説明

地図表示装置及び地図表示プログラム

【課題】特定の河川に沿って設置されている複数の注目点を辿る順を自動的に決定し、決定した順に各注目点を辿るように地図をスクロール表示することができる地図表示装置を、提案する。
【解決手段】観測局情報122には、各観測局毎に、観測局が設置されている河川の河川コード,当該河川の末端から観測局が設定されている位置までの距離を示す距離標,観測局の位置を示す緯度及び経度が登録されている。地図スクロールルート検索機能112は、スクロール開始点となる何れかの観測局を指定する情報を受信すると、観測局除法122から、スクロール開始点として指定された観測局が設置されているのと同じ河川に沿って並ぶ各観測局の緯度経度を夫々読み出し、読み出した緯度経度を順序通りに辿るように、地図データに基づく地図をスクロール表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データに基づいて地図を表示するための地図表示装置及び地図表示プログラムに関し、特に、周囲の地図を確認する必要のある各注目点を順に辿るように地図をスクロール表示する地図表示装置,及び、コンピュータにかかるスクロール表示を行わしめる地図表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図をスクロール表示する技術として、カーナビゲーション装置において、地図上における経路探索されたルートに沿って自車マーカが移動する様子をシミュレーションするために、画面中央に固定された自車マーカに対して周囲の地図をスクロール表示する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、例えば、河川の水位や雨量を管理するための防災システムにおいては、観測(管理)点が広域に分布して設置されており、各観測点において異常が生じた場合には、観測された値が周囲の地形との関係で住民の住居や道路等のインフラに対してどのような災害を及ぼすかを推測・判断するために、防災担当者は、異常が生じた観測点周囲の地図を確認する必要がある。そして、上述したように、各観測(管理)点は、広範囲にわたって分布しているために、これらの全体を一度にディスプレイ表示させようとすると、縮尺が低くなりずぎて、目的を達成することができない。そこで、かかる防災システムにおいても、地図をスクロール表示する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−21373号公報
【特許文献2】特開平11−295085号公報
【特許文献3】特開2003−114615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、防災システムにおいては、各観測(管理)点は、道路に沿って配置されているわけでもないので、カーナビゲーションにおける経路検索の技術を流用して、スクロールの順序を決定することはできない。また、防災システムにおいては到着点を観念することができず、防災システムにおける地図スクロールでは支流や分流がある場合でも夫々についてスクロールする必要があり得るので、到着点の入力を要するとともに経路を一筆書きで探索するカーナビゲーションにおける経路検索を、流用することができない。
【0006】
さらに、スクロールをマウス等を手動で行おうとする場合には、たとえ河川に沿って設置されている河川水位の観測(管理)点に限っても、河川は直線状でない為に操作者の負担が大きいし、ましてや、河川から離れて設置されている観測(管理)点をスクロール表示するのは至難である。
【0007】
そこで、本案の課題は、一定地域内に多数設置されている注目点の中から、特定の河川に沿って設置されている複数の注目点を選択し、選択した各注目点を辿る順を自動的に決定し、決定した順に各注目点を辿るように地図をスクロール表示することができる地図表示装置,及び、コンピュータにかかるスクロール表示を行わしめる地図表示プログラムの、提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために案出された本案において、地図表示装置,及び、プログラム
を実行したコンピュータは、入力装置及びディスプレイを有する端末と通信可能であり、当該端末の前記入力装置を通じて指定された情報に応じて地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させる。そして、その記憶部内には、一定地域内に存在している各河川に沿って夫々設置されている多数の注目点毎に、当該注目点が設置されている河川を識別するための河川識別情報,当該河川に沿って設置されている複数の注目点の間における当該注目点の並び順を識別するための順序識別情報,当該注目点の位置を示す緯度経度を相互に対応付けて登録されている注目点情報が格納されている。そして、何れかの観測局をスクロール開始点として指定する開始点情報を前記端末から受信すると、前記注目点情報から、当該開始点情報が示す注目点,及び、当該注目点と同じ河川識別情報に対応付けられた注目点についての前記順序識別情報及び緯度経度を読み出し、前記各注目点の順序識別情報によって定まる並び順及び所定方向に従った順序通りに、前記注目点の緯度経度が示す場所を辿るように前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成し、当該情報を、通信部を通じて前記端末へ送信する。
【0009】
このような構成によれば、操作者が任意の注目点を選択して入力装置から入力すると、地図表示装置,及び、プログラムを実行したコンピュータは、選択された注目点を指定する開始点情報を受信し、この開始点情報が示す注目点,及び当該注目点と同じ河川識別情報に関連付けられてた注目点についての緯度経度及びその順序情報を、注目点情報から読み出し、読み出した順序情報が示す並び順及び所定の方向に従った順序通りに、読み出された緯度経度が示す場所を辿るように地図をスクロール表示する情報を生成して端末へ送信する。従って、端末のディスプレイ上には、操作者が指定した注目点を起点に、これが設置された河川に沿って設置された注目点を順次辿るように、即ち、ほぼ河川を所定方向に辿るように地図がスクロール表示される。
【0010】
本案において、地図データは、端末に存在しても、地図表示装置ないしコンピュータの記憶装置内に存在してもよい。前者の場合、端末へ送信される地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報とは、端末において地図データに基づいて地図を表示するアプリケーションに対して地図をスクロール表示させる一連の命令から構成されることになる。後者の場合、端末へ送信される地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報とは、例えば、端末上で実行されているブラウザプログラムに対して地図を動画表示させるデータである。
【0011】
所定の方向とは、予め例えば上流方向と定められても良いし、端末の操作者が指定できるようになっていても良い。
【0012】
順序識別情報は、例えば、河川の末端からの距離であっても良いし、並び順序を直接定義する通し番号であっても良い。
【0013】
注目点とは、例えば水準点やキロポストのように単に何らかの基準として設定された点であっても良いし、その地点において計測が行われる点であって良い。後者の場合、水位の計測が行われる点とすることができる。例えば、水位観測局が設置された点である。
【0014】
河川識別情報は、同じ水系において一つの河川が複数に分岐している場合において分岐した河川(狭義の河川)を夫々識別する河川コードを意味すると解しても良いし、支流や分流を含む水系全体(広義の河川)を他から識別するための識別情報,ないしこれらの組み合わせを意味すると解しても良い。
【0015】
なお、本案においてスクロールとは、各注目点の周辺地図を順次切り替えて表示する事をも含む。
【0016】
また、防災システムにおいては、各観測(管理)点のうちでも異常が生じていないものについては周辺地図を表示する必要は低く、また、異常が生じている観測(管理)点のうちでもより緊急度の高い観測(管理)点についての周辺地図はより早急に確認する必要があるが、そのためには、予め指定された出発点及び到着点との間を一筆書きで結ぶ経路を所要時間の短さを基準に探索するに過ぎないカーナビゲーションにおける経路検索を、流用することはできない。そのためには、各注目点における河川の水位についての情報を別途取得し、水位の危険の程度が高い注目点ほど長時間停止するようにスクロール表示させても良いし、河川の末端において正常な水位の注目点が並ぶ場合にはこれら注目点をスクロール表示の対象から除外するようにしても良い。また、河川が分岐している場合には、水位の危険の程度が高い方を優先的にスクロール表示したり、危険の程度が同じであれば最近急激に危険の程度が上昇した側を古くから水位の計測が行われた側より優先的にスクロール表示するようにしても良い。
【発明の効果】
【0017】
