地形モデル化のために植生から建物を区別する方法および装置
複数のオブジェクトについてのデータを含むデジタル標高モデル(DEM)を処理するためのコンピュータ実装される方法。本方法は、DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定し(ブロック502)、各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物54であるか植生56であるかを識別することを含む。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
地理的領域の地形モデルは、フライト・シミュレータおよび氾濫原解析を含め多くの用途に使用されうる。さらに、人工構造(たとえば都市)の地形モデルは、たとえば携帯電話のアンテナ配置、都市計画、災害の備えおよび解析ならびに地図作成といった用途においてきわめて役に立つことがありうる。
【0002】
現在、地形モデルを作成するためのさまざまな種類および方法が使われている。一つの一般的な地形モデルはデジタル標高モデル(DEM: digital elevation model)である。DEMは、ある地理的領域のサンプリングされたマトリクス表現であり、コンピュータによって自動化された方法で生成されうる。DEMでは、座標点に高さの値が対応付けられる。DEMは典型的には、ある標高から次の標高にかけて、異なる標高(たとえば谷、山など)の間の遷移が概してなめらかである土地をモデル化するために使われる。すなわち、DEMは典型的には土地を複数の曲面としてモデル化し、その間に不連続があったとしても「ならされ」てしまう。この理由で、DEMは一般に、都市中心域の高層ビルのような人工構造を、上記の用途の多くのために十分な精度でモデル化するには好適でない。
【0003】
Rahmes et al.に対する米国特許第6,654,690号は地形学における著しい進歩を開示している。この'690特許は、土地およびその上の建物を含む領域の地形モデルを、標高対位置のランダムに離間したデータに基づいて作成する自動化された方法を開示している。'690特許は、本発明の被譲渡者に譲渡されており、ここに参照によってその全体において組み込まれる。その方法は、前記のランダムに離間したデータを処理して所定の位置グリッドに合う標高対位置のグリッド化データを生成し、該グリッド化データを処理して土地データから建物データを区別し、建物データについてポリゴン抽出を実行してその領域の土地およびその上の建物を含む地形モデルを作成することを含む。
【0004】
特に、土地のみDEMが生成され、建物のみDEMが生成される。ひとたび建物が土地から区別されると、建物データについてポリゴン抽出が実行される。'690特許は、土地およびその上の建物を含む領域の地形モデルを比較的迅速な仕方で、かつ向上した精度で作成する。にもかかわらず、一般に見られるのは、植生、特に樹木の多くが建物として扱われることがあるということである。すなわち、ポリゴン抽出が樹木を表すデータに対しても実行されるのである。これは、建物をモデル化するのに使われるポリゴン数に比べて多数のポリゴンが樹木をモデル化するために使われる結果になる。地形モデルがビューアー上に表示されるとき、モデル化された植生はあまりリアルな見え方ではない。結果として、モデル化された植生は手動で取り除かれ、よりリアルなモデルで置き換えられる。これは比較的時間がかかり、労働集約的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の背景に鑑み、デジタル標高モデル(DEM)内で建物から植生を区別するためのコンピュータ実装される方法を提供することが本発明の一つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づくこの目的およびその他の目的、特徴および効果は、複数のオブジェクトについてのデータを含むDEMを処理するためのコンピュータ実装される方法によって提供される。該方法は、DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定し、各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物であるか植生であるかを識別することを含みうる。
【0007】
各オブジェクトについてのデータは高さ値を含み、当該コンピュータ実装される方法はさらに、植生として識別された各オブジェクトについてのその高さ値を高さ閾値と比較し、関連付けられた高さ値が高さ閾値よりも大きければ各植生を建物として識別し直すことを含みうる。
【0008】
加えて、コンピュータ実装される本方法はさらに、建物として識別された各オブジェクトについて第二の周対面積パラメータを決定し、各第二の周対面積パラメータを第二の閾値と比較し、第二の周対面積パラメータが第二の閾値より大きい場合に各建物を植生として識別し直すことを含みうる。
【0009】
次いで、建物として識別されたオブジェクトは建物DEMに分離され、植生として識別されたオブジェクトは植生DEMに分離されうる。別個の建物DEMおよび植生DEMは、有利なことに、著しく少ないユーザー介入で、よりリアルな地形モデルが生成されることを許容する。
【0010】
コンピュータ実装される本方法はさらに、建物DEM内の各建物をベクトルとしてモデル化することを含みうる。ここで、各ベクトルは複数のポリゴンを含みうる。コンピュータ実装される本方法はさらに、植生DEM中の各植生を3D点としてモデル化することを含みうる。
【0011】
本発明に基づくもう一つの側面は、複数のオブジェクトについてのデータを含むデジタル標高モデル(DEM)を処理するためのデータ構造が記憶されているコンピュータ可読媒体に向けられる。該コンピュータ可読媒体は、DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定するためのデータを含む第一のデータ・フィールドと、各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物であるか植生であるかを識別するためのデータを含む第二のデータ・フィールドとを含みうる。
【0012】
本発明のさらにもう一つの側面は、地形モデル化のためのコンピュータ・システムに向けられる。該コンピュータ・システムは、上で定義したコンピュータ可読媒体を処理するためのプロセッサを有していてもよい。該処理に基づいて地形モデルを表示するためにプロセッサにディスプレイが結合されていてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明について、これから付属の図面を参照しつつより完全に記述する。その際、本発明の好ましい実施形態を示すが、本発明は多くの異なる形で具現されうるものであり、ここに述べられる実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は本開示を十全かつ完備なものとし、当業者に本発明の範囲を完全に伝達するために与えられるものである。全体を通じて同様の参照符号は同様の要素を指す。
【0014】
地形データを収集する収集機50および収集された地形データからデジタル標高モデル(DEM)を生成するためのシステム60についてこれから図1を参照しつつ説明する。該DEMは土地52およびその土地の上のオブジェクトを含むある地域のものであり、ここでオブジェクトは建物54および植生56でありうる。植生56は主として樹木を含み、したがって植生および樹木は交換可能である。土地52、建物54および植生56のモデル化は、当該地域でのランダムかつ任意に離間した標高対位置のデータに基づく。
【0015】
光検出および測距(LIDAR: light detection and ranging)のような収集機50はそのランダムに離間したデータを収集するために使用されうる。ランダムに離間したデータは、名目上は、非一様に離間した位置および高度の測定値の組でありうる。LIDAR収集機50は、都市のような関心のある地域の上を航空機70によって運ばれうる。当該地域は、たとえば道路58のような、建物54および樹木56に比べて比較的小さな特徴をも含んでいてもよい。
【0016】
当業者は、LIDAR源は、単一の画像からの標高対位置情報を含むデータを提供することを認識するであろう。標高対位置データを与えるには、一般には、種々の視点から撮影された当該地域の複数の光学画像が必要とされるが、その同じ情報を単一のLIDAR画像から得ることができる。もちろん、当業者が認識するであろうように、本発明はLIDAR収集機に加えて、たとえば光学的(たとえば写真)、電気光学的および赤外線の源といった種々の源からの標高対位置データを使うことができる。LIDARデータによって与えられる位置情報は、たとえば緯度および経度の情報を含みうるが、他の好適な位置指標も使われうる。
