説明

固体撮像装置及びその検査方法

【課題】 行方向及び列方向に隣接する画素間のリーク電流を簡単な構成で高精度に検出可能な固体撮像装置及びその検査方法を提供する。
【解決手段】 3または4種類の光電変換画素Eを備える2行2列の単位画素グループEUを行方向及び列方向にマトリクス状に配列してなる固体撮像素子部10と、テストモード時に、第1画素と第1画素に行方向に隣接する第2画素の電圧の差分値を示す第1差分検出信号を出力する第1差分検出信号生成回路A1と、第2画素に第1画素とは反対側に行方向に隣接する第3画素と、第3画素に行方向に隣接する画素の電圧の差分値を示す第2差分検出信号を出力する第2差分検出信号生成回路A2を備える第1差分検出回路60と、第1差分検出信号と第2差分検出信号の差分値を示す第1判定信号を出力する第2差分検出回路70と、第1判定信号を所定の判定基準値と比較して固体撮像素子部10の良否判定を行う判定回路80を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置及びその検査方法、特に、3種類または4種類の光電変換画素を備える2行2列の単位画素グループを、行方向及び列方向にマトリクス状に配列してなる固体撮像素子部を備える固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等、光信号を画素毎に電気信号に変換する固体撮像素子部を備える固体撮像装置では、一般的に、カラーフィルタを用いてカラー画像データを生成している。具体的には、例えば、R(赤)G(緑)B(青)の3原色フィルタや、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)G(緑)4色のフィルタを用いている。特に、3原色フィルタの場合は、一般的に、ベイヤ(Bayer)配列に従ってカラーフィルタを配置している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の一般的な固体撮像装置の構成について、図9を基に簡単に説明する。ここで、図9は、従来の一般的な固体撮像装置の一構成例を示す概略部分ブロック図であり、固体撮像装置300の撮像動作に係る構成を部分的に示している。
【0004】
図9に示すように、従来技術に係る固体撮像装置300は、異なる波長域に感度を有する3種類または4種類の光電変換画素を備える2行2列の単位画素グループEUを、行方向及び列方向にマトリクス状に配列してなる固体撮像素子部10、撮像動作により光電変換画素Eに蓄積された電荷の読み出し処理を行う行を選択する垂直走査回路20、垂直走査回路20及びラインメモリ50の動作タイミングを生成するタイミング発生回路30、固体撮像素子部10から画素毎に出力される電気信号をデジタルデータに変換する変換回路ADC(Analog/Digital Converter)を、固体撮像素子部10の列毎に備えてなるAD変換部40、及び、AD変換部40で変換された画素毎のデジタルデータを該デジタルデータ単位で記憶可能な単位記憶領域を固体撮像素子部10の列毎に備えて構成され、AD変換部40から受け付けたデジタルデータを該デジタルデータ単位で出力するラインメモリ50を備えて構成されている。
【0005】
尚、図9に示す固体撮像装置300は、ここでは、行単位で読み出し処理を行うように構成されており、垂直走査回路20により、読み出し処理の対象となる行が順次選択される。AD変換部40は、垂直走査回路20によって選択された行に配置されている画素から出力される電気信号をデジタルデータに変換する。
【0006】
より具体的には、ここでの固体撮像素子部10は、図9に示すように、m×n個の単位画素グループEUを備えて構成されている。ここで、図9(b)は、R(赤)G(緑)B(青)の3種類の画素を用いて構成された単位画素グループEUにおける各画素の配置例を示している。図9(b)に示す単位画素グループEUは、G(緑)の波長域に感度を有する画素EG1、EG2、R(赤)の波長域に感度を有する画素E、B(青)の波長域に感度を有する画素Eが、ベイヤ(Bayer)配列に従って配置されている。即ち、図9(b)に示すように、画素EG1に列方向及び行方向に隣接して画素E及び画素Eが配置され、画素EG1と斜め方向に隣接して画素EG2が配置されている。
【0007】
光電変換画素Eは、図9(a)に示すように、入射光を光電変換するフォトダイオード、フォトダイオードから出力される電気信号(電荷)を増幅する増幅回路、増幅回路から出力される電気信号の出力可否を制御する出力制御用トランジスタを備えて構成され、R(赤)G(緑)B(青)の3原色フィルタにより、感度を有する波長域が設定される。また、同一行に配置されている画素夫々の出力制御用トランジスタの制御ゲートを互いに接続して行選択線を構成し、同一列に配置されている出力制御用トランジスタのドレインを互いに接続して、電気信号をAD変換部40に出力するためのカラム線を構成している。これにより、垂直走査回路20によって選択された行に配置された画素の電気信号のみがAD変換部40の変換回路ADCに出力される。
【0008】
ところで、従来の固体撮像装置300では、固体撮像素子部10の良否判定のために、例えば、固体撮像素子部10のテストモード時に、固体撮像素子部10に対し白色光を基準とする光学的データ若しくはモノクロパターンの光学的データを与え、固体撮像素子部10から画素毎に出力される電気信号から得られる被検査画像データを読み出し、被検査画像データに対する検査を実施している。
【0009】
固体撮像装置の固体撮像素子部の良否判定に係る技術として、例えば、隣接画素間にリーク電流が発生しているか否かを検出するために、検査対象の固体撮像素子部の画素に対し直接電荷を注入し、固体撮像素子部から被検査画像データを読み出す固体撮像装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
この固体撮像装置では、固体撮像素子部に光学的データを与える撮像動作に代えて、撮像動作より短い時間で実行可能な固体撮像素子部の各画素への直接的な電荷注入を実行するので、被検査画像データの取得に係る時間を短縮できる。
【0011】
【特許文献1】特開平11−177994号公報
【特許文献2】特開2006−128244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
固体撮像装置の製造工程中の検査工程では、固体撮像素子部において、行方向または列方向に隣接する隣接画素間にリーク電流が発生しているか否かを判定し、リーク電流が発生している場合には、不良であると判定する。リーク電流の発生の有無は、隣接画素間の電圧差を求め解析することで検出可能になる。
【0013】
しかしながら、図9に示す従来の固体撮像装置300における固体撮像素子部10の良否判定は、上述したように、一般的に、テスタが、固体撮像装置300に白色光を基準とする光学的データ等を撮像させて被検査画像データを取得し、取得した被検査画像データに対し画像処理等を実施して隣接画素間の電圧差(輝度の差)等を求めることにより、良否判定を実行している。固体撮像素子部10に白色光を基準とする光学的データを与えても、行方向または列方向に互いに隣接する隣接画素間で電圧差が生じ難く、被検査画像データの輝度値(電圧レベル)に差が生じ難いため、従来の白色光を基準とする光学的データを与える良否判定では、隣接画素間のリーク電流を判定することが困難となっている。
【0014】
これに対し、上記特許文献2に記載の固体撮像装置では、各画素に直接電荷を注入する構成であるため、隣接画素間に電圧差を生じさせることが可能であるが、電荷注入量を画素毎に制御する必要があり、制御手順が複雑になる。更に、各画素に直接電荷を注入可能にするための専用の電荷注入回路を構築するために、固体撮像装置の設計にかかる手間が増大する。
【0015】
更に、図9に示す従来技術に係る固体撮像装置300、及び、上記特許文献2に記載の固体撮像装置では、テスタ側において、ソフトウェア処理により、リーク電流の発生の有無を検査する。具体的には、例えば、テスタにおいて、固体撮像装置から固体撮像素子部の各画素の電圧レベルを判定可能な被検査画像データを取得し、取得した被検査画像データに対し、画像処理等を実行してリーク電流の発生の有無を判定する。このため、従来の固体撮像素子部の良否判定は、特に、固体撮像素子部の画素数が多い場合には、テスタに相当の負荷がかかる。
【0016】
