説明

固形物包被食品の製造装置

【課題】複数の固形物が内在する棒状食品から、包被食品を包被切断する際に、固形物を互いに密着させることなく、棒状食品内に水平方向に配置させる。また、固形物とそれを被う食品材料とを密着させる。
【解決手段】重合ノズル13を有する包あん機と、該包あん機に複数の固形物を同時に供給する固形物供給装置57を備え、前記重合ノズル13は、複数の固形物がぞれぞれ個別に降下する通路を有する管部材と、該管部材を囲繞するノズル部材45とを備えた固形物包被食品の製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苺や栗等の果物、又は茹で卵等の固形物を饅頭などの菓子やハンバーグ等の調理食品の内部に供給して包被食品を製造する製造装置および製造方法に関する。さらに詳しくは、2個以上の固形物を内包する包被食品を製造する製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国の伝統菓子に2個のヨークを内包する月餅(二粒蛋黄月餅と称す)がある。ヨークとは、アヒルの卵の黄味を塩漬けした固形物である。二粒卵黄月餅は、円盤形状や直方体(底面が正方形)に型押成型されたものが一般的である。この月餅においては、月餅の中心から2個のヨークが左右(半径方向)に均等に離れて内在することが望ましいものである。
【0003】
特許文献1には、2個の固形物を内包する包被食品を製造する製造装置としての包あん機が記載されている。この包あん機は、外筒、内筒及び中心筒を同心円状に構成した重合ノズルを備えている。重合ノズルの上部には、固形物供給装置が備えられている。また、重合ノズルの下方には、包被切断装置が備えられている。さらに、包被切断装置の下方には、搬送装置としてのベルトコンベアが備えられている。そして、搬送装置の下流側には、包被食品を型押成型する型打ち機が備えられている。
【0004】
この固形物供給装置は、2個の固形物を1組として収容する収容孔が所定の間隔で形成された回転盤を回転自在に備えている。この固形物供給装置から2個の固形物が1組になって重合ノズルの中心筒に間欠的に供給される。そして、固形物と、固形物を被う内材と、内材を被う外皮材からなる三層構造の棒状食品が重合ノズルから吐出される。さらに、包被切断装置により棒状食品から2個の固形物を内包する包被食品が切断される。この時、2個の固形物は包被食品の内部で上下方向に重なって密着している。
【0005】
そして、この包被食品は前記上下方向が搬送方向(水平方向)に向くよう人手などにより置き換えられる。その後、包被食品は前記型打ち機により型押成型される。この時、包被食品の方向性を整えるために手作業などが必要であり製造効率の向上が望まれていた。また、この包被食品内の2個の固形物は、固形物同士が密着した状態から型で押しつぶされるため、固形物同士が離間しない場合があった。また、固形物同士が離間した場合であっても、固形物同士の密着の程度が一定でないため、固形物同士の間隔が安定しないという問題があった。また、2個の固形物の間には、空隙が形成されるため、焼成時に包被食品が破裂する(内部の空気が加熱により膨張し、包被食品を破ってしまうこと)問題があった。特に、包被食品が二粒蛋黄月餅の場合には、その商品価値を著しく低下させてしまうという問題があった。したがって、本来の二粒卵黄月餅は、人手により製造するしか方法がなく、その生産効率が向上できる製造装置および製造方法が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国実用新案2686346号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
2個以上の固形物(あるいは、2グループ以上の固形物群)を内包する包被食品を製造するに際して、固形物同士が離間しないという問題や、固形物同士の間隔が安定しないという問題があった。また、固形物の回りには、空隙が形成されるため、加熱処理時に包被食品が破裂する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、複数の固形物を内包する固形物包被食品の製造装置であって、重合ノズルを有する包あん機と、該包あん機に前記複数の固形物を同時に供給する固形物供給装置を備え、前記重合ノズルは、複数の固形物がぞれぞれ個別に降下する通路を有する管部材と、該管部材を囲繞するノズル部材とを備えたことを特徴とする該装置である。
【0009】
また、前記ノズル部材の吐出口の形状が前記管部材の通路が配置された方向に沿って長軸を有するように備えたことを特徴とする固形物包被食品の製造装置である。
【0010】
また、前記固形物供給装置は、前記管部材の中を上下動可能なピストンを備え、該ピストンの下面に前記複数の固形物をそれらの中心に押圧する押圧面を備えたことを特徴とする該装置である。
【0011】
また、前記固形物供給装置は、前記管部材の中を上下動可能なピストンを備え、該ピストンに吸引装置を連通して備えたことを特徴とする固形物包被食品の製造装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の固形物が内在する棒状食品から包被食品を包被切断する際に、前記固形物を互いに密着させることなく前記棒状食品内に水平方向に配置させることができる。
【0013】