【0017】
ひとたびランダムに離間したデータが収集されたら、該データは、コンピュータ62への転送のために、たとえば磁気ディスクまたは光ディスクといった記憶媒体80に記憶されうる。もちろん、当業者がすぐ認識するであろうように、データ転送のための他の好適な方法を使ってもよい。ランダムに離間されたデータは、コンピュータ62によって見るためのDEMを生成するために使われる。
【0018】
DEMを見るためにディスプレイ64がコンピュータ62に接続されている。キーボード66およびマウス68のような入力装置もコンピュータ62に接続されている。本発明によれば、コンピュータ62は、1)土地のみDEMおよびオブジェクトのみDEMを生成し、次いでオブジェクトのみDEMからノイズを除去することによってDEMを向上させ、2)オブジェクトのみDEMを建物DEMおよび植生DEMに分離するためのプロセッサ69を含む。
【0019】
元のDEMすなわち当初のDEMの生成および向上について、これから図2の流れ図および図3〜25に示されるコンピュータ表示画面を参照しつつ論じる。流れ図では、ステップ(1)〜(19)についてまず論じる。ここで、ステップ(2)〜(19)は、のちにより詳細に論じるように、バッチ・プロセスの一部と考えられる。バッチ・プロセスでは、流れ図に示されるブロックのいくつかは二度以上論じられる。そのそれぞれの機能がループ・プロセスに基づいて繰り返されるからである。元のDEMを向上させる本方法をよりよく解説するため、論じられる各ステップの番号を、対応するブロック内に括弧に入れて与えてある。
【0020】
開始(ブロック100)から、初期ステップ(1)はブロック102でコンピュータ62を使って、記憶媒体80を介して提供されるランダムに離間されたデータから元のDEMを生成する。図3に示される初期コンピュータ画面200を参照すると、ユーザーはフィールド202で「点からDEMを生成」を選択する。すると図4に示されるように「点からDEMの設定」コンピュータ画面204が生成される。
【0021】
「点からDEMの設定」コンピュータ画面204では、収集データを記憶しているファイルの名前がフィールド206に入力される。点の書式がフィールド208で選択される。この場合、点はユニバーサル横メルカトル(UTM)グリッドに基づく。点の測定単位がフィールド210で選択され、たとえばメートルである。UTMグリッドは、60個の南北方向のゾーンを含んでおり、各ゾーンは緯度において6度の幅である。関心のあるUTMゾーンがフィールド212で選択される。たとえばフィールド212でゾーン15が選択される。データの解像度がフィールド214で選択され、ウィンドウ・フィルタ・サイズがフィールド216で選択される。これは当業者はすぐ認識するであろう。生成された元のDEMは、図5に示されるようにコンピュータ画面300に与えられる。
【0022】
元のDEMを向上させるためのステップ(2)〜(19)は、図3に示される初期コンピュータ画面200からフィールド220で「バッチ・プロセス実行」を選択することによって開始される。バッチ・プロセスが実行されると、フィールド222、224および226によって、ユーザーは、バッチ・プロセスに関連するある種のパラメータを設定することが許容される。これらのパラメータについては下記で述べる。
【0023】
ブロック104でのステップ(2)は、元のDEMの再サンプリングである。再サンプリングに関連する設定は、図6に示されるようにコンピュータ画面230で与えられる。元のDEMの再サンプリングはたとえば1メートルの解像度を有しているが、ここで、より低い解像度で再サンプリングされる。その解像度はフィールド232で設定され、たとえば30メートルである。ウィンドウ・フィルタ・サイズも、フィールド234において選択される。結果は図7に示されるようなコンピュータ画面302で与えられる。この結果は、土地52の上のオブジェクト54、56をならしたものである。
【0024】
ブロック106では、再サンプリングされたDEMに対してヌル充填(null filling)が実行される。該ヌル充填は、図3に示される初期コンピュータ画面200からのフィールド226で与えられるヌル操作と関連している。ヌル操作は、図8のコンピュータ画面240で与えられるようにヌル拡張(null expansion)またはヌル充填に分けられうる。フィールド242がヌル拡張に対応し、フィールド244がヌル充填に対応する。ヌル充填が実行されるので、図9に示されるようなコンピュータ画面250が表示される。ヌル充填に関連する設定は、充填方法についてのフィールド252、実行されるべき充填パス数についてのフィールド254および充填到達距離(fill reach)についてのフィールド256を含む。ヌル充填後に結果として得られる再サンプリングされたDEMは、図10に示されるようにコンピュータ画面304で与えられる。
【0025】
ブロック108では、DEM引き算(subtraction)が実行される。コンピュータ画面260は、図11に示されるDEM引き算に関連している。DEM引き算で使われる閾値はフィールド262で選択される。ステップ(3)でのヌル充填後の再サンプリングされたDEMが、ステップ(1)での元のDEMから引き算されて、オブジェクトのみDEMが生成される。オブジェクトのみDEMは図12に示されるようなコンピュータ画面306で与えられる。
【0026】
ブロック110で、ステップ(5)は別のDEM除去(subtraction)である。ステップ(4)からのオブジェクトのみDEMはステップ(1)での元のDEMから除去されて、該オブジェクトのないDEMが生成される。このDEMは図13に示されるようにコンピュータ画面308で与えられる。
【0027】
ブロック112では、ステップ(6)に対応して、前記のオブジェクトのないDEMに対してヌル拡張が実行される。図14に示されるように、コンピュータ画面270はヌル拡張に関連付けられている。ヌルはフィールド272で選択された値に対応して拡張される。ヌル拡張は、すべてのオブジェクトが除去され、コンピュータ画面310で与えられ、図15に示されるように結果が1メートルの解像度でオブジェクトがないDEMとなることを確実にする。
【0028】
実行バッチ・プロセスは、ステップ(7)のためにブロック104にループで戻る。ブロック104は、図15で与えられるようなオブジェクトのないDEMに対して再サンプリングを実行する。この再サンプリングはより低い解像度、すなわち1メートルないし30メートルの解像度で実行される。その結果は、図16に示されるようなコンピュータ画面312で与えられる。
【0029】
ブロック106では、ステップ(8)に対応して二度目のヌル充填が実行される。この二度目のヌル充填は、ブロック112で与えられるような再サンプリングされたオブジェクトのないDEMに対して実行される。このプロセスは、図17のコンピュータ画面314で与えられるような土地のみDEMを生成する。ブロック108では、ステップ(9)に対応して二度目のDEM引き算が実行される。ステップ(8)からの土地のみDEMがここでステップ(1)での元のDEMから引き算されて、向上されたオブジェクトのみDEMが生成される。向上されたオブジェクトのみDEMは図18に示されるようなコンピュータ画面316で与えられる。ブロック110では、ステップ(10)は別のDEM除去ステップである。ステップ(9)からの向上されたオブジェクトのみDEMがステップ(1)での元のDEMから除去されて、向上された、オブジェクトのないDEMが生成される。この向上された、オブジェクトのないDEMは図19に示されるようにコンピュータ画面318で与えられる。
【0030】
実行バッチ・プロセスは、ステップ(11)のためにブロック104にループで戻る。ブロック104は、ブロック110で与えられるような向上された、オブジェクトのないDEMに対して、今一度再サンプリングを実行する。前回同様、この再サンプリングはより低い解像度、すなわち1メートルないし30メートルの解像度で実行される。その結果は、図20に示されるようなコンピュータ画面320で与えられる。
【0031】
ブロック106では、ステップ(12)に対応して今一度、ヌル充填が実行される。この三度目のヌル充填は、ブロック104によって与えられるような再サンプリングされたオブジェクトのないDEMに対して実行され、図21のコンピュータ画面322で与えられるような向上された土地のみDEMを生成する。このDEMは、最終的な土地のみDEMとも称される。
【0032】
