説明

地上デジタルテレビジョン放送における緊急情報を受信する受信装置

【課題】地上デジタルテレビジョン放送の電波の受信状況が悪い時に、緊急情報がある旨を誤って知らせることを防止する受信装置を提供する。
【解決手段】本発明による受信装置1は、緊急情報の有無を識別する起動信号と、緊急情報とを格納する電文情報が、伝送制御信号にて伝送されるように予め規定されており、地上デジタルテレビジョン放送波を受信して伝送制御信号を抽出するAC抽出部7と、緊急情報の受信状態の受信品質を予め定めた評価基準に従って評価するフラグ監視許可部12とを備え、フラグ監視許可部12は、評価により緊急情報の受信状態のレベルが前記評価基準を満たしていないと判断した場合には、前記起動信号における緊急情報の有無に関らず、緊急情報を当該受信装置1の受信者へ通知することを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタルテレビジョン放送において、緊急警報放送や緊急地震速報など緊急情報を送受信する技術に関し、特に、地上デジタルテレビジョン放送の電波の受信状況が悪い時に、該緊急情報を受信する受信装置が当該緊急情報を確実に受信できるか否かを判断し、緊急情報の受信を誤って不要なタイミングで受信者に通知することを防止する、受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、地上デジタルテレビジョン放送の伝送方法として、例えば、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial、ARIB規格STD−B31)方式が実用化されている。
【0003】
そこでは、アナログ放送から引き続き、大規模地震や津波警報、地方自治体からの要請に応じて放送局が緊急警報放送を行う場合に、電源が投入されていない地上デジタルテレビジョン放送の受信装置を起動するための仕組みが設けられている。
【0004】
例えば、受信装置の復調動作に関わる情報を伝送するために設けられている、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control: 伝送制御)信号と呼ばれる信号がある。
【0005】
このTMCC信号には、緊急警報放送用起動フラグと呼ばれる、緊急警報放送に基づきビットの値を変更する情報が記載されている。この緊急警報放送用起動フラグを検出して、その値が1である場合に緊急警報放送が行われることから、この緊急警報放送用起動フラグにより受信装置を起動することができる。
【0006】
これについて、待機消費電力を抑えて動作し、電源が投入されていない受信装置を起動して緊急警報の有無を受信装置に知らせる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これは、緊急警報放送用起動フラグを検出する伝送制御信号受信部を備えることにより、緊急警報放送用起動フラグが1のとき、地上デジタルテレビジョン放送の受信装置の電源を投入し、受信装置に緊急警報放送の視聴を促す技術である。
【0007】
一方、気象庁は平成19年10月1日から緊急地震速報(例えば、非特許文献1参照)の一般への提供を開始した。これに伴い、テレビジョン並びにラジオの各放送局も緊急地震速報が発表される際には、チャイム音とともにテレビジョン画面に表示または音声で伝えるなどの放送を開始した。尚、緊急地震速報のラジオ放送の一部は、平成20年4月1日から開始している。
【0008】
また、緊急地震速報を含む災害、防災情報等を地上デジタルテレビジョン放送において伝送するため、TMCC信号による起動フラグの送受信に加え、AC(Auxiliary Channel)キャリアを利用する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。そこでは、TMCCキャリアの緊急警報放送用起動フラグと、例えば部分受信セグメント内の特定のACキャリアに置かれた信号種別ビットとの組合せにより、緊急情報の種別及び開始又は終了を提示する。その他ARIB規格STD−B10の緊急情報記述子及び緊急情報の映像・音声を、ACキャリアを用いて伝送する。この緊急情報記述子は、信号種別ビットを含み部分受信セグメントのAC信号に格納され、映像・音声は他のセグメントのAC信号に格納されて伝送される。
【0009】
特許文献2においても、受信装置の電源が入っていない場合、又は他のチャンネルを受信している場合に、電源投入やチャンネル切り替えを促す技術が開示されており、この制御のため部分受信セグメント内のTMCC信号及びAC信号を受信し、電源投入後又はチャンネル切り替え後に、その他の災害・防災情報並びに映像・音声の再生を行う技術が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−319771号公報
【特許文献2】特開2007−243936号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】“緊急地震速報の概要や処理手法に関する技術的参考資料”、気象庁地震火山部、[平成20年1月31日検索]、インターネット〈URL:http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/EEW/kaisetsu/Whats_EEW/reference.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
緊急警報放送や緊急地震速報など緊急情報を利用するためには、当該緊急情報を受信できる受信装置を有するとともに、必要なときにその電源が投入されている必要がある。緊急警報放送の場合には、特許文献1に開示されているように、TMCC信号上の緊急警報放送用起動フラグを常時監視し、その起動フラグの値が1へ変化することを検知して受信装置を起動することが可能である。
【0013】
緊急地震速報の場合も、現在のシステムにはないが、特許文献2に開示されるように、例えば同じTMCC信号のリザーブビットや他の信号、又はAC信号を用いて緊急地震速報放送用起動フラグを伝送できる。また、緊急警報放送の場合と同様に、特許文献1と同様の技術により、地上デジタルテレビジョン放送の受信装置を起動することが可能である。
【0014】
しかしながら、緊急情報の起動フラグを検知するためには、その起動フラグが十分な受信品質で受信できる環境に受信装置が設置されている必要があり、受信品質が不十分な場合には受信装置が誤作動する可能性がある。
【0015】
特に、受信装置の電源が投入されていない場合においても緊急情報を受信装置の受信者に知らしめる設定にある場合には、信号を十分な受信品質で受信可能な環境にあることを受信装置自身が判断して、受信した信号の受信品質が良好な場合にのみ緊急情報の有無を通知する仕組みが望まれる。
【0016】
本発明の目的は、地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置であって、放送に含まれて伝送される緊急警報放送や緊急地震速報などの緊急情報を受信することができ、受信者に緊急情報を通報することが可能な端末において、電波の受信状況が悪い時に、誤って緊急情報の有無を通知することを防止する受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置は、放送の一部キャリアを受信して、そのキャリアに格納される緊急警報放送や緊急地震速報など緊急情報を復調可能な受信部を備えるとともに、受信電力検波部、ガードインターバル相関ピーク検出部、フレーム同期確立情報検出部、または、MER検知部のうちの1つ以上と、更にフラグ監視許可部を備えて、受信部が受信して復調する緊急情報の受信状態の受信品質を、受信電力検波部、ガードインターバル相関ピーク検出部、フレーム同期確立情報検出部、または、MER検知部のうちの1つ以上から得られる値と、予め規定した受信状態の受信品質の評価基準を比較することにより、フラグ監視許可部において推定し、その結果に基づき前記受信部の動作を制限する。