また、固形物とそれを被う食品材料とを密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1を概略的に示した正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した側面図であり、一部を断面にて示している。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した上面図(平面図)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した図であり、図3におけるX−X矢視による断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した図であり、図3におけるY−Y矢視による断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した図であり、図5における各部の組み立て手順を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した正面図であり、一部を断面にて示している。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した上面図(平面図)である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した図であり、図10におけるW−W矢視による断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した図であり、図3におけるV−V矢視による断面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した正面図であり、一部を断面にて示している。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る包被食品製造装置1の主要部を概略的に示した図であり、図11におけるZ−Z矢視による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施の形態に係る包被食品製造装置1について図1乃至図3を用いて説明する。包被食品製造装置1は、包あん機2を備えている。この包あん機2は、架台3を備えている。この架台3の上部には、食品材料としての内包材5を収容する内包材用ホッパー7と、食品材料としての外皮材9を収容する外皮材用ホッパー11が備えられている。内包材供給装置15が前記内包材用ホッパー7の下側に備えられている。この内包材供給装置15は、スクリュー8及びベーンポンプ10を内蔵している。また、外皮材供給装置17が外皮材用ホッパー11の下側に備えられている。この外皮材供給装置17は、スクリュー12及びベーンポンプ14を内蔵している。そして、重合ノズル13は、内包材供給装置15と外皮材供給装置17との間に備えられている。
【0016】
包被切断装置21は、前記重合ノズル13の下方に備えられている。また、前記重合ノズル13は、前記固形物A,固形物Bの外側を前記内包材5にて被い、さらに、前記内包材5の外側に外皮材9を重合した三重構造の棒状生地19を吐出する。この包被切断装置21は、前記棒状生地19から二つの固形物A,固形物Bを内包した包被食品23を包被切断する。
【0017】
コンベヤ装置25は、前記包被切断装置21の下方に備えられている。このコンベヤ装置25は、無端状の平ベルトを備えている。この平ベルトは、前記包被食品23を搬送するコンベアベルト25Aであり駆動プーリ25Bなどに捲回され、間欠的に運行される。また、上下動プレート26は、前記重合ノズル13の下方位置において、前記コンベアベルト25Aの内側に上下動可能に備えられている。この上下動プレート26の上下動に伴なって前記コンベアベルト25Aの搬送面の一部が上下動する。ここでは、コンベア装置25が上下動すると述べる場合もある。
【0018】
なお、前記内包材供給装置9、外皮材供給装置15、包被切断装置21及びコンベヤ装置25は公知の構成でよいものであるから、その構成についての詳細な説明は省略する。
【0019】
さらに、図4乃至図9を参照して説明する。前記重合ノズル13は、上部ケーシング31と下部ケーシング33を備えている。上部ケーシング31は、外筒32と内筒35を備えている。この外筒32は、接続口32A及び接続口32Bを各々側部に備えている(図7参照)。この接続口32Aは、前記内包材供給装置15に連通されている。また、この接続口32Bは、前記外皮材供給装置17に連通されている。前記外筒32の内側には、この外筒32の筒部32Cと同心状に内筒35が備えられている。この内筒35は、中空であり、筒部の側面開口が前記接続口32Aに連通するよう備えられている。この内筒35は、前記内包材5が通過自在に形成されている。また、前記外筒32の筒部32Cの内周面と前記内筒35の外周面との間に環状の空間R1が形成される。この環状の空間R1が前記接続口32Bに連通している。したがって、前記外筒32は、その内部に前記外皮材9が通過自在に形成されている。
【0020】
さらに、前記内筒35内側には、導入ガイド部材37が備えられている。この導入ガイド部材37は、固形物を前記重合ノズル13の下方位置まで案内する部材である。この導入ガイド部材37は、フランジ部材39を備えている。このフランジ部材39は、2つの貫通孔39A,39Bがフランジ部材39の中心に対して対称的に形成されている。このフランジ部材39は、同一形状の2つの管部材41A,41Bを備えている。2つの管部材41A,41Bは、各上端部が前記貫通孔39A,39Bにそれぞれ嵌入され、適宜位置にてねじ止めされている。また、前記フランジ部材39の上面には、位置決め用のピン部材43が取り付けられている。本実施の形態においては、このピン部材43は、前記貫通孔39A,39Bが配置された方向に対し直交する方向に配置されている。
