説明

固有のインタラクティブ通信によるバーチャル電子教育システムを構築する方法および装置

テレティーチングイベントまたはeラーニングイベントを実施するために様々に構成された方法および装置は公知である。固有のインタラクティブ通信により任意にネットワークに組み入れることのできるワークステーションを低コストで構築する目的で、本発明によれば交換局(VST)と接続されたメインディストリビュータをもつ通信ネットワークが利用される。この場合、メインディストリビュータにはアクセスマルチプレクサおよび/またはスプリッタが接続されており、あるいはこれらはメインディストリビュータに組み込まれており、さらにインタフェース回路(SS)を介して接続されたアナログまたはディジタルの遠隔通信端末(TE)が設けられている。本発明によればコネクション確立にあたり送信側で最初に、インタフェース回路(SS)におけるコネクションの種類が求められ、ついで記憶されているテスト情報が通信相手側に送信され、逆方向で通信相手側から受信した受領確認が評価される。これにより遠隔通信端末(TE)において利用可能な帯域幅がテストされる。本発明は電子教育システムの分野に係わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は第1に、固有のインタラクティブ通信によるバーチャル電子教育システムを構築する方法に関する(請求項1)。さらに本発明は、この方法を実施するためのバーチャル電子教育システムに関する(請求項5)。
【0002】
eラーニング、テレティーチング、リモートトレーニングの分野、ならびに社内の教育や研修、サービスユニットの講習等の分野とは大雑把に言えば、それぞれ異なる準備教育を受けており様々な機器装備(マイクロコンピュータおよび周辺機器)をもつユーザを規定された期間、規定されたイベントないしは授業に集めるものであると分類される。
【0003】
インターネットまたは他のデータサービスに対する多数のコネクションは、モデムにより電話ケーブルすなわち2芯銅線(いわゆるa/bペアケーブルもしくは加入者回線)を介して確立され、これは本来、約300Hz〜3400Hzのレンジの音声伝送用に設けられているものである(POTS)。伝送の確実性を最大限に保証する目的で、既存のアナログ伝送技術がディジタル伝送技術に置き換えられることが多くなっている。有線伝送技術の場合には主として、「サービス統合ディジタル通信網」略してISDNのための規格に従って動作するシステムが用いられている。
【0004】
周波数分波回路たとえばスプリッタマトリックスなどを用いることによって、音声とデータが一般に受動型のローパスフィルタもしくはハイパスフィルタによって分離され、(たとえばDSL伝送方式などのために)電話ケーブルへ送出される。音声端子はPSTN(公衆交換電話回線網)と呼ばれる古典的な交換局と結ばれており、データはスプリッタ通過後にDSLAM(ディジタル加入者回線アクセスマルチプレクサ Digital Subscriber Line Access Multiplexer 複数のDSL回線の信号を1つのブロードバンドチャネルに変換する装置)へ送られる。したがってここでは、慣用の電話通信網とコンピュータデータネットワークとの明確な境界を引くことはできない。両方の接続回線末端には、DSL接続のための最も重要な要素としてDSLモデムが接続される。
【0005】
DSLAMにおいて、たとえばADSL技術(Asymmetric Digital Subscriber非対称ディジタル加入者回線、非対称DSLデータ伝送方式)を利用することができる。この伝送技術は、音声伝送用の旧来のアナログ電話サービス Plain Old Telefon Services (POTS) あるいはISDNも非対称のマルチメディアサービスもリジェネレータを用いずに同じペアケーブルを介して広帯域で障害なく行えるようにしたものである。非対称(ADSL)と呼ばれるのは、ユーザからネットワークへの方向(アップストリーム)では伝送は相対的に低レート(たとえば約800Kbit/s)で行われるのに対し、ネットワークからユーザへの方向(ダウンストリーム)では相対的に高レート(約8Mbit/sまで)で行われることによる。ADSL技術のほか他のDSL技術も一般に用いられており、たとえばHDSL=High Data Rate Digital Subscriber Line, SDSL=Single Line Digital Subscriber Line, MDSL=Multirate Digital Subscriber Line, RADSL=Low Rate Adaptive Digital Subscriber Line, VDSL=Very High Rate Digital Subscriber Lineも一般に用いられており、これらの各々は適用事例に対して最適化されていて、上位の概念であるxDSL伝送技術として総称される。
【0006】
たとえば音声通信またはビデオ通信など連続的なデータ流を低コストで伝達できるさらに別の可能性として、パケット交換型通信ネットワークたとえばLAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)あるいはWAN(Wide Area Network)が提供されている。いわゆるインターネット電話はこのような技術に基づいており、これは"Voice over Internet Protocol" (VoIP) と呼ばれることも多い。教育施設におけるPCネットワークとオーディオネットワークの並列動作は、たとえばDE 42 38 848 C2に記載されている。PCネットワークは視覚的なデータ伝送のために設けられており、音声伝送のためシングルボードコンピュータとD/A変換器およびA/D変換器により形成されたオーディオネットワークとは独立して結線されている。PCネットワークとオーディオネットワークの双方の同時動作をコーディネートするため、教師の中央制御コンソールに配置された制御コンピュータは、PCネットワークとオーディオネットワークに対し共通のユーザインタフェースをもつ制御プログラム(=制御ソフトウェア)を用いてPCネットワークもオーディオネットワークも制御する。つまり中央制御コンソールは、PCネットワークの制御の役割もオーディオネットワークの制御の役割も果たす。制御ソフトウェアには監視機能も含まれている。したがってたとえば、シングルボードコンピュータ、生徒の学習場所または生徒のPCの現在の動作状態を、制御コンピュータのモニタで視覚的に表示させることができる。また、個々の生徒の学習指示または学習テキストの現在の処理状況も、制御コンピュータのモニタでチェックすることができる。さらに制御コンソールの個々の部品の現在の動作状態を視覚的に表示させることができる。教師と生徒の呼び出しコネクションも、やはり制御ソフトウェアによって制御される。イベント期間中に発生した事象全体を記録することができ、これをイベント記録として自動的に中央制御コンピュータのハードディスク記憶装置に格納することができ、あるいはプリントアウトすることができる。PCネットワークとオーディオネットワークのための画一的なユーザインタフェースゆえに、両方のネットワークにおいて学級シートclassroom sheetは常に同一である。
