説明

地盤改良用攪拌装置

【課題】 掘削効率を向上させることができる地盤改良用攪拌装置を提供する。
【解決手段】 掘削された掘削土と、固化材とを攪拌するとともに、混合して矩形断面形状に造成する地盤改良用攪拌装置1を、掘削ロッド接続されるロッド本体10と、ロッド本体10の周面に設けられた上部攪拌翼11及び下部攪拌翼12と、ロッド本体10の周面に穿設され固化材を吐出する上部吐出孔10a及び下部吐出孔10bと、上部攪拌翼11と下部攪拌翼12との中間部の高さにロッド本体10の回転から絶縁された状態で固定される井桁形状のケーシング13とを備えて構成する。ケーシング13は、2枚の第1側板13a、およびこの第1側板13aと直交配置される2枚の第2側板13bを組込んで形成され、第1側板13aの高さ寸法を第2側板13bの高さ寸法より大きくしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削土砂と固化材を混合することにより地中に矩形断面形状の固結体を造成する地盤改良工法に使用される地盤改良用攪拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地盤を掘削ロッドにより目標の深度まで掘進し、掘削終了後、または掘削と同時に掘削土砂と掘削ロッドの先端から土中に吐出される固化材とを攪拌し、両者を混合してそのまま硬化させることにより地中に造成杭等の固結体を造成する方法は、従来、掘削ロッドと共に鉛直軸回りに回転する攪拌翼のみで混合を行うことから、完成する固結体は円柱状となっている。
【0003】
上部構造物はこの円柱状の固結体上に構築されることになるが、固結体が円形断面であるのに対し、上部構造物の底面は通常矩形であるため、固結体の断面積が構造物の底面積を下回り(80%)、固結体は上部構造物の底面全面を支持する状態にはならないのが実情である。従って底面を完全に支持するには、構造物の底面より広範囲に必要以上の固結体を造成しなければならず、非効率的で、不経済な支持状態となっている。
【0004】
そこで、以上の課題を解決するため、構造物の底面全面を支持することができるように、矩形状の固結体を造成する地盤改良用攪拌装置が開発されている(特許文献1参照)。
【0005】
上記地盤改良用攪拌装置は、掘削ロッドの先端に接続されるロッド本体と、このロッド本体の周面に、その軸方向に互いに距離を隔てて突設される上部攪拌翼及び下部攪拌翼と、ロッド本体の周面の、上部攪拌翼と下部攪拌翼との各突設位置に穿設され、掘削ロッドの内部を通じて固化材を吐出する上部吐出孔及び下部吐出孔と、上部攪拌翼と下部攪拌翼との中間部の高さに、ロッド本体の外周面から距離を隔て、当該ロッド本体の回転から絶縁された状態で固定されるケーシングとを備えて構成され、ケーシングは、4面を同一部材および同一形状の側板部材で囲った箱形に形成されている。
【0006】
【特許文献1】特公平7−119462号公報(段落0016〜0019、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記公報の地盤改良用攪拌装置では、掘削効率が悪いという課題がある。すなわち、ケーシングが、4面を同一部材および同一形状の側板部材で形成されているので、掘削ロッドの掘進時は主として下部吐出孔から固化材の吐出が行われ、固化材はまず下部吐出孔の位置の下部攪拌翼で掘削土と攪拌されて混合される。この混合物はその上方に位置して降下するケーシングによって箱形に均される。
【0008】
混合された掘削土と固化材とをケーシングによって箱形に均す際、均された混合物は、ケーシングの内面に押付けられることによって、ケーシングの形状、つまり矩形状に造成される。この場合、ケーシングの掘削側先端には均等に圧力が掛かり、内面にも均された混合物が全面に押付けられるため、圧力が強くなり、掘削抵抗が大きくなっている。そのため、ケーシングを破損させないようにするためには、掘削速度を遅くせざるを得ず、その結果、掘削効率が悪くなる。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、掘削効率を向上させることができる地盤改良用攪拌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を解決するために、本発明の請求項1に記載の地盤改良用攪拌装置は、掘削ロッドによる地盤の掘削時と上記掘削ロッドの引抜き時とに、掘削土と固化材とを攪拌し、これらを矩形断面形状に混合する装置であって、上記掘削ロッドの先端に接続されるロッド本体10と、このロッド本体10の周面に、その軸方向に互いに距離を隔てて突設される上部攪拌翼11及び下部攪拌翼12と、上記ロッド本体10の周面の、上記上部攪拌翼11と下部攪拌翼12の各突設位置に穿設され、上記掘削ロッドの内部を通じて上記固化材を吐出する上部吐出孔10a及び下部吐出孔10bと、上記上部攪拌翼11と下部攪拌翼12との中間部の高さに、上記ロッド本体10の外周面から距離を隔て、当該ロッド本体10の回転から絶縁された状態で固定される井桁形状のケーシング13とを備えて構成され、このケーシング13は、互いに所定間隔をあけて対向配置される2枚の第1側板13a、およびこの第1側板13aと直交配置されるとともに、互いに所定間隔をあけて対向する2枚の第2側板13bを組込んで形成され、上記第1側板13aおよび第2側板13bは、高さ寸法が異なっていることを特徴とする地盤改良用攪拌装置である。