【0018】
即ち、本発明による受信装置は、緊急情報の有無を識別する起動信号と、緊急情報とを格納する電文情報が、前記伝送制御信号にて伝送されるように予め規定されており、前記地上デジタルテレビジョン放送波を受信して前記伝送制御信号を抽出する手段と、前記緊急情報の受信状態の受信品質を予め定めた評価基準に従って評価する手段と、前記評価により前記緊急情報の受信状態のレベルが前記評価基準を満たしていないと判断した場合には、前記起動信号における前記緊急情報の有無に関らず、前記緊急情報を当該受信装置の受信者へ通知することを防止する手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置において、前記伝送制御信号がAC信号又はTMCC信号であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置において、前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、受信電力又は受信電界強度の値を使用して所定の閾値以上であるか否かによって評価することを特徴とする。
【0021】
また、本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置において、前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、前記放送波の受信信号に対しシンボル同期を行う際に計算されるガードインターバル相関の演算結果から得られるシンボル同期の検出情報が所定の閾値条件以上であるか否かによって評価することを特徴とする。
【0022】
また、本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置において、前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、前記伝送制御信号のコンスタレーションから計算されるMER(modulation error ratio)値を使用して所定の閾値以上であるか否かによって評価することを特徴とする。
【0023】
また、本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置において、前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、前記伝送制御信号のフレーム同期確立の有無を示す緊急情報同期確立情報値を使用してその同期の有無によって評価することを特徴とする。
【0024】
また、本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置において、前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、受信電力又は受信電界強度の値、前記放送波の受信信号に対しシンボル同期を行う際に計算されるガードインターバル相関の演算結果から得られるシンボル同期の検出情報、前記伝送制御信号のコンスタレーションから計算されるMER値、前記電文情報から生成される緊急情報のフレーム同期確立の有無を示す緊急情報同期確立情報値のいずれか1つ以上を使用して評価することを特徴とする。
【0025】
また、本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置において、前記起動信号の情報のみを受信するように、フレーム内間欠受信動作又はフレーム間間欠受信動作で当該受信装置に電源供給する制御手段を備えることを特徴とする。
【0026】
また、本発明による地上デジタルテレビジョン放送を受信する受信装置において、前記電文情報の内容を全て復号する場合に、前記電文情報の誤り訂正を行う手段と、前記誤り訂正時のパリティチェック情報から、誤りの有無を検知する手段と、該誤りが有ると判断した場合に、前記起動信号における前記緊急情報の有無に関らず、前記緊急情報を当該受信装置の受信者へ通知することを防止する手段とを更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、緊急警報放送や緊急地震速報など緊急情報の受信者は、自身の地上デジタルテレビジョン放送の受信装置が電源を投入していなくても緊急情報を受信できる設定である場合、緊急情報を受信できるか否かを判断することにより、緊急情報を送信する電波の受信状況が悪い時に、誤って緊急情報がある旨を通知することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による実施例1の受信装置を示す図である。
【図2】本発明による実施例2の受信装置を示す図である。
【図3】OFDMシンボルとガードインターバル相関演算を説明する図である。
【図4】ガードインターバル相関演算の結果と雑音やマルチパスの影響を示す図である。
【図5】本発明による実施例3の受信装置を示す図である。
【図6】本発明による実施例4の受信装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
まず、本発明による実施例1の受信装置について説明する。
【実施例1】
【0030】
本発明による実施例1の受信装置1は、伝送制御信号の1つであるAC信号を用いて、緊急情報(以下、緊急警報放送及び緊急地震速報を含む情報を総括して、緊急情報と称する)を伝送する地上デジタルテレビジョン放送のサービスにおいて、そのAC信号により伝達される信号を受信する装置であり、AC信号の受信状態の受信品質に基づき受信装置の緊急情報の受信動作を制限する装置である。
【0031】
AC信号は、例えば、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)のモード3の同期変調部の場合、キャリア番号#7、#89、#206、#209、#226、#244、#377及び#407の8箇所にあるACキャリアによって運ばれる信号である。
【0032】
例えば放送事業者は、気象庁から緊急地震速報を受信した場合、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送に係る送信装置によって、表1の電文情報のフォーマットの緊急地震速報に関する情報、即ち、最大予測震度や震度4以上の強震地域といった緊急地震速報の情報を、8箇所のACキャリアのそれぞれに格納して、受信装置1に向けて送信する。ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送に係る送信装置のハードウェア構成は既知であり、図示しない。しかしながら、伝送制御情報(TMCC又はAC)を用いて電文情報を伝送する送信装置、及びこの電文情報を受信して特有の動作を行う受信装置、並びにこれらの送信装置及び受信装置から構成される伝送システムは、以下に説明するように、特有の機能を発揮する。
【0033】
即ち伝送制御信号の1つであるTMCC信号と同一フレーム長となるように、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の1シンボルを基準として、TMCC信号と同一の204シンボルに対してDBPSK信号の204ビットを割り振って1フレームとし、TMCC信号と同一の差動復調の基準、及び同期信号と、緊急地震速報の有無を識別する起動信号と、緊急地震速報の情報を含む緊急情報とを格納する電文情報(表1に例示する電文情報のフォーマット)が、送信装置からACキャリアにて伝送されるように予め規定されている。
【0034】