以上のように構成された本案の地図表示装置及び地図表示プログラムによれば、注目点情報に登録されている多数の注目点の中から、開始点情報が示す注目点と同じ河川に沿って設置されている複数の注目点を選択し、選択された各注目点を辿る順序を自動的に決定し、その順序通りに各注目点を辿るように地図をディスプレイ上に表示させるための情報を生成し、それによってディスプレイ上に地図をスクロール表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に説明する実施形態は、本案による地図表示装置を、河川の水位を測定する水位観測局及び雨量観測局を観測(管理)点として、河川の流路を基準としてスクロール表示順を決定する例である。
【0019】
(システム構成)
図1は、本実施形態による地図表示装置である防災情報システム1を中心とした地図表示システムの構成を示すブロック図である。この図1に示されるように、防災情報システム1は、専用回線からなるネットワークNを通じて防災担当者が操作する端末2に接続されている。
【0020】
なお、図1に示される他システム3とは、当該防災情報システム1を運営する当局が管理する各水系の各河川に沿って配置された多数の水位観測局や、そこでの雨量が災害発生に影響を及ぼすような地点に設置された多数の雨量観察局等から、水位や雨量のデータを収集し、当該防災情報システム1等、当該データを利用する機関に提供するシステムである。なお、ここで、河川とは、その水源又は本流からの分流点から河口又は本流への合流点までの水路(狭義の河川)をいい、水系とは、本流及び支流の関係のある複数河川の全体(広義の河川)を指す。
【0021】
端末2は、防災情報システム1との間でTCP/IPに従った通信を行うコンピュータであり、図示を省略したが、キーボードやポインティングデバイスのような入力装置,ディスプレイ,OSシステムやブラウザプログラムを格納したディスク装置及びこれらプログラムを読み込んで実行するCPUを備えている。
【0022】
防災情報システム1は、バスBを通じて相互に接続されたCPU10,RAM11,ハードディスク12及び通信アダプタ13を備えているコンピュータ(地図表示装置)である。
【0023】
通信アダプタ13は、ネットワークNを終端してデータ通信のためのプロトコル変換を行う通信装置である。
【0024】
ハードディスク12は、各種プログラム及び各種データを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。このハードディスク12に格納された各種プログラムには、図示せぬOSシステムやウェブサーバプログラムの他に、地図スクロール表示を実現するための地図スクロールプログラム120が含まれている。
【0025】
また、ハードディスク12に格納されている各種データには、地図表示の基となる地図データ121,各水位観測局についての情報を格納した水位観測局情報122及び各雨量観測局についての情報を格納した雨量観測局情報123が、含まれている。さらに、CPU10が上記地図スクロールプログラム120を実行することにより、ハードディスク12内には、水位観測局によって測定された水位についてのデータ(水位観測データ124),雨量観測局によって測定された雨量についてのデータ(雨量観測データ125),水位が警報レベル及び注意レベルである水位観測局についての情報(水位警報情報126),雨量が警報レベル及び注意レベルである雨量観測局についての情報(雨量警報情報127)が、一時的に記憶されることになる。各データの詳細については、後述する。
【0026】
CPU10は、ハードディスク12に格納されている各種プログラムをRAM上に読み込んで実行することによって、そのプログラムに従った処理を実行する処理装置である。また、RAM11は、CPU10によって読み込まれたプログラムをキャッシュするとともにCPU10による作業領域が展開される主記憶装置である。即ち、各種プログラムをCPU10が読み込んでRAM11上で処理を実行することにより、これらプログラムによって規定された機能が実現されるのである。図1には、そのうち、図示せぬウェブサーバプログラム及び地図スクロールプログラム120によって実現される複数の機能,即ち、データ収集機能110,警報判定機能111及び地図スクロールルート検索機能112が示される。なお、検索結果テーブル13は、地図スクロールルート検索機能112によってRAM11上に一時的に生成される情報である。
【0027】
以下、各データ121〜127,113及び各機能100〜112についての詳細説明を行う。
【0028】
地図データ121は、カーナビゲーションに用いられるものと同種のレイヤードデータであり、基本となる白地図データ上に、夫々の種類の施設の位置をアイコンにて示すレイヤーの重ねた構造を有している。そのレイヤーの一つが、図2に例示したような各種水位観測局及び雨量観測局等の位置及び種類を示すアイコンを表示させるレイヤーである。
【0029】
水位監察局データ122は、スクロール表示対象となる各水位観測局(即ち、各水位観測局が設置されている注目点)についての情報を一覧したテーブル(注目点情報)である。図2は、水位観測局データ122のデータ構造を示す表である。当該防災情報システム1によってスクロール表示対象となる各水位観測局には、それが設置された時点が古いもののから順に「観測局番」(即ち、水位観測局が設置された順序を特定するための情報)が割り当てられている。そして、図2に示すように、水位観測局データ122中では、このようにして「観測局番」によって識別される各水位観測局毎に一つのレコードが割り当てられ、各レコードは、夫々、観測局番,情報種別,観測局名称,水系名,河川名,コード,距離標,経度,緯度,危険水位,注意水位,関連付け雨量局,上流方向ポイントフラグ,分岐河川コード,下流方向ポイントフラグ,分岐河川コードの各フィールドから、構成されている。
【0030】
情報種別フィールドには、当該観測局が水位観測局であることを示す識別子「水位」が格納されている。
【0031】
また、観測局名称フィールドには、当該水位観測局の名称が、格納されている。
【0032】
また、水系名フィールドには、当該水位観測局が設置された河川が属する水系の名称が、格納されている。また、河川名フィールドには、当該水位観測局が設置された河川の名称が、格納されている。また、コードフィールドには、当該水位観測局が設置された河川のコード(河川コード)が、格納されている。これら水系名,河川名,河川コードが、河川を識別するための河川識別情報として用いられる。
【0033】
また、距離標フィールドには、当該水位観測局が設置された河川における末端(河口又は本流に対する合流点)から当該水位観測局の設置位置までの距離が、格納されている。この距離標フィールドに格納された距離が、河川に沿って設置されている複数の注目点の間における当該注目点の並び順を識別するための順序識別情報として用いられている。
【0034】
また、緯度フィールドには、当該水位観測局の設置位置の緯度が、格納されている。
【0035】
また、径度フィールドには、当該水位観測局の設置位置の径度が、格納されている。
【0036】
また、危険水位フィールドには、当該水位観測局が測定した水位が災害を生じる危険のある危険水位と判定されるべき判定値が、格納されている。また、注意水位フィールドには、当該水位観測局が測定した水位が災害を生じる可能性のある注意水位と判定されるべき判定値が、格納されている。危険水位及び注意水位とは、併せて、警報すべき警報レベルに相当する。また、正常水位であるか注意水位であるか危険水位であるかの区別は、危険の程度を意味する。
【0037】
また、関連付け雨量局フィールドには、当該水位観測局に関連付けされた雨量観測局,即ち、河川には沿っていないがその場所の雨量が当該水位観測局における水位に影響を及ぼす地点(例えば、枯れ谷等)に設置された雨量観測局の観測局番が、格納されている。
【0038】
また、上流方向ポイントフラグフィールドには、当該河川における当該水位観測局と上流側に隣接する他の水位観測局との間に分岐点(即ち、支流又は本流との合流点)が存在することを示すフラグが、格納されている。
【0039】
また、分岐河川コードフィールドには、上記分岐点にて当該河川に合流する支流又は本流の河川コードが、格納されている。
【0040】
また、下流方向ポイントフラグフィールドには、当該河川における当該水位観測局から下流側の水位観測局に至るまでの間に分岐点(即ち、分流との分流点)が存在することを示すフラグが、格納されている。
【0041】
また、分岐河川コードフィールドには、上記分岐点にて当該河川から分流する分流の河川コードが、格納されている。
【0042】
雨量観測局データ123は、スクロール表示対象となる各雨量観測局についての情報を一覧したテーブルである。図3は、雨量観測局データ123のデータ構造を示す表である。当該防災情報システム1によってスクロール表示対象となる各雨量観測局には、一意の「観測局番」が割り当てられている。そして、図3に示すように、雨量観測局データ123中では、このようにして「観測局番」によって識別される各雨量観測局毎に一つのレコードが割り当てられ、各レコードは、夫々、観測局番,情報種別,観測局名称,経度,緯度,危険雨量,注意雨量の各フィールドから、構成されている。
【0043】
情報種別フィールドには、当該観測局が雨量観測局であることを示す識別子「雨量」が格納されている。
【0044】
また、観測局名称フィールドには、当該雨量観測局の名称が、格納されている。
【0045】
また、緯度フィールドには、当該雨量観測局の設置位置の緯度が、格納されている。
【0046】
また、径度フィールドには、当該雨量観測局の設置位置の径度が、格納されている。
【0047】
また、危険雨量フィールドには、当該雨量観測局が測定した雨量が災害を生じる危険のある危険雨量と判定されるべき判定値が、格納されている。
【0048】
また、注意雨量フィールドには、当該雨量観測局が測定した雨量が災害を生じる可能性のある注意雨量と判定されるべき判定値が、格納されている。
【0049】
データ収集機能110は、各観測局において所定周期毎(図3の例では1時間毎)に測定されて他のシステム3によって収集された観測値(水位,雨量)を、当該他のシステム3から取得する。そして、収集した各測定値を、水位及び雨量に夫々仕分けて、水位観測データ124及び雨量観測データ125としてハードディスク12に格納する(既に水位観測データ124又は雨量観測データ125が存在している場合にはこれに追記する)。
【0050】
図4は、水位観測データ124のデータ構造を示す表である。この図4に示すように、水位観測データ124では、各水位観測局において測定がなされた時刻単位で、測定された水位を夫々記録したレコードがソートされている。そして、各レコードは、夫々、記録対象となる水位を測定した水位観測局の観測局番が記録される観測局番フィールド,当該水位観測局が設置されている河川の属する水系名が記録される水系名フィールド,当該河川の河川名が記録される河川名フィールド,当該河川の河川コードが記録されるコードフィールド,観測された水位が記録される観測値フィールドから、構成されている。
【0051】
図5は、雨量観測データ125のデータ構造を示す表である。この図5に示すように、雨量観測データ125では、各水位観測局において測定がなされた時刻単位で、測定された雨量を夫々記録したレコードがソートされている。そして、各レコードは、夫々、記録対象となる雨量を測定した雨量観測局の観測局番が記録される観測局番フィールド,観測された水位が記録される観測値フィールドから、構成されている。
【0052】
警報判定機能110は、水位観測局情報122と水位観測データ124とを夫々読み込んで、水位観測データ124に含まれる各レコード毎に、そのレコードに記録されている水位を、そのレコードに対応した水位観測局について水位観測局情報122に登録されている危険水位の判定値及び注意水位の判定値と比較して、正常水位であるか注意水位であるか危険水位であるか(即ち、水位の危険の程度)を判定する。そして、正常水位であると判定したレコードについては除外するとともに、残りのレコードには、注意水位である場合には警報判定フラグ“1”を、危険水位である場合には警報判定フラグ“2”を夫々追加することにより、図6に示す水位警報情報126を生成して、ハードディスク12に格納する(既に水位警報情報126が存在している場合にはこれに追記する)。
【0053】
また、警報判定機能110は、雨量観測局情報123と雨量観測データ125とを夫々読み込んで、雨量観測データ125に含まれる各レコード毎に、そのレコードに記録されている雨量を、そのレコードに対応した雨量観測局について雨量観測局情報123に登録されている危険雨量の判定値及び注意雨量の判定値と比較して、正常雨量であるか注意雨量であるか危険雨量であるかを判定する。そして、正常雨量であると判定したレコードに
ついては除外するとともに、残りのレコードには、注意雨量である場合には警報判定フラグ“1”を、危険雨量である場合には警報判定フラグ“2”を夫々追加することにより、図7に示す雨量警報情報127を生成して、ハードディスク12に格納する(既に雨量警報情報126が存在している場合にはこれに追記する)。
【0054】
地図スクロールルート検索機能112は、ネットワークNを通じて、端末2から、スクロール開始点の水位観測局を指定したスクロール表示要求メッセージを受信すると、上述したようにして生成された水位警報情報126及び雨量警報情報127を読み込んで、後述する図8乃至図14のフローチャートに示す処理を実行する。これにより、地図スクロールルート検索機能112は、指定された水位観測局が設置された河川が属する水系について、観測値が注意又は危険レベルにある各水位観測局を重要性の高い順に効率良く辿るようにスクロールするための順序を決定し、その順路を示す検索結果テーブル113をRAM11上に生成するとともに、この検索結果テーブル113及び地図データ121に基づいて、上記順路に沿って地図をスクロール表示する動画データ(注目点の緯度経度が示す場所を辿るように地図データに基づく地図をディスプレイ上に表示させるための情報)を生成し、これをリクエスト元端末2へ応答する。
【0055】
図16乃至図21に、検索結果テーブル113のデータ構成を示す。これら各図に示されるように、検索結果テーブル113には、上から順に、スクロールの順序が早いものから、各観測局についての情報を登録したレコードが登録されている。そして、各レコードは、スクロールに寄って経由される各観測局の観測局番が記録される観測局番フィールド,及び、情報種別,水系名,河川名,河川コード,緯度,経度,停止時間の各フィールドから、構成されている。このうち、情報種別,水系名,河川名,河川コード,緯度,経度の各フィールドの意味は、水系観測局情報122のものと同じである。また、停止時間フィールドには、スクロール表示の際に、当該観測局の周辺地図を停止表示させる時間(秒)が、登録される。
【0056】
(処理)
以下、図8乃至図14のフローチャートを参照して、上述した地図スクロールルート検索機能112が実行する処理を、詳細に説明する。
【0057】
地図スクロールルート検索機能112を起動させるには、端末2を操作している防災担当者は、地図画面の画面データを、地図スクロールルート検索機能112に対して要求する。すると、地図スクロールルート検索機能112は、地図データ121及び図示せぬフレームの素材に基づいて、図15に示すような地図画面を表示させるための画面データを動的に生成して応答する。端末2は、この画面データに基づいて、端末2のディスプレイ上に、同地図画面を表示させる。この地図画面には、地図データに基づいて地図を表示っせるための地図表示欄100の他、「上流に向けてスクロール」ボタン101及び「下流に向けてスクロール」ボタン102が含まれている。また、地図表示欄100には、図28に示すように、地図全体のうちの例えば破線によって示される一部が表示されるが、この地図には各観測局の位置及び種類を示すアイコンを示すレイヤーが重ねられている。そして、この画面データには、地図表示欄100内でポインティングデバイスが操作されるとその操作内容によって当該地図表示欄100内に表示されている地図を上下左右にスクロールさせたり縮尺を変更させる設定,及び、地図表示欄100内に表示されている何れかのアイコンがクリックされた状態で何れかのボタン101,102が操作されると、クリックされたアイコンが示す観測局を特定する情報(開始点情報)及び操作されたボタン101,102を特定する情報(スクロール方向情報)をパラメータとして含むスクロール要求メッセージを地図スクロールルート検索機能112へ送信する設定が、組み込まれている。
【0058】
このスクロール要求メッセージを受信した地図スクロールルート検索機能112は、図8において、処理をS001からS002へ進める。S002では、地図スクロールルート検索機能112は、地図スクロール探索結果出力処理を実行する。図9以下に、S002にて実行される地図スクロールルート探索結果出力処理の詳細を示す。
【0059】
図9に入って最初のS101では、地図スクロールルート検索機能112は、スクロール要求メッセージから上記クリックされたアイコンが示す観測局を特定する情報を取得し、この情報が示す水位観測局を、開始局として、RAM11上の図示せぬレジスタに登録す
る。
【0060】
次のS102では、地図スクロールルート検索機能112は、スクロール要求メッセージから、操作されたボタン101,102の種別,従って、上流から下流かというスクロール方向を取得する。
【0061】
次のS103では、地図スクロールルート検索機能112は、現在時刻を、最新観測時刻として、RAM11上の図示せぬレジスタに登録する。
【0062】
次のS104では、地図スクロールルート検索機能112は、S101にてレジスタに登録した開始局の観測局番を、変数「停止局」に代入する。
【0063】
次のS105では、地図スクロールルート検索機能112は、探索結果テーブル113を初期化する。このとき、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に代入されている観測局番についてのレコードを、検索結果テーブル113に追加する。そして、地図スクロールルート検索機能112は、当該観測局番について、水位観測局情報122に登録されている情報種別,水系名,河川名,河川コード,緯度,経度の各フィールドの値を、検索結果テーブル113における当該新規レコードに書き写す。
【0064】