ブロック108では、ステップ(13)に対応して三度目のDEM引き算が実行される。ステップ(12)からの向上された土地のみDEMがステップ(1)での元のDEMから引き算されて、一層向上されたオブジェクトのみDEMが生成される。一層向上されたオブジェクトのみDEMは図22に示されるようなコンピュータ画面324で与えられる。
【0033】
ブロック114では、ステップ(14)に対応して、前記の一層向上されたオブジェクトのみDEMに対してヌル拡張が実行される。ブロック116では、ステップ(15)に対応してヌル充填が実行される。ステップ(14)および(15)は、オブジェクトのまわりからノイズを除去して、一層向上されたオブジェクトのみDEMを生成するために実行される。プロセスはブロック114にループで戻り、ステップ(16)および(17)が実行される。すなわち、今一度ヌル拡張およびヌル充填が実行されて、図23のコンピュータ画面326で与えられるような第二の一層向上されたオブジェクトのみDEMが生成される。
【0034】
ブロック118では、DEM引き算が実行される。ステップ(17)からの第二の一層向上されたオブジェクトのみDEMが、ステップ(15)からの一層向上されたオブジェクトのみDEMから引き算されて、ノイズのみDEMが生成される。ノイズのみDEMは図24に示されるようなコンピュータ画面328で与えられる。
【0035】
ブロック120では、別のDEM除去が実行される(ステップ19)。ステップ(18)からのノイズのみDEMはステップ(15)からの第二の一層向上されたオブジェクトのみDEMから除去されて、最終的なオブジェクトのみDEMが生成される。この最終的なオブジェクトのみDEMは図25に示されるようにコンピュータ画面330で与えられる。
【0036】
ステップ(2)〜(19)について上で論じたようにして、最終的な土地のみDEMおよび最終的なオブジェクトのみDEMが生成された。従来技術のDEMに比べ、これらのDEMは、ステップ(2)〜(19)において実行されたループ反復の結果として向上されている。これから論じる本発明に基づくさらにもう一つの側面は、最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離である。換言すれば、最終的なオブジェクトのみDEMは二つの別個のDEMに分離され、各DEMは別個に処理されうるようになる。
【0037】
最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離についてこれから図26に示される流れ図および図27〜28を参照しつつ論じる。最初に図3に示されていたコンピュータ画面200を参照するに、ユーザーはフィールド227で「建物と樹木を分離」を選択する。すると、図27に示されるような「建物と樹木を分離」のコンピュータ画面410が表示される。
【0038】
引き続き図27を参照するに、ユーザーはいくつかの閾値パラメータを選択するオプションを有している。分離は、各オブジェクトについて面積当たりの周および各オブジェクトの高さを計算することに基づいて実行されるので、対応する比較閾値がコンピュータ画面410を介して設定される。たとえば、面積当たりの周の閾値がフィールド412で設定される。考慮すべき各オブジェクトの最小サイズがフィールド414で設定される。このフィールドは最小ポスト(minimum posts)と表示されている。フィールド416でコード残差(chord residue)が選択されるが、これは考慮されているオブジェクトの幅または一側の長さである。最大樹木高さがフィールド418で選択される。第二の面積当たりの周テストに関連した第二の閾値がフィールド420で選択される。フィールド420で選択されたこの第二の閾値は、フィールド412で選択された第一の閾値とは異なっていてもよい。
【0039】
最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離を開始するため、最終的なオブジェクトのみDEMにおける各オブジェクトについて周対面積パラメータがブロック502で決定される。本発明を説明する目的のため、図28も参照すると、最終的なオブジェクトのみDEMがどのように建物DEMと植生DEMに分離されるかが与えられている。たとえば、最初に、図25で示されたような最終的なオブジェクトのみDEMを表す単純化された表現が図28のフレーム600に与えられる。
【0040】
フレーム600内に示されるように、オブジェクトは、同じDEM内にまとめられた建物54および樹木56を含む。各オブジェクトについての周対面積パラメータは、ブロック504で選択された閾値と比較されて、DEM中の各オブジェクトが建物54であるか植生56であるかが識別される。閾値との比較に基づいて、フレーム602および604に示されるように、オブジェクトは建物DEMと植生DEMに分離される。
【0041】
各オブジェクトについてのデータは高さの値を含んでおり、フレーム604中の植生56として識別された各オブジェクトについての高さの値が、ブロック506で高さ閾値と比較される。ブロック508では、フレーム604中の各植生56は、それに関連する高さ値が高さ閾値より大きければ、建物54と識別し直される。フレーム606および608に示されるように、フレーム604で植生56と識別された建物54がフレーム606では建物として識別し直されている。しかしながら、フレーム606に示されるように、フレーム604中の高い樹木56が今度は高さ閾値との比較に基づいて建物と識別されてしまった。
【0042】
ブロック510では、フレーム606で建物と識別されている各オブジェクトについて、第二の周対面積パラメータが決定される。第二の周対面積パラメータのそれぞれは、ブロック512で第二の閾値と比較される。各建物54は、第二の周対面積パラメータが第二の閾値より大きければ、ブロック514で植生56として識別し直される。
【0043】
ブロック516では、建物54として識別されたオブジェクトは建物DEMに分離され、植生として識別されたオブジェクトは植生DEMに分離される。別個の建物DEMおよび植生DEMは有利なことに、著しく少ないユーザー介入で、よりリアルな地形モデルが生成されることを許容する。建物DEMはフレーム610によって表され、植生DEMはフレーム612によって表されている。最終的なオブジェクトのみDEMを建物DEMと植生DEMに分離する本方法は、ブロック518で終了する。最終的なオブジェクトのみDEMを二つの別個のDEMに分離する上記の諸ステップは、図2のステップ(20)に対応する。
【0044】
ここで、残りのステップ(21)〜(26)について論じる。建物54および樹木56はそれぞれ異なってモデル化される。ブロック124はステップ(21)に対応し、任意的であるが、自動プロセスが各オブジェクトを正しく識別しそこなった場合に建物54と樹木56の分離をユーザーが手動で仕上げまたは編集することを許容する。
【0045】
ブロック126では、ステップ(22)に対応して、植生DEM612中の各植生が3D点としてモデル化される。点をx(緯度)、y(経度)およびz(高度)のリストに変換するために、ユーザーは図3に示されるようなフィールド228で「DEMから点を生成」を選択する。
【0046】
ブロック128は、ステップ(23)に対応して、建物がベクトルとしてモデル化される。建物をベクトルとしてモデル化することは、背景技術の部分で論じた米国特許第6,654,690号に開示されている。ブロック130で、ステップ(24)に対応して、建物を表すポリゴンにテクスチャーが配置される。換言すれば、ポリゴン上に画像が配置されて、地形モデルにリアルな見かけが与えられる。RealSite(商標)はこのタスクを実行する一つの市販のツールである。RealSite(商標)は本発明の被譲渡者であるハリス・コーポレーションによって開発されたものである。
【0047】
ブロック132では、コンピュータ・システム60上での表示のために生成された幾何学図形およびテクスチャーのすべてを整形するためにSceneBuilder(商標)が使用される。SceneBuilder(商標)も市販のツールである。ブロック134でInReality(商標)を使って、図29に示されるような表示のための最終的な地形モデルが提供される。InReality(商標)は、ハリス・コーポレーションによって開発されたもう一つの市販のツールであり、ユーザーが仮想シーンを行き来し、さまざまな解析を遂行することを許容する。InReality(商標)は、RealSite(商標)ソフトウェアに対する相棒として設計されている。プロセスはブロック136で終了する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に基づく、地形データを収集し、収集された地形データから地形モデルを生成することのブロック概略図である。