尚、本発明の理解を容易とするために、以下においてはISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について説明するが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
【0035】
【表1】

【0036】
表1は、緊急地震速報の配信において所望される、どれぐらいの規模/震度の地震が発生し、どの地域において警戒を要するのか、に関する電文情報の例である。緊急地震速報を配信するためには、受信装置1にとって最小限必要な情報を的確に、且つ、迅速、確実に伝送する必要がある。緊急地震速報が配信される際に有効な情報は、受信装置1がいる地域において、どれぐらいの規模/震度の地震が、どこに、どれぐらいの時間の後に起こるか、である。現在、一般向けの緊急地震速報においては、強い揺れ(震度5弱以上)が推定される場合に、当該地震の規模並びに当該地震による揺れを警戒すべき地域に関する情報が配信されている。
【0037】
つまり、最大予測震度、当該地震による警戒地域、震度4以上が推定される地域が所望される。この考えに基づいて、緊急情報を格納する電文情報の事例が構成されている。
【0038】
「差動復調の基準」は、TMCC信号と同様に、キャリア番号kのSP信号に割り当てられるBPSK信号の値Wと同じ生成多項式(x11+ x+1)に基づく値であり、例えば、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)におけるACキャリア(モード3の同期変調部)の場合、キャリア番号#7、#89、#206、#209、#226、#244、#377及び#407の8箇所に対し割り当てられる値である。この8箇所のACキャリアが運ぶAC情報に記述の差動復調の基準として格納されるWは、各々0、0、0、0、0、1、1及び0である。
【0039】
「同期信号」は、16ビットの同期信号であり、その値は「0011010111101110」(奇数フレーム)及びその反転(偶数フレーム)という、奇数フレームと偶数フレームで異なる値をとる。そのDBPSK変調波は、Wが0の場合、奇数フレームが「1、1、−1、1、1、−1、−1、1、−1、1、−1、−1、1、−1、1、1」であり、偶数フレームが「−1、1、1、1、−1、−1、1、1、1、1、1、−1、−1、−1、−1、1」である。そしてWが1の場合、これらの反転となる。このように、「同期信号」は振幅と位相が既知の信号となっている。
【0040】
緊急情報の有無を識別する1ビット(又は2ビットとしてもよい)の「起動信号」が「同期信号」につづく。「起動信号」の値は、緊急情報がある場合には、‘1’のビットを表す値として「同期信号」の最後のシンボルの位相を反転し、緊急情報がない場合には、‘0’のビットを表す値としてその位相を継続する。なお、8本のACキャリアで伝送する際、各キャリアに同じ情報を載せて伝送すると、各キャリアの値を「差動復調の基準」の値で割ると、全キャリアで同一となるため、ダイバーシティ合成が可能である。
【0041】
尚、「起動信号」を2ビットとする場合は、この2ビットに同一の値を入れて信号値の確からしさを高めるために冗長性を持たせるためである。また、「起動信号」の直後に「更新フラグ」を設け、伝送される緊急情報の内容が更新されるたびに、値が更新(1から0へ、又は0から1へ更新)される「更新フラグ」(1ビット)を使用することで、更新時のみ受信動作を行なうように制御すれば緊急情報を受信している受信装置1の内部処理量を効率的に削減させることができる。或いは又、「更新フラグ」は、「起動信号」の更なる冗長性を持たせるために「起動信号」の起動時のフラグ値と同一の値で開始するように設定することもできる。尚、「更新フラグ」は、「起動信号」が緊急情報のある旨を示す値を継続している間に緊急情報の内容の更新がある場合を対象として1ビットの事例を示した。しかし、その更新頻度が実際の運用において2つ以上とする場合など、「更新フラグ」に2ビット以上を割り当てることもできる。
【0042】
尚、ここでの説明は、本発明の理解を容易とするために、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送におけるモード3の部分受信セグメント(セグメント番号#0)内のACキャリアが運ぶAC情報の全てを用いる場合について行うが、他のモードにおいても適用可能であることに留意する。
【0043】
「緊急情報識別信号」は、緊急情報の種別を示す信号である。緊急情報が緊急地震速報を表すのか、緊急警報放送を表すのかといった情報を提供する。例えば、割り当てるビット数を3ビットとし、「000」を緊急地震速報、「001」を緊急警報放送、「010」を緊急地震速報のテスト信号、「011」を緊急警報放送のテスト信号とする。尚、「起動信号」と同様に、各3ビットの値はDBPSK変調された値として伝送される。
【0044】
「起動信号」が例えば‘1’の値(緊急情報あり)を示した時に、「緊急情報識別信号」の値を読み、緊急情報の種別、つまり、どのような内容の緊急情報であるのかを識別する。
【0045】
「各種識別信号」は、「速報ID」(12ビット)や「情報番号」(4ビット)、「電文種別」(2ビット)といった緊急情報に付随する情報信号や、放送事業者識別などの信号が該当する。
【0046】
「速報ID」は、緊急情報の識別番号(ID番号)として挿入する。例えば、気象庁が発表する緊急地震速報には、“ND”で始まり、(西暦)年、月、日、時、分、秒を並べて作成される地震識別番号が付されている。この番号の下位12ビットを割り当てて利用する。緊急警報放送など他の場合にも、同様な考えで識別番号を割り当てる。
【0047】
この「速報ID」により、同一の緊急情報に続報やキャンセル報が発生しても、当該速報と他の速報を区別することができるようになる。
【0048】
「情報番号」は、続報が出た場合にその速報が発表される度に1ずつ加算される番号である。先に出た緊急情報と一連の情報である旨を受信装置1が認識するために付与され、0〜15の範囲で繰り返して用いる。
【0049】
「電文種別」は、緊急情報が発報される通常の伝送か、先に出された緊急情報が取り消し(キャンセル報)となるかを示すために用いる。緊急情報の誤報が発生した場合に取り消しが可能なように格納する。2ビットを用いて、例えば「00」ならば、緊急警報放送あるいは一般向け緊急地震速報である旨を示し、「01」であればキャンセル報であることを示す。緊急情報のない場合には「11」を送信し、「起動信号」の判定に対する保険とすることもできる。
【0050】
放送事業者識別は、ARIB規格STD−B14に準拠した識別信号が利用できる。この場合には、「放送地域識別」(6ビット)、「県複フラグ」(1ビット)、「地域事業者識別」(4ビット)が格納される。
【0051】
「最大予測震度」は、震度4以上の4、5弱、5強、6弱、6強、7が相当する。「強」、「弱」を各々1、0と数値で区別する。よって、「0100」、「0101」、「1101」、「0110」、「1110」、「0111」で区別して4ビットで表記できる。ただし、この最大予測震度は、特定の地域ごとではなく、当該県域或いは広域の放送地域内で観測が予測される最大予測震度である。なお、日本全国のいずれかの地域で観測が予測される最大予測震度の値が震度5弱以上のとき、緊急地震速報が出される。
【0052】
「震度4以上の強震地域」は、県域放送或いは広域放送を想定した範囲の「震度4以上の強震地域(地域単位)」であり、「各種識別信号」の放送事業者識別で区分される各地域内の所定の単位地域に各々1ビットを割り当て、対象となるか否かを1又は0で示したものである。北海道の最大38地域をすべて表示できる情報量に2ビットのマージンを加えた40ビットとする。
【0053】
