基板のパターニング方法及びそのシステム
基板のパターニング方法は、隣接するレジストフィーチャー間の第1ピッチと第1ギャップ幅により画定されるレジストフィーチャーの配列を設ける工程を具える。粒子がレジストフィーチャーの配列に取り込まれ、レジストフィーチャーの配列が硬化する。粒子の取り込みにより、レジストフィーチャーの限界寸法は減少してもよい。サイドウォールが硬化したレジストフィーチャーの側部に設けられる。サイドウォールが形成された後、硬化したレジストフィーチャーは除去され、基板に配置され、分離したサイドウォールの配列が残る。サイドウォールの配列はサイドウォールの下に配置された基板層のフィーチャーのダブルパターニングのためのマスクを設け、基板に形成されたフィーチャーの配列は第1ピッチの半分に相当する第2ピッチを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、デバイスの製造分野に関する。より詳細には、本発明はデバイス製造のための基板のパターニング方法、システム及び構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの形成には、パターニングプロセスが広く使用される。その技術で知られているように、様々なパターニングプロセスが存在する。そのプロセスの一つの例がフォトリソグラフィーパターニングプロセスであり、これによって、光学マスクから基板上に積層されたフォトレジスト層、結局のところは基板に、所望の解像度のパターンが光学的に転写される。一つの例としては、電界効果トランジスタのゲートを形成するため、基板上にパターニングが使用されている。
【0003】
電子デバイスの小型化は進み続けており、より高い解像度を実現可能にするパターニングプロセスの必要性が増している。しかしながら、所望の解像度を有するマスクを形成すること、及び、パターニングプロセスで使用される放射線の特性(例えば、波長)との適合性を有することへの制限が、所望の解像度を有するパターンの実現を困難にしてきた。そのような問題を解決するため、いくつかの技術が提案されている。そのような技術の1つでは、電子ビームを使用し、マスクを使用せずにフォトレジスト上にパターンを直接書き込むことを提案している。その技術は、高い解像度を有するパターンを形成することができるが、そのプロセスには多くの時間を要し、コストがかかる。他の技術では、所望のパターン解像度を有するマスクを形成するため、及び/又は、マスクからフォトレジスト層にパターンを転写するため、軟X線又は極紫外線を使用することを提案しており、いずれの放射線も、現在使用されている紫外線の波長よりも短い波長を有する。しかしながら、軟X線又は極紫外線は、反射鏡及び/又は光学レンズを使用して、操作することが困難である。加えて、基板にパターンを形成するために軟X線又は極紫外線を使用することにより、望ましくない光学的効果(例えば、自己干渉)が生じ、フォトレジスト層のパターンの精細度に影響を与え、それ故にパターンを施した基板の解像度に悪影響を与えることもある。
【0004】
パターニングプロセスの改善への要求に対応するため提案された他の技術には、自己整合ダブルパターニングリソグラフィー(SADPL)プロセスがある。図1a−kに関しては、トランジスタのゲートを形成するため、基板101上で実行された従来のSADPLプロセスが示されている。図1a−kのそれぞれは、自己整合ダブルパターニングのために設計されたパターニング層の公知の積層体を有する基板の概略断面図である。図1aに示すように、基板101はシリコンウエハー102、酸化物層104、ポリシリコン又は金属層106を具える。
【0005】
ハードマスクフィルム108の層が、基板101上へ積層される。ハードマスクフィルム108の上に、第1アモルファスカーボン層(ACL)フィルム110が積層される。その後、第1SiONフィルム112が積層される。第2ACLフィルム114が第1SiONフィルム112の上に積層される。第2ACLフィルム114の上に、第2SiONフィルム116が積層される。その後、フォトレジストフィルム118の層が積層される。フォトレジストフィルム118を積層した後、主なリソグラフィープロセスが実行され、これによりフォトレジストフィルム118にパターンが施される。図1aに示すように、第1幅120aを有するギャップによって、互いに分離された島の配列を具える、パターンの施されたフォトレジスト構造が、主なリソグラフィープロセスにより得られる。島118は、パターンの施されたレジストフィーチャーの理想化された断面を描いており、平面図では、細長い「線」のような形、長方形、正方形又は他の形となることがある。その上、島118は、図1aに示されたものと同様に配設された多くの上記島を有する配列に配設される。
【0006】
図1bに関しては、パターンを施したフォトレジスト島は、エッチングトリムプロセスを経て、トリミングされる。結果として、ギャップの幅は第2幅120bに広がり、パターンを施したフォトレジスト島のフィーチャーサイズが所望のフィーチャーサイズになるように調整される。図1cに関しては、第2SiONフィルム116をエッチングし、パターンが施されたフォトレジスト島118のパターンを第2SiONフィルム116に転写する。その後、パターンを施したフォトレジスト島118は、図1cに示すように、第2SiONフィルム116から除去される。
【0007】
第2SiONフィルム116からパターンを施したフォトレジスト島118を除去することに続き、第2ACLフィルム114をエッチングし、第2SiONフィルム116のパターンを第2ACLフィルム114に転写することも可能である(図1e)。図1fに関しては、第2SiONフィルム116は取り除かれる。パターンを施した第2ACLフィルム114から第2SiONフィルム116を除去した後、スペーサフィルム122の層が、パターンを施した第2ACLフィルム114及び第1SiONフィルム112の上へ積層される(図1g)。ブランケットエッチバックプロセスがスペーサフィルム122の層に施され、その結果、パターンを施した第2ACLフィルム114のサイドウォールに沿って積層されたスペーサ122が得られる(図1h)。
【0008】
その後、パターンを施した第2ACLフィルム114を除去し(図1i)、第1SiONフィルム112及び第1ACLフィルム110をエッチングし(図1j)、第3幅120cを有するギャップにより互いに分離されたカラムを形成する。その後、ハードマスク層108及び基板101の多結晶又は金属ゲート層106がエッチングされ、パターンが図1jに示したカラムに転写される。その後、ハードマスク層108は、多結晶又は金属ゲート層106から除去され、図1kに示されているように、所望のフィーチャーサイズの多結晶又は金属ゲート層106を有する、パターンを施した基板101が形成する。
【0009】