【図2】本発明に基づく地形モデルを生成するための流れ図である。
【図3】本発明に基づく元のDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図4】本発明に基づく元のDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図5】本発明に基づく元のDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図6】本発明に基づく元のDEMの再サンプリングに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図7】本発明に基づく元のDEMの再サンプリングに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図8】本発明に基づく再サンプリングされたDEMに対して実行されるヌル充填プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図9】本発明に基づく再サンプリングされたDEMに対して実行されるヌル充填プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図10】本発明に基づく再サンプリングされたDEMに対して実行されるヌル充填プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図11】本発明に基づく、オブジェクトのみDEMと該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図12】本発明に基づく、オブジェクトのみDEMと該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図13】本発明に基づく、オブジェクトのみDEMと該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図14】図13で与えられるオブジェクトのないDEMに対して実行されるヌル拡張プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図15】図13で与えられるオブジェクトのないDEMに対して実行されるヌル拡張プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図16】本発明に基づく土地のみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図17】本発明に基づく土地のみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図18】本発明に基づく、向上されたオブジェクトのみDEMと向上された、該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図19】本発明に基づく、向上されたオブジェクトのみDEMと向上された、該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図20】本発明に基づく最終的な土地のみDEMおよび一層向上されたオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図21】本発明に基づく最終的な土地のみDEMおよび一層向上されたオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図22】本発明に基づく最終的な土地のみDEMおよび一層向上されたオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図23】本発明に基づく、ヌル充填/ヌル拡張に基づく第二の一層向上されたオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図24】本発明に基づく、ノイズのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図25】本発明に基づく最終的なオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図26】図25で与えられる最終的なオブジェクトのみDEMを建物DEMおよび植生DEMに分離するための流れ図である。
【図27】本発明に基づく、最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離に関連するパラメータを設定するためのコンピュータ画面表示の図である。
【図28】本発明に基づく、最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離のためのステップの図的な表現である。
【図29】本発明に基づいて生成された地形モデルのコンピュータ画面表示の図である。
【背景技術】
【0001】
地理的領域の地形モデルは、フライト・シミュレータおよび氾濫原解析を含め多くの用途に使用されうる。さらに、人工構造(たとえば都市)の地形モデルは、たとえば携帯電話のアンテナ配置、都市計画、災害の備えおよび解析ならびに地図作成といった用途においてきわめて役に立つことがありうる。
【0002】
現在、地形モデルを作成するためのさまざまな種類および方法が使われている。一つの一般的な地形モデルはデジタル標高モデル(DEM: digital elevation model)である。DEMは、ある地理的領域のサンプリングされたマトリクス表現であり、コンピュータによって自動化された方法で生成されうる。DEMでは、座標点に高さの値が対応付けられる。DEMは典型的には、ある標高から次の標高にかけて、異なる標高(たとえば谷、山など)の間の遷移が概してなめらかである土地をモデル化するために使われる。すなわち、DEMは典型的には土地を複数の曲面としてモデル化し、その間に不連続があったとしても「ならされ」てしまう。この理由で、DEMは一般に、都市中心域の高層ビルのような人工構造を、上記の用途の多くのために十分な精度でモデル化するには好適でない。
【0003】
Rahmes et al.に対する米国特許第6,654,690号は地形学における著しい進歩を開示している。この'690特許は、土地およびその上の建物を含む領域の地形モデルを、標高対位置のランダムに離間したデータに基づいて作成する自動化された方法を開示している。'690特許は、本発明の被譲渡者に譲渡されており、ここに参照によってその全体において組み込まれる。その方法は、前記のランダムに離間したデータを処理して所定の位置グリッドに合う標高対位置のグリッド化データを生成し、該グリッド化データを処理して土地データから建物データを区別し、建物データについてポリゴン抽出を実行してその領域の土地およびその上の建物を含む地形モデルを作成することを含む。
【0004】
特に、土地のみDEMが生成され、建物のみDEMが生成される。ひとたび建物が土地から区別されると、建物データについてポリゴン抽出が実行される。'690特許は、土地およびその上の建物を含む領域の地形モデルを比較的迅速な仕方で、かつ向上した精度で作成する。にもかかわらず、一般に見られるのは、植生、特に樹木の多くが建物として扱われることがあるということである。すなわち、ポリゴン抽出が樹木を表すデータに対しても実行されるのである。これは、建物をモデル化するのに使われるポリゴン数に比べて多数のポリゴンが樹木をモデル化するために使われる結果になる。地形モデルがビューアー上に表示されるとき、モデル化された植生はあまりリアルな見え方ではない。結果として、モデル化された植生は手動で取り除かれ、よりリアルなモデルで置き換えられる。これは比較的時間がかかり、労働集約的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の背景に鑑み、デジタル標高モデル(DEM)内で建物から植生を区別するためのコンピュータ実装される方法を提供することが本発明の一つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づくこの目的およびその他の目的、特徴および効果は、複数のオブジェクトについてのデータを含むDEMを処理するためのコンピュータ実装される方法によって提供される。該方法は、DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定し、各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物であるか植生であるかを識別することを含みうる。
【0007】