上記の地盤改良用攪拌装置によれば、掘削ロッドの掘進時は主として下部吐出孔から固化材の吐出が行われ、固化材はまず下部吐出孔の位置の下部攪拌翼で掘削土と攪拌されて混合される。この混合物は、その上方に位置しかつ降下する高さ寸法が異る井桁形状のケーシングによって矩形状の箱形に均される。この際、最初に、高さ寸法が高い方の側板の先端が混合物を仕切り、これに遅れて高さ寸法が低い方の側板の先端が混合物を仕切る。高い方の側板によって混合物を仕切っているとき、その側板で仕切られた混合物の一部は、両側板における高さの差分の隙間から外側に押出される。高さの高い側板が上記隙間を通過した後は、その側板とともに高さの低い側板が混合物を仕切り、矩形状に造成する。一旦均された混合物は、ケーシングの上方に位置する上部攪拌翼によって再度混合される。
ロッド本体の引抜き時は、掘進時とは逆に、主として上部吐出孔から吐出が行われ、固化材はその位置の上部攪拌翼によって掘進時の混合物と混合され、その下方に位置するケーシングによって箱形に繰り返し均され、更にその下方の下部攪拌翼によって混合される。
【0011】
本発明の請求項2に記載の地盤改良用攪拌装置は、上記ケーシング13の第1側板13aと上記第2側板13bとの高さ方向上端が同一面に揃えられていることを特徴とする地盤改良用攪拌装置である。
上記の地盤改良用攪拌装置によれば、ケーシングによって箱形に均される際、最初に、高さの高い側板の先端が混合物を仕切り、これに遅れて高さの低い側板の先端が混合物を仕切る。高さの高い側板によって混合物を仕切っているとき、その側板で仕切られた混合物の一部は、高さの高い側板側板を経由して高さの低い側板の下端から外側に押出される。さらに掘削すると、両側板により混合物が仕切られ、矩形状に造成される。
【0012】
本発明の請求項3に記載の地盤改良用攪拌装置は、上記ロッド本体10の周面の、上記上部攪拌翼11と下部攪拌翼12の中間部位置に、上記ケーシング13の内壁に向けて上記固化材を吐出する中間部吐出孔10dが穿設されていることを特徴とする地盤改良用攪拌装置である。
上記の地盤改良用攪拌装置によれば、中間部吐出孔からケーシングの内壁に向けて固化材が吐出され、攪拌装置の降下時や上昇時に、ケーシングの内壁に付着した掘削土や固化材との混合物が切り離される。
【0013】
本発明の請求項4に記載の地盤改良用攪拌装置は、上記中間部吐出孔10dの位置に、その中間部吐出孔10dの穿設方向に、上記固化材の吐出を案内するとともに、上記上部攪拌翼11と下部攪拌翼12の攪拌を補う中間部攪拌翼21が突設されていることを特徴とする地盤改良用攪拌装置である。
上記の地盤改良用攪拌装置によれば、中間部攪拌翼によって中間部吐出孔からケーシング内壁までの固化材の吐出が案内されて付着した掘削土等が切り離され、また、上部攪拌翼や下部攪拌翼による攪拌が補われる。
【0014】
本発明の請求項5に記載の地盤改良用攪拌装置は、上記中間部吐出孔10dが上部吐出孔10aを兼ねていることを特徴とする地盤改良用攪拌装置である。
上記の地盤改良用攪拌装置によれば、中間部吐出孔の位置に中間部攪拌翼が突設され、中間部吐出孔からの吐出がロッド本体の上昇時に行われる場合は、中間部吐出孔が下部攪拌翼12より上方に位置することから、上部吐出孔10aを兼ねる機能を持つ。
【0015】
本発明の請求項6に記載の地盤改良用攪拌装置は、上記ケーシング13の第1側板13aと上記第2側板13bとが、上記ロッド本体10の軸線と直交する方向に分割可能とされ、上記固結体を水平方向に隣設させて造成する際に、分割可能な半分を取外して使用することを特徴とする地盤改良用攪拌装置である。
