説明

圧雪車と相対的な制御方法

圧雪車(1)は、第1及び第2のトラック(3、4)と、内燃機関(13)と、複数の動作装置(7)と、ユーザ・インターフェース(8)と、パワートランスミッション(16)と、前記複数の動作装置(7)の総パワー需要量(Pw)を決定するための第1の計算装置(32)と、前記内燃機関(13)の特性グラフで、総パワー需要量(P)と前記内燃機関の燃料消費量との関数として、動作点(P)を決定するための第2のコンピュータブロック(33)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキー場用の圧雪車と相対的な制御方法とに関わる。
【0002】
より詳しくは、本発明は、第1及び第2のトラックと、内燃機関と、パワートランスミッションと、このパワートランスミッションによって前記内燃機関に接続されている複数の動作装置と、ユーザ・インターフェースと、前記複数の動作装置の総パワー需要量を決定するための第1のコンピュータブロックを備えた制御ユニットとを有する圧雪車に関わる。
【背景技術】
【0003】
上述の形式の圧雪車は、特許文献1によって知られている。
前記内燃機関と前記動作装置との間のパワートランスミッションは、特許文献2、特許文献3、特許文献4に開示されているように、主として電動、もしくは全て電動であり得る。
【0004】
圧雪車は、一般に、操作者が操縦装置によって車両の方向を制御し、加速装置によって車両の速度と従動ホイールへのパワーとを制御するように、駆動される。
【0005】
従来技術の一欠点は、内燃機関が、有効性の向上に反して、前記動作装置の総パワー需要量を満たすように、単独で制御されることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP0895495B1
【特許文献2】WO94/09548
【特許文献3】US5363937
【特許文献4】WO92/08287
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の欠点を除くように構成された圧雪車を提供することである。
更なる目的は、エネルギー消費に関して非常に有効な圧雪車を提供することである。
【0008】
本発明に従えば、第1及び第2のトラックと、内燃機関と、パワートランスミッションと、このパワートランスミッションによって前記内燃機関に接続されている複数の動作装置と、ユーザ・インターフェースと、前記動作装置の総パワー需要量を決定するための第1のコンピュータブロックを備えた制御ユニットと、を有する圧雪車において、前記制御ユニットは、前記内燃機関の特性グラフで、総パワー需要量と前記内燃機関の燃料消費量との関数として、動作点を決定するための第2のコンピュータブロックを有することを特徴とする。
【0009】
前記動作点を決定するための前記第2のコンピュータブロックは、圧雪車の最良の燃料消費量を得る。
【0010】
本発明の更なる目的は、最良の消費量を得るように圧雪車を制御する方法を提示することである。
【0011】
本発明に従えば、第1及び第2のトラックと、内燃機関と、パワートランスミッションと、このパワートランスミッションによって前記内燃機関に接続されている複数の動作装置と、ユーザ・インターフェースとを有する圧雪車を制御する方法であって、この方法は、前記動作装置の総パワー需要量を決定する工程を含み、また、この方法は、前記内燃機関の特性グラフで、総パワー需要量と前記内燃機関の燃料消費量との関数として、動作点を決定する工程を含むことを特徴とする方法が、提示される。
【0012】
本発明の非制限的な実施形態が、添付の図を参照して、例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、明瞭にするために一部分が除去されている、本発明に係る圧雪車の側面図である。
【図2】図2は、明瞭にするために一部分が除去されている、図1の上面図である。
【図3】図3は、図1の圧雪車のブロック・ダイヤグラムである。
【図4】図4は、図1の圧雪車の内燃機関のパワー出力と速度とに関する、燃料消費量の特性グラフを示す図である。
【図5】図5は、図1の圧雪車の他の実施形態のブロック・ダイヤグラムである。