各オブジェクトについてのデータは高さ値を含み、当該コンピュータ実装される方法はさらに、植生として識別された各オブジェクトについてのその高さ値を高さ閾値と比較し、関連付けられた高さ値が高さ閾値よりも大きければ各植生を建物として識別し直すことを含みうる。
【0008】
加えて、コンピュータ実装される本方法はさらに、建物として識別された各オブジェクトについて第二の周対面積パラメータを決定し、各第二の周対面積パラメータを第二の閾値と比較し、第二の周対面積パラメータが第二の閾値より大きい場合に各建物を植生として識別し直すことを含みうる。
【0009】
次いで、建物として識別されたオブジェクトは建物DEMに分離され、植生として識別されたオブジェクトは植生DEMに分離されうる。別個の建物DEMおよび植生DEMは、有利なことに、著しく少ないユーザー介入で、よりリアルな地形モデルが生成されることを許容する。
【0010】
コンピュータ実装される本方法はさらに、建物DEM内の各建物をベクトルとしてモデル化することを含みうる。ここで、各ベクトルは複数のポリゴンを含みうる。コンピュータ実装される本方法はさらに、植生DEM中の各植生を3D点としてモデル化することを含みうる。
【0011】
本発明に基づくもう一つの側面は、複数のオブジェクトについてのデータを含むデジタル標高モデル(DEM)を処理するためのデータ構造が記憶されているコンピュータ可読媒体に向けられる。該コンピュータ可読媒体は、DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定するためのデータを含む第一のデータ・フィールドと、各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物であるか植生であるかを識別するためのデータを含む第二のデータ・フィールドとを含みうる。
【0012】
本発明のさらにもう一つの側面は、地形モデル化のためのコンピュータ・システムに向けられる。該コンピュータ・システムは、上で定義したコンピュータ可読媒体を処理するためのプロセッサを有していてもよい。該処理に基づいて地形モデルを表示するためにプロセッサにディスプレイが結合されていてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明について、これから付属の図面を参照しつつより完全に記述する。その際、本発明の好ましい実施形態を示すが、本発明は多くの異なる形で具現されうるものであり、ここに述べられる実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は本開示を十全かつ完備なものとし、当業者に本発明の範囲を完全に伝達するために与えられるものである。全体を通じて同様の参照符号は同様の要素を指す。
【0014】
地形データを収集する収集機50および収集された地形データからデジタル標高モデル(DEM)を生成するためのシステム60についてこれから図1を参照しつつ説明する。該DEMは土地52およびその土地の上のオブジェクトを含むある地域のものであり、ここでオブジェクトは建物54および植生56でありうる。植生56は主として樹木を含み、したがって植生および樹木は交換可能である。土地52、建物54および植生56のモデル化は、当該地域でのランダムかつ任意に離間した標高対位置のデータに基づく。
【0015】
光検出および測距(LIDAR: light detection and ranging)のような収集機50はそのランダムに離間したデータを収集するために使用されうる。ランダムに離間したデータは、名目上は、非一様に離間した位置および高度の測定値の組でありうる。LIDAR収集機50は、都市のような関心のある地域の上を航空機70によって運ばれうる。当該地域は、たとえば道路58のような、建物54および樹木56に比べて比較的小さな特徴をも含んでいてもよい。
【0016】
当業者は、LIDAR源は、単一の画像からの標高対位置情報を含むデータを提供することを認識するであろう。標高対位置データを与えるには、一般には、種々の視点から撮影された当該地域の複数の光学画像が必要とされるが、その同じ情報を単一のLIDAR画像から得ることができる。もちろん、当業者が認識するであろうように、本発明はLIDAR収集機に加えて、たとえば光学的(たとえば写真)、電気光学的および赤外線の源といった種々の源からの標高対位置データを使うことができる。LIDARデータによって与えられる位置情報は、たとえば緯度および経度の情報を含みうるが、他の好適な位置指標も使われうる。
【0017】
ひとたびランダムに離間したデータが収集されたら、該データは、コンピュータ62への転送のために、たとえば磁気ディスクまたは光ディスクといった記憶媒体80に記憶されうる。もちろん、当業者がすぐ認識するであろうように、データ転送のための他の好適な方法を使ってもよい。ランダムに離間されたデータは、コンピュータ62によって見るためのDEMを生成するために使われる。
【0018】
DEMを見るためにディスプレイ64がコンピュータ62に接続されている。キーボード66およびマウス68のような入力装置もコンピュータ62に接続されている。本発明によれば、コンピュータ62は、1)土地のみDEMおよびオブジェクトのみDEMを生成し、次いでオブジェクトのみDEMからノイズを除去することによってDEMを向上させ、2)オブジェクトのみDEMを建物DEMおよび植生DEMに分離するためのプロセッサ69を含む。
【0019】
元のDEMすなわち当初のDEMの生成および向上について、これから図2の流れ図および図3〜25に示されるコンピュータ表示画面を参照しつつ論じる。流れ図では、ステップ(1)〜(19)についてまず論じる。ここで、ステップ(2)〜(19)は、のちにより詳細に論じるように、バッチ・プロセスの一部と考えられる。バッチ・プロセスでは、流れ図に示されるブロックのいくつかは二度以上論じられる。そのそれぞれの機能がループ・プロセスに基づいて繰り返されるからである。元のDEMを向上させる本方法をよりよく解説するため、論じられる各ステップの番号を、対応するブロック内に括弧に入れて与えてある。
【0020】
開始(ブロック100)から、初期ステップ(1)はブロック102でコンピュータ62を使って、記憶媒体80を介して提供されるランダムに離間されたデータから元のDEMを生成する。図3に示される初期コンピュータ画面200を参照すると、ユーザーはフィールド202で「点からDEMを生成」を選択する。すると図4に示されるように「点からDEMの設定」コンピュータ画面204が生成される。
【0021】
「点からDEMの設定」コンピュータ画面204では、収集データを記憶しているファイルの名前がフィールド206に入力される。点の書式がフィールド208で選択される。この場合、点はユニバーサル横メルカトル(UTM)グリッドに基づく。点の測定単位がフィールド210で選択され、たとえばメートルである。UTMグリッドは、60個の南北方向のゾーンを含んでおり、各ゾーンは緯度において6度の幅である。関心のあるUTMゾーンがフィールド212で選択される。たとえばフィールド212でゾーン15が選択される。データの解像度がフィールド214で選択され、ウィンドウ・フィルタ・サイズがフィールド216で選択される。これは当業者はすぐ認識するであろう。生成された元のDEMは、図5に示されるようにコンピュータ画面300に与えられる。
【0022】
元のDEMを向上させるためのステップ(2)〜(19)は、図3に示される初期コンピュータ画面200からフィールド220で「バッチ・プロセス実行」を選択することによって開始される。バッチ・プロセスが実行されると、フィールド222、224および226によって、ユーザーは、バッチ・プロセスに関連するある種のパラメータを設定することが許容される。これらのパラメータについては下記で述べる。
【0023】
ブロック104でのステップ(2)は、元のDEMの再サンプリングである。再サンプリングに関連する設定は、図6に示されるようにコンピュータ画面230で与えられる。元のDEMの再サンプリングはたとえば1メートルの解像度を有しているが、ここで、より低い解像度で再サンプリングされる。その解像度はフィールド232で設定され、たとえば30メートルである。ウィンドウ・フィルタ・サイズも、フィールド234において選択される。結果は図7に示されるようなコンピュータ画面302で与えられる。この結果は、土地52の上のオブジェクト54、56をならしたものである。
【0024】