上記の地盤改良用攪拌装置によれば、ケーシングの分割可能な部位を切り離して、ケーシングの片側を開放した状態で、造成済みの固結体にラップさせて施工することにより、造成済みの固結体の一部を取り込みながら新規固結体の造成を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以下の効果を奏する。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、掘削土と固化材との混合物が高さ寸法が異る井桁形状のケーシングによって箱形に均される際、掘削進行時において高さの低い側板先端が高さの高い側板先端よりも混合物を仕切る動作が遅れて混合物を仕切るので、高さの高い側板で仕切られた混合物の一部が両側板の高さの差分の隙間から外側に押出される。そのため、掘削抵抗が少なくなり掘削効率が向上する。また、ケーシングによって掘削土と固化材との混合物を矩形状に仕切ることができるため、通常矩形が多い上部構造物の底面に対応した矩形状の固結体を容易に形成することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、ケーシング13を構成する第1側板13aと上記第2側板13bとの高さ方向上端を同一基準面として揃えて製作すればよいので、ケーシング13の製作が容易である。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、ケーシングの内壁に付着した掘削土や固化材との混合物が切り離されるので、混合物の損失量が軽減され、混合効率が高められる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、中間部攪拌翼によって中間部吐出孔からケーシング内壁までの固化材の吐出が案内され、掘削土等の切り離しが行なわれるので、混合物の損失量が軽減されて混合の効率が高められ、同時に、上部攪拌翼や下部攪拌翼の掘削の負担を軽減することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、中間部吐出孔は下部攪拌翼12より上方に位置することから、上部吐出孔を兼ねる機能を持つので上部吐出孔を設けずにすむ。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、隣接する固結体間の連続性が確保され、ケーシングで混合物の領域を区切ることに伴う固結体間で発生する分離を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1〜図5には、実施例1の地盤改良用攪拌装置(以下、単に攪拌装置1という)が示されている。図1は本発明の実施例1に係る攪拌装置の全体正面図、図2は上記攪拌装置の平面図、図3は上記実施例1のケーシングのみを示す斜視図、図4は図3における4−4線に沿った断面図、図5は図3における5−5線に沿った断面図である。
【0025】
図1に示すように、攪拌装置1は、掘削ロッド(図示せず)の先端部に接続されるロッド本体10と、ロッド本体10の周面に、その軸方向に互いに距離を隔てて突設される上部攪拌翼11、及び下部攪拌翼12と、上部攪拌翼11と下部攪拌翼12の中間部の高さに、図2にも示すように、ロッド本体10の外周面から距離を隔てて、その回転から絶縁された状態で固定される井桁形状のケーシング13とを備えて構成されている。
【0026】
ロッド本体10の周面の、上部攪拌翼11と下部攪拌翼12の各突設位置には、掘削ロッドの内部を通じて固化材を吐出する上部吐出孔10aと下部吐出孔10bが穿設され、固化材を吐出することで、掘削ロッドによる地盤の掘削時と、その引抜き時とに掘削土と固化材の攪拌が行われ、その混合物の断面形状がケーシング13によって矩形に整えられるようになっている。
【0027】
ロッド本体10は管状となっており、その内周が固化材を送るための注入管10cを構成し、この注入管10cに連続してロッド本体10の上下位置のそれぞれに、上記上部吐出孔10aと下部吐出孔10bとが穿設されている。
【0028】
ロッド本体10の外周には、上部攪拌翼11と下部攪拌翼12が突設する上部ハウジング14と下部ハウジング15がそれぞれ被せられ、この上部ハウジング14と下部ハウジング15の、上部吐出孔10aと下部吐出孔10bに対応する位置には、これらに連続して上部吐出孔14a及び下部吐出孔15bが穿設されている。
上部吐出孔10aと下部吐出孔10b、及び上部吐出孔14aと下部吐出孔15bをロッド本体10の軸線に対して直角に穿設し、固化材が孔壁に沿って吐出するようになっている。
【0029】
上部攪拌翼11と下部攪拌翼12は、上部ハウジング14と下部ハウジング15の上部吐出孔14aと下部吐出孔15bの位置にそれぞれ突設されるが、図示するように、これらの上部吐出孔14aと下部吐出孔15bの穿設方向に、上部攪拌翼11と下部攪拌翼12が向くことによって、上部攪拌翼11や下部攪拌翼12は、それぞれの側から吐出された固化材を吐出孔内に分散させる働きも兼ねるようになっている。
【0030】
上記上部吐出孔10aと下部吐出孔10bからの吐出を完全に分割することで、降下時は下部吐出孔10bからのみ、上昇時は上部吐出孔10aからのみの吐出を行うために、上部ハウジング14と下部ハウジング15をロッド本体10に対して、所定ストロークにおいて相対的に上下動自在に外接させるようになっている。
【0031】
