説明

圧延ロールプロフィールの測定方法、圧延ロールの研削方法、熱延鋼板の製造方法、圧延機、及び、熱延鋼板の製造装置

【課題】優れた表面性状を有する微細粒鋼の製造に適用し得る、圧延ロールプロフィールの測定方法、圧延ロールの研削方法、熱延鋼板の製造方法、圧延機、及び、熱延鋼板の製造装置を提供する。
【解決手段】被圧延材を圧延した後の圧延ロールの冷却による熱収縮、又は、被圧延材の圧延を開始した後の圧延ロールの加熱による熱膨張が予め指定された基準に達したか否かを判断する工程と、該工程で基準に達したと判断された場合に圧延ロールのプロフィールを測定する工程とを有する圧延ロールプロフィールの測定方法、該測定方法の結果を用いて圧延ロールを研削する圧延ロールの研削方法、及び、上記測定方法によって測定される圧延ロールを用いる熱延鋼板の製造方法、並びに、上記測定方法によって圧延ロールが測定される圧延機、及び、該圧延機を備える熱延鋼板の製造装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延ロールプロフィールの測定方法、圧延ロールの研削方法、熱延鋼板の製造方法、圧延機、及び、熱延鋼板の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧延ロールは、被圧延材と接触する部位が摩耗する。摩耗した圧延ロールを用いて被圧延材を圧延すると、被圧延材の表面性状等に影響を及ぼすため、優れた表面性状を有する熱延鋼板を製造するには、圧延ロールの表面形状を測定しロールプロフィールを把握することが重要である。また、クラウン・形状を所望の値に制御した熱延鋼板を製造するためには、圧延機のロール径の幅方向分布(ロールプロフィール)の予測精度が重要であるが、その予測は、圧延による熱膨張(ヒートアップ)及び圧延によるロール摩耗の予測精度等に依存する。しかし、上記予測精度の高精度化には限度があり、これを克服するために、オンラインでロールプロフィールを測定することで、予測したロールプロフィールを補正する技術が提案されている。
【0003】
一方、自動車用や構造材用等として用いられる鋼材は、強度、加工性、靭性といった機械的特性に優れることが求められ、これらの機械的特性を総合的に高めるには、熱延鋼板の結晶粒を微細化することが有効である。また、結晶粒を微細化すれば、合金元素の添加量を削減しても優れた機械的性質を具備した高強度熱延鋼板を製造することが可能になる。熱延鋼板の結晶粒の微細化方法としては、熱間仕上圧延の特に後段において、高圧下圧延(後段スタンドの圧下率を高めた仕上圧延)を行ってオーステナイト粒を微細化するとともに粒内に圧延歪を蓄積させ、仕上圧延直後に急冷することにより、得られるフェライト粒の微細化を図る方法が知られている。この方法で微細結晶粒を有する熱延鋼板(以下において、「微細粒鋼」という。)を製造するためには、熱間圧延ラインにおけるタンデム仕上圧延機の後段スタンドの圧下率を、従来よりも高める必要がある。
【0004】
微細粒鋼を製造する際に行われる高圧下圧延は、後段スタンドの負荷(圧延荷重、圧延トルク等)が設備上限値に近い条件で行われる。また、摩耗した圧延ロールを用いて高圧下圧延すると、微細粒鋼の表面性状等が低下しやすい。そのため、優れた表面性状を有する微細粒鋼を製造するには、オンラインでロールプロフィールを測定する装置等を用いてロールプロフィールを測定し、ロールプロフィールを把握することが有効である。
【0005】
ロールプロフィールの測定に関する技術として、例えば、特許文献1には、センサで測定したロールプロフィールから、予想したロール熱膨張によるプロフィール変化分を減算し、減算後のプロフィールからオンラインで圧延ロール表面の摩耗段差部を検出する技術が開示されている。また、特許文献2には、圧延ロールのプロフィールを実測し、実測ロールプロフィールと圧延ロールのイニシャルプロフィール又は予測ロールプロフィールとの偏差を、少なくとも、ロールの熱膨張に起因するサーマルプロフィールとロールの摩耗に起因する摩耗プロフィールとに分離して認識し、予測モデルにおいて少なくともサーマルプロフィール及び摩耗プロフィールに分離した形でそれぞれに関し修正学習を行い、修正学習した予測モデルを用いて以後の圧延ロールの予測プロフィールを修正する、圧延方法が開示されている。また、特許文献3には、圧延ロールと圧延材との接触による熱膨張により、接触部分が非接触部分より高い熱膨張状態にある時のロールプロフィールを実測し、実測したロールプロフィールを基準にして研削目標ロールプロフィールを設定し、研削目標ロールプロフィールを維持するように、ロール研削ユニットを用いて所定間隔ごとに圧延ロールを研削するオンラインロール研削方法が開示されている。そして、この特許文献3には、圧延ロールの圧延による熱膨張が飽和状態に達したかどうかを判断し、飽和状態に達した時のロールプロフィールを計測する技術についても開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−192507号公報
【特許文献2】特開2000−158025号公報
【特許文献3】特開平7−303908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている技術や特許文献2に開示されている技術によれば、ロールプロフィールを正確に測定できるのであれば、これらの技術を用いることにより、所望のクラウン・形状の熱延鋼板を高精度に製造することが可能になると考えられる。しかしながら、ロールプロフィールを測定するにはある程度(例えば、30秒〜1分程度)の時間が必要であり、測定中のヒートアップによる誤差の影響を受けるため、ロールプロフィールを正確に測定することは困難である。また、図9に示すように、圧延中は、被圧延材から圧延ロールへの熱流入により圧延ロールが急激に熱膨張し、圧延後は空冷又はロール冷却による熱流出により圧延ロールが急激に熱収縮するため、ヒートアップを考慮するのみでは、ロールプロフィール測定の精度を高めることは困難である。また、特許文献3には、熱膨張が飽和状態に達したか否かを判断し、飽和状態に達した時のロールプロフィールを計測する技術が開示されているが、この文献には熱膨張が飽和状態に達したか否かの基準が明記されていない。また、熱収縮側の飽和を考慮していないため、特許文献3に開示されている技術を用いても、ロールプロフィール測定の精度を高めることは困難であった。したがって、特許文献1〜特許文献3に開示されている技術では、ロールプロフィール測定の精度が低下しやすく、これらの技術を用いて微細粒鋼を製造すると、微細粒鋼の表面性状が低下しやすいという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、優れた表面性状を有する微細粒鋼の製造に適用することが可能な、圧延ロールプロフィールの測定方法、圧延ロールの研削方法、熱延鋼板の製造方法、圧延機、及び、熱延鋼板の製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋭意研究の結果、平均粒径が2μm以下のフェライト結晶粒を有する微細粒鋼(以下において、「超微細粒鋼」という。)を製造する際に高圧下圧延が行われる仕上圧延機列の後段スタンドを保護するため、連続して圧延される先行被圧延材と後行被圧延材との間(以下において、「バー間」ということがある。)は一定時間以上(例えば、2分以上)にする必要があることを知見した。さらに、優れた表面性状を有する超微細粒鋼を製造するためには、ロールプロフィールの測定精度を高めることが必要である。また、超微細粒鋼の生産性を向上させるためにはバー間を短くすることが有効である。これらを踏まえると、圧延後にロールプロフィールを測定する場合には、バー間にロールプロフィールを測定することで、優れた表面性状を有する超微細粒鋼の生産性を向上させることが可能になると考えられる。
