説明

地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム

【課題】地中熱の有効利用を図るとともに空気熱を併用した自然冷媒のヒートポンプを介して、夏期は冷房、冬期は融雪を可能とする。
【解決手段】冬期若しくは夏期にはそれぞれ融雪若しくは冷房用としてそれぞれ作動させるヒートポンプ30を使用するようにした地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムにおいて、少なくとも冬期において、蒸発器として作動する地中熱交換器33と該熱交換器に併設したヒーティングタワーより、地中熱と空気熱とを採熱させながら、ヒートポンプを形成する圧縮機31を介して高温高圧冷媒ガスを発生させ、凝縮器として作動するブライン熱交換器32で融雪用温熱を発生させる構成とし夏期においては、圧縮機で形成された高温高圧冷媒ガスを、凝縮器として作動する地中熱交換器と該熱交換器に併設したヒーティングタワーより放熱させながら、蒸発器として作動するブライン熱交換器で冷房用冷熱を発生させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降雪地帯の融雪用に、通常融雪運転、融雪用電力の電源遮断時の融雪運転及び予熱・凍結防止用の運転等の広範囲の運転に対応する地中熱・空気熱利用の融雪システムと、地中熱の採熱と空気熱の採熱とにより温熱を発生させ、地中及び空気中への放熱により冷熱を発生させる、地中熱と空気熱とを併用した自然作動媒体を冷媒に使用するヒートポンプを介しての地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、道路の凍結や積雪を防止するために道路表面近くの地中に融雪発熱体を埋設している。
前記発熱体には、電気ヒータ等が使用されているか、または地上表面近くの路盤上の舗装体(アスファルト層やコンクリート層)に埋設した配管に温水を循環させる方法が融雪ないし凍結防止手段として使用されている。
【0003】
ところで、従来の温水による融雪は、上記したように地表近くに埋設した融雪管に空気を熱源とする温水加熱を目的とするヒートポンプが使用されているが、電源遮断時には融雪が不可能となり何らかの対策が必要とされていた。
また、空気熱を熱源とするため、空気熱の供給源であるヒーティングタワーの伝熱面の着霜が熱効率の低下に繋がりデフロストを必要とするが、このデフロストのためには一時融雪を停止する問題があった。
また、一時的な異常気象による豪雪に対処するためには従来の融雪手段では熱容量に余裕がなく柔軟性に欠ける問題があった。
そして、積雪地帯では、融雪に融雪用の電力契約があるが、該契約に伴う特定時間帯における電力遮断(ピークカット)を余儀なくさせられ、そのため融雪を停止せざるを得ない問題がある。
【0004】
ところで、近年、地球温暖化、オゾン層破壊、省エネルギ等の環境問題が叫ばれており、自然冷媒・自然エネルギの有効利用も求められている。その中で、大地はどこにも存在する安全で自然の材料であり、特別なスペースを必要としない等の特徴を持っており、この地中熱の有効利用並びに大地の蓄熱性の利用も考えられ、地中熱の利用に対する提案もされている。
【0005】
例えば、特開平11−159891号公報には「地中熱利用ヒートポンプシステム」として上記提案の一が開示されている。
上記提案によれば、本提案によるヒートポンプシステムは、
排湯発生施設で発生した排湯を貯留する排湯槽、または湯使用施設で使用する湯を貯留する給湯槽とを設け、これらの排湯槽または給湯槽における貯留湯と地中との両方から採熱させながら温熱発生をさせるとともに、
貯留水を加熱して湯使用施設での使用湯を生成する給湯槽を設け、この給湯槽構成における貯留水と地中との両方へ放熱させながら冷熱を発生させる、ヒートポンプにより構成したものである。
【0006】
則ち、温熱の発生には、貯留湯の熱と地中の熱を使用して地熱の低下による採熱低下を防止して安定運転を可能とし、また、冷熱の発生には、給湯槽の貯留水と地中の両方への放熱によりヒートポンプの安定運転を図ったもので、従来の地中熱のみ利用のヒートポンプシステムにおける短時間の継続運転での採熱不良によるヒートポンプ装置の温熱発生量の低下や消費電力の増大を防止するようにしたものである。
なお、本提案に使用されている地中熱の取出し用の熱交換器は、地中深く埋設した二重管式熱交換器で、図面からは熱容量は余り大きく採れない縦型構造のものと考えられる。
【0007】
ところが、地中温度は土壌の種類により異なるが略5〜9mの地下になると年間を通じて略10℃前後の一定温度になり、このレベルの温度は冷房時の外気温度よりも低く、また、暖房時の外気温度より高いので、地中熱の利用の仕方によっては大気を熱源とする従来方式より年間を通じてシステムの成績係数が高く且つ一次エネルギの消費量を減ずることもできる利点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−95754号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、地中熱の有効利用を図るとともに空気熱を併用した自然冷媒のヒートポンプを介して、夏期は冷房、冬期は融雪を可能とした地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムとの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
