説明

地盤改良工法および地盤改良装置

【課題】コストの上昇を抑えつつ、地盤への貫入時の掘削抵抗を軽減する。
【解決手段】回転軸101の先端の掘削ヘッド120で地盤を掘削して地盤中に回転軸を貫入する。その貫入時に、地上の圧水供給装置213と圧縮空気供給装置223から圧水と圧縮空気を供給し、送水管210の挿入口215に送気管220を接続することにより、供給管路の入口の手前で圧水と圧縮空気を合流させ、合流した流体を供給管路を通して掘削ヘッドに送り込んで、螺旋翼121の背面に設けた噴射ボックス130の吐出口から掘削土壌に向けて噴射する。送気管220上には、合流点側からの流体の流れを阻止する逆止弁224と、規定圧以上の圧力を逃がす安全弁225とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸の先端に装備した掘削ヘッドで地盤を掘削しながら回転軸を地盤に貫入する際の抵抗を小さくして、施工を容易にすることのできる地盤改良工法および地盤改良装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地盤改良工法においては、地盤に貫入される回転軸の先端に地上から流体を送り込み、その流体を、回転軸の先端の攪拌翼や掘削ヘッドに設けた吐出口から掘削地盤中に噴射することが一般的に行われている。
【0003】
特許文献1や特許文献2には、地上の供給手段から圧縮空気と液状物を、回転軸中の別経路を通して回転軸の先端に送り込み、攪拌翼に付設した混合エジェクターにより、圧縮空気に液状物を同伴させて噴射するものが開示されている。
【0004】
図11は一例として、特許文献1に記載された地盤改良装置の構成を示している。
【0005】
この図11において、地盤に貫入される回転軸501の内部には、圧縮空気用の供給管路502と液状物用の供給管路503とが設けられており、各供給管路502、503の上端入口502a、503aには、圧縮空気供給装置504および液状物供給装置505からの配管504a、505aがそれぞれ接続されている。
【0006】
また、各供給管路502、503の下端出口502b、503bは、回転軸501の下端の攪拌翼506に設けられた混合エジェクター507に接続されている。そして、混合エジェクター507により、供給管路502を通して送られて来た圧縮空気に、供給管路503を通して送られて来た液状物を同伴させて噴射するようになっている。
【特許文献1】特許第3416774号公報
【特許文献2】特開2003−74049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、各流体種類毎に回転軸501の内部に供給管路(経路)502、503を設けて、最終的に土壌に向けて噴射する直前に流体を混合エジェクター507で混合して噴射する方式は、回転軸501の内部に多数の供給管路502、503を確保しなくてはならず、スイベルジョイントや軸内配管が複雑になるため、設備コストが嵩むという問題がある。
【0008】
通常の施工装置では、回転軸内に供給管路を1〜2本だけ設けているのが一般的であり、そのような設備に、上記の特許文献1あるいは特許文献2に記載の技術を適用することは、コスト的に非常に難しい。
【0009】
本発明は、上記事情を考慮し、コストの上昇を抑えつつ、地盤への貫入時の掘削抵抗を軽減して、施工能率を向上させることのできる地盤改良工法および同工法に使用する地盤改良装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明の地盤改良工法は、地盤改良に際し、回転軸の先端に装備した掘削ヘッドで地盤を掘削して地盤中に回転軸を貫入し、その貫入時に、前記回転軸に沿って配した供給管路を通して地上から流体を送り込み、その流体を前記掘削ヘッドに設けた吐出口から掘削土壌に向けて噴射する地盤改良工法において、前記流体の供給装置として、地上に、圧水供給装置と圧縮空気供給装置とを備え、これら両供給装置から供給される圧水と圧縮空気を、前記供給管路の入口に導入する手前で合流させた上で、供給管路を通して前記掘削ヘッドに送り込み、前記吐出口から掘削土壌に向けて噴射することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の地盤改良工法であって、前記圧水供給装置から延ばした送水管に前記圧縮空気供給装置から延ばした送気管を合流させることで、圧水の流れに圧縮空気の流れを合流させ、その合流点の手前の、前記圧縮空気供給装置から延ばした送気管上に、前記合流点側からの流体の流れを阻止する逆止弁と、規定圧以上の圧力を逃がす安全弁と、を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1に記載の地盤改良工法であって、前記掘削ヘッドに、下端縁に掘削爪を有した螺旋翼を設け、その螺旋翼の回転方向の背面側に流体の噴射ボックスを設け、その噴射ボックスに、前記螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口、後方へ向けて流体を吐出する吐出口、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口、の少なくとも1つを設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3に記載の地盤改良工法であって、前記噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