次のS106では、地図スクロールルート検索機能112は、RAM11上の図示せぬレジスタに設定されているスクロール完了フラグを初期化(リセット)する。
【0065】
次に、地図スクロールルート検索機能112は、S107以下のループ処理に入る。
【0066】
S107では、地図スクロールルート検索機能112は、スクロール完了フラグがセットされているかリセットされたままであるかをチェックする。そして、リセットされたままであれば、処理をS108へ進める。
【0067】
S108では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に代入されている観測局番が水位警報情報126(図6)に登録されているか、登録されているとしてその警報判定フラグの値は何であるかを、読み取る。
【0068】
次のS109では、地図スクロールルート検索機能112は、探索結果テーブル113における変数「停止局」に代入されている観測局番についてのレコードに、停止時間の値を設定する。具体的には、地図スクロールルート検索機能112は、当該観測局番が警報情報126に最新のものとして登録されていない場合には、水位が正常レベルであるので、当該新規レコードにおける停止時間フィールドに“1秒”を設定する。これに対して、当該観測局番が警報情報126に最新のものとして登録されており且つ対応する警報判定フラグの値が“1”であれば、水位が注意レベルであるので、当該新規レコードにおける停止時間フィールドに“5秒”を設定する。これに対して、当該観測局番が警報情報126に最新のものとして登録されており且つ対応する警報判定フラグの値が“2”であれば、水位が危険レベルであるので、当該新規レコードにおける停止時間フィールドに“10
秒”を設定する。
【0069】
次の110では、地図スクロールルート検索機能112は、観測局情報122を参照して、変数「停止局」に代入されている観測局番が示す水位観測局(停止局)と同一河川コードを有する次の水位観測局との間に分岐があるかどうかを、チェックする。これは、観測局情報122における変数「停止局」に代入されている観測局番と同じレコードに、上流方向ポイントフラグがセットされているか否か(スクロール方向が上流である場合),又は、下流方向ポイントがセットされているか否か(スクロール方向が下流である場合)に基づいて行われる。
【0070】
そして、次の水位観測局との間に分岐があると判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS111へ進める。S111では、地図スクロールルート検索機能112は、次の水位観測局,即ち、停止局と同一河川コードを有する水位観測局のうち、停止局に対応した「距離標」の値の次に大きい「距離標」の値を有する水位観測局(スクロール方向が上流である場合)又はその次に小さい「距離標」の値を有する水位観測局(スクロール方向が下流である場合)を、次の水位観測局として特定する。そして、特定した水位観測局についての観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されているか否かをチェックする。
【0071】
そして、特定した水位観測局についての観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されている場合,即ち、次局に警報が発生している場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS112へ進める。S112では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に、S111にて特定した次の水位観測局の観測局番を設定する。S112を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0072】
これに対して、特定した水位観測局についての観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されていない場合,即ち、次局に警報が発生していないとS111にて判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS201へ進める。
【0073】
S201では、地図スクロールルート検索機能112は、水位警報情報126を参照して、変数「停止局」に代入されている観測局番が示す水位観測局(停止局)と同一河川コードを有するスクロール方向に並ぶ水位観測局のなかに、警報が発生しているものがあるかどうかをチェックする。このチェックに際しては、地図スクロールルート検索機能112は、推観測局情報122を参照して、停止局と同一河川コードを有する水位観測局を、「距離標」の値に基づいてスクロール順に順次特定し、特定した水位観測局についての観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されているかどうかのチェックを行うことによって行う。
【0074】
そして、停止局と同一河川コードを有するスクロール方向に並ぶ水位観測局のなかに警報が発生しているものがあるとS201にて判定すると、地図スクロールルート検索機能112は、S202において、上記チェックによって最初に警報が発生しているものと判定した水位観測局の観測局番を、変数「停止局」に設定する。S202を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0075】
これに対して、停止局と同一河川コードを有するスクロール方向に並ぶ水位観測局のなかに警報が発生しているものがないと判定すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS203へ進める。S203では、地図スクロールルート検索機能112は、水位観測局情報122を参照して、停止局と同一河川コードを有し且つスクロール方向に存在する全水位観測局についてのレコードに基づき、当該河川コードが示す河川から分岐
した河川があるかどうかをチェックする。そして、当該河川から分岐した河川がある場合には、更に、当該分岐した河川の河川コードを有するスクロール方向に並ぶ水位観測局のなかに、警報が発生しているものがあるかどうかをチェックする。このチェックは、S201と同じ手法によって行われる。
【0076】
そして、当該河川コードが示す河川から分岐した河川があり、且つ当該分岐した河川の河川コードを有するスクロール方向に並ぶ水位観測局のなかに、警報が発生しているものがあると判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、S204において、最初に警報が発生しているものと判定した水位観測局の観測局番を変数「停止局」に設定する。S204を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0077】
これに対して、当該河川コードが示す河川から分岐した河川がない場合,及び、当該河川コードが示す河川から分岐した河川があるが、当該分岐した河川の河川コードを有するスクロール方向に並ぶ水位観測局のなかに、警報が発生しているものがないと判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、S205において、スクロール完了フラグ205をセットした後に、処理をS314へ進める。
【0078】
一方、次の水位観測局との間に分岐があるとS110にて判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、S113において、観測局情報122における変数「停止局」に代入されている観測局番と同じレコードから、分岐河川コードを取得する。
【0079】
次のS114では、地図スクロールルート検索機能112は、水位観測局情報122中のS113にて取得された河川コードを有する全レコードのうち、距離標の値が最も小さいもの(スクロール方向が上流である場合)又は最も小さいもの(スクロール方向が下流である場合),即ち、停止局からみて分岐河川に沿った最も近い位置にある局を、「分岐局」として特定する。
【0080】
次のS301では、地図スクロールルート検索機能112は、同一河川に沿った次の水位観測局,即ち、停止局と同一河川コードを有する水位観測局のうち、停止局に対応した「距離標」の値の次に大きい「距離標」の値を有する水位観測局(スクロール方向が上流である場合)又はその次に小さい「距離標」の値を有する水位観測局(スクロール方向が下流である場合)を、次の水位観測局(次局)として特定する。そして、特定した水位観測局の観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されているか否かをチェックする。そして、特定した水位観測局についての観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されている場合,即ち、次局に警報が発生している場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS303へ進める。
【0081】