例えば、関東広域放送において、東京都23区、東京都多摩東部、神奈川東部が震度4以上を予測された場合、この3つの地域に割り当てるビットを1とし、その他は0とする。よって、送信側では、この値に基づくデータが送信され、受信側ではこの値をもとに「緊急地震速報(気象庁):地震発生。次の地域で強い揺れに警戒:東京都23区、東京都多摩東部、神奈川東部」というメッセージを提示する。
【0054】
「パリティビット」は、誤り訂正に用いるパリティビットである。「差動復調の基準」及び「同期信号」を合わせた17ビットを除く18ビット目から「パリティビット」の直前の122ビット目までの105ビットを対象に、誤り訂正を可能とするパリティビットが82ビット格納される。例えば、ISDB−T方式のTMCC信号と同様に、差集合巡回符号(273,191)の短縮符号(187,105)を用いて誤り訂正符号化する。8ビット程度の誤り訂正が可能となるので、情報の信頼度を高め、より確実な伝送を可能とすることができる。
【0055】
「リザーブビット」は、将来の拡張に向けた予備のビットである。通常‘1’を格納しておく。この事例では、28ビット(「起動信号」を2ビットとし、1ビットの「更新フラグ」を用いる場合には26ビット)が「リザーブビット」として確保されている。ここでは、リザーブビットをまとめて置いたが、必要な情報の単位で付加する構成とする方が運用の途中での変更に対応しやすい場合がある。
【0056】
図1に本発明による実施例1の受信装置1の概略図を示す。受信装置1を構成するAC信号の受信部分は、AC受信・同期確立部2、AC情報解析部3、及び、警告発生部17から構成される。AC受信・同期確立部2は、周波数変換部4と、AD変換部5と、FFT処理部6と、AC抽出部7と、フレーム同期検出部8とを備える。更に、AC情報解析部は、誤り訂正部14と、AC復号部15と、情報処理部16とを備える。
【0057】
本発明の主たる緊急情報の受信制御部は、受信装置1における特定の構成要素の信号を監視する、受信電力検波部9と、フレーム同期確立情報検出部11と、MER検知部10と、フラグ監視許可部12と、緊急情報読み出し制御部13とから構成される。
【0058】
以下、個々の構成要素の詳細を記述する。周波数変換部4は、アンテナ20から入力された地上デジタルテレビジョン放送波のうち、所定のフィルタにより不要な周波数成分を除去した後、指定されたチャンネルを選択し、中間周波信号に周波数変換するとともに適宜増幅して出力する。このチャネル選択は、受信装置1にて予め定めておくこともできる。
【0059】
AD変換部5は、周波数変換部4から出力される中間周波信号をデジタルに変換し、デジタルベースバンド信号を送出する。
【0060】
FFT処理部6は、OFDMシンボルの有効シンボル期間についてFFT(Fast Fourier Transform)演算を行い、OFDM形式のストリームに復調する。尚、有効シンボル期間は、ガードインターバル相関などによりシンボル同期を行って規定することができ、予め規定した伝送モードに従ったFFTサンプル周波数でFFT演算を行う。
【0061】
AC抽出部7は、OFDM形式のストリームからACキャリアを抽出してDBPSKの遅延検波をした後、0又は1のレベル判定を行い、AC信号のビットストリームを得る。
【0062】
フレーム同期検出部8は、復調したAC信号と、AC信号に格納された電文情報の同期信号などのパターンとの一致検出を行って、両者が一致したときには復調されたAC信号の先頭のタイミングでフレーム同期信号(リセットパルス)を発生する。また、フレーム同期検出部8は、電文情報に含まれるフレーム同期に必要な情報(電文情報の同期信号など)に基づいて生成されたフレーム同期信号に基づいて、緊急情報のフレーム同期確立の有無を示す緊急情報同期確立情報を生成し、フラグ監視許可部12に向けて送出する。
【0063】
誤り訂正部14は、フレーム同期検出部8によって生成されたフレーム同期信号に同期して、緊急情報(AC信号)を、例えば差集合巡回符号方式のパリティビットを有する場合はその符号に基づき、誤り訂正する。尚、誤り訂正部14は、誤り訂正時のパリティチェックにおいて、誤り訂正しきれない誤りを検知した場合には、フレームエラーがある旨をパリティチェック情報に記載して出力する機能を有する。
【0064】
AC復号部15は、送信側の符号化方式に対応する復号形式で緊急情報を復号する。
【0065】
情報処理部16は、起動信号が属する緊急情報の識別を緊急情報識別信号から読み出すとともに、各種識別信号から県域または広域の種別並びに地域などを認識し、最大予測震度並びに震度4以上の強震地域を判別する。情報処理部16は、好適に位置検出機能を有し、受信装置1の位置する地域の情報を受信装置1が認識している場合には、受信装置1の位置する地域が震度4以上の強震地域にある条件で選択的に、復号した緊急情報を出力することができる。
【0066】
尚、好適には、表1に示すような緊急地震速報の電文情報の代わりに、表2に示すような緊急地震速報の電文情報を取り扱うこともできる。緊急地震速報を配信するためには、受信装置1にとって最小限必要な情報を的確に、且つ、迅速、確実に伝送する必要がある。例えば、強い揺れ(震度5弱以上)が推定される場合に、震度4以上が推定される地域を受信側で知ることを可能とする情報を発信することが所望される。そこで、放送事業者は地上デジタルテレビジョン放送の送信装置によって、地上デジタルテレビジョン放送の部分受信セグメント内にあるAC信号において、「最大予測震度」並びに「震度4以上の強震地域」を伝送する代わりに、例えば、放送事業者は地上デジタルテレビジョン放送の送信装置によって、「地震発生時刻」、発生場所(震源の位置情報:「震源の緯度」、「震源の経度」、「震源の深さ」)、及び地震の規模(「マグニチュード」)を伝送することもできる。
【0067】
この場合、情報処理部16は、表2に示すような緊急地震速報の電文情報、即ち地震源の位置情報(緯度、経度、深さ)及び地震の規模(マグニチュード)と、予め規定することができる地盤増幅度との情報から、予測震度及び強震動(主要動)の到達予測時刻を算出する。更に、情報処理部16は、好適に現在時刻検出機能を有する場合には、地震の発生時刻との和から、到達予測時刻の絶対時刻も算出することもできる。
【0068】
【表2】

【0069】
具体的には、情報処理部16は、次のように予測震度及び強震動(主要動)の到達予測時刻を算出する。
【0070】
予測震度は、計測震度IINSTRとして次式の非特許文献1に記載の計算式により算出される。
IINSTR=2.68+1.72 log(PGV)±0.21 (1)
【0071】
ここで、PGVは地表面での各地点の最大速度[cm/s]であり、非特許文献1に記載されるように、最大速度減衰式で計算される基準基盤(硬質基盤、S波速度600m/s)での最大速度PGV600と国土数値情報にある各対象となる地点での地盤増幅度ARViとの乗算で求められる値である。
PGV=1.31 PGV600×ARVi (2)
【0072】
尚、非特許文献1に記載されるように、最大速度減衰式は、式(3)で表され、PGV600[cm/s]の算出に必要となる情報は、マグニチュードM、震源の深さD[km]と断層最短距離x[km]のみである。
log(PGV600)=0.58 (M−0.171)+0.0038 D−1.29
−log(x+0.028×100.50(M−0.171))−0.002x (3)
【0073】
受信装置1がその位置情報を取得する機能を有し、現在受信装置1が存在する地点が分かっているとすると、震源の位置情報と受信装置の位置情報によりxを容易に算出することができる。
【0074】
また、ARViは地点に依存する値であるので、予め受信装置に記憶されていることで、位置情報に基づき選択利用することができる。
【0075】
