説明

地中構造物築造工法

【課題】撹拌されない領域や、撹拌が重複してしまう領域が生じることが無く、そして、施工に必要な労力及びコストを低減することが出来る様な地中構造物築造工法の提供。
【解決手段】掘削手段(4、80、80A)を回転させて当該掘削手段直下の領域を所定深度まで掘削する工程と、掘削手段が回転する際に、掘削手段に設けられた流体噴射手段(7、71a、71A、71b)から流体を噴射して撹拌するべき領域の土壌を切削して撹拌する工程と、所定の深度まで到達した掘削手段を引き上げる工程、とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地中壁や改良固結体、その他の地中構造物を築造するための工法に関する。より詳細には、本発明は、撹拌工法を改良した地中構造物築造工法に関する。
【背景技術】
【0002】
完全置換を目的とした掘削工法では、掘削された泥土が地上側に排出される。そして、排出された泥土は、産業廃棄物として処分する必要があった。
これに対して、「撹拌」であれば、地上側に排出される泥土は少ない。そのため、地上に排出された泥土を産業廃棄物として処理する労力や、コストが低減される。
【0003】
従来の撹拌機械を用いた撹拌工法では、当該撹拌機械に設けた先端ビット及びオーガで、撹拌工法の施工予定箇所を掘削し、オーガと撹拌翼で原位置土と固化材とを撹拌する。
【0004】
ここで、撹拌機械では、例えば、3軸程度のオーガを有するタイプや、1軸のオーガで行うものなどが存在する。
【0005】
複数軸、例えば3軸のオーガを有する撹拌機械(例えば、特許文献1参照)で撹拌工法を実施した場合、図34で示す様に、撹拌されない領域(地盤が残存した部分)「N」が存在してしまう。
【0006】
また、複数軸のオーガを有する撹拌機械で撹拌工法を実施した場合、図34において符号「M」で示す様に、隣接する各オーガによる撹拌領域が重複してしまう部分(重複領域)が存在してしまう。このような重複領域「M」は、重複している分、作業が無駄となる。
【0007】
「N」、「M」を作ること無く、平面形状長方形の孔を掘ることが望まれる。
【0008】
ここで、ハイドロフレーズ(Hydro Fraise)工法がある。ハイドロフレーズ工法は図35に斜視図として示すように、回転軸Sが水平方向に延びる2つのローラー状のビット40で施工領域を掘削する工法である。
図35で示す工法によれば、複数軸のオーガを有する撹拌機械で撹拌工法を実施した場合の様に、撹拌されない領域(地盤が残存した部分:図34の「N」)が存在してしまう事が無い。
また、隣接する各オーガによる撹拌領域が重複してしまうこと(重複領域「M」が存在してしまうこと)も無い。
【0009】
しかし、所定深度まで図35の様なローラー状のビット40(或いはドラム)で掘削して、掘削された領域を固化材で置換する必要がある。そのため、撹拌工法と比較して、多大な労力及びコストを要する、という問題が残る。
【特許文献1】特開平7−207665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述する従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、撹拌されない領域(例えば、図34の領域「N」)或いは撹拌が重複してしまう領域(例えば、図34の領域「M」)が存在してしまうことが無く、そして、施工に必要な労力及びコストを低減することが出来る様な地中構造物築造工法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の地中構造物築造工法は、掘削手段(例えば円盤状のドラムカッター4、或いはチェーンカッター80、80A)を回転させて当該掘削手段(4)直下の領域を所定深度まで掘削する工程と、掘削手段が回転する際に、掘削手段に設けられた流体噴射手段(例えばノズル7、71a、71A、71b)から流体(例えば、切削流体或いは硬化材)を噴射して撹拌するべき領域の土壌を切削して撹拌する工程と、所定の深度まで到達した掘削手段を引き上げる工程、とを有することを特徴としている(請求項1)。
【0012】
ここで、前記掘削手段(例えば円盤状のドラムカッター4、或いはチェーンカッター80)は、少なくとも1対が所定の間隔を隔てて水平方向に向かい合う様に配置されており、前記撹拌する工程では、掘削手段(4、80)が回転する際に、各々の掘削手段に設けられた流体噴射手段(例えばノズル7、71a)から向かい合う掘削手段に向けて流体(例えば、切削流体或いは硬化材)を噴射して掘削手段間の領域の土壌を切削して撹拌しているのが好ましい(請求項2:図1〜図26)。
【0013】
或いは、前記掘削手段(例えばチェーンカッター80A)は中央部分に1つだけ設けられており、前記撹拌する工程では、掘削手段(80)が回転する際に、掘削手段に設けられた流体噴射手段(例えばノズル71A、71b)から流体(例えば、切削流体或いは硬化材)を噴射して、掘削手段直下以外の領域であって、掘削手段両側の領域における土壌を切削して撹拌しているのが好ましい(請求項3:図27、図28)。
ここで、流体噴射手段(例えばノズル71b)から噴射される流体(例えば、切削流体或いは硬化材)は交差噴流を構成しており、以って、当該流体により切削、撹拌される範囲を高精度に制御出来るのが好ましい。
【0014】
本発明において、掘削手段(例えばドラムカッター4、或いはチェーンカッター80、80A)が下降する際には流体噴射手段(例えばノズル7、71、71a、71A、71b、72)から切削流体(例えば、高圧水)を噴射し、掘削手段が引き上げられる際には流体噴射手段から硬化材(例えば、セメントミルク)を噴射するのが好ましい(請求項4)。
【0015】
或いは、掘削手段(例えばドラムカッター4、或いはチェーンカッター80、80A)が下降する際にも、掘削手段が引き上げられる際にも、流体噴射手段(例えばノズル7、71、71a、71A、71b、72)から硬化材(例えば、セメントミルク)を噴射する様に構成することも可能である(請求項5)。
【0016】
また本発明において、施工現場の条件(例えば、地中連壁築造の施工現場においては、連壁の幅)に対応させて、少なくとも1対の掘削手段(例えば円盤状のドラムカッター4、或いはチェーンカッター80)の間隔を調節する工程を有することが好ましい(請求項6)。
ここで、掘削手段の間隔の調節は、公知の伸縮機構(5)を適用することが出来る。
【0017】
そして、掘削手段(例えば円盤状のドラムカッター4、或いはチェーンカッター80、80A)は吊り下げ材によって地中に吊り下げられ、当該吊り下げ材としては、剛体(例えば、テレスコピックロッド120や、継ぎ足し可能に構成された通常のロッド)であっても、可撓性部材(例えば、ワイヤ)であっても良い。
【0018】
ここで、吊り下げ材がロッドの様な剛体(例えば、テレスコピックロッド120)であれば、駆動源(例えば、油圧モータ130)を地上に配置して、当該剛体(120)を介して掘削手段(例えば円盤状のドラムカッター4、或いはチェーンカッター80、80A)まで動力を伝達する様に構成することが可能である。