【0021】
また、前記フランジ部材39のフランジ部39Cの下面に位置決め用の突条部39Dが形成されている。この突条部39Dは、フランジ部材39の鉛直方向に沿った中心に対し、前記ピン部材43が配置された方向と同位相に配置されている。そして、前記内筒35の上端部には、この突条部39Dに嵌合する凹状のスリット35Aが形成されている。また、内筒35の下端部には、内包材用ノズル45が螺合されている。前記フランジ部材39は、上方より前記内筒35の内側に嵌入され、前記フランジ部39Cが前記内筒35の上面に載置された状態でナット部材83にて内筒35に固定される。
【0022】
下部ケーシング33は、外皮材用ノズル47、ハウジング49を備えている。この外皮材用ノズル47は、ハウジング49の下方より嵌合され、ナット部材51にて固定される。このハウジング49を前記外筒32の下面に取り付けることにより、前記外皮材用ノズル47は、前記内包材用ノズル45を囲繞するよう配置さ
れる。したがって、内包材用ノズル45の外周面と外皮材用ノズル47の内周面との間に環状の空間R2が形成され、環状空間R2が前記上部ケーシング31に形成された環状空間R1と連通して前記重合ノズル13の内部に外皮材9が通過する環状空間Rが形成される。
【0023】
前記上部ケーシング31と前記下部ケーシング33の間には、撹拌回転部材27が図示されない駆動装置に連動連結され、回転自在に備えられている。この撹拌回転部材27は、撹拌部材27Aを備えている。この撹拌部材27Aは、前記環状空間R内を回転可能に配置されている。この撹拌回転部材27は、前記環状空間Rを通過する外皮材9を撹拌するものである。
【0024】
図8(a)に示すように、前記内包材用ノズル45の内周面は、前記2つの管部材41A,41Bが貫通可能な大きさに形成されている。また、前記内包材用ノズル45の吐出口45Aは、長円形状に形成されている。さらに、前記外皮材用ノズル47の吐出口47Aも長円形状に形成されている。そして、前記吐出口45Aの長軸45L及び前記吐出口47Aの長軸47Lがそれぞれ前記2つの管部材41A,41Bが配置された水平方向に沿うよう配置されている。なお、前記吐出口45A及び前記吐出口47Aの形状は楕円形状でもよい。また、前記吐出口45Aと前記吐出口47Aとの隙間は全周にわたりほぼ同一に形成されている。
【0025】
前記管部材41A,41Bに対する前記内包材用ノズル45及び前記外皮材用ノズル47の位置決め機構について説明する。前記内包材用ノズル45の側面には、2本の位置決め用のピン53が内包材用ノズル45の鉛直方向の中心に対し対称位置に螺合されている。また、前記外皮材用ノズル47の上部内周面には、前記ピン53が嵌合する凹状の嵌合溝47Bが2箇所形成されている(図5参照)。さらに、前記外皮材用ノズル47の上部外周面には、位置決め用のピン55が圧入されている。本実施の形態において、このピン55は、2つの前記嵌合溝47Bが形成される水平方向に対し直交する水平方向に取り付けられている。そして、前記ハウジング49の内周面には、前記外皮材用ノズル47のピン55が嵌合する凹状の嵌合溝49Bが形成されている。
【0026】
固形物供給装置57は、前記重合ノズル13の上部に着脱自在に載置されている。この固形物供給装置57は、ベース部59を備えている。この固形物供給装置57は、ベース部59の基端部59A(図2における左側)を止めねじ61にて包あん機2に取り付けられている。ベース部59のベースプレート59Bの上面には、たらい状のトレイ63がねじにより着脱自在に取り付けられている。このトレイ63の底面には、前記重合ノズル13の上方位置に開口63Aが備えられている。さらに、回転ディスク65が前記トレイ63の内側に備えられている。
【0027】
前記ベースプレート59Bの下面には、前記回転ディスク65を間欠的に回転駆動する駆動装置が備えられている。この駆動装置は、公知の機構でよく、サーボモータなどの電動モータやラチェット機構などでよい。そして、前記回転ディスク65は、止めねじ67により前記駆動装置の回転軸69に着脱可能に取り付けられている。
【0028】
前記回転ディスク65は、円周P上に24個の収容孔65Aを等間隔に備えている。さらに、前記回転ディスク65は、前記円周Pより小径の円周Q上に24個の収容孔65Bを等間隔に備えている。つまり、前記回転ディスク65は、ある収容孔65Aとこの収容孔65Aに隣接する一方の収容孔65Bとを一組として24組の収容孔を備えている。そして、前記回転ディスク65は、前記回転軸35の回転により15度ずつ間欠的に一方向(図3においては左方向)に回転する。これら収容孔65A,収容孔65Bに固形物A,固形物Bを収容し、前記回転ディスク65を間欠的に回転させることにより、固形物A,固形物Bが前記重合ノズル13内に間欠的に供給される。
【0029】
また、前記固形物供給装置57は、前記回転ディスク65及び前記重合ノズル13の上方位置に押込装置71を備えている。この押込装置71は、前記重合ノズル13内に供給された固形物A,Bを前記重合ノズル13の下方位置まで押し込むための装置である。この押込装置71は、スタンド73を備えている。このスタンド73は、前記トレイ63と前記止めねじ61の間においてその長手方向を鉛直方向に沿って前記ベース部59に取り付けられている。さらに、直動するアクチュエータとしてのロッドレスシリンダ75は、前記スタンド73の一側面に固定されている。このロッドレスシリンダ75は、そのスライダ75Aの移動方向が鉛直方向に沿うように配置されている。そして、スライダ75Aには、ホルダー75Bを介して2本のロッド77A,77Bが備えられている。2本のロッド77A,77Bは、その長手方向が鉛直方向に沿うよう互いに平行に配置されている。前記ロッド77A及びロッド77Bの各下端部には、ピストン78A,78Bがそれぞれ螺合されている。これらピストン78A,78Bは、回転を停止した前記回転ディスク65の前記収容孔65A及び収容孔65Bにそれぞれ挿通可能に配置されている。