【0007】
通信は先に挙げた異種混在ゆえにそれぞれ異なる帯域幅の接続を介して行われ、すなわちたとえば56Kbitのアナログ接続または64KbitのISDNまたはDSLを介して、あるいはLANで結線されているならば100Mbitのツイストペアケーブルを介して、またはダイヤルアップ接続の2Mbitあるいはそれ以上の速度を介して、または専用線X.25を介して行われる。このため非常に多くのインタフェース装置が知られており、たとえば
ISDNのSインタフェース
PCIバスのための(プログラムメモリを備えた)LANインタフェースFE
10/100Mbit/sのイーサネットまたはトークンリングとしての外部LANインタフェースLAN
WANインタフェースWAN:2Mbit/sまでのX.21,V.35,G.703/704
が知られている。
【0008】
インターネットを介してアクセス可能なコンテンツサーバにコンテンツが存在する場合、ならびにビデオ会議の形態の通信がやはりインターネットを介して行われる場合、種々のプロトコルを考慮しなければならない。インターネットプロトコル(IP)の上に重ねられるこれらのプロトコルに対し、これまで統一的な標準は作成されなかった。ある種の適用分野についてはいくつかの「定番」(たとえばビデオ会議用のH323等)が存在する。
【0009】
WO 03/046861 A1により知られている電子学習システムによれば、教師と生徒間の通信がLANを介して行われ、このLANには中央DVB(digital video broadcasting ディジタルビデオブロードキャスト)受信局が接続されており、これにはDVBチューナ/受信機、中央制御ユニットおよび大容量記憶装置が設けられている。DVBチューナ/受信局をセットトップボックスとして実装することができ、これによってDVB情報が受信され、PC(パーソナルコンピュータ)として構成された制御ユニットによりこの情報がLANを介して教師用コンピュータへ転送される。中央DVB受信局は適切な権限が与えられていれば、通信ネットワークの応答用チャネルを介してDVBサービスプロバイダにおける特定のサービスを呼び出すこともできる。
【0010】
さらにWO 03/026248 A1により知られている電子学習システムによれば、生徒と教師との間の通信が加入者接続回線を介して中央制御装置(ここではOLMS open learning management systemと称する)によって制御される。この場合、中央制御装置には、制御装置(ここではLMS learning management systemと称する)を備えたデータベースが接続されていて、この制御装置によりプログラムおよびデータに対する権限のないアクセスが阻止され、学習の進捗状況に応じて学習内容に対するアクセスがコントロールされる。
【0011】
学習の進捗状況に応じたアクセスおよびインターネットを介した通信を伴う電子学習システムに関する同様の形態は、WO 02/37697 A2あるいはWO 02/075694 A1によっても知られている。
【0012】
さらにWO 02/097654 A1により知られている電子学習システムによれば、個々の生徒のプロフィルが中央に格納されていて、このプロフィルには学習進捗状況のほか加入者接続回線の帯域幅制限も含めて生徒の技術的な装備が記されている。上述の帯域幅制限は生徒によって、あるいは生徒グループのシステムアドミニストレータによって指定することができる。
【0013】
これまで述べてきた状況により得られた結果といえば、教室外や講義室外でいっそう多くの聴衆が講師の教授能力に触れることができるようになるし、手間をかけて作成された教材をやはり多くのユーザグループが利用できるようになるという有意義なアプローチにもかかわらず、eラーニングおよびテレティーチングをこれまで十分に浸透させることはできなかったというものである。
【0014】
従来利用可能であり主としてもっぱらソフトウェアベースである解決策は、機器装備ならびに加入者が使用可能な帯域幅に関してかなり高い均一性が要求されていたうえに、テレティーチングイベントないしはeラーニングイベントの加入者の機器にその目的のために適切なソフトウェアがインストールされていることを前提条件としていた。
【0015】
ただし、上述のイベントないしは授業の時間的な制限ゆえに、また、一部では組織上の問題点(企業内の電子データ処理構造の変更)にも起因して、このような均一性条件を満たすことはできないし、あるいは満たすのは困難である。この場合、いわゆる出席という形態が必要性とされることとは異なりeラーニングおよびテレティーチングの本来の利点とはまさに、時間的に区切られながらもっぱら特定の目的のための知識の伝達に打ち込めることにある。
【0016】
従来技術の既述の評価が示すように、テレティーチングイベントないしはeラーニングイベントを実現するために種々異なる形態で構成された方法および装置が知られている。その際、コンピュータネットワークもしくはネットワーク接続テクノロジーが一般に要求しているのは、専用のハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントとともに、通信専用に構成された一連の高価なコンポーネントたとえば他のネットワーク(公衆データ回線、他のLANまたはホストシステム)へ接続するための通信用サーバ、もしくはデータを管理してそれらをネットワークの加入者に提供するファイルサーバ、ならびに適切なネットワークアクセスプロトコルたとえばCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)、トークン・パッシング(権限マークとしてのビットパターン)あるいはTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などである。しかしながら複数の生徒から成るユーザグループならびにそこに存在している装備についてはほとんど顧みられていない。それゆえ実際、殊に自動的に整合可能である固有の通信を確実に行わせるeラーニングシステムおよびテレティーチングシステムは見当たらない。このことが非常に重要である理由は、遠隔通信ならびにコンピュータ産業は最も進歩的で開発しやすい産業と見なされており、これによって著しく迅速な向上ならびに単純化が考慮され、実行に移されるからである。