一方、吊り下げ材がワイヤの様な可撓性部材であれば、駆動源(例えば、油圧モータ130)を掘削手段近傍の箇所で吊り下げて、駆動用流体(例えば圧油)を地上側から供給させることが出来る。
なお、剛体で駆動源と掘削手段とを接続するよりも、可撓性部材により駆動源を掘削手段近傍の位置まで吊り下げる方が、一般的に施工は簡単である。
【0019】
さらに本発明において、(例えば円盤状の)掘削手段(ドラムカッター4)は複数対設けられているのが好ましく、より詳細には、吊り下げ材(後述)を中心に左右の回転力を均等にせしめるため、偶数対設けられているのが好ましい。
【0020】
本発明の実施に際して、前記掘削手段は、円盤状のドラムカッター4が好ましい。
或いは、前記掘削手段は、チェーン(82)に掘削ビット(74)が付設されたチェーンカッター(80)であることが好ましい。ここで、上記チェーンカッターは公知のものが適用可能である。
【0021】
本発明の地中構造物築造工法において、前記掘削手段として前記チェーンカッター(80)を使用する場合には、チェーン(82)に掘削ビット(74)を付設したチェーンカッター(80)を掘削手段として走行させて当該掘削手段(80)直下の領域を所定深度まで掘削する工程と、掘削手段(80)が走行する際に、掘削手段(80)に設けられた流体噴射手段(ジェット噴射円盤)(90、92)から所定の距離まで土壌を切削して撹拌する工程と、所定の深度まで到達した掘削手段(80)を引き上げる工程、とを有しているのが好ましい。
ここで、上記のジェット噴射円盤は複数の噴射ノズルを有し、複数の噴射ノズルから水平方向に噴射された高圧噴流が交差する点までの距離が切削距離となるように構成されている。
【0022】
さらに、前記チェーンカッターを揺動させて土壌を切削する揺動掘削工程を有することが好ましい。
係る揺動掘削工程を実施するに際しては、チェーンカッターの揺動角度によって掘削幅寸法を決定させる。
【発明の効果】
【0023】
上述した様な構成を具備する本発明によれば、掘削手段(例えばドラムカッター4、或いはチェーンカッター80、80A)間の土壌は、前記噴射手段(例えばノズル7、71、71a、71A、71b、72)から噴射されるジェット噴流(切削水或いは硬化材)により切削され、当該ジェット噴流が回転することにより均一に撹拌される。
そのように構成すれば、従来の様にローラー状の掘削手段で掘削することに比較して、掘削に必要なエネルギーが節約出来る。
【0024】
ここで、ジェット噴流を噴射して土壌を撹拌する方が、撹拌翼で土壌を掻き回す場合に比較して、撹拌効率が良いことは既に知られている。
【0025】
ここで、前記掘削手段をチェーンに掘削ビットが付設されたチェーンカッターにすれば、円盤状のドラムカッター4で掘削手段を構成する場合に比較して、土壌掘削の効率が向上する。それに加えて、公知のチェーンカッターを使用することが出来て、しかも、掘削ビットの損耗による掘削能力の低下は、掘削ビットの交換によって容易に回復できるという保全上の利点がある。
【0026】
また、本発明によれば、土壌の掘削或いは切削、流体噴射手段による土壌固化用硬化材の注入及び攪拌が、一連の作業として能率的に施工できる利点がある。また、掘削あるいは切削された土壌を硬化材と攪拌して使用するので、施工現場の土壌を全て固化材と置換する場合に比較して、産業廃棄物である廃土の発生量が少ない。
【0027】
また、本発明によれば、前記円盤状のドラムカッター4の個数を増加し、或いは、前記チェーンカッターを揺動させることにより、土壌の掘削領域を広げることが出来るので、小型の装置で大きな溝を掘削できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、説明する。
先ず、図1〜図6を参照して第1実施形態を説明する。
図1及び図1のA部詳細図である図2において、当該施工機械は、図示の例では、クローラ走行方式のベースマシン100と、そのベースマシン100の揺動アーム110と、揺動アーム110の先端に取付けられ垂直方向に配置され、軸方向に伸縮自在のテレスコピックロッド120とを有している。
【0029】
テレスコピックロッド120の先端には油圧モータ130が設けられ、油圧モータ130の図示しない出力軸には油圧モータ130によって回転力を与えられる第1のドライブ軸1が係合されている。
【0030】
第1のドライブ軸1は、管状ケーシング140によってカバーされている。その第1のドライブ軸1の回転力は垂直軸周りの回転力を水平軸周りの回転力に変換する回転力変換機構2と第1のドライブ軸と直交する様に配置された第2のドライブ軸3を介して、第2のドライブ軸3の両端に固着された1対のドラムカッター4を回転駆動させる様に構成されている。
【0031】
1対のドラムカッター4のドラム外周面には複数のカッタービット8が植設されている。また、そのドラムカッター4の各々の対抗する側面には噴射口を水平方向に向けた1個以上のノズル7が設けられている。
尚、図1において符号150は、後述のドラムカッター4のノズル7に切削流体及び/又は硬化材を圧送し且つ油圧モータ130に油圧を供給するための油圧ポンプを、図2の符号135は油圧の搬送手段である油圧ホースを示している。
【0032】
本実施形態の特徴は、距離を隔てて対向して配置された1対のドラムカッター4の外周面に植設されたカッタービット8で土壌を切削し、1対のドラムカッター4の間の領域をドラムカッター4に設けたノズル7によって高圧切削水を噴射してその噴射の勢いで土壌を切削及び撹拌する様に構成されていることである。
【0033】
ここで、図4を参照して、前記回転力変換機構2周りについて更に詳しく説明する。
【0034】
図4において、第1のドライブ軸1は軸部11と、その軸部11の先端に軸部11と一体で形成された第1の傘歯車12とによって構成されている。
また、第2のドライブ軸3は軸部31と、その軸部31の中心近傍に軸部31と一体で形成された第2の傘歯車32とによって構成され、第1のドライブ軸と直交する様に配置されている。
尚、第2のドライブ軸3には、1対の伸縮機構5が設けてあり、第2のドライブ軸を軸方向に伸縮可能に構成されている。
【0035】
回転力変換機構2は、前記第1のドライブ軸1の軸部11の一部と第1の傘歯車12と、第2のドライブ軸3の軸部31の一部と第2の傘歯車32と、これらを覆うケース2Cとによって構成されている。
図4において符号6は、後述する流体流路変換器であって、第2のドライブ軸3の軸部31の一部は、この流体流路変換器6を部分的に貫通している。
【0036】
第2のドライブ軸3の軸部31の両端には、切削ツールである1対のドラムカッター4が固着されている。
【0037】
前記第1のドライブ軸1の軸部11の中心部には、掘削用流体、例えば高圧の切削水及び/又は硬化材を搬送する流路11aが形成され、また、第2のドライブ軸の軸部31の中心部には、掘削用の高圧の切削水及び/又は硬化材を搬送する流路31aが形成されている。
尚、流路11aは、地上に設置された図示しないポンプから図示しない搬送用のホースで接続されている。
【0038】
前記流路11aと31aとは互いに直交している上、互いに回転しているため、互いの回転を許容し合い、流路を直角方向に変換する流体流路変換器が必要となる。
図5は係る流体流路変換器6を詳細に示した図である。図5を参照して、流体流路変換器6を説明する。