【0030】
また、前記ロッド77A,77B及び前記ピストン78A,78Bは、中空状に形成されており、前記ロッド77A,77Bの上端部は、図示されない吸引装置に連通されている。
【0031】
前記固形物供給装置57と前記重合ノズル13との位置決め機構について説明する。前記固形物供給装置57のベースプレート59Bの下面には、フランジ部材79が取り付けられている。このフランジ部材79は、2つの貫通孔79A,79Bが備えられている。そして、各貫通孔79A,79Bは、停止した回転ディスク65の各収容孔65A,65Bとそれぞれ一致するよう配置されている。また、前記フランジ部材79の下面には、嵌合凹部79Cが形成されている。この嵌合凹部79Cの底面には、位置決め用の嵌合穴79Hが形成されている。この嵌合凹部79Cは、前記重合ノズル13に備えられた導入ガイド37のフランジ部材39の上端部と嵌合する。この時、前記嵌合穴79Hは、前記重合ノズル13のピン部材43と嵌合することとなり、位置決めがなされる。
【0032】
このように前記重合ノズルと前記固形物供給装置には、前記固形物が前記固形物供給装置及び前記重合ノズル内を通過動可能なように各通路が同位相となるように組み合わせるための位置合わせ機構が構成されており、前記押込装置71のロッド77A,77B、前記回転ディスク65の収容孔65A,65B、前記重合ノズル13の管部材41A,41Bなどが上面視においてほほ同心状に配置される。また、内包材用ノズル45の吐出口45A及び外皮材用ノズル47の吐出口47Aの方向性を上記各部材の方向性と位置合わせすることができる。言い換えれば、内包材用ノズル45の吐出口45A及び外皮材用ノズル47の吐出口47Aの長軸と、管部材41A,41Bの配置方向とを水平方向に一致させることができる。さらには、各部材を本包被食品製造装置1本体に組み付ける際に、それらの位置合わせが容易にできる。
【0033】
なお、前記内筒35の内部に振れ防止プレート81が上下方向に移動自在に備えられている。この振れ防止プレート81は、その内部に長円形の挿通孔81Aが形成されている。そして、この挿通孔81Aに前記管部材41A,41Bが挿通されている。この振れ防止プレート81は、各ピストン78A,78Bがそれぞれ管部材41A,41Bの内部を上下動する際に、管部材41A,41Bが半径方向に振れること防止するためのものである。
【0034】
ここで、本発明の第1の実施の形態に基づく包被切断の工程について説明する。ここでの包被食品は、外皮材に月餅生地、内包材に餡、固形物にヨークを用いた二粒蛋黄月餅である。
【0035】
重合ノズル13の下方よりの内包材5及び外皮材9が吐出された状態から説明する。外皮材用ノズル47の吐出口47Aから棒状生地19が吐出される。この棒状生地19は、内包材5を外皮材7で被った二重構造である。内包材5は、内包材用ノズル45の内周面と導入ガイド37の2本の管部材41A,41Bの外周面との間を通過して該内包材用ノズル45の吐出口45Aから吐出される。この際、棒状に吐出される内包材5の内部には、2本の円柱形で底部を備えた袋状の空間5A,5Bが形成されている。
【0036】
このとき、固形物供給装置57の回転ディスク65が矢印Tの方向に15度回転し再び停止する。すると、回転ディスク65の収容孔65A,65Bから固形物A,Bが同時に落下し、前記内包材5の空間5A,5Bにそれぞれ個別に供給される。さらに、前記回転ディスク65の停止と同時に、前記押込装置71のロッドレスシリンダが駆動し、上昇位置に停止していた各ピストン78A,78Bがそれぞれ収容孔65A,65B、導入ガイド37の通路(貫通孔39A及び管部材41A,貫通孔39B、及び管部材41B)の内部を降下する。この際、通路内に固形物が滞留した場合には、前記ピストン78A,78Bが固形物A,Bを降下位置まで押し下げることができ、袋状の前記空間5A,5Bに固形物A,Bを安定して供給することができる。また、前記ピストン78A,78Bが固形物A,Bを袋状の前記空間5A,5Bの底部に押し付けるため、固形物A,Bの下方部分を内包材5に密着させることができる。また、2個の固形物A,Bの間には前記内包材5が介在するため、固形物A,B同士が棒状生地19の内部で接すること無く、離間して水平方向に配置することができる。
【0037】
降下位置まで降下した前記ピストン78A,78Bは、再び上昇する。前記ピストン78A,78Bが上昇する前後、あるいは、上昇する際に、前記吸引装置を作動させ、中空状のピストン78A,78Bの先端から内包材5の空間5A,5B内の空気を吸引する。この吸引動作と連動するように、包被切断装置21が動作し、固形物A,Bを内在した三重構造の棒状食品19から2個の固形物A,Bを水平方向に沿って内包した包被食品23が製造される。この際、固形物A,Bのそれぞれを収容した袋状の空間5A,5B内が減圧され、前記空間5A,5Bが縮小する。したがって、それぞれの固形物A,Bに対しその回りの内包材5が密着するように移動するため、それぞれの固形物A,Bの回りに間隙が形成されることが抑制でき、焼成などの熱処理工程時に包被食品が破裂(内部の空気が加熱により膨張し、包被食品を破ってしまうこと)することが防止できる。なお、本説明においては、前記管部材41A,41Bの下端の位置を前記外皮材用ノズル47の下端の位置と同一としたが、これに限ることなく、管部材41A,41Bの下端の位置を前記外皮材用ノズル47の下端の位置より下方に位置させることも可能である。このように配置させることにより、吸引の際に、前記固形物A,Bにより近い領域の棒状生地19を前記空間5A,5B側へ縮小することが可能となり、固形物A,Bに対しその回りの内包材5が密着する効果を向上させることができる。