よって、計測震度IINSTRは、受信装置1において未知数である震源の位置情報とマグニチュードを送信側から取得することにより、受信装置1において容易に算出できる。
【0076】
尚、計測震度IINSTRは小数点を含む数値として計算されるので、例えば表3に示すように、震度階級における最大予測震度に変換する。
【0077】
【表3】

【0078】
一方、受信装置1のいる地点への地震の発生時刻からの到達予測時刻(到達所要時刻)は、震央距離Δ[km]と震源の深さD[km]をもとに気象庁が示す走時表(例えばJMA2001)を用いて算出することができる。震央距離Δは震源の位置情報(緯度、経度)と受信装置1の位置情報から算出することができる値である。
【0079】
よって、主要動の到達予測時刻は、受信装置1において未知数である震源の位置情報と地震の発生時刻が伝達されることにより、受信装置1において容易に算出することができる。
【0080】
警告発生部17は、受信装置1に具備させることが可能な表示器(図示せず)に文字で表示するか、受信装置1に具備させることが可能なスピーカ(図示せず)から音で発生させるか、受信装置1に具備させることが可能なバイブレータ(図示せず)による振動警告を発するか、又は通常動作時とは異なる動作で知覚的に警告を発生する。或いは又、受信装置1が携帯電話、携帯情報端末(PDA)、腕時計、置時計、パーソナルコンピュータ等の何らかの機器に具備される場合には、これらの機器の機能を用いて、スピーカから音で発生させるか、バイブレータによる振動警告を発するか、又は通常動作時とは異なる動作で知覚的に警告を発生するようにすることもできる。
【0081】
受信電力検波部9は、方向性結合器とともに構成され、アンテナ20からの出力信号を監視し、アンテナ20で受信される地上デジタルテレビジョン放送信号の全セグメント又は部分受信セグメントの受信電力の値を出力する。例えば、受信電力検波部9は、ダイオードなどの検波器の電圧出力を別のAD変換部5を用いてデジタル信号に変換し、フラグ監視許可部12に出力する。尚、受信電力検波部9は、AD変換部5の出力端に接続して、中間周波信号のデジタル信号から受信電力の値を計算するように構成してもよい。
【0082】
フレーム同期確立情報検出部11は、AC受信・同期確立部2のフレーム同期検出部8が出力する緊急情報同期確立情報を受信し、フレーム同期の確立の有無を検出してその情報をフラグ監視許可部12に出力する。
【0083】
MER検知部10は、AC抽出部7が抽出したAC信号の遅延検波前のDBPSK信号のコンスタレーションから計算されるMER(modulation error ratio)値を計算して出力する。
【0084】
受信電力検波部9、フレーム同期確立情報検出部11、及び、MER検知部10の各出力は、後述するように、フラグ監視許可部12において、これらの出力のうちの1つ以上により、起動信号及び緊急情報内の情報の読み出しを行う際の判断基準となる信号である。
【0085】
フラグ監視許可部12は、受信電力検波部9、フレーム同期確立情報検出部11、及び、MER検知部10からそれぞれ出力される、受信電力の値(受信電界強度を計算してもよい)、緊急情報同期確立情報値(AC信号のフレーム同期確立の有無)、及びAC信号のMER値の各値のうちの1つ以上を取得し、予め規定した受信状態の評価基準(例えば、各値を数段階の受信状態の評価値として表し、任意の重み付けで加重平均する)と比較することにより、当該緊急情報の受信状態の受信品質を評価し、起動信号の監視機能(図示せず)を動作させるか否か、並びに、AC情報解析部3を動作させ、緊急情報などの情報を読み出すか否かを決定し、この評価により前記緊急情報の受信状態のレベルが前記評価基準を満たしていないと判断した場合には、起動信号における緊急情報の有無に関らず、緊急情報を当該受信装置1の受信者へ通知することを防止する制御情報を緊急情報読み出し制御部13に出力する。
【0086】
例えば、フラグ監視許可部12は、評価基準として、受信電力又は受信電界強度の値を使用して所定の閾値以上であるか否かによって評価する。或いは又、フラグ監視許可部12は、評価基準として、前記伝送制御信号のコンスタレーションから計算されるMER値を使用して所定の閾値以上であるか否かによって評価する。或いは又、フラグ監視許可部12は、評価基準として、前記伝送制御信号のフレーム同期確立の有無を示す緊急情報同期確立情報値を使用してその同期の有無によって評価する。或いは又、フラグ監視許可部12は、評価基準として、受信電力又は受信電界強度の値、MER値、緊急情報同期確立情報値のいずれか1つ以上を使用して評価する。
【0087】
緊急情報読み出し制御部13は、フラグ監視許可部12から出力される制御情報を入力し、当該制御情報に基づき、受信状態が悪く緊急情報の受信が不可と判断された場合には、AC情報解析部3の動作を停止するよう制御信号を出力するとともに、起動信号の監視機能(図示せず)の動作を停止する。逆に、受信状態が良いと判断した場合には、起動信号の監視を行い、起動信号により緊急情報を検知すると、AC情報解析部3を動作させ、緊急情報内の情報を読み出すように制御信号を出力する。
【0088】
尚、緊急情報読み出し制御部13は、受信状態が良いと判断した場合には、受信装置1の表示部に、例えば、地上デジタルテレビジョン放送の受信端末の表示画面上にレベル計の表示を重ねて表示し、受信装置1の受信者がその状態を理解できるようになっている。このほか、表示部のフレーム面などにLEDで表示することや、受信端末が携帯電話に備えられている場合にはその携帯電話が有する別の液晶等の子画面に表示することもできる。尚、図示しない表示装置は、緊急情報の警告発生部17と共用するように構成することもできる。
【0089】
以下、より詳細に実施例1の受信装置1の受信動作について説明する。
【0090】
まず、実施例1の受信装置1は、AC受信・同期確立部2により、選択されたチャンネルにて受信したOFDM信号からガードインターバル相関などによりシンボル同期を行い、FFT演算を経てAC信号を抽出する。
【0091】
更に、実施例1の受信装置1は、AC受信・同期確立部2により、AC信号に多重された同期信号に基づき、AC信号のフレーム同期を行う。
【0092】
そして、実施例1の受信装置1は、フレーム同期に基づいて得られたタイミングに従い、DBPSK復調し、また、AC情報解析部3によって受信し、緊急情報を認識して、警告発生部17に出力する。
【0093】
実施例1の、本発明の主たる緊急情報の受信制御部は、上述のAC信号の受信動作を許可するかどうかを判断するために、受信電力検波部9、フレーム同期確立情報検出部11、又は、MER検知部10のうちの1つ以上から得られる情報を基に、フラグ監視許可部12により、AC信号の受信装置1が受信して復調するための緊急情報の受信状態の受信品質を判別し、その推定結果を基に緊急情報読み出し制御部13を介してAC情報解析部3及び起動信号の監視機能(図示せず)の動作を制御する。これにより、受信装置1が当該緊急情報を受信できる状況にない場合には、受信動作を停止し、受信誤りによる緊急情報を受信装置1の受信者へ通知することを防止することができる。
【0094】
上述した実施例1の受信装置1は、AC信号により伝送される緊急地震速報を受信するものとして説明したが、TMCC信号により伝送される緊急警報放送又は緊急地震速報を受信するように構成した場合にも、同様の効果が得られる。即ち、現在のTMCC信号の緊急警報放送の場合も、将来の拡張性を考慮したTMCC信号の現在未利用な部分、リザーブビットを用いて緊急地震速報を伝送する場合も、上記のAC信号による緊急地震速報の伝送と同様に、受信状況に応じた本発明の機能を動作させることができる。
【0095】