従来のSADPLは、適切ではあるが、いくつかの問題がある。例えば、従来のSADPLプロセスで、パターンを施したフォトレジスト118をトリミングするために使用されるエッチングトリムプロセスは、精度に欠け、制御することが困難な場合がある。加えて、従来のSADPLプロセスは、多数のACL及びSiONフィルム層を積層する多数の積層工程並びにフィルムをエッチングする多数のエッチング工程を必要とする。それ故、その技術はコストがかかり、非効率的である。そのような非効率的なプロセスが、デバイスの製造者、結局のところは消費者に、過度の金銭的負担を負わせることがある。従って、基板のパターニングに関し、新しい技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
本発明の実施形態は、基板のパターニングに関する方法及び構造を目的とするものである。典型的な実施形態では、基板のパターニング方法は、第1ピッチ及び第1ギャップ幅により画定されるレジストフィーチャーの配列を設ける工程を具える。粒子がレジストフィーチャーの配列に取り込まれ、レジストフィーチャーの配列が硬化する。その粒子は、エネルギーを持った荷電種又は非荷電種であり、原子、分子又は亜原子種のいずれであってもよい。サイドウォールが硬化したレジストフィーチャーの側部に設けられ、その後、硬化したレジストフィーチャーが除去されることで、基板に配置され、分離したサイドウォールの配列が残る。サイドウォールの配列は、基板におけるフィーチャーの配列を形成するために使用され、基板のフィーチャーの配列はレジストフィーチャーの配列の半分のピッチを有する。また、本発明のいくつかの実施形態では、レジストフィーチャーの限界寸法が、粒子のドーズ量、粒子のエネルギー、基板の傾斜及び基板のねじりのようなパラメータを制御することによって、調整されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】自己整合ダブルパターニングのために設計されたパターニング層の公知の積層体を有する基板の概略断面図である。
【図1b】レジストトリミング後における図1aの基板の概略断面図である。
【図1c】上部SiON層のパターニング後における図1bの基板の概略断面図である。
【図1d】フォトレジストの除去後における図1cの基板の概略断面図である。
【図1e】上部ACL層のパターニング後における図1dの基板の概略断面図である。
【図1f】上部SiON層の除去後における図1eの基板の概略断面図である。
【図1g】サイドウォール形成層の積層後における図1fの基板の概略断面図である。
【図1h】サイドウォールの形成後における図1gの基板の概略断面図である。
【図1i】上部ACLのパターンを施した部分の除去後における図1hの基板の概略断面図である。
【図1j】サイドウォールの下に配置された第2SiON層及びACL層のパターニング後における図1hの基板の概略断面図である。
【図1k】ハードマスク層及び基板下部層のパターニング並びにパターンを施した第2SiON層、第2ACL層及びハードマスク層の除去後における図1jの基板の概略断面図である。
【図2a】本開示の実施形態に従い、パターンを施した上部フォトレジスト層を有するパターニング層の積層体を具える基板の概略断面図である。
【図2a1】本開示の実施形態に従い、パターニングされた上部フォトレジスト層及び下部反射防止コーティングを有するパターニング層の積層体を具える基板の概略断面図である。
【図2b】本開示の実施形態に従い、粒子照射にさらされる時の図2aの基板の概略断面図である。
【図2c】本発明開示の実施形態に従い、サイドウォール形成層の積層後における図2bの基板の概略断面図である。
【図2d】本開示の実施形態に従い、サイドウォールの形成後における図2cの基板の概略断面図である。
【図2e】本開示の実施形態に従い、パターンを施したフォトレジストの除去後における図2dの基板の概略断面図である。
【図2f】本開示の実施形態に従い、サイドウォールの下に配置されたSiON層及びACL層のパターニング後における図2eの基板の概略断面図である。
【図2g】本開示の実施形態に従い、ハードマスク層及び基板下部層のパターニング後、パターンを施したSiON層、ACL層及びハードマスク層を除去した後における図2fの基板の概略断面図である。
【図3a】本開示の実施形態に従い、図2bで一般的に示されたプロセスを使用して、形成された典型的なレジスト島構造を示す基板の概略断面図である。
【図3b】本開示の別の実施形態に従い、図2bで一般的に示されたプロセスを使用して、形成された今までのものに代わる典型的なレジスト島構造を示す基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここに、本開示は、好ましい実施形態が示された添付図を参照し、以下でより完全に記載されるであろう。しかしながら、この開示は多くの異なる形で具体化されることがあり、ここで説明した実施形態に制限されると理解されるべきではない。どちらかといえば、これらの実施形態が提供されることで、この開示が詳細かつ完全となり、当業者に発明の範囲を伝えるであろう。図面では、至る所で、同様の数字が、同様の構成要素を示している。
【0013】
上記した方法に関連する問題を解決するため、基板のパターニングに関する今までにない独創的な技術を紹介する。明瞭及び簡易を目的とし、本開示は、トランジスタを形成するために基板をパターニングする技術に焦点を合わせている。
【0014】
特に、本開示は、トランジスタのゲートを形成するためのSADPLプロセスを含む技術に焦点を合わせている。しかし、当業者は、ここで開示された技術がSADPLプロセスに限定されるものではないことを認識するであろう。むしろ、本開示は他のタイプのパターニングプロセスにも同様に適用し得る。
【0015】
特に、硬化され、任意にトリミングされたフォトレジストフィーチャーを使用する基板の自己整合ダブルパターニングを実行するための新たな方法、システム及び構造が、ここで開示されている。しかしながら、本発明は、硬化され、及び/又はトリミングされた、フォトレジストを用いることができる他のパターニングプロセスにも及ぶ。
【0016】
加えて、当業者は、本開示がトランジスタのゲートを形成するための基板のパターニングに限定されないことを認識すべきである。むしろ、本開示は、トランジスタの他の部品、及び/又は他のタイプのデバイスを形成するための基板のパターニング技術に、同様に適用し得る。例えば、その技術は、パターンを施した磁気ビットデータ記憶媒体を形成するための基板のパターニング技術に同様に適用し得る。それ故、ここで使用する「基板」という用語は、半導体のウエハーに限定されるものではない。ここで、その用語は、熱的、及び/又は、電気的に、伝導性の基板、絶縁性の基板、半伝導性の基板にも適用し得る。また、その基板はドープされた基板でもドープされない基板でもよい。加えて、その基板は、単一元素の基板、及び/又は、化合物若しくは合金をベースとする基板であってもよい。また、その基板は、外部の磁性を示すものにも、示さないものにも適用し得る。さらに、その基板は、単一又は複数層の基板であってもよい。もしその基板が複数層の基板であれば、それぞれの層は、熱的に、及び/又は、電気的に、伝導性、絶縁性、半伝導性のいずれであってもよく、ドープされてもされなくともよく、単一元素及び/又は化合物若しくは合金でもよく、外部の磁性を示しても示さなくともよい。