口と、後方へ向けて流体を吐出する吐出口と、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口と、の3種の吐出口を設け、掘削地盤の状況に応じて、いずれか1つの吐出口を選択的に開放して流体を吐出させ、他を塞ぐことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、鉛直に支持され、先端に装備した掘削ヘッドで地盤を掘削して地盤中に貫入される回転軸と、該回転軸を回転させつつ昇降させる駆動装置と、前記回転軸に沿って配された第1の供給管路と、前記掘削ヘッドに設けられ、前記第1の供給管路を通して送り込まれてきた流体を掘削土壌に向けて吐出する吐出口と、地上に設けられた圧水供給装置および圧縮空気供給装置と、前記圧水供給装置から供給される圧水を前記第1の供給管路の入口に送り込む送水管と、前記第1の供給管路の入口の手前の前記送水管上に設けられた挿入口と、前記圧縮空気供給装置から供給される圧縮空気を前記挿入口に合流させる送気管と、前記送気管上に装備され、前記挿入口側からの流体の逆流を阻止する逆止弁と、該逆止弁の上流側の送気管上に装備され、規定圧以上の圧力を逃がす安全弁と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5に記載の地盤改良装置であって、前記掘削ヘッドに、下端縁に掘削爪を有した螺旋翼が設けられ、その螺旋翼の回転方向の背面側に流体の噴射ボックスが設けられ、その噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口、後方へ向けて流体を吐出する吐出口、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口、のいずれか1つが設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項6に記載の地盤改良装置であって、前記噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口と、後方へ向けて流体を吐出する吐出口と、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口と、の3種の吐出口が、そのうちの1つのみを選択的に開放できるように設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の地盤改良装置であって、前記掘削ヘッドの上側に位置させて前記回転軸の先端に設けられた攪拌翼と、前記第1の供給管路とは別に前記回転軸に沿って配された第2の供給管路と、該第2の供給管路を通して地上から送られてきた安定材を前記攪拌翼の回転高さにおいて掘削土壌中に吐出する安定材の吐出口と、地上に設けられた安定材の圧送供給装置と、前記回転軸に沿って配された第2の供給管路の入口に、前記圧送供給装置から圧送された安定材を導入する安定材用の圧送管と、前記安定材の圧送供給装置から送られてくる安定材を、必要に応じて、前記第1の供給管路の入口に導入する流路変更手段と、を具備することを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項8に記載の地盤改良装置であって、前記流路変更手段が、前記圧送管と送水管とを連絡する連絡管と、該連絡管を開閉する第1のバルブと、該第1のバルブが開のときに前記連絡管の接続点よりも前記送水管の上流側への流体の逆流を阻止するために閉じられる第2のバルブと、前記連絡管の接続点よりも下流側の前記圧送管上に設けられ、前記第1のバルブと連動して逆に開閉制御される第3のバルブと、から構成されいることを特徴とする。
【0019】
請求項10の発明は、請求項5〜9のいずれか1項に記載の地盤改良装置であって、前記掘削ヘッドの上側に位置させて前記回転軸の先端に設けられた攪拌翼と、前記第1の供給管路とは別に前記回転軸に沿って配された第2の供給管路と、該第2の供給管路を通して地上から送られてきた安定材を前記攪拌翼の回転高さにおいて掘削土壌中に吐出する安定材の吐出口と、地上に設けられた安定材の圧送供給装置と、前記回転軸に沿って配された第2の供給管路の入口に、前記圧送供給装置から圧送された安定材を導入する安定材用の圧送管と、前記圧送管上に設けられた空気導入口と、前記圧縮空気供給手段より供給される圧縮空気を前記圧送管上の空気導入口に導入し、圧送管内を圧送される安定材の中に圧縮空気を混入させる空気導入管と、を具備することを特徴とする。
【0020】
請求項11の発明は、請求項10に記載の地盤改良装置であって、前記逆止弁の下流の送気管上に分岐点を設けてその分岐点より前記空気導入管を分岐して設けると共に、前記送気管を通して供給される圧縮空気の導入先を、前記送水管上の挿入口にするか圧送管上の空気導入口にするかを切り換える切換バルブ手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、掘削ヘッドに設けた流体の吐出口から、掘削土壌に向かって圧水と圧縮空気の混合流体を噴射するので、掘削ヘッドと土砂の間の摩擦を効率良く減らすことができ、掘削抵抗を小さくすることができる。また、圧水と圧縮空気は、供給管路の入口に導入する手前で合流させた上で、供給管路を通して掘削ヘッドに送り込むので、回転軸に沿って設ける供給経路の数を増やさずにすみ、余分なコストアップを抑制することができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、圧水を送り込む送水管に圧縮空気を送り込む送気管を合流させることにより、圧水に圧縮空気を混ぜるので、簡単な構成で混合2流体を1本の供給管路の入口に導入することができる。また、合流点の手前の送気管上に逆止弁と安全弁を設けているので、何かの拍子に急激に送水管内の圧力が上昇した場合にも、逆止弁の作動により、圧水が圧縮空気供給装置側に侵入するのを確実に防止できる。また、何らかの原因で送気管内の圧力が急上昇するような場合にも、安全弁が働くことにより、規定以上の圧力上昇を抑えることができる。その結果、圧縮空気供給装置を安全に保護することができる。