先ず本発明の参考発明について説明する。
そこで、本発明の参考発明である地中熱・空気熱利用の融雪システムは、
融雪用電力の遮断時にもピークカットの無い低圧電力を使用してポンプ駆動による融雪運転を継続させるべく路盤加熱用の融雪パイプと該融雪パイプに融雪用ブラインを送る地盤加熱用の蓄熱パイプを設けたものである。
則ち、ブラインを加熱すべく採熱器として機能するヒーティングタワーと圧縮機と凝縮器と膨張弁とよりなる空気熱源のヒートポンプと、該ヒートポンプにより加熱形成された温ブラインを流通させて地表の降雪を融解するため路盤上ないし地盤上の地層との間で熱交換をする熱交換用パイプと、該パイプと前記ヒートポンプの間を結合するブライン供給路とよりなる地中熱・空気熱利用の融雪システムにおいて、
前記ヒートポンプの圧縮顕熱熱交換器に結合して第1の温ブラインを流通させ地盤上の地層と熱交換する蓄熱パイプと、前記ヒートポンプの凝縮器に結合して第1の温ブラインより低い温度の第2温ブラインを流通させ路盤上のアスファルト層と熱交換する融雪パイプとを設ける構成としたことを特徴とする。
【0011】
本参考発明は上記構成に示すように、融雪に必要なブラインの加熱に空気熱を熱源とする圧縮ヒートポンプを使用し、且つ加熱された温ブラインにより地表近くの路盤上の地層の加熱だけでなく路盤の下部の地盤上の地層の加熱を可能として、異常気象による豪雪等による融雪負荷の変動に対応できる熱容量の蓄熱を可能としたものである。
【0012】
即ち、上記地表近くの路盤上の地層の加熱には例えば10〜30℃(好ましくは約25℃前後)の温ブラインを使用し直接融雪に関与させ、路盤とその下部の地盤上の地層の加熱には例えば30〜60℃(好ましくは約50℃前後)の温ブラインを使用し負荷の変動に対応できる熱容量を持つ蓄熱に関与させるようにしてある。
そして、前記空気熱源のヒートポンプの圧縮機の吐出側に吐出ガスの顕熱熱交換器を設け、該熱交換器を介して約50℃前後の温ブラインを得て、蓄熱パイプを作動させ、地盤上部の地層との間の蓄熱熱交換を行い、融雪負荷の変動に対応させる構成とし、
ついで、前記吐出ガスを凝縮する凝縮器で約25℃前後の温ブラインを得て、融雪パイプを作動させ、路盤上部の地層の融雪に直接関与させる構成としたものである。
【0013】
また、本発明の参考発明の融雪パイプ及び蓄熱パイプとヒートポンプとの間を結ぶそれぞれのブライン供給路は、切り替えバルブ群を介してヒートポンプより切り離して互いに結合させ路盤地層と地盤地層の間を循環する温ブラインの循環路を形成させ、該循環路を介して融雪用電力の電源遮断時(ピークカット時)の融雪運転及び凍結防止・予熱運転に対し、ピークカットの無い低圧電力でブライン循環ポンプを駆動させ対応させる構成にしたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、前記ヒートポンプの顕熱熱交換器と蓄熱パイプを結ぶ温ブライン供給路と、前記ヒートポンプの凝縮器と融雪パイプを結ぶ温ブライン供給路は、それぞれ切り替え回路によりヒートポンプより切断分離し、分離した融雪パイプと蓄熱パイプを結合するブライン循環路を形成させ、低圧動力で駆動するブライン循環ポンプを駆動させる構成とし、融雪用電力の電源遮断時に対応するヒートポンプ休転時の融雪を可能とするとともに、凍結防止・予熱運転時にもヒートポンプを休転させ蓄熱により路面の暖めることができるようにしてある。
【0015】
また、本参考発明のヒートポンプは、前記ヒーティングタワーをデフロスト用凝縮器(放熱器)として切り替え作動させ、前記凝縮器をデフロストした低温冷媒ガスの蒸発器として切り替え作動させる構成とし、
蓄熱パイプより温ブラインを前記供給路及び切り替えバルブ群を介して前記蒸発器として切り替え作動する凝縮器に導入して、導入した地盤地層の蓄熱により低温冷媒ガスを加熱させ、さらに圧縮機を介して加圧してデフロスト用ホットガスを形成させ、前記ヒーティングタワーで放熱デフロストする構成とした、ことを特徴とする。
【0016】
ところで、空気熱源のヒートポンプを運転して外気より採熱する場合、ヒーティングタワーには上流の膨張弁により低温ガス化された冷媒ガスが通過するため、伝熱面に着霜を生じ熱効率の低下を来す。このため、ときどき運転を停止して前記着霜面のデフロストをする必要があるが、この際、本参考発明により、融雪側に影響を与えないように地盤と路盤の間に蓄熱された熱を蓄熱パイプを介して熱源として使用するようにしたものである。
【0017】
