説明

圧電発振器

【課題】従来の圧電発振器では、第1のパッケージ体の外底面と第2のパッケージ体の側壁部頂面との間に隙間が空いており、この隙間からフィル樹脂やコンタミ等の不要物が入り込んでしてしまい、圧電発振器から出力される発振周波数信号に不要な変動が生じるという欠点を有していた。
【解決方法】一方端が第1のパッケージ体接続用電極端子に接続され、他方端が隣り合う他の2つの第1のパッケージ接続用電極端子に向かって延設した、第1のパッケージ体接続用延設電極端子が形成されており、更に、一方端が1つの第2のパッケージ体接続用電極端子に接続され、且つ他方端が隣り合う他の2つの前記第2のパッケージ接続用電極端子に向かって延設した、第2のパッケージ体接続用延設電極端子が形成されており、この対向して配置された各電極端子が、導電性接合材により電気的且つ機械的に接続してなる圧電発振器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用通信機器等の電子機器に用いられる電子部品の一つである圧電発振器に関し、特に圧電発振器を構成する圧電振動素子と集積回路素子とを別のパッケージ体に収納し、このパッケージ体同士を電気的且つ機械的に接続して一体構造とした圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯用通信機器等の電子機器には、その電子機器内に搭載される各種電子部品の一つである圧電発振器が、電子機器或いは電子機器に搭載される電子部品の基準信号やクロック信号等の発生源として用いられている。
【0003】
このような圧電発振器には様々な構造のものが発明考案されているが、そのうちの一例を図5に示す。即ち、かかる従来の圧電発振器としては、図5に示す如く、内部に図中には示されていないが、圧電振動素子(不図示)が内部に搭載されている第1のパッケージ体51を、第2の凹部52内に前記の圧電振動素子の振動に基づいて発振出力を制御する集積回路素子53やコンデンサ等の電子部品素子が搭載されている第2のパッケージ体54上に重ね合わせ取着させた構造の圧電発振器50が知られており、かかる圧電発振器50をマザーボード等の外部実装回路基板上に載置させた上、第2のパッケージ体54の外底面に設けられている外部接続用電極端子55を外部実装回路基板の配線に半田接合することにより実装回路基板上に実装される。
【0004】
尚、第1のパッケージ体51や第2のパッケージ体54は、通常、セラミック材料によって形成されており、その内部や表面には配線導体が形成され、従来周知のセラミックグリーンシート積層法等を採用することにより製作される。
【0005】
又、前記集積回路素子53の内部には、発振回路の他に、圧電振動素子の温度特性に応じて作成された温度補償データに基づいて圧電発振器の発振周波数を補正するための温度補償回路が設けられており、圧電発振器50を組み立てた後、温度補償回路を構成するメモリ内に、第2のパッケージ体54の外底面や外側面等に設けられた温度補償データ書込用電極端子(不図示)から上述の温度補償データを入力する。この温度補償データ書込用電極端子に、別に設けた温度補償データ書込装置のプローブ針を接触させて、上記メモリに温度補償データを入力し、その温度補償データに基づいて、外部温度等により可変する圧電振動素子からの発振周波数信号が、ほぼ一定の周波数値に補償され、圧電発振器50外に出力される。
【0006】
上述したような構造の圧電発振器については、以下のような先行技術文献に開示がある。
【特許文献1】特開2003−158441公報
【特許文献2】特開2004−64651公報
【特許文献3】特開2005−101848公報
【0007】
