説明

在不在表示システム

【課題】管理人が常に在不在状態の表示を見続けることなく各住戸の在不在状態の変化を確実に把握できるようにする。
【解決手段】在室を示す第一の色で表示部14が点灯している場合に、在室状態から不在状態へ移行したときには、第一の色で表示部14を点滅させ、対応する住戸が選択操作部15で選択されると、第二の色で表示部14を点灯させる。一方、不在を示す第二の色で表示部14が点灯している場合に、不在状態から在室状態へ移行したときには、第二の色で表示部14を点滅させ、対応する住戸が選択操作部15で選択されると、第一の色で表示部14を点灯させる。これにより、在不在状態を示す表示が点滅している場合には、在不在状態が変化したことが明確に示されるとともに、点滅している表示部14に該当する住戸を管理人が選択することで、変化後の在不在状態が表示されるので、在不在の状態変化を管理人が確実に把握できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅において、管理室に設置された管理室親機で各住戸の在不在状態を表示する在不在表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の住戸が集まって構成されている集合住宅では、管理人が常駐する管理室などで、各住戸の居住者が在室しているか不在であるかを把握することが行われている。特に、居住者が高齢である場合には、居住者の安否確認のため、上述した在不在状態を確認することは重要である。このような場合において、住戸の玄関に設けた電気錠の状態(解錠または施錠)を検出したり、住戸内に設けた在室スイッチの状態および不在スイッチの状態を検出したりすることで、居住者の在不在状態を検出し、管理室に設置されている管理室親機の液晶画面に検出した在不在状態を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1など)。
【0003】
また、生活情報監視盤に設けた表示部に、各住戸の在室状態を示す表示灯および各住戸の不在状態を示す表示灯を設ける技術も知られている(例えば、特許文献2など)。
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1および特許文献2に記載した技術では、現在の各住戸の在不在状態を管理人が把握することは可能であるが、各住戸が在室状態から不在状態に切り替わったり、不在状態から在室状態に切り替わったりしたことを管理人が把握することは、管理人が常に表示を見続けていない限り困難になってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−42285号公報
【特許文献2】特開2001−28633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの問題を解決するために成されたものであり、集合住宅の各住戸の在不在状態を表示可能な管理室親機において、管理人が常時在不在状態の表示を見続けることなく、在不在の状態変化を確実に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明では、住戸に居住者が在室しているか不在であるかを検出し、在室が検出された住戸については第一の色で、不在が検出された住戸については第二の色で管理室親機の表示部にて表示する。そして、在室状態から不在状態へ切り替わった場合に、何れか一方の色で点滅表示させ、不在状態から在室状態へ切り替わった場合に他方の色で点滅表示させて、一方の色で点滅表示している表示部に該当する住戸を選択操作すると他方の色で表示し、他方の色で点滅表示している表示部に該当する住戸を選択操作すると一方の色で表示するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明によれば、住戸の在不在状態を示す表示が点滅している場合には、在不在状態が切り替わったことが明確に示されるとともに、点滅表示している表示部に該当する住戸を管理人が選択操作することで、切り替わった後の在不在状態が表示されるので、管理人が常時在不在状態の表示を見続けることなく、在不在の状態変化を確実に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態による在不在表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による在不在表示システムの表示例を示す図である。
【図3】本実施形態による在不在表示システムの他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による在不在表示システムの構成例を示すブロック図である。同図において、在不在検出装置1は、各住戸に設置されており、住戸内に居住者が在室しているか否かを検出するために使用される。ここで、在不在検出装置1は、電気錠2、インターフェース3を備えて構成されている。管理室親機10は、管理人などが常駐する管理室に設置されており、管理人が各住戸の在不在状態を把握するために使用される。ここで、管理室親機10は、親機制御部11、親機インターフェース12、記憶部13、表示部14、選択操作部15を備えて構成されている。
【0011】