即ち、着霜したヒーティングタワーをデフロスト用凝縮器(放熱器)として機能させ、凝縮器を前記ヒーティングタワーにより放熱凝縮した冷媒液を膨張弁を介して蒸発させる蒸発器として機能させたものである。
そして、蒸発器として機能する凝縮器で気化した冷媒ガスは、蓄熱パイプを介して導入された路盤と地盤との間の蓄熱により加熱され、さらに圧縮機により加熱されデフロスト用ホットガスを得るようにしたものである。
【0018】
また、前記本参考発明のヒートポンプは、前記ヒーティングタワーをブライン間接型とし、凝縮器と顕熱熱交換器のブライン回路の切り替えにより作動させる構造とし、
温ブラインを蓄熱パイプにより前記供給路及び切り替えバルブ群を介して蒸発器に導入して、導入した地盤地層の蓄熱により低温冷媒ガスを加熱させ、さらに圧縮機を介して加圧して凝縮器でヒーティングタワーに通ずる温ブラインを形成させ、前記ヒーティングタワーに導入して放熱デフロストする構成としたことを特徴とする。
【0019】
上記構成により、蒸発器の介在によるブライン間接型の場合は、蒸発器で気化した冷媒ガスは、蓄熱パイプを介して導入された路盤と地盤との間の蓄熱により加熱され、さらに圧縮機により加熱され凝縮器でデフロスト用温ブラインを得るようにしたものである。
【0020】
また、前記参考発明のヒートポンプは、二次側はブラインを使用した間接型とし、一次側は自然型冷媒使用の自己完結型としたことを特徴とする。
【0021】
上記構成は、二次側にブラインを使用した間接型とし、一次側との連携を完全に断つとともに、一次側に環境にやさしい自然作動流体のアンモニア冷媒を使用し、冷媒漏洩等の冷媒事故を最小に抑えるため、自己完結型としてある。
【0022】
次に本発明を説明する。
本発明の、地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムは、
併設した空気熱交換器であるヒーティングタワーと、地中熱交換器と、圧縮機と、ブライン熱交換器と、膨張弁と蒸発圧力調整弁とよりヒートポンプを形成して、冬期若しくは夏期にはそれぞれ融雪若しくは冷房用としてそれぞれ作動させるヒートポンプを使用するようにした地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムにおいて、
冬期においては、蒸発器として作動する地中熱交換器と該熱交換器に併設したヒーティングタワーより、地中熱と空気熱とを採熱させながら、ヒートポンプを形成する圧縮機を介して高温高圧冷媒ガスを発生させ、凝縮器として作動するブライン熱交換器で融雪用温熱を発生させる構成としたことを特徴とする。
【0023】
上記本発明は、地中熱交換器を介して地中熱の有効採熱を図るとともに、不足分をヒーティングタワーによる空気熱の採熱で補い、冬期には融雪を可能とした高成績係数の省エネのヒートポンプシステムを構成したものである。
【0024】
また、上記本発明のヒートポンプにはボイラを付設させ、冬期における暖房及びヒートポンプによる融雪用温熱の供給不可及び大量降雪時の融雪に対応する構成とするのがよい。
【0025】
請求項2記載の発明は、本発明のヒートポンプシステムにボイラを付設し、冬期には該ボイラの出力をブライン加熱器を介して、暖房とヒートポンプ駆動用電力遮断時及びデフロスト運転時及び豪雪時に対応して、所用の温熱の供給を可能にしている。
【0026】
また、上記発明のブライン熱交換器には蓄熱用アイスバンクを併設させ圧縮顕熱熱交換器として結合して、冬期において圧縮顕熱を温蓄熱し、
電源遮断時の融雪運転及び凍結防止・予熱運転、デフロストに対応させる構成とするのがよい。
【0027】
上記構成により、本発明のヒートポンプシステムに蓄熱用アイスバンクを併設させ圧縮顕熱熱交換器として結合させ、冬期には圧縮顕熱を温蓄熱し、電源遮断時の融雪運転及び凍結防止・予熱運転、デフロスト運転に対応して所定の温熱の供給を可能にしている。
【0028】
また、本発明である、地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムは、夏期においては、圧縮機で形成された高温高圧冷媒ガスを、凝縮器として作動する地中熱交換器と該熱交換器に併設したヒーティングタワーより放熱させながら、蒸発器として作動するブライン熱交換器で冷房用冷熱を発生させる構成とする。
【0029】
上記発明は、夏期においては、圧縮機により形成された高温高圧冷媒ガスを前記地中熱交換器で凝縮させるとともにヒーティングタワーで放熱させて、前記凝縮により地中に蓄熱させる。
一方冬期に融雪用熱交換器として使用したブライン熱交換器を介して冷房用冷熱を発生させるようにしたものである。
【0030】
また、上記発明のブライン熱交換器には、蓄熱用アイスバンクを併設させ、冬期にはブライン熱交換器による冷熱供給とアイスバンクによる温蓄熱をし、夏期にはアイスバンクによる冷熱の蓄熱供給して、冷房に使用するとするのがよい。
【0031】
上記発明は、
蓄熱能力に優れ、負荷の変動による影響を冷凍機に直接与えず、アイスバンクを前記ブライン熱交換器に併設させ、