【0023】
請求項3の発明によれば、掘削ヘッドの螺旋翼の背面側に流体の噴射ボックスを設け、その噴射ボックスに流体の噴射方向を定める吐出口を設けているので、予め定めた方向に向かって圧水と圧縮空気の混合流体を噴射することができる。また、噴射ボックスに吐出口を設けていることから、無理のないレイアウトで必要な方向の吐出口を配置することができる。
【0024】
請求項4の発明によれば、開放する吐出口と閉鎖する吐出口を予め決めることで、螺旋翼の回転方向の前方、または後方、あるいは螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出することができる。従って、砂質系等の粘着力の小さい地盤を掘削する場合は、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の前方での掘削抵抗を減らすことができる。また、粘性の強い地盤を掘削する場合は、螺旋翼の回転方向の後方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の背面に沿って移動する土砂との抵抗を減らすことができ、それにより掘削抵抗を減らすことができる。また、接合杭を施工するための掘削を行う場合は、螺旋翼の径方向外方へ向けて水と空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の外周の回転抵抗を減らすことができる。
【0025】
請求項5の発明によれば、掘削ロッドに設けた流体の吐出口から、掘削土壌に向かって、圧水と圧縮空気の混合流体を噴射することができるので、掘削ヘッドと土砂の間の摩擦を効率良く減らすことができ、掘削抵抗を小さくすることができる。また、圧水と圧縮空気は、第1の供給管路の入口に導入する手前で合流させた上で、第1の供給管路を通して掘削ヘッドに送り込むことができるので、回転軸に沿って設ける供給経路の数を増やさずにすみ、余分なコストアップを抑制することができる。
【0026】
また、送水管と合流する手前の送気管上に逆止弁と安全弁を設けているので、何かの拍子に急激に送水管内の圧力が上昇した場合にも、逆止弁の作動により、圧水が圧縮空気供給装置側に侵入するのを確実に防止できるし、何らかの原因で送気管内の圧力が急上昇するような場合にも、安全弁が働くことにより、規定以上の圧力上昇を抑えることができ、その結果、圧縮空気供給装置を安全に保護することができる。
【0027】
請求項6の発明によれば、掘削ヘッドの螺旋翼の背面側に流体の噴射ボックスを設け、その噴射ボックスに流体の噴射方向を定める吐出口を設けているので、予め定めた方向に向かって圧水と圧縮空気の混合流体を噴射することができる。また、噴射ボックスに吐出口を設けているので、無理のないレイアウトで、必要な方向の吐出口を配置することができる。
【0028】
請求項7の発明によれば、開放する吐出口と閉鎖する吐出口を決めておくことで、螺旋翼の回転方向の前方、または後方、あるいは螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出することができる。従って、砂質系等の粘着力の小さい地盤を掘削する場合は、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の前方での掘削抵抗を減らすことができる。また、粘性の強い地盤を掘削する場合は、螺旋翼の回転方向の後方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の背面に沿って移動する土砂の抵抗を減らすことができ、それにより掘削抵抗を減らすことができる。また、接合杭を施工するための掘削を行う場合は、螺旋翼の径方向外方へ向けて水と空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の外周の回転抵抗を減らすことができる。
【0029】
請求項8の発明によれば、攪拌翼の回転高さに設けた吐出口から安定材を吐出して現地土と混合するという通常の使い方の他に、流路変更手段を設けたことにより、必要時に、掘削ヘッドの吐出口からも、安定材を吐出することができる。従って、掘削ヘッドの深さにおいても、地盤中に安定材を供給することができ、例えば、軟らかい地盤の場合は、回転軸の貫入時において、圧水の供給と安定材の供給を切り換えながら、掘削ヘッドの吐出口から交替で圧水と安定材を吐出することにより、貫入の時点で、掘削土に安定材を混合させることができる。また、硬い地盤の場合は、掘削ヘッドの吐出口から圧水を吐出しながら、地盤中に回転軸を貫入させ、貫入後の回転軸の引き抜き時に、攪拌翼の回転高さにおいて安定材を吐出し、また、圧水の代わりに掘削ヘッドの吐出口からも安定材を吐出し、それにより、安定材を現地土と混合させることができる。