これに対して、特定した水位観測局についての観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されていない場合,即ち、次局に警報が発生していないとS301にて判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS302へ進める。
【0082】
S302では、地図スクロールルート検索機能112は、水位観測局情報122中に次局と同じ河川コードを有し且つ次局よりも距離標の値が大きいレコード(スクロール方向が上流である場合)又は小さいレコード(スクロール方向が下流である場合)が登録されているか否かに基づいて、次局が当該河川における最終局であるかどうかを判定する。そして、次局が最終局であると判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、S317にてスクロール完了フラグをセットして、処理をS107へ戻す。
【0083】
これに対して、次局が当該河川における最終局でないと、S302にて判定した場合に
は、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS303へ進める。
【0084】
S303では、地図スクロールルート検索機能112は、S114にて特定した分岐局の観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されているか否かをチェックする。そして、分岐局についての観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されていない場合,即ち、分岐局に警報が発生していないとS303にて判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS304へ進める。
【0085】
S304では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に、S301にて特定した次局の観測局番を設定する。
【0086】
次のS305では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」に、上記分岐局の観測局番を設定する。S305を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0087】
これに対して、分岐局についての観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されている場合,即ち、分岐局に警報が発生しているとS303にて判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS306へ進める。
【0088】
S306では、地図スクロールルート検索機能112は、S301にて特定した次局の観測局番について水位警報情報126に最新のものとして登録されている警報判定フラグの値と、S114にて特定した分岐局の観測局番について水位警報情報126に最新のものとして登録されている警報判定フラグの値とを比較する。そして、分岐局の警報レベル(警報判定フラグの値)が“1”であり且つ次局の警報レベル(警報判定フラグの値)が“2”である場合には処理をS307へ進め、分岐局の警報レベル(警報判定フラグの値)及び次局の警報レベル(警報判定フラグの値)が共に“1”又は“2”である場合には処理をS313へ進め、それ以外の場合には処理をS310へ進める。
【0089】
S307では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に、S301にて特定した次局の観測局番を設定する。
【0090】
次のS309では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」に、上記分岐局の観測局番を設定する。S305を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0091】
一方、S310では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に、上記分岐局の観測局番を設定する。
【0092】
次のS311では、地図スクロールルート検索機能112は、スクロール対象河川の河川コードを、S113にて取得した分岐河川の河川コードに更新する。
【0093】
次のS312では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」に、S301にて特定した次局の観測局番を設定する。S312を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0094】
一方、S313では、地図スクロールルート検索機能112は、図12に示すサブルーチンを実行する。このサブルーチンでは、地図スクロールルート検索機能112は、水系警報情報126における最新のものより1周期前の回(前回)における情報を参照する。
【0095】
地図スクロールルート検索機能112は、このサブルーチンに入って最初のS401で
は、S301にて特定した次局の観測局番について水位警報情報126に前回のものとして登録されている警報判定フラグの値と、S114にて特定した分岐局の観測局番について水位警報情報126に前回のものとして登録されている警報判定フラグの値とを比較する。そして、地図スクロールルート検索機能112は、次局の観測局番について水位警報情報126に前回のものとして登録されている警報判定フラグの値が分岐局の観測局番について水位警報情報126に前回のものとして登録されている警報判定フラグの値と同じである場合(次局及び分岐局についての情報が前回のものとして登録されていない場合を含む)には処理をS402へ進め、次局の観測局番について水位警報情報126に前回のものとして登録されている警報判定フラグの値が分岐局の観測局番について水位警報情報126に前回のものとして登録されている警報判定フラグの値よりも小さい場合(次局についての情報が前回のものとして登録されていない場合を含む)には処理をS406へ進め、分岐局の観測局番について水位警報情報126に前回のものとして登録されている警報判定フラグの値が次局の観測局番について水位警報情報126に前回のものとして登録されている警報判定フラグの値よりも小さい場合(分岐局についての情報が前回のものとして登録されていない場合を含む)には処理をS409へ進める。
【0096】
S402では、地図スクロールルート検索機能112は、水位観測局情報122に登録されている次局の観測局番が分岐局の観測局板よりも小さいかどうかをチェックし、前者が後者よりも小さければ処理をS406へ進め、前者が後者よりも小さくなければ、処理をS403へ進める。
【0097】
S403では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に、上記分岐局の観測局番を設定する。
【0098】
次のS404では、地図スクロールルート検索機能112は、スクロール対象河川の河川コードを、S113にて取得した分岐河川の河川コードに更新する。
【0099】
次のS405では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」に、S301にて特定した次局の観測局番を設定する。S405を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0100】
一方、S406では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に、S301にて特定した次局の観測局番を設定する。
【0101】
次のS408では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」に、上記分岐局の観測局番を設定する。S408を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0102】
一方、S409では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に、上記分岐局の観測局番を設定する。
【0103】
次のS410では、地図スクロールルート検索機能112は、スクロール対象河川の河川コードを、S113にて取得した分岐河川の河川コードに更新する。
【0104】
次のS411では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」に、S301にて特定した次局の観測局番を設定する。S411を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS314へ進める。
【0105】
S314では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に代入されている観測局番についてのレコードを、検索結果テーブル113に追加する。そして、地図
スクロールルート検索機能112は、当該観測局番について、水位観測局情報122に登録されている情報種別,水系名,河川名,河川コード,緯度,経度の各フィールドの値を、検索結果テーブル113における当該新規レコードに書き写す。