尚、出願人は前記した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を、本件出願時までに発見するに至らなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図5に図示し且つ上述したような、圧電振動素子を内部に搭載した第1のパッケージ体51と、集積回路素子等を搭載した第2のパッケージ体54とを、上下に重ね合わせ一体構造とした圧電発振器50では、第1のパッケージ体51の外底面の四隅に形成した第2のパッケージ体接続用電極端子(不図示)と、第2のパッケージ体54の第2の凹部52を囲繞する側壁部の凹部開口側頂面の4つの角部に形成した第1のパッケージ体接続用電極端子56とを、半田や導電性接着剤等の導電性接合材により電気的且つ機械的に接続しているため、第1のパッケージ体51の外底面と第2のパッケージ体54の側壁部頂面との間に、第1のパッケージ体接続用電極端子56、第2のパッケージ体接続用電極端子及び導電性接合材の厚さ分の隙間が空いてしまう。この隙間から、圧電発振器を外部実装回路基板に搭載後に外部実装回路基板表面に絶縁性保護のために塗布形成される硬化前のフィル樹脂やコンタミ等の不要物が入り込んでしてしまい、この不要物が圧電発振器内部に入り込むことにより、圧電発振器から出力される発振周波数信号に不要な変動が生じるという欠点を有していた。
【0009】
本発明は上記課題に鑑み出されたものであり、従ってその目的は、圧電発振器内に外部から不要物の進入による悪影響がない、発振周波数の安定した発振特性を得ることができる圧電発振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、
第2のパッケージ体を構成する第2の容器体に形成された凹形状の第2の凹部内には、少なくとも発振回路が形成内蔵されている集積回路素子が搭載されており、この第2の容器体の第2の凹部開口側上方には、圧電振動素子を第1の容器体に形成された第1の凹部内部に搭載した第1のパッケージ体が重ね合わせて配置されており、この第1のパッケージ体を構成する第1の容器体の外底面上の4つの角部に形成されている第2のパッケージ体接続用電極端子と、第2の容器体の第2の凹部を囲繞する側壁部開口側頂面上の4つの角部に形成されている第1のパッケージ体接続用電極端子が、電気的且つ機械的に接続されることにより、圧電振動素子、集積回路素子、各容器体内導配線及び各電極端子が電気的に接続してなる圧電発振器において、
第2のパッケージ体に形成されている4つの前記第1のパッケージ接続用電極端子それぞれに、
一方端が1つの第1のパッケージ体接続用電極端子に接続され、且つ他方端が隣り合う他の2つの第1のパッケージ接続用電極端子に向かって第2の容器体の側壁部開口側頂面上に延設した、隣り合う2つの第1のパッケージ体接続用電極端子に向かってそれぞれ少なくとも1本以上の第1のパッケージ体接続用延設電極端子が形成されており、
且つ、隣り合う2つの第1のパッケージ体接続用電極端子からそれぞれに向かって延設された前記第1のパッケージ体接続用延設電極端子は、少なくともその一部分が、第2の容器体の側壁部開口側頂面上で、側壁部開口側頂部の幅方向で互いに重なり合う形態で形成されており、
更に、第1のパッケージ体を構成する第1の容器体外底面上には、第1のパッケージ体接続用延設電極端子の接合面を基準面とした面対称形状で、且つ第2のパッケージ体上に第1のパッケージ体を重ね合わせた際に、第1のパッケージ体接続用延設電極端子と対向する位置に、4つの第2のパッケージ接続用電極端子のそれぞれに、一方端が1つの第2のパッケージ体接続用電極端子に接続され、且つ他方端が第1の容器体外底面の各辺に沿って隣り合う他の2つの前記第2のパッケージ接続用電極端子に向かって、第1の容器体外底面の辺縁部に延設した、第1の容器体外底面の各辺に沿って隣り合う2つの第2のパッケージ体接続用電極端子に向かって、それぞれ少なくとも1本以上の第2のパッケージ体接続用延設電極端子が形成されており、
且つ、第1の容器体外底面の各辺に沿って隣り合う2つの第2のパッケージ体接続用電極端子からそれぞれに向かって延設された第2のパッケージ体接続用延設電極端子は、少なくともその一部分が、第1の容器体の外底面の辺縁部上で、第1の容器体の外底面の面内方向で互いに重なり合う形態で形成されており、