【0039】
図5において、流体流路変換器6は、ハウジング61とそのハウジング61に直交する様にハウジング61中央から図示の上方に突出した突出管状部62とから構成されている。
ハウジング61の中央には、円柱状空間63が形成され、突出管状部62の中心部には流路64が形成され、円柱状空間63と流路64とは直交して連通する様に形成されている。
【0040】
第2のドライブ軸3の軸部31は、流体流路変換器6のハウジング61の左右両端を第2のドライブ軸3の軸部31の図示しない中心軸と、ハウジング61の円柱状空間63の図示しない中心軸とが一致するように貫通している。
【0041】
図5におけるハウジング61の左右の貫通部の円柱状空間63寄りには1対のシール部材用溝65が形成され、その溝65には第1のシール部材O1が介装され、円柱状空間63の内外を液密にシールしている。
また、ハウジング61の左右の貫通部の両端には、1対の軸受格納部67が形成され、その軸受格納部67には1対の第1の軸受、例えばベアリングB1が介装されており、ドライブ軸3の軸部31を回転自在に軸支している。
【0042】
前記第1のドライブ軸1の先端の第1の傘歯車12の先端側には、第1のドライブ軸1と突出管状部62とが相対回転が可能な様に、前記流体流路変換機6の突出管状部62を挿通させる挿通孔12aが形成され、その挿通孔12aの内周面にはシール部材用の溝12bが形成されている。
【0043】
前記挿通孔12aの開口側、すなわち第1の傘歯車12の先端側の内周面には、軸受を格納する軸受格納部12cが形成され、その軸受格納部12cには第2の軸受、例えばベアリングB2が取付けられ、前記突出管状部62を軸支することにより、第1のドライブ軸1は、その突出管状部62の中心軸周りに自在に回転出来る様に構成されている。
【0044】
また、前記シール部材用溝12bにはシール部材O2が介装され、第1のドライブ軸1に形成された前記流路11aから、切削用高圧水及び/又は硬化材等を流路外に漏洩させることなく、突出管状部62に形成された流路64を経由して円柱状空間63に流入させる。
【0045】
第2のドライブ軸の軸部31における流体流路変更器6の円柱状空間63を貫通している領域には、軸部31に形成された流路31aと軸部31の外部を連通する複数の貫通孔31bが形成されている。即ち、円柱状空間63と流路31aとは貫通孔31bによって連通している。
従って、第1のドライブ軸の流路11aを流下した切削用高圧水及び/又は硬化材は、突貫上部62の流路64を経由して流体流路変更器6の円柱状空間63に入り、更に貫通孔31bを経由して第2のドライブ軸3の流路31aからドラムカッター4(図4参照)の図示しない流路を経由して、噴射ノズル7(図4参照)に至る。
図4において(矢印付き)実線は流体の流れを示すものである。
【0046】
即ち、上述した構成の流路変換機6は、直交し、互いに相対回転運動を成す流路を、漏洩なしに切削用高圧水及び/又は硬化材の流れの向きを変更することが出来る。
尚、上述の流体流路変更器6に換えて、従来技術の自在接手(スイベルジョイント)を2つ組み合わせて用いることも可能である。
【0047】
上述したように、ドラムカッター4の外周には、複数の掘削用ビット8が植設されている。すなわち、ビットで土壌を掘削するのはドラムカッター4のみである。
一対のドラムカッター4の間の領域もビットを設ける場合(図35で示すハイドロフレーズ工法で使用されるローラー状のビットで掘削する場合)に比較して、ビットの幅が狭い分だけ、掘削速度が向上する。
【0048】
それと共に、図35で示すハイドロフレーズ工法で使用されるローラー状のビットで掘削する場合に比較して(一対のドラムカッター4の間の領域の土壌をも掘削するのに比較して)、掘削に必要なエネルギーが節約出来る。
【0049】
図6に示すように、ドラムカッター4の各々には、水平方向について対向するドラムカッター4方向に向けて少なくとも1つのノズル7(図示ではドラム1個当り2個のノズルが描かれている)が設けられており、当該ノズル7から切削流体(例えば高圧水)が、対向するドラムカッター4方向へ噴射される。ノズルの噴孔の向きは水平であるが、ドラムカッター4は回転しながら流体を噴射するために、図6の点線で示すように、切削流体(ジェット)は螺旋を描く。
【0050】
その結果、一対のドラムカッター4の間の領域は、当該ノズル7から噴射される切削流体噴流(ジェット)Jで切削されつつ撹拌される。
【0051】
一般に、噴流を噴射して土壌を切削して撹拌する方が、翼で掻き回すよりも撹拌効率が良いことが、従来から知られている。従って、図示の実施形態で撹拌すれば、図35で示すローラー状のビット40を用いて掘削するよりも、作業効率が向上する。
【0052】
上述の説明では、一対のドラムカッター4を下降しつつ、切削流体(水)を噴射して撹拌する。そして、一対のドラムカッター4を引き上げる際に、硬化材を噴射し、均一な撹拌を可能ならしめている。
【0053】
ここで、明確には図示しないが、ドラムカッター4を下降する際にも、硬化材をノズルから噴射して、硬化材の噴流Jにより一対のドラムカッター4の間の領域を切削しつつ、撹拌し、ドラムカッター4を上昇する際は、硬化材使用量の残量をノズル7から噴射して、撹拌を行う様に構成しても良い。
【0054】
また、第2のドライブ軸3の間隔を伸縮機構5で伸縮させることにより、一対のドラムカッター4間の間隔を可変に出来る。
すなわち、施工に合わせて、一対のドラムカッター4間の間隔が調節可能である。ここで、伸縮機構5については、他の分野で用いられている既存の機構を応用することが可能である。
【0055】
前記テレスコピックロッド120はあくまでも例示であり、ワイヤを使用し、或いは、通常のロッドを継ぎ足しても良い。
【0056】
吊り下げ材がロッドであれば、駆動源を地上に置くことが可能である。ただし、ロッドよりもワイヤで吊るす方が、施工は簡単である。
【0057】
次に、図7〜図15を参照して第2実施形態を説明する。
第1実施形態では、ドラムカッターは1対のみ設けられている。これに対して、第2実施形態では、複数対(図示の例では6対)のドラムカッターが設けられている。
【0058】
ここで、テレスコピックロッド120を中心にして、図7において左右の側で回転力が均衡する様にするため、左右(図7では紙面の表裏方向)の各側に設けられたドラムカッター4は、偶数個が望ましい。
図7において、円弧の矢印は、各ドラムカッターの回転方向を示している。即ち、となりあうドラム同士は逆回転となる。また、図7の符号72は後述するノズルを示している。
【0059】
第2実施形態以降では、複数のドラムカッター4を駆動するための駆動部材が必要となる。
図7〜図15の第2実施形態では、各ドラムカッターへの駆動力伝達を、第1実施形態と同様のドライブ軸と、ドライブ軸と傘歯車の組合せからなる回転力変換機構とを組み合わせて用いている。従って流体経路は、ドライブ軸に形成された流路及び第1実施形態と同様の流路変更器6をそのまま用いることが出来る。
【0060】
まず、図8〜図10を参照して第2実施形態の第1の実施例のドラムカッター用動力伝達機構を説明する。
【0061】