【0010】
さらに、本発明者は、鋭意研究の結果、圧延直後の圧延ロールは熱収縮によるプロフィール変化量が大きく、ロールプロフィールの測定精度が低下しやすい一方、圧延後一定時間(例えば、30秒)が経過した圧延ロールは熱収縮によるプロフィール変化量が小さくなるため、熱収縮による誤差がロールプロフィールの測定精度以下となり、ロールプロフィール測定の高精度化が可能になることを知見した。したがって、先行被圧延材の圧延終了から一定時間経過して熱収縮によるプロフィール変化量が小さくなった後にロールプロフィール測定を開始し、例えば、先行被圧延材に続いて圧延される後行被圧延材の圧延開始までにロール研削を行うことで、優れた表面性状を有する超微細粒鋼を製造することが可能になるほか、超微細粒鋼の生産性を向上させることも可能になると考えられる。
【0011】
また、本発明者は、鋭意研究の結果、圧延開始直後の圧延ロールは熱膨張によるプロフィール変化量が大きく、ロールプロフィールの測定精度が低下しやすい一方、圧延開始後一定時間(例えば、30秒)が経過した圧延ロールは熱膨張によるプロフィール変化量が小さくなるため、熱膨張による誤差がロールプロフィールの測定精度以下となり、ロールプロフィール測定の高精度化が可能になることも知見した。したがって、被圧延材の圧延開始から一定時間経過して熱膨張によるプロフィール変化量が小さくなった後にロールプロフィール測定を開始することによっても、優れた表面性状を有する超微細粒鋼を製造することが可能になるほか、超微細粒鋼の生産性を向上させることも可能になると考えられる。
【0012】
さらに、本発明者は、(a)温度計を用いてロールの表面温度は測定できるがロール内部の温度測定はできない、(b)熱膨張はロール内部の温度も影響する、(c)水がかけられているロールの表面温度を正確に測定することは困難であることを知見した。そのため、プロフィール測定中の熱膨張や熱収縮による影響を考慮してプロフィール測定結果を補正する場合、プロフィール測定を行いながら圧延ロールの温度を計測し、プロフィール測定中に計測した圧延ロールの温度計測結果を用いてプロフィール測定結果を補正することは困難であることを知見した。本発明は、これらの知見に基いて完成されたもので、その要旨は以下の通りである。
【0013】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0014】
本発明の第1の態様は、圧延ロール(1)のプロフィールをオンラインで測定する方法において、被圧延材(8)を圧延した後の圧延ロールの冷却による熱収縮、又は、被圧延材(8)の圧延を開始した後の圧延ロールの加熱による熱膨張が予め指定された基準に達したか否かを判断する判断工程(S11)と、該判断工程で基準に達したと判断された場合に圧延ロールのプロフィールを測定する測定工程(S12)と、を有することを特徴とする、圧延ロールプロフィールの測定方法である。
【0015】
上記本発明の第1の態様において、判断工程(S11)が、少なくとも被圧延材(8)を圧延した後の圧延ロール(1)の冷却時間に基いて熱収縮が基準に達したか否かを判断する工程、又は、少なくとも被圧延材(8)の圧延を開始した後の圧延ロール(1)の加熱時間に基いて熱膨張が基準に達したか否かを判断する工程、であることが好ましい。
【0016】
また、上記本発明の第1の態様において、判断工程(S11)が、さらに、ロールプロフィール測定に要する時間、及び、ロールプロフィールの測定精度を考慮して、基準に達したか否かを判断する工程であることが好ましい。
【0017】
また、上記本発明の第1の態様において、判断工程(S11)が、ロールプロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張が測定精度以下に落ち着いた場合に基準に達したと判断する工程であることが好ましい。
【0018】
ここに、ロールプロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張が測定精度以下に落ち着いたか否かは、例えば、ロールプロフィール測定中の熱収縮量と圧延後経過時間との関係やロールプロフィール測定中の熱膨張量と圧延開始後経過時間との関係、及び、ロールプロフィールを測定する測定手段(3)の測定誤差を予め調べ、熱収縮量又は熱膨張量が測定誤差の範囲内になる時間を予め把握しておき、当該時間が経過したか否かによって判断することができる。
【0019】
また、上記本発明の第1の態様において、被圧延材(8)の圧延が終了してから測定工程(S12)が開始されるまでの時間、又は、被圧延材(8)の圧延が開始されてから測定工程(S12)が開始されるまでの時間が、少なくとも30秒以上であることが好ましい。
【0020】
また、上記本発明の第1の態様において、測定工程(S12)の後に、測定工程で圧延ロール(1)のプロフィール測定を開始してから終了するまでの間における熱収縮又は熱膨張の影響を考慮して測定工程の測定結果を補正する補正工程(S13)、を有することが好ましい。
【0021】
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様にかかる圧延ロールプロフィールの測定方法における測定工程(S12)の測定結果を用いて圧延ロール(1)を研削する研削工程(S14)を有することを特徴とする、圧延ロールの研削方法である。
【0022】
本発明の第3の態様は、上記本発明の第1の態様にかかる圧延ロールプロフィールの測定方法によって測定される圧延ロール(1)を備えた複数の圧延機(5、5、…)を具備する圧延機列(6)と、該圧延機列の下流側に配設された冷却装置(7)とを用いて熱延鋼板を製造することを特徴とする、熱延鋼板の製造方法である。
【0023】
上記本発明の第3の態様において、圧延機列(6)によって複数の被圧延材(8、8、…)が所定の時間を開けて連続して圧延され、該所定の時間に、判断工程(S11)及び測定工程(S12)が行われることが好ましい。
【0024】
本発明の第4の態様は、上記本発明の第2の態様にかかる圧延ロールの研削方法によって研削される圧延ロール(1)を備えた複数の圧延機(5、5、…)を具備する圧延機列(6)と、該圧延機列の下流側に配設された冷却装置(7)とを用いて熱延鋼板を製造することを特徴とする、熱延鋼板の製造方法である。
【0025】
上記本発明の第4の態様において、圧延機列(6)によって複数の被圧延材(8、8、…)が所定の時間を開けて連続して圧延され、該所定の時間に、判断工程(S11)から研削工程(S14)までの各工程が行われることが好ましい。
【0026】