【0106】
次の315では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に代入されている観測局番について水位観測情報126に登録されているレコードの関連付け雨量局フィールドに観測局番が登録されているかどうかをチェックする。そして、地図スクロールルート検索機能112は、観測局番が登録されていなければ処理をそのままS501へ進め、観測局番が登録されていれば、S316において、S315にて登録されていると判定した関連付け雨量局の観測局番についてのレコードを、検索結果テーブル113に追加する。そして、地図スクロールルート検索機能112は、当該関連付け雨量局の観測局番について、雨量観測局情報123に登録されている情報種別,緯度,経度の各フィールドの値を、検索結果テーブル113における当該新規レコードに書き写す。S316を完了すると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS501へ進める。
【0107】
S501では、地図スクロールルート検索機能112は、水位観測局情報122中に変数「停止局」に代入されている観測局番を含むレコードと同じ河川コードを有し且つ当該レコードよりも距離標の値が大きいレコード(スクロール方向が上流である場合)又は小さいレコード(スクロール方向が下流である場合)が登録されているか否かに基づいて、当該停止局が当該河川における最終局であるかどうかを判定する。そして、当該停止局が最終局でないと判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をそのままS107へ戻す。これに対して、当該停止局が最終局であると判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS502へ進める。
【0108】
S502では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」に観測局番が代入されているかどうかをチェックする。そして、変数「戻り局」に観測局番が代入されていない場合には、地図スクロールルート検索機能112は、S503において、スクロール完了フラグを設定して、処理をS107へ戻す。これに対して、変数「戻り局」に観測局番が代入されている場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS504へ進める。
【0109】
S504では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」に代入されている観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されているか否かをチェックする。そして、変数「戻り局」に代入されている観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されていない場合,即ち、戻り局に警報が発生していないとS504にて判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS201へ進める。
【0110】
これに対して、変数「戻り局」に代入されている観測局番が水位警報情報126に最新のものとして登録されている場合,即ち、戻り局に警報が発生しているとS504にて判定した場合には、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS505へ進める。
【0111】
S505では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「停止局」に、変数「戻り局」の値をコピーする。
【0112】
次のS506では、地図スクロールルート検索機能112は、変数「戻り局」代入されていた値をクリアする。
【0113】
次のS507では、地図スクロールルート検索機能112は、スクロール対象河川の河川コードを、変数「停止局」に登録されている観測局番に対応付けて水位観測局情報122に登録されている河川コードに更新する。S507を完了すると、地図スクロールルー
ト検索機能112は、処理をS107へ進める。
【0114】
以上説明したS107乃至S507のループ処理を繰り返すことにより、スクロール完了フラグがセットされているとS107にて判定すると、地図スクロールルート検索機能112は、S107から処理を分岐して、この地図スクロールルート探索結果出力サブルーチンを終了し、処理を図8のメインルーチンに戻す。
【0115】
処理が戻された図8のメインルーチンでは、S002の次にS003が実行される。S003では、地図スクロールルート検索機能112は、地図スクロール処理を実行する。図14は、S003にて実行される地図スクロール表示処理サブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンに入ってから最初のS601では、地図スクロールルート検索機能112は、S002での処理の結果RAM11上に生成された検索結果テーブル113から、先頭から降順に、未読み出しのレコードを一行読み出す。
【0116】
次のS602では、地図スクロールルート検索機能112は、S601にて読み出したレコード中の緯度フィールド及び経度フィールドに登録されてる緯度経度が示す地点へ地図をスクロールしてから、同レコード中の停止時間だけ地図を静止表示する動画データを生成して、端末2へ送信する。
【0117】
次のS603では、地図スクロールルート検索機能112は、検索結果テーブル113から全レコードを読み出し済みであるかどうかをチェックする。そして、未だ読み出していないレコードが残っていると、地図スクロールルート検索機能112は、処理をS601へ戻す。これに対して、全てのレコードを読み済みならば、地図スクロールルート検索機能112は、全処理を終了する。
【0118】
(表示例)
(その1)
いま、図22に示すように、分岐のない一本のC河川に沿って、下流から上流に向けて観測局番10〜15を夫々有する5つの水位観測局が順に設置されているが、最上流側に設置されている観測局番15の水位観測局が観測した水位のみが正常レベルであり、他の全水位観測局について警報レベルになっていたとする。
【0119】
その場合、開始局を10番の水位観測局としてスクロール方向を上流に指定すると、図16に示される検索結果テーブル113が生成される。即ち、この場合、最後に辿られるべき15番の水位観測局では観測水位が正常であるので、当該15番の水位観測局についてのレコードは、検索結果テーブル113に登録されない。
【0120】
その結果、図22に丸付き数字で示す順序で、スクロール表示がなされる。
【0121】
(その2)
いま、図23に示すように、分岐のない一本のC河川に沿って、下流から上流に向けて観測局番10〜15を夫々有する5つの水位観測局が順に設置されているが、途中の観測局番12の水位観測局が観測した水位のみが正常レベルであり、他の全水位観測局について警報レベルになっていたとする。
【0122】
その場合、開始局を10番の水位観測局としてスクロール方向を上流に指定すると、図17に示される検索結果テーブル113が生成される。即ち、この場合、観測水位が正常である12番の水位観測局はスクロールの途中であるので、できるだけ河川に沿ったスクロールを可能にすべく、当該12番の水位観測局についてのレコードは検索結果テーブル113に登録され、その停止時間は1秒と設定される。
【0123】
その結果、図23に丸付き数字で示す順序で、スクロール表示がなされる。
【0124】
(その3)
いま、図24に示すように、本流であるA河川の途中に支流であるB河川が合流しているZ水系において、A河川に沿って、下流から上流に向けて観測局番1〜3,7〜9を夫々有する6つの水位観測局が順に設置されており、観測局番3及び7の間にある河川分岐点(合流点)から分岐するB河川に沿って、下流から上流に向けて観測局番4〜6を夫々有する3つの水位観測局が順に設置され、A河川において河川分岐点のすぐ上流側に位置している観測局番7の観測局での観測水位は注意レベルであり、B河川において河川分岐点のすぐ上流側に位置している観測局番4の観測局での観測水位は危険レベルになっていたとする。
【0125】
その場合、開始局を1番の水位観測局としてスクロール方向を上流に指定すると、図18に示される検索結果テーブル113が生成される。即ち、この場合、河川分岐点より上流においては、B河川の水位の方が災害発生の蓋然性が高いので、B河川を先にスクロールし、その最終局(観測局番6の観測局)までスクロールした後に、一旦河川分岐点まで戻り、改めて、A河川の上流部をスクロールするように、検索結果テーブル113が生成される。
【0126】
その結果、図24に丸付き数字で示す順序で、スクロール表示がなされる。
【0127】
(その4)
いま、図25に示すように、図24に示す状態の1時間後に、観測局番7の観測局での観測水位が危険レベルまで上昇したとする。
【0128】