図8に示すように、第2実施形態の第1実施例のドラムカッター用動力伝達機構は、装置全体の中央に、図示しないテレスコピックロッドのセンターがCあり、装置全体のセンタでもあるそのセンタCに、第1のドライブ軸1(図9参照)が垂直方向に延在する様に配置されている。
【0062】
第1のドライブ軸1の駆動力は、第1実施形態同様、回転力方向変換機構2で回転力の向きが垂直から水平方向に変換され、1対の第2のドライブ軸301(第2のドライブ軸301の図8における下側のドライブ軸の上方先端部の第1の傘歯車32は第1実施形態の第1の傘歯車32と同じ)に伝達される。
【0063】
第2のドライブ軸301の他方の先端部(図8では下方)は、図9の長手方向(左右方向)において前記センタCに最も近く、センタCの右側で、且つ図8の下方(後述の図10における左方)のドラムカッター4(4−1とする)の幅方向(図8の上下方向)の外側まで突出している。
その先端部には傘歯車311が一体で形成、或いは別体の傘歯車311を公知の手段によって軸先端に固着させている。
【0064】
ここで、第2実施形態の第1実施例では、前記第2のドライブ軸301の軸中心点の高さ方向位置は、図9に示すように、横1列に配置された6対のドラムカッター4の中心点よりも所定の距離(H)だけ上方に位置しており、中央寄りの2つのドラムカッター4の外周との干渉を防いでいる。
【0065】
一方、左右方向(図8では上下方向)で対となるドラムカッター4同士は、中央に伸縮手段5を設けたドラム間ドライブ軸302、303、304によって各対同士が、駆動力が伝達可能に構成されている。
なお、ドラム間ドライブ軸302、303、304の図8における下方の端部は各ドラムカッター4を貫通している。
【0066】
そのドラム間ドライブ軸302の図8における下方の端部には傘歯車312が固着しており、ドラム間ドライブ軸303の図8における下方の端部には傘歯車313が固着しており、ドラム間ドライブ軸304の図8における下方の端部には傘歯車314が固着している。
【0067】
各ドラムカッター4の図8の下方には、センタCから右方に順に第1、第2、第3の長手方向ドライブ軸51、52、53が以下に説明する様に配置されている。
なお、長手方向ドライブ軸51、52、53の両端には夫々1対の傘歯車511、521、531が一体に形成されている。
【0068】
第2のドライブ軸301の傘歯車311は、長手方向ドライブ軸51の一端の傘歯車511と噛合って、回転力を長手方向ドライブ軸51に伝達する様に配置されている。
長手方向ドライブ軸51の他端の傘歯車511は前記ドラム間ドライブ軸302の傘歯車312と噛合って、回転力をドラム間ドライブ軸302及びドラムカッター(4‐1)に伝達する様に配置されている。
【0069】
ドラム間ドライブ軸302の傘歯車312は前記長手方向ドライブ軸52の一端の傘歯車521と噛合って、回転力を長手方向ドライブ軸52に伝達する様に配置されている。
長手方向ドライブ軸52の他端の傘歯車521は前記ドラム間ドライブ軸303の傘歯車313と噛合って、回転力をドラム間ドライブ軸303及びドラムカッター(4‐2)に伝達する様に配置されている。
【0070】
ドラム間ドライブ軸303の傘歯車313は前記長手方向ドライブ軸53の一端の傘歯車531と噛合って、回転力を長手方向ドライブ軸53に伝達する様に配置されている。
長手方向ドライブ軸53の他端の傘歯車531は前記ドラム間ドライブ軸304の傘歯車314と噛合って、回転力をドラム間ドライブ軸304及びドラムカッター(4‐3)に伝達する様に配置されている。
【0071】
各ドラムカッター4の駆動機構は、図示しない各ドライブ軸の回転支持部材を含むカバー9によって保護されている。
【0072】
尚、第2実施形態の図8〜図10の第1の実施例では、各ドライブ軸の断面中央に流路を形成することによって、傘歯車の組み合わせで駆動力を直交方向に変換する位置には、第1実施形態と同様の切削用高圧水及び/又は硬化材の流路を変換する流路変換機6が適用出来る。
【0073】
図8及び図9の左方のドラムカッター4の駆動機構は、上述したセンタCより右方の駆動機構と同じものを、図8のセンタCに対する点対称位置(センタCより左方)に配置している。
【0074】
第1のドライブ軸の回転方向をR1とすれば、第2のドライブ軸301の回転方向はR2、長手方向ドライブ軸51の回転方向はR3、第1のドラム間ドライブ軸302、即ち、中央寄りのドラムカッター4(4−1)の回転方向はR4、長手方向ドライブ軸52の回転方向はR5、第2のドラム間ドライブ軸303、即ち、中央寄りの右隣のドラムカッター4(4−2)の回転方向はR6、長手方向ドライブ軸53の回転方向はR7、第3のドラム間ドライブ軸304、即ち、右端のドラムカッター4(4−3)の回転方向はR8で示される。
【0075】
即ち、隣り合うドラムカッター4の回転方向R4、R6、R8は全て、逆方向回転となる。勿論、装置のセンタCの左方においても同様であり、且つ、センタCを挟んだセンタ寄りのドラムにおいても、逆回転となる。
【0076】
図10は図8のZ方向矢視図である。図10において、対向するドラムカッター4の対向する内側の面には、1箇所以上にノズル7が設けられている。ノズル7の噴射向きは、第1実施形態と同様(図4参照)である。
【0077】
ここで第2実施形態の第1の実施例では、ドラムカッター14の駆動機構(長手方向ドライブ軸;ドライブ軸列)がドラムカッター4の外側面に配置されて、その上カバー9で覆われている。そのために、そのままではドラムカッター4を回転させ土壌を掘削しつつ降下させていくと、カバー9及びカバー9に覆われた駆動機構と、未切削の土壌とが干渉して、カバー9及び駆動機構を破壊してしまう。
そこで、ドライブカッター4の外側面にも、1箇所以上のノズル71を設け、そのノズル71から噴射する高圧水によって、ドラムカッター4より外方の土壌を切削及び撹拌する様に構成している。
【0078】
そのノズル71の向きは、1対のドラムカッター4、4のドラム外周下辺を結ぶ直線Lhの延長部と駆動機構のカバー9の最外側から降ろした垂線Lvの交点Pcに向けられている。或いは、その交点Pcとノズル71とを結ぶ線を挟んだ、所定の角度だ個のズル71は揺動する様に構成されてもよい。
【0079】
そのようにノズル71をドラムカッター4の外側面に設けることにより、ドラムカッター4の外側の領域の土壌も高圧水で切削、撹拌され、ドラムで掘削しつつ下方に移動させても、カバー9及び駆動機構は、土壌によって破損することがない。
【0080】
再び図7を参照して、ドラムカッター4の外側面には、前記ノズル71の他、噴射孔をドラムの半径方向外側に向けたノズル72が1個以上配置されており、
地中連壁を築造する際に、このノズル72からドラムの半径方向外方に噴射される流体(例えば、切削水)により、後行溝切削時に図11の符号「D」で示す領域(先行溝と後行溝との境界領域)の土砂を除去することが出来る。
【0081】
次に、図12及び図13を参照して、第2実施形態の第1の変形例を説明する。
図8〜図10の第2実施形態の第1の実施例では、駆動機構(長手方向ドライブ軸)が、ドラムカッター4の外側に配置されている。それに対して、図12及び図13の第1の変形例では、駆動機構を、対となる左右(図12の上下方向)のドラムカッター4の間の領域に配置した実施例である。
