説明

埋金設置位置照合方法および埋金設置位置照合システム

【課題】埋金が埋設された壁面と基準冶具を同時に撮像する際に撮像位置が傾斜していても、現場画像を高精度で補正して、埋金の設計データを重ね合わせが可能なシステムを提供する。
【解決手段】埋金が設置された壁面と、基準冶具をカメラで撮像して現場画像を取得し、現場画像から撮像位置や傾斜量等の姿勢情報を算出し、この姿勢情報に基いて現場画像を壁面正面から撮影された態様に補正し、補正現場画像の基準点に基いて前記冶具の基準点の実空間座標を算出し、前記冶具の基準点の座標と、前記実空間座標の関係から画像補正係数を算出し、この画像補正係数に基いて、前記補正現場画像を再補正して再補正現場画像に変換し、設計CADデータとが表す画像を同一画面上に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面に埋設された埋金の設置状況を現場画像と設計データを用いて確認する埋金設置位置照合方法および埋金設置位置照合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込み金物(埋金)は、原子力発電所等において、配管を壁面にサポートを介して据え付けるための土台として用いられる。埋金は埋設対象のコンクリートを固める作業と同時に埋設して、コンクリートが固まると共に埋金もコンクリートに固定されることになるが、当初の設計位置からずれて固定されることがあるため、実際に設置された位置が設計許容範囲内にあるか否か確認する作業が必要となる。
【0003】
従来の埋金位置照合作業では、紙図面を作業者が現場に持ち込み、現状と比較することで埋金位置の照合を行っていた。さらに、高所などの作業が困難な場所では、足場を設定した後に人力を主体とした実測を行うことで対応していた。
【0004】
前記従来技術では実際の設置位置(現状位置)と設計データで規定されている設置位置(設計位置)の差を計測せずに、現場合わせで不具合検討を行っている。また、現状位置と設計位置の差を確認する類似技術としては特許文献1がある。しかしこの技術では接近した対象物を撮像するので、撮像カメラの傾き等を考慮する必要がない。さらにカメラで撮影した画像の歪み補正を行う方法として、標準パターンを撮影し撮像されたパターンの歪み具合に応じて画像を修正する技術として特許文献2がある。この技術での補正は撮像された標準パターンに基づいて、画面上で求めた期待座標に基いて行う補正であるため、画面に歪み等があった場合、信頼性の点で問題が生じる恐れがある。
【0005】
また、本件出願人は上記を改善すべく、埋金の埋設された壁面の撮影画像と設計データを重ね合わせ、埋金位置の照合を行う方法(特願2007−308732号)を考案した。
【0006】
【特許文献1】特開2007−103645号公報
【特許文献2】特開2007−292619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記本件出願人による既出願の埋金位置の照合を行う方法は、図1に示すように、埋金が設置された壁面に、基準点間の実寸法および前記壁面に対する位置が既知の基準冶具を設置し、前記壁面と共に前記冶具をカメラで撮像して現場画像を取得した後、「画像上での基準点位置指示」を行い、「撮影位置、カメラ傾斜量等姿勢情報解析」および「姿勢情報に基づいた現場画像の補正」にて壁面に正対した状態と同じくなる補正画像を作成する。そして、補正画像を作成するために、写真測量と分類される技術を使用している。
【0008】
写真測量とは、基準点として指定した複数点の実座標(実空間)での位置(座標値)と現場画像上の位置(座標値)の関係、及びカメラの焦点距離などのカメラ内部情報を考慮することで、カメラ姿勢情報を算出し、この姿勢情報から任意の点の正確な位置情報を計算するものである。概念としては、正方形と分かっているものを斜めから写すと台形状に変形するので、逆にその台形を正方形にするには、どの程度三次元で傾斜させればよいのかを計算式に連続して推定の数値を入力して数値的に推測することで計算を行う。
【0009】
しかしながら、傾斜をつけて撮影をした場合には基準点の画像上の形状が変形するために、撮影位置や傾斜量の推定が高い精度で行われない可能性があった。傾斜量等の推測精度が低い場合、壁面に正対した状態に補正した画像が作成されず、照合精度に影響する問題点があった。