アイスバンクの水槽内に設けた冷却コイルの外周を夜間に氷結させ、冷却熱を氷の形に変えて蓄熱し昼間のヒートポンプ停止中においても冷房負荷の変動に応じて融解し使用するのがよい。
【0032】
また、請求項1、請求項4記載の地中熱交換器に接続する採熱用の蓄熱パイプは、融雪パイプの下層に設けるのがよい。
【0033】
上記発明は、地中熱の有効利用を図るべく、融雪パイプ群の下部の同一面に水平に広く配設し夏期は前記融雪パイプ群の配設したアスファルト路盤層を通して太陽熱による輻射熱を回収し採熱ポンプ部に融雪パイプと採熱パイプをブラインが循環することにより蓄熱も出来るようにしてある。
【0034】
また、前記請求項1、請求項4記載のヒートポンプは、二次側はブラインを使用した間接型とし、一次側は自然冷媒使用の自己完結型とするのがよい。
【0035】
上記発明は、二次側にブラインを使用した間接型とし、一次側との連携を完全に断つとともに、一次側に環境にやさしい自然作動流体のアンモニア冷媒を使用し、冷媒漏洩等の事故を最小に抑える、自己完結型としてある。
【0036】
また、前記請求項1、請求項4記載のヒートポンプは、前記ヒーティングタワーをブライン間接型とし、ブライン熱交換器(凝縮器)と蒸発器のブライン回路の切り替えにより作動させる構成とし、
温ブラインを融雪パイプと採熱パイプよりブライン回路の切り替えバルブ群を介して蒸発器に導入して、導入した地中の蓄熱により低温冷媒ガスを加熱させ、さらに圧縮機を介して加圧してブライン熱交換器(凝縮器)で温ブラインを形成させ、前記ヒーティングタワーに導入して放熱デフロストする構成とするのがよい。
【0037】
上記発明は、前記ヒーティングタワーをブライン間接型とし、ブライン熱交換器(凝縮器)と蒸発器のブライン回路を切り替え作動させることにより、前記ヒーティングタワーに温ブラインを導入し放熱デフロストするため、アンモニア冷媒量を極小化でき、複雑な冷媒配管が不要となるため、漏洩による事故の危険性をさらに低くすることができる。
【発明の効果】
【0038】
上記参考発明の構成により下記に記載する効果を上げることができる。
a、融雪用電力の電源遮断時(ピークカット時)においても地盤に蓄熱された熱を使用することで、ヒートポンプを運転することなく確実に融雪を行なうことが出来るので、安心して融雪契約を利用できる。
b、路盤の下部に熱を供給することで融雪パイプから路盤下部へ逃げる熱量を大幅に減少させることが出来、温ブラインの熱を有効に利用できる。
c、蓄熱を利用することでヒートポンプ能力以上の熱容量を持つシステムにしてあるので、一時的な異常豪雪にも対処できる。
d、路盤と地盤の間に蓄熱された熱をデフロスト用として利用できるので、融雪パイプ側に支障を与えることなくデフロスト運転を行なうことができ、融雪効率を上げることができる。
e、降雪時以外の凍結防止や予熱期間においては、路盤と地盤の間に蓄熱された熱を利用できるので、ヒートポンプの運転の必要がなく、電力消費を大幅に節減できる。
また、本発明の構成により下記効果を奏する。
f、地中土壌の蓄熱性を利用した地中熱・空気熱併用のアンモニアヒートポンプのユニットの使用により夏期は冷房負荷に対応出来るとともに、冬期に融雪や暖房負荷にブラインによる間接型自己完結型の冷・熱サイクルで対応出来、安全且つ省エネルギのシステムを提供する。
g、融雪パイプの下層に採熱パイプを埋設したため、省スペース化が可能である。
h、空気熱交換器(ヒーティングタワー)のデフロスト時には、氷蓄熱運転サイクルにすることで、アイスバンク内の温水を冷却するとともにブライン熱交換器を断とする運転ラインに切り替えられ、融雪パイプ内のブラインは冷却されることなく融雪環境が維持できる。
k、冬期の融雪運転においては夏期に地中に蓄熱していた熱を採熱するため蒸発温度を高く設定でき高効率の運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本参考発明の地中熱・空気熱利用の融雪システムの概略の構成を示す系統図である。
【図2】図1のシステム系統図についてヒーティングタワーをブライン間接型にした場合の系統図である。
【図3】図1の融雪パイプと蓄熱パイプの舗装路における埋設状況の一例を示す断面図である。
【図4】図1の融雪パイプと蓄熱パイプへのブライン配管詳細図で、通常運転時の温ブラインの流れを示す図である。
【図5】図1の電源遮断時及び予熱時、凍結防止時における温ブラインの流れを示すブライン配管詳細図である。
【図6】図1のヒーティングタワーのデフロスト運転の際の地盤上の蓄熱を熱源とする冷媒の流れを示す図である。
【図7】図6における蓄熱パイプと融雪パイプのブラインの流れを示す配管詳細図である。
【図8】本発明の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムの冬期における融雪用温熱発生の実施例の一例を示す図である。
【図9】図8の夏期における冷房用冷熱発生の実施例の一例を示す図である。
【図10】図8、9において、ヒーティングタワーをブライン間接型にした場合のシステム系統図である。