【図6】図6は、図1の圧雪車の更なる他の実施形態のブロック・ダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1で参照符号1は、スキー場用の圧雪車の全体を示しており、この圧雪車1は、フレーム2と、第1のトラック3(図2)と、第2のトラック4と、互いに独立しており前記第1のトラック3(図2)と前記第2のトラック4とにそれぞれに接続されている第1の駆動ホイール5(図2)と第2の駆動ホイール6と、複数の動作装置7と、ユーザ・インターフェース8と、運転台9とを有している。
【0015】
図2を参照すると、図示されている例では、動作装置7(図1)は、第1の駆動ホイール5と、第2の駆動ホイール6と、ティラー10と、シャベル11と、ウインチ12(図1)とを有している。
【0016】
図2を参照すると、圧雪車1は、内燃機関13を有しており、この内燃機関13は、駆動シャフト14と、電気中央制御ユニット15(図3)と、前記駆動シャフト14に機能的に接続されており且つ前記内燃機関13を前記動作装置7(図1)に接続するためのパワートランスミッション16と、前記複数の動作装置7の総パワー需要量Pを決定し且つ前記内燃機関13及びパワートランスミッション16を制御するための制御ユニット17とを有している。
【0017】
前記内燃機関13は、図4の内燃機関13の特性グラフに示されているように、内燃機関13の速度Nの関数としてのパワー出力Pを有するディーゼルエンジンである。図4を参照すると、前記特性グラフは、x軸に沿った速度Nと、y軸に沿ったパワー出力Pと、各速度Nに対する最大パワー出力Pを示している曲線Aと、少なくとも一部の範囲で、同じ速度Nに対して、パワーを蓄えるように前記曲線Aの最大パワー出力Pより低いパワー出力Pを有する動作曲線Bと、前記曲線Aの下側の領域のマップ(map)と複数の線Dに沿って示されている平均消費量によって特徴付けられる複数の動作領域とを規定している複数の線Dと、を示している。前記パワーの蓄えは、内燃機関13の所定の速度Nでの、最大パワー出力Pとパワー出力Pとの間の差として規定されている。このパワーの蓄えは、負荷が突然に増加した時に所定量のパワーが使用可能であること、従って、突然に変化するコマンドと負荷とに対する圧雪車の迅速な対応を、保証する。
【0018】
図2及び図4を参照すると、制御ユニット17は、内燃機関13の特性グラフで、動作装置7の総パワー需要量Pと内燃機関13の前記消費量との関数として、動作点Pを決定する。即ち、動作点Pは、動作曲線Bに沿って選択される。この動作曲線Bは、消費量を最適化し且つパワーを蓄えるように、内燃機関13の各々のパワー出力Pに対して、内燃機関13の消費量と最大パワー出力Pとに基づいて、内燃機関13の各々の速度Nを規定している。動作曲線Bは、顧客の特定の要求に合わせられ得、特に、燃料消費量を最適化するか、前記パワーの蓄えを増加させるか、パワーの蓄えと最良の燃料消費量とのバランスを取る。
【0019】
従って、ユーザ・インターフェース8は、種々の動作モードを選択するための選択装置を有している。種々の動作モードは、エネルギーの節約、即ち最良の消費量を、もしくはパワーの蓄えをもたらすように、もしくはパワーの蓄えと燃料の消費量とのバランスを取るように動作する。また、種々の動作モードは、これら動作モードに従って決定されるそれぞれ異なる動作曲線Bに関連する。
【0020】
パワートランスミッション16は、主として液圧式であり、機械的なパワートランスミッション18と、5つのポンプ19、20、21、22、23と、液圧ライン24、好ましくはホースと、5つの液圧式アクチュエータ25、26、27、28、29とを、有している。
【0021】
前記機械的なパワートランスミッション18は、前記駆動シャフト14に接続されており、この駆動シャフト14から受けるパワーを伝達するように、ポンプ19、21を含む第1のグループのポンプと、ポンプ20、22、23を含む第2のグループのポンプとにそれぞれ接続されている2つの出力シャフト30、31を有している。
【0022】
前記ポンプ19、20、21、22、23は、それぞれの液圧式アクチュエータ25、27、26、28、29に、液圧ライン24によって接続されている。
【0023】
前記全てのポンプ19、20、21、22、23、もしくはこれらポンプ19、20、21、22、23の選択されたグループは、好ましくは、可変容量形である。
【0024】
図3を参照すると、制御ユニット17は、コンピュータブロック32と、メモリー34を備えたコンピュータブロック33とを有している。これらコンピュータブロック32、33は、互いに接続されており、また、内燃機関13と、ポンプ19、20、21、22、23と、液圧式アクチュエータ25、26、27、28、29と、第1の駆動ホイール5と、第2の駆動ホイール6と、ティラー10と、シャベル11と、ウインチ12とに接続されている。