【0010】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑み、埋金が埋設された壁面と基準冶具を同時に撮像する際に撮像位置が傾斜していても、基準冶具の実際と撮像画面上との位置や寸法等の関係から、高精度で撮像画像の補正を複数回行って、補正された撮像画面と設計データを重ね合わせすることができる、精度の高い埋金設置位置照合方法および埋金設置位置照合システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、埋金が設置された壁面と、基準点間の実寸法および前記壁面に対する位置が既知の基準冶具をカメラで撮像して現場画像を取得し、
前記冶具の基準点の実際の座標値と、前記現場画像上の基準点の座標値との関係からカメラの撮像位置や傾斜量等の姿勢情報を算出し、
この姿勢情報に基いて現場画像から壁面正面から撮影された態様に補正して補正現場画像を算出し、
算出された補正現場画像の基準点に基いて前記冶具の基準点の実空間座標を算出し、
前記冶具の基準点の実際の位置と寸法と、前記算出された実空間座標の基準点の位置と寸法との関係から画像の補正係数を算出し、
この算出された補正係数に基いて、前記補正現場画像を再補正して再補正現場画像に変換し、
前記埋金の実寸法上の設計位置を示す設計CADデータを読み出し、
前記再補正現場画像と前記設計CADデータとが表す画像を同一画面上に出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、基準点間の実寸法および埋金が設置された壁面に対する位置が既知の基準冶具と、
前記壁面と共に前記冶具の基準点を撮像して現場画像を取得するカメラと、
前記冶具の基準点の実際の座標値と、前記現場画像上の基準点の座標値との関係からカメラの撮像位置や傾斜量等の姿勢情報を算出する姿勢情報算出部と、
この姿勢情報に基いて現場画像から壁面正面から撮影された態様に補正して補正現場画像を算出する現場画像補正部、
この補正現場画像の基準点に基いて前記冶具の基準点の実空間座標を算出する実空間座標算出部と、
前記冶具の基準点の実際の位置と寸法と、前記算出された実空間座標の基準点の位置と寸法との関係から画像の補正係数を算出する補正係数算出部と、
この補正係数に基いて前記補正現場画像を再補正して再補正現場画像に変換する現場画像再補正部と、
この再補正現場画像と埋金の実寸法上の設計位置を示す設計CADデータを入力し、前記再補正現場画像と前記設計CADデータとが表す画像を同一画面上に表示する表示部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、埋金が埋設された壁面と基準冶具を同時に撮像する際に撮像位置が傾斜していても、基準冶具の実際と撮像画面上との位置や寸法等の関係から、最終的に高精度で現場画像を再補正現場画像に変換することができ、補正された撮像画像と設計データの正確な重ね合わせが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。実施形態に係る埋金設置位置照合方法および埋金設置位置照合システムを図2、図3に示す。
【0015】
この実施形態に係る埋金設置位置照合方法は、埋金14が埋設された壁面12に、基準点間の寸法および前記壁面12に対する位置が既知の基準冶具16を配置し、前記壁面12を前記冶具16と共に撮像して現場画像17を作成し、実寸法上および前記現場画像上の基準冶具16の位置と寸法を用いて姿勢情報18が算出され、この姿勢情報18に基いて現場画像から壁面正面から撮影された態様に補正して補正現場画像19を算出し、この算出された補正現場画像19上の基準点に基いて前記冶具の基準点の実空間座標を算出し実空間座標20(位置・寸法)を算出し、前記冶具の16の基準点の実際の寸法と前記算出された実空間座標20の基準冶具16の基準点の位置と寸法を用いて画像補正係数21を算出し、この算出された補正係数21で補正現場画像19を再補正して再補正現場画像22に変換し、前記埋金14の実寸法上の設計位置を示す設計CADデータ23を読み出して、前記再補正現場画像22と設計CADデータ23を同一画面上に出力することを特徴とする。
【0016】