また、上部吐出孔10aと下部吐出孔10b間の距離より、上部吐出孔14aと下部吐出孔15b間の距離を大きくし、掘削ロッドの降下時は、図1に実線で示すように上部吐出孔10aを上部ハウジング14で閉鎖し、上昇時は、図1に鎖線で示すように下部吐出孔10bを下部ハウジング15で閉鎖する構造となっている。
【0032】
上部ハウジング14と下部ハウジング15とは、互いに連結されてロッド本体10に外接し、ロッド本体10に対しては図1に破線で示すようにその外周面に突設されるストッパ16と、上部ハウジング14または下部ハウジング15の内周面に形成され、ストッパ16より長い摺動溝17とによって軸方向に相対移動自在となっている。そして、摺動溝17とストッパ16との長さの差が、上部ハウジング14および下部ハウジング15のロッド本体10に対するストロークとなる。
【0033】
図1は、掘削ロッド降下時の、上部ハウジング14と下部ハウジング15の位置を示すが、掘削ロッドの降下時は、上部ハウジング14および下部ハウジング15が土の抵抗によってロッド本体10に対して相対的に上昇し、摺動溝17の下端がストッパ16の下端に係止してロッド本体10に対して固定された状態となる。
【0034】
このとき、下部ハウジング15の下部吐出孔15bはロッド本体10の下部吐出孔10bに合致するが、上部吐出孔14aは下部吐出孔10bより上方に位置するので、上部吐出孔10aは上部ハウジング14によって閉塞され、固化材は下部吐出孔15bからのみ吐出可能となる。この図1に示す状態での上部吐出孔14aと上部吐出孔10aの軸間の距離は、後述する掘削ロッドの上昇時の下部吐出孔15bと下部吐出孔10bの軸間の距離と等しく、上記ストローク長となっている。
【0035】
掘削ロッドの上昇時は、図1に鎖線で示すように、上部ハウジング14および下部ハウジング15が、ロッド本体10に対して相対的に降下して上部吐出孔14aが上部吐出孔10aに合致し、その結果、下部ハウジング15が下部吐出孔10bを閉塞し、固化材を上部吐出孔14aからのみ吐出させることになる。なお、固化材としては、例えば、ソイルセメント,モルタル、またはセメントミルク等のスラリー等が使用されている。
【0036】
上記井桁形状のケーシング13は、図1、図2に示すように、ロッド本体10の外周に接続する軸受18によってロッド本体10の回転から絶縁された状態に配置され、この軸受18の外周から張り出す架設部材19に溶接、もしくはボルトにより接合されて支持され、周辺の土の抵抗によってロッド本体10の回転に関係なくその位置を保持するようになっている。
【0037】
ケーシング13は、ロッド本体10の移動によって掘削土と固化材との混合物の成型が十分に行える程度の高さに形成されている。このケーシング13はロッド本体10の降下時に、下部攪拌翼12によって攪拌された掘削土と固化材との混合物をその外周から仕切ると同時に、ケーシング13の内側へ取り込み、下部攪拌翼12によって、図2に符号Aで示すように、円形断面形状に攪拌された混合物を箱形断面形状に均すものである。
【0038】
ケーシング13は、図3〜図5に示すように、内面がほぼ正方形に近い矩形状に形成されており、高さ寸法がHとなった2枚の第1側板13aと、この第1側板13aと直交配置されるとともに、高さ寸法がhとなった2枚の第2側板13bとを、それぞれの上端が同一高さとなるように井桁状に組合わせて構成されている。
【0039】
ここで、2枚の第1側板13aの両側上端と第2側板13bの両側下端には図3(A)、(B)に示すように、相互の板厚が挿嵌可能な一対の長溝M1及び短溝M2が形成され、これら両溝M1,M2の深さは、互いに挿嵌して井桁状のケーシング13に組み込んだ際、当該ケーシング13の上面が面一になるように相互の溝深さを決定すれば良い。尚、第1側板13a及び第2側板13b相互に形成される溝は、高さ寸法が高い側板にのみ形成することも可能であり、これにより加工工数を削減することができる。
【0040】
第1側板13aと第2側板13bを嵌め込んでケーシング13を組立たのちは、相互の接合部を溶接Wして固着することで構築されるが、互いに両側板の異なる溝深さを適宜選択するか、相互の溝底に突き当てずに溝深さの範囲内で所定の挿嵌深さを決定すれば上端面を必ずしも面一にせずに上下端面に対して適正な隙間を形成することもできる。
【0041】
なお、第1側板13aと第2側板13bとの内面の長さ比は、第2側板13bの長さに対して、第1側板13aの長さを1.5倍程度に設定することができ、土質によっては、2倍程度に設定してもよい。
【0042】
また、第1側板13aの高さ寸法Hと、第2側板13bの高さ寸法hとの比率は、特に限定されないが、例えば、H:h=1.5:1程度に設定されている。要は、図5に符号Bで示すように、掘削土と固化材との混合物を、まず第1側板13aで仕切ってその混合物をケーシング13内に取り込むとき、混合物の一部を、第2側板13bの下端から逃がせるような隙間が形成されれば良い。
【0043】