【0025】
コンピュータブロック32は、ユーザ・インターフェース8からコマンドを受ける。このコンピュータブロック32は、液圧式アクチュエータ25、26、27、28、29により引かれるパワーと、第1の駆動ホイール5の第1の速度と、第2の駆動ホイールの第2の速度とを決定して、前記ユーザ・インターフェース8からのコマンドを実行するように、総パワー需要量Pを決定するように構成されている。前記コンピュータブロック33は、前記動作装置7の総パワー需要量Pに基づいて、動作曲線Bに沿って、内燃機関13の動作点Pを決定する。この動作点Pは、前記内燃機関13の動作速度Nを規定し、前記コンピュータブロック33は、この動作点Pから動作速度Nを決定し、また、前記総パワー需要量Pと動作速度Nとに基づいて、動作トルクCを決定する。
【0026】
前記コンピュータブロック33は、前記内燃機関13の電気中央制御ユニット15に動作速度Nを伝達する。同時に、前記コンピュータブロック33は、速度比を調整して、既定の動作トルクCと同じ抵抗トルクCを前記内燃機関13に与えるように、前記ポンプ19、20、21、22、23及び/もしくは液圧式アクチュエータ25、26、27、28、29にコマンドを送る。言い換えると、制御ユニット17と、機械的なパワートランスミッション18と、液圧式ポンプ19、20、21、22、23と、液圧式アクチュエータ25、26、27、28、29とは、抵抗トルクCを調整するための調整手段を規定している。
【0027】
前記コンピュータブロック33のメモリー34には、前記複数の動作装置7のための優先順位が複数入っている。前記動作装置7の総パワー需要量Pが前記内燃機関13の最大パワー出力Pを超えると、コンピュータブロック33は、各動作装置の優先順位に基づいて、総パワー需要量Pが前記内燃機関13の最大パワー出力Pと同じになるように、前記複数の動作装置のうちのいずれに、即ち、第1の駆動ホイール5、第2の駆動ホイール6、ティラー10、シャベル11、ウインチ12のうちのいずれにパワーを与えるかを、決定する。かくして、それぞれの前記優先順位に応じて、前記第1の駆動ホイール5、もしくは第2の駆動ホイール6、もしくはティラー10、もしくはシャベル11、もしくはウインチ12の動作が、果たされる。
【0028】
前記優先順位を適切に設定することは、システムの全体の安全性を高める。
【0029】
例えば、第1の駆動ホイール5と第2の駆動ホイール6とが高い優先順位に指定され、ウインチ12が中間の優先順位に指定され、ティラー10とシャベル11とが低い優先順位に指定され、各動作装置7のパワー需要量と、総パワー需要量Pとが、最大パワー出力Pを超えると、制御ユニット17は、最初に、第1の駆動ホイール5と第2の駆動ホイール6とにパワーを与えて、パワー出力Pが残っていたら、次にウインチ12にパワーを与えて、更にパワー出力Pが使用可能であれば、最後にシャベル11とティラー10とにパワーを与えるだろう。上記は、単なる例であり、構成と優先順位とが、ランダムに選択されている。
【0030】
上述したように、前記優先順位は、プログラムによって制御可能である。従って、ユーザ・インターフェース8は、外部のプログラミング装置との接続のための、コミュニケーションポートを成している。外部のプログラミング装置は、第1の駆動ホイール5と第2の駆動ホイール6とティラー10とシャベル11とウインチ12との優先順位を割り当て、メモリー34中に保存するための、制御ユニット17を構成している。
【0031】
図2を参照すると、ユーザ・インターフェース8は、圧雪車1の走行速度を選択するための第1の制御装置46、例えば加速ペダルと、圧雪車1の回転角度を選択するための第2の制御装置47、例えば操縦装置とを、有している。
【0032】
上述のように動作させることによって、制御装置17は、ユーザ・インターフェース8からの情報(第1及び第2の制御装置46、47の動作形態)に基づいて、第1の駆動ホイール5の第1の所望の速度と、第2の駆動ホイール6の第2の所望の速度とを、算出する。かくして、圧雪車1は、第1の制御装置46によって選択された速度で、且つ第2の制御装置47によって選択される回転角度で、走行する。
【0033】