本発明の第5の態様は、圧延ロール(1)と、圧延ロールのプロフィールを測定可能な測定手段(3)と、測定手段の動作を制御可能な制御手段(4)と、を備え、制御手段によって、被圧延材(8)を圧延した後の圧延ロールの冷却による熱収縮が予め指定された基準に達したと判断された場合、又は、被圧延材(8)の圧延を開始した後の圧延ロールの加熱による熱膨張が予め指定された基準に達したと判断された場合に、測定手段が作動されることを特徴とする、圧延機(5)である。
【0027】
上記本発明の第5の態様において、制御手段(4)は、少なくとも被圧延材(8)を圧延した後の圧延ロール(1)の冷却時間に基いて熱収縮が基準に達したか否かを判断する、又は、少なくとも被圧延材(8)の圧延を開始した後の圧延ロール(1)の加熱時間に基いて熱膨張が基準に達したか否かを判断する、ことが好ましい。
【0028】
また、上記本発明の第5の態様において、制御手段(4)は、さらに、ロールプロフィール測定に要する時間、及び、ロールプロフィールの測定精度を考慮して、基準に達したか否かを判断することが好ましい。
【0029】
また、上記本発明の第5の態様において、制御手段(4)は、ロールプロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張が上記測定精度以下に落ち着いた場合に基準に達したと判断することが好ましい。
【0030】
また、上記本発明の第5の態様において、被圧延材(8)の圧延が終了してから測定手段(3)による圧延ロール(1)のプロフィール測定が開始されるまでの時間、又は、被圧延材(8)の圧延が開始されてから測定手段(3)による圧延ロール(1)のプロフィール測定が開始されるまでの時間が、少なくとも30秒以上であることが好ましい。
【0031】
また、上記本発明の第5の態様において、測定手段(3)で圧延ロール(1)のプロフィール測定を開始してから終了するまでの間における熱収縮又は熱膨張の影響を考慮して、制御手段(4)で圧延ロールのプロフィール測定結果が補正されることが好ましい。
【0032】
また、上記本発明の第5の態様において、さらに、圧延ロール(1)を研削する研削手段(3)が備えられ、研削手段の動作は制御手段(4)によって制御され、圧延ロールのプロフィール測定結果を用いて制御手段によって決定された動作指令に基いて、研削手段が作動されることが好ましい。
【0033】
本発明において、測定手段及び研削手段は、それぞれの機能を備えた別々の機器によって構成されていても良く、測定機能及び研削機能を備えた1つの機器(3)によって構成されていても良い。
【0034】
また、研削手段が備えられる上記本発明の第5の態様において、測定手段(3)で圧延ロール(1)のプロフィール測定を開始してから終了するまでの間における熱収縮又は熱膨張の影響を考慮して、制御手段(4)で圧延ロールのプロフィール測定結果が補正され、補正されたプロフィール測定結果を用いて研削手段(3)の動作が制御されることが好ましい。
【0035】
本発明の第6の態様は、複数の圧延機(5、5、…)を具備する圧延機列(6)と、該圧延機列の下流側に配設された冷却装置(7)とを備え、圧延機が上記本発明の第5の態様にかかる圧延機であることを特徴とする、熱延鋼板の製造装置(10)である。
【0036】
上記本発明の第6の態様において、圧延機列(6)によって複数の被圧延材(8、8、…)が所定の時間を開けて連続して圧延され、該所定の時間に、圧延ロール(1)のプロフィール測定が行われることが好ましい。
【0037】
本発明の第7の態様は、複数の圧延機(5、5、…)を具備する圧延機列(6)と、該圧延機列の下流側に配設された冷却装置(7)とを備え、圧延機が、研削手段が備えられる上記本発明の第5の態様にかかる圧延機であることを特徴とする、熱延鋼板の製造装置(10)である。
【0038】
上記本発明の第7の態様において、圧延機列(6)によって複数の被圧延材(8、8、…)が所定の時間を開けて連続して圧延され、該所定の時間に、圧延ロール(1)のプロフィール測定及び圧延ロール(1)の研削が行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0039】
本発明の第1の態様では、圧延ロール(1)の熱収縮又は熱膨張が許容範囲に収まってから圧延ロール(1)のプロフィールが測定される。そのため、本発明の第1の態様によれば、ロールプロフィールの測定精度を向上させることが可能な、圧延ロールプロフィールの測定方法を提供することができる。
【0040】
上記本発明の第1の態様において、圧延ロール(1)の冷却時間に基いて熱収縮が基準に達したか否かを判断する、又は、圧延ロール(1)の加熱時間に基いて熱膨張が基準に達したか否かを判断することにより、ロールプロフィールの測定精度を容易に向上させることが可能になる。また、判断工程(S11)で、さらに、ロールプロフィール測定に要する時間、及び、ロールプロフィールの測定精度が考慮されることにより、ロールプロフィールの測定精度を容易に向上させることが可能になる。また、判断工程(S11)が、ロールプロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張が測定精度以下に落ち着いた場合に基準に達したと判断する工程であることにより、ロールプロフィールの測定精度を容易に向上させることが可能になる。
【0041】
また、上記本発明の第1の態様において、被圧延材(8)の圧延が終了してから測定工程(S12)が開始されるまでの時間、又は、被圧延材(8)の圧延が開始されてから測定工程(S12)が開始されるまでの時間を、少なくとも30秒以上とすることにより、熱収縮による誤差又は熱膨張による誤差を低減することが容易になる。また、補正工程(S13)が備えられることにより、ロールプロフィール測定結果の精度を向上させることが容易になる。
【0042】
本発明の第2の態様では、圧延ロール(1)の熱収縮が許容範囲に収まってから圧延ロール(1)のプロフィールが測定され、圧延ロール(1)が研削される。そのため、本発明の第2の態様によれば、ロール研削量制御の精度を向上させることが可能な、圧延ロールの研削方法を提供することができる。
【0043】
本発明の第3の態様では、上記本発明の第1の態様にかかる圧延ロールプロフィールの測定方法によって測定される圧延ロール(1)を用いて被圧延材を圧延した後、冷却装置(7)を用いて当該被圧延材を冷却する。本発明の圧延ロールプロフィールの測定方法で測定された圧延ロール(1)を用いることにより熱延鋼板の表面性状を向上させることが可能になり、高圧下圧延された直後の被圧延材を冷却装置(7)を用いて急冷(例えば、600℃/s以上の冷却速度で急冷)することにより、超微細粒鋼を製造することが可能になる。したがって、本発明の第3の態様によれば、優れた表面性状を有する超微細粒鋼を製造することが可能な、熱延鋼板の製造方法を提供することができる。
【0044】
上記本発明の第3の態様において、先行被圧延材(8)の圧延が終了してから後行被圧延材(8)の圧延が開始されるまでの間に判断工程(S11)及び測定工程(S12)が行われることにより、上記効果に加えて、生産性を向上させることが可能な、熱延鋼板の製造方法を提供することができる。
【0045】
本発明の第4の態様では、上記本発明の第2の態様にかかる圧延ロールの研削方法によって研削される圧延ロール(1)を用いて被圧延材を圧延した後、冷却装置(7)を用いて当該被圧延材を冷却する。本発明の圧延ロールの研削方法で研削された圧延ロール(1)を用いることにより熱延鋼板の表面性状を向上させることが可能になり、高圧下圧延された直後の被圧延材を、冷却装置(7)を用いて急冷(例えば、600℃/s以上の冷却速度で急冷)することにより、超微細粒鋼を製造することが可能になる。したがって、本発明の第4の態様によれば、優れた表面性状を有する超微細粒鋼を製造することが可能な、熱延鋼板の製造方法を提供することができる。