【0017】
本開示では、簡易及び明瞭を目的とし、「粒子」という用語を使用して、その技術を表現することがある。ここで使用されるように、「粒子」という用語は、荷電又は非荷電でもよく、亜原子、原子又は分子でもよい種を示している。さらに、本開示の技術はビームラインイオン注入方式のところで述べられてもよい。しかしながら、当業者は、基板に粒子又は物質を添加することが可能な他の方式も適用し得ることを認識するであろう。例えば、これらに制限されるものではないが、プラズマアシスト添加(PLAD)方式又はプラズマイオン注入(PILL)方式を含むドーピング方式や他のタイプのドーピング方式が使用されてもよい。また、粒子を添加することが可能な他のタイプの処理方式が使用されてもよい。そのようなシステムの例には、ファーネス、化学気相成長(CVD)方式、プラズマ化学気相成長(PECVD)方式、原子層成長(ALD)方式及び分子線エピタキシー方式(MBE)等が含まれる。
【0018】
図2a−gに関しては、本発明の一実施形態による基板のパターニング技術に従う一連の典型的な工程が示されている。図2a〜2fは、それぞれ、プロセスの特別な段階において基板201をパターニングするために使用されるパターニング層208〜218の積層体の概略断面図を示している。図2gは、パターニング層の積層体の除去後に基板201に転写された最終的な自己整合ダブルパターニング構造を断面図にて示すものである。図は、大きさ通りには描かれていないこともある。加えて、図は基板全体の一部分のみを示している。
【0019】
図2aに示すように、基板201は、底部202、並びに、順番に、酸化物層204及び多結晶又は金属層206を有する下部214を具えてもよい。一実施形態では、底部202は、例えばシリコンウエハーのような半伝導性の層である。他の実施形態では、底部202は別の物質から作られる。加えて、一実施形態では、多結晶又は金属層206は、ポリシリコン又は複数積層した金属層である。
【0020】
図2aに示すように、ハードマスクフィルム208の層が基板201の上に配置されてもよい。ハードマスクフィルム208の上に、ACLフィルム210の層が配置されてもよい。その後すぐに、SiONフィルム212の層が配置されてもよい。SiONフィルム212の上に、レジストフィルム218の層が積層されてもよい。例えば、フォトレジストフィルム218が積層されてもよい。ここで、「フォトレジスト」と「レジスト」という用語は、一般的には互換的に使用される。しかしながら、本発明は、レジストが電子ビームレジストのような光学リソグラフィー方式で使用されるもの以外となる方式や方法にも及ぶ。任意だが、図2a1に示されるように、レジストフィルム218の積層前に、下部反射防止コーティング(BARC)216のような反射防止コーティングが、フィルム212の上に積層されてもよい。層216は、例えば、誘電性の反射防止コーティングとすることもできる。BARC層216はエネルギーを持った粒子の注入にさらされるが、注入より先にドライエッチング(RIE)を施しても、施さなくともよい。レジストフィルム218を積層した後、主なリソグラフィープロセスが、レジストフィルム218にパターンを施すために実行されてもよい。図2aに示すように、主なリソグラフィープロセスにより、パターンを施したレジスト島218が形成されてもよい。
【0021】
図1aで示された島118のように、島218はパターンを施したレジストフィーチャーの理想化した断面を示すものであり、平面図では、延長された「線」、長方形、正方形又は他の形に見えることもある。その上、島218は、図2aに示されたものと同様に配設された多くの上記島を有する配列を含み得る。島218は、第1ギャップ幅220a−iにより分離される。加えて、島218は、配列ピッチ(単に「ピッチ」ともいう)222により特徴付けられる。ここで使用されるように、「ピッチ」という用語は、隣接する島間のギャップ(又はスペース)の値と島の幅の合計となる距離を示している。それ故、図2aで、ピッチ222は、ギャップ幅220a−iに島の幅226aに加えたものからなり、ある一つの島218の左側からすぐ隣の島218の左側までとして示されている。ピッチ222は、隣接する島218の中心間距離として示され得ることは、当業者により容易に理解されるであろう。規則的な島の配列では、ピッチは連続する島の間で一定となる。それ故、例えば数百、数千、数百万の島を有する規則的な配列では、名目上の距離222が隣接する島のそれぞれの中心間で一定となる。
【0022】
図2aで示されるように、島218は第1幅220a−i〜第3幅220a−iiiをそれぞれ有するギャップにより、特徴付けられる。第2幅220a−iiは、左側の島218とその左外側ですぐ隣にくる島(ただし、示されてはいない)との間のギャップを示すことを意図したものである。同様に、第3幅220a−iiiは、右側の島218とその右外側ですぐ隣にくる島(ただし、示されてはいない)との間のギャップを示すことを意図したものである。本実施形態では、第1幅220a−i〜第3幅220a−iiiの値は同じでも異なっていてもよく、同じものと異なるものの組み合わせであってもよい。これは、中心間距離(ピッチ)222が一連の隣接する島218の間で一定となるが、個々の島218の実際の幅(例えば、226aや226b)は可変であり、それによって隣接する島間の一連のギャップ220aも変化するからである。
【0023】
本発明の実施形態に従い、レジスト島218の特徴を変化させるため、図2aで示された構造に粒子を照射する。次の考察にてより詳しく述べるように、粒子に関連するパラメータが、レジスト島218において目的とする一連の特徴を実現するべく調整される。そのような特徴の例としては、目標とする島の幅(「限界寸法」又は「CD」ともいう)、レジストの増加した硬度及びレジストのプロファイルがある。特に断りのない限り、「硬化された」という用語は、ここで使用されたように、レジストの劣化に対する耐性の増加を示しており、レジストの劣化の際、レジストは、これに制限されるものではないが、反応性イオンエッチング(RIE)チェンバで見られる昇温、湿式化学溶液、及び/又はエネルギーを持つ種を含む処理条件にさらされる。レジストの劣化は、他の物質との間で、レジストの軟化若しくは溶解、レジストのエッチング又はレジストの分解を引き起こし得る。変化し得る粒子パラメータの例としては、粒子のドーズ量、粒子のエネルギー及び粒子の入射方向に対する基板(つまり、レジストフィーチャー)の方向が含まれる。
【0024】