メモリー34には、種々の動作モードに関連した動作曲線Bが入っている。実際の使用では、ユーザ・インターフェース8は、複数の動作曲線Bから1つを選択するように選択コマンドを出すように設定されており、前記コンピュータブロック33は、この選択コマンドを受け、選択された動作曲線Bに基づいて動作速度Nを決定するように、設定されている。前記種々の動作モードに関連した動作曲線Bは、燃料消費量を最適化する動作曲線B、もしくはパワーの蓄えを最大限にする動作曲線B、もしくは、種々の方法でパワーの蓄えと燃料消費量とのバランスを取る複数の中間の曲線Bを、含む。
【0034】
図5の他の実施例では、パワートランスミッション16は、主として電動であり、上述の圧雪車1のポンプ19、20、21、22、23は、発電機35、36、37、38、39に代えられており、液圧式アクチュエータ25、26、27、28、29は、電気アクチュエータ40、41、42、43、44に代えられており、液圧ライン24は、電気ケーブル45に代えられている。
【0035】
第1の駆動ホイール5と第2の駆動ホイール6とは、それぞれの電気アクチュエータ42、40に電気的に接続されている。これら電気アクチュエータは、それぞれの発電機36、35に電気ケーブル45によって接続されている電気モータである。発電機35、36、37、38、39は、内燃機関13に、機械的なパワートランスミッション18によって機械的に接続されている。
【0036】
コンピュータブロック33は、前記内燃機関13の電気中央制御ユニット15に動作速度Nを伝達する。同時に、このコンピュータブロック33は、速度比を調整して、既定の動作トルクCと同じ抵抗トルクCを前記内燃機関13に与えるように、前記機械的なパワートランスミッション18と、発電機35、36、37、38、39及び/もしくは電気アクチュエータ40、41、42、43、44とにコマンドする。言い換えると、制御ユニット17と、機械的なパワートランスミッション18と、発電機35、36、37、38、39と、電気アクチュエータ40、41、42、43、44とは、抵抗トルクCを調整するための調整手段を規定している。
【0037】
図6の好ましい実施例では、パワートランスミッション16は、機械的なパワートランスミッション18とシャフト30とによって内燃機関13に機械的に接続されている単一の発電機35を有している。この発電機35は、多相の、特に3相の、発電機であり、例えば、永久磁石を備えたロータを有する同期の3相の発電機、もしくは、非同期の3相の発電機である。パワートランスミッション16は、発電機35に電気的に接続されており、パワースイッチ、例えばパワーMOSFETs、もしくはIGBTsを有する駆動装置50、例えばインバータを、有している。この駆動装置50は、前記パワースイッチを調節することによって発電機35を制御して、発電機35からの多相の出力電圧を直流電圧に変換するように、構成されている。また、この駆動装置50は、トルクCを示す信号を受けるように、制御ユニット17に、特にコンピュータブロック33に、接続されている。また、この駆動装置50は、トルクCを示すコンピュータブロック33からの信号に基づいて、前記発電機35が前記コンピュータブロック33からの信号によって示される動作トルクCと同じ抵抗トルクCを内燃機関13に与えるように、前記パワースイッチを駆動する。前記駆動装置50は、スカラー制御、ベクトル制御、もしくは直流トルク制御のようないかなるトルク制御モードでも、動作し得る。
【0038】
駆動装置50は、直流電圧を供給するように、電気ケーブル45に接続されている。
【0039】
パワートランスミッション16は、それぞれの電気アクチュエータ40、41、42、43、44に接続されており、且つこれらアクチュエータにパワーを供給して制御するための駆動装置51、52、53、54、55を有している。特に、前記電気アクチュエータ40、41、42、43、44は、多相の、特に3相の、電気モータであり、永久磁石を備えた同期の3相の電気モータ、もしくは、非同期の3相のモータである。各電気アクチュエータ40、41、42、43の前記駆動装置51、52、53、54のそれぞれは、例えば、パワースイッチ、例えばパワーIGBTsもしくはMOSFETsを有するインバータである。前記駆動装置51、52、53、54のそれぞれは、前記各電気アクチュエータ40、41、42、43への電圧、及び/もしくは電流、及び/もしくは周波数を調節することによって、電気アクチュエータ40、41、42、43をそれぞれ制御するように、構成されている。また、前記駆動装置51、52、53、54のそれぞれは、電気アクチュエータ40、41、42、43のそれぞれの所望のトルクを示す信号を受けるように、コンピュータブロック33に接続されている。また、前記駆動装置51、52、53、54のそれぞれは、コンピュータブロック33から受ける所望のトルクを示す信号に基づいて、それぞれのアクチュエータ40、41、42、43が所望のトルクと同じトルクをそれぞれの動作装置7に与えるように、それぞれの前記パワースイッチを駆動する。前記駆動装置51、52、53、54は、スカラー制御、ベクトル制御、もしくは直流トルク制御のようないかなるトルク制御モードでも、動作し得る。