【0046】
上記本発明の第4の態様において、先行被圧延材(8)の圧延が終了してから後行被圧延材(8)の圧延が開始されるまでの間に判断工程(S11)から研削工程(S14)までの各工程が行われることにより、上記効果に加えて、生産性を向上させることが可能な、熱延鋼板の製造方法を提供することができる。
【0047】
本発明の第5の態様では、圧延ロール(1)の熱収縮又は熱膨張が許容範囲に収まってから圧延ロール(1)のプロフィールが測定される。そのため、本発明の第5の態様によれば、ロールプロフィールの測定精度を向上させることが可能な、圧延機(5)を提供することができる。
【0048】
上記本発明の第5の態様において、圧延ロール(1)の冷却時間に基いて熱収縮が基準に達したか否かを判断する、又は、圧延ロール(1)の加熱時間に基いて熱膨張が基準に達したか否かを判断することにより、ロールプロフィールの測定精度を容易に向上させることが可能になる。さらに、制御手段(4)によってロールプロフィール測定に要する時間、及び、ロールプロフィールの測定精度が考慮されることにより、ロールプロフィールの測定精度を容易に向上させることが可能になる。また、ロールプロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張が測定精度以下に落ち着いた場合に、制御手段(4)によって基準に達したと判断されることにより、ロールプロフィールの測定精度を容易に向上させることが可能になる。
【0049】
また、上記本発明の第5の態様において、被圧延材(8)の圧延が終了してから圧延ロール(1)のプロフィール測定が開始されるまでの時間、又は、被圧延材(8)の圧延が開始されてから圧延ロール(1)のプロフィール測定が開始されるまでの時間を少なくとも30秒以上とすることにより、熱収縮又は熱膨張による誤差を低減することが容易になる。また、プロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張を考慮してプロフィール測定結果を補正することにより、ロールプロフィールの測定結果の精度を向上させることが容易になる。
【0050】
また、上記本発明の第5の態様において、圧延ロール(1)の熱収縮が許容範囲に収まってから圧延ロール(1)のプロフィールが測定され、圧延ロール(1)が研削されることにより、ロールプロフィールの測定精度及びロール研削量制御の精度を向上させることが可能な、圧延機(5)を提供することができる。また、研削手段が備えられる上記本発明の第5の態様において、プロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張を考慮してプロフィール測定結果が補正され、補正されたプロフィール測定結果を用いて研削手段の動作が制御されることにより、ロールプロフィールの測定精度及びロール研削量制御の精度を向上させることが容易になる。
【0051】
本発明の第6の態様及び本発明の第7の態様では、上記本発明の第5の態様にかかる圧延機(5、5、…)を具備する圧延機列(6)と、該圧延機列(6)の下流側に配設された冷却装置(7)とが備えられている。本発明の圧延機(5、5、…)を用いることにより熱延鋼板の表面性状を向上させることが可能になり、高圧下圧延された直後の被圧延材を、冷却装置(7)を用いて急冷(例えば、600℃/s以上の冷却速度で急冷)することにより、超微細粒鋼を製造することが可能になる。したがって、本発明の第6の態様及び本発明の第7の態様によれば、優れた表面性状を有する超微細粒鋼を製造することが可能な、熱延鋼板の製造装置(10)を提供することができる。
【0052】
上記本発明の第6の態様において、先行被圧延材(8)の圧延が終了してから後行被圧延材(8)の圧延が開始されるまでの間に、圧延ロール(1)のプロフィール測定が行われることにより、上記効果に加えて、生産性を向上させることが可能な、熱延鋼板の製造装置(10)を提供することができる。
【0053】
上記本発明の第7の態様において、先行被圧延材(8)の圧延が終了してから後行被圧延材(8)の圧延が開始されるまでの間に、圧延ロール(1)のプロフィール測定及び圧延ロール(1)の研削が行われることにより、上記効果に加えて、生産性を向上させることが可能な、熱延鋼板の製造装置(10)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】圧延機5の形態を簡略化して示す図である。
【図2】熱延鋼板の製造装置10の形態を簡略化して示す図である。
【図3】圧延ロールプロフィールの測定方法を説明するフローチャートである。
【図4】圧延ロールの研削方法を説明するフローチャートである。
【図5】測定中の熱収縮の変化量と圧延後経過時間との関係を示す図である。
【図6】熱延鋼板の製造方法を説明するフローチャートである。
【図7】補正前及び補正後のプロフィール測定結果を説明する図である。
【図8】圧延ロールと被圧延材との接触状態を説明する図である。
【図9】熱膨張量・熱収縮量と時間との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面に示す形態は本発明の例示であり、本発明は図示の形態に限定されるものではない。以下の説明において、被圧延材の移動方向の下流側を単に「下流側」と表記し、被圧延材の移動方向の上流側を単に「上流側」と表記する。
【0056】
図1は、本発明の圧延機5及び被圧延材8の形態を簡略化して示す図である。図1において、被圧延材8は紙面左側から右側へと移動する。図1に示すように、本発明の圧延機5は、被圧延材8を圧延する圧延ロール1、1、及び、バックアップロール2、2と、圧延ロール1、1のプロフィールを測定する機能及び圧延ロール1、1を研削する機能を備えた機器3、3と、機器3、3の動作を制御可能な制御手段4と、を備えている。制御手段4には、機器3、3等の動作制御を実行するCPU4aと、該CPU4aに対する記憶装置とが設けられている。CPU4aは、マイクロプロセッサユニット及びその動作に必要な各種周辺回路を組み合わせて構成され、CPU4aに対する記憶装置は、例えば、機器3、3等の動作制御に必要なプログラムや各種データを記憶するROM4bと、CPU4aの作業領域として機能するRAM4c等を組み合わせて構成される。当該構成に加えて、さらに、CPU4aは、ROM4bに記憶されたソフトウエアと組み合わされることにより、圧延機5における制御手段4が機能する。機器3、3によって検出された圧延ロール1、1のプロフィールに関する情報(出力信号)は、制御手段4の入力ポート4dを介して、入力信号としてCPU4aへと到達する。CPU4aは、ROM4bに記憶されたプログラム等に基いて、機器3、3に対する研削動作指令を決定し、出力ポート4eを介して、研削動作指令を機器3、3へ向けて出力する。
【0057】