【図11】図8の別の実施例を示す図である。
【図12】図9の別の実施例を示す図である。
【図13】図8、図9における融雪パイプと採熱パイプの配設状況を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の参考発明の地中熱・空気熱利用の融雪システムの概略の構成を示す系統図で、図2は図1のシステム系統図についてヒーティングタワーをブライン間接型にした場合の系統図で、図3は図1の融雪パイプと蓄熱パイプの舗装路における埋設状況の一例を示す断面図で、図4は図1の融雪パイプと蓄熱パイプへのブライン配管詳細図で、通常運転時の温ブラインの流れを示す図である。図5は電源遮断時及び予熱時、凍結防止時における温ブラインの流れを示すブライン配管詳細図である。図6は図1のヒーティングタワーのデフロスト運転の際の地盤上の蓄熱を熱源とする冷媒の流れを示す図で、図7は図6における蓄熱パイプと融雪パイプのブラインの流れを示す配管詳細図である。
図8は本発明の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムの冬期における一実施例の系統図で、図9は図8の夏期における冷房用冷熱発生の図である。図10は図8、図9において、ヒーティングタワーをブライン間接型にした場合のシステム系統図で、図11は図8の別の実施例を示す図で、図12は図9の別の実施例を示す図である。図13は図8、図9における融雪パイプと採熱パイプの配設状況を示す模式的断面図である。
【0041】
図1に示すように、本参考発明の地中熱・空気熱利用の融雪システムは、ヒーティングタワー10と圧縮機11と蓄熱用のブラインヒータを形成する顕熱熱交換器12と融雪用のブラインヒータを形成する凝縮器14と膨張弁16とよりなる空気熱源のヒートポンプ20と、蓄熱パイプ13と融雪パイプ15とブライン供給路18とより構成する。
【0042】
なお、図1のヒーティングタワー10の蒸発器をブライン間接型とした場合は、図2に示すように蒸発器10aを追加付設し、凝縮器14と顕熱熱交換器12のブライン切り替え回路19d、19eを追加付設する。
【0043】
前記空気熱源のヒートポンプ20は、ヒーティングタワー10により大気中より採熱した空気熱を熱源として冷媒ガスを加熱する。そして加熱された冷媒ガスは圧縮機11により高温高圧の冷媒ガスとして吐出され、吐出ガスの顕熱は顕熱熱交換器12のブラインヒータを介して蓄熱パイプ13に流通させるブラインを約50℃前後に加熱し蓄熱用の熱を付与して、融雪負荷の変動ないし後記する融雪用電力の電源遮断時の融雪運転、ないし予熱、凍結運転に対応させている。
ついで顕熱熱交換器12を経由した吐出ガスは、凝縮器14のブラインヒータを介して融雪パイプ15に流通させるブラインを約25℃前後に加熱し温ブラインとして融雪用の熱を付与をする。
前記凝縮器14で凝縮された冷媒液は膨張弁16を介して冷媒ガスとなりヒーティングタワー10に還流循環する。
【0044】
前記ブライン供給路18は、蓄熱用温ブライン供給路18aと融雪用温ブライン供給路18bと、前記ブライン供給路18a、18bを結ぶ連絡路18cとよりなる。蓄熱用温ブライン供給路18aは、切り替えバルブ17a、17bを介し顕熱熱交換器12のブラインヒータに接続して前記したように約50℃前後の温ブラインを蓄熱パイプ13へ供給する。融雪用温ブライン供給路18bは、切り替えバルブ17c、17dを介し凝縮器14のブラインヒータに接続して前記したように約25℃前後の温ブラインを融雪パイプ15へ供給する。
【0045】
図3には、前記融雪パイプ15と蓄熱パイプ13の舗装路における埋設状況の一例を示す断面図を示してある。
図3に示すように、舗装道路は地盤23の上に厚みB(約300〜600mm)の路盤22を設け、路盤22上に厚みA(約100mm)のアスファルト層等の舗装が施工され路面21が形成されているが、本発明の融雪蓄熱システムでは前記路盤22上のアスファルト層等の舗装に融雪パイプ15を埋設し、地盤23上の地層に蓄熱パイプ13を埋設する構成にしてある。
【0046】
上記構成を持つ融雪蓄熱システムによる融雪運転には、図4に示す通常融雪運転と、図5に示す電源遮断時(融雪用電力契約時)の融雪運転や予熱、凍結防止運転がある。
前記通常融雪運転においては、図4に見るように、圧縮機11よりの高温高圧吐出ガスは、顕熱熱交換器12の蓄熱用のブラインヒータを介して加熱され、約50℃前後の温ブラインとなり蓄熱用温ブライン供給路18a、ブライン循環ポンプ19aを介して蓄熱パイプ13に供給されて地盤23上の地層を加熱する。それとともに、吐出ガスの凝縮熱は、凝縮器14の融雪用のブラインヒータを介して約25℃前後の温ブラインを得るようにして、融雪用温ブライン供給路18b、ブライン循環ポンプ19bを介して融雪パイプ15に供給され、路盤22上のアスファルト層を加熱するようにしてある。
【0047】