【0040】
アクチュエータ40、41、42、43は、発電機としての使用のためにも、構成されており、所望のトルクを示す前記信号は、前記アクチュエータ40、41、42、43がモータとして使用されるか、もしくは発電機として使用されるかによって、所望のトルクの正、もしくは負の値を示し得る。アクチュエータが発電機として使用される場合、前記アクチュエータ40、41、42、43は、駆動装置51、52、53、54によって、ケーブル45にパワーを供給する。
【0041】
また、圧雪車1は、電気抵抗器57を有しており、パワートランスミッション16は、この電気抵抗器57を電気ケーブル45に接続するように、駆動装置58を有している。この駆動装置58は、ブレーキ信号を受けるようにコンピュータブロック33に接続されている。また、この駆動装置58は、受けたブレーキ信号に応じて、電気抵抗器57を前記電気ケーブル45に完全に、もしくは部分的に接続するように構成されており、少なくとも1つのアクチュエータ40、41、42、43が発電機として使用される場合、電気ケーブル45に供給されたパワーを、分散させる。
【0042】
駆動装置50、51、52、53、54,55は、液体冷却式であるので、各々が、冷却用液体の流れを可能にするように構成されているコンパートメント(図示されていない)を有している。このコンパートメントは、熱伝導性の壁(図示されていない)を有しており、この壁には、それぞれの駆動装置50、51、52、53、54、55の最も加熱しやすい部分、例えばパワースイッチが、配置されている。また、駆動装置50、51、52、53、54の各々は、冷たい冷却用液体の流れ用の前記コンパートメントへの入口と、熱い冷却用液体の流れ用の前記コンパートメントからの出口とを有している。
【0043】
抵抗器57は、冷却用液体の流れがこの抵抗器57を冷却することを可能にするように構成されているコンパートメントを有している。従って、抵抗器57は、冷たい冷却用液体の流れ用の前記コンパートメントへの入口と、熱い冷却用液体の流れ用の前記コンパートメントからの出口とを有している。
【0044】
圧雪車1は、ラジエータ60と、このラジエータ60を駆動装置50、51、52、53、54、55と抵抗器57とに接続するための液圧回路61とを有している。液圧回路61は、搬送ブランチ61aを有しており、これに沿って、冷たい冷却用液体が、ラジエータ60から前記冷却用コンパートメント中に流入する。また、前記液圧回路61は、返送ブランチ61bを有しており、これに沿って、前記コンパートメントによって熱せられた熱い冷却用液体が、コンパートメントから流れ出る。
【0045】
本発明の好ましい非制限的な実施形態では、発電機35と電気アクチュエータ40、41、42、43、44とは、液体冷却式であるので、発電機35と電気アクチュエータ40、41、42、43、44とは、冷却用液体の流れを可能にするように設定されているコンパートメント(図示されていない)を各々有している。このようなコンパートメントは、それぞれの発電機35もしくは電気アクチュエータ40、41、42、43、44を中心として、少なくとも部分的に設けられている。前記発電機35と電気アクチュエータ40、41、42、43、44とは、冷たい冷却用液体の流れ用の前記コンパートメントへの入口と、熱い冷却用液体の流れ用の前記コンパートメントからの出口とを有している。
【0046】
液圧回路61が、ラジエータを発電機35と電気アクチュエータ40、41、42、43、44に接続するように設定されている。
【0047】
前記駆動装置58は、ラジエータ60と液圧回路61とによって、液体により冷却される。
【0048】