より具体的に、圧延機5では、CPU4aによって、圧延ロール1、1の熱収縮が許容範囲に収まる被圧延材8の圧延終了後30秒、又は、圧延ロール1、1の熱膨張が許容範囲に収まる被圧延材8の圧延開始から30秒が経過したと判断されると、CPU4aから機器3、3へ向けて、プロフィール測定に関する動作指令が出力される。そして、当該動作指令に基いて作動する機器3、3によって、圧延ロール1、1のプロフィールが測定される。機器3、3によって測定された圧延ロール1、1のプロフィール測定結果は、制御手段4へと送られ、入力ポート4dを介してCPU4aへと到達する。CPU4aでは、機器3、3によるプロフィール測定中に生じた圧延ロール1、1の熱収縮又は熱膨張の影響を考慮して、機器3、3から送られてきたプロフィール測定結果を補正し、補正したプロフィール測定結果に基いて、圧延ロール1、1の研削動作指令を決定する。決定された研削動作指令は、CPU4aから機器3、3へと送られ、機器3、3は送られてきた研削動作指令に基いて作動することにより、圧延ロール1、1を研削する。このように、圧延機5では、圧延ロール1、1の熱収縮又は熱膨張が許容範囲に収まってから、機器3、3によって圧延ロール1、1のプロフィールが測定され、プロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張を考慮してプロフィール測定結果が補正され、補正されたプロフィール測定結果に基いた動作指令にしたがって作動する機器3、3によって、圧延ロール1、1が研削される。熱収縮や熱膨張が許容範囲に収まってからプロフィール測定を行うことにより、プロフィール測定の精度を向上させることが可能になり、プロフィール測定中の熱収縮の影響を考慮してプロフィール測定結果を補正することにより、プロフィール測定結果の精度をより一層向上させることが可能になる。そして、高精度のプロフィール測定結果に基いて圧延ロールの研削量を決定することにより、圧延ロールの研削精度を向上させることが可能になり、高精度に研削された圧延ロール1、1を用いて被圧延材8を圧延することにより、被圧延材8の表面性状を向上させることが可能になる。したがって、本発明によれば、機器3、3による圧延ロール1、1のプロフィール測定精度及び圧延ロール1、1の研削精度、並びに、被圧延材8の表面性状を何れも向上させることが可能な、圧延機5を提供することができる。なお、図1では、圧延ロール1、1の上流側に機器3、3が配設されている形態の圧延機5を示したが、本発明において、測定手段及び研削手段は、圧延ロールの下流側に配設されていても良い。
【0058】
図2は、本発明の熱延鋼板の製造装置10の形態を簡略化して示す図である。図2では、複数の圧延機5、5、…を備えた仕上圧延機列6の上流側に配設される粗圧延機や、冷却装置7の下流側に配設される巻き取り機等の記載を省略しており、圧延機5、5、…も簡略化して示している。図2において、被圧延材8は紙面左側から右側へと移動する。図2に示すように、本発明の熱延鋼板の製造装置10は、複数の圧延機5、5、…を具備する仕上圧延機列6と、該仕上圧延機列6の下流側に隣接して配設された冷却装置7と、を備えている。製造装置10では、例えば、仕上圧延機列6を構成する圧延機5、5、…のうち、下流側の3つの圧延機5、5、5で圧下率が30%以上の高圧下圧延を行った後、当該3つの圧延機5、5、5のうち最も下流側に配設されている圧延機5による仕上圧延が終了してから0.2秒以内に、冷却装置7を用いて、600℃/s以上(好ましくは1000℃/s以上)の冷却速度で被圧延材8を急冷する。このようにすることで、超微細粒鋼を製造することが可能になる。そして、製造装置10には、圧延機5、5、…が備えられているので、優れた表面性状を有する超微細粒鋼を製造することが可能になる。
【0059】
本発明の熱延鋼板の製造装置10を用いて複数の超微細粒鋼を製造する場合、高圧下圧延が行われる圧延機5、5、5を保護する等の観点から、バー間を2分以上とすることが好ましい。そして、高圧化圧延が行われる圧延機5、5、5を保護しつつ、超微細粒鋼の生産性を向上させ得る形態にする等の観点から、バー間に、機器3、3による圧延ロール1、1のプロフィール測定や機器3、3による圧延ロール1、1の研削を行うことが好ましい。上述のように、圧延機5では、被圧延材8の圧延終了後30秒又は被圧延材8の圧延開始から30秒が経過してから機器3、3による圧延ロール1、1のプロフィール測定が開始される。したがって、製造装置10では、例えば、先行被圧延材8の圧延終了後30秒が経過したら直ちに、機器3、3による圧延ロール1、1のプロフィール測定を行い、プロフィール測定中の熱収縮の影響を考慮して修正されたプロフィール測定結果に基いて機器3、3を作動させることにより、圧延ロール1、1を研削することが好ましい。また、製造装置10では、例えば、先行被圧延材8の圧延開始後30秒が経過したら直ちに、機器3、3による圧延ロール1、1のプロフィール測定を行い、プロフィール測定中の熱収縮の影響を考慮して修正されたプロフィール測定結果に基いて機器3、3をバー間に作動させることにより、圧延ロール1、1を研削することが好ましい。
【0060】
図3は、本発明の圧延ロールプロフィールの測定方法を説明するフローチャートである。図4は、本発明の圧延ロールの研削方法を説明するフローチャートである。図4において、図3と同様に構成されるものには、図3で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。図3に示すように、本発明の圧延ロールプロフィールの測定方法は、判断工程(S11)と、測定工程(S12)と、補正工程(S13)と、を有している。また、図4に示すように、本発明の圧延ロールの研削方法は、判断工程(S11)と、測定工程(S12)と、補正工程(S13)と、研削工程(S14)と、を有している。すなわち、本発明の圧延ロールの研削方法は、本発明の圧延ロールプロフィールの測定方法の後に、研削工程(S14)を追加した構成となっている。また、図5は、圧延ロールのプロフィール測定中における圧延ロールの熱収縮の変化量と圧延後経過時間との関係を示す図であり、図5では、冷却水を噴射されることによって冷却された圧延ロールの熱収縮の変化量と圧延後経過時間との関係を示している。また、図9は、熱膨張量・熱収縮量と時間との関係を示す図であり、実線はロールバレル中央位置における熱膨張量・熱収縮量を、破線はロールバレル幅方向1/4位置における熱膨張量・熱収縮量を、それぞれ示している。以下、図1、図3乃至図5、及び、図9を参照しつつ、本発明の圧延ロールプロフィールの測定方法、及び、本発明の圧延ロールの研削方法について説明する。
【0061】