【0030】
請求項9の発明によれば、圧送管と送水管よりなる配管系に、連絡管と3つのバルブを設けるだけで流路変更手段を簡単に構成することができ、バルブの制御により、流路を適宜変更して、安定材を第2の供給管路ばかりでなく、第1の供給管路にも導入することができる。
【0031】
請求項10の発明によれば、攪拌翼の回転高さにおいて吐出する安定材の圧送管上に空気導入口を設け、その空気導入口から圧縮空気を安定材中に混入させることができるようにしたので、その圧縮空気の混入によって安定材の流動性を調整することができ、攪拌性能を向上させることができる。
【0032】
請求項11の発明によれば、安定材の圧送管上に設けた空気導入口に圧縮空気を導入する空気導入管を、逆止弁の下流の送気管上に分岐して設け、切換バルブ手段により圧縮空気の導入先を切り換えられるようにしたので、設備コストを抑えながら、掘削時と攪拌時の両方に有効に圧縮空気を役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1に全体構成を示すように、本実施形態の地盤改良工法を実施する地盤改良装置は、ベースマシン102のリーダー103のガイド103aに沿って鉛直方向に昇降自在に支持された回転軸101と、該回転軸101を昇降させるワイヤー吊り下げ式の昇降駆動装置104と、該昇降駆動装置104の昇降部に装備された回転駆動装置105とを有し、昇降駆動装置104によって回転軸101を昇降させながら、回転駆動装置105で回転軸101を回転駆動することにより、回転軸101の先端に取り付けた掘削攪拌手段110により地盤を掘削し、その掘削土壌中に安定材を注入し、攪拌混合して地盤を改良するものである。回転軸101は、リーダー103の下部に設けた下部振れ止め機構150によって掘削と貫入を案内される。
【0035】
図2は地盤改良装置の要部のシステム構成を示す図、図3は回転軸101の先端に設けた掘削攪拌手段110の構成を示す図である。
【0036】
回転軸101の内部には、図示しないが、回転軸101に沿って、圧水と圧縮空気を混合した摩擦軽減用の流体を流通させる第1の供給管路と、それと別系統で安定材を流通させる安定材用の第2の供給管路と、が設けられている。
【0037】
また、地上には、安定材の圧送供給装置205として、ミルクプラント圧送ポンプ202および流量計203が設けられており、ミルクプラント圧送ポンプ202から流量計203を経て送り出される安定材を、安定材圧送管201およびスイベルジョイント108を介して、回転軸101内に配設した安定材用の第2の供給管路の上端入口に導入するようになっている。
【0038】
また、地上には、圧水供給装置213および圧縮空気供給装置223が設けられている。圧水供給装置213は、加圧ポンプよりなる加水圧送装置211と、その圧力や流量を制御する加水制御装置212とから構成され、圧水を送水管210およびスイベルジョイント108を介して、回転軸101内に配設した主に摩擦軽減用流体の流通路である第1の供給管路の上端入口に導入するようになっている。
【0039】
前記送水管210のスイベルジョイント108への導入部の直前には、挿入口215が設けられており、その挿入口215に、圧縮空気供給装置223から延ばした送気管220の先端が接続されている。
【0040】
圧縮空気供給装置223は、空気圧縮機221と、その圧力や流量を制御する空気制御装置212とから構成されており、送気管220を通して送り込んだ圧縮空気を、挿入口215から送水管210内を流れる圧水に合流させるようになっている。
【0041】
また、送水管210の圧力と送気管220の圧力は大きく違う可能性があることから、送気管220上には、挿入口215側からの流体の逆流を阻止する逆止弁224が設けられると共に、逆止弁224の上流側の送気管220上には、規定圧以上の圧力を逃がす安全弁225が設けられている。
【0042】
また、圧送管201と送水管210の間には、安定材の圧送供給装置205から送られてくる安定材を、必要に応じて、通常は圧水の流通路である第1の供給管路の入口に導入する流路変更手段300が設けられている。この場合の流路変更手段300は、圧送管201上の分岐点204と送水管210上の分岐点214とを接続する連絡管301と、該連絡管301を開閉する第1のバルブ311と、該第1のバルブ311が開のときに連絡管301の接続点(分岐点214)よりも送水管210の上流側への流体の逆流を阻止するために閉じられる第2のバルブ312と、連絡管301の接続点(分岐点204)よりも下流側の圧送管201上に設けられ、第1のバルブ311と連動して逆に開閉制御される第3のバルブ313と、から構成されいる。なお、第1〜第3のバルブ311〜313はいずれも電磁バルブよりなり、図示しない制御装置により、互いに関連を持って制御される。
【0043】
一方、掘削攪拌手段110としては、図3に示すように、回転軸101の最先端に掘削ヘッド120が設けられると共に、その上側に、攪拌翼112と共回り板113とが、上下方向に複数段に交互に設けられている。本実施形態では、掘削ヘッド120の回転半径は、攪拌翼112の回転半径よりも小さく設定されている。
【0044】
