説明

固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置

【課題】圧縮機の起動時のON/OFFショック低減を、冷房能力の極端な低下を招くことなく実現可能な固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置の提供にある。
【解決手段】バルブプレート18、21を介して接合固定されたハウジングと、両頭ピストン39を収容する複数のシリンダボア37、38と、吸入室17及び吐出室15、16とを備えた固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置10において、バルブプレート21に吐出孔25とは別に、圧縮室42と吐出室16を連通させる低減孔48を形成し、低減孔48は一つのシリンダボア38に対向して一つの低減孔48が形成されており、少なくとも一つ以上の低減孔48がバルブプレート21に設けられており、低減孔48に隣接して低減孔48を開閉するための電磁制御弁49を設け、電磁制御弁49の開閉制御を個別に行う駆動回路54及び制御装置55を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両空調用の固定斜板式圧縮機に関し、特に、起動時のON/OFFショック低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固定斜板式の両頭ピストン式圧縮機においては、クラッチの接続により圧縮機が車両エンジン等の外部駆動源に作動連結されて、ピストンの往復動が開始されると、圧縮機の圧縮負荷が急激に立ち上がる。この急激な圧縮負荷の変化が、負荷トルク変動として車両エンジン等の外部駆動源に伝達されて、車両エンジン等の回転数の変動が励起されることがある。この回転数の変動は、起動時のON/OFFショックと呼ばれ、体感フィーリングの悪化を招くものであった。
特許文献1で開示された従来技術では、起動ショック緩和装置を備えた圧縮機が提案されており、リヤ側バルブプレート15の各吐出孔52に対応して可動吐出弁53が配設されている。可動吐出弁53はリテーナ54と共にスプール48の両部材49、50間に固定され、軸線方向に移動可能となっている。スプール48の前面側には第1制御室58が形成され、第1制御室58は第1圧力供給通路66を介してフロント側圧縮室23Aと連通されている。また、スプール48の背面側には第2制御室59が形成され、第2制御室59は第2圧力供給通路76を介してフロント側吐出室32と連通されている。また、スプール48を後方側に付勢するバネ57が設けられている。
【0003】
圧縮機の停止時には、スプール48がバネ57の付勢力により後方に移動され、可動吐出弁53は吐出孔52から離間された不作用位置に配置されている。圧縮機が起動されると、ピストン22の往復動作が開始され、フロント側圧縮室23では、通常の圧縮動作が開始される。そして、第2制御室59と第1制御室58との差圧がバネ57の付勢力を超えると、スプール48が前方に移動されて可動吐出弁53が、吐出孔52と接触される作用位置に配置される。このことにより、圧縮機の起動時におけるピストン22に作用する圧縮負荷の立ち上がりが緩和され、起動ショックに基づく振動や騒音の発生を抑制できるとしている。
【特許文献1】特開平9−217681号公報(第4〜7頁、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1で開示された従来技術においては、可動吐出弁53の前後方向の接触・離間タイミングは、差圧とバネ57の付勢力とのバランスにより決定されるので、タイミングの微妙な調整がやりにくい問題がある。また、リヤ側吐出孔52には全て可動吐出弁53が設けられ前後方向の接触・離間はどのリヤ側吐出孔52についても一斉に行われるので、起動時における冷房能力の極端な低下を招いてしまう問題がある。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、圧縮機の起動時のON/OFFショック低減を、冷房能力の極端な低下を招くことなく実現可能な固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、シリンダブロックの端部にバルブプレートを介して接合固定されたハウジングと、前記シリンダブロックに形成され、それぞれピストンを収容する複数のシリンダボアと、前記ハウジングに区画形成した吸入室及び吐出室とを備え、前記ピストンの往復動によって、冷媒ガスを前記吸入室から前記シリンダボア内の圧縮室に吸入して圧縮した後、前記バルブプレートに形成され吐出弁で開閉する吐出孔を介して吐出室内へ吐出する構成を有する固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置において、前記シリンダボアに対向する前記バルブプレートに前記吐出孔とは別に、前記圧縮室と前記吐出室を連通させる低減孔を形成し、前記低減孔は一つの前記シリンダボアに対向して一つの前記低減孔が形成されており、少なくとも一つ以上の前記低減孔が前記バルブプレートに設けられており、前記低減孔に隣接して前記低減孔を開閉するための制御弁を設け、前記制御弁の開閉制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、シリンダボアに対向するバルブプレートに吐出孔とは別に、圧縮室と吐出室を連通させる低減孔が形成され、低減孔は一つのシリンダボアに対向して一つの低減孔が形成されており、少なくとも一つ以上の低減孔がバルブプレートに設けられており、各制御弁の開閉制御を行う制御手段が備えられているので、バルブプレートに低減孔の設けられたシリンダボアにおいては、低減孔を開口するように制御弁の制御を行うことにより、圧縮室と吐出室とを連通させることができる。また、低減孔を閉鎖させるように制御弁の制御を行うことにより、圧縮室と吐出室との連通を解除させることができる。
従って、圧縮機の起動時に低減孔の開閉制御を行わせることにより、圧縮室における圧縮負荷の増大を軽減させることができ、起動時におけるON/OFFショック低減を図ることができる。また、この低減孔の開閉制御は、低減孔の設けられたシリンダボアでのみ行うことができるので、起動時における冷房能力の極端な低下を招くことなくショック低減を図ることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置において、複数の前記低減孔が前記バルブプレートに設けられており、前記制御弁の開閉制御を個別に行う制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、複数の低減孔がバルブプレートに設けられており、制御弁の開閉制御を個別に行う制御手段が備えられているので、圧縮機の稼動時に制御弁の開閉制御を個別に行わせることにより、低減孔が開口状態に維持されたものと、低減孔が閉鎖状態に維持されたものの割合を変えることができ、冷房能力を可変とすることができる。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置において、前記制御手段は、圧縮機の起動時には、前記低減孔を開口するように前記制御弁を制御し、起動後所定時間経過後に前記低減孔を閉鎖するように前記制御弁を制御することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、制御手段は、圧縮機の起動時には、低減孔を開口するように制御弁を制御し、起動後所定時間経過後に低減孔を閉鎖するように制御弁の制御を行うので、起動後所定時間の間、低減孔が開口され圧縮室と吐出室とが連通される。この状態においては、圧縮室では吸入冷媒ガスの圧縮は行われず、従って、起動時における圧縮負荷を低減できる。そして、所定時間経過後に低減孔が閉鎖されるので、圧縮室では吸入冷媒ガスの圧縮が行われ、通常の動作を行わせることができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項2に記載の固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置において、前記制御手段は、圧縮機の稼動時において、前記低減孔の開口状態を維持する制御弁の個数と、前記低減孔の閉鎖状態を維持する制御弁の個数を可変制御することを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、圧縮機の稼動時において、低減孔の開口状態を維持するように制御弁が制御されたシリンダボアでは、圧縮室が低減孔の開口を介して常時吐出室と連通されているので、通常の圧縮動作がなされない。また、低減孔の閉鎖状態を維持するように制御弁が制御されたシリンダボアにおいては、低減孔が常時閉鎖されているので、通常の圧縮動作がなされ、圧縮された冷媒を外部冷媒回路へと供給することができる。
従って、低減孔に設けられた制御弁の内で、低減孔が開口状態のものと、閉鎖状態のものとのそれぞれの制御弁の個数が可変とされているので、低減孔が開口状態に維持された制御弁の個数が増えるにしたがい、通常の圧縮動作を行わないシリンダボアが増加し、圧縮機の冷房能力は低下することになる。一方、低減孔が閉鎖状態に維持された制御弁の個数が増えるにしたがい、通常の圧縮動作を行うシリンダボアが増加し、圧縮機の冷房能力は向上することになる。このように、圧縮機の冷房能力を変化させて使用することが可能となる。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項記載の固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置において、前記制御弁を、一端が前記低減孔に対向配置されたニードルと、前記ニードルの他端に前記ニードルの周囲を覆うように配置されたソレノイドと、前記低減孔を閉鎖する方向に前記ニードルを付勢するコイルスプリングとを備えた電磁制御弁とすることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、ソレノイドを励磁するとニードルはコイルスプリングの付勢力とは反対方向に吸引されるので低減孔は開口し、ソレノイドを消磁するとニードルは、コイルスプリングの付勢力により低減孔に押し付けられるので、低減孔は閉鎖する。