尚、特に、近年、画質向上等のために固体撮像素子部の画素数が増加する傾向にあり、例えば、携帯電話用の固体撮像装置では、当初は30万画素程度の固体撮像素子部を用いられていたのに対し、近年では、500万画素以上の固体撮像素子部が用いられている。このため、テスタにおいて、隣接画素間の電圧レベルの差の算出時間が飛躍的に増大し、テスタ側の負荷が更に増加する虞がある。
【0017】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、行方向及び列方向に隣接する隣接画素間のリーク電流を簡単な構成で高精度に検出可能な固体撮像装置を提供する点にある。また、行方向及び列方向に隣接する隣接画素間のリーク電流を簡単な構成で高精度に検出可能な固体撮像装置の検査方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係る固体撮像装置は、異なる波長域に感度を有する3種類または4種類の光電変換画素を備える2行2列の単位画素グループを、行方向及び列方向にマトリクス状に配列してなる固体撮像素子部を備え、前記単位画素グループが、3種類の前記画素を備える場合に、第1種類の前記画素に列方向及び行方向に隣接して第2種類及び第3種類の前記画素を配置し、前記第1種類の前記画素と斜め方向に隣接して前記第1種類の前記画素を配置してなる固体撮像装置であって、テストモード時に、前記固体撮像素子部の所定の第1画素から出力される電気信号と、前記第1画素に行方向に隣接する第2画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す第1差分検出信号を出力する第1差分検出信号生成回路と、前記第2画素に行方向に隣接する前記画素の内、前記第1画素とは反対側に隣接する第3画素から出力される電気信号と、前記第3画素に行方向に隣接する前記画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す第2差分検出信号を出力する第2差分検出信号生成回路を備えて構成される第1差分検出回路と、前記テストモード時に、前記第1差分検出信号と前記第2差分検出信号の差分値を求め、前記第1差分検出信号と前記第2差分検出信号の差分値を示す第1判定信号を出力する第2差分検出回路と、前記テストモード時に、前記第1判定信号を所定の判定基準値と比較して前記固体撮像素子部の良否判定を行う判定回路と、を備えることを第1の特徴とする。
【0019】
上記特徴の本発明に係る固体撮像装置は、前記第1差分検出信号生成回路が、前記第2画素から出力される電気信号と、前記第3画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す第3差分検出信号を出力可能に構成され、前記第2差分検出信号生成回路が、前記第3画素から出力される電気信号と、前記第3画素に行方向に隣接する前記画素の内、前記第2画素とは反対側に隣接する第4画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す信号を前記第2差分検出信号として出力し、前記第4画素から出力される電気信号と、前記第4画素に行方向に隣接する画素の内、前記第3画素とは反対側に隣接する第5画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す前記第4差分検出信号を出力可能に構成され、前記第1差分検出回路が、前記テストモード時に、前記第1差分検出信号生成回路の出力を前記第1差分検出信号と前記第3差分検出信号の間で切り替えると共に、前記第1差分検出信号生成回路が前記第1差分検出信号を出力する場合に前記第2差分検出信号生成回路が前記第2差分検出信号を出力し、前記第1差分検出信号生成回路が前記第3差分検出信号を出力する場合に前記第2差分検出信号生成回路が前記第4差分検出信号を出力するように、前記第2差分検出信号生成回路の設定を切り替える切り替え回路を備え、前記第2差分検出回路が、前記テストモード時に、前記第3差分検出信号と前記第4差分検出信号の差分値を求め、前記第3差分検出信号と前記第4差分検出信号の差分値を示す第2判定信号を出力可能に構成され、前記判定回路が、前記第1判定信号及び前記第2判定信号を前記判定基準値と比較して前記固体撮像素子部の良否判定を行うことを第2の特徴とする。
【0020】
上記第1の特徴の本発明に係る固体撮像装置は、前記固体撮像素子部から前記画素毎に出力される電気信号をデジタルデータに変換する変換回路を、前記固体撮像素子部の列毎に備えてなるAD変換部と、前記デジタルデータを保持する単位格納領域を4以上備えてなるシフトレジスタと、前記固体撮像素子部の前記画素を行方向に順次選択し、選択された前記画素の前記デジタルデータを前記シフトレジスタに対し順次入力するシフトレジスタ制御回路と、を備え、前記第1差分検出信号生成回路が、前記シフトレジスタにおいて所定の第1単位格納領域に格納された前記デジタルデータと、前記第1単位格納領域に隣接する第2単位格納領域に格納された前記デジタルデータの差分値を求めて前記第1差分検出信号を生成し、前記第2差分検出信号生成回路が、前記第2単位格納領域に隣接する前記単位格納領域の内、前記第1単位格納領域とは反対側に隣接する第3単位格納領域に格納された前記デジタルデータと、前記第3単位格納領域に隣接する前記単位格納領域の内、前記第2単位格納領域とは反対側に隣接する第4単位格納領域に格納された前記デジタルデータの差分値を求めて前記第2差分検出信号を生成することを第3の特徴とする。
【0021】
上記第1の特徴の本発明に係る固体撮像装置は、前記固体撮像素子部から前記画素毎に出力される電気信号をデジタルデータに変換する変換回路を、前記固体撮像素子部の列毎に備えてなるAD変換部と、前記固体撮像素子部の一行分の前記画素の前記デジタルデータを格納可能な4つのラインメモリと、前記テストモード時に、前記固体撮像素子部の所定の第1選択行に配置された全ての前記画素夫々についての前記デジタルデータを、前記ラインメモリの内の第1ラインメモリに格納し、前記第1選択行に隣接する第2選択行に配置された全ての前記画素夫々についての前記デジタルデータを、前記ラインメモリの内の第2ラインメモリに格納し、前記第2選択行に隣接する行の内、前記第1選択行とは反対側に隣接する第3選択行に配置された全ての前記画素夫々についての前記デジタルデータを、前記ラインメモリの内の前記第3ラインメモリに格納し、前記第3選択行に隣接する行の内、前記第2選択行とは反対側に隣接する第4選択行に配置された全ての前記画素夫々についての前記デジタルデータを、前記ラインメモリの内の前記第4ラインメモリに格納するラインメモリ制御回路と、前記テストモード時に、前記第1ラインメモリに記憶された前記デジタルデータと、前記第2ラインメモリに記憶された前記デジタルデータの差分値を求め、前記差分値を示す第5差分検出信号を出力する第3差分検出信号生成回路と、前記第3ラインメモリに記憶された前記デジタルデータと、前記第4ラインメモリに記憶された前記デジタルデータの差分値を求め、前記差分値を示す第6差分検出信号を出力する第4差分検出信号生成回路を備えて構成される第3差分検出回路と、前記テストモード時に、前記第5差分検出信号と前記第6差分検出信号の差分値を求め、前記第5差分検出信号と前記第6差分検出信号の差分値を示す第3判定信号を出力する第4差分検出回路と、前記判定回路が、前記第3判定信号を前記判定基準値と比較した結果を用いて前記固体撮像素子部の良否判定を行うことを第4の特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するための本発明に係る固体撮像装置の検査方法は、上記何れかの特徴の固体撮像装置において、前記固体撮像素子部の良否判定を行うための検査方法であって、前記テストモード時に、前記単位画素グループにおいて、行方向に隣接配置された2つの前記画素から出力される電気信号の電圧差の夫々、及び、列方向に隣接配置された2つの前記画素から出力される電気信号の電圧差の夫々が、所定の判定用電圧差以上となる所定の波長分布を有する光信号を前記固体撮像素子部に与える撮像工程と、前記固体撮像装置を前記テストモードに設定するテストモード設定工程と、前記テストモード時に、前記固体撮像装置の前記判定回路から判定結果を取得する判定結果取得工程と、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