攪拌翼112は、回転軸101から半径方向に直線的に延びるバー状のもので、回転軸101の軸線に対して傾斜した羽根板よりなる。最下段の攪拌翼112は、下端に掘削爪114を有しており、攪拌ばかりでなく掘削機能も果たせるようになっている。また、上段の攪拌翼112の回転方向の背面には、回転軸101内の供給管路を通して送られてくる安定材の吐出ボックス(吐出口)115が設けられている。この吐出ボックス115からの安定材の吐出は、主に回転軸101の引き上げのときに行われる。
【0045】
また、掘削ヘッド120としては、下端縁121aに多数の掘削爪122を有した2条の螺旋翼121が設けられている。この2条の螺旋翼121は、回転軸101を中心に180°対称に配置されており、それぞれが180°の角度範囲で巻いている。つまり、各螺旋翼121は半ピッチ分だけ設けられている。
【0046】
また、各螺旋翼121の下端縁121aは、外周端から内周端に向かって上り傾斜した直線状になっており、2つの螺旋翼121の下端縁121aで構成される掘削ヘッド120の先端が、中心部が凹み、周縁部が突出した下向きの凹形状になっている。
【0047】
そして、一方の螺旋翼121の回転方向の背面側に、図4に示すように、摩擦軽減用の流体の噴射ボックス130が設けられている。この噴射ボックス130は、図5に示すように、長方形ブロック状のボックス本体131と、その外面の必要箇所にボルトで固定されたカバー141、142、143とからなる。
【0048】
ボックス本体131は、長手方向の一方の端面に流体の入口132、内部にその入口132に連なる分岐通路133を有し、短手方向の両端面と長手方向の他端面に、前記分岐通路133に連なる吐出口135、136、137を有しており、螺旋翼121の背面に取り付けられた状態で、吐出口135は螺旋翼121の回転方向の前方へ向き、吐出口136は螺旋翼121の回転方向の後方へ向き、吐出口137は螺旋翼121の回転半径方向外方へ向いている。また、ボックス本体131の入口132に、回転軸101を通して配設した摩擦軽減用の流体の供給管路の先端の配管118が接続されている。
【0049】
カバー141、142、143は、各吐出口137に合わせて設けられており、任意に取り付けできるようになっている。図示例では、このうち1つのカバー141だけが、噴射口141aを有する開放用となっており、他のカバー142、143は閉鎖用となっている。開放用のカバー141を取り付けた場合は、その吐出口135を開放でき、閉鎖用のカバー142、143を取り付けた場合は、その吐出口136、137を閉鎖できるようになっている。つまり、カバー141〜143の付け替えにより、3種の吐出口のうちの1つのみを選択的に開放できるようになっている。
【0050】
次に上記構成の地盤改良装置を用いた地盤改良工法について説明する。
【0051】
地盤改良に際しては、まず、昇降駆動装置104および回転駆動装置105により回転軸101を回転させつつ、掘削ヘッド120を地盤に向けて下降させる。それにより、回転軸101の先端に装備した掘削ヘッド120で地盤を掘削し、地盤中に回転軸101を貫入していく。
【0052】
その貫入時には、圧水供給装置213から圧水を供給し、圧縮空気供給装置223から圧縮空気を供給する。そうすると、供給された圧水と圧縮空気が挿入口215を通過する時点で合流し、スイベルジョイント108を介して回転軸101内の第1の供給管路の上端入口に導入される。
【0053】
そして、第1の供給管路を通して掘削ヘッド120に送り込まれた圧水と圧縮空気の混合流体は、噴射ボックス130の開放された吐出口135、136、137から掘削土壌に向けて噴射される。図示例では、吐出口135が開放されているので、その吐出口135およびカバー141の噴射口141aを通して、螺旋翼121の回転方向の前方へ向けて混合流体が吐出される。
【0054】
このように、掘削ヘッド120に設けた流体の吐出口135〜137から、掘削土壌に向かって圧水と圧縮空気の混合流体を噴射するので、掘削ヘッド120と土砂の間の摩擦を効率良く減らすことができ、掘削抵抗を小さくすることができる。その結果、図1に示すような掘削抵抗の偏り等による回転軸101の振れθ(軸ずれ)を減らす効果も期待できる。
【0055】
また、圧水と圧縮空気は、第1の供給管路の入口に導入する手前で合流させた上で、第1の供給管路を通して掘削ヘッド120に送り込むので、回転軸101に沿って設ける供給経路の数を増やさずにすみ、余分なコストアップを回避できる。
【0056】
また、圧水を送り込む送水管210の途中に挿入口215を設け、その挿入口215に圧縮空気を送り込む送気管220の先端を接続するだけで、圧水に圧縮空気を混ぜることができるので、簡単な構成で混合2流体を1本の供給管路の入口に導入することができる。
【0057】
また、合流点の手前の送気管220上に逆止弁224と安全弁225を設けているので、何かの拍子に急激に送水管210内の圧力が上昇した場合にも、逆止弁214の作動により、圧水が圧縮空気供給装置223側に侵入するのを確実に防止できる。また、何らかの原因で送気管220内の圧力が急上昇するような場合にも、安全弁225が働くことにより、規定以上の圧力上昇を抑えることができるので、圧縮空気供給装置223を安全に保護することができる。
【0058】
また、掘削ヘッド120の螺旋翼121の背面側に流体の噴射ボックス130を設け、その噴射ボックス130に流体の噴射方向を定める吐出口135〜137を設けているので、予め定めた方向に向かって圧水と圧縮空気の混合流体を噴射することができる。また、噴射ボックス130に吐出口135〜137を設けていることから、無理のないレイアウトで必要な方向を向いた吐出口135〜137を配置することができる。