その場合、開始局を1番の水位観測局としてスクロール方向を上流に指定すると、図19に示される検索結果テーブル113が生成される。即ち、この場合、観測局番7の観測局と観測局番4の観測局の現在の観測水位は共に危険レベルであるが、河川分岐点より上流においては、A河川の水位の方が最近急激に上昇したので、今後も更に上昇する蓋然性が高いと予想できる。そこで、A河川の上流部を先にスクロールし、その最終局(観測局番9の観測局)までスクロールした後に、一旦河川分岐点まで戻り、改めて、B河川をスクロールするように、検索結果テーブル113が生成される。
【0129】
その結果、図25に丸付き数字で示す順序で、スクロール表示がなされる。
【0130】
(その5)
いま、図26に示すように、図25に示す状態の1時間後になっても、全観測局での観測水位が全て危険レベルであったとする。
【0131】
その場合、開始局を1番の水位観測局としてスクロール方向を上流に指定すると、図20に示される検索結果テーブル113が生成される。即ち、この場合、河川分岐点より上流においては、観測局番7の観測局と観測局番4の観測局の現在の観測水位は共に危険レベルであり、1時間前からの変化の度合も両者に変わりがないので、より早くから水位観測局が設置されて水位観測が行われていたB河川を先にスクロールし、その最終局(観測局番9の観測局)までスクロールした後に、一旦河川分岐点まで戻り、改めて、A河川の上流部をスクロールするように、検索結果テーブル113が生成される。
【0132】
その結果、図26に丸付き数字で示す順序で、スクロール表示がなされる。
【0133】
(その6)
いま、図27に示すように、図26の状況に加えて、観測局番6の水位観測局には観測局番3の雨量観測局が関連付けられ、観測局番7の水位観測局には観測局番1の雨量観測局が関連付けられ、観測局番9の水位観測局には観測局番2の雨量観測局が関連付けられているとする。
【0134】
この場合、雨量観測局に関連着けられた水位観測局をスクロールした後、関連付けられた雨量観測局をスクロールするように、図21に示される検索結果テーブル113が生成される。
【0135】
その結果、図27に丸付き数字で示す順序で、スクロール表示がなされる。
【0136】
(実施形態の利点)
上述したように、本実施形態によると、地図スクロールルート検索機能112は、観測値が注意又は警報レベルにある各雨量観測局を重要性の高い順に効率良く辿るように、自動的に地図をスクロール表示する順序を決定するが、その際には、河川に沿って設置されている水位観測局を、上流又は下流に向けて辿るようにスクロールする。
【0137】
また、地図スクロールルート検索機能112は、測定値が危険レベルにある観測局については10秒間停止し、注意レベルにある観測局については5秒停止し、危険レベル又は注意レベルにある観測局に辿り着く前に経由する正常レベルにある観測局については1秒間停止するが(上記動作例その2)、正常レベルにある観測局の先に注意レベル又は危険レベルの観測局がない場合には当該正常レベルにある観測局の手前の観測局にてスクロールを打ち切る(上記動作例その1)。これにより、危険度の高い水位又は雨量が観測された観測局周辺の地図は長く表示されるので、これを見ている防災担当者は、周辺地図から必要な情報を十分に読み取ることが可能となる。
【0138】
また、地図スクロールルート検索機能112は、河川が分岐している場合、分岐した各河川(本流及び支流)に沿って分岐点の先に夫々設置されている両水位観測局にて夫々測定された水位の危険度を比較し、危険度が大きい側の河川を先に廻るように、順序を決定する(上記動作例その3)。これにより、防災担当者は、緊急度の高い地点の周辺地図を先に見ることにより、必要な対策を迅速に取ることができる。
【0139】
また、地図スクロールルート検索機能112は、上記両水位観測局にて夫々測定された水位の危険度が同じである場合、その危険度に達した時刻が遅い側(即ち、危険度が増大したのが最近である側)の河川を先に廻るように、順序を決定する(上記動作例その4)。このように最近に危険度が変化した地点は、更に危険度が高まる可能性があるために、監視を強化する必要があるからである。
【0140】
また、地図スクロールルート検索機能112は、上記両水位観測局にてその危険度に達した時刻が同じである場合、観測局番が小さい側を先に廻るように、順序を決定する(上記動作例その5)。より昔から観測局が設置されていた地点は、元々災害が発生し易いと一般的に考えられ得るからである。
【0141】
また、地図スクロールルート検索機能112は、水位観測局に関連付けられた雨量観測局が存在する場合には、一旦その雨量観測局を辿ってから、河川に沿った次の水位観測局を廻るように、順序を決定する。そのような雨量観測局での雨量は、当該水位観測局にて観測される水位に対して遠からず影響を与えるため、これにより水位の変化を予測できるからである(上記動作例その6)。
【0142】
前述した本実施形態に関し、更に、以下の付記を開示する。
【0143】
(付記1)
入力装置及びディスプレイを有する端末と通信可能であり、当該端末の前記入力装置を通じて指定された情報に応じて地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させる地図表示装置であって、
一定地域内に存在している各河川に沿って夫々設置されている多数の注目点毎に、当該注目点が設置されている河川を識別するための河川識別情報,当該河川に沿って設置されている複数の注目点の間における当該注目点の並び順を識別するための順序識別情報,当該注目点の位置を示す緯度経度を相互に対応付けて登録されている注目点情報を格納している記憶部と、
端末との間で情報を授受する通信部と、
前記通信部が、前記入力装置を通じて指定された情報として、何れかの前記注目点をスクロール開始点として指定する開始点情報を前記端末から受信すると、前記記憶部から、当該開始点情報が示す注目点,及び、当該注目点と同じ河川識別情報に対応付けられた注目点についての前記順序識別情報及び緯度経度を読み出し、前記各注目点の順序識別情報によって定まる並び順及び所定の方向に従った順序通りに、前記注目点の緯度経度が示す場所を辿るように前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成し、当該情報を前記通信部を通じて前記端末へ送信する制御部と
を備えたことを特徴とする地図表示装置。
【0144】
(付記2)
前記通信部は、前記入力装置を通じて指定された情報として、スクロール方向を指定するスクロール方向情報を情報を受信し、
前記制御部は、前記通信部が受信したスクロール方向情報が指定するスクロール方向を前記所定の方向として用いる
ことを特徴とする付記1記載の地図表示装置。
【0145】
(付記3)
前記注目点は前記河川の水位を測定する水位観測局が設置された場所であり、
前記記憶部は、更に、
前記注目点毎に前記水位観測局によって測定された水位を記録した水位観測データを、格納しており、
前記制御部は、前記水位観測データに記録されている水位が正常レベルであるか警報すべき警報レベルであるかを判定し、前記各注目点の順序識別情報によって定まる並び順及び前記スクロール方向情報が示す方向に従った順序の末尾に前記水位が正常レベルであると判定された注目点が並ぶ場合には、当該水位が正常レベルであると判定された注目点を辿らないように、前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成する
ことを特徴とする付記2記載の地図表示装置。
【0146】
(付記4)
前記注目点は前記河川の水位を測定する水位観測局が設置された場所であり、
前記記憶部は、更に、
前記注目点毎に前記水位観測局によって測定された水位を記録した水位観測データを、格納しており、
前記制御部は、前記水位観測データに記録されている水位の危険の程度を判定し、当該水位の危険度が高いと判定された注目点ほど長く停止するように、前記注目点の緯度経度が示す場所を辿るように前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成
ことを特徴とする付記1記載の地図表示装置。
【0147】
(付記5)
前記注目点は前記河川の水位を測定する水位観測局が設置された場所であり、
前記記憶部は、更に、
前記注目点毎に前記水位観測局によって測定された水位を記録した水位観測データを、格納しており、
前記制御部は、前記水位観測データに記録されている水位の危険の程度を判定し、前記河川が分岐している場合には、分岐された各河川に沿って分岐点直後に夫々設置された注目点の水位観測局によって測定された水位の危険の程度を比較して、危険の程度が高い側の河川に沿って設置された各注目点の緯度経度が示す場所を先に辿り、その後、他方の河川に沿って設置された各注目点の緯度経度が示す場所を辿るように、前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成する
ことを特徴とする付記1記載の地図表示装置。
【0148】
(付記6)