【0082】
図示の例では、第2実施形態の第1の実施例の図8の下方の駆動機構を第1の変形例(図12)では上方の1列のドラムカッターの内側(センタC寄り)に配置している。駆動機構の内、第2のドライブ軸301、301、及び各ドラム間ドライブ軸302、303、304の長さが短縮される他は、第1の実施例の図8の下方の駆動機構をそのまま使用することが出来る。
【0083】
なお、第2のドライブ軸の軸中心の高さ方向位置は、ドラムカッター4の中心位置と一致していてもよい(即ち、図9において、Hの値は0としてもよい)。
【0084】
図13は、図12のZ矢視を示した図である。ノズル7の作動は概ね第2実施形態の第1実施例の図10と同様である。
【0085】
図12及び図13の第1変形例は、図8〜図10の第1の実施例に対して、駆動機構がドラムの内側に位置するために、ドラム外側を掘削・撹拌するためのノズル71が不要となる。
【0086】
次に、図14〜図16を参照して、第2実施形態の第2変形例を説明する。
前述の第2実施形態の第1の実施例及び第1の変形例では、駆動機構の内、長手方向ドライブ軸の高さ方向位置は、ドラムカッター4のドラムセンタと一致していた。
それに対して、図14〜図16の第2実施形態の第2変形例では、ドラムカッター4のドラム径よりも上方で、センタCから互いに離反する様に1対の長手方向ドライブ軸55、55を水平に配置し、その長手方向ドライブ軸55、55から各対のドラムカッター4を駆動する垂直ドライブ軸56、57、58に動力を伝達し、更に垂直ドライブ軸56、57、58はドラム間ドライブ軸305、306、307を介して各ドラムカッター4に動力を伝達する方式である。
【0087】
図14及び図15に基づいて、駆動機構について更に詳しく説明する。
駆動機構は、長手方向(図14、図15の左右方向)、幅方向(図14の上下方向)共、センタCに対して対称(勝手違い)である。従って、図14及び図15の右半分について説明する。
【0088】
第1の駆動軸1の第1の傘歯車12は、第1の駆動軸1の第1の傘歯車12と前記長手方向ドライブ軸55のセンタC寄りの端部の傘歯車551とで構成される回転力変換機構20を介して、長手方向ドライブ軸55に回転方向が変換された回転力を伝達する。
【0089】
長手方向ドライブ軸55は、長手方向ドライブ軸55のセンタC寄りの端部の傘歯車551の隣に2番目の傘歯車552を、更にその隣に3番目の傘歯車553を、そして図示の右端には4番目の傘歯車554が固着されている。
【0090】
傘歯車551と552とは互いの大径側を向かい合わせ、傘歯車553と554とは互いの大径側を向かい合わせるように構成されている。
【0091】
傘歯車552は両端に傘歯車811を形成した垂直ドライブ軸81の一方の端部の傘歯車811に噛合っている。
傘歯車553は両端に傘歯車821を形成した垂直ドライブ軸82の一方の端部の傘歯車821に噛合っている。
傘歯車554は両端に傘歯車831を形成した垂直ドライブ軸83の一方の端部の傘歯車811に噛合っている。
【0092】
そして、垂直ドライブ軸81の他方の傘歯車811は、ドラム間ドライブ軸305の中央近傍に形成された傘歯車351と噛合い、垂直ドライブ軸81の回転力(駆動力)をドラム間ドライブ軸305を介して左右(図14の上下方向)のドラムカッター4に伝達する。
【0093】
また、垂直ドライブ軸82の他方の傘歯車821は、ドラム間ドライブ軸306の中央近傍に形成された傘歯車361と噛合い、垂直ドライブ軸82の回転力(駆動力)をドラム間ドライブ軸306を介して左右(図14の上下方向)のドラムカッター4に伝達する。
【0094】
そして、垂直ドライブ軸83の他方の傘歯車831は、ドラム間ドライブ軸307の中央近傍に形成された傘歯車371と噛合い、垂直ドライブ軸83の回転力(駆動力)をドラム間ドライブ軸307を介して左右(図14の上下方向)のドラムカッター4に伝達する。
【0095】
図16は、図14のZ矢視図であり、ドラムカッター4の対向する側の側面に設けたノズル7は、第2実施形態の第1の実施例及び第1変形例と同様である。
【0096】
図14〜図16の第2実施形態の第2変形例は、第2実施形態の第1の実施例に対しては、ドラム外側側に駆動機構がないので、ドラムの外側に向って噴射するノズルを不要とする。また、第2実施形態の第1変形例に対しては、左右のドラム間には、駆動機構を覆う大型のカバーが不要となるので、内側のノズル7によってドラム間を切削及び撹拌することが容易となる。
【0097】
次に図17及び図18を参照して、第3実施形態を説明する。図7〜図16の第2実施形態では、複数のドラムカッターの駆動機構は、ドライブ軸によって駆動力を油圧モータから左右の各ドラムカッターまで伝える機構であった。
これに対して、図17及び図18の第3実施形態は、第2実施形態の第1の実施例の第2のドライブ軸の途中までは同じ構成を用い、第2のドライブ軸の他方の端部(ドラムカッター4側端部)にスプロケットを取付け、各ドラム間ドライブ軸には、スプロケットとスプロケットに係合するチェーンによって駆動力を伝達する様に構成している。
【0098】
図17及び図18を参照して、第3実施形態の駆動機構を説明する。尚、回転力変換機構20までは第2実施形態と同様であるので、第2のドライブ軸330のドラムカッター側の端部以降について説明する。
【0099】
図17において、第2のドライブ軸330のドラムカッター側の端部には、スプロケットS0が固着されている。
【0100】
各左右のドラムカッター4、4間にはセンタCから右方に順に伸縮機構5を有するドラム間ドライブ軸31D、32D、33Dが配置され、左右のドラムカッター4、4を伸縮自在に係合し合っている。
【0101】
ドラム間ドライブ軸31D、32D、33Dの図17の上方には符号順にスプロケットS11、S21、S3が固着されている。
そして、ドラム間ドライブ軸31DのスプロケットS11の図17の下方に隣接した位置にはギヤG11が固着されており、そのギヤG11の真上には図示しない回転軸に支持されたギヤG12が存在して、ギヤG11とギヤ12とは常時噛合って回転方向を逆向きに変換している。また、その図示しない回転軸の図17の上方に相当する位置にはスプロケットS12が固着されている。
【0102】
また、ドラム間ドライブ軸32DのスプロケットS21の図17の下方に隣接した位置にはギヤG21が固着されており、そのギヤG21の真上には図示しない回転軸に支持されたギヤG22が存在して、ギヤG21とギヤ22とは常時噛合って回転方向を逆向きに変換している。また、その図示しない回転軸の図17の上方に相当する位置にはスプロケットS22が固着されている。
【0103】
前記スプロケットS0とスプロケットS11とはチェーンCh1によって係合され、第2のドライブ軸330から回転力がドラム間ドライブ軸31Dを介してセンタC寄りのドラムカッター4(4−1)、4(4−1)に伝達される。
【0104】
前記スプロケットS12とスプロケットS21とはチェーンCh2によって係合され、センタC寄りのドラム間ドライブ軸31Dから回転力が反転ギヤG11、G12で反転され、ドラム間ドライブ軸32Dを介してセンタC寄りから右隣のドラムカッター4(4−2)に伝達される。