【0059】
また、開放する吐出口と閉鎖する吐出口を決め、開放する吐出口には噴射口のついた開放用のカバーを取り付け、閉鎖する吐出口には閉鎖用のカバーを取り付けることで、螺旋翼121の回転方向の前方、または後方、あるいは、螺旋翼121の回転半径方向外方へ向けて、選択的に流体を吐出することができる。
【0060】
従って、砂質系等の粘着力の小さい地盤を掘削する場合は、螺旋翼121の回転方向の前方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼121の前方での掘削抵抗を減らすことができる。また、粘性の強い地盤を掘削する場合は、螺旋翼121の回転方向の後方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼121の背面に沿って移動する土砂との抵抗を減らすことができ、それにより掘削抵抗を減らすことができる。さらに、接合杭を施工するための掘削を行う場合は、螺旋翼121の径方向外方へ向けて水と空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼121の外周の回転抵抗を減らすことができる。
【0061】
所定深度までの回転軸101の貫入が終了したら、次に、ミルクプラント圧送ポンプ202を運転し、圧送管201及び第2の供給管路を経由して、攪拌翼112の吐出ボックス115から安定材を吐出しながら、回転軸101を引き上げていき、現地土と安定材を攪拌・混合し、円柱状に改良体(杭体)を構築していく。以上により、効率良く地盤改良を行うことができる。
【0062】
なお、図6に示すように、攪拌翼112よりも掘削ヘッド120の回転半径が小さい場合は、掘削した孔底部MAの径D1が改良体(杭体が構築される孔を符号MBで示す)の径D2よりも小さくなるので、所定径・所定深度の杭体を構築する場合は、掘削ヘッド120の高さ分だけ仕様外となり、そのため、その分だけ深さを余分に掘削しておく必要があるが、図7、図8に示す掘削攪拌手段110Bのように、攪拌翼112と掘削ヘッド120Bの回転半径をほぼ等しく設定しておけば、掘削した孔底部MAの径D1が改良体(杭体が構築される孔を符号MBで示す)の径D2と等しくなるので、孔内全長を有効径を有する杭体として構成することができる。従って、掘削抵抗が大きくなることを考慮しない場合は、その方が有利である。
【0063】
また、上述したような、攪拌翼112の回転高さに設けた吐出ボックス115から安定材を吐出して現地土と混合するという通常の使い方の他に、流路変更手段300を設けたことにより、必要時には、送水管210及び第1の供給管路を経由し、掘削ヘッド120の噴射ボックス130からも、安定材を吐出することができ、掘削ヘッド120の深さにおいて地盤中に安定材を供給することもできる。
【0064】
例えば、掘削ヘッド120の噴射ボックス130および攪拌翼112の吐出ボックス115の両方から適当な比率(10:0〜0:10まで自由に比率を変更できる)で安定材を吐出する場合は、第2のバルブ312を閉じ、第1のバルブ311と第3のバルブ313の開閉割合を適当に設定する。そうすることにより、圧送管201及び第2の供給管路を通して攪拌翼112の吐出ボックス115から安定材を土中に吐出できると共に、送水管210及び第1の供給管路を通して掘削ヘッド120の噴射ボックス130から安定材を土中に吐出できる。
【0065】
従って、例えば、軟らかい地盤の場合は、回転軸101の貫入時において、圧水の供給と安定材の供給を切り換えながら、掘削ヘッド120の噴射ボックス130から交替で圧水と安定材を吐出することにより、貫入の時点で、掘削土に安定材を混合させることができる。
【0066】
また、硬い地盤の場合は、掘削ヘッド120の噴射ボックス130から圧水を吐出しながら、地盤中に回転軸101を貫入させ、貫入後の回転軸101の引き抜き時に、攪拌翼112の回転高さにおいて安定材を吐出し、また、圧水の代わりに掘削ヘッド120の噴射ボックス130からも安定材を吐出し、それにより、安定材を現地土と混合させることができる。
【0067】
なお、流路変更手段300は、圧送管201と送水管210よりなる配管系に、連絡管301と3つのバルブ311〜313を設けるだけで簡単に構成することができる。
【0068】
図9は、本発明の他の実施形態の要部構成を示す図である。
【0069】
この実施形態の地盤改良装置では、安定材の圧送管201上に空気導入口206を設け、その空気導入口206に、逆止弁224の下流の送気管220上に設けた分岐点226から分岐して設けた空気導入管220Aの先端を接続し、圧送管201内を圧送される安定材の中に圧縮空気を混入させることができるようにしている。また、送気管220を通して供給される圧縮空気の導入先を、送水管210上の挿入口215にするか圧送管201上の空気導入口206にするかを切り換える切換バルブ手段として、分岐点226の下流側に、2つのバルブ227、228を設けている。
【0070】