図2bに関しては、所望の種を含む粒子224がパターンを施したレジスト島218に取り込まれ、パターンを施したレジスト島218の特徴が変化することもできる。例えば、粒子224を取り込むことによって、パターンを施したレジスト島218は硬化され、極端な条件での影響を受けにくくなる。またもう一つの例では、パターンを施したレジスト島218の大きさを変更してもよい。本実施形態では、パターンを施したレジスト島218は縮小してもよく、島218は第4幅220b−i〜第6幅220b−iiiをそれぞれ有するギャップによって互いに分離され、第4幅220b−i〜第6幅220b−iiiのうちの少なくとも一つが、第1幅220a−i〜第3幅220a−iiiのうちの少なくとも一つよりも大きくなる。ギャップの第4幅220b−i〜第6幅220b−iiiは、同じであっても異なってもよく、同じものと異なるものの組み合わせであってもよい。加えて、パターンを施したレジスト島218は非対称に縮小してもよく、鉛直方向よりも水平方向に大きく縮小し得る。また別の実施形態では、粒子224はパターンを施したレジスト島218を拡大するように取り込まれ、それぞれ第4幅220b−i〜第6幅220b−iiiのうちの少なくとも一つが、それぞれ第1幅220a−i〜第3幅220a−iiiのうちの少なくとも一つよりも小さくなる。それ故、粒子の特性を制御することによって、所望の特徴及び所望のフィーチャーサイズのレジスト島218が形成される。
【0025】
一実施形態では、粒子224は、好ましくは、イオンビーム又は荷電粒子ビームの形で取り込まれる。他の実施形態では、粒子224は他の形(例えば、熱拡散に続いて起こるビア蒸着)で取り込まれる。粒子224がイオン又は荷電粒子ビームの形で取り込まれる場合、粒子のドーズ量とエネルギーが島218の特徴を制御するために調整されてもよい。例えば、大きなひずみが生じえない昇温、溶解又は化学分解に耐え得るレジストを設けるため、レジスト島218を硬化させることが望まれることもある。あるいは、又はそれに加えて、RIEチェンバで生じ得る湿式化学エッチング、プラズマ誘起エッチング又は分解への耐性を増したレジストを設けることが望まれることもある。
【0026】
以下でより詳しく述べる例では、島218は十分なエネルギーとドーズ量の粒子照射にさらされ、昇温、並びに/又は、反応性イオン若しくは他の同様のメカニズムによるケミカルアタック及び/若しくはエッチングに耐え得る、十分に硬化した部分を島218に設けることができる。図3a及び3bは、図2bで一般的に示したプロセスを用いて形成した典型的なレジスト島構造を示すものである。図3aにおいて形成されたレジスト島218aの構造は、レジスト島218a全体に広がる硬化した部分218bからなる。図3bにおいて形成されたレジスト島218cの構造は、硬化した部分218dと硬化していない部分218eとを有する。硬化した部分218dは、島218cの側部及び上部の外側の領域に配置される。硬化していない部分218eは、島218cの内側の領域に配置され、島218cの下面へと広がり得る。
【0027】
ある一つの典型的な方法において、レジスト島218aは、適切な粒子のエネルギー及びドーズ量を選択することにより、島全体を硬化させるように形成される。例えば、レジスト島218aの幅228a、228b及び高さ(ただし、示されていない)がおよそ100nmである場合、ユーザーは、粒子224がレジスト島218aに完全に侵入するような、レジスト島を硬化させるために用いられる粒子種の適切な粒子エネルギーを選択することができる。粒子の範囲は、シミュレーションプログラムにより測定又は計算してもよい。同様に、粒子の適切なドーズ量は、各レジスト島218の全体が実質的に硬化するように選択できる。あるいは、図3bに示すように、レジスト島の外周部218dのみを硬化させることが望まれることもある。例えば、外側の硬化した層218dの存在により、その後に続くレジスト島の熱プロセスにおける溶解又はひずみに対する十分な耐性が与えられることがわかっている場合、構造218cとすることがレジスト島218にとって適切な選択となり得る。公知の高さ及び公知の幅228a、228bを有するレジスト島にとって、このことは、外側の領域218dを形成するのに必要な粒子の侵入深さが減少するため、領域218bの形成に必要な粒子とは対照的に、低いエネルギーの粒子を使用して層218dを形成することができるというさらなる利点をもたらす。レジストを硬化させるために用いられる粒子のエネルギーを低減することにより、粒子照射の間のレジスト島218cの加熱を低減することができ、それによって粒子自体が溶解又はその他の機械的なひずみを引き起こすような状態を低減できる。
【0028】
本発明では、典型的な粒子のドーズ量はおよそ1×1010〜5×1017particles/cm2の範囲であり、好ましくは7.5×1014〜1.0×1016particles/cm2の範囲である。加えて、粒子のドーズ量は一定でも、変わってもよい。レジスト島を硬化させるために最適な粒子のドーズ量は、粒子224の粒子質量、粒子荷電、エネルギー及びその他のパラメータに従って変化し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、典型的な粒子のエネルギーはおよそ700eV〜8keVの範囲である。また、最適なドーズ量、エネルギー及び粒子種は、フォトレジストの種類やフォトレジストの正確な形成に従って変化する。
【0029】
また、レジストフィーチャーを硬化させるための最適な粒子の照射は、島の幅及び/又は高さに従って、調整することができる。例えば、レジスト島の高さはおよそ90〜120nmとなる。以下の例で示すように、最終目標となるCD、例えば25nm、を得るため、粒子のエネルギー及び/又はドーズ量は、レジスト島の初期CD値に従って調整される。それ故、初期CDが30nmの場合よりも初期CDが50nmの場合、より高いエネルギー及び/又はドーズ量の組み合わせが選択される。同じ種(Ar)および低いE15ions/cm2の範囲に固定したドーズ量を用いた一つの例では、およそ100nmの高さとおよそ50nmの初期CDを有するレジスト島に対し、およそ5keV〜8keVの範囲の粒子エネルギーで、25nmという最終CDを十分に達成し得る。一方、初期CD値がおよそ30nmの場合、およそ1keV〜3keVの範囲の粒子エネルギーで、同種の初期レジスト材について、25nmという最終CDを十分に達成し得る。他の例では、より低い質量又は高い質量の粒子種が使用されてもよく、その場合はそれぞれ比較的高いドーズ量又は比較的低いドーズ量となり、粒子エネルギーが一定であれば、レジスト島のCD値は同様に減少する。
【0030】