【0038】
詳述すると、前記棒状生地19は、連続して吐出されている。この棒状食品19の底部は、下方より上昇してきたコンベア装置25に支持され、その後、コンベア装置25は、吐出される食品生地19の吐出速度とほぼ同速度で降下する。また、包被切断装置21は、上昇位置から前記棒状生地19の吐出速度より若干速い速度で降下しながら、前記棒状生地19を切断していく。したがって、包被切断装置21の下面とコンベア装置25の上面との間にて、棒状生地19を挟むようにしながら包被食品23を切断していく。この際、包被食品23に内在する固形物A及び固形物Bは、それらの間に内包材5が押し入れられ互いに離反することとなる。本出願人は、包被食品23に内在する固形物A及び固形物Bの間が離反することを抑制する手段として内包材用ノズル45の吐出口45A及び外皮材用ノズル47の吐出口47Aを長円や楕円形状に形成することを見出した。
【0039】
ここでは、前記棒状生地19が前記包被切断装置21に備えられた6枚のシャッタ体21Aにて包
被切断される工程について説明する。6枚のシャッタ体21Aで囲まれて形成された正多角形状である正六角形の開口Hが徐々に縮径する。また、外皮材用ノズル47から吐出される棒状生地19は、その水平断面において長円形状に吐出され、前記開口H内を流下する。まず、前記棒状生地19は、前記シャッタ体21Aにて棒状生地19に内在する固形物A及び固形物Bの上方位置で棒状生地19の長円形状の長軸DL側より押圧作用を受ける(図9(1a)参照)。さらに、前記開口Hは縮径する。この際、シャッタ体21Aからの押圧作用により、外皮材9及び内包材5が前記長軸DLに沿って中心方向に流動する。また、棒状生地19の長円形状の短軸DS側はシャッタ体21Aに接していないので外皮材9及び内包材5が前記短軸DSに沿った外側にも流動する。そして、内包材5が中心方向に流動することにより固形物A,固形物Bは、一時的に互いに接近するように中心側へ移動する。
【0040】
さらに、前記開口Hは縮径し、棒状生地19は、その短軸DS側からも前記シャッタ体21Aにて押圧作用を受ける。(図9(1b)参照)。前記棒状生地19は、6枚のシャッタ体21Aからほぼ均等に押圧される。そして、前記開口Hが閉鎖し、前記棒状生地19から包被食品23が包被切断される(図9(1c)参照)。この際、前記開口Hが縮径することにより前記外皮材9及び内包材5が中心に流動する。また、前記内包材5が前記シャッタ体21Aの下方にも流動する。したがって、前記内包材5が前記固形物Aと固形物Bとの間にも入り込み、前記固形物Aと固形物Bとを離間することとなる。しかしながら、前記包被食品23においては、内包された固形物A,B同士の間隔が前記棒状生地19の内部に配置された固形物A,B同士の間隔から大きく変位することがない(図7、図9(1a)〜(1c)参照)。また、特許文献1に記載された2個1組の固形物は、棒状生地内にて上下方向に重なって密着した状態であるため、その後工程での型押成型の際に、固形物同士の間隔が一定とならず問題となっていた。しかしながら、本発明の第1の実施の形態に基づけば、2個の固形物A,Bを水平方向に離間した状態にて棒状生地19内に供給することができるため、固形物A,B同士の間隔が安定した状態にて包被食品23を製造することができる。
【0041】
本発明の第1の実施の形態に基づく包被切断装置1の説明は、概ね以上の通りであるが、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、図9の(2a),(2b),(2c)を用いて説明する。この例では、外皮材用ノズル47から吐出される棒状生地91は、その水平断面において円形状に吐出されものであり、2個の固形物を離間した状態で棒状食品91の内部に供給するようにしたものである。棒状生地91が包被切断装置に備えられた6枚のシャッタ体21Aにて包被切断されることにより、2個の固形物が互いに離間し水平方向に配置された包被食品93が製造される。
【0042】
棒状生地19,93を構成する食品材料を内包材5及び外皮材9からなる二層構造として説明したが、複数の固形物を包み込むことができればよく、単層や三層以上の食品材料からなる棒状生地であってもよい。
【0043】
また、上記説明においては、固形物A及び固形物Bをそれぞれ一塊の固形として説明したが、例えば、複数の甘納豆からなる固形物群を1つのまとまりとして収容孔65に収容し、複数の固形物群を包被食品23内の複数の箇所に内材させることも可能である。この場合においても、複数の固形物群が包被食品23の内部において水平方向に配置される。また、吸引装置による吸引も効果的に行われる。
【0044】