この第1のパッケージ体接続用電極端子及び第1のパッケージ体接続用延設電極端子と、それぞれに対向する第2のパッケージ体接続用電極端子及び第2のパッケージ体接続用延設電極端子が、導電性接合材により電気的且つ機械的に接続してなることを特徴とする圧電発振器である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の圧電発振器によれば、集積回路素子が搭載された第2のパッケージ体に形成されている4つの第1のパッケージ接続用電極端子、及びそれぞれの第1のパッケージ体接続用電極端子から延設した第1のパッケージ体接続用延設電極端子と、前述した各電極端子と対向する形態で第1のパッケージ体に形成されている4つの第2のパッケージ体接続用電極端子、及びそれぞれの第2のパッケージ体接続用電極端子から延設した第2のパッケージ体接続用延設電極端子とを、各々導電性接合材により接合している構造のため、第1のパッケージ体の外底面と第2のパッケージ体の側壁部頂面との間に生じていた隙間に、上述した各電極端子と導電性接合材による壁体を形成することができ、且つ上述した各延設電極端子と導電性接合材により形成された部分の各壁体は、圧電発振器外から内部へ不要物が直線的に進入できないよう、一部分が第2のパッケージ体の側壁部開口側頂面の幅方向で必ず交叉する形態であるため、圧電発振器外から、この隙間を通って圧電発振器内にフィル樹脂やコンタミ等の不要物が入り込むことがなくなり、この不要物が圧電発振器内部に入り込むことにより生じていた、圧電発振器から出力される発振周波数信号に不要な変動の発生を防止することが可能となる。
【0012】
因って、本発明は圧電発振器内に外部から不要物の進入による悪影響がない、発振周波数の安定した発振特性の圧電発振器を提供できる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を添付した図面に基づいて詳細に説明する。尚、各図においての同一の符号は同じ対象を示すものとし、又、説明を明りょうにするため構造体の一部は図示していない。更に、各図面に図示した寸法も一部誇張して示しており、各電極端子の厚み寸法については特に誇張して図示している。
【0014】
図1は、本発明の圧電発振器の一実施形態を示す分解外観斜視図であり、図2は、図1に記載の圧電発振器を組み立てた後、図1記載の仮想切断線X−X′で切断した場合の断面図である。図3は、図1に記載の圧電発振器を構成する部品を示した平面図であり、(a)は、第1のパッケージ体を構成する第1の容器体を第2のパッケージ体側から図示した平面図であり、(b)は第2のパッケージ体を構成する第2の容器体及び集積回路素子を第1のパッケージ体側から図示した平面図である。
即ち、図1に示す圧電発振器10は、大略的には圧電振動素子11を内部に搭載する第1のパッケージ体12と、発振回路や温度補償回路などの電子回路網を内部に形成した集積回路素子13を内部に搭載した第2のパッケージ体14から構成されている。
【0015】
第2のパッケージ体14を構成する第2の容器体16の外底面には外部接続用電極端子17が設けられ、第2の容器体16の一方の主面に開口部を形成した第2の凹部15内底面上には複数個の集積回路素子接続用電極パッド18が形成されており、その集積回路素子接続用電極パッド18上に集積回路素子13が配置され、集積回路素子13に形成された接続電極と集積回路素子接続用電極パッド18とを、半田、導電性接合材又はバンプ等により電気的且つ機械的に接続することにより集積回路素子13を搭載している。尚、集積回路素子接続用電極パッド18のうち所定の電極パッドは、外部接続用電極端子17と、第2の容器体16内に形成した導配線により電気的に接続されている。
【0016】
又、集積回路素子接続用電極パッド18のうち所定の電極パッドは、第2の凹部15を囲う側壁部の外面又は第2の容器体16の外底面に形成されている複数個の温度補償データ書込用電極端子(不図示)と、第2の容器体16内に形成した導配線により電気的に接続されており、この温度補償データ書込用電極端子から入力されたデータ信号は、集積回路素子13内の温度補償回路を構成するメモリ素子内に保存され、後述する圧電振動素子11からの出力信号に対し温度補償を加える際に使用される。
【0017】
尚、第2の容器体16は、例えば、ガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る平板状の底部と、底部と同様のセラミック材料から成る側壁部から構成されている。アルミナセラミックスから成る場合、所定のセラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面に外部接続用電極端子17、集積回路素子接続用電極パッド18、後述する第1のパッケージ体接続用電極端子及び第1のパッケージ体接続用延設電極端子を、またセラミックグリーンシートに打ち抜き等を施して予め穿設しておいた貫通孔内にビア導体となる導体ペーストを、従来周知のスクリーン印刷等によって塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することにより製作される。