次に融雪用電力の電源遮断時(ピークカット時)の融雪運転及び予熱、凍結防止運転は、融雪用電力駆動のヒートポンプ20を休転させてピークカットの無い低圧電力のみで稼働させるもので、この場合はブライン供給路18に設けた切り替えバルブ17a、17b、17c、17dを介して蓄熱パイプ13及び融雪パイプ15をそれぞれヒートポンプ20より切り離し分離を行なうとともに、図5に見るように蓄熱パイプ13と融雪パイプ15とを連絡路18cを介して直列状に接続させ(黒マークは閉、白マークは開として)矢印に示すように循環路を形成させ、地盤23上の地層に蓄熱された熱は前記循環路、低圧電力駆動のブライン循環ポンプ19bを介して蓄熱パイプ13より融雪パイプ15に融雪用の熱ないし予熱用の熱ないし凍結防止熱として供給する構成にしてあり、融雪用電力の遮断によるヒートポンプ20の休転時にも支障なく対応できるようにしてある。
【0048】
ところで、空気熱源のヒートポンプ20においては、外気より空気熱を採熱するヒーティングタワー10の伝熱面の融雪運転時における膨張弁16により気化された低温冷媒ガスによる着霜が起き、使用中に熱効率の低下を来し融雪に支障をもたらす問題があるが、このため時々ヒートポンプ20の運転を停止させて前記伝熱面のデフロストを行なう必要がある。
【0049】
本参考発明においては、図6に示すように、着霜したヒーティングタワー10をデフロスト用凝縮器(放熱器)として機能させ、凝縮器14をヒーティングタワー10により凝縮した冷媒液を膨張弁16を介して蒸発させる蒸発器として機能させるようにしたものである。
そして、蒸発器として機能する凝縮器14で気化した冷媒ガスは、蓄熱パイプ13を介して導入された地盤上の地層に蓄熱された熱により加熱され、さらに圧縮機11により加熱されデフロスト用ホットガスを得るようにしたものである。
かくして得られたホットガスは凝縮器として機能するヒーティングタワー10で放熱し伝熱面でのデフロストを行なうようにしてある。
【0050】
前記デフロストの場合は、図7に示すように、融雪用温ブライン供給路18bに接続する融雪パイプ15及び蓄熱用温ブライン供給路18aに接続する蓄熱パイプ13を夫々切り替えバルブ17c、17d、17a、17bを介してヒートポンプ20より切り離し分離するとともに、前記切り離した蓄熱パイプ13を連絡路18c、ブライン循環ポンプ19cを介して融雪ブライン供給路18bに接続し、該供給路を介してヒートポンプ20の蒸発器として機能するようにした凝縮器14に接続する。斯くして、デフロストにより放熱凝縮した冷媒液を膨張弁16でガス状とし、それに前記蓄熱パイプ13よりの地盤上の地層に蓄熱された熱の供給を受け加熱させ、融雪パイプ15による融雪に支障を与えることなくデフロストできるようにしてある。
【0051】
また、図2に示すヒーティングタワー10を蒸発器10aを介在させたブライン間接型とした場合は、凝縮器14と顕熱熱交換器12のブライン切り替え回路19d、19eに切り替えることにより、凝縮器14で生成された温ブラインをヒーティングタワー10に導入し放熱させ伝熱面でのデフロストを行うようにしている。
【0052】
前記デフロストの場合は、融雪パイプ15を切り替えバルブ17c、17dによりヒートポンプ20より切り離し分離するとともに、蒸発器10aのヒーティングタワー側には回路19dを介して蓄熱用温ブライン供給路18aに接続させ、蓄熱パイプ13からの地盤上の地層に蓄熱された熱を導入させ、融雪パイプ15による融雪に支障を与えることなくデフロストができるようにしてある。
【0053】
図8、9は、本発明の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムの一実施例を示す図で図8は冬期における融雪用温熱発生の図で、図9は夏期における冷房用冷熱発生の図が示してある。
図に示すように、本発明の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムは、地中熱交換器33と該熱交換器に併設した空気熱交換器(ヒーティングタワー)34と圧縮機31とブライン熱交換器32と膨張弁36a、36bと蒸発圧力調整弁(EPR)35とよりなるヒートポンプ30と、
地表のアスファルト層の下部に埋設されて前記ブライン熱交換器32の2次側に配設された融雪パイプ32aと、該融雪パイプ32aの下層の同一領域内に埋設され前記地中熱交換器33の2次側を形成する採熱パイプ33aと、別途設けた暖房用のブライン加熱器41と、該加熱器41を介して暖房用温熱を供給するボイラ40とより構成する。
【0054】
また、図8、図9において、ヒーティングタワー34を蒸発器を介在させたブライン間接型とした場合は、図10に示すように蒸発器34aを追加付設し、凝縮器(ブライン熱交換器)32と蒸発器34aのブライン切り替え回路45a、45bとをヒートポンプ30に追加付設する。
【0055】
そして図8に示す冬期においては、
ヒートポンプ30は、地中熱交換器33と併設した空気熱交換器34とより採熱した地中熱と空気熱を熱源としてアンモニアガスを加熱する。そして加熱されたアンモニアガスは、圧縮機31により高温高圧のアンモニアガスとして吐出され、吐出ガスはストップバルブ37aの開放により形成された融雪回路44aを介してブライン熱交換器32に向け矢印W方向に圧送される。