電気錠2は、住戸の玄関近傍に設置されており、居住者が住戸の外側から施錠した場合に、玄関に設置されたドアを施錠するとともに、不在信号を生成する。一方、居住者が住戸の外側から解錠した場合に、電気錠2は、玄関に設置されたドアを解錠するとともに、在室信号を生成する。インターフェース3は、在不在検出装置1と管理室親機10とを接続して通信を行う。インターフェース3は、電気錠2が不在信号を生成した場合に、生成された不在信号を管理室親機10へ出力し、電気錠2が在室信号を生成した場合に、生成された在室信号を管理室親機10へ出力する。ここで、不在信号および在室信号には、この在不在検出装置1を他の在不在検出装置1と識別するための識別情報が含まれる。
【0012】
親機制御部11は、管理室親機10の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPU(Central Processing Unit)などにより構成されている。親機インターフェース12は、管理室親機10と在不在検出装置1とを接続して通信を行う。記憶部13は、メモリーやハードディスク装置などにより構成されており、在不在検出装置1にて生成される不在信号や在室信号に含まれる識別情報と、在不在検出装置1が設置された住戸を他の住戸と識別するための住戸識別情報(例えば、部屋番号など)とを関連付けて予め記憶している。
【0013】
表示部14は、第一の色および第二の色で発光するランプなどにより構成されており、各住戸に対応して設けられている(例えば、記憶部13に記憶されている住戸識別情報に関連付けられている)。ここで、第一の色は例えば青であり、第二の色は例えば赤である。また、表示部14に使用されるランプは、第一の色および第二の色で点滅発光が可能である。また、表示部14に使用されるランプのカバーは、住戸識別情報(例えば、部屋番号など)が印刷された透光性を有する部材により構成されている。
【0014】
なお、本実施形態では、表示部14をランプにより構成しているが、これに限定されない。例えば、表示部14を液晶ディスプレイなどの表示装置により構成するようにしても良い。このような場合に、住戸識別情報が表示されている領域を第一の色および第二の色で表示するとともに、住戸識別情報が表示されている領域を第一の色および第二の色で点滅表示することで、ランプと同様の動作が可能となる。
【0015】
選択操作部15は、各住戸および表示部14に対応して設けられており、管理人などが住戸を選択する操作を行うために使用される。初期状態として、親機制御部11は、表示部14を、在室状態を示す第一の色、または、不在状態を示す第二の色で点灯表示させておく。例えば、在室状態を示す第一の色で表示部14を点灯表示させている状態で、在不在検出装置1の電気錠2が施錠されると、電気錠2により不在信号が生成され、生成された不在信号がインターフェース3により管理室親機10へ出力される。管理室親機10では、親機インターフェース12が不在信号を入力する。親機制御部11は、記憶部13を参照して、不在信号に含まれる識別情報に関連付けて記憶されている住戸識別情報を取得し、関連付けられている表示部14を第一の色で点滅表示させる。この点滅表示を見た管理人が、点滅表示している表示部14に対応する選択操作部15を操作すると、親機制御部11は、その表示部14を第二の色で点灯表示させる。
【0016】
一方、不在状態を示す第二の色で表示部14を点灯表示させている状態で、在不在検出装置1の電気錠2が解錠されると、電気錠2により在室信号が生成され、生成された在室信号がインターフェース3により管理室親機10へ出力される。管理室親機10では、親機インターフェース12が在室信号を入力する。親機制御部11は、記憶部13を参照して、在室信号に含まれる識別情報に関連付けて記憶されている住戸識別情報を取得し、関連付けられている表示部14を第二の色で点滅表示させる。この点滅表示を見た管理人が、点滅表示している表示部14に対応する選択操作部15を操作すると、親機制御部11は、その表示部14を第一の色で点灯表示させる。
【0017】
図2(a)に示すように、101号室の表示部14aおよび104号室の表示部14dを第一の色で点灯表示させており、102号室の表示部14bおよび103号室の表示部14cを第二の色で点灯表示させている状態で、101号室の電気錠2が施錠されると、電気錠2により不在信号が生成され、生成された不在信号がインターフェース3により管理室親機10へ出力される。管理室親機10では、親機インターフェース12が不在信号を入力する。親機制御部11は、記憶部13を参照して、不在信号に含まれる識別情報に関連付けて記憶されている住戸識別情報(ここでは「101」)を取得し、関連付けられている表示部14aを第一の色で点滅表示させる(図2(b))。この点滅表示を見た管理人が、点滅表示している表示部14aに対応する選択操作部15aを操作すると、親機制御部11は、その表示部14aを第二の色で点灯表示させる(図2(c))。
【0018】
また、図3(a)に示すように、101号室の表示部14aおよび104号室の表示部14dを第一の色で点灯表示させており、102号室の表示部14bおよび103号室の表示部14cを第二の色で点灯表示させている状態で、102号室の電気錠2が解錠されると、電気錠2により在室信号が生成され、生成された在室信号がインターフェース3により管理室親機10へ出力される。管理室親機10では、親機インターフェース12が在室信号を入力する。親機制御部11は、記憶部13を参照して、在室信号に含まれる識別情報に関連付けて記憶されている住戸識別情報(ここでは「102」)を取得し、関連付けられている表示部14bを第二の色で点滅表示させる(図3(b))。この点滅表示を見た管理人が、点滅している表示部14bに対応する選択操作部15bを操作すると、親機制御部11は、その表示部14bを第一の色で点灯表示させる(図3(c))。