上記特徴の固体撮像装置によれば、テストモード時に、第1差分検出回路により第1画素と第2画素の電圧の差分値と第3画素とその隣接画素の電圧の差分値を求め、第2差分検出回路により2つの差分値を比較するように構成したので、正常時は2つの差分値の差が小さく、第1画素と第2画素の間または第3画素とその隣接画素の間でリーク電流が発生した場合は、2つの差分値の差が大きくなることを利用して、固体撮像素子部の隣接画素間のリーク電流を簡単な構成で高精度に検出することが可能になる。
【0024】
また、上記特徴の固体撮像装置によれば、固体撮像装置側でリーク電流の検出を行うので、リーク電流の検出のために、テスタにおいて被検査画像データに対する画像処理等を行う必要がなくなり、テスタの負荷を低減することが可能になる。
【0025】
ところで、一般的に、固体撮像装置では、シェーディング等の影響により、仮に固体撮像素子部に完全に一様な光学的データを与えたとしても、固体撮像素子部から出力される被検査画像データの輝度値等にバラツキが生じる。より具体的には、シェーディングの影響により、被検査画像データの輝度値は、中央部ほど高く周辺部に向かうほど低くなる。つまり、正常な隣接画素間の電圧差が中央部ほど大きく周辺部に向かうほど小さくなるため、中央部における正常な隣接画素間の電圧差と周辺部における正常な隣接画素間の電圧差は、正常な隣接画素同士であっても相当値が異なると考えられる。従って、隣接画素間の電圧差を特定の基準値と比較する場合は、誤判定を防止するために、シェーディングの影響を別途取り除く必要が生じる。
【0026】
尚、固体撮像素子部がシェーディングの影響を受ける場合でも、比較的近い位置に配置されている画素については、シェーディングの影響の程度が同程度であると考えられる。従って、上記特徴の固体撮像装置の如く、第1画素と第2画素の電圧の差分値と、第2画素に隣接する第3画素とその隣接画素の電圧の差分値を求め、これらを比較する構成、即ち、シェーディングの影響の程度が同程度であると考えられる画素の差分値を求めて比較して、相対的な評価を行う構成とすることで、シェーディングの影響の程度に拘わらず、シェーディングの影響を取り除く処理を実施する必要なく、簡単な構成で、正確にリーク電流の発生の有無の判定を行うことが可能になる。
【0027】
同様に、他のノイズ等の影響についても、比較的近い位置に配置される画素については、その影響が同程度である(画素の特性差が小さい)可能性が高いと考えられる。従って、上記特徴の固体撮像装置によれば、簡単な構成で、ノイズ等の影響に拘わらず、正確にリーク電流の発生の有無の判定を行うことが可能になる。
【0028】
上記第2の特徴の固体撮像装置によれば、切り替え回路により、第1差分検出回路の出力を、第1画素と第2画素の電圧差を示す第1差分検出信号及び第3画素と第4画素の電圧差を示す第2差分検出信号から、第2画素と第3画素の電圧差を示す第3差分検出信号及び第4画素と第5画素の電圧差を示す第4差分検出信号に切り替えるように構成したので、装置構成を複雑化することなく、小規模な回路の追加のみで、行方向の全ての隣接画素間のリーク電流を検出することが可能になる。
【0029】
上記第3の特徴の固体撮像装置によれば、4つ以上の画素のデジタルデータを保持するシフトレジスタを備え、固体撮像素子部の画素を行方向に順次選択し、選択された画素のデジタルデータをシフトレジスタに対し順次入力し、シフトレジスタに格納された4つの画素のデジタルデータからリーク電流の検出を行うように構成したので、リーク電流の検出のために設ける専用の回路の規模を小さく抑えることができ、チップ面積の増大を抑えることが可能になる。
【0030】
また、上記第3の特徴の固体撮像装置によれば、デジタルデータをシフトレジスタに格納し、固体撮像素子部の画素を行方向に順次選択し、選択された画素のデジタルデータをシフトレジスタに対し順次入力するように構成したので、デジタルデータの値を順次シフトさせるだけで、切り替え回路を構築しなくても、全ての隣接画素間のリーク電流の検出を容易に行うことが可能になる。
【0031】
上記第4の特徴の固体撮像装置によれば、4つのラインメモリを設け、1つのラインメモリに1行分の画素のデジタルデータの値を記憶するように構成したので、行方向だけでなく列方向についても、リーク電流を簡単な構成で高精度に検出することが可能になる。
【0032】
上記第5の特徴の固体撮像装置によれば、テストモード時に、単位画素グループにおいて、行方向に隣接配置された2つの画素から出力される電気信号の電圧差の夫々、及び、列方向に隣接配置された2つの画素から出力される電気信号の電圧差の夫々が、所定の判定用電圧差以上となる所定の波長分布を有する光信号を固体撮像素子部に与えるように構成したので、全ての正常な隣接画素間で電圧差を生じさせることが可能になる。
【0033】
より具体的には、例えば、図9(b)に示すRGB3原色フィルタを用いた固体撮像装置では、テストモード時に、例えば、緑色の光を固体撮像素子部に与えると、正常な隣接画素間では、画素EG1、EG2から出力される電気信号の電圧値が大きく、画素E、Eから出力される電気信号の電圧値が小さくなる。また、例えば、紫色(赤色+青色)の光を固体撮像素子部に与えると、正常な隣接画素間では、画素EG1、EG2から出力される電気信号の電圧値が小さく、画素E、Eから出力される電気信号の電圧値が大きくなる。これによって、行方向または列方向に隣接する全ての正常な隣接画素間で電圧差を生じさせることが可能になり、リーク電流の検出のための撮像工程を1回に抑えることができるので、検査時間の増大を効果的に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る固体撮像装置(以下、適宜「本発明装置」と略称する)及び固体撮像装置の検査方法(以下、適宜「本発明方法」と略称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
〈第1実施形態〉
本発明装置及び本発明方法の第1実施形態について、図1〜図4を基に説明する。
【0036】
先ず、本発明装置1の構成について図1及び図2を基に説明する。ここで、図1は、本実施形態の本発明装置1Aにおいて、リーク検出回路LAとその周辺装置についての部分構成例を、図2は、本実施形態におけるリーク検出回路LAの構成の具体例について示している。
【0037】
図1に示すように、本発明装置1Aは、固体撮像素子部10、垂直走査回路20、タイミング発生回路30、AD変換部40、ラインメモリ50、及び、リーク検出回路LAを備えて構成されている。尚、垂直走査回路20、タイミング発生回路30、AD変換部40、及び、ラインメモリ50の構成は、従来技術と同じである。更に、本発明装置1Aは、通常備えている電源端子Vcc及びGND、クロック入力端子CLKに加え、リーク検査のために、テストモードの設定を行うモード設定端子(図示せず、図4のTEST端子に相当)と、リーク検査の判定結果を出力するための出力端子Sdを備えて構成されている。また、本実施形態の本発明装置1Aは、図9に示す従来技術に係る固体撮像装置300の場合と同様に、行単位で固体撮像素子部10の画素毎に出力される電気信号の読み出し処理を行うように構成されており、垂直走査回路20により、読み出し処理の対象となる行が順次選択される。
【0038】
固体撮像素子部10は、本実施形態では、図1及び図2に示すように、異なる波長域に感度を有する3種類または4種類の光電変換画素Eを備える2行2列の単位画素グループEUを、行方向及び列方向にマトリクス状に配列して構成されている。本実施形態では、固体撮像素子部10は、m×n個の単位画素グループEUを備えて構成されている。単位画素グループEUは、本実施形態では、3種類の画素Eを備え、第1種類の画素Eに列方向及び行方向に隣接して第2種類及び第3種類の画素Eを配置し、第1種類の画素Eと斜め方向に隣接して第1種類の画素Eを配置して構成されている。
【0039】
より詳細には、本実施形態の単位画素グループEUは、従来技術の場合と同様に、図9(b)に示すように、G(緑)の波長域に感度を有する画素EG1、EG2、R(赤)の波長域に感度を有する画素E、B(青)の波長域に感度を有する画素Eを備え、これらの画素がベイヤ(Bayer)配列に従って配置されている。つまり、図9(b)に示すように、画素EG1に列方向及び行方向に隣接して画素E及び画素Eが配置され、画素EG1と斜め方向に隣接して画素EG2が配置されている。
【0040】