判断工程S11(以下において、「S11」という。)は、圧延ロール1、1のプロフィール測定を、被圧延材8を圧延していない時に行う場合には、被圧延材8を圧延した後の圧延ロール1、1の冷却による熱収縮が、予め指定された基準に達したか否かを判断する工程である。これに対し、圧延ロール1、1のプロフィール測定を被圧延材8の圧延時に行う場合、S11は、被圧延材8の圧延を開始した後の圧延ロール1、1の加熱による熱膨張が、予め指定された基準に達したか否かを判断する工程である。S11は、肯定判断がなされるまで繰り返され、S11で肯定判断がなされると、次の測定工程S12が行われる。圧延ロール1、1の冷却による熱収縮の程度は、被圧延材8の圧延終了からの経過時間と相関があり、圧延ロール1、1の加熱による熱膨張の程度は、被圧延材8の圧延開始からの経過時間と相関がある。例えば図5に示すように、圧延終了後に冷却水を用いて冷却された圧延ロールは、圧延終了から30秒が経過すると、熱収縮の変化量が機器3、3の測定誤差以下になる。また、例えば図9に示すように、圧延開始から所定時間(30秒程度)が経過すると、熱膨張の変化量(熱膨張量を示す曲線の傾き)が低減するため、熱膨張の変化量が機器3、3の測定誤差以下になる。そのため、S11は、被圧延材8の圧延終了からの経過時間、又は、被圧延材8の圧延開始からの経過時間が所定時間以上であるか否かを判断することによって、熱収縮又は熱膨張が予め指定された基準に達したか否か(熱収縮又は熱膨張が許容範囲に収まったか否か)を判断する工程とすることができる。すなわち、超微細粒鋼の製造を目的とする場合、S11は、例えば、被圧延材8の圧延終了から30秒以上が経過したか否かを判断することによって、冷却水を用いた圧延ロール1、1の冷却による熱収縮が予め指定された基準に達したか否かを判断する工程とすることができる。また、超微細粒鋼の製造を目的としない場合、S11は、例えば、被圧延材8の圧延開始から30秒以上が経過したか否かを判断することによって、圧延ロール1、1の加熱による熱膨張が予め指定された基準に達したか否かを判断する工程とすることができる。
【0062】
測定工程S12(以下において、「S12」という。)は、上記S11で肯定判断がなされた場合に、圧延ロール1、1のプロフィールを測定する工程である。S12は、上記S11で圧延終了又は圧延開始から30秒が経過したと判断したCPU4aから出力された、圧延ロール1、1のプロフィール測定に関する動作指令にしたがって作動する機器3、3によって、圧延ロール1、1のプロフィールを測定する工程、とすることができる。
【0063】
補正工程S13(以下において、「S13」という。)は、上記S12のプロフィール測定時間中に生じた熱収縮又は熱膨張を考慮して、上記S12のプロフィール測定結果を補正する工程である。圧延ロール1、1のプロフィール測定を開始して終了するまでには一定の時間が必要とされるため、圧延ロール1、1はこの時間中にも熱収縮や熱膨張をし得る。したがって、S13でプロフィール測定結果を補正することにより、プロフィール測定結果の精度を向上させることが可能になる。S13は、例えば、ROM4bに記憶されている圧延終了後からの経過時間と熱収縮との関係、又は、ROM4bに記憶されている圧延開始からの経過時間と熱膨張との関係と、上記S12の所要時間と、機器3、3のプロフィール測定精度とから、上記S12の時間中に生じた熱収縮量又は熱膨張量を算出し、算出した熱収縮量又は熱膨張量を用いて、CPU4aで上記S12のプロフィール測定結果を補正する工程、とすることができる。
【0064】
このように、本発明の圧延ロールプロフィールの測定方法では、圧延ロール1、1の熱収縮又は熱膨張が許容範囲に収まってから、圧延ロール1、1のプロフィールが測定され、プロフィール測定中に生じた熱収縮又は熱膨張を考慮してプロフィール測定結果が補正される。図5に示すように、例えば、従来技術を用いて圧延直後にプロフィール測定を開始すると、プロフィール測定中の熱収縮変化量が、機器3、3の測定精度10μmよりも30μm程度大きい40μm程度となるため、30μm程度の誤差が生じると考えられる。これに対し、本発明では、熱収縮又は熱膨張が許容範囲に収まってからプロフィール測定を行うので、プロフィール測定の精度を向上させることが可能になる。さらに、プロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張の影響を考慮してプロフィール測定結果を補正することにより、プロフィール測定結果の精度をより一層向上させることが可能になる。そして、高精度のプロフィール測定結果に基いて表面状態を整えられた圧延ロール1、1を用いて被圧延材8を圧延することにより、被圧延材8の表面性状を向上させることが可能になる。したがって、本発明によれば、機器3、3による圧延ロール1、1のプロフィール測定精度、及び、被圧延材8の表面性状を何れも向上させることが可能な、圧延ロールプロフィールの測定方法を提供することができる。
【0065】
本発明における研削工程S14(以下において、「S14」という。)は、圧延ロール1、1を研削する工程である。S14は、例えば、上記S13で補正されたプロフィール測定結果に基き、CPU4aで決定された研削動作指令にしたがって作動する機器3、3によって、圧延ロール1、1を研削する工程、とすることができる。
【0066】
このように、本発明の圧延ロールの研削方法では、圧延ロール1、1の熱収縮又は熱膨張が許容範囲に収まってから、圧延ロール1、1のプロフィールが測定され、プロフィール測定中に生じた熱収縮又は熱膨張を考慮してプロフィール測定結果が補正され、補正されたプロフィール測定結果に基いて圧延ロール1、1の研削量が決定される。熱収縮又は熱膨張が許容範囲に収まってからプロフィール測定を行うことにより、プロフィール測定の精度を向上させることが可能になり、プロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張の影響を考慮してプロフィール測定結果を補正することにより、プロフィール測定結果の精度をより一層向上させることが可能になる。そして、高精度のプロフィール測定結果に基いて圧延ロールの研削量を決定することにより、圧延ロールの研削精度を向上させることが可能になり、高精度に研削された圧延ロール1、1を用いて被圧延材8を圧延することにより、被圧延材8の表面性状を向上させることが可能になる。したがって、本発明によれば、機器3、3による圧延ロール1、1のプロフィール測定精度及び圧延ロール1、1の研削精度、並びに、被圧延材8の表面性状を何れも向上させることが可能な、圧延ロールの研削方法を提供することができる。
【0067】
図6は、1つの実施形態にかかる本発明の熱延鋼板の製造方法を説明するフローチャートである。図6において、図3や図4に示した工程と同様に構成される工程には、これらの図で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。図6に示す本発明の熱延鋼板の製造方法は、先行被圧延材を圧延する工程(S21)と、後行被圧延材を圧延する工程(S22)とを有し、S21とS22との間に、S11乃至S14を有している。以下、図1乃至図6を参照しつつ、本発明の熱延鋼板の製造方法について説明する。
【0068】
S21は、製造装置10に備えられる仕上圧延機列6を用いて先行被圧延材8を圧延する工程であり、S22は、製造装置10に備えられる仕上圧延機列6を用いて後行被圧延材8を圧延する工程である。仕上圧延機列6によってS21で仕上圧延された先行被圧延材8は、引き続き、仕上圧延機列6の最も下流側に配設されている圧延機5による仕上圧延が終了してから0.2秒以内に、冷却装置7を用いて、600℃/s以上(好ましくは1000℃/s以上)の冷却速度で急冷される。同様に、仕上圧延機列6によってS22で仕上圧延された後行被圧延材8は、引き続き、仕上圧延機列6の最も下流側に配設されている圧延機5による仕上圧延が終了してから0.2秒以内に、冷却装置7を用いて、600℃/s以上(好ましくは1000℃/s以上)の冷却速度で急冷される。本発明の熱延鋼板の製造方法では、例えば、仕上圧延機列6を構成する下流側の3つの圧延機5、5、5で圧下率が30%以上の高圧下圧延を行った直後に冷却装置7を用いて急冷することにより、超微細粒鋼を製造することが可能になる。