以上のような攪拌装置1によれば、掘削ロッドの降下時は主に下部吐出孔10bから、上昇時は主に上部吐出孔10aから固化材の吐出を行い、下部吐出孔10bから吐出された固化材はその位置の下部攪拌翼12と、吐出後にその位置を通過する上部攪拌翼11とにより攪拌され、また上部吐出孔10aから吐出された固化材は同じくその位置の上部攪拌翼11と、吐出後に通過する下部攪拌翼12とにより攪拌される。
【0044】
掘削土砂と固化材との混合は、攪拌装置1が付属された掘削ロッドを回転させ、攪拌装置1の少なくとも下部吐出孔10bから固化材を吐出して行なわれ、上部攪拌翼11及び下部攪拌翼12で掘削土と固化材とを攪拌、混合する。
【0045】
それと同時に、ケーシング13により下部攪拌翼12で攪拌された混合物を矩形に均しながら掘進し、掘削ロッド、すなわち攪拌装置1が所定深度に到達した後、改めて少なくとも上部吐出孔10aから固化材を吐出し、再度上部攪拌翼11及び下部攪拌翼12による混合物の攪拌を行うと同時に、上部攪拌翼11で攪拌された混合物のケーシング13による均しを行いながら掘削ロッドを引き抜く。
【0046】
地盤の掘削は、攪拌装置1の先端に取り付けられた掘削ビット20により行われ、同時に上部攪拌翼11と下部攪拌翼12とによる掘削土との攪拌が行われる。
【0047】
ケーシング13による混合物の均しは次のように行なわれる。
【0048】
最初に、高さの高い2枚の第1側板13aの先端が混合物を仕切り、これに遅れて高さの低い第2側板13bの先端が混合物を仕切る。第1側板13aによって混合物を仕切っているとき、その第1側板13aで仕切られた混合物の一部は、図5に符号Bで示すように、第1側板13aと第2側板13bとにおける高さの差分の隙間から外側に押出される。第1側板13aが上記隙間を通過した後は、第1側板13aとともに第2側板13bが混合物を仕切り、矩形状に造成する。
【0049】
ロッド本体10の引抜き時は、主として上部吐出孔10aから吐出が行われ、固化材はその位置の上部攪拌翼11によって掘進時の混合物と混合され、その下方に位置するケーシング13によって箱形に繰り返し均され、更にその下方の下部攪拌翼12によって混合される。
【0050】
この1往復の掘進と引抜きの結果、上部攪拌翼11と下部攪拌翼12によって円形断面形状に攪拌された混合物は図11に示すような角柱状の固結体Sに造成され、完成する。
【0051】
以上のように、ケーシング13は、掘進時は先行する下部攪拌翼12によって、引抜き時は同じく先行する上部攪拌翼11によって、それぞれ攪拌、混合された掘削土と固化材との混合物を未硬化の状態でその外周を仕切りながらケーシング13の内側へ取り込み、そのままロッド本体10と共に移動することにより、鉄筋コンクリート造構造物用のスライディングフォーム式に混合物の外周を矩形状に均し、混合物を角柱状に成型する。
【0052】
以上のような実施例1によれば、次のような効果が得られる。
【0053】
(1)掘削土と固化材との混合物がケーシング13によって箱形に均される際、最初に、第1側板13aの先端が混合物を仕切り、これに遅れて第2側板13bの先端が混合物を仕切る。第1側板13aによって混合物を仕切っているとき、その第1側板13aで仕切られた混合物の一部は、両側板13a、13bにおける高さの差分の隙間から外側に押出される。そのため、掘削抵抗が少なくなって、掘削効率が向上する。
【0054】
(2)ケーシング13は、第1側板13aと第2側板13bとを井桁状に組込んで、平面形状がほぼ正方形に近い矩形状に形成されているので、このケーシング13によって掘削土と固化材との混合物を矩形状に仕切ることができ、通常矩形が多い上部構造物の底面に対応した矩形状の固結体を容易に形成することができる。
【0055】
(3)ケーシング13の製作は、第1側板13aと第2側板13bとの高さ方向上端を同一基準として製作すればよいので、製作が容易である。
【実施例2】
【0056】
次に、図6、図7に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0057】
図6は実施例2に係る攪拌装置1Aの全体正面図、図7は同攪拌装置1Aの平面図である。この攪拌装置1Aは、ロッド本体10、10が並列する2軸型のものであるが、ケーシング13の平面形状が長方形となる他は、単軸型である実施例1の攪拌装置1と構造的にはほぼ同じである。したがって、同一部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、ケーシング13は上述のように長さが異なるが、符号は実施例1と同一符号とする。また、以下の各実施例についても、同一部材は実施例1と同じ符号とする。
【0058】
以上のような実施例2によれば、上記実施例1と同様の作用、および上記(1)〜(3)と同様の効果を得ることができる他、次のような効果を得ることができる。