また、この実施形態に係る埋金設置位置照合システムは、埋金14が埋設された壁面12に、基準点間の実寸法および前記壁面12に対する位置が既知の基準冶具16を配置し、前記壁面12を前記冶具16と共に撮像して現場画像17を作成するデジタルカメラ24と、実寸法上および前記現場画像上の基準冶具16の位置と寸法を用いて姿勢情報18を算出する姿勢情報算出部25と、この姿勢情報18に基いて現場画像17から壁面正面から撮影された態様に補正して補正現場画像19を算出する現場画像補正部26と、この補正現場画像上の基準点に基いて前記冶具の基準点の実空間座標20(位置・寸法)を算出する実空間座標算出部27と、前記冶具の基準点の実際の位置と寸法と、前記算出された実空間座標20の基準点の位置と寸法との関係から補正係数21を算出する補正係数算出部28と、この補正係数21に基いて前記補正現場画像19を再補正現場画像22に変換する現場画像再補正部29と、この再補正現場画像22と埋金の実寸法上の設計位置を示す設計CADデータ23を入力し、前記再補正現場画像22と前記設計CADデータ23とが表す画像を同一画面上に表示する表示部30を備えたことを特徴とする。
【0017】
図2(a)は埋金14が埋設された壁面12を基準冶具16と共にデジタルカメラ24で撮影する現場を示す正面図で、図2(b)はその平面図である。図2(a)、(b)に示す壁面12は配管を固定する埋金14埋設対象であり、歪のない平面であるものとする。
埋金14は壁面12に、設計CADデータに記載された設計位置に基いて埋設されるが、上述のように実際の設置位置は設計位置から偏差が生じている。また、埋金14は壁面12に埋もれたり、壁面12から突出することなく、壁面12と同一平面上にあるものとする。
【0018】
基準冶具16は、図4に示すように現場で各辺をネジ16eによって矩形形状に組立可能に構成されている。基準冶具16はデジタルカメラ24で撮影されて形成される現場画像17の補正の基準点を担うものである。基準冶具16は矩形形状の各角に4点の基準点16a、16b、16c、16dを備え、各辺の寸法が例えば同一寸法(A)に決められている。基準点は位置を認識しやすく例えば市松模様が付けられている。
【0019】
この基準冶具16は、現場で使用する際には図5に示すように、ラインレーザ発信機30を用いて壁面12に引かれた現場親墨31の交差点(位置)とラインレーザの交差位置が一致するように照射する。次に、ラインレーザの交差点と組立てた冶具16の基準点の一つ(図では16a)が一致し、かつ他の基準点(図では16b、16c)とラインレーザと一致するように冶具16を設置して撮影を行う。壁面12の現場親墨31は位置が決められているので、上記のように設置することにより、基準冶具16の壁面12に対する位置が決まる。
【0020】
以下、図7に示す動作フローに基いて説明する。ステップ(S)101で基準冶具16を所定位置に設置し、カメラ24により基準冶具16とともに壁面を撮影して現場画像17を取得する(S102)。次いで、S103で現場画像17上での基準点位置を設定(指示)し、S104で撮影位置、カメラ傾斜量等の姿勢情報18を解析して算出する。次に、この姿勢情報18に基いて現場画像17が壁面に正対した状態となるように前記現場画像17の補正を行う(S105)。
【0021】
このS105は、前述した本願出願人の既出願の埋金位置の照合を行う方法と同じステップであり(図7の左半分に既出願方法での作業流れを示す。)、補正画像を作成するために写真測量と分類される技術を使用している。
【0022】
なお、写真測量は、基準点として指定した冶具16の複数点の実際の座標値と現場画像17上の座標値との関係、及びカメラの焦点距離などのカメラ内部情報を考慮することでカメラ傾斜量を計算し、その結果から任意の撮影位置の位置情報を計算するものである。前述したように概念としては、正方形と分かっているものを斜めから写すと台形状に変形するので、逆にその変形した四角形を正方形にするには、どの程度三次元で傾斜させればよいのかを計算式に連続して推定の数値を入力して数値的に推測することで計算を行う。
【0023】
図6に写真測量基本概念図を示す。カメラの撮影位置や姿勢を算出するためには、撮影画像上の計測点の位置及び対応する地上座標について、下記の(1)式から連立方程式を成立させる。その後、この連立方程式を解くことによって、カメラ位置や傾き等を算出する。
【0024】
【数1】

ここで、
(X、Y、Z):カメラの位置
(X、Y、Z):計測対象の地上(実際の)座標
