画素部に跨って隔壁405を形成することで、この領域9cのフィルタ用成形材料の使用量を少なくすることができ、結果的に、カラーフィルタの膜厚ムラを抑制でき、さらに、フィルタ用成形材料の使用量も抑えることができる。
4.画素領域
実施の形態等では、画素部が2次元配置、例えば、行列状に配置されている。無効画素領域の幅等について詳細に説明していなかったが、無効画素領域の幅は、行方向、列方向とも同じであっても良いし、行方向・列方向のどちらかが長くでも良い。
【0095】
例えば、平面視における画素領域が四角形状をしている場合、各辺に対応する無効画素領域の幅がすべて同じでも良いし、すべて異なっても良いし、列方向に沿う辺に対応した無効画素領域同士が同じであっても良いし、ある角を挟む2辺に対応する無効画素領域同士が同じであっても良い。
【0096】
なお、半導体基板上に受光部が形成されていても、当該受光部からの画素信号が画像情報と使用されない場合は、当該受光部は無効画素領域内にある。また、画像信号等の補正のための信号、例えば、黒基準信号を検出する受光部も無効画素領域にあるものとする。つまり、無効画素領域とは、画像として出力または出力のための演算処理に関わらない受光部が存在する領域である。
5.固体撮像装置
実施の形態では、所謂CMOSタイプであったが、CCDタイプでも良いし、さらには、光電変換膜を上部・下部電極で挟むようにして受光部を構成したものであっても良い。
6.その他
(1)下地層
本発明に係る下地層は、カラーフィルタおよび隔壁を形成している、カラーフィルタおよび隔壁の下地に存する層をいい、実施の形態等で説明した配線層25、絶縁層215が相当する。
【0097】
しかしながら、配線層の上層に平坦化膜(層)が形成され、当該平坦化膜(層)上にカラーフィルタおよび隔壁が形成されている場合は、当該平坦膜(層)が下地層に該当する。配線層の上層に他の層が形成され、当該層上にカラーフィルタおよび隔壁が形成されている場合は、当該層が下地層に該当する。
【0098】
なお、下地層には、第1の実施の形態で説明した、層間絶縁膜33、パッド配線35および保護層37が含まれるものとしても良いし、含まれないものとしても良い。つまり、カラーフィルタを形成する際に、カラーフィルム用の成形材料が周辺回路領域から画素領域に向かって傾斜するような構成であれば、下地層における周辺回路領域の構造は問わない。
(2)画素領域
本発明に係る画素領域は、必ずしも領域内すべての範囲に受光部を有する必要はない。画素領域のすべての範囲に受光部が形成されている一例が第1の実施の形態である。また、画素領域のすべての範囲に受光部が形成されていない一例が変形例2である。
【0099】
さらに、画素領域内のすべての受光部からの画像信号は、すべて画像を形成するための映像情報として使用される必要はない。画像情報として使用されない一例が変形例1である。
(3)占有面積
本発明に係る占有面積は、隔壁を含んだ所定の範囲の面積における当該隔壁の面積をいう。所定の範囲は、外側部分の隔壁の面積が一定の場合(この一例が第1の実施の形態である。)は、少なくとも隔壁が1個含まれる領域であれば良い。
【0100】
所定の範囲は、外側部分の隔壁の面積が一定でない場合(この例が変形例1および変形例2である。)は、外側部分に相当する領域であっても良いし、外側部分に配されている隔壁のうち、最も面積が小さい隔壁が1個含まれる領域であっても良い。
【0101】
但し、1個の隔壁の面積が同じであり、外側部分の隔壁のピッチが中央部分の各壁のピッチより大きい場合は、外側部分の隔壁であってピッチの異なっている少なくとも2個の隔壁を含む領域である必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、カラーフィルタ間に設けられた隔壁を有する固体撮像装置において、カラーフィルタの厚みムラを防止するのに広く利用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 固体撮像装置
3 画素領域
5 周辺回路領域
21 半導体基板
23 受光部
25 配線層
27 カラーフィルタ
29 隔壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い下地層と、
前記下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと、
前記各カラーフィルタ間に配された隔壁と
を備え、
前記下地層における前記画素領域に相当する上面に対して直交する断面において、前記周辺回路領域に接する外側部分に配されている隔壁の占有面積が、前記画素領域の中央部分に配されている隔壁の占有面積よりも小さい
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記断面において、前記外側部分の隔壁面積は、前記中央部分の隔壁面積よりも小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記隔壁は、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に立設し、
前記断面において、前記外側部分の隔壁の立設幅は、前記中央部分の隔壁の立設幅よりも狭い
ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記隔壁は、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に立設し、
前記断面において、前記外側部分の隔壁の立設高さは、前記中央部分の隔壁の立設高さよりも低い
ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記断面において、前記外側部分の隔壁面積は、前記周辺回路領域に近づくに従って小さくなる
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い下地層と、
前記下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと、
前記周辺回路領域に接する外側部分を除いた中央部分に存する各カラーフィルタ間に配された隔壁と