【0105】
前記スプロケットS22とスプロケットS3とはチェーンCh3によって係合され、右端のドラム間ドライブ軸32Dから回転力が反転ギヤG21、G22で反転され、ドラム間ドライブ軸33Dを介して右端のドラムカッター4(4−3)に伝達される。
図17及び図18において符号90はチェーンケースを示す。
【0106】
図示はしていないが、左右のドラムカッター4、4間の領域に噴射されるノズルの形態は、第2実施形態の第1変形例と実質的に同様である。
【0107】
第3実施形態によれば、第2実施形態に対して、駆動機構全体の質量を大幅に削減させることが出来る。即ち軽量化に貢献出来る。
【0108】
次に、図19〜図24を参照して本発明の第4実施形態を説明する。
本第4実施形態は、前記第1実施形態〜第3実施形態における掘削手段がドラム式のカッターであるのに対して、第4実施形態における掘削手段は、チェーンに掘削ビットを付設したチェーンカッター80である。換言すれば、第4実施形態では、チェーンカッター80によって溝の両側の土壌を掘削し、溝の内部の土壌を高圧流体を噴射するジェット噴射円盤92によって切削するように構成している。
第4実施形態において、第1〜第3実施形態と同じ装置は名称、符号を重複して、説明する。
【0109】
図19及び図20において、地上に通じるテレスコピックロッド120と油圧ホース135が図示では溝A内の油圧モータを内蔵するギヤボックス155に接続されている。
ギヤボックス155に逆方向に回転する1対の歯車70、70が出力装置として装着され、それぞれの歯車70に複数のビット81とチェーン82とで構成されるチェーンカッター80、80(掘削手段)が巻装されている。ビット81はチェーン82に着脱可能に装着され、破損、磨耗等によって刃部の切削能力が減少した場合の交換や補修ができるように構成されている。
【0110】
明確な図示はされていないが、緊張したチェーンカッター80、80の走行をテンショナ等で規定し支持するフレーム75によって、チェーンカッター80、80は支持されている。
【0111】
図19ではチェーンカッター80、80の対向する内側に、そして、図20ではチェーンカッター80、80の内部に、ギヤボックス155に通じる複数の、図19、図20では5個のジェット噴射円盤92が、チェーンカッター80に連動して作動する様な形態でフレーム75に装着されている。
【0112】
ジェット噴射円盤92は複数の、図示の例では水平方向を平行に向いた4個の噴射ノズル71aを有し、溝Aの幅狭壁An間のチェーンカッター80、80の間の領域を高圧水あるいは液状の固化材で切削したり、固化材を噴射する機能を有する様に構成されている。
【0113】
ギヤボックス155の下端に下方に尖った4角錐状の分流部155Aが形成されていて、掘削した土壌を滑らかに上昇させるように構成されている。
【0114】
次に、第4実施形態の作用を説明する。
地上からの制御操作によって溝Aが地下に向けて掘削をされる。
テレスコピックロッド120で保護された油圧ホース135を経由して、高圧作動油がギヤボックス155内の油圧モータに供給され、油圧モータは、チェーンカッター80、80による掘削作業及びジェット噴射円盤92の回転に必要な回転駆動源として作動する。そして、所定の深度まで掘削する(所定深度まで掘削する工程)。
【0115】
即ち、チェーンカッター80、80が掘削抵抗に応じた速度で逆方向に走行して、掘削反力をバランスさせながら、溝Aの幅狭壁Anと幅広壁Awを造成する。
同時に、ジェット噴射円盤92を回転させながら噴射ノズル71aからのジェット流Jhで地盤を切削し、剰余の1部土壌を地上に排出した残部土壌に固化材を噴射供給して攪拌する(土壌を切削して攪拌する工程)。
【0116】
上記のようにして、土壌に溝Aを所定深さまで掘削して固化材を供給し、攪拌した後は油圧モータとともに掘削手段のチェーンカッター80、80等を引上げ(掘削手段を引き上げる工程)、作業を終了する。
【0117】
なお、掘削と固化材の注入については第1実施形態での説明と同様に、チェーンカッター80、80を下降しながら切削水を噴射して切削、攪拌し、チェーンカッター80、80を引上げながら硬化材を噴射して攪拌させてもよいし、チェーンカッター80、80を下降しながら硬化材を噴射して切削、攪拌し、チェーンカッター80、80を引上げながら硬化材の残量を噴射して攪拌させてもよい。
【0118】
ここで、図21により、第4実施形態の第1変形例を示す。部分拡大図である図21は、図19における左方のチェーンカッター80近傍を詳細に拡大している。
チェーンカッター80の溝A側にジェット噴射円盤90が装着された状態に加えて、チェーンカッター80のカッタービット81に左右交互に、掘削ビット74が着脱可能に付設されている。
ジェット噴射円盤90の噴射ノズル71aは、図19及び図20と同様な構成及び作用である。
【0119】
上記構成により、チェーンカッター80による土壌の掘削時に、掘削ビット74がジェット噴射円盤90直下における土壌の掘削を行い、ジェット噴射円盤90直下の土壌による掘削抵抗を無くしている。
ここで、チェーンカッター80には、左右に突出した掘削ビット74が所定個数のリンク毎に(図21では1個のリンク毎に)互い違いに設けられているので、チェーンカッター80に付加される土壌掘削抵抗が、チェーンカッターの左右でバランスする様に構成されている。
【0120】
図22は、第4実施形態の第2変形例を示している。ここで、図22は、図19における左方のチェーンカッター80近傍の詳細を拡大して示している。
チェーンカッター80の溝A側にジェット噴射円盤90が装着されていることに加えて、噴射円盤90の半径方向外方に向けた噴射ノズル71bが装着されている。
ジェット噴射円盤90の噴射ノズル71aは、図19及び図20と同様な構成及び作用となっている。
【0121】
図22で示す構成により、チェーンカッター80による土壌の掘削時に、噴射ノズル71bによるジェット流Jvによって、ジェット噴射円盤90下方の土壌を切削し、ジェット噴射円盤90の下幅部90eにおける掘削抵抗が除去されるのである。
【0122】
図23は、第4実施形態におけるギヤボックス下端部の形状の効果を示している。
図19及び図20も参照して説明すると、ギヤボックス155の下端部に4角錐状の端部を有する斜部155Aが設けられている。この斜部155Aによって、チェーンカッター80とジェット噴射円盤90によって掘削、切削された土壌流Gsが、ギヤボックス155の下端部で滞留すること無く、四角錐状の斜部155Aで分岐し、滑らかに上昇し、以って、ギヤボックス155が下降する際の抵抗を減少させている。
【0123】
図24は、掘削下降するに際して、ギヤボックス155の下端部が平坦な面155bで形成されている場合を示している。
すなわち、図24で示す場合では、掘削、切削された土壌流Gsがギヤボックス155の下端部で滞留し、逃げ場がなくなり、ギヤボックス155が下降する際に抵抗となることを示している。
【0124】
次に、図25及び図26を参照して第5実施形態を説明する。