【0069】
本発明の熱延鋼板の製造方法は、S21とS22との間に、S11乃至S14を有している。それゆえ、先行被圧延材8を圧延することによって圧延ロール1、1が摩耗しても、例えばS22で後行被圧延材8を圧延する前に、S11乃至S14によって圧延ロール1、1の表面が滑らかにされる。したがって、本発明によれば、優れた表面性状を有する熱延鋼板(超微細粒鋼も含む。以下において同じ。)を製造することが可能な、熱延鋼板の製造方法を提供することができる。
【0070】
さらに、図6に示す本発明の熱延鋼板の製造方法は、S21とS22との間に、S11乃至S14を有しているので、上記効果に加えて、熱延鋼板の生産性を向上させることが可能になる。
【0071】
本発明に関する上記説明では、圧延ロールのプロフィール測定中に生じた熱収縮又は熱膨張の影響を考慮してプロフィール測定結果が補正される形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。本発明は、プロフィール測定中に生じた熱収縮や熱膨張の影響を考慮しない形態とすることも可能である。ただし、圧延ロールのプロフィール測定精度や圧延ロールの研削量制御の精度を向上させやすい形態にする等の観点からは、圧延ロールのプロフィール測定中に生じた熱収縮又は熱膨張の影響を考慮してプロフィール測定結果が補正される形態とすることが好ましい。
【0072】
圧延ロールのプロフィール測定中に生じた熱収縮又は熱膨張の影響を考慮する方法の一形態を、以下に説明する。
【0073】
圧延ロールのプロフィール測定中には、測定精度と比較して無視し得る程度ではあるが、圧延ロールの熱収縮又は熱膨張でプロフィールが変化してしまう。そのため、後述する方法で測定開始からの熱収縮又は熱膨張によるプロフィール変化を予測し、測定結果に、測定中の熱収縮又は熱膨張によるプロフィール変化量の計算値を加算して補正することで、測定開始直後の正確なロールプロフィールを得ることができる。図7に、補正前及び補正後の測定結果の概念を示す。図7の実線は補正前の測定結果、図7の波線は補正後の測定結果であり、図7の左右方向はロールプロフィールの測定方向、図7の上下方向は圧延ロールの軸芯方向である。図7では、測定中に圧延ロールが熱収縮した場合を示している。なお、測定開始直後のロールプロフィールを算出する形態を例示したが、同一時刻でのロールプロフィールが得られるのであれば、測定終了直後のロールプロフィールを算出しても良い。
【0074】
次に、ロールプロフィールの熱収縮・熱膨張の計算方法を説明する。図8は、圧延ロールと被圧延材(鋼板)との接触状態を説明する図である。図8に示すように、鋼板とワークロールが接触しているので、鋼板からの入熱によりワークロールは熱膨張する。この現象を軸対称二次元(ロール胴長方向と半径方向)熱伝導方式で表し、これを差分法で解く。熱伝導方程式は下記式(1)で表すことができる。また、ロール表面(r=R)における境界条件は下記式(2)及び式(3)で、ロール端部(z=L/2)における境界条件は下記式(4)で表すことができる。
【0075】
【数1】

【0076】
【数2】

【0077】
【数3】

【0078】
【数4】

【0079】
ここで、θはロール温度、tは時間、rは半径方向座標、zは胴長方向座標、cは比熱、ρは密度、κは熱伝導率、θは雰囲気温度、hは水冷の熱伝達率、hは空冷の熱伝達率、Bは板幅、Lはワークロールバレル長である。qは圧延材からロールへの熱流束であり、圧延材とロールとの接触を半無限体の接触と考えて求める。δ(z)は圧延材との接触部で1、非接触部で0となる関数である。また、未圧延時には、q=0とすることで、同様の式にて計算が可能である。
【0080】
式(1)にて求めたワークロールの温度分布をもとにロールサーマルクラウン(熱膨張プロフィール)CHeat(z)を下記式(5)で求める。式(5)において、νはポアソン比、αは線膨張係数、Rはワークロール半径である。
【0081】
【数5】

【0082】
また、本発明に関する上記説明では、圧延後の圧延ロールの冷却時間又は圧延開始後の圧延ロールの加熱時間と、ロールプロフィールの測定時間と、ロールプロフィールの測定精度とを考慮して、基準に達したか否かが判断される形態のS11を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。ただし、プロフィールの測定精度や研削制御の精度を高めやすい形態にする等の観点からは、判断工程を、少なくとも、圧延後の圧延ロールの冷却時間又は圧延開始後の圧延ロールの加熱時間を考慮して、基準に達したか否かが判断される形態とすることが好ましく、さらに、ロールプロフィールの測定時間やロールプロフィールの測定精度が考慮される形態とすることがより好ましい。
【0083】
また、本発明に関する上記説明では、ロールプロフィール測定中の熱収縮量と圧延後経過時間との関係やロールプロフィール測定中の熱膨張量と圧延開始後経過時間との関係、及び、ロールのプロフィールを測定する測定手段の測定誤差を予め調べ、熱収縮量又は熱膨張量が測定誤差の範囲内になる時間が30秒であることを予め把握しておき、この30秒が経過したか否かによって、基準に達したか否かを判断する形態のS11を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。ただし、プロフィールの測定精度や研削制御の精度を高めやすい形態にする等の観点からは、ロールプロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張が測定精度以下に落ち着いた場合に基準に達したと判断することが好ましく、30秒以上の時間が経過した場合に基準に達したと判断することが好ましい。
【0084】
なお、本発明の圧延ロールプロフィール測定方法による測定結果は、圧延ロールプロフィールの予測結果に反映させることができ、修正された予測結果を用いて熱延鋼板のクラウン制御や形状制御を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、自動車用、家電用、機械構造用、建築用等の用途に使用される、超微細粒鋼等の熱延鋼板の製造に、利用することができる。
【符号の説明】
【0086】
S11…判断工程
S12…測定工程
S13…補正工程
S14…研削工程
S21…先行被圧延材を圧延する工程
S22…後行被圧延材を圧延する工程
1…圧延ロール
2…バックアップロール
3…機器(測定手段、研削手段)
4…制御手段
5…圧延機
6…仕上圧延機列
7…冷却装置
8…被圧延材
10…熱延鋼板の製造装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延ロールのプロフィールをオンラインで測定する方法において、
被圧延材を圧延した後の前記圧延ロールの冷却による熱収縮、又は、被圧延材の圧延を開始した後の前記圧延ロールの加熱による熱膨張が予め指定された基準に達したか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程で前記基準に達したと判断された場合に、前記圧延ロールのプロフィールを測定する測定工程と、
を有することを特徴とする、圧延ロールプロフィールの測定方法。