を備える
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項7】
前記外側部分は、前記周辺回路領域に沿って延伸し、その幅が、1μm以上、100μm以下の範囲である
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い構成の下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと隔壁とを有する固体撮像装置の製造方法において、
前記下地層における前記画素領域に相当する上面に対して直交する断面において、前記周辺回路領域に接する外側部分に配される隔壁の占有面積が、前記画素領域の中央部分に配される隔壁の占有面積よりも小さい状態に、前記隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記隔壁間にカラーフィルタを形成するフィルタ形成工程と
を含む
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い構成の下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと隔壁とを有する固体撮像装置の製造方法において、
前記周辺回路領域に接する外側部分を除いた中央部分に複数の隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記外側部分と前記中央部分の各隔壁間とにカラーフィルタを形成するフィルタ形成工程とを含む
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い下地層と、
前記下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと、
前記各カラーフィルタ間に配された隔壁と
を備え、
前記下地層における前記画素領域に相当する上面に対して直交する断面において、前記周辺回路領域に接する外側部分に配されている隔壁の占有面積が、前記画素領域の中央部分に配されている隔壁の占有面積よりも小さい
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記断面において、前記外側部分の隔壁面積は、前記中央部分の隔壁面積よりも小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記隔壁は、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に立設し、
前記断面において、前記外側部分の隔壁の立設幅は、前記中央部分の隔壁の立設幅よりも狭い
ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記隔壁は、前記下地層における前記画素領域に相当する上面に立設し、
前記断面において、前記外側部分の隔壁の立設高さは、前記中央部分の隔壁の立設高さよりも低い
ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記断面において、前記外側部分の隔壁面積は、前記周辺回路領域に近づくに従って小さくなる
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い下地層と、
前記下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと、
前記周辺回路領域に接する外側部分を除いた中央部分に存する各カラーフィルタ間に配された隔壁と
を備える
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項7】
前記外側部分は、前記周辺回路領域に沿って延伸し、その幅が、1μm以上、100μm以下の範囲である
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い構成の下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと隔壁とを有する固体撮像装置の製造方法において、
前記下地層における前記画素領域に相当する上面に対して直交する断面において、前記周辺回路領域に接する外側部分に配される隔壁の占有面積が、前記画素領域の中央部分に配される隔壁の占有面積よりも小さい状態に、前記隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記隔壁間にカラーフィルタを形成するフィルタ形成工程と
を含む
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
画素領域に相当する上面が周辺回路領域に相当する上面より低い構成の下地層の前記画素領域に相当する上面に二次元配置された複数のカラーフィルタと隔壁とを有する固体撮像装置の製造方法において、
前記周辺回路領域に接する外側部分を除いた中央部分に複数の隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記外側部分と前記中央部分の各隔壁間とにカラーフィルタを形成するフィルタ形成工程とを含む
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−227474(P2012−227474A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96166(P2011−96166)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【特許番号】特許第4872023号(P4872023)
【特許公報発行日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【特許番号】特許第4872023号(P4872023)
【特許公報発行日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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