このように、制御弁がニードルと、ソレノイドと、コイルスプリングを備えた電磁制御弁なので、安価で操作が簡単であり、使い易い。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、バルブプレートに低減孔を設け、制御弁で開閉可能とすることにより、圧縮機の起動時のON/OFFショック低減を、冷房能力の極端な低下を招くことなく実現可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る固定斜板式圧縮機(以下、単に「圧縮機」と呼ぶ)における起動ショック低減装置を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示されるように、接合された一対のシリンダブロック11、12には前部側にフロントハウジング13が接合され、後部側にリヤハウジング14が接合されている。尚、図1において圧縮機の左側を前方とし、右側を後方とする。フロントハウジング13には吐出室15が形成されている。リヤハウジング14には吐出室16及び吸入室17が形成されている。
【0013】
シリンダブロック11とフロントハウジング13との間にはバルブプレート18、弁形成プレート19及びリテーナ形成プレート20が介在されている。シリンダブロック12とリヤハウジング14との間にはバルブプレート21、弁形成プレート22及びリテーナ形成プレート23が介在されている。
バルブプレート18、21には吐出孔24、25が形成されており、弁形成プレート19、22には吐出弁26、27が形成されている。吐出弁26、27は吐出孔24、25を開閉する。リテーナ形成プレート20、23により吐出弁26、27の開度の規制が行われる。
【0014】
シリンダブロック11、12には回転軸28が回転可能に支持されている。回転軸28は、シリンダブロック11、12に貫設された軸孔29、30に挿通され、軸孔29、30を介してシリンダブロック11、12によって直接支持されている。
フロントハウジング13と回転軸28との間には軸シール部材31が介在されている。回転軸28には斜板32が回転軸28の軸心線mに対して一定の角度を持って固着されている。斜板32は、シリンダブロック11、12間の斜板室33に収容されている。シリンダブロック11の端面と斜板32の円環状の基部36との間にはスラストベアリング34が介在されており、シリンダブロック12の端面と斜板32の円環状の基部36との間にはスラストベアリング35が介在されている。スラストベアリング34、35により斜板32の軸心線mの方向の位置が規制されている。
【0015】
シリンダブロック11、12には複数のシリンダボア37、38が回転軸28の周囲に等間隔で配列されている(図2参照)。前後で対となるシリンダボア37、38には両頭ピストン39が収容されている。尚、この実施形態では、シリンダボア37、38の個数はそれぞれ5個とされている。
回転軸28と一体的に回転する斜板32の回転運動は、シュー40を介して両頭ピストン39に伝えられ、両頭ピストン39がシリンダボア37、38内を前後方向に往復動する。シリンダボア37内において、両頭ピストン39の前端面とバルブプレート18間には圧縮室41が区画形成される。また、シリンダボア38内において、両頭ピストン39の後端面とバルブプレート21間には圧縮室42が区画形成される。
【0016】
回転軸28内には供給通路43が形成されている。供給通路43の始端は、回転軸28の内端面にあってリヤハウジング14内の吸入室17に開口している。回転軸28には導入通路44、45が供給通路43に連通するように形成されている。
シリンダブロック11には吸入通路46がシリンダボア37と軸孔29を連通するように形成されている。また、シリンダブロック12には吸入通路47がシリンダボア38と軸孔30とを連通するように形成されている。回転軸28の回転に伴い、導入通路44、45は吸入通路46、47に間欠的に連通する。
【0017】
シリンダボア37内で両頭ピストン39が吸入行程の状態(即ち、両頭ピストン39が図1の左側から右側へ移動する行程)にある時には、導入通路44と吸入通路46とが連通し、回転軸28内の供給通路43の冷媒ガスが導入通路44及び吸入通路46を経由してシリンダボア37内の圧縮室41に吸入される。
シリンダボア37内で両頭ピストン39が吐出行程の状態(即ち、両頭ピストン39が図1の右側から左側へ移動する行程)にある時には、導入通路44と吸入通路46の連通は遮断され、圧縮室41内にて所定圧力まで圧縮された冷媒が吐出孔24から吐出弁26を押し退けて吐出室15へ排出される。吐出室15へ排出された冷媒は、図示しない外部冷媒回路へ流出する。