このような構成を採用することにより、地盤掘削時には、バルブ227を開いてバルブ228を閉じることにより、圧縮空気を圧水に混入させることができ、その混合流体を掘削ヘッド120に送り込むことができ、上述の効果を発揮することができる。また、攪拌時には、バルブ227を閉じバルブ228を開くことにより、圧縮空気を安定材に混入させることができ、圧縮空気の混入した安定材を攪拌状態の掘削土壌中に吐出することができる。従って、圧縮空気の混入によって安定材の流動性を調整することができ、攪拌性能を向上させることができる。
【0071】
また、そのために用意する空気導入管220Aは、逆止弁224の下流の送気管220上に分岐して設け、バルブ227、228で圧縮空気の導入先を切り換えるようにしているので、設備コストを抑えながら、掘削時と攪拌時の両方に有効に圧縮空気を役立てることができる。
【0072】
図10は、本発明の更に別の実施形態の要部構成を示す図である。
【0073】
この実施形態の地盤改良装置では、空気制御装置222と逆止弁224の間の管路上に、図2に示すように直接安全弁225を設けるのではなく、同管路上にタンク229を設け、そのタンク229に安全弁225を取り付けている。その他の構成は、図9の実施形態と同様である。
【0074】
このように構成した場合は、逆流流体(水やミルク)がもし逆止弁224を潜り抜けてしまった場合も、タンク229を介して安全弁225により外部に放出することができ、空気制御装置への水やミルクの逆流を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態の地盤改良工法を実施する地盤改良装置の全体構成の概要を示す側面図である。
【図2】地盤改良装置の要部のシステム構成を示す図である。
【図3】地盤改良装置の回転軸の先端に設けた掘削攪拌手段の構成を示す側面図である。
【図4】前記掘削攪拌手段を構成する掘削ヘッドの、上下逆にして見た斜視図である。
【図5】前記掘削ヘッドの螺旋翼の背面に設けられる噴射ボックスの構成図で、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図6】本発明の実施形態の地盤改良装置の掘削攪拌手段により地盤に孔掘削を行っている状態を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態の地盤改良装置の要部を拡大して示す側面図である。
【図8】図7の地盤改良装置の掘削攪拌手段により地盤に孔掘削を行っている状態を示す断面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態の地盤改良装置の要部のシステム構成を示す図である。
【図10】本発明の更に別の実施形態の地盤改良装置の要部のシステム構成を示す図である。
【図11】従来の地盤改良装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0076】
101 回転軸
104 昇降駆動装置
105 回転駆動装置
110,110B 掘削攪拌手段
112 攪拌翼
115 安定材の吐出ボックス(吐出口)
120,120B 掘削ヘッド
121 螺旋翼
121a 下端縁
122 掘削爪
130 噴射ボックス(吐出口)
135〜137 吐出口
201 圧送管
204 分岐点(接続点)
205 安定材の圧送供給装置
206 空気導入口
210 送水管
213 圧水供給装置
214 分岐点(接続点)
215 挿入口(合流点)
220 送気管
223 圧縮空気供給装置
224 逆止弁
225 安全弁
220A 空気導入管
226 分岐点
227 バルブ(切換バルブ)
228 バルブ(切換バルブ)
229 タンク
300 流路変更手段
301 連絡管
311 第1のバルブ
312 第2のバルブ
313 第3のバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤改良に際し、回転軸の先端に装備した掘削ヘッドで地盤を掘削して地盤中に回転軸を貫入し、その貫入時に、前記回転軸に沿って配した供給管路を通して地上から流体を送り込み、その流体を前記掘削ヘッドに設けた吐出口から掘削土壌に向けて噴射する地盤改良工法において、
前記流体の供給装置として、地上に、圧水供給装置と圧縮空気供給装置とを備え、これら両供給装置から供給される圧水と圧縮空気を、前記供給管路の入口に導入する手前で合流させた上で、供給管路を通して前記掘削ヘッドに送り込み、前記吐出口から掘削土壌に向けて噴射することを特徴とする地盤改良工法。
【請求項2】
請求項1に記載の地盤改良工法であって、
前記圧水供給装置から延ばした送水管に前記圧縮空気供給装置から延ばした送気管を合流させることで、圧水の流れに圧縮空気の流れを合流させ、その合流点の手前の、前記圧縮空気供給装置から延ばした送気管上に、前記合流点側からの流体の流れを阻止する逆止弁と、規定圧以上の圧力を逃がす安全弁と、を設けたことを特徴とする地盤改良工法。
【請求項3】
請求項1に記載の地盤改良工法であって、
前記掘削ヘッドに、下端縁に掘削爪を有した螺旋翼を設け、その螺旋翼の回転方向の背面側に流体の噴射ボックスを設け、その噴射ボックスに、前記螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口、後方へ向けて流体を吐出する吐出口、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口、の少なくとも1つを設けたことを特徴とする地盤改良工法。
【請求項4】
請求項3に記載の地盤改良工法であって、