【0059】
(4)攪拌装置1Aが、ロッド本体10、10が並列する2軸型であり、ケーシング13が平面長方形となっているので、断面長方形の柱状固結体を造成することができる。
【実施例3】
【0060】
次に、図8、図9に基づいて本発明の第3実施例を説明する。
【0061】
図8は第3実施例の攪拌装置1Bの全体正面図、図9は同攪拌装置1Bの平面図である。この攪拌装置1Bは、ロッド本体10、10が並列する2軸型のものであり、ロッド本体10の周面の、上部吐出孔10aと下部吐出孔10bの中間部位置に中間部吐出孔10dを穿設するとともに、中間部攪拌翼21を突設したものである。
【0062】
そして、中間部吐出孔10dからケーシング13の内壁へ向けて固化材を吐出することにより、ケーシング13の内壁への掘削土や混合物の付着をなくし、あるいは少なくして、混合物の混合効率を高めるものである。
【0063】
中間部吐出孔10dは、上部吐出孔10aや下部吐出孔10bと同じくケーシング13の内周側を向いて明けられ、中間部吐出孔10dからの固化材の吐出は、ロッド本体10の降下時と上昇時との少なくともいずれかのときに行われる。
【0064】
この実施例3では、ロッド本体10に、その降下と上昇に応じて相対的に昇降する上部ハウジング14と下部ハウジング15とを外接させることにより、前述のように、降下時は下部吐出孔10b、15bから、上昇時は上部吐出孔10a、14aから、それぞれ固化材の吐出を行うことにしていることに伴い、中間部吐出孔10dからの吐出は、降下時、または上昇時のいずれか一方のときに行われることになる。
【0065】
中間部吐出孔10dからの吐出による、ケーシング13の内壁からの掘削土や混合物の切り離し(剥離)は、掘削ロッドの引抜き時、すなわち上昇時に行うことが効果的である。そのため、図8、図9に示すように、ロッド本体10の上昇時の中間部吐出孔10dに対応した位置の上部ハウジング14に中間部吐出孔14dを穿設し、中間部吐出孔10dと中間部吐出孔14dとを合致させることにより、上部吐出孔14aからの吐出と同時に固化材の吐出を行う位置に配置している。
【0066】
なお、ロッド本体10の中間部吐出孔10dや中間部吐出孔14dの形状をロッド本体10の軸方向に長い長孔にすれば、ロッド本体10の降下時と上昇時とのいずれのときも中間部吐出孔10dからの吐出を行うことは可能である。
【0067】
中間部吐出孔10dの位置、すなわち上部ハウジング14における上部攪拌翼11直下の中間部吐出孔14dの位置には、上記中間部攪拌翼21が突設され、この中間部攪拌翼21により、中間部吐出孔14dから吐出された固化材がケーシング13の内壁まで案内されるようになっている。この中間部攪拌翼21は、降下時には下部攪拌翼12の、上昇時には上部攪拌翼11の攪拌を補う役割も果たしている。
【0068】
上記のように、中間部吐出孔10dの位置に中間部攪拌翼21を突設し、中間部吐出孔10d、14dからの固化材の吐出をロッド本体10の上昇時に行う場合、中間部吐出孔10d、14dが下部吐出孔15bの上方に位置することに加え、中間部攪拌翼21が吐出と同時に攪拌を行う。これにより、中間部吐出孔10d、14dは上部吐出孔14aの機能を兼ねている。
【0069】
以上のような実施例3によれば、上記実施例1と同様の作用、および上記(1)〜(4)と同様の効果を得ることができる他、次のような効果を得ることができる。
【0070】
(5)中間部吐出孔10dからケーシング13の内壁に向けて固化材が吐出され、ロッド本体10の降下時や上昇時に、ケーシング13の内壁に付着する掘削土や固化材との混合物が切り離されるので、混合物の損失量が軽減され、混合の効率が高められる。
【0071】
(6)中間部攪拌翼21を設けたことにより、上部攪拌翼11や下部攪拌翼12による攪拌が補われる結果、上部攪拌翼11や下部攪拌翼12の掘削の負担を軽減することができる。
【0072】
(7)中間部吐出孔10dの位置に中間部攪拌翼21が突設され、中間部吐出孔10dからの吐出がロッド本体10の上昇時に行われる場合、中間部吐出孔10dは下部攪拌翼12より上方に位置することから、上部吐出孔10aを兼ねる機能を持つため、その場合は上部吐出孔10aを特に設けなくてもよく、その分の手間を省略することができる。
【実施例4】
【0073】
次に、図10、図11に基づいて本発明の実施例4を説明する。
【0074】
図10は実施例4の攪拌装置1Cの全体平面図、図11は同攪拌装置1Cを用いて連続する固結体を造成する模式図である。
【0075】
実施例4は、1軸型のロッド本体10を備えた攪拌装置1Cにおいて、井桁状ケーシング13の一部を分割可能にしたものである。そして、造成済みの固結体Sに、次の固結体Sをラップ(接合)させて施工する時に、両固結体S、Sの連続性の確保を容易にしたものである。
【0076】