【0018】
シリンダボア38内で両頭ピストン39が吸入行程の状態(即ち、両頭ピストン39が図1の右側から左側へ移動する行程)にある時には、導入通路45と吸入通路47とが連通し、回転軸28内の供給通路43の冷媒ガスが導入通路45及び吸入通路47を経由してシリンダボア38内の圧縮室42に吸入される。
シリンダボア38内で両頭ピストン39が吐出行程の状態(即ち、両頭ピストン39が図1の左側から右側へ移動する行程)にある時には、導入通路45と吸入通路47の連通は遮断され、圧縮室42内にて所定圧力まで圧縮された冷媒が吐出孔25から吐出弁27を押し退けて吐出室16へ排出される。吐出室16へ排出された冷媒は、図示しない外部冷媒回路へ流出する。
尚、前後一対のシリンダボア37、38において、シリンダボア37内で両頭ピストン39が吸入行程にあるときには、シリンダボア38内で両頭ピストン39は吐出行程にあり、シリンダボア37内で両頭ピストン39が吐出行程にあるときには、シリンダボア38内で両頭ピストン39は吸入行程にある。
【0019】
ところで、バルブプレート21には吐出孔25とは別に、圧縮室42と吐出室16とを連通させる低減孔48が形成されている。この低減孔48は、図2に示されるように、2個のシリンダボア38に対向するバルブプレート21に設けられている。従って、残り3個のシリンダボア38に対向するバルブプレート21には低減孔48は設けられていない。尚、低減孔48は一つのシリンダボア38に対向して一つの低減孔48が形成されている。
【0020】
図1及び図3に示されるように、低減孔48に隣接する後方に低減孔48を開閉するための電磁制御弁49が配設されている。電磁制御弁49は、先端が低減孔48に対向配置されたニードル50と、ニードル50の後端にニードル50の周囲を覆うように配置されたソレノイド51と、低減孔48を閉鎖する方向にニードル50を付勢するコイルスプリング52とを備えている。電磁制御弁49はリヤハウジング14に形成されている取り付け孔53に後方より挿入され固定されている。
図1及び図2に示されるように、電磁制御弁49はそれぞれ個別に駆動回路54を介して制御装置55に接続されている。尚、駆動回路54及び制御装置55が電磁制御弁49の開閉制御を個別に行う制御手段に相当する。そして、低減孔48と電磁制御弁49と駆動回路54及び制御装置55とで圧縮機における起動ショック低減装置10は構成されている。
【0021】
制御装置55からの制御信号により駆動回路54がONとなると、ソレノイド51が励磁され、ニードル50はコイルスプリング52の付勢力とは反対方向(図3で右方向)に吸引され、ニードル50の先端部と低減孔48の接触は解消されることより低減孔48は開口状態となる。一方、制御装置55からの制御信号により駆動回路54がOFFとなると、ソレノイド51が消磁され、コイルスプリング52の付勢力によりニードル50は低減孔48側(図3で左方向)に押し付けられ、ニードル50の先端部と低減孔48が接触状態となることにより低減孔48は閉鎖状態となる。
尚、図3は、ニードル50の先端と低減孔48が接触し低減孔48が閉鎖状態にある時を示し、図4は、ニードル50の先端と低減孔48が非接触となり低減孔48が開口状態にある時を示している。
【0022】
制御装置55は、圧縮機の起動時には、電磁制御弁49の駆動回路54をON駆動することにより、低減孔48が開口状態となるように制御され、起動後所定時間経過後に電磁制御弁49の駆動回路54をOFF駆動することにより、低減孔48が閉鎖状態となるように制御を行う。この電磁制御弁49の開閉制御は、低減孔48と電磁制御弁49の設けられた2個のシリンダボア38でのみ行われる。
その後、圧縮機の稼動時においては、制御装置55は、電磁制御弁49の駆動回路54をONとし低減孔48の開口状態が維持される電磁制御弁49の個数と、電磁制御弁49の駆動回路54をOFFとし低減孔48の閉鎖状態が維持される電磁制御弁49の個数との可変制御を行う。
【0023】
次に、この実施形態に係る圧縮機における起動ショック低減装置10の動作について説明する。
まず、圧縮機の起動に伴い回転軸28が回転し、斜板32は回転軸28と一体回転を行い、斜板32と連結された両頭ピストン39は、前後方向へ往復運動を行う。シリンダブロック11に設けられた5個のシリンダボア37においては、両頭ピストン39が後方へ移動すると、導入通路44と吸入通路46とが連通し、吸入室17と連通された回転軸28内の供給通路43の冷媒ガスが導入通路44及び吸入通路46を経由してシリンダボア37内の圧縮室41に吸入される。続いて両頭ピストン39の前方への移動により、導入通路44と吸入通路46の連通は遮断され、圧縮室41内にて所定圧力まで圧縮された冷媒が吐出孔24から吐出弁26を押し退けて吐出室15へ排出される。この吸入、圧縮、吐出の通常動作は繰り返し行われ、吐出室15へ排出された冷媒は、図示しない外部冷媒回路へ流出する。
【0024】