【0018】
この第2の容器体16の第2の凹部15を囲繞する側壁部開口側頂面上の4つの角部には、第1のパッケージ体接続用電極端子19が形成されている。この4つの第1のパッケージ接続用電極端子19の各々には、一方端が1つの第1のパッケージ体接続用電極端子19に接続され、且つ他方端が隣り合う他の2つの第1のパッケージ接続用電極端子19に向かって第2の容器体16の側壁部開口側頂面上に延設した、隣り合う2つの第1のパッケージ体接続用電極端子に向かうそれぞれ1本ずつの第1のパッケージ体接続用延設電極端子20が形成されている。又、隣り合う2つの第1のパッケージ体接続用電極端子19からそれぞれに向かって延設された2本の第1のパッケージ体接続用延設電極端子20は、その先端部において、第2の容器体16の側壁部開口側頂面上で、側壁部開口側頂部の幅方向で互いに重なり合う形態で形成されている。尚、各第1のパッケージ体接続用電極端子19及びそれぞれの第1のパッケージ体接続用電極端子に接続する第1のパッケージ体接続用延設電極端子は、第2の凹部内底面に形成された集積回路素子接続用電極パッドうちの所定の電極パッドと、第2の容器体16内に形成された導配線及びビアホール等で電気的に接続されている。
【0019】
この第2のパッケージ体14を構成する第2の容器体16の第2の凹部15開口側上方には、圧電振動素子11を第1の容器体21に形成された第1の凹部22内部に搭載し、蓋体23により気密封止することで構成された第1のパッケージ体12が重ね合わせて配置されている。即ち、この第1のパッケージ体12を構成する第1の容器体21の一方の主面に開口部を形成した第1の凹部22内底面上には一対の圧電振動素子接続用電極パッド24が形成されており、その圧電振動素子接続用電極パッド24上に圧電振動素子11が配置され、圧電振動素子11に形成された第1の容器体接続用電極と圧電振動素子接続用電極パッド24とを、導電性接着剤により電気的且つ機械的に接続することにより圧電振動素子11を搭載している。尚、第1の容器体21も上述した第2の容器体と同様な素材及び工法により形成されている。
【0020】
又、第1の容器体21の第1の凹部22内に収容される圧電振動素子11は、例えば、圧電振動素子11を構成する圧電材料の素材に水晶を用いた場合、その水晶素板は、人工水晶体から所定のカットアングルで切断し外形加工を施した、概略平板状で主面形状が円形或いは四角形であり、その水晶素板の表裏両主面に一対の励振用電極を被着・形成してなり、外部からの変動電圧が励振用電極を介して水晶素板に印加されると、所定の振動モード及び周波数で 励振を起こすようになっている。尚、圧電振動素子11を構成する圧電材料としては、他に、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム又は圧電セラミックス等の圧電材料が用いられる。
【0021】
圧電振動素子11が搭載された第1の容器体21の側壁部開口側頂面上には、第1の凹部22の開口部を覆う形態の、平板状で金属製の蓋体23が配置されている。この蓋体23は、42アロイ等から成る金属板の接合面に、その外周縁部に沿ってニッケル(Ni)層を環状に被着させてなり、そのNi層の上に銀などのロウ材からなる封止部材が形成されている。かかるNi層を、封止部材を介して、第1の容器体21の側壁部開口側頂面上に形成された封止用導体パターン(不図示)に接合させることによって第1の容器体21の上に取着され、これにより第1の凹部22の開口部が塞がれて圧電振動素子11の収納空間を気密封止している。
【0022】