【請求項2】
前記判断工程が、少なくとも前記被圧延材を圧延した後の前記圧延ロールの冷却時間に基いて、前記熱収縮が前記基準に達したか否かを判断する工程、又は、少なくとも前記被圧延材の圧延を開始した後の前記圧延ロールの加熱時間に基いて、前記熱膨張が前記基準に達したか否かを判断する工程、であることを特徴とする、請求項1に記載の圧延ロールプロフィールの測定方法。
【請求項3】
前記判断工程が、さらに、ロールプロフィール測定に要する時間、及び、ロールプロフィールの測定精度を考慮して、前記基準に達したか否かを判断する工程であることを特徴とする、請求項2に記載の圧延ロールプロフィールの測定方法。
【請求項4】
前記判断工程が、ロールプロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張が前記測定精度以下に落ち着いた場合に前記基準に達したと判断する工程であることを特徴とする、請求項3に記載の圧延ロールプロフィールの測定方法。
【請求項5】
前記被圧延材の圧延が終了してから前記測定工程が開始されるまでの時間、又は、前記被圧延材の圧延が開始されてから前記測定工程が開始されるまでの時間が、少なくとも30秒以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧延ロールプロフィールの測定方法。
【請求項6】
前記測定工程の後に、前記測定工程で前記圧延ロールのプロフィール測定を開始してから終了するまでの間における熱収縮又は熱膨張の影響を考慮して前記測定工程の測定結果を補正する補正工程、を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧延ロールプロフィールの測定方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧延ロールプロフィールの測定方法における測定工程の測定結果を用いて圧延ロールを研削する研削工程を有することを特徴とする、圧延ロールの研削方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧延ロールプロフィールの測定方法によって測定される圧延ロールを備えた複数の圧延機を具備する圧延機列と、該圧延機列の下流側に配設された冷却装置とを用いて熱延鋼板を製造することを特徴とする、熱延鋼板の製造方法。
【請求項9】
前記圧延機列によって複数の被圧延材が所定の時間を開けて連続して圧延され、前記所定の時間に、前記判断工程及び前記測定工程が行われることを特徴とする、請求項8に記載の熱延鋼板の製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の圧延ロールの研削方法によって研削される圧延ロールを備えた複数の圧延機を具備する圧延機列と、該圧延機列の下流側に配設された冷却装置とを用いて熱延鋼板を製造することを特徴とする、熱延鋼板の製造方法。
【請求項11】
前記圧延機列によって複数の被圧延材が所定の時間を開けて連続して圧延され、前記所定の時間に、前記判断工程から前記研削工程までの各工程が行われることを特徴とする、請求項10に記載の熱延鋼板の製造方法。
【請求項12】
圧延ロールと、前記圧延ロールのプロフィールを測定可能な測定手段と、前記測定手段の動作を制御可能な制御手段と、を備え、
前記制御手段によって、被圧延材を圧延した後の前記圧延ロールの冷却による熱収縮が予め指定された基準に達したと判断された場合、又は、被圧延材の圧延を開始した後の前記圧延ロールの加熱による熱膨張が予め指定された基準に達したと判断された場合に、前記測定手段が作動されることを特徴とする、圧延機。
【請求項13】
前記制御手段は、少なくとも前記被圧延材を圧延した後の前記圧延ロールの冷却時間に基いて前記熱収縮が前記基準に達したか否かを判断する、又は、少なくとも前記被圧延材の圧延を開始した後の前記圧延ロールの加熱時間に基いて前記熱膨張が前記基準に達したか否かを判断する、ことを特徴とする、請求項12に記載の圧延機。
【請求項14】
前記制御手段は、さらに、ロールプロフィール測定に要する時間、及び、ロールプロフィールの測定精度を考慮して、前記基準に達したか否かを判断することを特徴とする、請求項13に記載の圧延機。
【請求項15】
前記制御手段は、ロールプロフィール測定中の熱収縮又は熱膨張が前記測定精度以下に落ち着いた場合に前記基準に達したと判断することを特徴とする、請求項14に記載の圧延機。
【請求項16】
前記被圧延材の圧延が終了してから前記測定手段による前記圧延ロールのプロフィール測定が開始されるまでの時間、又は、前記被圧延材の圧延が開始されてから前記測定手段による前記圧延ロールのプロフィール測定が開始されるまでの時間が、少なくとも30秒以上であることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか1項に記載の圧延機。
【請求項17】
前記測定手段で前記圧延ロールのプロフィール測定を開始してから終了するまでの間における熱収縮又は熱膨張の影響を考慮して、前記制御手段で前記圧延ロールのプロフィール測定結果が補正されることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか1項に記載の圧延機。
【請求項18】
さらに、前記圧延ロールを研削する研削手段が備えられ、
前記研削手段の動作は前記制御手段によって制御され、
前記圧延ロールのプロフィール測定結果を用いて前記制御手段によって決定された動作指令に基いて、前記研削手段が作動されることを特徴とする、請求項12〜17のいずれか1項に記載の圧延機。
【請求項19】
前記測定手段で前記圧延ロールのプロフィール測定を開始してから終了するまでの間における熱収縮又は熱膨張の影響を考慮して、前記制御手段で前記圧延ロールのプロフィール測定結果が補正され、補正されたプロフィール測定結果を用いて前記研削手段の動作が制御されることを特徴とする、請求項18に記載の圧延機。
【請求項20】
複数の圧延機を具備する圧延機列と、該圧延機列の下流側に配設された冷却装置とを備え、前記圧延機が請求項12〜17のいずれか1項に記載の圧延機であることを特徴とする、熱延鋼板の製造装置。
【請求項21】
前記圧延機列によって複数の被圧延材が所定の時間を開けて連続して圧延され、前記所定の時間に、前記圧延ロールのプロフィール測定が行われることを特徴とする、請求項20に記載の熱延鋼板の製造装置。
【請求項22】
複数の圧延機を具備する圧延機列と、該圧延機列の下流側に配設された冷却装置とを備え、前記圧延機が請求項18又は19に記載の圧延機であることを特徴とする、熱延鋼板の製造装置。
【請求項23】
前記圧延機列によって複数の被圧延材が所定の時間を開けて連続して圧延され、前記所定の時間に、前記圧延ロールのプロフィール測定及び前記圧延ロールの研削が行われることを特徴とする、請求項22に記載の熱延鋼板の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−177784(P2011−177784A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47492(P2010−47492)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】