本発明は、上の詳細な説明に開示されていない実施形態と、従属請求項の保護の範囲内の同等の実施形態とを含むことが、明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のトラック(3、4)と、内燃機関(13)と、パワートランスミッション(16)と、このパワートランスミッション(16)によって前記内燃機関(13)に接続されている複数の動作装置(7)と、ユーザ・インターフェース(8)と、前記複数の動作装置(7)の総パワー需要量(P)を決定するための第1のコンピュータブロック(32)を備えた制御ユニット(17)と、を具備する圧雪車において、
前記制御ユニット(17)は、前記内燃機関(13)の特性グラフで、総パワー需要量(P)と前記内燃機関の燃料消費量との関数として、動作点(P)を決定するための第2のコンピュータブロック(33)を有することを特徴とする、圧雪車(1)。
【請求項2】
前記第2のコンピュータブロック(33)は、前記内燃機関(13)の特性グラフで、パワーの蓄えの関数として、前記動作点(P)を決定する、請求項1に記載の圧雪車(1)。
【請求項3】
前記動作点(P)は、前記内燃機関(13)の、総パワー需要量(P)と同じパワー出力(P)によって規定され、前記内燃機関(13)の動作速度(N)を規定する、請求項1又は2に記載の圧雪車(1)。
【請求項4】
前記第2のコンピュータブロック(33)は、前記内燃機関(13)の燃料消費量と最大パワー出力(P)とに基づいて規定された少なくとも1つの動作曲線(B)を有しており、前記動作点(P)は、前記動作曲線(B)に沿って位置されている、請求項1乃至3のいずれか1に記載の圧雪車(1)。
【請求項5】
前記動作曲線(B)は、燃料の消費量を最適化するか、パワーの蓄えを増やすか、前記パワーの蓄えと最良の燃料消費量とのバランスを取るように、調整され得る、請求項4に記載の圧雪車(1)。
【請求項6】
前記ユーザ・インターフェース(8)は、前記動作曲線(B)を調整するための選択装置を有しており、前記第2のコンピュータブロック(33)は、複数の異なる動作曲線(B)を保存するためのメモリー(34)を有しており、前記第2のコンピュータブロック(33)は、前記複数の動作曲線(B)から前記動作曲線(B)を選択するように選択コマンドを受けるように、前記ユーザ・インターフェース(8)に接続されている、請求項5に記載の圧雪車(1)。
【請求項7】
前記第2のコンピュータブロック(33)は、前記動作曲線(B)の関数として、前記内燃機関(13)の前記動作速度(N)を決定するように構成されている、請求項3に従属した請求項4乃至6のいずれか1に記載の圧雪車(1)。
【請求項8】
前記第2のコンピュータブロック(33)は、前記動作点(P)の関数として、前記内燃機関(13)の動作トルク(C)を決定するように設定されている、請求項1乃至7のいずれか1に記載の圧雪車(1)。
【請求項9】
前記内燃機関(13)に前記動作トルク(C)とほぼ同じ抵抗トルク(C)を与えるように、前記パワートランスミッション(16)の速度比を調整するための調整手段(17、18、19、20、21、22、23、25、26、27、28、29)を有している、請求項8に記載の圧雪車(1)。
【請求項10】
前記パワートランスミッション(16)は、前記内燃機関(13)に機械的に接続されている少なくとも1つの発電機(35)と、前記動作装置(7)の1つに機能的に接続されており且つ前記発電機(35)に電気的に接続されている少なくとも1つの電気アクチュエータ(40)、好ましくは電気モータとを有している、請求項1乃至9のいずれか1に記載の圧雪車(1)。
【請求項11】
前記パワートランスミッション(16)は、前記内燃機関(13)に機械的に接続されている少なくとも1つの液圧式ポンプ(19)と、前記複数の動作装置(7)の1つに機能的に接続されており且つ前記液圧式ポンプ(19)に液圧式に接続されている少なくとも1つの液圧式アクチュエータ(25)を有している、請求項1乃至10のいずれか1に記載の圧雪車(1)。
【請求項12】
前記第2のコンピュータブロック(33)は、前記複数の動作装置(7)の各々のための優先順位を保存するメモリー(34)を有しており、前記第2のコンピュータブロック(33)は、割り当てられた優先順位に従って、前記複数の動作装置(7)の各々にパワーを与えるように前記パワートランスミッション(16)を調整する、請求項1乃至11のいずれか1に記載の圧雪車(1)。
【請求項13】
前記複数の動作装置(7)は、
前記第1及び第2のトラック(3、4)にそれぞれ接続されている第1及び第2の駆動ホイール(5、6)を有しており、