この第1の容器体21の外底面の4つの角部には、それぞれに第2のパッケージ接続用電極端子25が形成されている。更に、第1のパッケージ体接続用延設電極端子20の接合面を基準面とした面対称形状で、且つ第2のパッケージ体14上に第1のパッケージ体12を重ね合わせた際に、第1のパッケージ体接続用延設電極端子20と対向する位置に、4つの第2のパッケージ接続用電極端子25のそれぞれに、一方端が1つの第2のパッケージ体接続用電極端子25に接続され、且つ他方端が第1の容器体21外底面の各辺に沿って隣り合う他の2つの第2のパッケージ接続用電極端子25に向かって、第1の容器体21外底面の辺縁部に延設した、第1の容器体21外底面の各辺に沿って隣り合う2つの第2のパッケージ体接続用電極端子に向かって、それぞれ1本ずつの第2のパッケージ体接続用延設電極端子26が形成されている。又、隣り合う2つの第2のパッケージ体接続用電極端子25からそれぞれに向かって延設された2本の第1のパッケージ体接続用延設電極端子26は、その先端部において、第1の容器体21の外底面の辺縁部上で、第1の容器体21の外底面の面内方向で互いに重なり合う形態で形成されている。尚、各第2のパッケージ体接続用電極端子25及びそれぞれの第1のパッケージ体接続用電極端子25に接続する第1のパッケージ体接続用延設電極端子26のうちの2組の電極端子は、第1の凹部内底面に形成された圧電振動素子接続用電極パッド24と、第1の容器体21内に形成された導配線及びビアホール等で電気的に接続されている。
【0023】
上述した構造の第1のパッケージ体12と第2のパッケージ体14とを、第2のパッケージ体接続用電極端子25と第1のパッケージ体接続用電極端子19、及び第2のパッケージ体接続用延設電極端子26と第1のパッケージ体接続用延設電極端子20が、それぞれに対向する形態で重ね合わせて配置し、それぞれ対向する電極端子間の全面を、半田又は導電性接着剤等の導電性接合材27で電気的且つ機械的に接合することにより、圧電発振器10が構成されている。
【0024】
このような構造の圧電発振器10とすることにより、第1のパッケージ体21の外底面と第2のパッケージ体14の側壁部頂面との間に生じていた隙間に、第2のパッケージ体接続用電極端子25と第1のパッケージ体接続用電極端子19、第2のパッケージ体接続用延設電極端子26と第1のパッケージ体接続用延設電極端子20及び導電性接合材27により構成される壁体を形成することができ、且つ第2のパッケージ体接続用延設電極端子26、第1のパッケージ体接続用延設電極端子20及び導電性接合材27により形成された部分の各壁体は、圧電発振器10外から内部へフィル樹脂やコンタミ等の不要物が直線的及び直接的に進入できないよう、一部分が第2のパッケージ体14の側壁部開口側頂面の幅方向で必ず重なり合う形態であるため、圧電発振器10外から、この隙間を通って圧電発振器10内に不要物が入り込むことがなくなり、この不要物が圧電発振器10内部に入り込むことにより生じていた、圧電発振器10から出力される発振周波数信号に不要な変動の発生を防止することが可能となる。
【0025】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、上述した実施形態では、各パッケージ接続用電極端子のそれぞれに、一方端が1つのパッケージ体接続用電極端子に接続され、且つ他方端が隣り合う他の2つのパッケージ接続用電極端子に向かって延設した、隣り合う2つのパッケージ体接続用電極端子に向かってそれぞれ1本ずつの延設電極端子が形成されているが、それぞれのパッケージ体接続用電極端子に形成される延設電極端子の本数は上記実施形態に限定されるものではなく、図4に示した、本発明における第2のパッケージ体を構成する他の実施形態の第2の容器体及び集積回路素子を、第1のパッケージ体側から図示した平面図のように、それぞれのパッケージ体接続用電極端子に形成される延設電極端子の本数が複数本であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の圧電発振器の一実施形態を示す分解外観斜視図である。
【図2】図2は、図1に記載の圧電発振器を組み立てた後、図1記載の仮想切断線X−X′で切断した場合の断面図である。
【図3】図3は、図1に記載の圧電発振器を構成する部品を示した平面図であり、(a)は、第1のパッケージ体を構成する第1の容器体を第2のパッケージ体側から図示した平面図であり、(b)は第2のパッケージ体を構成する第2の容器体及び集積回路素子を第1のパッケージ体側から図示した平面図である。