また、棒状生地19,93に一度に供給される固形物(固形物群)は2個に限ることなく、例えば3個であってもよい。この場合、図8(b)に示されるごとく、内包材用ノズル45の吐出口45A及び外皮材用ノズル47の吐出口47Aの形状は、略三角形(正三角形の角を円弧に変形した形状)で同位相とする。また、3本の管部材41A,41B,41Cは、前記吐出口45Aの内側において、前記吐出口45Aの中心から同距離に、かつ、この中心から各角部の方向(前記三角形の各角の方向と同義。ここでは、この方向を長軸DLの方向とみなす。)に沿って配置されている。このような吐出口47Aに対し、例えば3枚のシャッタ体95から形成される開口Jを図8(b)のごとく位相を合わせることにより、包被切断工程の初期において棒状食品を全周から均一に押圧することなく、固形物を中心側へ移動することができる。さらに、シャッタ体にて押圧さる内包材を短軸DSの方向に沿って包被食品の外周側へ流動することができ、固形物を包被食品の外周部に偏ることなく包被切断できる。短軸DSとは、前記3本の長軸DLが互いに形成する角の二等分の方向に配置されている。なお、4個等の固形物を内包する包被食品を製造する場合であっても同様である。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態に基づく包被切断装置1について図10乃至図14を用いて説明する。なお、第1の実施の形態の構成と同様な機能を奏する構成要素には同一符号を付するとして重複した説明は省略する。第2の実施の形態に基づく固形物供給装置57の回転ディスク64は、円周P上に15個の収容孔92を等間隔に備えている。この収容孔92は、平面視において2つの同一な円孔から形成される第1収容孔92A及び第2収容孔92Bをそれらの一部が重なり合うよう形成されており、いわゆる8の字の外形のごとき形状をなしている(ここでは、部分重合円と称する)。また、第1収容孔92A及び第2収容孔92Bの円の中心は、この回転ディスク64の中心から等距離に配置されている。また、トレイ63の開口63Bは前記収容孔92に対応した形状に形成されている。
【0046】
さらに、トレイ63の開口63Bとベースプレート59Bとの間には、シャッタープレート87が水平方向に往復動可能に備えられている。このシャッタープレート87は、前記回転ディスク64が回転している際には前記開口63Bの下方に位置して固形物A及び固形物Bの落下を制止し、前記回転ディスク64が所定位置で停止した際には内包材用ホッパー7や外皮材用ホッパー11側(図10において上側、図12において右側)へ水平移動する。そして、第1収容孔92A及び第2収容孔92Bにそれぞれ固形物A及び固形物Bを収容し、前記回転ディスク64を24度ずつ間欠的に一方向(図10においては左方向)に回転させることにより、固形物A及び固形物Bが同時に重合ノズル13内に間欠的に供給される。
【0047】
重合ノズル13は、前記内筒35の内側には、導入ガイド部材94が備えられている。この導入ガイド部材94は、フランジ部材95を備えている。このフランジ部材95のフランジ部95Cの下面に形成された突条部95Dが前記内筒35の凹状のスリット35Bに嵌合されて、貫通孔97とその上方に停止する前記回転ディスク64の収容孔92とが同心に配置されよう位置決めされている。
【0048】
このフランジ部材95には、管部材96が嵌合されている。管部材96は平面視において前記収容孔92と同様に8の字の外形のごとき部分重合円をなす通路としての貫通孔97が形成されている。この貫通孔97は第1貫通孔97A及び第2貫通孔97Bからなりフランジ部材95の中心に対して対称的に形成されている。この貫通孔97の幅、つまり、平面視における長径DL方向の長さは、各貫通孔97A,97Bを形成する円の直径より長く、かつ、円の直径の2倍より短く形成されており、本例では円の直径の1.9倍で図示している。また、この貫通孔97には第1貫通孔97A及び第2貫通孔97Bの円弧が交差する内側突出部97Cが対向して形成されている。対向する内側突出部97Cの間隔は各貫通孔97A,97Bを形成する円の直径より短く形成されているので、回転ディスク64から供給される固形物A,Bは、対向する貫通孔97B,97Aに侵入することなく、互いに接近にした位置にて貫通孔内を落下する。
【0049】
管部材96の外形は貫通孔97に沿うよう(相似に)形成されおり、平面視において短径DS上に凹部97Dが対向して形成されている(図14参照)。また、前記管部材96の下端部で貫通孔97の長径DL上において両端には傾斜部97TA及び傾斜部97TBが対称的に形成されている(図11参照)。さらに、これら傾斜部97TA及び傾斜部97TBはその上端が前記内包材用ノズル45の吐出口45Cより上方に位置し、その下端、つまり管部材96の下端が前記吐出口45Cより下方に位置している(図11参照)。なお、前記内包材用ノズル45の吐出口45C及び前記外皮材用ノズル47の吐出口47Cは円形に形成されている。
【0050】
固形物供給装置57の押込装置71には、2本のロッド77A,77Bが備えられている。前記ロッド77A及びロッド77Bの下端部には、それらを連結するようにピストン部材98が螺合されている。このピストン部材98の下部にはロッド77A,ロッド77Bとそれぞれに同心のピストン98A,ピストン98Bが形成されている。また、ピストン98A及びピストン98Bの下面には、互いに対向し、下方に向かって拡がるように傾斜面98TA及び傾斜面98TBが各々形成されている。このピストン部材98は、回転を停止した前記回転ディスク64の収容孔92及び重合ノズル13に装着された導入ガイド94の貫通孔97に挿通可能に設けられている。さらに、前記ロッド77A,77B及び前記ピストン98A,98Bは中空状に形成されており、前記ロッド77A,77Bの上端部は図示されない吸引装置に連通されている。