シリンダブロック12に設けられた5個のシリンダボア38の内、低減孔48が設けられていない3個のシリンダボア38においては、両頭ピストン39が前方へ移動すると、導入通路45と吸入通路47とが連通し、吸入室17と連通された回転軸28内の供給通路43の冷媒ガスが導入通路45及び吸入通路47を経由してシリンダボア38内の圧縮室42に吸入される。続いて両頭ピストン39の後方への移動により、導入通路45と吸入通路47の連通は遮断され、圧縮室42内にて所定圧力まで圧縮された冷媒が吐出孔25から吐出弁27を押し退けて吐出室16へ排出される。この吸入、圧縮、吐出の通常動作は繰り返し行われ、吐出室16へ排出された冷媒は、図示しない外部冷媒回路へ流出する。
【0025】
シリンダブロック12に設けられた5個のシリンダボア38の内、低減孔48が設けられている2個のシリンダボア38においては、圧縮機の起動時には、制御装置55により電磁制御弁49の駆動回路54をON駆動することにより低減孔48が開口状態となるように制御され、起動後所定時間経過後に電磁制御弁49の駆動回路54をOFF駆動することにより低減孔48が閉鎖状態となるように制御が行われるので、圧縮機の起動後所定時間の間、低減孔48が開口され圧縮室42と吐出室16とが連通される。
【0026】
この低減孔48の開口状態において、両頭ピストン39が前方へ移動すると、導入通路45と吸入通路47とが連通し、吸入室17と連通された回転軸28内の供給通路43の冷媒ガスが導入通路45及び吸入通路47を経由してシリンダボア38内の圧縮室42に吸入される。続いて両頭ピストン39は後方へ移動するが、圧縮室42と吐出室16とが連通されているために、圧縮室42では吸入された冷媒の圧縮は行われず、吸入された冷媒はそのまま低減孔48を介して吐出室16へと排出される。従って、両頭ピストン39に作用する圧縮負荷の増大を軽減させることができ、起動時におけるON/OFFショック低減を図ることができる。
また、所定時間経過後に低減孔48が閉鎖され圧縮室42と吐出室16との連通が解除されるので、圧縮室42では、吸入、圧縮、吐出の通常動作を行わせることができる。
【0027】
図5に示されるグラフは、圧縮機の起動時におけるシリンダボア内の圧力特性を示したものであり、横軸に回転軸の回転角度をとり、縦軸にシリンダボア内圧力をとっている。破線で示す特性は従来の固定斜板式圧縮機のものであり、実線で示す特性は本発明の起動ショック低減装置10を設けた固定斜板式圧縮機のものである。
従来の固定斜板式圧縮機においては、起動時に回転軸の回転に伴い両頭ピストンが下死点位置より上死点位置へ移動すると、シリンダボア内圧力が急激に高まり、このことにより起動時のショックが大きくなる。一方、本発明の固定斜板式圧縮機においては、起動時に回転軸の回転に伴い両頭ピストンが下死点位置より上死点位置へ移動しても、起動ショック低減装置10の設けられたシリンダボアにおけるシリンダボア内圧力は殆ど上昇せず、このことにより起動時のショックは低減される。
【0028】
また、この実施形態においては、シリンダブロック12に設けられた5個のシリンダボア38の内、2個のシリンダボア38において低減孔48が設けられているので、圧縮機の起動時において圧縮作動の行われないシリンダボアの個数は2個であり、圧縮機全体としては、シリンダブロック11に設けられた5個のシリンダボア37を含めてシリンダボア10個中2個となり、起動時における冷房能力の極端な低下を防止できる。
【0029】
シリンダブロック12に設けられた5個のシリンダボア38の内、低減孔48が設けられている2個のシリンダボア38においては、圧縮機の稼動時には、制御装置55は低減孔48に設けられた2個の電磁制御弁49の内で、低減孔48が開口状態のものと、閉鎖状態のものとのそれぞれの電磁制御弁49の個数を可変制御できる。例えば、低減孔48に設けられた2個の電磁制御弁49の内、2個全部の電磁制御弁49を低減孔48を開口状態に維持するように制御すると、2個全部のシリンダボア38において通常の圧縮動作は行われないので、圧縮機の冷房能力は低下する。また、低減孔48に設けられた2個の電磁制御弁49の内、2個全部の電磁制御弁49を低減孔48を閉鎖状態に維持するように制御すると、2個全部のシリンダボア38において通常の圧縮動作は行われ、圧縮機の冷房能力は向上する。また、1個の電磁制御弁49を低減孔48を開口状態に維持するように制御し、もう1個の電磁制御弁49を低減孔48を閉鎖状態に維持するように制御すると、圧縮機の冷房能力は少し低下する。
【0030】
この実施形態に係る圧縮機における起動ショック低減装置10によれば以下の効果を奏する。
(1)シリンダブロック12に設けられた5個のシリンダボア38の内、低減孔48が設けられている2個のシリンダボア38においては、圧縮機の起動時には、制御装置55により電磁制御弁49の駆動回路54をON駆動することにより低減孔48が開口状態となるように制御され、起動後所定時間経過後に電磁制御弁49の駆動回路54をOFF駆動することにより低減孔48が閉鎖状態となるように制御が行われるので、圧縮機の起動後所定時間の間、低減孔48が開口され圧縮室42と吐出室16とが連通される。この状態においては、圧縮室42では吸入された冷媒の圧縮は行われず、吸入された冷媒はそのまま低減孔48を介して吐出室16へと排出される。従って、両頭ピストン39に作用する圧縮負荷の増大を軽減させることができ、起動時におけるON/OFFショック低減を図ることができる。