尚、TMCC信号は、例えば、ISDB−T方式の地上デジタルテレビジョン放送波の部分受信セグメント(セグメント番号#0)のモード3の同期変調部の場合、キャリア番号#101、#131、#286及び#349の4箇所にあるTMCCキャリアによって運ばれる、受信装置1の復調動作に関わる情報を伝送するために設けられている信号として知られている。
【0096】
実施例1の受信装置1により、受信者は受信装置1が緊急情報を確実に受信できない環境にあるときに、該緊急情報の誤報を受信することがなくなり、真の緊急情報のみを確実に受信できるようになる。
【0097】
次に、本発明による実施例2の受信装置31について説明する。尚、実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
【実施例2】
【0098】
図2に、本発明による実施例2の受信装置31を示す。実施例2の受信装置31を構成するAC信号の受信部分は、AC受信・同期確立部2、AC情報解析部3、及び、警告発生部17から構成され、基本的に実施例1の受信装置1と同様である。
【0099】
AC受信・同期確立部2は、周波数変換部4と、AD変換部5と、シンボル同期部21と、FFT処理部6と、AC抽出部7と、フレーム同期検出部8とを備える。シンボル同期部21は、ガードインターバル相関などによりシンボル同期を行う機能を有し、実施例1ではその説明を省略していたものである。
【0100】
AC情報解析部3は、誤り訂正部14と、AC復号部15と、情報処理部16とを備え、実施例1の受信装置1と同様である。
【0101】
本発明の実施例2の受信装置31の主たる緊急情報の受信制御部は、受信装置31における特定の構成要素の信号を監視する、受信電力検波部9と、ガードインターバル相関ピーク検出部22と、フレーム同期確立情報検出部11と、MER検知部10と、フラグ監視許可部12と、緊急情報読み出し制御部13とから構成され、ガードインターバル相関ピーク検出部22が追加されている点で実施例1とは相違する。本発明の実施例2の受信装置31では、緊急情報の受信状態の受信品質を評価する際に、評価基準として、シンボル同期を行う際に計算されるガードインターバル相関の演算結果から得られるシンボル同期の検出情報が所定の閾値条件以上であるか否かによって評価することを含むように構成している。
【0102】
実施例2の受信装置31の説明において、実施例1の受信装置1と同様の構成要素についての詳細は省略する。
【0103】
実施例1の受信装置1のFFT処理部6について説明したように、有効シンボル期間は、ガードインターバル相関などによりシンボル同期を行って規定することができ、シンボル同期部21は、このシンボル同期を担って動作する。
【0104】
ここで、シンボル同期の原理を確認する。図3(a)は、ガードインターバル相関演算部211とシンボル検出部211とを備えるシンボル同期部21の一例を示しており、図3(b)は、有効シンボル期間とガードインターバル期間の関係を示す図である。一般に、OFDMシンボルは、図3(b)に示すように、データ情報を運ぶ有効シンボル期間T(Nサンプル)の前に、ガードインターバル比RGI、例えば1/8で規定される長さのガードインターバル期間TGI(=RGI×T)(NGIサンプル=RGI×N)を設けて構成される(図示1b)。ガードインターバルには、マルチパスの影響の緩和が目的であるため、有効シンボル期間の終わり部分のNGIサンプル分(図示1a)のコピーが用いられる。
【0105】
従って、OFDMシンボルのガードインターバル期間TGIと有効シンボル期間Tの最後の部分との間には、常に相関関係があるので有効シンボル期間Tと同じ長さの遅延時間差で自己相関係数を計算すると、ちょうどOFDMシンボルの周期で相関係数にピーク値が観測される。シンボル同期は、この関係を利用している。
【0106】
図3(a)を参照するに、シンボル同期部21内にて、AD変換部5を経てガードインターバル相関演算部211に入力される受信信号は、2分岐され、一方は乗算部2112に入力され、他方は遅延部2111に入力される。遅延部2111は、有効シンボル期間長Tの遅延、即ちNサンプル分の遅延させたサンプル信号を乗算部2112に入力する。乗算部2112は、受信信号の各サンプル信号とNサンプル分の遅延させた対応する各サンプル信号との間で乗算を行い、その後、積算部2113は、その結果である、乗算部2112が出力する各サンプルの乗算結果に対しガードインターバル期間TGIのスライド積算を行い、即ちNGIサンプル分のバッファに記録された、受信信号の各サンプル信号とNサンプル分の遅延させた対応する各サンプル信号との間の乗算結果を、毎シンボル積算して出力する。絶対値演算部2114は、積算部2113の出力に対して絶対値演算を施し、これにより出力されたガードインターバル相関の演算結果は、図4(a)に示されるような、T+TGI(或いは(N+NGI)サンプル)周期で相関ピークを有する信号を送出する。シンボル検出部212は、OFDMシンボルの周期と一致するこの周期を検出し、この周期で切り出したNサンプル分の受信信号の各OFDMシンボルをサンプリングして、FFT処理部6に送出する。
【0107】
このとき、ガードインターバル相関演算部211が出力するガードインターバル相関の演算結果は、理想的には図4(a)に示すような結果であるが、実際には、建造物や地形による遮蔽やマルチパスなど放送波の伝搬経路の環境の変化により、受信電力の大きさの変化とともに変動しうる。例えば、図4(b)及び図4(c)に示すように、劣悪な伝搬環境に依存して、ガードインターバル相関の演算結果に観測されるピーク値の大きさやピークの数は変動する。
【0108】
これは、受信したOFDM信号の受信品質と関係がある。図4(b)には、受信電力が低く、雑音が大きい場合の事例を示す。図4(a)の事例に比べて、ピークが小さくまたピーク以外の部分の雑音による変動も目立っており、両者の比が小さいことを表している。図4(c)には、反射波の存在により複数のピークが観測され、結果としてピークの幅が広くなり、またピークの値も小さくなった場合の事例が示されている。図4(a)に比べて、図4(b)や図4(c)では受信特性が劣化することを表している。
【0109】
従って、シンボル検出部212は、ピーク間で切り出した受信信号の各OFDMシンボルをサンプリングして得られるシンボルをFFT処理部6に送出するとともに、このシンボル同期の検出情報(例えば、そのピーク値、或いはピークの数、或いはピークの幅、或いは分布状態)をガードインターバル相関ピーク検出部22に送出することができる。本発明の実施例2の受信装置31においては、このシンボル検出部212によりサンプリングされる際の検出情報を受信状態の評価値の一つとして用いる。
【0110】
ガードインターバル相関ピーク検出部22は、シンボル同期部21、即ちシンボル検出部212が出力するシンボル同期の検出情報をフラグ監視許可部12に出力する。
【0111】
フラグ監視許可部12は、受信電力検波部9と、ガードインターバル相関ピーク検出部22と、フレーム同期確立情報検出部11と、MER検知部10とから受け取った情報を基に、AC信号の受信装置31が受信して復調するための緊急情報の受信状態の受信品質を判別し、その推定結果を基に緊急情報読み出し制御部13を介してAC情報解析部3及び起動信号の監視機能(図示せず)の動作を制御する。
【0112】
これにより、受信装置31が当該緊急情報を受信できる状況にない場合には、受信動作を停止し、受信誤りによる緊急情報を受信装置31の受信者へ通知することを防止することができる。
【0113】
受信電力検波部9、ガードインターバル相関ピーク検出部22、フレーム同期確立情報検出部11、及び、MER検知部10は、フラグ監視許可部12がAC信号の受信装置31が受信して復調する緊急情報の受信品質を判別する際に、そのいずれか1つ、又はいずれか2つの組合せ、又はいずれか3つの組合せ、又は全てとして構成することができるものである。