また、図2b、3aおよび3bで一般的に示されているように、粒子224がパターンを施したレジスト島218に取り込まれる軌道を制御してもよい。有効なサイドウォールスペーサ転写プロセスを可能にするため、レジストCDを硬化する及び/又はトリミングするために使用される粒子を照射する間、レジスト島218が高さの超過分を失わないようにすることが有効である。本発明に従って、これを達成するために有効な方法として、粒子を照射している間にわずかなねじりを有する基板の高い傾斜を使用するというものがある。例えば、基板のねじり角及び傾斜角のいずれか一方又は両方を、レジスト島218の特徴を調整するために、制御してもよい。ここで使用されるように、「傾斜角」という用語は、粒子のビームと基板面の法線との間の角度を示している。また、「ねじり角」という用語は、ビームとウエハーの法線両方を含む面と基板面に垂直なもう一つの面との間の角度を示している。主要な平面又はノッチを有するシリコンウエハーの場合、ねじり角は、一般的にビームとウエハーの法線両方を含む面とウエハーの主要な平面又はノッチに垂直な面との間の角度として、画定される。
【0031】
例えば、粒子224は、約0°(基板201の上面に垂直)〜約90°(基板201の上面と水平)の範囲の一又は二以上の傾斜角で取り込まれてもよい。好ましくは、45°〜70°の範囲である。粒子224を取り込む間、照射角は一定にしても、変えてもよい。ビームラインイオン注入装置を使用して、粒子224を取り込む場合、入射角を制御するため、基板201を粒子ビームに対して傾けてもよく、その逆も同様によい。傾けることに加え、基板をビームに対して回転させてもよく、その逆も同様によい。例えば、粒子は第1方向から取り込まれる。その後、基板を第1方向に対して0°より大きく約90°までの範囲のねじり角で回転させ、第2方向から粒子を取り込む。第2方向から粒子を取り込んだ後、基板を第1方向に対して0°より大きく約90°までの範囲のねじり角で回転させ、第3方向から粒子を取り込む。そのプロセスを、基板が360°完全に回転するまで、繰り返すことができる。
【0032】
図3a及び3bに示すように、島218aか218cのどちらか一方を形成するため、非垂直な粒子傾斜角が用いることができる。これは、余分な粒子エネルギーを使用することなく、レジスト島のサイドウォールに沿って硬化した領域を設けるのに有効である。例えば、比較的低いエネルギーの垂直な照射粒子の使用により、所望の硬度としたレジスト島の上部領域を設けることができるが、サイドウォールに沿ってレジスト島の下部までずっと広がる硬化した層を設けることはできないこともある。加えて、図3aの一様に硬化した構造を形成するため、垂直な照射で比較的高い粒子エネルギーを使用することは望ましくない。これは、垂直に照射するため、レジスト島218の上部から下部まで侵入させるのにより高い粒子エネルギーが必要となり、過熱や圧縮、その他好ましくない副次的な影響の原因となるからである。
【0033】
再度、図3a及び3bに言及すると、粒子エネルギー、粒子のドーズ量、基板の傾斜角及び/又は基板のねじり角のようなパラメータは、粒子224の照射後、島218について所望のレジスト硬化及び所望のレジストトリミングを同時に実現するために調整されてもよい。一つの例では、図3aに示すように、粒子224の照射後のレジスト島218aの幅228a、228bは、粒子の照射前の島218aの幅226a、226bよりもそれぞれ小さくなっており、レジスト島218は完全に硬化している。図3bに示すような他に取り得る例では、粒子の照射後の島の幅228a、228bは、照射されていない島の幅226a、226bと比較してそれぞれ減少するが、レジスト島218cの外周部218dのみが硬化することになる。
【0034】
粒子のエネルギー、粒子の流束、基板の傾斜、基板のねじりの正しい組み合わせを選択することにより、最終的なレジスト構造は、島218aと島218cの構造の間で変化し得る。例えば、島218cを形成するため、図2aの島218は適切な基板傾斜で適切な粒子の流束にさらされてもよく、島218のサイドウォールの十分なスパッタが起こることになる。それ故、図2aに示される初期の島の幅226は、幅228に減少する。その上、島が硬化していない内部218eを保持するため、サイドウォールのスパッタに使用される粒子のエネルギーは、レジスト島への侵入深さが比較的低くなるように選択してもよい。もう一つの例では、レジストの硬化とレジストのトリミングのため、別々の工程を用いてもよい。例えば、レジストの硬化とは対照的に、レジストのトリミングを実行するには、異なる粒子エネルギー並びに/又はドーズ量及び/若しくは照射角を用いることが望ましい場合もある。それ故、2つの別々の工程を用いることで、それぞれの工程に対し適切に調整された粒子照射パラメータの別々のセットを選択することが可能になる。
【0035】
本発明では、粒子224を取り込む間、レジスト218の温度も制御され得る。一実施形態では、レジスト218の温度は、室温以下の温度、好ましくは273K以下の温度で、一定に保持しても、変化させてもよい。別の実施形態では、レジスト218の温度は、室温よりも高い温度、ただしレジスト218が分解又は流れ出し始める温度以下で、一定に保持しても、変化させてもよい。当業者は、とりわけ底部202の温度を制御することにより、レジスト218の温度が制御され得ることを認識するであろう。
【0036】
レジスト218に取り込ませる粒子224としては、不活性種、例えば、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン (Xe)、ラドン(Rn)、窒素(N)、炭素(C)及び酸素(O)、を含むものが好ましい。しかしながら、他の実施形態では、他の種を含む粒子が使用されてもよい。他の種を含む粒子には、シリコン(Si)、ホウ素(B)、炭素(C)、水素(H)、 鉄(Fe), リチウム(Li)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等を含むものがある。元素種に加え、粒子はカルボランのような分子種とすることもできる。
【0037】
所望の特徴とフィーチャーサイズを有するレジスト島218を形成するために粒子224を取り込んだ後、スペーサ材222がレジスト島218とSiONフィルム212の上へ積層されてもよい(図2c)。発明の実施形態では、スペーサ材222は、SiO2、Si3N4、SiON又はSixOyNzをベースとする材質である。また、他の実施形態では、低温用のスペーサ材を含む他の材質が、スペーサ材222として使用されてもよい。
【0038】
スペーサ材222を積層した後、基板201はエッチバックされてもよく、スペーサ材222はレジスト218のサイドウォールに沿って配置される(図2d)。エッチバックプロセスを実行することにより、レジスト218の一部とSiONフィルム212の一部(又は、図2a1に関して述べられた実施形態については、BARC層216の一部)が露出し得る。レジストフィーチャー218は図2bで示される工程で硬化されるため、レジスト島218の形状は、図2c及び2dに示される積層及び除去プロセスの間、元の状態を維持することができる。それ故、図2dのサイドウォール222は、一定の大きさ、間隔、形状をもって作ることができる。
【0039】