【0017】
本発明の課題は、固有のインタラクティブ通信が行われ任意にネットワークに組み入れることの可能な作業場所すなわちワークステーションを低コストで構築できるようにした、バーチャル電子教育システムを構築する方法および装置を提供することにある。
【0018】
本発明によればこの課題は、交換局と接続されたメインディストリビュータおよびアナログまたはディジタルの遠隔通信装置を備えた遠隔通信ネットワークを利用して、バーチャル電子教育システムを構築する方法において、アクセスマルチプレクサおよび/またはスプリットが前記メインディストリビュータに接続されており、または該メインディストリビュータ内に組み込まれており、前記遠隔通信装置に接続可能なインタフェース回路が設けられており、該インタフェース回路は加入者接続回路を介して、または加入者モデムとスプリッタを介して、またはネットワーク終端装置と加入者接続回線を介して、メインディストリビュータと接続されている一方、eラーニングイベントもしくはテレティーチングイベントの参加者の作業場所すなわちワークステーションと接続されており、コネクション確立にあたり送信側で最初に、前記インタフェース回路におけるコネクションの種類が求められ、ついで記憶されているテスト情報が通信相手側に送信され、該通信相手側により逆方向で受信された受領確認が評価されて、前記遠隔通信装置において利用可能な帯域幅がテストされることにより解決される。
【0019】
遠隔通信装置において利用可能な帯域幅をテストすること自体は公知である。たとえばDE 197 13 946 A1により知られているファクシミリ装置は、再送信条件または送信局または受信局により既知の条件に基づき、送信レートを下げてまたは下げないで再送信を継続させるのかを判定することによって、通信効率と通信信頼性を高めることができる。さらにこのファクシミリ装置は、エラーを回避して通信の効率と信頼性を向上させるために送信レートを適切に下げることができる。この目的でファクシミリ装置には、イメージデータ通信のためのデータレートを通信回路もしくは通信回線の伝送品質または送信品質と一致させて決定することのできるモデムが設けられている。さらにこのファクシミリ装置は、送信側と受信側が制御信号を交換できるようにする制御チャネルの開始にあたりデータレートを低減する目的で、送信側または受信側が低減切り替えプロセスを実行できるようにしたプロトコルを利用している。制御信号はエラーフレーム再送信機能を有しており、データ通信に対応づけられているプライマリチャネルを追従する。詳細にはこのファクシミリ装置には、エラーフレームの再送信の時点でデータレートを検出するためのデータレート検出装置と、同じデータレートで行われる再送信プロセスの個数を計数するための計数装置と、同じデータレートで行われた再送信プロセスが事前に選定された個数に相応する頻度で繰り返されたのか繰り返されなかったのかを判定するための判定装置と、再送信が同じデータレートで事前に選定可能な頻度数に応じて繰り返されたならば、低減切り替えプロセスを実行するための制御装置が設けられている。さらに、エラーフレームが新たに送信されるたびにフレーム数を検出するためのフレーム数検出装置が設けられている。G3標準伝送制御方式に基づきファクシミリ装置は、イメージデータの受領確認中もしくは受信中に接続条件もしくは回線状態を監視するための接続条件監視装置と、レート変更要求装置を有している。これにより受信側に対し、イメージデータの1つのページの受信後または受信中、接続条件監視装置により監視される接続条件もしくは回線状態に基づく送信レートの低減または上昇を要求するための信号を送信させることができる。詳細には、接続条件監視装置は接続条件もしくは回線状態をEQM値として監視し、レート変更要求装置はこのEQM値が増大したときには低減切り替えを要求し、EQM値が減少したときには上昇切り替えを要求する。さらにこのファクシミリ装置は、EQM値と伝送レートを1対1でリストアップしたテーブルを有している。
【0020】
さらにDE 101 13 196 A1から、シリアルのマルチスピード埋め込みクロック受信機のためのデータレートを捕捉する方法およびシステムが知られている。この場合、2つまたはそれよりも多くの異なるデータレートを安定したやり方で簡単かつ自動的に捕捉する目的で、第1の方法によれば最初に、到来するデータ流のパルスエッジポジションとタイミングに関する特性の統計的チェックが行われ、その後、パルスエッジ特性に対応づけられている符号がパルスエッジ特性に基づき識別され、最後にデータ流を伝送するデータレートが識別された符号に基づき決定される。これに対する代案となる方法は以下のステップを有している。
・複数のクロックパルスエッジをもつクロック信号を第1のデータレートで供給するステップ
・クロックパルスエッジを到来データ流のデータ変化によってクロックパルスエッジをロックするステップ
偶数クロックパルスエッジにおいて出現するデータ変化と奇数クロックパルスエッジにおいて出現するデータ変化を区別するステップ
・データ変化が平均して奇数クロックパルスエッジで出現しているのか偶数クロックパルスエッジで出現しているのか、あるいはデータ変化が平均して奇数クロックパルスエッジでも偶数クロックパルスエッジでも出現しているのかを判定するステップ
・到来するデータのデータレートを、データ変化が出現した位置に基づき求めるステップ
このシステムは位相比較器を有しており、これは高い速度で伝送されたデータ流を受信し、そのデータ流にデータ変化が出現するたびに指示を送出するように構成されている。さらにこの位相比較器には電圧制御型発振器が接続されていて、これにより複数のクロックパルスエッジをもつクロック信号が送出される。クロック信号はデータ流によってロックされる。また、位相比較器にはデータレート捕捉装置が接続されており、これは位相比較器により送出された一連のパルスを受信する。受信したパルスに基づき、データレート捕捉回路はデータレートを突き止める。詳細にはデータレート捕捉回路はパルスエッジ比率検出器回路を有しており、これにより所定の期間にわたるデータ流の伝送密度に基づきデータレートが突き止められる。
【0021】