第5実施形態は第4実施形態と同様に掘削手段としてチェーンカッター80を用いるものである。但し、第5実施形態では、第4実施形態のチェーンカッター80を支持するフレーム75(図20参照)を揺動させて、広幅壁Awの幅寸法を大きくして掘削できるように構成されている。
【0125】
図25及び図26では詳細を示していないが、フレーム75は歯車70の軸心を旋回軸(ピボット)として、公知の手法(例えばギヤボックス155に内蔵された揺動カムを用いる等の手法)によって、揺動可能に構成されている。
その他の構成については、図25及び図26の第5実施形態は、第4実施形態と同様である。勿論、第4実施形態における各変形例は、第5実施形態においても適用可能である。
【0126】
上述した構成によって、図26で示す様に、溝Aの幅広壁Awを所定の幅長さにフレーム75をSのように揺動させて、掘削(揺動掘削工程)及び切削、攪拌をする。その結果、溝Aの幅広壁Awを任意の幅に造成できる利点がある。
その他の作用効果については、第4実施形態と実質的に同様である。
【0127】
次に、図27〜図28を参照して、本発明の第6実施形態を説明する。
前述した第4実施形態及び第5実施形態では、掘削手段として1対のチェーンカッターが設けられ、当該1対のチェーンカッターが溝Aの幅狭壁Anの両側面、或いは両端面を掘削して、複数のジェット噴射円盤が両側面(両端面)に各々設けられており、反対側側面(端面)側のジェット円盤に向けてジェットを噴射している。これに対して第6実施形態では、掘削手段としてチェーンカッターを試用する点は共通しているが、当該チェーンカッターが1個だけ設けられており、そのチェーンカッターが幅狭壁Anの中央部を掘削し、チェーンカッターとともに回転するジェット噴射円盤が水平方向に左右両方向にジェット噴流を噴射し、当該ジェット噴流は到達距離が高精度に調節可能な交差噴流を構成しており、中央部から幅狭壁Anの壁面までを切削している。
【0128】
図27及び図28において、地上に通じるテレスコピックロッド12と油圧ホース135が溝A内の油圧モータを内蔵するギヤボックス155に接続されている。
ギヤボックス155に1個の歯車70Aが出力装置として装着され、その歯車70Aに複数のビット81Aとチェーン82Aとで構成されるチェーンカッター80Aが巻装されている。ビット81Aはチェーン82Aに着脱可能に装着され、破損、磨耗等によって刃部の切削能力が減少した場合の交換や補修ができるように構成されている。
【0129】
明確な図示はされていないが、緊張したチェーンカッター80Aの走行をテンショナ等で規定し支持するフレーム75Aによって、チェーンカッター80Aは支持されている。
【0130】
図27ではチェーンカッター80Aの両側に、そして図28ではチェーンカッター80Aの内部に、複数の、図示の例では5個のジェット噴射円盤92Aが設けられており、該ジェット噴射円盤92Aは、チェーンカッター80Aに連動して作動するようにフレーム75Aに装着されている。
【0131】
ジェット噴射円盤92Aは、水平方向を向いた複数の、図示の例では4個の噴射ノズル71Aを有している。そして、ジェット噴射円盤92Aの中心を挟む1対の噴射ノズル71Aから噴射される噴流が交差して、いわゆる「交差噴流」を構成している。
一通の噴射ノズル71Aからの噴射される交差噴流の交差位置を調節することにより、噴射ノズル71Aからのジェット噴流による掘削距離が高精度に調節されるので、溝Aの幅狭壁Anの壁面端部までの領域を、高精度で、高圧水により切削し、固化材を噴射することが出来る。
【0132】
また、ギヤボックス155の下端には、下方に尖った4角錐状の分流部155Aが形成されていて、掘削した土壌を滑らかに上昇させるように構成されている。
【0133】
上記の装置構成による第6実施形態の作用を以下に説明する。
図27及び図28において、地上からの制御操作によって溝Aが地下に向けて掘削をされる。テレスコピックロッド120で保護された油圧ホース135を経由して高圧作動油がギヤボックス155内の油圧モータに供給され、油圧モータは、チェーンカッター80Aによる掘削及びジェット噴射円盤92Aの回転に必要とする回転動力を提供する。そして、所定の深度まで掘削する(所定深度まで掘削する工程)。
【0134】
この工程では、チェーンカッター80が掘削抵抗に応じた速度で走行して、溝Aの幅狭壁Anと幅広壁Awを造成する。
同時に、ジェット噴射円盤92Aを回転させながら噴射ノズル71Aからの傾斜したジェット流Jiで地盤を切削し、残部土壌に固化材を噴射供給して攪拌する(土壌を切削して攪拌する工程)。
【0135】
上記のようにして、土壌に溝Aを所定深さまで掘削して固化材を供給し、攪拌した後は油圧モータとともに掘削手段のチェーンカッター80A等を引上げ(掘削手段を引上る工程)、作業を終了する。
【0136】
なお、掘削と固化材の注入については第1実施形態での説明と同様に、チェーンカッター80を下降しながら切削水を噴射して切削、攪拌し、チェーンカッター80を引上げながら硬化材を噴射して攪拌させてもよいし、チェーンカッター80を下降しながら硬化材を噴射して切削、攪拌し、チェーンカッター80を引上げながら硬化材の残量を噴射して攪拌させてもよい。
【0137】
図29は第6実施形態の第1変形例を示している。
チェーンカッター80Aのカッタービット81Aに、左右交互に突出した掘削(カッター)ビット74が着脱可能に付設されていて、当該掘削ビット74によって、ジェット噴射円盤92A下方の土壌を切削し、ジェット噴射円盤92A下方の土壌による掘削抵抗を除去している。
その作用については、前述した第4実施形態の第2変形例(図22)と同様である。
【0138】
また、図29においては、噴射円盤90の半径方向外方に向けた噴射ノズル71bによるジェット流Jvによって、チェーンカッター80による土壌の掘削時に、ジェット噴射円盤90の下幅部90eに接触する土壌を切削して、下幅部90eに接触する土壌によって掘削抵抗が発生するのを防止している。この作用効果は、前述した第4実施形態の第2変形例(図22参照)で説明したのと同様である。
【0139】
次に、図30及び図31を参照して、第6実施形態の第2変形例及び第3変形例を説明する。
第6実施形態の第2変形例は、チェーンカッターの正面を示す図30において、油圧モータで駆動される歯車86によってチェーンカッター80Aが駆動走行されるように構成されている。そして、図28と比較すれば明らかなように、ジェット噴射円盤92Bは、チェーンカッター80Aの内側に上下方向に直列に、複数(図示の例では3個)のジェット噴射円盤92Bが、チェーンカッター80Aの走行と同時に回転し、噴射ノズルから流体を噴射するように構成されている。
【0140】
ここで、複数のジェット噴射円盤92Bは、図28及び図30の左右方向に突出すること無く、その下方への投影図形が個々の円盤92Bの投影図形と同一サイズとなる様に、直列に配置されている。
その他の構成については、図27及び図28に示した第6実施形態と実質的に同じである。
【0141】
上記構成によって、図28における溝Aの幅広壁Awを狭くして、限定された狭い地盤での工法に適するという利点が存在する。
【0142】