典型的な方法では、図2dの最適なサイドウォール構造の製造を確実にするため、図2b及び2cにそれぞれ一般的に示される粒子の照射及びサイドウォールの積層プロセスが、連動して調整される。図2dの一様な形状、適切な間隔をとったサイドウォールの形成には、スペーサ材222の積層の間、島218の形状及び大きさが変わらないことが必要であるため、サイドウォール218は、図2cの工程で、島にかかる熱量(スペーサ積層温度及び積層持続時間の組み合わせ)に耐える程度十分に硬化させることが望ましい。それ故、スペーサの積層プロセスが比較的高い熱量のプロセスである場合には、比較的高い島の硬度を生じさせるべく、図2bで示される工程で使用される粒子照射パラメータを選択することができる。逆に、スペーサの積層プロセスが比較的低い熱量のプロセスである場合には、スペーサの積層プロセスに耐えるに十分な比較的低い島の硬度を生じさせるべく、粒子照射パラメータを選択することができる。
【0040】
その後、レジスト218は除去され(図2e)、SiONフィルム212及びACLフィルム210がハードマスク層208にエッチングされ、第7幅220c−1〜第11幅〜220c−5を有するギャップにより互いに分離される柱状物を形成する(図2f)。当業者は、第7幅220c−1〜第11幅〜220c−5が同じでも異なっていてもよく、またその両方の組み合わせであってもよいことを認識するであろう。そのプロセスにおいて、スペーサ210のパターンはSiONフィルム212とACLフィルム210に転写されてもよい。図で示すように、スペーサは、一定の距離があるため、レジスト島の数の倍となり、それ故ピッチの倍加がなされる。
【0041】
その後、基板201のハードマスク層208及び多結晶又は金属ゲート層206はエッチングされ、図2gに示されるように、サイドウォールの倍加されたピッチパターンを層206に転写する。次に、ハードマスク層208が多結晶又は金属ゲート層206から除去され、所望のフィーチャーサイズの多結晶又は金属ゲート層206を有するパターンを施した基板201が残る。
【0042】
一般的に図2a〜3bに示されたような典型的な構造及び処理工程は、コンピュータを用いたシステム又は同様のデータ処理システム(示されてはいない)を用いて実行されてもよい。例えば、メニュー形式のインターフェイスが、コンピュータの画面や高性能デバイス又はユーザーの入力を受けて設定される同様のデバイスに設けられてもよい。メニューには「限界寸法」の欄を設けてもよく、これによりユーザーが所望のCDに従って数値を入力することが可能となる。入力された数値はプロセッサーにより受信され、図2bで示した工程での粒子プロセスパラメータを出力するよう設定されたプログラムが起動する。一つの例では、ユーザーは図2aで示された工程でのレジスト島の名目上のCDを入力する。この名目上のCDは、レジストトリミング後の所望のCDを表す目標CDと同様のものである。それから、起動したプログラムが、粒子のドーズ量、粒子のエネルギー、傾斜角及び/又は他の関連パラメータのような図2bの粒子照射工程で使用されるパラメータの適切な組み合わせを出力する。それから、出力されたパラメータが、手動又は自動的に、イオン注入ツールのような粒子照射工程を実行するよう設定されたツールへ送られる。
【0043】
別の例では、ユーザーは粒子照射前のレジスト島の実際のCD値を入力してもよい。例えば、リソグラフィー工程が島のフォトレジストにパターンを施すために実行された後、リソグラフィープロセスでの誤差のため、実際のCDは名目上のCDよりも小さくなったり、大きくなったりすることがある。ユーザーは、インラインCD測定ツールを使用して、実際の島のCDを測定することができる。それから、起動したプログラムが、名目上のCDよりむしろ実際のCDに基づき、粒子照射工程で使用されるパラメータの適切な組み合わせを出力するが、名目上のCDが使用される場合と比較して、わずかに粒子のドーズ量及び粒子のエネルギー等が異なることがある。それ故、本発明は、粒子照射の「レシピ」をリアルタイムで調整する機能を提供することになり、レジスト島を画定するために使用されるリソグラフィープロセスという変動性を考慮した、より精度の高いレジストトリムプロセスが実行され得る。
【0044】
別の例では、レジストトリミングを行わずにレジスト硬化が要求される。それ故、粒子照射前のCDと粒子照射後のCDに対応する欄に同じCD値が入力される。それから、プログラムは、粒子のドーズ量、粒子のエネルギー、傾斜角等を含むレシピを出力し、そのレシピは、レジスト島のCDを実質的に減少させることなく、レジストが硬化されるように設定される。この例では、照射前と照射後のCD値が、上述したように、名目上のCD値又は測定された実際のCD値のどちらにも基づくこともできる。
【0045】
別の例では、コンピュータシステムが、レジストの熱量に基づき粒子照射パラメータのセットを出力するよう設定される。例えば、メニューは、図2cに関して上述したように、粒子照射の次に実行されるサイドウォール積層プロセスでのサイドウォール積層温度及び持続時間の値を受けるように規定される。より高温でかつ持続時間の長いサイドウォールプロセスでは、ユーザーは、レジストが高い熱量に耐えなければならないことを示唆するようなパラメータを入力し、プログラムは、図3aに示すような「完全に硬化した」レジスト構造を形成するように設定した粒子照射パラメータを出力する。より低温でかつ持続時間の短いサイドウォールプロセスでは、プログラムは、図3bに示すような「部分的に硬化した」レジスト構造を形成するように設定した粒子照射パラメータを出力する。
【0046】
基板のパターニングに関する本技術は、いくつかの有利な点を提供している。例えば、粒子224をレジスト218にどのように取り込ませるかを制御することにより、レジスト218の特徴を正確に制御できる。粒子224を取り込むことにより、本技術ではレジスト218を硬化させ、レジスト218がエッチングや積層といったデバイスの製造に含まれるプロセスに関連する極端な条件でも耐え得るようにしている。加えて、粒子224がレジスト島218に取り込まれる角度によって、パターンを施したレジスト島218の特徴を、対称又は非対称に変更できる。例えば、粒子224の入射角は、レジスト218が優先的に横方向に縮小するよう、つまりレジストの高さよりも幅が減少することを示すよう、制御される。例えば、上面イメージングレジスト又は上部をコーティングしたレジストが使用される場合、レジストの側部は異なるものでもよく、垂直方向よりも水平方向が縮小するよう、順に注入される。いくつかの実施形態では、4つの粒子照射の一連を使用することで、レジストの上面では有効に4つの照射が「当たる」一方、サイドウォールは2つの照射のみが当たる。基板のねじりを利用する場合、2つの照射は、レジスト島218の4つ全ての側面(レジスト島218の背面は示されていない)をさらすよう、使用されてもよい。レジスト島218の全ての側面をさらすように2つの粒子照射が使用される場合、上面は両方の照射に当たる一方、それぞれのレジストのサイドウォールは1つの照射のみが当たる。傾斜角が十分に大きい場合、上面の相対的なエッチングレートは、側面のエッチングレートと比べて大幅に異なってもよく、それが上記した島218の横方向の縮小差を導くことになる。また、所望であれば、非対称な硬度を生じさせるよう、入射角を制御してもよい。