圧送された高温高圧アンモニアガスは、融雪用のブライン熱交換器32により凝縮され、熱交換された凝縮熱は融雪パイプ32a内を流通するブラインを約20〜35℃前後に加熱し融雪用温熱を地表近くのアスファルト層に付与するようにしてある。
前記融雪用ブライン熱交換器32により凝縮されたアンモニア冷媒液はレシーバ38に受液された後、地中熱交換器33ではEPR35により蒸発圧力の制御のもとに蒸発して地中に蓄熱された地中熱を採熱するとともに、空気熱交換器34では膨張弁36bを介して蒸発して大気中より空気熱を採熱し、該採熱により加熱アンモニアガスを形成し圧縮機31へ還流する。
【0056】
前記地中に蓄熱された地中熱による土壌温度は、土壌の性質にもよるが地表から−5mで約10℃前後が一般的で、前記採熱パイプの埋設高さにもよるが高い蒸発温度で蒸発できるため、ランニングコストの低減と省エネルギ化を図ることができる。
なお、前記融雪パイプ32aと採熱パイプ33aとの埋設状況の一実施例を図9に示してあるが、採熱パイプの埋設深さは約1〜3mの程度とし地質調査ボーリング結果により決めている。
【0057】
一方、前記ヒートポンプ30に付設したボイラ40により、暖房用のブライン加熱器41を介して空調機42への温熱を供給する構成としてあるが、豪雪時、融雪用電力の電源遮断時(ピークカット時)、空気熱交換器のデフロスト時においても融雪パイプ32aへ切り替え融雪用として温熱を供給できるようにしてある。
【0058】
図9には夏期における冷房用冷熱発生の図が示してある。
図に見るように、この場合はストップバルブ37aを閉鎖し冷房回路44bを介して作動媒体であるアンモニア冷媒はヒートポンプ30内を矢印S方向に流動させている。
前記地中熱交換器33及び空気熱交換器34は凝縮器として機能させ、前記空気熱交換器34を介しての大気中への放熱と前記地中熱交換器33を介しての地中への蓄熱をさせ、凝縮アンモニア冷媒液はレシーバ38に受液される。
そして、受液されたアンモニア冷媒液は膨張弁36aを介して前記融雪用のブライン熱交換器32を蒸発器として機能させ、発生した冷熱は空調機42へ送られ冷房用として使用するようにしてある。
この場合は、アンモニア冷媒をヒートポンプ30内を循環させ、空気熱交換器34及び地中熱交換器33を介しての地中及び大気中への放熱により、ブライン熱交換器32より冷熱を得ている。
なお、前記採熱パイプ33aは、地表よりの太陽熱の輻射熱と前記地中熱交換器33を介しての高温アンモニアガスの凝縮熱とを蓄熱する。
【0059】
図8、9に見るように、2次側にはブラインを使用した間接型として一次側との連携を完全に断つとともに、一次側に環境にやさしい自然作動媒体のアンモニア冷媒を使用し、冷・熱サイクルは自己完結型に構成してあるため、冷媒漏洩等の事故を最小に抑え、他の部位への波及を防止している。
【0060】
また、図8、9におけるヒーティングタワー34を蒸発器34aの介在によるブライン間接型とし、凝縮器(ブライン熱交換器)32と蒸発器34aのブライン切り替え回路45a、45bを切り替え作動させることにより、前記ヒーティングタワー34に温ブラインを導入し放熱させてデフロストするため、アンモニア冷媒量を極小化でき、複雑な冷媒配管が不要となるため、漏洩による事故の危険性をさらに低くすることができる。
【0061】
図11、12には本発明の別の実施例が示してあるが、この場合は図に見るように、ブライン熱交換器32にアイスバンク39を併設し前記ブライン熱交換器は融雪専用の熱交換器として使用し、前記アイスバンクは冷房時の氷蓄熱槽と融雪時の圧縮顕熱の温蓄熱槽に使用するとともに、ボイラ40の出力側に設けたブライン加熱器41を介して2次側のブライン使用の間接熱交換の代わりに空調機42の冷暖房には直接熱交換を行なうようにしたものである。
圧縮顕熱の蓄熱は圧縮機31の吐出側にアイスバンク39を設けることにより、アイスバンク内に温水を循環させて、顕熱蓄熱する。
このため、空気熱交換器(ヒーティングタワー)34のデフロスト時には、図12に示す氷蓄熱運転サイクルにすることで、アイスバンク39内の温水を冷却するとともにブライン熱交換器32を断とする運転ラインに切り替えられ、融雪パイプ32a内のブラインは冷却されることなく融雪環境が維持できる。
一方蓄熱能力に優れ、負荷の変動による影響を冷凍機に直接与えず、アイスバンク39の使用により、アイスバンクの水槽内に設けた冷却コイルの外周を夜間氷結させ、冷却熱を氷の形に変えて蓄熱し昼間ヒートポンプ停止時においても冷房負荷に応じて融解し使用するようにしてある。
夏期の氷蓄熱運転時の凝縮熱は、採熱パイプ33aに放熱することで冬期の採熱による地中温度の低下を回復させるとともに凝縮温度を低く設定でき効率的な運転ができる。
さらに、冬期の融雪運転においては夏期に地中に蓄熱していた熱を採熱するため蒸発温度を高く設定でき高効率の運転が可能となる。
