説明

圧縮機静翼と圧縮機動翼

【課題】翼列間に発生する低エネルギー流体の影響を低減し、翼列性能の低下を防止することができる圧縮機静翼と圧縮機動翼を提供する。
【解決手段】圧縮機静翼10は、半径方向内端の上流側と回転体外面との間を気密にシールするシール機構12を有し、シール機構の下流側残部は回転体外面との間にハブクリアランス14を有する。また、圧縮機動翼20は、半径方向外端の上流側と静止体内面との間を気密にシールするシール機構22を有し、シール機構の下流側残部は静止体内面との間にチップクリアランス24を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機翼に係り、さらに詳しくは圧縮機静翼と圧縮機動翼に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンやジェットエンジンにおいて、外部から取り入れた空気を圧縮する圧縮機には、動翼列と静翼列を交互に組み合わせた多段軸流式圧縮機が用いられる。
【0003】
多段軸流式圧縮機おいて、静翼列を構成する静翼の半径方向末端部(ハブ側)、あるいは動翼列を構成する動翼の半径方向先端部(チップ側)には、それぞれの対向面との間に隙間(クリアランス)があり、このクリアランスを流れる漏れ流れ(クリアランスフロー)は、圧縮機の性能低下の一因となる。
【0004】
そこで、この漏れ流れ(クリアランスフロー)またはその影響を低減する手段として、特許文献1,2が既に提案されている。
【0005】
特許文献1のシュラウド一体型動翼は、ガスパスの漏れ流れを防止することを目的とする。
図5に示すように、シュラウド一体型動翼60は、シュラウド53が動翼52のチップの前縁61から後縁62にかけて設けられており、シールフィン先端63の半径とシュラウド後縁64端の半径とがほぼ同一である。分割環65は、内周面66の半径がシールフィン先端63の半径およびシュラウド後縁端64の半径に対して若干大きい。この結果、シュラウド53の外側面56と分割環65の内周面66との間であって、シールフィン57よりも下流側に存在するキャビティ断面積69を減少させることができる。このために、ガスパス55からスロート付近の空所を抜けた漏れ流れ67は、分割環65の内周面66により、その流れが遮断される。このように、ウイングレットタイプのシュラウド53を使用しても、ガスパス55の漏れ流れ67を防止するものである。
【0006】
特許文献2のシュラウドセグメントは、航空機エンジンの部品点数の増加を抑えて、航空機エンジンの構成の簡略化及び航空機エンジンの軽量化を図ることを目的とする。
図6に示すように、バックプレート70の裏面に、タービンブレード71のチップフィン72,73との接触を許容するハニカムセル74,75が一体的に設けられ、バックプレート70の後端部に、ハニカムセル74,75とチップフィン72,73との間からリークした燃焼ガスのジェットJが衝突可能なジェットシールド76が一体に形成されたものである。
【0007】
【特許文献1】特開2002−371802号公報、「ガスタービンにおけるシュラウド一体型動翼と分割環」
【特許文献2】特開2005−30316号公報、「シュラウドセグメント」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図3は、従来構造における静翼ハブ側での流れ場を示している。この図において、(A)(B)は両持ち支持静翼、(C)(D)はハブクリアランス付き静翼、(E)はスピンドル付き静翼の場合である。
【0009】
図3(A)は、両持ち支持静翼の側面図である。この図において、両持ち支持静翼1Aは、半径方向外端(チップ側)がケーシング等の静止体内面に固定され、半径方向内端(ハブ側)はハブシュラウド2Aに固定されている。また、ハブシュラウド2Aと内側回転体3の間には、ラビリンス4が設けられ、その間をシールしている。
【0010】
図3(B)は、両持ち支持静翼の翼列を示す平面図である。この場合、静翼1Aのチップ側およびハブ側には、クリアランスフローが発生しないため、各静翼1Aの負圧面コーナー部に低エネルギー流体5が蓄積する。ここで低エネルギー流体とは、速度が遅く、渦や剥離が発生している流体を意味する。かかる低エネルギー流体5の存在により、静翼負圧面における流れが乱れ、静翼性能が低下する。