ブロック106では、再サンプリングされたDEMに対してヌル充填(null filling)が実行される。該ヌル充填は、図3に示される初期コンピュータ画面200からのフィールド226で与えられるヌル操作と関連している。ヌル操作は、図8のコンピュータ画面240で与えられるようにヌル拡張(null expansion)またはヌル充填に分けられうる。フィールド242がヌル拡張に対応し、フィールド244がヌル充填に対応する。ヌル充填が実行されるので、図9に示されるようなコンピュータ画面250が表示される。ヌル充填に関連する設定は、充填方法についてのフィールド252、実行されるべき充填パス数についてのフィールド254および充填到達距離(fill reach)についてのフィールド256を含む。ヌル充填後に結果として得られる再サンプリングされたDEMは、図10に示されるようにコンピュータ画面304で与えられる。
【0025】
ブロック108では、DEM引き算(subtraction)が実行される。コンピュータ画面260は、図11に示されるDEM引き算に関連している。DEM引き算で使われる閾値はフィールド262で選択される。ステップ(3)でのヌル充填後の再サンプリングされたDEMが、ステップ(1)での元のDEMから引き算されて、オブジェクトのみDEMが生成される。オブジェクトのみDEMは図12に示されるようなコンピュータ画面306で与えられる。
【0026】
ブロック110で、ステップ(5)は別のDEM除去(subtraction)である。ステップ(4)からのオブジェクトのみDEMはステップ(1)での元のDEMから除去されて、該オブジェクトのないDEMが生成される。このDEMは図13に示されるようにコンピュータ画面308で与えられる。
【0027】
ブロック112では、ステップ(6)に対応して、前記のオブジェクトのないDEMに対してヌル拡張が実行される。図14に示されるように、コンピュータ画面270はヌル拡張に関連付けられている。ヌルはフィールド272で選択された値に対応して拡張される。ヌル拡張は、すべてのオブジェクトが除去され、コンピュータ画面310で与えられ、図15に示されるように結果が1メートルの解像度でオブジェクトがないDEMとなることを確実にする。
【0028】
実行バッチ・プロセスは、ステップ(7)のためにブロック104にループで戻る。ブロック104は、図15で与えられるようなオブジェクトのないDEMに対して再サンプリングを実行する。この再サンプリングはより低い解像度、すなわち1メートルないし30メートルの解像度で実行される。その結果は、図16に示されるようなコンピュータ画面312で与えられる。
【0029】
ブロック106では、ステップ(8)に対応して二度目のヌル充填が実行される。この二度目のヌル充填は、ブロック112で与えられるような再サンプリングされたオブジェクトのないDEMに対して実行される。このプロセスは、図17のコンピュータ画面314で与えられるような土地のみDEMを生成する。ブロック108では、ステップ(9)に対応して二度目のDEM引き算が実行される。ステップ(8)からの土地のみDEMがここでステップ(1)での元のDEMから引き算されて、向上されたオブジェクトのみDEMが生成される。向上されたオブジェクトのみDEMは図18に示されるようなコンピュータ画面316で与えられる。ブロック110では、ステップ(10)は別のDEM除去ステップである。ステップ(9)からの向上されたオブジェクトのみDEMがステップ(1)での元のDEMから除去されて、向上された、オブジェクトのないDEMが生成される。この向上された、オブジェクトのないDEMは図19に示されるようにコンピュータ画面318で与えられる。
【0030】
実行バッチ・プロセスは、ステップ(11)のためにブロック104にループで戻る。ブロック104は、ブロック110で与えられるような向上された、オブジェクトのないDEMに対して、今一度再サンプリングを実行する。前回同様、この再サンプリングはより低い解像度、すなわち1メートルないし30メートルの解像度で実行される。その結果は、図20に示されるようなコンピュータ画面320で与えられる。
【0031】
ブロック106では、ステップ(12)に対応して今一度、ヌル充填が実行される。この三度目のヌル充填は、ブロック104によって与えられるような再サンプリングされたオブジェクトのないDEMに対して実行され、図21のコンピュータ画面322で与えられるような向上された土地のみDEMを生成する。このDEMは、最終的な土地のみDEMとも称される。
【0032】
ブロック108では、ステップ(13)に対応して三度目のDEM引き算が実行される。ステップ(12)からの向上された土地のみDEMがステップ(1)での元のDEMから引き算されて、一層向上されたオブジェクトのみDEMが生成される。一層向上されたオブジェクトのみDEMは図22に示されるようなコンピュータ画面324で与えられる。
【0033】
ブロック114では、ステップ(14)に対応して、前記の一層向上されたオブジェクトのみDEMに対してヌル拡張が実行される。ブロック116では、ステップ(15)に対応してヌル充填が実行される。ステップ(14)および(15)は、オブジェクトのまわりからノイズを除去して、一層向上されたオブジェクトのみDEMを生成するために実行される。プロセスはブロック114にループで戻り、ステップ(16)および(17)が実行される。すなわち、今一度ヌル拡張およびヌル充填が実行されて、図23のコンピュータ画面326で与えられるような第二の一層向上されたオブジェクトのみDEMが生成される。
【0034】
ブロック118では、DEM引き算が実行される。ステップ(17)からの第二の一層向上されたオブジェクトのみDEMが、ステップ(15)からの一層向上されたオブジェクトのみDEMから引き算されて、ノイズのみDEMが生成される。ノイズのみDEMは図24に示されるようなコンピュータ画面328で与えられる。
【0035】
ブロック120では、別のDEM除去が実行される(ステップ19)。ステップ(18)からのノイズのみDEMはステップ(15)からの第二の一層向上されたオブジェクトのみDEMから除去されて、最終的なオブジェクトのみDEMが生成される。この最終的なオブジェクトのみDEMは図25に示されるようにコンピュータ画面330で与えられる。
【0036】
ステップ(2)〜(19)について上で論じたようにして、最終的な土地のみDEMおよび最終的なオブジェクトのみDEMが生成された。従来技術のDEMに比べ、これらのDEMは、ステップ(2)〜(19)において実行されたループ反復の結果として向上されている。これから論じる本発明に基づくさらにもう一つの側面は、最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離である。換言すれば、最終的なオブジェクトのみDEMは二つの別個のDEMに分離され、各DEMは別個に処理されうるようになる。
【0037】
最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離についてこれから図26に示される流れ図および図27〜28を参照しつつ論じる。最初に図3に示されていたコンピュータ画面200を参照するに、ユーザーはフィールド227で「建物と樹木を分離」を選択する。すると、図27に示されるような「建物と樹木を分離」のコンピュータ画面410が表示される。
【0038】
引き続き図27を参照するに、ユーザーはいくつかの閾値パラメータを選択するオプションを有している。分離は、各オブジェクトについて面積当たりの周および各オブジェクトの高さを計算することに基づいて実行されるので、対応する比較閾値がコンピュータ画面410を介して設定される。たとえば、面積当たりの周の閾値がフィールド412で設定される。考慮すべき各オブジェクトの最小サイズがフィールド414で設定される。このフィールドは最小ポスト(minimum posts)と表示されている。フィールド416でコード残差(chord residue)が選択されるが、これは考慮されているオブジェクトの幅または一側の長さである。最大樹木高さがフィールド418で選択される。第二の面積当たりの周テストに関連した第二の閾値がフィールド420で選択される。フィールド420で選択されたこの第二の閾値は、フィールド412で選択された第一の閾値とは異なっていてもよい。
【0039】
最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離を開始するため、最終的なオブジェクトのみDEMにおける各オブジェクトについて周対面積パラメータがブロック502で決定される。本発明を説明する目的のため、図28も参照すると、最終的なオブジェクトのみDEMがどのように建物DEMと植生DEMに分離されるかが与えられている。たとえば、最初に、図25で示されたような最終的なオブジェクトのみDEMを表す単純化された表現が図28のフレーム600に与えられる。
【0040】