【0019】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、住戸に居住者が在室しているか不在であるかを在不在検出部1により検出する。そして、在室を示す第一の色で表示部14が点灯表示している場合に、在室状態から不在状態へ切り替わったときには、親機制御部11は、第一の色で表示部14を点滅表示させ、点滅表示している表示部14に対応する住戸を選択操作部15で選択すると、親機制御部11は、第二の色で表示部14を点灯表示させるようにしている。一方、不在を示す第二の色で表示部14が点灯表示している場合に、不在状態から在室状態へ切り替わったときには、親機制御部11は、第二の色で表示部14を点滅表示させ、点滅表示している表示部14に対応する住戸を選択操作部15で選択すると、親機制御部11は、第一の色で表示部14を点灯表示させるようにしている。
【0020】
これにより、住戸の在不在状態を示す表示が点滅表示している場合には、在不在状態が切り替わったことが明確に示されるとともに、点滅表示している表示部14に該当する住戸を管理人が選択することで切り替わった後の在不在状態が表示されるので、管理人が常時在不在状態の表示を見続けることなく、在不在の状態変化を確実に把握することができる。
【0021】
なお、前述した実施形態では、在不在検出装置1は、電気錠2により構成されているが、これに限定されない。例えば、住戸内の人の動きを検出する人感センサーと電気錠2とを併用して在不在状態を検出するようにしても良い。具体的には、電気錠2により施錠されても、住戸内で人感センサーが人の動きを検出した場合には、在不在検出装置1は在室状態を検出するようにしている。これにより、住戸内に複数の居住者が住んでいる場合でも、在不在状態をより正確に検出することが可能となる。
【0022】
また、前述した実施形態では、在不在検出装置1は、電気錠2により構成されているが、これに限定されない。例えば、在室状態または不在状態を設定するための在不在設定スイッチを住戸内に設置するようにしても良い。そして、在不在検出装置1は、在不在設定スイッチが在室状態である場合に在室を検出し、在不在設定スイッチが不在状態である場合に不在を検出する。
【0023】
また、前述した実施形態では、親機制御部11は、在室状態から不在状態へ移行した場合に在室状態を示す第一の色で表示部14を点滅表示させ、不在状態から在室状態へ移行した場合に不在状態を示す第二の色で表示部14を点滅表示させるようにしているが、これに限定されない。例えば、在室状態から不在状態へ移行した場合に、親機制御部11が不在状態を示す第二の色で表示部14を点滅表示させ、不在状態から在室状態へ移行した場合に、親機制御部11が在室状態を示す第一の色で表示部14を点滅表示させるようにしても良い。すなわち、在不在状態が切り替わる前の色で点滅しようが、切り替わった後の色で点滅しようが、在不在状態が切り替わる前の色で点滅表示を行うのか、切り替わった後の色で点滅表示を行うのかを管理人に周知しておけば、何ら問題はない。
【0024】
また、前述した実施形態では、選択操作部15は各住戸および表示部14に対応して設けられているが、これに限定されない。例えば、選択操作部15が表示部14を兼ねるようにしても良い。具体的には、表示部14のランプのカバーが選択操作部15の操作ユニットを形成することで、選択操作部15が表示部14を兼ねることが可能である。また、表示部14をタッチパネルにより構成することで、選択操作部15が表示部14を兼ねることが可能である。
【0025】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 在不在検出装置
2 電気錠
3 インターフェース
10 管理室親機
11 親機制御部
12 親機インターフェース
13 記憶部
14 表示部
15 選択操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住戸に居住者が在室しているか不在であるかを検出する在不在検出装置と、
前記在不在検出装置にて在室が検出された住戸については第一の色で、不在が検出された住戸については第二の色で表示する表示部と、前記表示部に該当する住戸を選択するための選択操作部と、前記在不在検出装置にて在室状態から不在状態へ切り替わった場合に、第一の色および第二の色の何れか一方の色で前記表示部にて点滅表示させ、前記在不在検出装置にて不在状態から在室状態へ切り替わった場合に、他方の色で前記表示部にて点滅表示させるとともに、前記一方の色で点滅表示している表示部に該当する住戸を前記選択操作部にて選択すると、前記他方の色で表示させ、前記他方の色で点滅表示している表示部に該当する住戸を前記選択操作部にて選択すると、前記一方の色で表示させる制御部とを有する管理室親機と、
を備えたことを特徴とする在不在表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−209868(P2012−209868A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75642(P2011−75642)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】