(u、v):画面座標、
f:焦点距離
ij:ω、φ、κ(XYZ各軸におけるカメラの傾き)を含む回転行列
である。
【0025】
(1)式において基本的に未知数として扱うものには、(X、Y、Z)、aijがあり、(u、v)は画面座標(単位:ドット)であるために、カメラ位置と同じ実寸法に変換してから計算を行う。
【0026】
しかしながら、前述したように補正画像を作成するためにこれまでの過程で算出されたカメラ位置や傾きに関する傾斜情報は、連続して推定の数値を入力して数値的に推測することで計算を行うものであり、完全に正確な位置や傾きに関する情報が算出されているとは限らない。その結果、図8に示すように実際の基準点と、算出した基準点との位置関係が異なってしまうことがある。
【0027】
図8で実線で示されるカメラ24が実際のカメラ位置で、破線で示されるカメラが計算で求められたカメラ位置であるとすると、実際の位置と計算によるカメラ位置の違いにより基準点(実際の基準点16a、16b、計算による基準点16a´、16b´)の位置が異なり、その基準点間の距離も異なってくる。
【0028】
そこで本実施態様では、実際の基準点の座標値と、現場画像の補正現場画像から実空間に変換された基準点の座標値を比較し、比較結果に基いて補正現場画像19の再補正を行う過程を導入したものである。
【0029】
図7に戻して説明を続けると、S106において、前記補正現場画像19上の冶具の基準点に基いて、前記冶具の基準点の実空間座標20(基準点の位置と基準点間の距離)を算出する。具体的には、S103で使用した画像上での基準点位置と、S104で算出した撮影位置等の姿勢情報と、(1)式を用いて基準点の実空間座標を算出する。なお、この算出時の(1)式でのZは、S101の基準点のZ座標値とし、残りのX、Y座標値を算出する。
【0030】
次いでS107において、実際の座標の基準点と、前記算出された実空間座標20の基準点を4点分対応付け、その内の1点を重ねて基準原点とする。4点の対応付けは、図9において、基準点16a、16b、16c、16dの実際の座標値と、上記で算出された基準点16a´、16b´、16c´、16d´の座標値を対応付けし、任意の対応する1点を重ねて基準原点16a(16a´)と設定する。
【0031】
次にS108で、基準原点16a(16a´)と、ここからX方向とY方向に離間している実際の基準点16dと算出された基準点16d´までの基準点間の距離を算出して両者を比較し、次いでこの比較結果に基いてS109で画像補正係数を求める。S107〜S109は、図3に示す補正係数算出部28で処理が行われる。この補正係数は下記の(2)式に基いてXY座標の各方向の補正係数(修正係数)を重み付平均として求められる。
【0032】
【数2】

ここで、
ΔRX:実座標でのX軸方向基準点間距離
ΔRY:実座標でのY軸方向基準点間距離
ΔPX:写真測量の結果でのX軸方向基準点間距離
ΔPY:写真測量の結果でのY軸方向基準点間距離
である。
【0033】
次いで、図7のS110で、前記で算出されたX、Yの各方向の補正係数に基いて補正現場画像19が再補正される。実際には補正現場画像19上のXY方向の各座標値にS109で算出された補正係数をかけて再補正の座標値を算出し、この座標値に基いて再補正画像を作成する。再補正画像作成のための座標値算出式は次の通りである。
X方向再補正画像上座標値=補正現場画像上のX方向座標値×X方向修正係数
Y方向再補正画像上座標値=補正現場画像上のY方向座標値×Y方向修正係数
次いで、S111で前記埋金14の実寸法上の設計位置を示す設計CADデータ23をメモリ(図示せず)から読み出して、S112で前記再補正現場画像22と上記設計CADデータ23を合成し、S113で両者を重ねて表示部30で表示して埋金位置を照合する。照合で両者にずれがあれば、画面上の手動でずれ寸法を計測することができる。
【0034】
以上の構成により、次のようなメリットが挙げられる。撮影画像の修正に必要な長さ基準として組立て可能な治具を使用することで、現場での設置作業の低減を図れるだけでなく、写真測量の技術を実施する際の基準長指定作業を毎回行うことなく、基準長さの情報を再利用することが可能となる。再補正現場画像の作成にあたっては、撮影した画現場像の補正現場画像上の位置を実座標値に変換し、実座標値に基づいた再補正現場画像を作成することで、スケールを持った設計データとのスムーズな重ね合わせが実現する。