尚、各画素Eの構成は、図9(a)に示す従来技術の場合と同様に、入射光を光電変換するフォトダイオード、フォトダイオードから出力される電気信号を増幅する増幅回路、増幅回路から出力される電気信号の出力可否を制御する出力制御用トランジスタを備えて構成され、R(赤)G(緑)B(青)の3原色フィルタを用いることにより、感度を有する波長域が設定される。また、同一行に配置された画素Eの出力制御用トランジスタの制御ゲートが行選択線に、同一列に配置された画素の出力がカラム線に接続されている。
【0041】
リーク検出回路LAは、図2に示すように、テストモード時に、固体撮像素子部10の所定の第1画素Eから出力される電気信号と、第1画素Eに行方向に隣接する第2画素Eから出力される電気信号の電圧の差分値を求め、差分値を示す第1差分検出信号を出力する第1差分検出信号生成回路A1と、第2画素Eに行方向に隣接する画素Eの内、第1画素Eとは反対側に隣接する第3画素Eから出力される電気信号と、第3画素Eに行方向に隣接する画素Eから出力される電気信号の電圧の差分値を求め、差分値を示す第2差分検出信号を出力する第2差分検出信号生成回路A2を備えて構成される第1差分検出回路60と、テストモード時に、第1差分検出信号と第2差分検出信号の差分値を求め、第1差分検出信号と第2差分検出信号の差分値を示す第1判定信号を出力する第2差分検出回路70と、テストモード時に、第1判定信号を所定の判定基準値と比較して固体撮像素子部10の良否判定を行う判定回路80と、を備えて構成されている。
【0042】
第1差分検出回路60は、本実施形態では、図2に示すように、切り替え回路Sw、第1差分検出信号生成回路A1、及び、第2差分検出信号生成回路A2を備え、固体撮像素子部10から直接、画素E毎の電気信号(アナログ信号)を受け付けるように構成されている。尚、この電気信号は、タイミング発生回路30によって設定された動作タイミングで出力開始及び出力停止が規定されるため、本発明装置1Aに専用の電気信号の保持手段を設ける必要はない。
【0043】
第1差分検出信号生成回路A1は、本実施形態では、入力された2つの電気信号の電圧の差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されており、第1画素Eから出力される電気信号と第2画素Eから出力される電気信号の電圧の差分値を第1差分検出信号として出力可能に、第2画素Eから出力される電気信号と第3画素Eから出力される電気信号の電圧の差分値を求め、差分値を示す第3差分検出信号を出力可能に構成されている。
【0044】
より具体的には、例えば、図2において、第1差分検出回路61では、第1差分検出信号生成回路A11は、単位画素グループEUi1(i=1〜2m)の左下の画素Eからの電気信号と右下の画素Eからの電気信号が差分増幅回路に入力されているときは、第1差分検出信号を出力する。この場合において、画素Eからの電気信号と単位画素グループEUi2の左下の画素Eからの電気信号が差分増幅回路に入力されているときは、第3差分検出信号を出力する。
【0045】
第2差分検出信号生成回路A2は、本実施形態では、入力された2つの電気信号の電圧の差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されている。また、本実施形態の第2差分検出信号生成回路A2は、第3画素Eから出力される電気信号と、第3画素Eに行方向に隣接する画素Eの内、第2画素Eとは反対側に隣接する第4画素Eから出力される電気信号の電圧の差分値を求め、差分値を示す信号を第2差分検出信号として出力し、第4画素Eから出力される電気信号と、第4画素Eに行方向に隣接する画素Eの内、第3画素Eとは反対側に隣接する第5画素Eから出力される電気信号の電圧の差分値を求め、差分値を示す第4差分検出信号を出力可能に構成されている。
【0046】
より具体的には、例えば、図2において、第1差分検出回路61では、第2差分検出信号生成回路A21は、画素Eからの電気信号と単位画素グループEUi2の右下の画素Eからの電気信号が差分増幅回路に入力されているときは、第2差分検出信号を出力する。この場合において、画素Eからの電気信号と単位画素グループEUi3の左下の画素Eからの電気信号が差分増幅回路に入力されているときは、第4差分検出信号を出力する。
【0047】
切り替え回路Swは、テストモード時に、第1差分検出信号生成回路A1の出力を第1差分検出信号と第3差分検出信号の間で切り替えると共に、第1差分検出信号生成回路A1が第1差分検出信号を出力する場合に第2差分検出信号生成回路A2が第2差分検出信号を出力し、第1差分検出信号生成回路A1が第3差分検出信号を出力する場合に第2差分検出信号生成回路A2が第4差分検出信号を出力するように、第2差分検出信号生成回路A2の設定を切り替える。
【0048】
より具体的には、本実施形態の切り替え回路Swは、図2に示すように、複数の入力切り替え用トランジスタを備えて構成されており、入力切り替え用トランジスタに制御線を介して入力される入力切り替え信号S1及びS2の設定により、第1差分検出信号生成回路A1及び第2差分検出信号生成回路A2の入力を切り替える。
【0049】
例えば、図2において、第1差分検出回路61では、入力切り替え信号S1が選択され、入力切り替え信号S2が非選択のときは、第1差分検出信号生成回路A1に画素E及び画素Eから出力される電気信号が、第2差分検出信号生成回路A2に画素E及び画素Eから出力される電気信号が夫々入力される。入力切り替え信号S2が選択され、入力切り替え信号S1が非選択のときは、第1差分検出信号生成回路A1に画素E及び画素Eから出力される電気信号が、第2差分検出信号生成回路A2に画素E及び画素Eから出力される電気信号が夫々入力される。
【0050】
第2差分検出回路70は、本実施形態では、入力された2つの電気信号の電圧の差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されている。本実施形態の第2差分検出回路70は、テストモード時に、第3差分検出信号と第4差分検出信号の差分値を求め、第3差分検出信号と第4差分検出信号の差分値を示す第2判定信号を出力可能に構成されている。ここでは、第1差分検出回路60の切り替え回路Swの設定により、第1判定信号または第2判定信号が出力される。
【0051】
判定回路80は、本実施形態では、入力された2つの信号の大小を比較するコンパレータを備えて構成されており、第1判定信号及び第2判定信号を判定基準値と比較して固体撮像素子部10の良否判定を行う。判定基準値は、本実施形態では、電圧Vであり、第2差分検出回路70から出力される第1判定信号が電圧Vより大きい場合、または、第2判定信号が電圧Vより大きい場合に、リーク電流の発生を判定する。尚、本実施形態では、判定回路80から出力される結果信号の論理和を結果として出力する。
【0052】
ここで、図2(b)は、リーク電流が発生している場合の判定回路80の出力(電圧パルス)の一例を示している。具体的には、期間Tr1は、固体撮像素子部10を構成する全画素Eに対するリーク検出の実行期間であり、期間Td1においてリーク電流の発生を示すリーク検出パルスが出力されている。AD変換部40は、タイミング発生回路30で生成された動作タイミングに同期して、行単位でデジタルデータを出力することから、リーク検出パルスの発生タイミングを検証することで、リーク電流の発生した2つの隣接画素Eが配置されている行を特定することが可能である。尚、リーク検出パルスは、パルス幅が相当短くなる可能性が高いため、リーク電流の検出を行う場合には、パルス幅の短いパルスを良好に検出可能なテスタを用いることが望ましい。
【0053】
続いて、本実施形態の本発明装置1Aに対するリーク検査を実行するためのテスタ200の構成について、図4を基に簡単に説明する。ここで、図4は、テスタ200のリーク検査に係る部分の概略構成を示す概略ブロック図である。
【0054】
テスタ200は、本実施形態では、4つの本発明装置1を同時に測定可能に構成されており、本発明装置1に電源電圧を供給する電源供給回路、本発明装置1にクロック信号を供給するクロック信号供給回路201、本発明装置1の通常動作モード及びテストモードの設定を行う制御信号を出力するドライバ回路202、本発明装置1毎に設置され、本発明装置1D〜1Gからの出力を受け付ける判定結果取得回路211〜214を備えて構成されている。
【0055】
次に、本実施形態における本発明方法の処理手順について図3を基に説明する。
【0056】