【0047】
その上、非荷電又は不活性の粒子を取り込ませる場合には、レジスト218の下の層の電気的特性に不利な影響を与えることなく、レジスト島218の特徴を変化させることができる。加えて、レジスト218のポリマーと粒子224の間の相互作用を注意深く管理することによって、レジスト218は、従来、使用されているような一又は二以上のエッチングトリミング工程に変わる限界寸法の縮小プロセスに使用され得る。その上、EUV又は軟X線フォトリソグラフィープロセスに付随する不利な光学的影響を避けられる。上記したプロセスでは、より多くの一様なレジスト島218構造が形成される。さらに、従来のSADPLプロセスに付随する多数の積層及びエッチングプロセスが、本技術によって避けられる。このようにして、本発明は、より単純な積層フローとより低いコストの実現を提案するものである。
【0048】
ここに、パターニングプロセスに関する今までにない独創的な技術が開示された。本開示は、ここで説明した特定の実施形態によって、その範囲が制限されるものではない。実際、ここで説明したものに加えて、本開示の他の様々な実施形態や変更されたものが、前述の説明や添付図面から当業者には明らかになるであろう。例えば、上記した本発明の実施形態は、ACL層とSiON層を含む処理層の積層体に向けられてきたが、本発明はその層がなくとも、さらに追加の層があっても実施することができる。それ故、そのような他の実施形態及び変更したものは、本開示の範囲に収まることを意味する。さらに、ここでは、特定の目的のため特定の環境で特定の実施に関連して、本開示を説明してきたが、当業者は、その実用性がそれに制限されず、本開示がいくつもの目的のためいくつもの環境で有益に実施され得ることを認識するであろう。それ故、以下で説明する請求項は、十分な幅とここで説明したような本開示の精神を考慮して、理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、デバイスの製造分野に関する。より詳細には、本発明はデバイス製造のための基板のパターニング方法、システム及び構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの形成には、パターニングプロセスが広く使用される。その技術で知られているように、様々なパターニングプロセスが存在する。そのプロセスの一つの例がフォトリソグラフィーパターニングプロセスであり、これによって、光学マスクから基板上に積層されたフォトレジスト層、結局のところは基板に、所望の解像度のパターンが光学的に転写される。一つの例としては、電界効果トランジスタのゲートを形成するため、基板上にパターニングが使用されている。
【0003】
電子デバイスの小型化は進み続けており、より高い解像度を実現可能にするパターニングプロセスの必要性が増している。しかしながら、所望の解像度を有するマスクを形成すること、及び、パターニングプロセスで使用される放射線の特性(例えば、波長)との適合性を有することへの制限が、所望の解像度を有するパターンの実現を困難にしてきた。そのような問題を解決するため、いくつかの技術が提案されている。そのような技術の1つでは、電子ビームを使用し、マスクを使用せずにフォトレジスト上にパターンを直接書き込むことを提案している。その技術は、高い解像度を有するパターンを形成することができるが、そのプロセスには多くの時間を要し、コストがかかる。他の技術では、所望のパターン解像度を有するマスクを形成するため、及び/又は、マスクからフォトレジスト層にパターンを転写するため、軟X線又は極紫外線を使用することを提案しており、いずれの放射線も、現在使用されている紫外線の波長よりも短い波長を有する。しかしながら、軟X線又は極紫外線は、反射鏡及び/又は光学レンズを使用して、操作することが困難である。加えて、基板にパターンを形成するために軟X線又は極紫外線を使用することにより、望ましくない光学的効果(例えば、自己干渉)が生じ、フォトレジスト層のパターンの精細度に影響を与え、それ故にパターンを施した基板の解像度に悪影響を与えることもある。
【0004】
パターニングプロセスの改善への要求に対応するため提案された他の技術には、自己整合ダブルパターニングリソグラフィー(SADPL)プロセスがある。図1a−kに関しては、トランジスタのゲートを形成するため、基板101上で実行された従来のSADPLプロセスが示されている。図1a−kのそれぞれは、自己整合ダブルパターニングのために設計されたパターニング層の公知の積層体を有する基板の概略断面図である。図1aに示すように、基板101はシリコンウエハー102、酸化物層104、ポリシリコン又は金属層106を具える。
【0005】
ハードマスクフィルム108の層が、基板101上へ積層される。ハードマスクフィルム108の上に、第1アモルファスカーボン層(ACL)フィルム110が積層される。その後、第1SiONフィルム112が積層される。第2ACLフィルム114が第1SiONフィルム112の上に積層される。第2ACLフィルム114の上に、第2SiONフィルム116が積層される。その後、フォトレジストフィルム118の層が積層される。フォトレジストフィルム118を積層した後、主なリソグラフィープロセスが実行され、これによりフォトレジストフィルム118にパターンが施される。図1aに示すように、第1幅120aを有するギャップによって、互いに分離された島の配列を具える、パターンの施されたフォトレジスト構造が、主なリソグラフィープロセスにより得られる。島118は、パターンの施されたレジストフィーチャーの理想化された断面を描いており、平面図では、細長い「線」のような形、長方形、正方形又は他の形となることがある。その上、島118は、図1aに示されたものと同様に配設された多くの上記島を有する配列に配設される。
【0006】
図1bに関しては、パターンを施したフォトレジスト島は、エッチングトリムプロセスを経て、トリミングされる。結果として、ギャップの幅は第2幅120bに広がり、パターンを施したフォトレジスト島のフィーチャーサイズが所望のフィーチャーサイズになるように調整される。図1cに関しては、第2SiONフィルム116をエッチングし、パターンが施されたフォトレジスト島118のパターンを第2SiONフィルム116に転写する。その後、パターンを施したフォトレジスト島118は、図1cに示すように、第2SiONフィルム116から除去される。
【0007】