【0011】
図3(C)は、ハブクリアランス付き静翼の側面図である。この図において、ハブクリアランス付き静翼1Bは、半径方向外端(チップ側)がケーシング等の静止体内面に固定され、半径方向内端(ハブ側)は、内側回転体3から隙間を隔てて位置する。すなわちハブクリアランス付き静翼1Bでは、回転体3との間にハブ側隙間(ハブクリアランス6A)が存在する。
【0012】
図3(D)は、ハブクリアランス付き静翼の翼列を示す平面図である。この場合、静翼1Bのハブ側に、ハブクリアランス6Aを流れるクリアランスフロー7が発生する。このクリアランスフロー7は、静翼1Bの圧力面から負圧面に流れるため、図3(B)のように負圧面コーナー部に蓄積した低エネルギー流体5はクリアランスフロー7によって、隣接する翼の圧力面側に移動する。その結果、低エネルギー流体5が各静翼1Bの圧力面側に蓄積する。この低エネルギー流体5の存在により、静翼圧力面における流れが乱れ、静翼性能が低下する。
【0013】
図3(E)は、スピンドル付き静翼の側面図である。この図において、スピンドル付き静翼1Cは、半径方向外端(チップ側)がケーシング等の静止体内面に固定され、半径方向内端(ハブ側)は、スピンドル機構15を介して静止部に固定されている。このスピンドル付き静翼1Cでは、静止部との間にハブ側隙間(ハブクリアランス6B)が存在するが、対向面が静止しているため、クリアランスフローはほとんど発生しない。
このため、スピンドル付き静翼の翼列を示す平面図は図3(B)と同様となり、各静翼の負圧面コーナー部に低エネルギー流体5が蓄積する。かかる低エネルギー流体5の存在により、静翼負圧面における流れが乱れ、静翼性能が低下する。
【0014】
上述した問題は、圧縮機動翼でも発生する。
図4は、従来構造における動翼チップ側での流れ場を示している。この図において、(A)(B)はシュラウド付き動翼、(C)(D)はクリアランス付き動翼の場合である。
図4(A)は、シュラウド付き動翼の側面図である。この図において、シュラウド付き動翼8Aは、半径方向内端(ハブ側)が内側の回転体3に固定され、半径方向外端(チップ側)はチップシュラウド2Bに固定されている。また、チップシュラウド2Bと外側静止体の間には、ラビリンス4が設けられ、その間をシールしている。
【0015】
図4(B)は、シュラウド付き動翼の翼列を示す平面図である。この場合、動翼8Aのチップ側およびハブ側には、クリアランスフローが発生しないため、各動翼8Aの負圧面コーナー部に低エネルギー流体5が蓄積する。かかる低エネルギー流体の存在により、動翼負圧面における流れが乱れ、動翼性能が低下する。
【0016】
図4(C)は、クリアランス付き動翼の側面図である。この図において、クリアランス付き動翼8Bは、半径方向内端(ハブ側)が内側の回転体3に固定され、半径方向外端(チップ側)は、外側の静止体から隙間を隔てて位置する。すなわちクリアランス付き動翼8Bでは、外側の静止体との間にチップ側隙間(チップクリアランス6B)が存在する。
【0017】
図4(D)は、クリアランス付き動翼の翼列を示す平面図である。この場合、動翼8Bのチップ側に、チップクリアランス6Bを流れるクリアランスフロー7が発生する。このクリアランスフロー7は、動翼8Bの圧力面から負圧面に流れるため、図4(B)のように負圧面コーナー部に蓄積した低エネルギー流体5はクリアランスフロー7によって、隣接する翼の圧力面側に移動する。その結果、低エネルギー流体5が各動翼8Bの圧力面側に蓄積する。この低エネルギー流体5の存在により、動翼圧力面における流れが乱れ、動翼8B性能が低下する。
【0018】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、翼列間に発生する低エネルギー流体の影響を低減し、翼列性能の低下を防止することができる圧縮機静翼と圧縮機動翼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、半径方向外端が固定され半径方向内端が回転体外面に近接して位置する圧縮機静翼であって、