前記噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口と、後方へ向けて流体を吐出する吐出口と、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口と、の3種の吐出口を設け、掘削地盤の状況に応じて、いずれか1つの吐出口を選択的に開放して流体を吐出させ、他を塞ぐことを特徴とする地盤改良工法。
【請求項5】
鉛直に支持され、先端に装備した掘削ヘッドで地盤を掘削して地盤中に貫入される回転軸と、
該回転軸を回転させつつ昇降させる駆動装置と、
前記回転軸に沿って配された第1の供給管路と、
前記掘削ヘッドに設けられ、前記第1の供給管路を通して送り込まれてきた流体を掘削土壌に向けて吐出する吐出口と、
地上に設けられた圧水供給装置および圧縮空気供給装置と、
前記圧水供給装置から供給される圧水を前記第1の供給管路の入口に送り込む送水管と、
前記第1の供給管路の入口の手前の前記送水管上に設けられた挿入口と、
前記圧縮空気供給装置から供給される圧縮空気を前記挿入口に合流させる送気管と、
前記送気管上に装備され、前記挿入口側からの流体の逆流を阻止する逆止弁と、
該逆止弁の上流側の送気管上に装備され、規定圧以上の圧力を逃がす安全弁と、
を備えたことを特徴とする地盤改良装置。
【請求項6】
請求項5に記載の地盤改良装置であって、
前記掘削ヘッドに、下端縁に掘削爪を有した螺旋翼が設けられ、その螺旋翼の回転方向の背面側に流体の噴射ボックスが設けられ、その噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口、後方へ向けて流体を吐出する吐出口、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口、のいずれか1つが設けられていることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項7】
請求項6に記載の地盤改良装置であって、
前記噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口と、後方へ向けて流体を吐出する吐出口と、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口と、の3種の吐出口が、そのうちの1つのみを選択的に開放できるように設けられていることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載の地盤改良装置であって、
前記掘削ヘッドの上側に位置させて前記回転軸の先端に設けられた攪拌翼と、
前記第1の供給管路とは別に前記回転軸に沿って配された第2の供給管路と、
該第2の供給管路を通して地上から送られてきた安定材を前記攪拌翼の回転高さにおいて掘削土壌中に吐出する安定材の吐出口と、
地上に設けられた安定材の圧送供給装置と、
前記回転軸に沿って配された第2の供給管路の入口に、前記圧送供給装置から圧送された安定材を導入する安定材用の圧送管と、
前記安定材の圧送供給装置から送られてくる安定材を、必要に応じて、前記第1の供給管路の入口に導入する流路変更手段と、
を具備することを特徴とする地盤改良装置。
【請求項9】
請求項8に記載の地盤改良装置であって、
前記流路変更手段が、
前記圧送管と送水管とを連絡する連絡管と、
該連絡管を開閉する第1のバルブと、
該第1のバルブが開のときに前記連絡管の接続点よりも前記送水管の上流側への流体の逆流を阻止するために閉じられる第2のバルブと、前記連絡管の接続点よりも下流側の前記圧送管上に設けられ、前記第1のバルブと連動して逆に開閉制御される第3のバルブと、
から構成されいることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項10】
請求項5〜9のいずれか1項に記載の地盤改良装置であって、
前記掘削ヘッドの上側に位置させて前記回転軸の先端に設けられた攪拌翼と、
前記第1の供給管路とは別に前記回転軸に沿って配された第2の供給管路と、
該第2の供給管路を通して地上から送られてきた安定材を前記攪拌翼の回転高さにおいて掘削土壌中に吐出する安定材の吐出口と、
地上に設けられた安定材の圧送供給装置と、
前記回転軸に沿って配された第2の供給管路の入口に、前記圧送供給装置から圧送された安定材を導入する安定材用の圧送管と、
前記圧送管上に設けられた空気導入口と、
前記圧縮空気供給手段より供給される圧縮空気を前記圧送管上の空気導入口に導入し、圧送管内を圧送される安定材の中に圧縮空気を混入させる空気導入管と、
を具備することを特徴とする地盤改良装置。
【請求項11】
請求項10に記載の地盤改良装置であって、
前記逆止弁の下流の送気管上に分岐点を設けてその分岐点より前記空気導入管を分岐して設けると共に、前記送気管を通して供給される圧縮空気の導入先を、前記送水管上の挿入口にするか圧送管上の空気導入口にするかを切り換える切換バルブ手段を設けたことを特徴とする地盤改良装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−63871(P2008−63871A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244145(P2006−244145)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000236610)株式会社不動テトラ (136)
【Fターム(参考)】