さらにDE 199 59 179 A1によれば、無線通信システムにおけるレート整合係数をダイナミックに変更する方法が知られている。レート整合係数の精度を向上させる目的で、1つまたは複数のレート整合係数がサービス固有に求められ、り伝送用データが求められたレート整合係数に従い処理されて伝送フレームに書き込まれ、伝送中、レート整合係数が更新しながら決定され整合される。この場合、付加的な制御ループを用いてレート整合係数を変化させることにより整合がダイナミックに行われる。その際、ビットエラーレートおよび/またはブロックエラーレートを伝送する伝送チャネルが受信側無線局または送信側無線局によってチェックされ、目標値から離れすぎているならば個々のレート整合係数の補正が行われる。
【0022】
さらにDE 296 23 893 U1によれば、適応形データレートのための初期化プロトコルならびにそれに対応するトランシーバたとえば2つの非対称ディジタル加入者線(Asymmetric-Digital-Subscriber-Line ADSL)モデム間で通信するためのトランシーバが知られている。再スタートのないデータレート整合を支援する目的で、つまり先行のすべての識別および初期化ステップを新たに実行しなおすことのないデータレート整合を支援する目的で、初期化プロトコルは以下のフェーズを有している。第1のフェーズ(PROPOSAL):このフェーズ中、第1のトランシーバは上述のデータレートに対し制限された値のデータレート値を提案する。第2のフェーズ(CHANNEL ANALYSIS):このフェーズは第1のフェーズ(PROPOSAL)と第3のフェーズ(SELECTION)との間で実行され、このフェーズ中、第2のトランシーバへの通信コネクションを介した伝送に関する最大データレートが測定される。第3のフェーズ(SELECTION):このフェーズ中、データレートについていずれのデータレート値が採用されるのかが通知される。第4のフェーズ(CONFIRMATION):このフェーズ中、選択されたデータレート値が今後の伝送のためのデータレートになるという確認応答がなされる。第4のフェーズが実行される前に、第1のトランシーバまたは第2のトランシーバは新たなデータレート提案を通知することができ、それに基づき第1フェーズが新たに実行される。ここで新たなデータレート提案通知のベースとなるのは第2のフェーズの結果である。最初に提案されたデータレート値のいずれも支援される最大データレートにその下方から近づかなければ、一方のトランシーバは他方のトランシーバへ、新たな提案を示すよう自身の要求について通知することができる。この新たな提案には、支援される最大データレートと、新たなデータレート提案を作成するトランシーバがやはり許容できるそれよりも小さいいくつかのデータレート値を含めることができる。このようにすれば、第1フェーズと第2フェーズと第3フェーズの新たな実行によって、接続回線容量に適正に整合された最終的に選択されるデータレートを得ることができる。このデータレートに対し、第4のフェーズで確認応答が行われる。つまりトランシーバが第1の提案において示されたデータレート値を何らかの理由で受け入れられないならば、そのトランシーバは接続キャパシティについてまだ知らなくても新たな提案を通知することができる。
【0023】
本発明による方法の利点は、接続回線チェックのための統一的な接続回路が提供されることであり、たとえば利用可能な帯域幅を求めるための統一的な接続回路が提供されることである。チェックが自動的に行われることから、稼働開始時または稼働中、教師も生徒も利用可能な帯域幅のチェックから解放される。その際、テストを現場で実施する必要がなく、システム内の任意の場所から実行することができる。
【0024】
さらに本発明によれば上述の課題は、交換局と接続されたメインディストリビュータと、このメインディストリビュータと接続されたまたはそこに組み込まれたアクセスマルチプレクサおよび/またはスプリットおよびアナログまたはディジタルの遠隔通信装置を有する通信ネットワークを利用して構築されたバーチャル電子教育システムにおいて、以下の請求項5記載の特徴により解決される。すなわち本発明によるシステムには、遠隔通信装置と接続可能なインタフェース回路が設けられており、このインタフェース回路は一方では、加入者接続回路または加入者モデムとスプリッタまたはネットワーク終端装置および加入者接続回線を介して上述のメインディストリビュータと接続されており、他方ではeラーニングイベント加入者もしくはテレティーチングイベント加入者のワークステーションと接続されており、このインタフェース回路により遠隔通信装置において利用可能な帯域幅がテストされる。
【0025】
従来技術による電子教育システムとは異なり本発明による教育システムの有する利点とは、手間やコストのかかる事前のインストレーションが不要なこと、ユーザグループの形成も含めてインタフェース回路により教育システムの容易な拡張あるいは変更が行われ利用範囲を著しく拡大可能なこと、さらにたとえば教育システムへの新たな生徒の接続をただちに行えること、しかもこれを不慣れなユーザによっても行えることである。本発明によるインタフェース回路が有する利点は、きわめて簡単なやり方でバーチャル電子教育システムのコンセプトをユーザにより実現できることである。さらに従来技術とは異なり、ユーザ自身がメニュー制御型プログラムを利用してバーチャル電子教育システムを要求に応じて「デザイン」するので、ソフトウェア機能が制限されず、本発明によるインタフェース回路の製造メーカは、できるかぎり汎用的に使用可能なインタフェース回路について配慮しながら対応づけられた複数の機能のうちから選択を下す必要がない。
【0026】
また、ワークステーションで実行されるチェックプロセスの分散型制御を行えるという利点もある。さらに通信ネットワークの任意のポイントのいずれからも、PC/Webサーバを利用して、もしくは移動型測定場所(GSMもしくはそれよりも広い帯域幅のUMTS)を利用して実行することができ、その際、ネットワーク接続をIPインタフェース(またはパケット交換型ネットワーク)を介して行うことができる。必要に応じて、ワークステーションのチェックおよびメンテナンスに用いられるデータを変更することもできる。中央ワークステーション(教師)の側から命令が伝達されれば、新たな機能の導入あるいは既存の機能の変更を行うための著しく高性能な方法を利用することができる。その理由は、変更を中央ワークステーションだけで行えばよいからであり、個々のワークステーションにおいては必要ないからである。 さらにチェックおよび教科課程実施を託されたスタッフに対し、チェック終了後ただちに結果が呈示される。これに基づき迅速にその後の判定を下すことができ、もしくはそれに続く接続について伝達することができる。