【0114】
実施例2の受信装置31により、受信者は受信装置31が緊急情報を確実に受信できない環境にあるときに、該緊急情報の誤報を受信することがなくなり、真の緊急情報のみをより確実に受信できるようになる。
【0115】
次に、本発明による実施例3の受信装置41について説明する。尚、実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
【実施例3】
【0116】
実施例3の受信装置41は、フレーム間間欠受信として、複数のOFDMフレーム間で間欠的にAC信号を受信するとともに、フレーム内間欠受信として、或るOFDMフレーム内で、必要な情報のみ間欠的に受信するように構成される。
【0117】
図5に、本発明による実施例3の受信装置41を示す。実施例3の受信装置41は、実施例1の受信装置1の構成に対して、電源26と、AC受信・同期確立部2への電源の投入を制御する第1の電源スイッチ23と、AC情報解析部3への電源の投入を制御する第2の電源スイッチ24と、電源制御部25とを更に備える。実施例1の受信装置1と同様の構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0118】
尚、説明の簡略化のため、実施例1の受信装置1の構成に対して、MER検知部8を省略しているが、同様に用いることができる。また、実施例2で追加したガードインターバル相関ピーク検出部22も同様に用いることができる。
【0119】
電源制御部25は、図示していないが、常時、電源26から給電されている。AC受信・同期確立部2のフレーム同期検出部8の出力を入力し、電源制御部25内部でフレーム同期を保持する機能を有する。これは、例えばクロック発生器とカウンタで構成され、クロック発生器で発生したクロックをカウンタでカウントし、カウント値が所定値となる毎にフレームパルスを発生すると共にカウント値をフレーム同期信号(リセットパルス)に従ってリセットし、このフレームパルスに従って、電源制御部25に接続される2つのスイッチ、第1の電源スイッチ23及び第2の電源スイッチ24を開閉し、フレーム間間欠受信及びフレーム内間欠受信の電源供給を制御する。
【0120】
電源制御部25の2つのスイッチの開閉の制御信号は、内部で保持するフレームパルスと、フレーム同期検出部8からの緊急情報同期確立情報(尚、この事例では、フレーム同期確立情報検出部11への緊急情報同期確立情報の入力は、この電源制御部25を経て行う。)に基づき、複数のOFDMフレーム間での間欠受信、又は同一OFDMフレーム内での所定情報のみの間欠受信、或いはこれらの組み合わせの間欠受信を決定し、必要な各間欠受信のタイミングでオン/オフ(0又は1の値)する制御信号である。
【0121】
第1の電源スイッチ23は、電源制御部25が出力する制御信号のタイミングで開閉し、AC受信・同期確立部2の電源供給を制御するように動作する。
【0122】
一方で、電源制御部25は、AC受信・同期確立部2から送信される緊急情報内の情報のうち、例えば、「緊急地震速報」があるか否かを監視する(例えば、表1又は表2の起動信号のみあるいは各種識別信号を含めて監視する)機能を有し、緊急情報があることを判別した場合には、AC受信・同期確立部2への電源供給を継続的に行うように第1の電源スイッチ23の切り替えを行うとともに、AC情報解析部3への電源供給を行うように第2の電源スイッチ24の切り替えを行う。
【0123】
それとは逆に、電源制御部25は、緊急情報がある旨を示す電文情報の起動信号の値から、平常時の状態に変更される旨を判別した場合には、電源制御部25からの制御信号のタイミングで、緊急情報の監視に必要な情報のみを常時監視するように、AC受信・同期確立部2への電源供給を第1の電源スイッチ23によって制御するとともに、AC情報解析部3への電源供給を遮断するように第2の電源スイッチ24の切り替えを行う。
【0124】
この動作をフレーム間間欠受信及びフレーム内間欠受信として行うことにより、極めて消費電力を節約しながら、緊急情報を確実に、且つ即時に取得できるようになる。
【0125】
また、実施例3の本発明の主たる緊急情報の受信制御部は、実施例1または実施例2の該受信制御部と同様に動作する。即ち、受信電力検波部9、ガードインターバル相関ピーク検出部22、フレーム同期確立情報検出部11、及び、フラグ監視許可部12は、常時電源が投入されており、実施例3の受信装置41においても、受信者は、受信装置41が緊急情報を確実に受信できない環境にあるときに、緊急情報の誤報を受信することがなくなり、本当の緊急情報のみを確実に受信できるようになる。
【0126】
尚、実施例3においては、実施例1の緊急情報読み出し制御部13は、電源制御部25の中に組み込まれて動作しており、図示していない。
【0127】
また、実施例3の受信装置41は、フラグ監視許可部12が、受信状態が良いと判断した場合には、実施例1の受信装置1と同様に、受信装置41の表示部に、例えば、地上デジタルテレビジョン放送の受信端末のフレーム上のLEDなどにより、受信装置41の受信者がその状態を理解できるようになっている。
【0128】
続いて、本発明による実施例4の受信装置51について説明する。尚、実施例1と同様な構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
【実施例4】
【0129】
図6に、本発明による実施例4の受信装置51を示す。実施例4の受信装置51は、AC受信・同期確立部2、及びAC情報解析部3の双方が常時電源投入の可能な状態で電文情報の内容を全て復号する場合に、誤り訂正部14から出力されるパリティチェック情報を入力して、AC信号に誤りがないかを検知し、緊急情報の受信状態の受信品質を判定するパリティ検知部32を備える。パリティ検知部32は、実施例1の受信装置1の受信電力検波部9及びMER検知部10、そして、実施例2のガードインターバル相関ピーク検出部22の代わりに設けることができるが、併用することにより、パリティチェックの誤り見逃しや誤検出時にもより確実な動作が期待できる。
【0130】
尚、本実施例の誤り訂正部14は、誤り訂正時のパリティチェックにおいて、誤り訂正しきれない誤りを検知した場合には、パリティチェック情報にフレームエラーがあることを記載してパリティ検知部32に出力する機能を有する。このように構成することにより、実施例4の受信装置51は、起動信号における緊急情報の有無に関らず、緊急情報を当該受信装置51の受信者へ通知することを防止するように機能する。
【0131】
パリティ検知部32は、AC情報解析部3の誤り訂正部14が行った誤り訂正の過程で出力される検査結果(パリティチェック情報)を受信し、例えば、所定の複数のOFDMフレーム分の誤りの数などを基準に、その誤りの程度を判定して当該緊急情報の受信情報の受信状態の受信品質を判定し、該受信品質の判定結果を所定の情報として生成し、フラグ監視許可部12に出力する。
【0132】
なお、パリティチェック情報には、例えば差集合巡回符号の誤り訂正後に再びパリティチェックを行った結果や、CRC(Cyclic Redundancy check)符号を別途付加し、誤り訂正後にパリティチェックを行った結果などを用いることができる。
【0133】
フラグ監視許可部12は、実施例1と同様に、フレーム同期確立情報検出部11が出力するAC信号のフレーム同期の確立の有無の情報とともに、このパリティチェック情報を入力し、その値を基に、予め定めた受信状態の評価基準(例えば、各値を数段階の受信状態の評価値として表し、任意の重み付けで加重平均する)に従って、当該緊急情報の受信状態を判断し、その判断した指標に基づき、起動信号の監視機能(図示せず)を動作させるか否か、並びに、AC情報解析部3を動作させ、緊急情報などの情報を読み出すか否かを決定し、その制御情報を緊急情報読み出し制御部13に出力する。