半径方向内端の上流側と回転体外面との間を気密にシールするシール機構を有し、該シール機構の下流側残部は回転体外面との間にハブクリアランスを有する、ことを特徴とする圧縮機静翼が提供される。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記シール機構は、回転体外面を一定の間隔を隔てて囲む中空円筒形のハブシュラウドと、該ハブシュラウドと回転体外面の間を気密にシールするシール部材とからなる。
【0021】
また別の好ましい実施形態によれば、前記シール機構は、可変翼用のスピンドル機構である。
【0022】
前記ハブクリアランスに位置する回転体外面は、翼の圧力面側から負圧面側に回転する。
【0023】
また本発明によれば、半径方向内端が回転体外面に固定され半径方向外端が静止体内面に近接して位置する圧縮機動翼であって、
半径方向外端の上流側と静止体内面との間を気密にシールするシール機構を有し、該シール機構の下流側残部は静止体内面との間にチップクリアランスを有する、ことを特徴とする圧縮機動翼が提供される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記シール機構は、静止体内面に設けられた中空円筒形の凹溝であるシュラウドキャビティと、該シュラウドキャビティ内に静止体内面から一定の間隔を隔てて位置する中空円筒形のチップシュラウドからなる。
【0025】
また、前記チップシュラウドとシュラウドキャビティとの間にシール部材を有する。
【発明の効果】
【0026】
上記本発明の圧縮機静翼によれば、半径方向内端(ハブ側)の上流側と回転体外面との間はシール機構により気密にシールされているので、クリアランスフローは発生しないが、シール機構の下流側残部は回転体外面との間にハブクリアランスを有するので、クリアランスフローが発生する。
この後縁(テイルエンド:T/E)近傍でのクリアランスフローにより、負圧面のコーナー部に蓄積する低エネルギー流体を周方向に吹き飛ばし、この領域での剥離を抑制することができる。
【0027】
従って、(1)ハブ側に蓄積する低エネルギー流体を低減でき高効率化が期待でき、(2)T/E下流にスリットを有する形態に比べて、上流との静圧差が小さいため、漏れ流れに起因するロスが低減できる。
【0028】
また、上記本発明の圧縮機動翼によれば、半径方向外端の上流側と静止体内面との間は、シール機構により気密にシールされているので、クリアランスフローは発生しないが、シール機構の下流側残部は静止体内面との間にチップクリアランスを有するので、クリアランスフローが発生する。
この後縁(テイルエッジ:T/E)近傍でのクリアランスフローにより、負圧面のコーナー部に蓄積する低エネルギー流体を周方向に吹き飛ばし、この領域での剥離を抑制することができる。
【0029】
従って、(1)前縁(リーディングエッジ:L/E)近傍より流入するクリアランスフロー及びコーナー部での剥離を抑制するため、チップ側への低エネルギー流体の蓄積を低減し、高効率化が期待でき、(2)シュラウドキャビティ内にチップ側の低エネルギー流体が抽気されるため、サージマージンの拡大が期待できる。
【0030】
なお、上述した本発明の効果は、CFD(computer fluid dynamics)解析により確認されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0032】
図1は本発明の圧縮機静翼の構成図であり、(A)は第1実施形態、(B)は第2実施形態、(C)は共通する作用効果を示している。
【0033】
図1(A)(B)において、本発明の圧縮機静翼10は、半径方向外端が固定され、半径方向内端が回転体3の外面に近接して位置する圧縮機静翼である。
【0034】
本発明の圧縮機静翼10は、半径方向内端の上流側と回転体3の外面との間を気密にシールするシール機構12を有し、シール機構12の下流側残部は回転体3の外面との間にハブクリアランス14を有する。
【0035】
シール機構12でシールされる上流側の範囲は、前縁(リーディングエッジ:L/E)から最大翼厚部までであり、ハブクリアランス14は最大翼厚部から後縁(テイルエッジ:T/E)までであるのが好ましい。
また、ハブクリアランス14の回転体外面からの隙間は、一定であるのがよい。