【0027】
請求項4記載の本発明の実施形態によれば、インタフェース回路にアクセス権が格納されており、これによって不正アクセスに対するコネクション確立およびチェックプロセスの制御が保護され、経過が記録される。
【0028】
本発明のこの実施形態の利点は、チェックまたはメンテナンスをそれについて託されたスタッフだけが行えることである。さらに、種々のプロセスグループに対するアクセスをそれぞれ異なるアクセスコードによって保護することができ、これによりスタッフ内で管轄を制限することができるし、様々なかたちで管轄を割り振ることができる。さらにたとえばISDNを介してCUG(Closed User Group)を形成することも可能であり、したがって従来利用されていたリターンコール番号方式を省くことができ、さらにたとえばインタフェース回路をネットワークに組み入れてもソフトウェアに変更が生じることはない。
【0029】
その他の利点や詳細な点は、図面を参照した本発明の有利な実施形態に関する以下の説明に示されている。
【0030】
図1は、本発明による電子教育システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【0031】
図2は、本発明による電子教育システムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【0032】
図3は、接続端子側から見た本発明によるインタフェース回路SSの実施形態を示す図である。
【0033】
図1に示されている実施形態の場合、インタフェース回路SSは自律型装置であって、この装置の装備は以下の通りである。マイクロプロセッサMP、固有のEPROMメモリSP、場合によっては固有のハードディスク(図示せず)、相応のインタフェースCOM(Component Object Model: Windowsベースの技術であり、これによって標準インタフェースが提供され、ソフトウェアコンポーネント間の通信が可能となる)、USB(Universal Serial Bus: シリアルインタフェース)、これによれば127個までの周辺機器を接続可能である(マウス、キーボード、プリンタ、スキャナ、ディジタルカメラ、モデム、CDROM/DVDドライブ、電話機、MP3プレーヤー等、なお、USB2.0によれば480Mbpsまでのデータ伝送レートが可能となり、したがってビデオデータの伝送ならびに高速ハードディスクにも適している)
この装置SSは、標準化インタフェースCOM、USBを介して、eラーニングイベントもしくはテレティーチングイベントの加入者ないしはそれらの授業の参加者の作業場所すなわちワークステーションAPにおけるマイクロコンピュータ(USB,COM1等)と通信を行う一方、その加入者が利用可能な遠隔通信装置TEとも通信を行う。
【0034】
その際、この装置SSによって最初に、遠隔通信装置TEにおいて利用可能な帯域幅がテストされる。
【0035】
装置SSのメモリユニットSPにはダイヤリング手順ないしはログイン手順が格納されており、この手順に従い装置SSは交換局VSTと接続されたメインディストリビュータの設けられた通信ネットワークを利用して、テレティーチングイベントないしはテレティーチングイベントの中央コンテンツサーバに登録され、その際、メインディストリビュータにアクセスマルチプレクサおよび/またはスプリッタが接続されており、またはこれがメインディストリビュータに組み込まれている。
【0036】
コネクション確立にあたり最初に、通信インタフェースにおける接続の種類(アナログかディジタルか)が求められ、ついで相前後して伝達されるテスト情報(これも装置SSのメモリユニットSPに格納されている)により、利用可能な帯域幅が求められる。一方では、加入者接続回路または加入者モデムおよびスプリッタまたはネットワーク終端装置および加入者接続回線(AL)を介して、遠隔通信装置(TE)をメインディストリビュータと接続することができる。
【0037】
殊に有利な実施形態によれば、装置SSのメモリユニットSPに、IPプロトコルの上に載せられた慣用の伝送プロトコルが格納されている。
【0038】
装置SSは自主的に、テレティーチングイベント用のコンテンツサーバとの通信において自身が利用可能なプロトコルのテストを実行し、そこで提供されているプロトコルに合わせた設定が行われる。
【0039】
装置SSの別の重要な機能は、典型的な「タイムアウト問題」を回避するために、たとえば16 1/秒のフレームレートをもつ高解像度イメージの伝送が56Kbitの接続では不可能であるとしてもワークステーションAPがテレティーチングイベントもしくはeラーニングイベントにとどまり続けるよう、たとえばイメージコンテンツなどを完全に受信したことについて通報して確認応答を出すことである。
【0040】
送信側からすれば、この装置により加入者は以前のまま存在している状態であるが、加入者自身において情報のオーディオパートだけを、および必要に応じてイメージ情報の一部分だけを、到来させて表示させることができる。
【0041】
それでも多くのイベントに関してこのことは欠点とはならない。なぜならばたとえばこの場合、先に情報をワークステーションAPへ伝送し、ついでそれらの情報を用いてワークステーションAPで自主的に作業を行うことができるからであり(つまりたとえばビデオ情報なども利用できる)、「ライブの通信」だけをeラーニングイベントおよびテレティーチングイベントにおいて実施できるからである。
【0042】
eラーニングイベント主催側およびテレティーチングイベント主催側によれば、イベント期間にわたり、もしくは登録され支払われたコースの期間にわたり、加入者が装置SSをレンタルで使用できるようにすることを意図しているので、装置SSに付加的に自身の記憶媒体SPに格納されている電子署名(アクセス権)を設定することも重要である。この場合、該当するイベントについて許可された装置SSだけが、既述のようにして自律的にコネクションを確立できる。
【0043】
したがって該当するメモリユニットSP(通常はEPROM)を、交換可能なかたちで設けることができる。
【0044】
図2に示されているように別の実施形態によれば、装置SSを既述のように加入者のワークステーションAPのところに設けられたマイクロコンピュータと遠隔通信装置TEの間に配置させることもできるし、加入者マイクロコンピュータのネットワークアダプタとローカルに存在するPCネットワークの間に配置させることもできる。これにより殊に有用となるのは、ローカルのイベントの枠内で(たとえば社内研修などにおいて)中央のステーションから、キーボードやマウスの操作の担当を含めて加入者コンピュータの完全なリモートコントロールを行おうとする場合、ならびに講師から加入者への相応のイメージ伝送、講師への返送、さらにLAN内の他の加入者への伝送を行おうとする場合である。この目的で装置SSには、(たとえばキーボード、マウス、ネットワークアダプタ、グラフィックアダプタ、ビデオ/グラフィックアダプタのための)相応のインタフェースを設けることができる。