【0134】
そして、緊急情報読み出し制御部13は、フラグ監視許可部12から出力される制御情報を入力し、当該制御情報に基づき、受信状態が悪く起動信号の監視を禁止すると判断した場合には、AC情報解析部3の動作を停止するよう制御信号を出力するとともに、起動信号の監視機能(図示せず)の動作を停止する。逆に、受信状態が良いと判断した場合には、起動信号の監視を行い、起動信号により緊急情報を検知すると、AC情報解析部3を動作させ、緊急情報を読み出すように制御信号を出力する。
【0135】
尚、実施例4の受信装置51は、フラグ監視許可部12が、受信状態が良いと判断し、起動信号の監視を許可し、AC情報解析部3の動作を許可している場合には、実施例1の受信装置1と同様に、受信装置51の表示部に、例えば、地上デジタルテレビジョン放送の受信端末のフレーム上のLEDなどにより、受信装置51の受信者がその状態を理解できるようになっている。
【0136】
このように、本発明の実施例4においても、受信装置51を有する受信者は、受信装置51が緊急情報を確実に受信できない環境にあるときに、該緊急情報の誤報を受信することがなくなり、真の緊急情報のみを確実に受信できるようになる。
【0137】
尚、上記実施例4において、受信装置51のAC受信・同期確立部2、及びAC情報解析部3の双方が常時電源投入されており電文情報の内容の全てが復号される場合で説明したが、実施例4の受信装置51において、起動信号の緊急情報のある旨を示す値が仮に検知され、受信装置51のAC受信・同期確立部2とAC情報解析部3の双方が電源投入された状態に適用することもできる。
【0138】
上述の実施例については特定の受信品質の評価方式を代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変形及び置換することができることは当業者に明らかである。例えば、上述した実施例では、本発明の理解を容易にするために、本発明に係る受信装置を、例えば携帯電話に具備させることが可能であるとして説明したが、当該携帯電話が予め有する復調及び復号機能に本発明に係る受信装置の機能を統合させることもできる。また、当該携帯電話が受信電力などを検知する機能を有する場合には、本発明の受信電力などの検出機能を当該携帯電話自身が有する機能を用いて、上述の実施例と同様に機能させることができる。更に、緊急情報がAC信号により伝送されるとして説明したが、TMCC信号により伝送されるように構成してもよい。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明による受信装置は、緊急警報放送や緊急地震速報など緊急情報を、確実に受信することをできるようにするため、地上デジタルテレビジョン放送の受信品質に係わる様々な用途に有用である。
【符号の説明】
【0140】
1 受信装置
2 AC受信・同期確立部
3 AC情報解析部
4 周波数変換部
5 AD変換部
6 FFT処理部
7 AC抽出部
8 フレーム同期検出部
9 受信電力検波部
10 MER検知部
11 フレーム同期確立情報検出部
12 フラグ監視許可部
13 緊急情報読み出し制御部
14 誤り訂正部
15 AC復号部
16 情報処理部
17 警告発生部
20 アンテナ
21 シンボル同期部
22 ガードインターバル相関ピーク検出部
23 第1の電源スイッチ
24 第2の電源スイッチ
25 電源制御部
26 電源
31 受信装置
32 パリティ検出部
41 受信装置
51 受信装置
211 ガードインターバル相関演算部
212 シンボル検出部
2111 遅延部
2112 乗算部
2113 積算部
2114 絶対値演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタルテレビジョン放送波から伝送制御信号を受信する受信装置であって、
緊急情報の有無を識別する起動信号と、緊急情報とを格納する電文情報が、前記伝送制御信号にて伝送されるように予め規定されており、
前記地上デジタルテレビジョン放送波を受信して前記伝送制御信号を抽出する手段と、
前記緊急情報の受信状態の受信品質を予め定めた評価基準に従って評価する手段と、
前記評価により前記緊急情報の受信状態のレベルが前記評価基準を満たしていないと判断した場合には、前記起動信号における前記緊急情報の有無に関らず、前記緊急情報を当該受信装置の受信者へ通知することを防止する手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記伝送制御信号がAC信号又はTMCC信号であることを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、受信電力又は受信電界強度の値を使用して所定の閾値以上であるか否かによって評価することを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、前記放送波の受信信号に対しシンボル同期を行う際に計算されるガードインターバル相関の演算結果から得られるシンボル同期の検出情報が所定の閾値条件以上であるか否かによって評価することを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項5】
前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、前記伝送制御信号のコンスタレーションから計算されるMER(modulation error ratio)値を使用して所定の閾値以上であるか否かによって評価することを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項6】
前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、前記伝送制御信号のフレーム同期確立の有無を示す緊急情報同期確立情報値を使用してその同期の有無によって評価することを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項7】
前記緊急情報の受信状態の受信品質を評価する手段が、前記評価基準として、受信電力又は受信電界強度の値、前記放送波の受信信号に対しシンボル同期を行う際に計算されるガードインターバル相関の演算結果から得られるシンボル同期の検出情報、前記伝送制御信号のコンスタレーションから計算されるMER値、前記電文情報から生成される緊急情報のフレーム同期確立の有無を示す緊急情報同期確立情報値のいずれか1つ以上を使用して評価することを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項8】
前記起動信号の情報のみを受信するように、フレーム内間欠受信動作又はフレーム間間欠受信動作で当該受信装置に電源供給する制御手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
【請求項9】
前記電文情報の内容を全て復号する場合に、前記電文情報の誤り訂正を行う手段と、
前記誤り訂正時のパリティチェック情報から、誤りの有無を検知する手段と、
該誤りが有ると判断した場合に、前記起動信号における前記緊急情報の有無に関らず、前記緊急情報を当該受信装置の受信者へ通知することを防止する手段と、
を更に備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−136319(P2010−136319A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112220(P2009−112220)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【Fターム(参考)】