前記ユーザ・インターフェース(8)は、圧雪車(1)の走行速度を選択するための第1の制御装置(46)と、好ましくは、圧雪車(1)の回転角度を選択するための第2の制御装置(47)とを有しており、
前記制御装置(17)は、前記第1及び第2の制御装置(46、47)の動作構成の関数として、前記第1の駆動ホイール(5)の第1の所望の速度と、前記第2の駆動ホイール(6)の第2の所望の速度とを決定するように、前記第1及び第2の制御装置(46、47)と、前記パワートランスミッション(16)とに好ましくは接続されている、請求項1乃至12のいずれか1に記載の圧雪車(1)。
【請求項14】
前記パワートランスミッション(16)を冷却するためのラジエータ(60)と、このラジエータ(60)を前記パワートランスミッション(16)に接続するための液圧回路(61)とを具備し、前記パワートランスミッション(16)は、好ましくは主として電動である、請求項1乃至13のいずれか1に記載の圧雪車(1)。
【請求項15】
前記パワートランスミッション(16)は、前記液圧回路(61)によって前記ラジエータ(60)に接続されている少なくとも1つの液体により冷却される駆動装置(50、51、52、53、54、55、58)を有している、請求項14に記載の圧雪車(1)。
【請求項16】
前記パワートランスミッション(16)は、前記液圧回路(61)によって前記ラジエータ(60)に接続されている液体冷却式の発電機(35)及び/もしくは少なくとも1つの電気アクチュエータ(40、41、42、43)を有しており、また、圧雪車(1)は、前記ラジエータ(60)によって前記液圧回路(61)に接続されている液体冷却式の電気抵抗器(57)を有している、請求項14又は15に記載の圧雪車(1)。
【請求項17】
第1及び第2のトラック(3、4)と、内燃機関(13)と、パワートランスミッション(16)と、このパワートランスミッション(16)によって前記内燃機関(13)に接続されている複数の動作装置(7)と、ユーザ・インターフェース(8)とを具備する圧雪車を制御し、前記動作装置(7)の総パワー需要量(P)を決定する工程を含む方法において、この方法は、前記内燃機関(13)の特性グラフで、総パワー需要量と(P)前記内燃機関(13)の燃料消費量との関数として、動作点(P)を決定する工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項18】
前記特性グラフで動作曲線(B)を規定する工程と、この動作曲線(B)に沿って前記動作点(P)を選択する工程とを含み、前記特性グラフで前記動作曲線(B)を規定する工程は、燃料消費量とパワーの蓄えとの関数として、既定の複数の動作曲線(B)から前記動作曲線(B)を選択する工程を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記動作点(P)の関数として前記内燃機関(13)の動作トルク(C)を決定する工程を含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記動作トルク(C)とほぼ同じ抵抗トルク(C)を前記内燃機関(13)に与えるように、前記パワートランスミッション(16)の速度比を調整する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
各動作装置(7)に対する優先順位を割り当てる工程と、割り当てられた優先順位に従って、前記パワートランスミッション(16)によって各動作装置(7)にパワーを与える工程とを含む、請求項17乃至20のいずれか1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−520414(P2012−520414A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553473(P2011−553473)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053226
【国際公開番号】WO2010/103117
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(510314943)ロリック・インベスト・エス.エーアール.エル. (2)
【氏名又は名称原語表記】ROLIC INVEST S.AR.L.
【住所又は居所原語表記】41 Boulevard Prince Henri, L−1724 Luxembourg, LUXEMBOURG
【Fターム(参考)】