【0051】
ここで、本発明の第2の実施の形態に基づく包被切断の工程について説明する。重合ノズル13の下方より棒状生地19が吐出される。この棒状生地19は、内包材5を外皮材7で被った二重構造である。内包材5は、内包材用ノズル45の内周面と導入ガイド94の管部材96の外周面との間を通過して該内包材用ノズル45の吐出口45Aから吐出される。この際、内包材5は前記管部材96の外形に沿って流下するので、内包材5の内部には空間6Aと空間6Bとが一体となった袋状空間6が形成されている。この袋状空間6は、その水平断面において8の字の外形のごとく部分重合円の形状をしている。
【0052】
また、管部材96の下端より下方に流下する内包材5は、外皮材用ノズル47の内径が下方に向かって小さくなるのに伴ない中心方向に流動するため縮径し、その内部の前記袋状空間6も小さく変形される。さらに、管部材96の下端には傾斜部97TA,97TBが設けられているので他の下端部分より先に管部材96の長径DL側から内包材5が前記袋状空間6側へ流動して前記袋状空間6を縮小させる。
【0053】
固形物供給装置57の回転ディスク64は、矢印Tの方向に24度回転し再び停止する。そして、シャッタプレート87を回転ディスク64の下方から外側に移動すると、回転ディスク64の第1収容孔92A,第2収容孔92Bから固形物A,Bが同時に落下し、前記内包材5の空間5A,5Bにそれぞれ個別に供給される。さらに、前記回転ディスク64の停止と同時に、前記押込装置71のロッドレスシリンダが駆動し、上昇位置に停止していたピストン部材98の第1ピストン98A,第2ピストン98Bがそれぞれ収容孔92A,92B、導入ガイド94に備えた管部材96の第1貫通孔97A,第2貫通孔97Bの内部を降下する。そして、ピストン98Aの傾斜面98TA及びピストン98Bの傾斜面98TBが前記固形物A及び固形物Bを中心に向かって斜め下方に押圧し、固形物A及び固形物Bを互いに接近するよう移動させると共に前記袋状空間の底部を形成する内包材5に密着させると共に、前記固形物A及び固形物Bの間に内包材5が介在し、互いに密着することの無いよう水平方向に配置させる。
【0054】
ピストン98Aの傾斜面98TA及びピストン98Bの傾斜面98TBは、前記固形物A及び固形物Bを中心に向かって押圧する押圧面であり、平面形状に限ることなく曲面や屈曲面などであってもよく、固形物
を所要位置に押圧できる構成であればよい。
【0055】
降下停止位置まで降下した前記ピストン部材98は、再び上昇する。前記ピストン部材98が上昇する前後、あるいは、上昇する際に、前記吸引装置を動作させ、中空状の第1ピストン98A及び第2ピストン98Bの先端から内包材5の袋状空間6内の空気を吸引すると共に前記包被切断装置21を動作させ、前記棒状生地19から固形物A,Bを水平方向に沿って内包した包被食品23を製造する。
【0056】
第1の実施の形態に基づく包被切断の工程と同様に、包被切断装置21の下面とコンベア装置25の上面との間にて、固形物A及び固形物Bを内在した棒状生地19を挟むようにしながら包被食品23を切断していく。詳述すると、外皮材用ノズル47から吐出される棒状生地19は、前記開口H内を流下し、前記開口Hが棒状生地19に内在する固形物A及び固形物Bの上方位置で縮径するに伴い6枚のシャッタ体21Aから均等に押圧作用を受ける。この際、シャッタ体21Aからの押圧作用により、外皮材9及び内包材5が中心方向及び前記シャッタ体21Aの上下方向(図13の紙面の上下方向)に流動する。したがって、前記内包材5が前記袋状空間6を縮小しながら接近した固形物A,固形物Bの間に入り込み、固形物A,固形物Bを徐々に離間する。さらに、前記開口Hは縮径し、棒状生地19から包被食品23が包被切断される。この間、前記内包材5は、固形物A,固形物Bの間に入り込み続け、固形物A,固形物Bをさらに離間する。その後、この包被食品23を型押成型することにより、最終製品内の固形物A,固形物B同士が適切な間隔にて水平方向に配置されることとなる。
【0057】
また、前記包被切断装置21の切断動作と連動して、前記ピストン部材98が上昇する前後、あるいは、上昇する際に、前記吸引装置を作動させ、中空状の第1ピストン98A及び第2ピストン98Bの先端から内包材5の袋状空間6の空気を吸引することにより、固形物A,Bを収容した袋状空間6内が減圧され縮小する。したがって、それぞれの固形物A,Bに対しその回りの内包材5が密着するように移動するため、それぞれの固形物A,Bの回りに内包材5との間隙が形成されることが抑制できる。
【0058】
なお、本発明の第2の実施の形態に基づく包被切断装置1においては、前記内包材用ノズル45の吐出口45C及び前記外皮材用ノズル47の吐出口47Cの形状を円として説明したが、本発明の第1の実施の形態と同様に長円形状や楕円形状としてもよく、その形状に対応してシャッタ体21Aを配置してもよい。
【0059】
上記説明により理解できるように、複数の固形物を個別の通路(管部材41A及び41B、第1貫通孔97A及び第2貫通孔97B)内をそれぞれ個別に落下させることにより、棒状生地内に複数の固形物が水平方向に配置されるとともに、互いに密着することなく供給することができる。
【0060】
また、固形物供給装置に備えたピストンに吸引装置を連通し、棒状生地内の袋状の空間から空気を吸引することにより、固形物に食品材料を密着させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 包被食品製造装置