フレーム600内に示されるように、オブジェクトは、同じDEM内にまとめられた建物54および樹木56を含む。各オブジェクトについての周対面積パラメータは、ブロック504で選択された閾値と比較されて、DEM中の各オブジェクトが建物54であるか植生56であるかが識別される。閾値との比較に基づいて、フレーム602および604に示されるように、オブジェクトは建物DEMと植生DEMに分離される。
【0041】
各オブジェクトについてのデータは高さの値を含んでおり、フレーム604中の植生56として識別された各オブジェクトについての高さの値が、ブロック506で高さ閾値と比較される。ブロック508では、フレーム604中の各植生56は、それに関連する高さ値が高さ閾値より大きければ、建物54と識別し直される。フレーム606および608に示されるように、フレーム604で植生56と識別された建物54がフレーム606では建物として識別し直されている。しかしながら、フレーム606に示されるように、フレーム604中の高い樹木56が今度は高さ閾値との比較に基づいて建物と識別されてしまった。
【0042】
ブロック510では、フレーム606で建物と識別されている各オブジェクトについて、第二の周対面積パラメータが決定される。第二の周対面積パラメータのそれぞれは、ブロック512で第二の閾値と比較される。各建物54は、第二の周対面積パラメータが第二の閾値より大きければ、ブロック514で植生56として識別し直される。
【0043】
ブロック516では、建物54として識別されたオブジェクトは建物DEMに分離され、植生として識別されたオブジェクトは植生DEMに分離される。別個の建物DEMおよび植生DEMは有利なことに、著しく少ないユーザー介入で、よりリアルな地形モデルが生成されることを許容する。建物DEMはフレーム610によって表され、植生DEMはフレーム612によって表されている。最終的なオブジェクトのみDEMを建物DEMと植生DEMに分離する本方法は、ブロック518で終了する。最終的なオブジェクトのみDEMを二つの別個のDEMに分離する上記の諸ステップは、図2のステップ(20)に対応する。
【0044】
ここで、残りのステップ(21)〜(26)について論じる。建物54および樹木56はそれぞれ異なってモデル化される。ブロック124はステップ(21)に対応し、任意的であるが、自動プロセスが各オブジェクトを正しく識別しそこなった場合に建物54と樹木56の分離をユーザーが手動で仕上げまたは編集することを許容する。
【0045】
ブロック126では、ステップ(22)に対応して、植生DEM612中の各植生が3D点としてモデル化される。点をx(緯度)、y(経度)およびz(高度)のリストに変換するために、ユーザーは図3に示されるようなフィールド228で「DEMから点を生成」を選択する。
【0046】
ブロック128は、ステップ(23)に対応して、建物がベクトルとしてモデル化される。建物をベクトルとしてモデル化することは、背景技術の部分で論じた米国特許第6,654,690号に開示されている。ブロック130で、ステップ(24)に対応して、建物を表すポリゴンにテクスチャーが配置される。換言すれば、ポリゴン上に画像が配置されて、地形モデルにリアルな見かけが与えられる。RealSite(商標)はこのタスクを実行する一つの市販のツールである。RealSite(商標)は本発明の被譲渡者であるハリス・コーポレーションによって開発されたものである。
【0047】
ブロック132では、コンピュータ・システム60上での表示のために生成された幾何学図形およびテクスチャーのすべてを整形するためにSceneBuilder(商標)が使用される。SceneBuilder(商標)も市販のツールである。ブロック134でInReality(商標)を使って、図29に示されるような表示のための最終的な地形モデルが提供される。InReality(商標)は、ハリス・コーポレーションによって開発されたもう一つの市販のツールであり、ユーザーが仮想シーンを行き来し、さまざまな解析を遂行することを許容する。InReality(商標)は、RealSite(商標)ソフトウェアに対する相棒として設計されている。プロセスはブロック136で終了する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に基づく、地形データを収集し、収集された地形データから地形モデルを生成することのブロック概略図である。
【図2】本発明に基づく地形モデルを生成するための流れ図である。
【図3】本発明に基づく元のDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図4】本発明に基づく元のDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図5】本発明に基づく元のDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図6】本発明に基づく元のDEMの再サンプリングに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図7】本発明に基づく元のDEMの再サンプリングに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図8】本発明に基づく再サンプリングされたDEMに対して実行されるヌル充填プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図9】本発明に基づく再サンプリングされたDEMに対して実行されるヌル充填プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図10】本発明に基づく再サンプリングされたDEMに対して実行されるヌル充填プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図11】本発明に基づく、オブジェクトのみDEMと該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図12】本発明に基づく、オブジェクトのみDEMと該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図13】本発明に基づく、オブジェクトのみDEMと該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図14】図13で与えられるオブジェクトのないDEMに対して実行されるヌル拡張プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図15】図13で与えられるオブジェクトのないDEMに対して実行されるヌル拡張プロセスに対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図16】本発明に基づく土地のみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図17】本発明に基づく土地のみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図18】本発明に基づく、向上されたオブジェクトのみDEMと向上された、該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図19】本発明に基づく、向上されたオブジェクトのみDEMと向上された、該オブジェクトのないDEMを生成するためのDEM引き算に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図20】本発明に基づく最終的な土地のみDEMおよび一層向上されたオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図21】本発明に基づく最終的な土地のみDEMおよび一層向上されたオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図22】本発明に基づく最終的な土地のみDEMおよび一層向上されたオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図23】本発明に基づく、ヌル充填/ヌル拡張に基づく第二の一層向上されたオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図24】本発明に基づく、ノイズのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図25】本発明に基づく最終的なオブジェクトのみDEMの生成に対応するコンピュータ画面表示の図である。
【図26】図25で与えられる最終的なオブジェクトのみDEMを建物DEMおよび植生DEMに分離するための流れ図である。