【0045】
さらに別の有利な実施形態によれば、図1または図2による装置SSに付加的に語学授業用のインテリジェントオペレーティングディバイスBTが設けられる。このオペレーティングディバイスBTの役割は、たとえば加入者コンピュータに格納されている音声ファイルあるいはeラーニングイベントまたはテレティーチングイベントにおいてストリームとして伝送される音声ファイルいわゆる「教師トラック」を捕捉ないしは解釈すること(加入者はこのファイルを変更できない)であり、さらにこのオペレーティングディバイスBTの役割は、たとえばパターンテキストの通りに繰り返して話すといった加入者の固有のトレーニングを「生徒トラック」に記録することである。このような記録は両方の事例ともに加入者コンピュータの記憶媒体自体において行われ、相応のサウンドカード装備を介して再生が行われる。そしてこのようなランゲージラボラトリ用オペレーティングディバイスBTのところに、聞くためと話すための相応の装置セット(マイクロフォン・ヘッドフォンコミュニケーション装置)が接続されている一方、図1および図2の実施形態によればこの装置はインタフェース装置SSのところにダイレクトに接続されている。
【0046】
1つの別の実施形態はワークステーションAPにおけるいわゆるWebカムの接続であって、これによれば加入者自身が、ディスカッション参加にあたり、あるいは自分で準備した実験的なセットアップにおいて、他の参加者あるいは聴衆に向けて現れることになり、これは出席形態の参加者とeラーニング参加者およびテレティーチング参加者が組み合わせられた場合である。
【0047】
さらに別の実施形態によれば、装置SSに格納されている署名によって、eラーニングイベントおよびテレティーチングイベントの主催側により自身のコンテンツサーバに格納されているいわゆるコンテンツを、加入者コンピュータへ持続的に伝送することができ(加入者コンピュータに書き込むためのファイル転送またはストリーム転送)、それらをイベントの枠内の一時的なものとしてだけでなく利用させることができる。つまり加入者のマイクロコンピュータへ伝送することなく、装置SSの対応するインタフェースだけを介して見聞きできるようにすることが可能となる。
【0048】
本発明の別の実施形態によれば、インタフェース回路SSはネットワークステーション(加入者装置TE)またはPC(ワークステーションAP)のプラグインカードとして構成されている。さらにこのプラグインカードは、マイクロプロセッサMPと、バスインタフェースとして構成されたLANインタフェースを有しており、この場合、LANインタフェースはプロトコルコントロール情報を伝送するPCIバスを介して、ホストシステムとしてのネットワークステーションまたはPCと接続されている。ホストシステムへプラグインカードを差し込むと、このカードはプラグ&プレイ機能によって、もしくは標準ドライバーによって、LANカードであると識別される。これにより「ネットワークにおける登録」もしくは起動が自動的に行われ、本発明によるインタフェース回路SSを交換した場合でも「新たなプログラミング」は不要となる。たとえばソフトウェアモジュールICL(Intelligent Connection Layerインテリジェントコネクションレイヤ)を用いることによって、様々な公衆ネットワーク接続(ISDN、X.25、専用線、ダイヤルアップ接続たとえばFEダイヤル、CネットワークおよびDネットワークなど)を必要に応じて接続することができる。このようなモジュールテクニックによって、GSMなどネットワークテクノロジーにおける将来の発展形態にシームレスに順応させることができる。
【0049】
さらにホストシステムのUSV、電源、ハードディスク(代替としてフラッシュROM)、ファンケーシングといったコンポーネントを利用することにより、コストの節約ないしは機能の拡張を実現できる。この場合、プラグインカードは、給電源およびLANインタフェースとしてのみPCIバスを利用している。ホストシステムが動作不能状態になったり故障したりした場合でも、本発明によるインタフェース回路SSは依然として動作可能な状態にある。なぜならば本発明によるインタフェース回路はLANを介して引き続きデータを取り込むことができるし、動作不能や故障が発生した後でもPCIバスから電流を取り出せるからである。有利にはこのような接続技術によって、PCIバスを備えたあらゆるシステム(Sun Ultra, Unix-System)に本発明によるインタフェース回路SSを組み込むことができるようになり、しかもこれによってネットワークの動作安全性が高められる。
【0050】
有利にはプラグインカードは、データアクセス権限をもつ加入者および/またはネットワークステーションを含む呼出番号メモリを有しており、伝送された呼出番号に従って呼出番号比較および/または権限のある呼び出し側へのコネクション確立が行われる。この場合、公衆ネットワークの側からの侵入をISDN呼出番号比較によって阻止できる。偽造に対するセキュリティを伴ってDチャネルを介して渡される呼出番号が、権限付与されたユーザのテーブルと比較される。コールバック機能がアクティブにされると、インタフェース回路SSは認証された呼び出し側に対するコネクションを確立する。さらに別のセキュリティメカニズムとして以下を挙げることができる:IPパケットフィルタ、コールバック識別コントロール、PAP(password authentification protocoll パスワード認証プロトコル)、CHAP(challenge authentification protocoll チャレンジ認証プロトコル)、暗号化。最後に挙げた暗号化はまさにデータ保護や偽造情報の無効化において常に最も有効な手段であって、たとえばDES標準に準拠した暗号化方式をインタフェース回路SS内に設けることができる。
【0051】
ダイヤルアップ接続は、距離に依存した時間パターンに従い課金される。この場合、無駄時間を避けるため、設定可能な待ち時間(Shorthold ショートホールド)よりも長いデータ通信伝送休止が発生したときには、インタフェース回路SSによりコネクションが自動的に解消され、データが到来するとただちにコネクションが再び確立される。オプションとして圧縮を行うことにより、データトラフィックを低減させることができる。