しかし、本発明はこの構成に限定されず、CFD解析により効果が確認できる範囲で、ハブクリアランス14を後縁近傍のみにしてもよく、隙間を変化させてもよい。
【0036】
図1(A)において、シール機構12は、この例では、回転体3の外面を一定の間隔を隔てて囲む中空円筒形のハブシュラウド13aと、ハブシュラウド13aと回転体3の外面の間を気密にシールするシール部材13b(例えばラビリンスシール)とからなる。
【0037】
図1(B)において、シール機構12は、この例では、可変翼用のスピンドル機構15である。スピンドル機構15は、周知の構造のものを用いることができる。
【0038】
図1(C)において、一点鎖線11は、シール機構12とハブクリアランス14の境界を示している。この図において、一点鎖線11の左側領域11aはハブ壁面静止部であり、右側領域11bはハブ壁面回転部である。
ハブ壁面回転部11bでは、ハブクリアランス14に位置する回転体3の外面は、翼の圧力面側から負圧面側に(この図で下から上に)回転する。
【0039】
図1(C)に模式的に示すように、上述した本発明の圧縮機静翼10によれば、半径方向内端の上流側と回転体外面との間はシール機構12により気密にシールされているので、クリアランスフローは発生しないが、シール機構12の下流側残部は回転体3の外面との間にハブクリアランス14を有するので、後縁近傍でクリアランスフロー17が発生する。
この後縁(テイルエンド:T/E)近傍でのクリアランスフロー17により、負圧面のコーナー部に蓄積する低エネルギー流体5を周方向に吹き飛ばし、この領域での剥離を抑制することができる。
【0040】
従って、(1)ハブ側に蓄積する低エネルギー流体を低減でき高効率化が期待でき、(2)T/E下流にスリットを有する形態に比べて、上流との静圧差が小さいため、漏れ流れに起因するロスが低減できる。
【0041】
図2は、本発明の圧縮機動翼の構成図であり、(A)は第1実施形態、(B)は第2実施形態、(C)は共通する作用効果を示している。
【0042】
図2(A)(B)において、本発明の圧縮機動翼20は、半径方向内端が回転体3の外面に固定され、半径方向外端が静止体内面に近接して位置する圧縮機動翼である。
本発明の圧縮機動翼20は、半径方向外端の上流側と静止体内面との間を気密にシールするシール機構22を有し、シール機構22の下流側残部は静止体内面との間にチップクリアランス24を有する。
【0043】
シール機構22でシールされる上流側の範囲は、前縁(リーディングエッジ:L/E)から最大翼厚部までであり、チップクリアランス24は最大翼厚部から後縁(テイルエッジ:T/E)までであるのが好ましい。
また、チップクリアランス24の静止体内面からの隙間は、一定であるのがよい。
しかし、本発明はこの構成に限定されず、CFD解析により効果が確認できる範囲で、チップクリアランス24を後縁近傍のみにしてもよく、隙間を変化させてもよい。
【0044】
図2(A)(B)において、シール機構22は、静止体9の内面に設けられた中空円筒形の凹溝であるシュラウドキャビティ9aと、シュラウドキャビティ9a内に静止体内面から一定の間隔を隔てて位置する中空円筒形のチップシュラウド23とからなる。
【0045】
図2(A)において、チップシュラウド23とシュラウドキャビティ9aとの間にシール部材23b(例えばラビリンスシール)を有する。
【0046】
図2(C)において、一点鎖線21は、シール機構22とチップクリアランス24の境界を示している。この図において、一点鎖線21の左側領域21aはクリアランスフローのない上流側であり、右側領域21bはクリアランスフローのある下流側である。圧縮機動翼20は、翼の負圧面側から圧力面側に回転する。
【0047】
上述した本発明の圧縮機動翼20によれば、半径方向外端の上流側と静止体内面との間は、シール機構22により気密にシールされているので、クリアランスフローは発生しないが、シール機構22の下流側残部は静止体内面との間にチップクリアランス24を有するので、後縁近傍でクリアランスフロー27が発生する。
この後縁(テイルエッジ:T/E)近傍でのクリアランスフロー27により、負圧面のコーナー部に蓄積する低エネルギー流体を周方向に吹き飛ばし、この領域での剥離を抑制することができる。
【0048】