本実施形態では、本発明装置1Aの各種検査を行うテスタ200において、先ず、単位画素グループEUにおいて、行方向に隣接配置された2つの画素Eから出力される電気信号の電圧差の夫々、及び、列方向に隣接配置された2つの画素Eから出力される電気信号の電圧差の夫々が、所定の判定用電圧差以上となる所定の波長分布を有する光信号を固体撮像素子部10に与える(ステップ#201、撮像工程)。
【0057】
具体的には、本実施形態では、固体撮像素子部10の単位画素グループEUが、図9(b)に示すRGBの3原色フィルタを用いて構成されているので、緑色を利用する。緑色の光学的データを与えた場合は、G(緑)の波長域に感度を有する画素Eから出力される電気信号の電圧値が高くなり、R(赤)の波長域に感度を有する画素E及びB(青)の波長域に感度を有する画素Eから出力される電気信号の電圧値が低くなる。つまり、緑色の光学的データを与えることで、行方向及び列方向に隣接する隣接画素間の全てにおいて、電圧差を生じさせることが可能になる。
【0058】
続いて、テスタ200により、本発明装置1Aをテストモードに設定する(ステップ#202、テストモード設定工程)。本発明装置1Aは、テストモードに設定されると、光学的データの撮像を行い(ステップ#101)、リーク電流の発生の有無を判定し、その結果を出力する(ステップ#102)。
【0059】
ここで、本実施形態では、図2において、固体撮像素子部10の画素E及び画素Eの間、画素E及び画素Eの間にリーク電流が発生していないとすると、画素Eと画素Eの電圧の差分値と画素Eと画素Eの電圧の差分値はほぼ等しくなるため、第1差分検出信号生成回路A1から出力される第1差分検出信号の値と、第2差分検出信号生成回路A2から出力される第2差分検出信号の値の差は、ほぼ0となる。これによって、第2差分検出回路70の出力はほぼ0となる。
【0060】
これに対し、画素E及び画素Eの間にリーク電流が発生している場合、画素E及び画素Eの電圧の差分値はほぼ0、または、リーク電流に応じて正常な電圧値より低下した値となるが、画素Eと画素Eの間には、一定の電圧差が生じている。これにより、第2差分検出回路70に入力される画素Eと画素Eの差分値を示す第1差分検出信号の値と、画素Eと画素Eの差分値を示す第2差分検出信号の値には差が生じる。これによって、第2差分検出回路70の出力は、一定の値となる。
【0061】
即ち、リーク電流が発生していない場合は、第2差分検出回路70の出力がほぼ0に、リーク電流が発生している場合は、第2差分検出回路70の出力がリーク電流に応じた値になるため、判定基準値Vを、ノイズマージン等を考慮して、リーク電流が発生しているときの第2差分検出回路70の出力と、リーク電流が発生していないときの第2差分検出回路70の出力の間に設定することで、リーク電流の発生の有無を判定することが可能になる。
【0062】
テスタ200は、本発明装置1Aの判定回路80から判定結果を取得する(ステップ#203、判定結果取得工程)。ここでは、図2(b)に示すリーク検出パルスが検出されたときに、本発明装置1の固体撮像素子部10を不良であると判定する。
【0063】
尚、本実施形態では、固体撮像素子部10に緑色の光学的データを与えたが、これに限るものではない。例えば、図9(b)に示すRGB3原色フィルタを用いた固体撮像素子部10の場合は、紫色の光学的データを与えても良い。紫色の光学的データを与えた場合は、R(赤)の波長域に感度を有する画素E及びB(青)の波長域に感度を有する画素Eから出力される電気信号の電圧値が高くなり、G(緑)の波長域に感度を有する画素Eから出力される電気信号の電圧値が低くなる。行方向及び列方向に隣接する隣接画素間の全てにおいて、電圧差を生じさせることが可能になる。
【0064】
更に、本実施形態の本発明装置1は、図4に示すように、通常備えている電源端子Vcc及びGND、クロック入力端子CLKに加え、リーク検査のために、テストモードの設定を行うモード設定端子TESTと、リーク検査の判定結果を出力するための出力端子Sdを備えて構成されている。本実施形態では、リーク検査のために利用する端子を2つに抑えることができるので、追加する端子数を少なくすることができ、テスタ200において、本発明装置1の並行検査を実施し易くなる。尚、リーク検査のためのモード設定端子TESTと出力端子Sdを、他の検査用の端子と兼用する構成にすれば、端子を追加することなく本発明装置1を構成することができる。
【0065】
〈第2実施形態〉
本発明装置1及び本発明方法の第2実施形態について、図5及び図6を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1実施形態とは、リーク検出回路の構成が異なる場合について説明する。詳細には、上記第1実施形態では、固体撮像素子部10から画素毎に出力される電気信号を用いてリーク電流の検出を行う場合について説明したが、本実施形態では、電気信号を変換した複数ビット構成のデジタルデータを用いてリーク電流の検出を行う場合について説明する。
【0066】
先ず、本発明装置1Bの構成について図5及び図6を基に説明する。ここで、図5は、本実施形態の本発明装置1Bにおいて、リーク検出回路LBとその周辺装置についての部分構成例を、図6は、本実施形態におけるリーク検出回路LBの構成の具体例について示している。
【0067】
図5に示すように、本発明装置1Bは、固体撮像素子部10、垂直走査回路20、タイミング発生回路30、AD変換部40、ラインメモリ50、及び、リーク検出回路LBを備えて構成されている。尚、固体撮像素子部10、垂直走査回路20、タイミング発生回路30、AD変換部40、ラインメモリ50、及び、各端子の構成は、上記第1実施形態の構成と同じである。また、本実施形態の本発明装置1Bは、上記第1実施形態の場合と同様に、行単位で読み出し処理を行うように構成されている。
【0068】
リーク検出回路LBは、図6に示すように、複数ビット(例えば、10ビット)構成のデジタルデータを保持する4つの単位格納領域R1〜R4を備えてなるシフトレジスタ90と、固体撮像素子部10の画素を行方向に順次選択し、選択された画素のデジタルデータをシフトレジスタ90に対し順次入力するシフトレジスタ制御回路100と、シフトレジスタ90に格納されたデジタルデータ用いて第1差分検出信号を生成する第1差分検出信号生成回路D1及び第2差分検出信号を生成する第2差分検出信号生成回路D2を備える第1差分検出回路110と、テストモード時に、第1差分検出信号と第2差分検出信号の差分値を求め、第1差分検出信号と第2差分検出信号の差分値を示す第1判定信号を出力する第2差分検出回路120と、テストモード時に、第1判定信号を判定基準値Dと比較して固体撮像素子部10の良否判定を行う判定回路80を備えて構成されている。
【0069】
より具体的には、シフトレジスタ90は、AD変換部40において変換された画素毎のデジタルデータを、1デジタルデータ単位で格納可能な単位格納領域R1〜R4を備えて構成されている。更に、シフトレジスタ90は、ラインメモリ50の出力側に接続され、シフトレジスタ制御回路100からの制御信号に同期して、シフト動作を行うと共に、ラインメモリ50からのデジタルデータを受け付け、入力側の単位格納領域R4に記憶する。シフト動作では、単位格納領域R2のデジタルデータを単位格納領域R1に、単位格納領域R3のデジタルデータを単位格納領域R2に、単位格納領域R4のデジタルデータを単位格納領域R3にシフトさせる。
【0070】
シフトレジスタ制御回路100は、シフトレジスタ90におけるラインメモリ50から出力されるデジタルデータの受け付け、及び、シフト動作を制御するための制御信号を生成し、シフトレジスタ90に対して出力する。
【0071】
第1差分検出回路110は、本実施形態では、第1差分検出信号生成回路D1が、入力された2つのデジタルデータの差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されており、シフトレジスタ90において単位格納領域R1に格納されたデジタルデータと、単位格納領域R1に隣接する単位格納領域R2に格納されたデジタルデータの差分値を求めて第1差分検出信号を生成する。また、第2差分検出信号生成回路D2が、入力された2つのデジタルデータの差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されており、単位格納領域R2に隣接する単位格納領域の内、単位格納領域R1とは反対側に隣接する単位格納領域R3に格納されたデジタルデータと、単位格納領域R3に隣接する単位格納領域の内、単位格納領域R2とは反対側に隣接する単位格納領域R4に格納されたデジタルデータの差分値を求めて第2差分検出信号を生成する。