【0052】
さらにインタフェース回路SSは所要帯域幅に従い別の通信チャネルを自動的に接続することができ、これによりダイナミックなチャネルマネージメントならびに帯域幅コントロールが実現される。帯域幅に対する要求に応じて、つまり伝送すべきデータ量に依存して、インタフェース回路SSは別の通信チャネルを自動的に接続する。たとえば全部で30個のBチャネルを並列に作動させることによって、1.92Mbit/sまでの伝送速度を達成できる。
【0053】
インタフェース回路SSのハードウェアコンセプトを、ワールドワイドなネットワークオペレーションにおいて多種多様に発展した接続規格に合わせて整合させることができる。 図3は、接続端子側から見た本発明によるインタフェース回路SSの実施形態を示す図である。この場合、1はマイクロフォン端子、2はヘッドフォン端子、3はボリュームコントローラ、4はラインイン、5はラインアウト、6はオペレーティングディバイス用端子、7はWebカム端子、8,9,10はそれぞれUSB端子(たとえばLAN/TP)、11はテレビジョン装置用端子、12はキーボード・マウス端子、13はVGAモニタ端子、14はTAE/ISDN/DSL端子、15は電源端子(12V)、16はオン/オフスイッチ、17はプラグインカード(PCMCIA)スロットを表す。選択的にBNC端子、AUI端子、LWL端子またはツイストペア端子を備えた特別に整合されたLANモジュールによって、インタフェース回路SSはローカルのトークンリングネットワークおよびイーサーネットネットワークと接続される。ワイドトラフィックネットワーク(たとえばISDN,X.25)および専用線に対するアクセスは、一部分が複数チャネルであるWANアダプタ(S,UPO,UKO,X.21,V.24,V.35)によって行われる。最適なパフォーマンスのために、アクティブなWANアダプタを使用することができる。ISDN分野においては、DSS1,1TR6,N1−1ならびにFetex150といったプロトコルを利用できる。
【0054】
インタフェース回路SS(およびそのマルチメディアフロントエンドMFE)と共働する本発明による方法によって、任意にネットワークに組み入れられ固有のインタラクティブ通信が行われるワークステーションを、任意のワイヤレスネットワークまたはライン接続ネットワークもしくは遠隔通信ネットワーク(UTRAN UMTS Terrestrial Radio Access Network)を介して低コストで構築することができる。その際に帯域幅テストに関して実行される反復プロセスには、妥当であると思われるすべてのビットレートが含まれており、それらのビットレートは適切に格納されていて、殊に異種の構造においてもこのような反復プロセスを使用することができ、これによってワークステーションAPと遠隔通信装置TEも含めたネットワークのモニタリングも可能となる。
【0055】
これによってまず第1に、学校、大学または講義における共通の作業を家でも続けることができるようになり、つまり「混合学習 Blended Learning」すなわち出席による学習と自習との結合が実施可能になり、さらには専門的な基礎知識に関して不均一なユーザグループであっても、また、よくあるのは電子データ処理の知識や機器ならびに通信の装備に関して不均一なユーザグループであっても、「プラグ&プレイ」によってまとめることができ、もしくはそのようなグループ自体にビデオ会議環境やeラーニング環境を整備させることが可能となる。さらに利点となるのは、本発明によるインタフェース回路SS(Syncobox)を(電源端子を備えた)独立した装置として構成可能なこと、本発明によるインタフェース回路SSがアナログ接続、ISDN接続、DSL接続に適していること、PCを用いずテレビジョン装置を用いてeラーニングおよびビデオ会議(Webカム端子、ヘッドフォン端子、必要に応じてオペレーティングディバイス用端子)が可能となること、企業内LANが変更されずに維持されること(安全性)、インタフェース回路SSによりeラーニングセッションとコンテンツが悪用から確実に保護されること、既存のコンピュータインストレーションと追加インストールされたビデオ会議用およびeラーニング用のソフトウェアとの間の非両立性に起因するセッション中の「クラッシュ」が確実に回避されることである。
【0056】
本発明の実施形態によればたとえば、インタフェース回路SSにおけるマイクロプロセッサMPのオペレーティングシステムを、ブートPROMまたは内蔵LANインタフェースを介してホストシステムのハードディスクから、あるいは外部のLANインタフェースを介してLAN内の任意のシステムから起動またはリモートロードすることができ、これによってインタフェース回路SSはブートプロセス後、使用されているオペレーティングシステム(たとえばWinNT)とは独立した固有の通信プラットフォームを成すことになり、この場合、TCP/IPおよびSPX/IPXのために、ルーティング機能を(LCR:Least Cost Routerとしても)インタフェース回路SSにインストールまたは組み込むといったことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による電子教育システムの第1の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明による電子教育システムの第2の実施形態を示すブロック図
【図3】接続端子側から見た本発明によるインタフェース回路SSの実施形態を示す

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換局(VST)と接続されたメインディストリビュータおよびアナログまたはディジタルの遠隔通信装置(TE)を備えた遠隔通信ネットワークを利用して、バーチャル電子教育システムを構築する方法において、
アクセスマルチプレクサおよび/またはスプリットが前記メインディストリビュータに接続されており、または該メインディストリビュータ内に組み込まれており、
前記遠隔通信装置(TE)に接続されるインタフェース回路(SS)が設けられており、該インタフェース回路(SS)は加入者接続回路を介して、または加入者モデムとスプリッタを介して、またはネットワーク終端装置(NTBA)と加入者接続回線(AL)を介して、前記メインディストリビュータと接続されている一方、eラーニングイベントもしくはテレティーチングイベントの参加者のワークステーション(AP)と接続されており、