従って、(1)前縁(リーディングエッジ:L/E)近傍より流入するクリアランスフロー及びコーナー部での剥離を抑制するため、チップ側への低エネルギー流体5の蓄積を低減し、高効率化が期待でき、(2)シュラウドキャビティ内にチップ側の低エネルギー流体5が抽気されるため、サージマージンの拡大が期待できる。
【0049】
なお、上述した本発明の効果は、CFD解析により確認されている。
【0050】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の圧縮機静翼の構成図である。
【図2】本発明の圧縮機動翼の構成図である。
【図3】従来構造における静翼ハブ側での流れ場を示す図である。
【図4】従来構造における動翼チップ側での流れ場を示す図である。
【図5】特許文献1のシュラウド一体型動翼の模式図である。
【図6】特許文献2の「シュラウドセグメント」の模式図である。
【符号の説明】
【0052】
1A 両持ち支持静翼、1B ハブクリアランス付き静翼、
1C スピンドル付き静翼、
2A ハブシュラウド、2B チップシュラウド、
3 回転体、4 ラビリンス、5 低エネルギー流体、
6A ハブクリアランス、6B チップクリアランス、
7 クリアランスフロー、8A シュラウド付き動翼、
8B クリアランス付き動翼、9 静止体、9a シュラウドキャビティ、
10 圧縮機静翼、11 境界、11a ハブ壁面静止部、
11b ハブ壁面回転部、12 シール機構、
13a ハブシュラウド、13b シール部材、
14 ハブクリアランス、15 スピンドル機構、
17 クリアランスフロー、
20 圧縮機動翼、21 境界、21a 上流側、21b 下流側、
22 シール機構、23 チップシュラウド、
24 チップクリアランス、27 クリアランスフロー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向外端が固定され半径方向内端が回転体外面に近接して位置する圧縮機静翼であって、
半径方向内端の上流側と回転体外面との間を気密にシールするシール機構を有し、該シール機構の下流側残部は回転体外面との間にハブクリアランスを有する、ことを特徴とする圧縮機静翼。
【請求項2】
前記シール機構は、回転体外面を一定の間隔を隔てて囲む中空円筒形のハブシュラウドと、該ハブシュラウドと回転体外面の間を気密にシールするシール部材とからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機静翼。
【請求項3】
前記シール機構は、可変翼用のスピンドル機構である、ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機静翼。
【請求項4】
前記ハブクリアランスに位置する回転体外面は、翼の圧力面側から負圧面側に回転する、ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機静翼。
【請求項5】
半径方向内端が回転体外面に固定され半径方向外端が静止体内面に近接して位置する圧縮機動翼であって、
半径方向外端の上流側と静止体内面との間を気密にシールするシール機構を有し、該シール機構の下流側残部は静止体内面との間にチップクリアランスを有する、ことを特徴とする圧縮機動翼。
【請求項6】
前記シール機構は、静止体内面に設けられた中空円筒形の凹溝であるシュラウドキャビティと、該シュラウドキャビティ内に静止体内面から一定の間隔を隔てて位置する中空円筒形のチップシュラウドからなる、ことを特徴とする請求項5に記載の圧縮機動翼。
【請求項7】
前記チップシュラウドとシュラウドキャビティとの間にシール部材を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の圧縮機動翼。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−115839(P2008−115839A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302551(P2006−302551)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】