【図27】本発明に基づく、最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離に関連するパラメータを設定するためのコンピュータ画面表示の図である。
【図28】本発明に基づく、最終的なオブジェクトのみDEMの建物DEMおよび植生DEMへの分離のためのステップの図的な表現である。
【図29】本発明に基づいて生成された地形モデルのコンピュータ画面表示の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトについてのデータを含むデジタル標高モデル(DEM)を処理するためのコンピュータ実装される方法であって:
DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定する段階と;
各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物であるか植生であるかを識別する段階とを有する方法。
【請求項2】
各オブジェクトについてのデータが高さ値を含む、請求項1記載のコンピュータ実装される方法であって、さらに:
植生として識別された各オブジェクトについてのその高さ値を高さ閾値と比較する段階と;
各植生を、それに関連付けられた高さ値が高さ閾値よりも大きければ建物として識別し直す段階とを有する方法。
【請求項3】
請求項2に記載のコンピュータ実装される方法であって、さらに:
建物として識別された各オブジェクトについて第二の周対面積パラメータを決定する段階と;
各第二の周対面積パラメータを第二の閾値と比較する段階と;
第二の周対面積パラメータが第二の閾値より大きい場合に各建物を植生として識別し直す段階を有する方法。
【請求項4】
建物として識別されたオブジェクトが建物DEMに分離され、植生として識別されたオブジェクトが植生DEMに分離される、請求項1記載のコンピュータ実装される方法。
【請求項5】
建物DEM内の建物をモデル化する段階と;
植生DEM内の植生をモデル化する段階と;
モデル化された建物および植生をディスプレイ上に表示する段階とをさらに有する、請求項4記載のコンピュータ実装される方法。
【請求項6】
地形モデル化のためのコンピュータ・システムであって:
複数のオブジェクトについてのデータを含むデジタル標高モデル(DEM)を処理するためのプロセッサを有しており、前記処理は:
DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定する段階と;
各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物であるか植生であるかを識別する段階とを有しており;
当該コンピュータ・システムがさらに、前記プロセッサに結合され、前記処理に基づく地形モデルを表示するディスプレイを有する、コンピュータ・システム。
【請求項7】
各オブジェクトについてのデータが高さ値を含む、請求項6記載のコンピュータ・システムであって、前記プロセッサが:
植生として識別された各オブジェクトについてのその高さ値を高さ閾値と比較し;
各植生を、それに関連付けられた高さ値が高さ閾値よりも大きければ建物として識別し直す、
コンピュータ・システム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータ・システムであって、前記プロセッサが:
建物として識別された各オブジェクトについて第二の周対面積パラメータを決定し;
各第二の周対面積パラメータを第二の閾値と比較し;
第二の周対面積パラメータが第二の閾値より大きい場合に各建物を植生として識別し直す、コンピュータ・システム。
【請求項9】
前記プロセッサによって建物として識別されたオブジェクトが建物DEMに分離され、前記プロセッサによって植生として識別されたオブジェクトが植生DEMに分離される、請求項6記載のコンピュータ・システム。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記ディスプレイ上に表示される地形モデルを定義するために、建物DEM内の建物をモデル化し、植生DEM内の植生をモデル化する、請求項9記載のコンピュータ・システム。
【請求項1】
複数のオブジェクトについてのデータを含むデジタル標高モデル(DEM)を処理するためのコンピュータ実装される方法であって:
DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定する段階と;
各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物であるか植生であるかを識別する段階とを有する方法。
【請求項2】
各オブジェクトについてのデータが高さ値を含む、請求項1記載のコンピュータ実装される方法であって、さらに:
植生として識別された各オブジェクトについてのその高さ値を高さ閾値と比較する段階と;
各植生を、それに関連付けられた高さ値が高さ閾値よりも大きければ建物として識別し直す段階とを有する方法。
【請求項3】
請求項2に記載のコンピュータ実装される方法であって、さらに:
建物として識別された各オブジェクトについて第二の周対面積パラメータを決定する段階と;
各第二の周対面積パラメータを第二の閾値と比較する段階と;
第二の周対面積パラメータが第二の閾値より大きい場合に各建物を植生として識別し直す段階を有する方法。
【請求項4】
建物として識別されたオブジェクトが建物DEMに分離され、植生として識別されたオブジェクトが植生DEMに分離される、請求項1記載のコンピュータ実装される方法。
【請求項5】
建物DEM内の建物をモデル化する段階と;
植生DEM内の植生をモデル化する段階と;
モデル化された建物および植生をディスプレイ上に表示する段階とをさらに有する、請求項4記載のコンピュータ実装される方法。
【請求項6】
地形モデル化のためのコンピュータ・システムであって:
複数のオブジェクトについてのデータを含むデジタル標高モデル(DEM)を処理するためのプロセッサを有しており、前記処理は:
DEM中の各オブジェクトについて周対面積パラメータを決定する段階と;
各オブジェクトについての周対面積パラメータを閾値と比較してDEM中の各オブジェクトが建物であるか植生であるかを識別する段階とを有しており;
当該コンピュータ・システムがさらに、前記プロセッサに結合され、前記処理に基づく地形モデルを表示するディスプレイを有する、コンピュータ・システム。
【請求項7】
各オブジェクトについてのデータが高さ値を含む、請求項6記載のコンピュータ・システムであって、前記プロセッサが:
植生として識別された各オブジェクトについてのその高さ値を高さ閾値と比較し;
各植生を、それに関連付けられた高さ値が高さ閾値よりも大きければ建物として識別し直す、
コンピュータ・システム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータ・システムであって、前記プロセッサが:
建物として識別された各オブジェクトについて第二の周対面積パラメータを決定し;
各第二の周対面積パラメータを第二の閾値と比較し;
第二の周対面積パラメータが第二の閾値より大きい場合に各建物を植生として識別し直す、コンピュータ・システム。
【請求項9】
前記プロセッサによって建物として識別されたオブジェクトが建物DEMに分離され、前記プロセッサによって植生として識別されたオブジェクトが植生DEMに分離される、請求項6記載のコンピュータ・システム。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記ディスプレイ上に表示される地形モデルを定義するために、建物DEM内の建物をモデル化し、植生DEM内の植生をモデル化する、請求項9記載のコンピュータ・システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2008−530594(P2008−530594A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554274(P2007−554274)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/003978
【国際公開番号】WO2006/086252
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/003978
【国際公開番号】WO2006/086252
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】
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