第6実施形態の第3変形例は、チェーンカッター80Aの正面を示す図31において、チェーンに掘削ビットを取り付けた掘削手段に代えて、油圧モータ130によって駆動される駆動軸132の端部には、掘削ビット80Bが取り付けられている。
その駆動軸132の軸線方向へ直列に、図示の例では3個のジェット噴射円盤92Bが設けられており、駆動軸132回転と同時に回転し、噴射ノズルから流体を噴射するように構成されている。
その他の構成については、図27及び図28に示した第6実施形態と実質的に同じである。
【0143】
上記構成によって、図28における溝Aの幅広壁Awを狭くして、限定された狭い地盤での工法に適する利点がある。それと共に、チェーンカッターで掘削する際に、チェーンの走行経路のぶれによって掘削抵抗に変動が生じることが防止され、掘削ビットが外れてしまう危険性が回避され、ビット交換の面倒さがなくなる、という利点が存在する。
【0144】
次に、図32及び図33を参照して第7実施形態を説明する。
本第7実施形態は、第6実施形態の図27及び図28におけるチェーンカッター80Aを支持するフレーム75Aを揺動させて広幅壁Awの幅を任意の幅に大きく、掘削できるように構成したものである。
図32及び図33において、詳細を示していないが、フレーム75Aは歯車70Aの軸心を旋回軸(ピボット)として公知の方法、例えばギヤボックス155に内蔵された揺動カムによって揺動させるように構成されている。
その他については、第6実施形態の構成と同様である。勿論、第6実施形態における各変形例は、第7実施形態においても適用可能である。
【0145】
上記構成によって、溝Aの幅広壁Awを所定の幅長さにフレーム75をSaのように揺動させながら掘削と切削、攪拌をする。
その他の作用についても、第6実施形態の作動と実質的に同様である。
この工法によって、溝Aの幅広壁Awを任意の広幅に造成できる利点がある。
【0146】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定するものではないことを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の第1実施形態の全体構成を示す全体構成図。
【図2】図1のA部詳細図。
【図3】図2のX矢視図。
【図4】第1実施形態の回転力変換機構を詳細に説明する部分詳細図。
【図5】第1実施形態の流体流路変換器周りを詳細に説明する断面図。
【図6】第1実施形態に関わるノズルからの流体噴射の様子を示した様態図。
【図7】本発明の第2実施形態の全体構成を示す全体構成図。
【図8】第2実施形態の第1実施例におけるドラムカッター駆動機構の平面図。
【図9】図8に対応する側面図である簡略側面図。
【図10】図8のZ矢視図。
【図11】先行溝を施工した後、後行溝を施工する場合の問題点を説明する説明図。
【図12】第2実施形態の第1変形例の平面図。
【図13】図12のZ矢視図。
【図14】第2実施形態の第2変形例の平面図。
【図15】図14に対応する縦断面図。
【図16】図14のZ矢視図。
【図17】第3実施形態の駆動機構を説明する平面図。
【図18】図17に対応する縦(部分)断面図。
【図19】第4実施形態の全体構成を示す側面図。
【図20】第4実施形態の正面図。
【図21】第4実施形態の第1変形例の部分拡大側面図。
【図22】第4実施形態の第2変形例の部分拡大側面図。
【図23】ギヤボックス下端部の1例を示す説明図。
【図24】ギヤボックス下端部の不具合な例を示す説明図。
【図25】第5実施形態の全体構成を示す側面図。
【図26】第5実施形態の正面図。
【図27】第6実施形態の全体構成を示す側面図。
【図28】第6実施形態の正面図。
【図29】第6、7実施形態の第1変形例の部分拡大正面図。
【図30】第6、7実施形態の第2変形例の部分拡大正面図。
【図31】第6、7実施形態の第3変形例の部分拡大正面図。
【図32】第7実施形態の全体構成を示す側面図。
【図33】第7実施形態の正面図。
【図34】3連オーガで掘削する従来技術の問題点を説明する図。
【図35】従来技術で用いるローラビットの斜視図。
【符号の説明】
【0148】
Jh・・水平方向ジェット流
Jv・・鉛直方向ジェット流
Ji・・傾斜方向ジェット流
1・・・第1のドライブ軸
2、20・・・回転力変換機構
3、301・・・第2のドライブ軸
4・・・ドラムカッター
5・・・伸縮機構
7、71、71a、72・・・ノズル
8・・・ビット
9・・・カバー
11、31・・・軸部
11a、31a・・・流路
12・・・第1の傘歯車
31b・・・貫通孔
32・・・第2の傘歯車
51〜53・・・長手方向ドライブ軸
61・・・ハウジング
62・・・突出管状部
63・・・円柱状空間
70・・・歯車
71a・・噴射ノズル
74・・・カッタービット
80・・・チェーンカッター
81・・・カッター
82・・・チェーン
90・・・ジェット噴射円盤
100・・・ベースマシン
110・・・揺動部材
120・・・テレスコピックロッド
130・・・油圧モータ
140・・・管状ケーシング
155・・・ギヤボックス
302、303、304・・・ドラム間ドライブ軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削手段を回転させて当該掘削手段直下の領域を所定深度まで掘削する工程と、掘削手段が回転する際に、掘削手段に設けられた流体噴射手段から流体を噴射して撹拌するべき領域の土壌を切削して撹拌する工程と、所定の深度まで到達した掘削手段を引き上げる工程、とを有することを特徴とする地中構造物築造工法。
【請求項2】
前記掘削手段は、少なくとも1対が所定の間隔を隔てて水平方向に向かい合う様に配置されており、前記撹拌する工程では、掘削手段が回転する際に、各々の掘削手段に設けられた流体噴射手段から向かい合う掘削手段に向けて流体を噴射して掘削手段間の領域の土壌を切削して撹拌している請求項1の地中構造物築造工法。
【請求項3】
前記掘削手段は中央部分に1つだけ設けられており、前記撹拌する工程では、掘削手段が回転する際に、掘削手段に設けられた流体噴射手段から流体を噴射して、掘削手段直下以外の領域であって、掘削手段両側の領域における土壌を切削して撹拌している請求項1の地中構造物築造工法。
【請求項4】
掘削手段が下降する際には流体噴射手段から切削流体を噴射し、掘削手段が引き上げられる際には流体噴射手段から硬化材を噴射する請求項1〜3の何れか1項の地中構造物築造工法。
【請求項5】
掘削手段が下降する際にも、掘削手段が引き上げられる際にも、流体噴射手段から硬化材を噴射する請求項1〜3の何れか1項の地中構造物築造工法。
【請求項6】
少なくとも1対の掘削手段の間隔を調節する工程を有する請求項2、4、5の何れか1項の地中構造物築造工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−125061(P2006−125061A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315091(P2004−315091)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(390002233)ケミカルグラウト株式会社 (79)
【Fターム(参考)】