(2)シリンダブロック12に設けられた5個のシリンダボア38の内、2個のシリンダボア38において低減孔48が設けられているので、圧縮機の起動時において圧縮作動の行われないシリンダボアの個数は2個であり、圧縮機全体としては、シリンダブロック11に設けられた5個のシリンダボア37を含めてシリンダボア10個中2個となる。従って、起動時における冷房能力の極端な低下を防止できる。
(3)低減孔48の開閉制御を行う電磁制御弁49は、先端が低減孔48に対向配置されたニードル50と、ニードル50の後端にニードル50の周囲を覆うように配置されたソレノイド51と、低減孔48を閉鎖する方向にニードル50を付勢するコイルスプリング52とを備えており、ソレノイド51を励磁するとニードル50はコイルスプリング52の付勢力とは反対方向に吸引されるので低減孔48は開口し、ソレノイド51を消磁するとニードル50は、コイルスプリング52の付勢力により低減孔48に押し付けられるので、低減孔48は閉鎖する。このように、制御弁が電磁制御弁49なので、安価で操作が簡単であり、使い易い。
(4)シリンダブロック12に設けられた5個のシリンダボア38の内、低減孔48が設けられている2個のシリンダボア38においては、圧縮機の稼動時には、制御装置55は低減孔48に設けられた2個の電磁制御弁49の内で、低減孔48が開口状態のものと、閉鎖状態のものとのそれぞれの電磁制御弁49の個数を可変制御できる。例えば、低減孔48に設けられた2個の電磁制御弁49の内、2個全部の電磁制御弁49を低減孔48を開口状態に維持するように制御すると、2個全部のシリンダボア38において通常の圧縮動作は行われないので、圧縮機の冷房能力は低下する。また、低減孔48に設けられた2個の電磁制御弁49の内、2個全部の電磁制御弁49を低減孔48を閉鎖状態に維持するように制御すると、2個全部のシリンダボア38において通常の圧縮動作は行われ、圧縮機の冷房能力は向上する。このように、低減孔48に設けられた電磁制御弁49の内で、低減孔48が開口状態のものと、閉鎖状態のものとのそれぞれの個数を可変制御されることにより、圧縮機の冷房能力を変化させて使用することが可能となり、圧縮機の性能向上を図れる。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る圧縮機における起動ショック低減装置60を図6に基づいて説明する。
この実施形態は、第1の実施形態におけるバルブプレート21に低減孔48の設けられたシリンダボア38の個数を変更したものであり、その他の構成は共通である。
従って、ここでは説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
【0032】
図6に示されるように、この実施形態の圧縮機においては、シリンダブロック12に設けられた5個のシリンダボア38の内、5個すべてのシリンダボア38に対向するバルブプレート21に低減孔48が設けられている。低減孔48に隣接する後方には低減孔48を開閉するための電磁制御弁49が配設されており、電磁制御弁49はそれぞれ個別に駆動回路54を介して制御装置55に接続されている。
【0033】
制御装置55は、圧縮機の起動時には、電磁制御弁49の駆動回路54をON駆動することにより、低減孔48が開口状態となるように制御され、起動後所定時間経過後に電磁制御弁49の駆動回路54をOFF駆動することにより、低減孔48が閉鎖状態となるように制御を行う。この電磁制御弁49の開閉制御は、低減孔48と電磁制御弁49の設けられた5個すべてのシリンダボア38で行われる。
その後、圧縮機の稼動時においては、制御装置55は、電磁制御弁49の駆動回路54をONとし低減孔48の開口状態が維持される電磁制御弁49の個数と、電磁制御弁49の駆動回路54をOFFとし低減孔48の閉鎖状態が維持される電磁制御弁49の個数との可変制御を行う。
【0034】
電磁制御弁49の駆動回路54がONとされ低減孔48の開口状態が維持されるように電磁制御弁49が制御されるシリンダボア38では、圧縮室42が低減孔48の開口を介して常時吐出室16と連通されているので、通常の圧縮動作がなされない。また、電磁制御弁49の駆動回路54がOFFとされ低減孔48の閉鎖状態が維持されるように電磁制御弁49が制御されるシリンダボア38では、圧縮室42と吐出室16とを連通する低減孔48が閉鎖されているので、通常の圧縮動作がなされ、圧縮された冷媒を外部冷媒回路へと供給することができる。
【0035】