【0072】
第2差分検出回路120は、本実施形態では、入力された2つのデジタルデータの差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されており、テストモード時に、第1差分検出信号と第2差分検出信号の差分値を求め、第1差分検出信号と第2差分検出信号の差分値を示す第1判定信号を出力する。
【0073】
判定回路80は、本実施形態では、第2差分検出信号生成回路D2が、入力された2つのデジタルデータの大小を比較するコンパレータを備えて構成されており、第2差分検出回路120から出力された第1判定信号を、デジタルデータの判定基準値Dと比較する。判定回路80は、本実施形態では、第2差分検出回路120から出力される第1判定信号が判定基準値Dより大きい場合に、リーク電流の発生を判定する。尚、判定基準値Dは、固体撮像素子部10の特性やノイズマージン等を考慮して適切に設定する。
【0074】
ここで、図6(b)は、リーク電流が発生している場合の判定回路80の出力(電圧パルス)の一例を示している。具体的には、期間Tr2は、固体撮像素子部10の1行分のデジタルデータに対するリーク検出の実行期間であり、期間Td2においてリーク電流の発生を示すリーク検出パルスが出力されている。ラインメモリ50は、タイミング発生回路30で生成された動作タイミングに同期して、1行分のデジタルデータを画素単位で順に出力することから、リーク検出パルスの発生タイミングを検証することで、リーク電流の発生箇所を特定することが可能である。尚、リーク検出パルスは、パルス幅が相当短くなる可能性が高いため、上記第1実施形態と同様に、リーク電流の検出を行う場合には、パルス幅の短いパルスを良好に検出可能なテスタを用いることが望ましい。
【0075】
次に、本実施形態におけるリーク検出回路LBの動作について簡単に説明する。
【0076】
尚、ここでは、ラインメモリ50から、第1画素のデジタルデータ、第1画素に行方向に隣接する第2画素のデジタルデータ、第2画素に行方向に隣接する画素の内、第1画素とは反対側に隣接する第3画素のデジタルデータ、第3画素に行方向に隣接する画素の内、第2画素とは反対側に隣接する第4画素のデジタルデータ、第4画素に行方向に隣接する画素の内、第3画素とは反対側に隣接する第5画素のデジタルデータが、この順に出力される場合について説明する。この場合、単位格納領域R1に第1画素のデジタルデータが格納されているときは、単位格納領域R2に第2画素のデジタルデータが、単位格納領域R3に第3画素のデジタルデータが、単位格納領域R4に第4画素のデジタルデータが格納されることとなる。
【0077】
リーク検出回路LBは、第1差分検出回路110により、シフトレジスタ90の単位格納領域R1のデジタルデータと単位格納領域R2のデジタルデータを比較することで、互いに行方向に隣接配置された第1画素と第2画素の間のリーク電流の有無を検出でき、単位格納領域R3のデジタルデータと単位格納領域R4のデジタルデータを比較することで、互いに行方向に隣接配置された第3画素と第4画素の間のリーク電流の有無を検出できる。
【0078】
より詳細には、例えば、第1画素と第2画素の間、及び、第3画素と第4画素の間にリーク電流が発生していない場合、第1画素と第2画素の差分値と第3画素と第4画素の差分値はほぼ等しくなり、第2差分検出回路120の出力はほぼ0となる。これに対し、例えば、第3画素と第4画素の間にリーク電流が発生しているとすると、リーク電流の発生していない第1画素と第2画素の差分値は大きい値となるが、リーク電流の発生している第3画素及び第4画素の差分値はほぼ0、または、リーク電流に応じて正常な電圧値より低下した値となる。これを第2差分検出回路120で比較すると、第1画素と第2画素の差分値に応じた値、または、第1画素と第2画素の差分値とリーク電流に応じて正常な電圧値より低下した第3画素及び第4画素の差分値の差に応じた値が出力される。第2差分検出回路120の出力を判定基準値Dと比較することにより、リーク電流の発生の有無を検出できる。
【0079】
続いて、シフトレジスタ90をシフト動作させると、単位格納領域R1に第2画素のデジタルデータが、単位格納領域R2に第3画素のデジタルデータが、単位格納領域R3に第4画素のデジタルデータが、単位格納領域R4に第5画素のデジタルデータが格納されることとなる。このとき、リーク検出回路LBは、第1差分検出回路110により、シフトレジスタ90の単位格納領域R1のデジタルデータと単位格納領域R2のデジタルデータを比較することで、互いに行方向に隣接配置された第2画素と第3画素の間のリーク電流の有無を検出でき、単位格納領域R3のデジタルデータと単位格納領域R4のデジタルデータを比較することで、互いに行方向に隣接配置された第4画素と第5画素の間のリーク電流の有無を検出できる。
【0080】
同様にして、ラインメモリ50からデジタルデータが出力される毎に、シフト動作と、リーク検出動作を繰り返し実行することで、行方向に隣接する全ての隣接画素間におけるリーク電流の検出が可能になる。
【0081】
尚、本実施形態では、シフトレジスタ90が4つの単位格納領域R1〜R4を備える場合について説明したが、これに限るものではなく、単位格納領域の数は4以上であれば良い。また、複数のシフトレジスタ90を互いに接続して、実質的に単位格納領域の数が4以上のシフトレジスタ90として動作するように構成する等しても良い。
【0082】
〈第3実施形態〉
本発明装置1及び本発明方法の第3実施形態について、図7及び図8を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1及び第2実施形態とは、リーク検出回路の構成が異なる場合について説明する。詳細には、上記第1及び第2実施形態では、行方向に隣接する隣接画素間のリーク電流の検出を行う場合について説明したが、本実施形態では、列方向に隣接する隣接画素間のリーク電流の検出を行う場合について説明する。
【0083】
先ず、本発明装置1Cの構成について図7及び図8を基に説明する。ここで、図7は、本実施形態の本発明装置1Cにおいて、リーク検出回路LCとその周辺装置についての部分構成例を、図8は、本実施形態におけるリーク検出回路LCの構成の具体例について示している。
【0084】
図7に示すように、本発明装置1Cは、固体撮像素子部10、垂直走査回路20、タイミング発生回路30、AD変換部40、及び、リーク検出回路LCを備えて構成されている。尚、固体撮像素子部10、垂直走査回路20、タイミング発生回路30、AD変換部40、及び、各端子の構成は、上記第1及び第2実施形態の構成と同じである。また、本実施形態の本発明装置1Cは、上記第1及び第2実施形態の場合と同様に、行単位で読み出し処理を行うように構成されている。
【0085】
リーク検出回路LCは、図8に示すように、固体撮像素子部10の一行分の画素のデジタルデータを格納可能な4つのラインメモリ51〜54と、ラインメモリ51〜54のシフト動作等の制御を行うラインメモリ制御回路150と、第5差分検出信号を生成する第3差分検出信号生成回路D3、及び、第6差分検出信号を生成する第4差分検出信号生成回路D4を備えて構成される第3差分検出回路130と、第5差分検出信号と第6差分検出信号の差分値を求め、第5差分検出信号と第6差分検出信号の差分値を示す第3判定信号を出力する第4差分検出回路140と、第3判定信号を判定基準値DRLと比較した結果を用いて固体撮像素子部10の良否判定を行う判定回路80を備えて構成されている。
【0086】
ラインメモリ51〜54は、全て同じ構成であり、1つのデジタルデータを記憶可能な単位記憶領域を同一行に配置された画素数k(k=2n)分備えて構成されている。また、ラインメモリ51〜54は、ラインメモリ制御回路150からの制御信号に基づいて、ラインメモリ52に記憶したデジタルデータをラインメモリ51に、ラインメモリ53に記憶したデジタルデータをラインメモリ52に、ラインメモリ54に記憶したデジタルデータをラインメモリ53にシフトさせるシフト動作を実行可能に構成されている。更に、ラインメモリ54は、AD変換部40と接続され、AD変換部40から行単位でデジタルデータを受け付け可能に構成されている。