このケーシング13は、前述のように、第1側板13aと第2側板13bとを井桁状に組んで形成されているが、第1側板13aの中央部位から左右半分に分割可能に構成され、半分割された第1側板13a′と第2側板13b′及び新規に造成される固結体S側に対応する半分割部Dとなる半分割された第1側板13a''と第2側板13b''から構成される。
【0077】
この半分割部Dは、相手側の半分割された一対の第1側板13a′と第2側板13b′に対し両第1側板13a′と第1側板13a''の分割部位は連結部材24によって、取外し可能に連結されている。
【0078】
また、図10に示すように、一対の第1側板13a′,13a''および第2側板13b′,13b''にそれぞれ一体的に設けた架設部材19は、軸受18に一体化した張出部材22にボルト23を用いて接合することにより、ケーシング13の半分割部Dをロッド本体10に着脱自在に接続されるようになっている。
【0079】
このように攪拌装置1Cでは、上記半分割部Dが取外された部位が開放した状態で使用され、ラップさせて施工することにより、造成済みで、硬化前の固結体Sの一部を、新規に造成される固結体S側に取り込みながら混合を行うことが可能となり、容易に両固結体S、S間の連続性が保たれる。
【0080】
以上のような実施例4によれば、上記(1)〜(3)と同様の効果を得ることができる他、次のような効果を得ることができる。
【0081】
(8)ケーシング13が分離されない構造の場合に、ラップさせて施工することが可能になることにより、混合物の領域がケーシング13で区切られることによって発生する可能性のある固結体S、S間の分離を回避することができる。
【0082】
なお、本発明は前述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、上記各実施例では、ケーシング13を構成する第1側板13a、第2側板13bが、高さの異なる長方形状の板部材で形成されているが、例えば、図12の変形例に示すように、第1側板13a、第2側板13bの下端に、ロッド本体10が降下する際に土の抵抗を低減させる刃先13cを形成してもよい。この刃先13cは、例えば掘進側先端中央部が凹んだ逆山形形状に形成され、かつ、刃先13cの先端が、第1側板13a等の厚さ方向両側から先細り形状に形成されている。そのため、掘削土と固化材との混合物をケーシング13で仕切る際、刃先13cで容易に切込むことができ、掘削効率を向上させることができる。
【0083】
また、上記各実施例では、ケーシング13を構成する第1側板13aおよび第2側板13bが、それぞれ高さ寸法が異なるとともに、上端が揃えられえた状態で井桁状に組まれているが、これに限らない。図13(A)と、同(A)においてB−B線に沿った図13(B)の変形例に示すように、第1側板13aの高さ方向中央部に第2側板13bを配置してもよく、あるいは、別の変形例として図14(A)と、同(A)においてB−B線に沿った図14(B)に示すように、第1側板13aを第2側板13bの下方に突出させて配置してもよい。そして、図13(A)、(B)および図14(A)、(B)の場合も、第1側板13aおよび第2側板13bの下端に、前述のように刃先を形成してもよい。
【0084】
さらに、上記実施例4では、1軸型の攪拌装置1Cのケーシング13が、各第1側板13a′,13a''が半分に分割可能とされて半分割部Dを構成しているが、これに限らず、上記実施例2および実施例3の攪拌装置1A、1Bにおけるケーシング13を分離可能とし、長方形の固結体を長辺方向に連続させる際に用いるようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施例4では、1軸型の攪拌装置1Cのケーシング13が、その第1側板13a′,13a''の半分部分が分離可能とされているが、これに限らない。例えば、それぞれ2枚の第1側板13a、第2側板13bのうち、互いに直交する各1枚の第1側板13a、第2側板13bを取外し可能な構造とし、造成済みの固結体に対して、直交する2方向に連続させて新規の固結体を造成することができるようにしてもよい。
【0086】
なお、図13(A)、(B)に示すケーシング13の第1側板13aと第2側板13bを、図3(A)、(B)に示すような組み込み可能な構成にすることも可能であり、この場合は、特に図示しないが2枚の第2側板13bの長手方向両端に位置決め部位となる高さ方向の低い段付き部を形成し、2枚の第1側板13aの高さ方向中央に上記段付き部が嵌合可能な縦長貫通溝をそれぞれ形成し、これら縦長貫通溝に段付き部が当接するまで差込んでケーシング13を組み込み、接合部を例えば溶接により接合することで構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る地盤改良用攪拌装置の実施例1を示す地盤改良用攪拌装置の全体正面図である。