前記記憶部は、分岐された各河川に沿って分岐点直後に夫々設置された注目点に設置されている水位観測局によって測定された水位の危険の程度が同じ場合には、危険の程度が当該程度に達した時期が遅い側の河川に沿って設置された各注目点の緯度経度が示す場所を先に辿り、その後、他方の河川に沿って設置された各注目点の緯度経度が示す場所を辿るように、前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成する
ことを特徴とする付記5記載の地図表示装置。
【0149】
(付記7)
前記注目点情報には、各注目点毎に、前記水位観測局が設置された順序を特定するための情報が含まれており、
前記記憶部は、分岐された各河川に沿って分岐点直後に夫々設置された注目点の水位観測局によって測定された水位の危険の程度が同じ場合には、前記注目点情報に基づき、分岐点直後に設置された注目点の水位観測局が先に設置された側の河川に沿って設置された各注目点の緯度経度が示す場所を先に辿り、その後、他方の河川に沿って設置された各注目点の緯度経度が示す場所を辿るように、前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成する
ことを特徴とする付記5記載の地図表示装置。
【0150】
(付記8)
前記記憶部は、前記地図データを格納しており、
前記制御部は、前記注目点の緯度経度が示す場所を辿るように前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報として、前記地図データに基づく動画情報を、前記通信装置を通じて前記端末へ送信する
ことを特徴とする付記1記載の地図表示装置。
【0151】
(付記9)
入力装置及びディスプレイを有する端末と通信可能であるとともに、一定地域内に存在している各河川に沿って夫々設置されている多数の注目点毎に、当該注目点が設置されている河川を識別するための河川識別情報,当該河川に沿って設置されている複数の注目点の間における当該注目点の並び順を識別するための順序識別情報,当該注目点の位置を示す緯度経度を相互に対応付けて登録されている注目点情報を格納している記憶部を有するコンピュータを、
何れかの前記注目点をスクロール開始点として指定する開始点情報を前記端末から受信
すると、前記記憶部から、当該開始点情報が示す注目点,及び、当該注目点と同じ河川識別情報に対応付けられた注目点についての前記順序識別情報及び緯度経度を読み出す読出手段,
前記各注目点の順序識別情報によって定まる並び順及び所定の方向に従った順序通りに、前記注目点の緯度経度が示す場所を辿るように前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成する生成手段,及び、
当該情報を前記端末へ送信する送信手段
として機能させるプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】地図表示システムのブロック図
【図2】水位観測局情報のデータ構造を示す表
【図3】雨量観測局情報のデータ構造を示す表
【図4】水位観測データのデータ構造を示す表
【図5】雨量観測データのデータ構造を示す表
【図6】水位警報情報のデータ構造を示す表
【図7】雨量警報情報のデータ構造を示す表
【図8】地図スクロールルート検索機能による処理を示すフローチャート
【図9】図8のS002にて実行される地図スクロールルート検索結果出力処理を示すフローチャート
【図10】図8のS002にて実行される地図スクロールルート検索結果出力処理を示すフローチャート
【図11】図8のS002にて実行される地図スクロールルート検索結果出力処理を示すフローチャート
【図12】図8のS002にて実行される地図スクロールルート検索結果出力処理を示すフローチャート
【図13】図8のS002にて実行される地図スクロールルート検索結果出力処理を示すフローチャート
【図14】図8のS003にて実行される地図スクロール表示処理を示すフローチャート
【図15】地図画面を示す図
【図16】ルート検索結果テーブルのデータ構造を示す表
【図17】ルート検索結果テーブルのデータ構造を示す表
【図18】ルート検索結果テーブルのデータ構造を示す表
【図19】ルート検索結果テーブルのデータ構造を示す表
【図20】ルート検索結果テーブルのデータ構造を示す表
【図21】ルート検索結果テーブルのデータ構造を示す表
【図22】スクロールの例を示す地図
【図23】スクロールの例を示す地図
【図24】スクロールの例を示す地図
【図25】スクロールの例を示す地図
【図26】スクロールの例を示す地図
【図27】スクロールの例を示す地図
【図28】地図データの説明図
【符号の説明】
【0153】
1 防災情報システム
2 端末
3 他システム
10 CPU
11 RAM
12 ハードディスク
13 通信アダプタ
110 データ収集機能
111 警報判定機能
112 地図スクロールルート検索機能
113 検索結果テーブル
120 プログラム
121 地図データ
122 水位観測局情報
123 雨量観測局情報
124 水位観測データ
125 雨量観測データ
126 水位警報情報
127 雨量警報情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置及びディスプレイを有する端末と通信可能であり、当該端末の前記入力装置を通じて指定された情報に応じて地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させる地図表示装置であって、
一定地域内に存在している各河川に沿って夫々設置されている多数の注目点毎に、当該注目点が設置されている河川を識別するための河川識別情報,当該河川に沿って設置されている複数の注目点の間における当該注目点の並び順を識別するための順序識別情報,当該注目点の位置を示す緯度経度を相互に対応付けて登録されている注目点情報を格納している記憶部と、
端末との間で情報を授受する通信部と、
前記通信部が、前記入力装置を通じて指定された情報として、何れかの前記注目点をスクロール開始点として指定する開始点情報を前記端末から受信すると、前記記憶部から、当該開始点情報が示す注目点,及び、当該注目点と同じ河川識別情報に対応付けられた注目点についての前記順序識別情報及び緯度経度を読み出し、前記各注目点の順序識別情報によって定まる並び順及び所定の方向に従った順序通りに、前記注目点の緯度経度が示す場所を辿るように前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成し、当該情報を前記通信部を通じて前記端末へ送信する制御部と
を備えたことを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記入力装置を通じて指定された情報として、スクロール方向を指定するスクロール方向情報を情報を受信し、
前記制御部は、前記通信部が受信したスクロール方向情報が指定するスクロール方向を前記所定の方向として用いる
ことを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記注目点は前記河川の水位を測定する水位観測局が設置された場所であり、
前記記憶部は、更に、前記注目点毎に前記水位観測局によって測定された水位を記録した水位観測データを、格納しており、
前記制御部は、前記水位観測データに記録されている水位が正常レベルであるか警報すべき警報レベルであるかを判定し、前記各注目点の順序識別情報によって定まる並び順及び前記スクロール方向情報が示す方向に従った順序の末尾に前記水位が正常レベルであると判定された注目点が並ぶ場合には、当該水位が正常レベルであると判定された注目点を辿らないように、前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成する
ことを特徴とする請求項2記載の地図表示装置。
【請求項4】
入力装置及びディスプレイを有する端末と通信可能であるとともに、一定地域内に存在している各河川に沿って夫々設置されている多数の注目点毎に、当該注目点が設置されている河川を識別するための河川識別情報,当該河川に沿って設置されている複数の注目点の間における当該注目点の並び順を識別するための順序識別情報,当該注目点の位置を示す緯度経度を相互に対応付けて登録されている注目点情報を格納している記憶部を有するコンピュータを、
何れかの前記注目点をスクロール開始点として指定する開始点情報を前記端末から受信すると、前記記憶部から、当該開始点情報が示す注目点,及び、当該注目点と同じ河川識別情報に対応付けられた注目点についての前記順序識別情報及び緯度経度を読み出す読出手段,
前記各注目点の順序識別情報によって定まる並び順及び所定の方向に従った順序通りに、前記注目点の緯度経度が示す場所を辿るように前記地図データに基づく地図を前記ディスプレイ上に表示させるための情報を生成する生成手段,及び、
当該情報を前記端末へ送信する送信手段
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−222926(P2009−222926A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−66594(P2008−66594)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】