上記以外の構成は図8、9と同一であるため、該部位に関する説明は省略する。
【符号の説明】
【0062】
10 ヒーティングタワー
11 圧縮機
12 顕熱熱交換器
13 蓄熱パイプ
14 凝縮器
15 融雪パイプ
16、36a、36b 膨張弁
18 ブライン供給路
20、30 ヒートポンプ
21 路面
22 路盤
23 地盤
31 圧縮機
32 ブライン熱交換器
32a 融雪パイプ
33 地中熱交換器
33a 採熱パイプ
34 空気熱交換器
38 レシーバ
39 アイスバンク
40 ボイラ
41 ブライン加熱器
42 空調機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
併設した空気熱交換器であるヒーティングタワーと地中熱交換器と、圧縮機と、ブライン熱交換器と、膨張弁と蒸発圧力調整弁とよりヒートポンプを形成して、冬期若しくは夏期にはそれぞれ融雪若しくは冷房用としてそれぞれ作動させるヒートポンプを使用するようにした地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムにおいて、
少なくとも冬期において、蒸発器として作動する地中熱交換器と該熱交換器に併設したヒーティングタワーより、地中熱と空気熱とを採熱させながら、ヒートポンプを形成する圧縮機を介して高温高圧冷媒ガスを発生させ、凝縮器として作動するブライン熱交換器で融雪用温熱を発生させる構成としたことを特徴とする地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム。
【請求項2】
前記ヒートポンプにはボイラを併設させ、冬期における暖房及び融雪用温熱の供給不可及び大量降雪時に対応する構成としたことを特徴とする請求項1記載の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム。
【請求項3】
前記ブライン熱交換器には蓄熱用アイスバンクを併設させ圧縮顕熱熱交換器として結合して、冬期において圧縮顕熱を温蓄熱し、
電源遮断時の融雪運転及び凍結防止・予熱運転、デフロストに対応させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム。
【請求項4】
請求項1記載の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システムにおいて、
夏期においては、圧縮機で形成された高温高圧冷媒ガスを、凝縮器として作動する地中熱交換器と該熱交換器に併設したヒーティングタワーより放熱させながら、蒸発器として作動するブライン熱交換器で冷房用冷熱を発生させる構成としたことを特徴とする地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム。
【請求項5】
前記ブライン熱交換器には、蓄熱用アイスバンクを併設させ、夏期にはアイスバンクによる冷熱の蓄熱供給をして冷房に使用することを特徴とする請求項4記載の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム。
【請求項6】
地中熱交換器に接続する採熱用の蓄熱パイプは、融雪パイプの下層に設けたことを特徴とする請求項1若しくは請求項4記載の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム。
【請求項7】
前記ヒートポンプは、二次側はブラインを使用した間接型とし、一次側は自然冷媒使用の自己完結型冷・熱サイクルとしたことを特徴とする請求項1若しくは請求項4記載の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム。
【請求項8】
前記ヒートポンプは、前記ヒーティングタワーをブライン間接型とし、ブライン熱交換器(凝縮器)と蒸発器のブライン回路の切り替えにより作動させる構成とし、
温ブラインを融雪パイプと採熱パイプよりブライン回路の切り替えバルブ群を介して蒸発器に導入して、導入した地中の蓄熱により低温冷媒ガスを加熱させ、さらに圧縮機を介して加圧してブライン熱交換器(凝縮器)で温ブラインを形成させ、前記ヒーティングタワーに導入して放熱デフロストする構成としたことを特徴とする請求項1若しくは請求項4記載の地中熱・空気熱利用の融雪若しくは冷房システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−38764(P2011−38764A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179234(P2010−179234)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【分割の表示】特願2000−350507(P2000−350507)の分割
【原出願日】平成12年11月17日(2000.11.17)
【出願人】(000148357)株式会社前川製作所 (267)
【Fターム(参考)】