【図4】図4は、本発明における圧電発振器を構成する他の実施形態の第2の容器体、及び集積回路素子を、第1のパッケージ体側から図示した平面図である。
【図5】図5は、従来の圧電発振器の形態を示す分解外観斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
10・・・圧電発振器
11・・・圧電振動素子
12・・・第1のパッケージ体
13・・・集積回路素子
14・・・第2のパッケージ体
15・・・第2の凹部
16・・・第2の容器体
17・・・外部接続用電極端子
19・・・第1のパッケージ体接続用電極端子
20・・・第1のパッケージ体接続用延設電極端子
21・・・第1の容器体
22・・・第1の凹部
23・・・蓋体
25・・・第2のパッケージ体接続用電極端子
26・・・第2のパッケージ体接続用延設電極端子
27・・・導電性接合材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2のパッケージ体を構成する第2の容器体に形成された凹形状の第2の凹部内には、少なくとも発振回路が形成内蔵されている集積回路素子が搭載されており、前記第2の容器体の前記第2の凹部開口側上方には、圧電振動素子を第1の容器体に形成された第1の凹部内部に搭載した第1のパッケージ体が重ね合わせて配置されており、前記第1のパッケージ体を構成する前記第1の容器体の外底面上の4つの角部に形成されている第2のパッケージ体接続用電極端子と、前記第2の容器体の前記第2の凹部を囲繞する側壁部開口側頂面上の4つの角部に形成されている第1のパッケージ体接続用電極端子が、電気的且つ機械的に接続されることにより、前記圧電振動素子、前記集積回路素子、各容器体内導配線及び各電極端子が電気的に接続してなる圧電発振器において、
第2のパッケージ体に形成されている4つの前記第1のパッケージ接続用電極端子それぞれに、
一方端が1つの前記第1のパッケージ体接続用電極端子に接続され、且つ他方端が隣り合う他の2つの前記第1のパッケージ接続用電極端子に向かって前記第2の容器体の前記側壁部開口側頂面上に延設した、隣り合う2つの前記第1のパッケージ体接続用電極端子に向かってそれぞれ少なくとも1本以上の第1のパッケージ体接続用延設電極端子が形成されており、
且つ、隣り合う2つの前記第1のパッケージ体接続用電極端子からそれぞれに向かって延設された前記第1のパッケージ体接続用延設電極端子は、少なくともその一部分が、前記第2の容器体の前記側壁部開口側頂面上で、前記側壁部開口側頂面内の幅方向で互いに重なり合う形態で形成されており、
更に、前記第1のパッケージ体を構成する前記第1の容器体外底面上には、前記第1のパッケージ体接続用延設電極端子の接合面を基準面とした面対称形状で、且つ前記第2のパッケージ体上に前記第1のパッケージ体を重ね合わせた際に、前記第1のパッケージ体接続用延設電極端子と対向する位置に、4つの前記第2のパッケージ接続用電極端子のそれぞれに、一方端が1つの前記第2のパッケージ体接続用電極端子に接続され、且つ他方端が第1の容器体外底面の各辺に沿って隣り合う他の2つの前記第2のパッケージ接続用電極端子に向かって、前記第1の容器体外底面の辺縁部に延設した、第1の容器体外底面の各辺に沿って隣り合う2つの前記第2のパッケージ体接続用電極端子に向かって、それぞれ少なくとも1本以上の第2のパッケージ体接続用延設電極端子が形成されており、
且つ、前記第1の容器体外底面の各辺に沿って隣り合う2つの前記第2のパッケージ体接続用電極端子からそれぞれに向かって延設された前記第2のパッケージ体接続用延設電極端子は、少なくともその一部分が、前記第1の容器体の外底面の辺縁部上で、 前記第1の容器体の外底面の面内方向で互いに重なり合う形態で形成されており、
前記第1のパッケージ体接続用電極端子及び前記第1のパッケージ体接続用延設電極端子と、 それぞれに対向する前記第2のパッケージ体接続用電極端子及び前記第2のパッケージ体接続用延設電極端子が、導電性接合材により電気的且つ機械的に接続してなることを特徴とする圧電発振器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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