【図2】上記実施例1の地盤改良用攪拌装置を示す平面図である。
【図3】(A)は上記地盤改良用攪拌装置のケーシングを示す全体斜視図、(B)は上記ケーシングの分解組立斜視図である。
【図4】図3における4−4線に沿った断面図である。
【図5】図3における5−5線に沿った断面図である。
【図6】本発明に係る実施例2を示す地盤改良用攪拌装置の全体正面図である。
【図7】上記実施例2の地盤改良用攪拌装置を示す平面図である。
【図8】本発明に係る実施例3を示す地盤改良用攪拌装置の全体正面図である。
【図9】上記実施例3の地盤改良用攪拌装置を示す平面図である。
【図10】本発明に係る実施例4を示す地盤改良用攪拌装置の全体平面図である。
【図11】上記実施例4の地盤改良用攪拌装置を用いて造成した固結体を示す模式図である。
【図12】本発明のケーシングの変形例を示す全体斜視図である。
【図13】(A)、(B)は、本発明のケーシングの別の変形例を示す断面図である。
【図14】(A)、(B)は、更に別の変形例の側面図である。
【符号の説明】
【0088】
1,1A,1B,1C 地盤改良用攪拌装置
10 ロッド本体
10a 上部吐出孔
10b 下部吐出孔
10c 注入管
10d 中間部吐出孔
11 上部攪拌翼
12 下部攪拌翼
13 ケーシング
13a 第1側板
13b 第2側板
13c 刃先
14 上部ハウジング
14a 上部吐出孔
14d 中間部吐出孔
15 下部ハウジング
15b 下部吐出孔
16 ストッパ
17 摺動溝
18 軸受
19 架設部材
20 掘削ビット
21 中間部攪拌翼
22 張出部材
23 ボルト
24 連結部材
M1 長溝
M2 短溝
S 固結体
W 溶接

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削ロッドによる地盤の掘削時と上記掘削ロッドの引抜き時とに、掘削土と固化材とを攪拌するとともに混合して矩形断面形状の固結体を造成する装置であって、
上記掘削ロッドの先端に接続されるロッド本体10と、このロッド本体10の周面に、その軸方向に互いに距離を隔てて突設される上部攪拌翼11及び下部攪拌翼12と、上記ロッド本体10の周面の、上記上部攪拌翼11と下部攪拌翼12の各突設位置に穿設され、上記掘削ロッドの内部を通じて上記固化材を吐出する上部吐出孔10a及び下部吐出孔10bと、上記上部攪拌翼11と下部攪拌翼12との中間部の高さに、上記ロッド本体10の外周面から距離を隔て、当該ロッド本体10の回転から絶縁された状態で固定される井桁形状のケーシング13とを備えて構成され、このケーシング13は、互いに所定間隔をあけて対向配置される2枚の第1側板13a、およびこの第1側板13aと直交配置されるとともに、互いに所定間隔をあけて対向する2枚の第2側板13bを組込んで形成され、上記第1側板13aと第2側板13bの高さ寸法が異なっていることを特徴とする地盤改良用攪拌装置。
【請求項2】
上記ケーシング13の第1側板13aと上記第2側板13bとの高さ方向上端が同一高さ面に揃えられていることを特徴とする請求項1記載の地盤改良用攪拌装置。
【請求項3】
上記ロッド本体10の周面の、上記上部攪拌翼11と下部攪拌翼12の中間部位置に、上記ケーシング13の内壁に向けて上記固化材を吐出する中間部吐出孔10dが穿設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の地盤改良用攪拌装置。
【請求項4】
上記中間部吐出孔10dの位置には、その中間部吐出孔10dの穿設方向に、上記固化材の吐出を案内するとともに、上記上部攪拌翼11と下部攪拌翼12の攪拌を補う中間部攪拌翼21が突設されていることを特徴とする請求項3記載の地盤改良用攪拌装置。
【請求項5】
上記中間部吐出孔10dが、上記上部吐出孔10aを兼ねていることを特徴とする請求項3または4記載の地盤改良用攪拌装置。
【請求項6】
上記ケーシング13の第1側板13aと上記第2側板13bとが、上記ロッド本体10の軸線と直交する方向に分割可能とされ、上記固結体を水平方向に隣設させて造成する際に、分割可能な半分を取外して使用することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の地盤改良用攪拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−249874(P2006−249874A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71182(P2005−71182)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(505093932)アラタ工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】