2 包あん機

3 架台

5 内包材

9 外皮材

13 重合ノズル

19 棒状生地

21 包被切断装置

23 包被食品

37 導入ガイド

41A,41B,41C 管部材

45 内包材用ノズル

45A 吐出口

47 外皮材用ノズル

47A 吐出口

57 固形物供給装置

A,B 固形物

H,J 開口

DL 長軸

DS 短軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固形物を内包する固形物包被食品の製造装置であって、重合ノズルを有する包あん機と、該包あん機に前記複数の固形物を同時に供給する固形物供給装置を備え、前記重合ノズルは、複数の固形物がぞれぞれ個別に降下する通路を有する管部材と、該管部材を囲繞するノズル部材とを備えたことを特徴とする該装置。
【請求項2】
請求項1に記載の製造装置であって、前記ノズル部材の吐出口の形状が前記管部材の通路が配置された方向に沿って長軸を有するように備えたことを特徴とする該装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造装置であって、前記固形物供給装置は、前記管部材の中を上下動可能なピストンを備え、該ピストンの下面に前記複数の固形物をそれらの中心に押圧する押圧面を備えたことを特徴とする該装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の製造装置であって、前記固形物供給装置は、前記管部材の中を上下動可能なピストンを備え、該ピストンに吸引装置を連通して備えたことを特徴とする該装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−148493(P2010−148493A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113173(P2009−113173)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】