【0087】
ラインメモリ制御回路150は、ラインメモリ51〜54の間のシフト動作、AD変換部40からのデジタルデータの受け付け及びラインメモリ54への記憶を制御する。より詳細には、ラインメモリ制御回路150は、テストモード時に、固体撮像素子部10の所定の第1選択行に配置された全ての画素夫々についてのデジタルデータを、ラインメモリ51に格納し、第1選択行に隣接する第2選択行に配置された全ての画素夫々についてのデジタルデータを、ラインメモリ52に格納し、第2選択行に隣接する行の内、第1選択行とは反対側に隣接する第3選択行に配置された全ての画素夫々についてのデジタルデータを、ラインメモリ53に格納し、第3選択行に隣接する行の内、第2選択行とは反対側に隣接する第4選択行に配置された全ての画素夫々についてのデジタルデータを、ラインメモリ54に格納する。
【0088】
第3差分検出回路130は、テストモード時に、ラインメモリ51に記憶されたデジタルデータと、ラインメモリ52に記憶されたデジタルデータの差分値を求め、差分値を示す第5差分検出信号を出力する第3差分検出信号生成回路D3と、ラインメモリ53に記憶されたデジタルデータと、ラインメモリ54に記憶されたデジタルデータの差分値を求め、差分値を示す第6差分検出信号を出力する第4差分検出信号生成回路D4を備えて構成されている。
【0089】
また、第3差分検出回路130は、本実施形態では、第3差分検出信号生成回路D3及び第4差分検出信号生成回路D4が、入力された2つのデジタルデータの差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されており、本発明装置1の列毎に設置されている。また、本実施形態では、第4差分検出信号生成回路D4が、入力された2つのデジタルデータの差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されており、本発明装置1の列毎に設置されている。
【0090】
第4差分検出回路140は、入力された2つのデジタルデータの差分値を絶対値で出力する差動増幅回路で構成されており、本発明装置1の列毎に設置されている。第4差分検出回路140は、テストモード時に、第3差分検出信号生成回路D3から出力される第5差分検出信号と第4差分検出信号生成回路D4から出力される第6差分検出信号の差分値を求め、第5差分検出信号と第6差分検出信号の差分値を示す第3判定信号を出力する。
【0091】
判定回路80は、上記第2実施形態と同様に、入力された2つの信号の大小を比較するコンパレータを備えて構成されている。判定回路80は、本実施形態では、第4差分検出回路140から出力される第3判定信号が、判定基準値DRLより大きい場合にリーク電流の発生を判定する。尚、判定基準値DRLは、固体撮像素子部10の特性やノイズマージン等を考慮して適切に設定する。また、本実施形態では、判定回路80から出力される結果信号の論理和を結果として出力する。
【0092】
ここで、図8(b)は、リーク電流が発生している場合の判定回路80の出力(電圧パルス)の一例を示している。具体的には、期間Tr3は、固体撮像素子部10を構成する全画素に対するリーク検出の実行期間であり、期間Td3においてリーク電流が発生していることを示すリーク検出パルスが出力されている。本実施形態のラインメモリ51〜54は、タイミング発生回路30で生成された動作タイミングに同期して行単位でシフト動作を行うことから、リーク検出パルスの発生タイミングを検証することで、リーク電流の発生した2つの隣接画素が配置されている行を特定することが可能である。尚、リーク検出パルスは、パルス幅が相当短くなる可能性が高いため、上記第1及び第2実施形態と同様に、リーク電流の検出を行う場合には、パルス幅の短いパルスを良好に検出可能なテスタを用いることが望ましい。
【0093】
〈別実施形態〉
〈1〉上記第1〜第3実施形態では、固体撮像素子部10において、RGB3原色フィルタを用い、ベイヤ配列に従って3種類の画素が配置されている場合について説明したが、これに限るものではない。
【0094】
例えば、単位画素グループEUが、R(赤)の波長域に感度を有する画素E、または、B(青)の波長域に感度を有する画素Eを2つ備える構成にしても良い。画素Eを2つ備える場合には、2つの画素Eを図9(b)における画素Eの位置に、画素Eを2つ備える場合には、2つの画素Eを図9(b)における画素Eの位置に配置する。また、例えば、図9(c)に示すように、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)G(緑)の4色の補色フィルタを用いても良い。
【0095】
固体撮像素子部10の構成は、テストモード時の撮像工程において、行方向に隣接配置された2つの画素から出力される電気信号の電圧差の夫々、及び、列方向に隣接配置された2つの画素から出力される電気信号の電圧差の夫々が、判定用電圧差以上となる波長分布を有する光信号を与えることができる構成であれば良い。
【0096】
尚、上述したように、図9(b)とは異なる配列のRGB3原色フィルタや、RGB3原色フィルタ以外のカラーフィルタを利用する場合には、単位画素グループEUの構成に応じて、固体撮像素子部10に与える光学的データ(光信号)を設定する。具体的には、固体撮像素子部10において、行方向に隣接配置された2つの画素から出力される電気信号の電圧差の夫々、及び、列方向に隣接配置された2つの画素から出力される電気信号の電圧差の夫々が、所定の判定用電圧差以上となるように光信号を設定する。
【0097】
〈2〉上記第1〜第3実施形態では、第1差分検出回路及び第2差分検出回路を構成する差動増幅回路は、入力される2つの電気信号の電圧差の絶対値を出力するものを用いたが、これに限るものではない。尚、上記別実施形態で説明したように、固体撮像素子部10と差動増幅回路の接続関係や、固体撮像素子部10に与える光学的データの種類によっては、入力される2つの電気信号の電圧差が正負どちらの値も取り得るため、差同増幅回路は、絶対値を出力するものが望ましいが、差同増幅回路の出力を絶対値にする回路を設けるように構成しても良い。
【0098】
〈3〉上記第1及び第2実施形態では、行方向に隣接する隣接画素間のリーク電流の検出を行う場合について、上記第3実施形態では、列方向に隣接する隣接画素間のリーク電流の検出を行う場合について説明したが、上記第3実施形態の各構成と、上記第1または第2実施形態の各構成を組み合わせて、行方向に隣接する隣接画素間のリーク電流の検出と、列方向に隣接する隣接画素間のリーク電流の検出を同時に実行できるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る固体撮像装置の第1実施形態における部分構成例を示す概略部分ブロック図
【図2】本発明に係る固体撮像装置の第1実施形態における部分構成例を示す概略部分ブロック図
【図3】本発明に係る固体撮像装置の検査方法の処理手順を示すフローチャート
【図4】テスタの概略構成例を示す概略部分ブロック図
【図5】本発明に係る固体撮像装置の第2実施形態における部分構成例を示す概略部分ブロック図
【図6】本発明に係る固体撮像装置の第2実施形態における部分構成例を示す概略部分ブロック図
【図7】本発明に係る固体撮像装置の第3実施形態における部分構成例を示す概略部分ブロック図
【図8】本発明に係る固体撮像装置の第3実施形態における部分構成例を示す概略部分ブロック図
【図9】従来技術に係る固体撮像装置の一構成例を示す概略部分ブロック図
【符号の説明】
【0100】
1 本発明に係る固体撮像装置
1A 本発明に係る固体撮像装置
1B 本発明に係る固体撮像装置
1C 本発明に係る固体撮像装置
10 固体撮像素子部
20 垂直走査回路
30 タイミング発生回路
40 AD変換部
50 ラインメモリ
51 ラインメモリ
52 ラインメモリ
53 ラインメモリ
54 ラインメモリ
60 第1差分検出回路
70 第2差分検出回路
80 判定回路
90 シフトレジスタ
100 シフトレジスタ制御回路
110 第1差分検出回路
120 第2差分検出回路
130 第3差分検出回路
140 第4差分検出回路
150 ラインメモリ制御回路
200 テスタ
201 クロック信号供給回路
202 ドライバ回路
210 判定結果取得回路
211 判定結果取得回路
212 判定結果取得回路
213 判定結果取得回路
214 判定結果取得回路
300 従来技術に係る固体撮像装置