コネクション確立にあたり送信側で最初に、前記インタフェース回路(SS)におけるコネクションの種類が求められ、ついで記憶されているテスト情報が通信相手側に送信され、該通信相手側により逆方向で受信された受領確認が評価されて、前記遠隔通信装置(TE)において利用可能な帯域幅がテストされることを特徴とする、
バーチャル電子教育システムを構築する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記インタフェース回路(SS)は、該インタフェース回路(SS)が利用可能なプロトコルを前記通信相手側との通信中にテストして、該通信相手側により提供されているプロトコルに合わせて整合を行うことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、
タイムアウト問題を回避するため前記インタフェース回路(SS)は通報を出し、たとえば1つのイメージコンテンツの完全な受信について確認応答を行って、ブロードバンド伝送が不可能であっても前記ワークステーション(AP)がテレティーチングイベントまたはeラーニングイベントにとどまり続けるようにすることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、
前記インタフェース回路(SS)内にアクセス権限が格納されていて、不正アクセスに対するコネクション確立およびチェックプロセスの制御が保護され、経過が記録されることを特徴とする方法。
【請求項5】
遠隔通信ネットワークを利用して構築されるバーチャル電子教育システムにおいて、
前記遠隔通信ネットワークは、交換局(VST)に接続されているメインディストリビュータと、該メインディストリビュータに接続または組み込まれているアクセスマルチプレクサおよび/またはスプリッタと、アナログまたはディジタルの遠隔通信装置(TE)を有しており、
該遠隔通信装置(TE)に接続されるインタフェース回路(SS)が設けられており、
該インタフェース回路(SS)は加入者接続回路を介して、または加入者モデムとスプリッタを介して、またはネットワーク終端装置(NTBA)と加入者接続回線(AL)を介して、前記メインディストリビュータと接続されている一方、eラーニングイベントまたはテレティーチングイベントの加入者のワークステーション(AP)と接続されており、
該インタフェース回路(TE)は、前記遠隔通信装置(TE)において利用可能な帯域幅をテストすることを特徴とする、
バーチャル電子教育システム。
【請求項6】
請求項5記載の教育システムにおいて、
前記インタフェース回路(SS)は、マイクロプロセッサ(MP)、リードオンリーメモリ(SP)、および/またはハードディスク、および前記遠隔通信装置(TE)と前記ワークステーション(AP)を接続するためのそれぞれ少なくとも1つの差込接続部(COM,USB)を有することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6記載の教育システムにおいて、
前記リードオンリーメモリ(SP)は交換可能であることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項5記載の教育システムにおいて、
前記インタフェース回路(SS)にインテリジェントオペレーティング装置(BT)が接続されていることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項5記載の教育システムにおいて、
前記インタフェース回路(SS)はネットワーク局またはPCのプラグインカードとして構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9記載の教育システムにおいて、
前記プラグインカードは、マイクロプロセッサ(MP)と、バスインタフェースとして構成されたLANインタフェーを少なくとも有しており、該LANインタフェースはプロトコルコントロール情報を伝送するPCIバスを介して、ホストシステムとしてのネットワークステーションまたはPCと接続されていることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項9記載の教育システムにおいて、
前記プラグインカードをホストシステムに差し込むと、該プラグインカードはプラグ&プレイ機能によって、または標準ドライバーによって、LANカードであると識別されることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項9記載の教育システムにおいて、
前記プラグインカードは、データアクセス権限をもつ加入者および/またはネットワークステーションを含む呼出番号メモリを有しており、伝送された呼出番号に従って呼出番号比較および/または権限のある呼び出し側へのコネクション確立を行うことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項9記載の教育システムにおいて、
設定可能な待ち時間よりも長いデータ通信伝送休止が発生したとき、前記プラグインカードはコネクションを自動的に解消し、データが到来するとただちにコネクションを再び確立することを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項9記載の教育システムにおいて、
前記プラグインカードは、所要帯域幅に従い別の通信チャネルを自動的に接続して、ダイナミックなチャネルマネージメントならびに帯域幅コントロールを行うことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−505333(P2007−505333A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524299(P2006−524299)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009303
【国際公開番号】WO2005/020537
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.WINDOWS
3.UNIX
【出願人】(506060498)ノヴァ インフォルマツィオーンステヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】Nova Informationstechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Bambergerstrasse 10, D−96215 Lichtenfels, Germany
【Fターム(参考)】