制御装置55は低減孔48に設けられた5個の電磁制御弁49の内で、低減孔48が開口状態のものと、閉鎖状態のものとのそれぞれの電磁制御弁49の個数を可変制御できる。例えば、5個全部の電磁制御弁49を低減孔48を開口状態に維持するように制御すると、5個全部のシリンダボア38において通常の圧縮動作がなされない。この場合には、5個全部のシリンダボア38において圧縮された冷媒を外部冷媒回路へと供給することができない。シリンダブロック11に設けられた5個のシリンダボア37を含めて圧縮機全体で考えると、シリンダボア10個中5個で通常の圧縮動作がなされ、残りの5個で通常の圧縮動作がなされないことになり、圧縮機の冷房能力がかなり低下する。(シリンダボアの稼働率50%)
【0036】
また、低減孔48に設けられた5個の電磁制御弁49の内で3個を開口状態に維持し、残り2個を閉鎖状態に維持するように制御すると、3個のシリンダボア38において通常の圧縮動作がなされず、2個のシリンダボア38において通常の圧縮動作がなされる。この場合には、圧縮機全体で考えると、シリンダボア10個中7個で通常の圧縮動作がなされ、残りの3個で通常の圧縮動作がなされないことになる。(シリンダボアの稼働率70%)
【0037】
また、低減孔48に設けられた5個の電磁制御弁49の内で5個全部を閉鎖状態に維持するように制御すると、5個全部のシリンダボア38において通常の圧縮動作がなされる。この場合には、圧縮機全体で考えると、シリンダボア10個中10個全てで通常の圧縮動作がなされるので、冷房能力を最も高めることが可能となる。(シリンダボアの稼働率100%)
【0038】
このように、圧縮機の冷房能力を変化させて使用することが可能となるので、例えば、内外の温度差が大きくて急速冷房を必要とする時には、低減孔48に設けられた5個の電磁制御弁49の内で5個全部を閉鎖状態に維持するように制御される。また、内外の温度差がそんなに大きくない通常冷房の場合には、低減孔48に設けられた5個の電磁制御弁49の内で3個を開口状態に維持し、残り2個を閉鎖状態に維持するように制御される。そして、冷房をそんなに利かさない弱冷房の場合には、低減孔48に設けられた5個の電磁制御弁49の内で5個全部を開口状態に維持するように制御される。
このような冷房能力を可変とする制御プログラムは予め制御装置55に記憶されており、この記憶された制御プログラムに基づき制御装置55は駆動回路54をON/OFF駆動させ電磁制御弁49の開閉制御を行い、圧縮機の冷房能力を変化させている。
【0039】
この実施形態に係る圧縮機における起動ショック低減装置60によれば以下の効果を奏する。
尚、第1の実施形態における(1)〜(3)の効果は同じであり、それ以外の効果を記載する。
(1)圧縮機の稼動時において、制御装置55は、電磁制御弁49の駆動回路54をONとし低減孔48の開口状態が維持される電磁制御弁49の個数と、電磁制御弁49の駆動回路54をOFFとし低減孔48の閉鎖状態が維持される電磁制御弁49の個数との可変制御を行う。低減孔48に設けられた5個の電磁制御弁49の内、5個全部の電磁制御弁49を低減孔48を開口状態に維持するように制御すると、5個全部のシリンダボア38において通常の圧縮動作は行われないので、圧縮機の冷房能力は低下する。また、低減孔48に設けられた5個の電磁制御弁49の内、5個全部の電磁制御弁49を低減孔48を閉鎖状態に維持するように制御すると、5個全部のシリンダボア38において通常の圧縮動作は行われ、圧縮機の冷房能力は向上する。このように、低減孔48に設けられた電磁制御弁49の内で、低減孔48が開口状態のものと、閉鎖状態のものとのそれぞれの個数を可変制御されることにより、圧縮機の冷房能力を変化させて使用することが可能となり、圧縮機の性能向上を図れる。
【0040】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る圧縮機における起動ショック低減装置70を図7に基づいて説明する。
この実施形態は、第2の実施形態における駆動回路54と制御装置55の連結構造を変更したものであり、その他の構成は共通である。
従って、ここでは説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
【0041】
図7に示されるように、この実施形態の圧縮機においては、バルブプレート21に形成された5個の低減孔48に対して、それぞれ対応する5個の電磁制御弁49が設けられ、その内2個の電磁制御弁49を一つの駆動回路54で一括制御するように接続し、残りの3個の電磁制御弁49を別の一つの駆動回路54で一括制御するように接続し、この2つの駆動回路54を一つの制御装置55で統括制御するように接続されている。
この場合においては、制御装置55は、一つの駆動回路54と接続された2個の電磁制御弁49及び別の一つの駆動回路54と接続された3個の電磁制御弁49をそれぞれ一括して制御することが可能となる。
一括制御可能なので、駆動回路54をそれぞれの電磁制御弁49に対応して個別に設ける必要がなく、制御構造の簡略化を図ることができる。