LA リーク検出回路
LB リーク検出回路
LC リーク検出回路
EU 単位画素グループ
E 画素
ADC AD変換回路
A1 第1差分検出信号生成回路
A2 第2差分検出信号生成回路
D1 第1差分検出信号生成回路
D2 第2差分検出信号生成回路
D3 第3差分検出信号生成回路
D4 第4差分検出信号生成回路
Sw 切り替え回路
R1 第1単位格納領域
R2 第2単位格納領域
R3 第3単位格納領域
R4 第4単位格納領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる波長域に感度を有する3種類または4種類の光電変換画素を備える2行2列の単位画素グループを、行方向及び列方向にマトリクス状に配列してなる固体撮像素子部を備え、
前記単位画素グループが、3種類の前記画素を備える場合に、第1種類の前記画素に列方向及び行方向に隣接して第2種類及び第3種類の前記画素を配置し、前記第1種類の前記画素と斜め方向に隣接して前記第1種類の前記画素を配置してなる固体撮像装置であって、
テストモード時に、前記固体撮像素子部の所定の第1画素から出力される電気信号と、前記第1画素に行方向に隣接する第2画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す第1差分検出信号を出力する第1差分検出信号生成回路と、前記第2画素に行方向に隣接する前記画素の内、前記第1画素とは反対側に隣接する第3画素から出力される電気信号と、前記第3画素に行方向に隣接する前記画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す第2差分検出信号を出力する第2差分検出信号生成回路を備えて構成される第1差分検出回路と、
前記テストモード時に、前記第1差分検出信号と前記第2差分検出信号の差分値を求め、前記第1差分検出信号と前記第2差分検出信号の差分値を示す第1判定信号を出力する第2差分検出回路と、
前記テストモード時に、前記第1判定信号を所定の判定基準値と比較して前記固体撮像素子部の良否判定を行う判定回路と、を備えることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記第1差分検出信号生成回路が、前記第2画素から出力される電気信号と、前記第3画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す第3差分検出信号を出力可能に構成され、
前記第2差分検出信号生成回路が、前記第3画素から出力される電気信号と、前記第3画素に行方向に隣接する前記画素の内、前記第2画素とは反対側に隣接する第4画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す信号を前記第2差分検出信号として出力し、前記第4画素から出力される電気信号と、前記第4画素に行方向に隣接する画素の内、前記第3画素とは反対側に隣接する第5画素から出力される電気信号の電圧の差分値を求め、前記差分値を示す前記第4差分検出信号を出力可能に構成され、
前記第1差分検出回路が、前記テストモード時に、前記第1差分検出信号生成回路の出力を前記第1差分検出信号と前記第3差分検出信号の間で切り替えると共に、前記第1差分検出信号生成回路が前記第1差分検出信号を出力する場合に前記第2差分検出信号生成回路が前記第2差分検出信号を出力し、前記第1差分検出信号生成回路が前記第3差分検出信号を出力する場合に前記第2差分検出信号生成回路が前記第4差分検出信号を出力するように、前記第2差分検出信号生成回路の設定を切り替える切り替え回路を備え、
前記第2差分検出回路が、前記テストモード時に、前記第3差分検出信号と前記第4差分検出信号の差分値を求め、前記第3差分検出信号と前記第4差分検出信号の差分値を示す第2判定信号を出力可能に構成され、
前記判定回路が、前記第1判定信号及び前記第2判定信号を前記判定基準値と比較して前記固体撮像素子部の良否判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記固体撮像素子部から前記画素毎に出力される電気信号をデジタルデータに変換する変換回路を、前記固体撮像素子部の列毎に備えてなるAD変換部と、
前記デジタルデータを保持する単位格納領域を4以上備えてなるシフトレジスタと、
前記固体撮像素子部の前記画素を行方向に順次選択し、選択された前記画素の前記デジタルデータを前記シフトレジスタに対し順次入力するシフトレジスタ制御回路と、を備え、
前記第1差分検出信号生成回路が、前記シフトレジスタにおいて所定の第1単位格納領域に格納された前記デジタルデータと、前記第1単位格納領域に隣接する第2単位格納領域に格納された前記デジタルデータの差分値を求めて前記第1差分検出信号を生成し、
前記第2差分検出信号生成回路が、前記第2単位格納領域に隣接する前記単位格納領域の内、前記第1単位格納領域とは反対側に隣接する第3単位格納領域に格納された前記デジタルデータと、前記第3単位格納領域に隣接する前記単位格納領域の内、前記第2単位格納領域とは反対側に隣接する第4単位格納領域に格納された前記デジタルデータの差分値を求めて前記第2差分検出信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記固体撮像素子部から前記画素毎に出力される電気信号をデジタルデータに変換する変換回路を、前記固体撮像素子部の列毎に備えてなるAD変換部と、
前記固体撮像素子部の一行分の前記画素の前記デジタルデータを格納可能な4つのラインメモリと、
前記テストモード時に、前記固体撮像素子部の所定の第1選択行に配置された全ての前記画素夫々についての前記デジタルデータを、前記ラインメモリの内の第1ラインメモリに格納し、前記第1選択行に隣接する第2選択行に配置された全ての前記画素夫々についての前記デジタルデータを、前記ラインメモリの内の第2ラインメモリに格納し、前記第2選択行に隣接する行の内、前記第1選択行とは反対側に隣接する第3選択行に配置された全ての前記画素夫々についての前記デジタルデータを、前記ラインメモリの内の前記第3ラインメモリに格納し、前記第3選択行に隣接する行の内、前記第2選択行とは反対側に隣接する第4選択行に配置された全ての前記画素夫々についての前記デジタルデータを、前記ラインメモリの内の前記第4ラインメモリに格納するラインメモリ制御回路と、
前記テストモード時に、前記第1ラインメモリに記憶された前記デジタルデータと、前記第2ラインメモリに記憶された前記デジタルデータの差分値を求め、前記差分値を示す第5差分検出信号を出力する第3差分検出信号生成回路と、前記第3ラインメモリに記憶された前記デジタルデータと、前記第4ラインメモリに記憶された前記デジタルデータの差分値を求め、前記差分値を示す第6差分検出信号を出力する第4差分検出信号生成回路を備えて構成される第3差分検出回路と、
前記テストモード時に、前記第5差分検出信号と前記第6差分検出信号の差分値を求め、前記第5差分検出信号と前記第6差分検出信号の差分値を示す第3判定信号を出力する第4差分検出回路と、
前記判定回路が、前記第3判定信号を前記判定基準値と比較した結果を用いて前記固体撮像素子部の良否判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
請求項1〜4に記載の固体撮像装置において、前記固体撮像素子部の良否判定を行うための検査方法であって、
前記テストモード時に、前記単位画素グループにおいて、行方向に隣接配置された2つの前記画素から出力される電気信号の電圧差の夫々、及び、列方向に隣接配置された2つの前記画素から出力される電気信号の電圧差の夫々が、所定の判定用電圧差以上となる所定の波長分布を有する光信号を前記固体撮像素子部に与える撮像工程と、
前記固体撮像装置を前記テストモードに設定するテストモード設定工程と、
前記テストモード時に、前記固体撮像装置の前記判定回路から判定結果を取得する判定結果取得工程と、を実行することを特徴とする固体撮像装置の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−300905(P2008−300905A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141301(P2007−141301)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】