【0035】
一方、複数の基準点の中の基準原点からその他の基準点までの距離に関して、実座標での長さと写真測量技術の結果から算出される基準点間の長さの比率から修正係数を算出し、再補正現場画像を作成することで、高い精度での再補正(再修正)画像と設計データの重ね合わせおよび埋金位置の計測、照合が可能となる。しかも、再補正現場画像とCADデータ上の対応する点を一点指定するのみで埋金設置位置の照合が可能となる。
【0036】
なお、ラインレーザを用いて現場親墨位置と基準点のひとつを一致させているため、設計データの親墨位置と修正画像上の親墨位置を対応する点として指定することで位置合わせが容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来の埋金位置の照合を行う方法の処理フォロー図。
【図2】本発明実施態様の埋金が埋設された壁面の撮影状況を示す概略図。
【図3】同じく埋金設置位置照合システムの概略図。
【図4】同じく基準冶具の構成図。
【図5】同じく埋金が埋設された壁面への基準冶具の設置の説明図。
【図6】同じく写真測量の基本概念図。
【図7】同じく埋金設置位置照合システムの処理フォロー図。
【図8】同じくカメラ位置の違いによる基準点位置の説明図。
【図9】同じく実際の基準点間の長さと補正画像に基いて算出された基準点間の長さの比率を求める説明図。
【符号の説明】
【0038】
16…基準冶具、17…現場画像、18…姿勢情報、19…補正現場画像、20…基準点の実空間座標、21…補正係数、22…再補正現場画像、23…設計CADデータ、24…カメラ、25…姿勢情報算出部、26…現場画像補正部、27…実空間座標算出部、28…補正係数算出部、29…現場画像再補正部、30…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋金が設置された壁面と、基準点間の実寸法および前記壁面に対する位置が既知の基準冶具をカメラで撮像して現場画像を取得し、
前記冶具の基準点の実際の座標値と、前記現場画像上の基準点の座標値との関係からカメラの撮像位置や傾斜量等の姿勢情報を算出し、
この姿勢情報に基いて現場画像から壁面正面から撮影された態様に補正して補正現場画像を算出し、
算出された補正現場画像の基準点に基いて前記冶具の基準点の実空間座標を算出し、
前記冶具の基準点の実際の位置と寸法と、前記算出された実空間座標の基準点の位置と寸法との関係から画像の補正係数を算出し、
この算出された補正係数に基いて、前記補正現場画像を再補正して再補正現場画像に変換し、
前記埋金の実寸法上の設計位置を示す設計CADデータを読み出し、
前記再補正現場画像と前記設計CADデータとが表す画像を同一画面上に出力することを特徴とする埋金設置位置照合方法。
【請求項2】
基準点間の実寸法および埋金が設置された壁面に対する位置が既知の基準冶具と、
前記壁面と共に前記冶具の基準点を撮像して現場画像を取得するカメラと、
前記冶具の基準点の実際の座標値と、前記現場画像上の基準点の座標値との関係からカメラの撮像位置や傾斜量等の姿勢情報を算出する姿勢情報算出部と、
この姿勢情報に基いて現場画像から壁面正面から撮影された態様に補正して補正現場画像を算出する現場画像補正部、
この補正現場画像の基準点に基いて前記冶具の基準点の実空間座標を算出する実空間座標算出部と、
前記冶具の基準点の実際の位置と寸法と、前記算出された実空間座標の基準点の位置と寸法との関係から画像の補正係数を算出する補正係数算出部と、
この補正係数に基いて前記補正現場画像を再補正して再補正現場画像に変換する現場画像再補正部と、
この再補正現場画像と埋金の実寸法上の設計位置を示す設計CADデータを入力し、前記再補正現場画像と前記設計CADデータとが表す画像を同一画面上に表示する表示部を備えたことを特徴とする埋金設置位置照合システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−48581(P2010−48581A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210842(P2008−210842)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】