【0042】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 第1の実施形態では、低減孔48の設けられたシリンダボア38の個数を2個として説明したが、1個以上であれば良く、1個でもよくまた、3個以上としても構わない。
○ 第2の実施形態では、低減孔48の設けられたシリンダボア38の個数を5個とし、起動時においては5個全ての電磁制御弁49をON/OFF駆動するとして説明したが、全部ではなくて5個の内、1〜4個をON/OFF駆動しても良い。
○ 第2の実施形態では、低減孔48の設けられたシリンダボア38の個数を5個とし、
圧縮機の稼動時においては、このうちで開口状態に維持されるシリンダボア38の個数と、閉鎖状態に維持されるシリンダボア38の個数とを可変制御させるとして説明したが、低減孔48の設けられたシリンダボア38の個数は2個以上であればよく、また、前後併せて10個全てのシリンダボア37、38に低減孔48を設けても良い。
○ 第1、第2の実施形態では、低減孔48の開閉制御を行う制御弁を電磁制御弁49として説明したが、油圧式制御弁、モータ式制御弁でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1の実施形態に係る起動ショック低減装置を備えた圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のP部拡大断面図(低減孔が閉鎖状態)である。
【図4】図3において、低減孔が開口状態の時を示す。
【図5】第1の実施形態に係る圧縮機の起動時のシリンダボア内圧力特性を示すグラフである。
【図6】第2の実施形態に係る起動ショック低減装置を備えた圧縮機の図2に対応する断面図である。
【図7】第3の実施形態に係る起動ショック低減装置を備えた圧縮機の図2に対応する断面図である。
【符号の説明】
【0044】
10 起動ショック低減装置
15、16 吐出室
17 吸入室
18、21 バルブプレート
24、25 吐出孔
37、38 シリンダボア
39 両頭ピストン
41 圧縮室
48 低減孔
49 電磁制御弁
54 駆動回路
55 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロックの端部にバルブプレートを介して接合固定されたハウジングと、前記シリンダブロックに形成され、それぞれピストンを収容する複数のシリンダボアと、前記ハウジングに区画形成した吸入室及び吐出室とを備え、前記ピストンの往復動によって、冷媒ガスを前記吸入室から前記シリンダボア内の圧縮室に吸入して圧縮した後、前記バルブプレートに形成され吐出弁で開閉する吐出孔を介して吐出室内へ吐出する構成を有する固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置において、
前記シリンダボアに対向する前記バルブプレートに前記吐出孔とは別に、前記圧縮室と前記吐出室を連通させる低減孔を形成し、
前記低減孔は一つの前記シリンダボアに対向して一つの前記低減孔が形成されており、少なくとも一つ以上の前記低減孔が前記バルブプレートに設けられており、
前記低減孔に隣接して前記低減孔を開閉するための制御弁を設け、
前記制御弁の開閉制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置。
【請求項2】
複数の前記低減孔が前記バルブプレートに設けられており、前記制御弁の開閉制御を個別に行う制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置。
【請求項3】
前記制御手段は、圧縮機の起動時には、前記低減孔を開口するように前記制御弁を制御し、起動後所定時間経過後に前記低減孔を閉鎖するように前記制御弁を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置。
【請求項4】
前記制御手段は、圧縮機の稼動時において、前記低減孔の開口状態を維持する制御弁の個数と、前記低減孔の閉鎖状態を維持する制御弁の個数を可変制御することを特徴とする請求項2に記載の固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置。
【請求項5】
前記制御弁を、一端が前記低減孔に対向配置されたニードルと、前記ニードルの他端に前記ニードルの周囲を覆うように配置されたソレノイドと、前記低減孔を閉鎖する方向に前記ニードルを付勢するコイルスプリングとを備えた電磁制御弁とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の固定斜板式圧縮機における起動ショック低減装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−248767(P2008−248767A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90412(P2007−90412)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】