第2SiONフィルム116からパターンを施したフォトレジスト島118を除去することに続き、第2ACLフィルム114をエッチングし、第2SiONフィルム116のパターンを第2ACLフィルム114に転写することも可能である(図1e)。図1fに関しては、第2SiONフィルム116は取り除かれる。パターンを施した第2ACLフィルム114から第2SiONフィルム116を除去した後、スペーサフィルム122の層が、パターンを施した第2ACLフィルム114及び第1SiONフィルム112の上へ積層される(図1g)。ブランケットエッチバックプロセスがスペーサフィルム122の層に施され、その結果、パターンを施した第2ACLフィルム114のサイドウォールに沿って積層されたスペーサ122が得られる(図1h)。
【0008】
その後、パターンを施した第2ACLフィルム114を除去し(図1i)、第1SiONフィルム112及び第1ACLフィルム110をエッチングし(図1j)、第3幅120cを有するギャップにより互いに分離されたカラムを形成する。その後、ハードマスク層108及び基板101の多結晶又は金属ゲート層106がエッチングされ、パターンが図1jに示したカラムに転写される。その後、ハードマスク層108は、多結晶又は金属ゲート層106から除去され、図1kに示されているように、所望のフィーチャーサイズの多結晶又は金属ゲート層106を有する、パターンを施した基板101が形成する。
【0009】
従来のSADPLは、適切ではあるが、いくつかの問題がある。例えば、従来のSADPLプロセスで、パターンを施したフォトレジスト118をトリミングするために使用されるエッチングトリムプロセスは、精度に欠け、制御することが困難な場合がある。加えて、従来のSADPLプロセスは、多数のACL及びSiONフィルム層を積層する多数の積層工程並びにフィルムをエッチングする多数のエッチング工程を必要とする。それ故、その技術はコストがかかり、非効率的である。そのような非効率的なプロセスが、デバイスの製造者、結局のところは消費者に、過度の金銭的負担を負わせることがある。従って、基板のパターニングに関し、新しい技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
本発明の実施形態は、基板のパターニングに関する方法及び構造を目的とするものである。典型的な実施形態では、基板のパターニング方法は、第1ピッチ及び第1ギャップ幅により画定されるレジストフィーチャーの配列を設ける工程を具える。粒子がレジストフィーチャーの配列に取り込まれ、レジストフィーチャーの配列が硬化する。その粒子は、エネルギーを持った荷電種又は非荷電種であり、原子、分子又は亜原子種のいずれであってもよい。サイドウォールが硬化したレジストフィーチャーの側部に設けられ、その後、硬化したレジストフィーチャーが除去されることで、基板に配置され、分離したサイドウォールの配列が残る。サイドウォールの配列は、基板におけるフィーチャーの配列を形成するために使用され、基板のフィーチャーの配列はレジストフィーチャーの配列の半分のピッチを有する。また、本発明のいくつかの実施形態では、レジストフィーチャーの限界寸法が、粒子のドーズ量、粒子のエネルギー、基板の傾斜及び基板のねじりのようなパラメータを制御することによって、調整されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】自己整合ダブルパターニングのために設計されたパターニング層の公知の積層体を有する基板の概略断面図である。
【図1b】レジストトリミング後における図1aの基板の概略断面図である。
【図1c】上部SiON層のパターニング後における図1bの基板の概略断面図である。
【図1d】フォトレジストの除去後における図1cの基板の概略断面図である。
【図1e】上部ACL層のパターニング後における図1dの基板の概略断面図である。
【図1f】上部SiON層の除去後における図1eの基板の概略断面図である。
【図1g】サイドウォール形成層の積層後における図1fの基板の概略断面図である。
【図1h】サイドウォールの形成後における図1gの基板の概略断面図である。
【図1i】上部ACLのパターンを施した部分の除去後における図1hの基板の概略断面図である。
【図1j】サイドウォールの下に配置された第2SiON層及びACL層のパターニング後における図1hの基板の概略断面図である。
【図1k】ハードマスク層及び基板下部層のパターニング並びにパターンを施した第2SiON層、第2ACL層及びハードマスク層の除去後における図1jの基板の概略断面図である。
【図2a】本開示の実施形態に従い、パターンを施した上部フォトレジスト層を有するパターニング層の積層体を具える基板の概略断面図である。
【図2a1】本開示の実施形態に従い、パターニングされた上部フォトレジスト層及び下部反射防止コーティングを有するパターニング層の積層体を具える基板の概略断面図である。
【図2b】本開示の実施形態に従い、粒子照射にさらされる時の図2aの基板の概略断面図である。
【図2c】本発明開示の実施形態に従い、サイドウォール形成層の積層後における図2bの基板の概略断面図である。
【図2d】本開示の実施形態に従い、サイドウォールの形成後における図2cの基板の概略断面図である。
【図2e】本開示の実施形態に従い、パターンを施したフォトレジストの除去後における図2dの基板の概略断面図である。
【図2f】本開示の実施形態に従い、サイドウォールの下に配置されたSiON層及びACL層のパターニング後における図2eの基板の概略断面図である。
【図2g】本開示の実施形態に従い、ハードマスク層及び基板下部層のパターニング後、パターンを施したSiON層、ACL層及びハードマスク層を除去した後における図2fの基板の概略断面図である。
【図3a】本開示の実施形態に従い、図2bで一般的に示されたプロセスを使用して、形成された典型的なレジスト島構造を示す基板の概略断面図である。
【図3b】本開示の別の実施形態に従い、図2bで一般的に示されたプロセスを使用して、形成された今までのものに代わる典型的なレジスト島構造を示す基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここに、本開示は、好ましい実施形態が示された添付図を参照し、以下でより完全に記載されるであろう。しかしながら、この開示は多くの異なる形で具体化されることがあり、ここで説明した実施形態に制限されると理解されるべきではない。どちらかといえば、これらの実施形態が提供されることで、この開示が詳細かつ完全となり、当業者に発明の範囲を伝えるであろう。図面では、至る所で、同様の数字が、同様の構成要素を示している。
【0013】
上記した方法に関連する問題を解決するため、基板のパターニングに関する今までにない独創的な技術を紹介する。明瞭及び簡易を目的とし、本開示は、トランジスタを形成するために基板をパターニングする技術に焦点を合わせている。
【0014】
特に、本開示は、トランジスタのゲートを形成するためのSADPLプロセスを含む技術に焦点を合わせている。しかし、当業者は、ここで開示された技術がSADPLプロセスに限定されるものではないことを認識するであろう。むしろ、本開示は他のタイプのパターニングプロセスにも同様に適用し得る。
【0015】
特に、硬化され、任意にトリミングされたフォトレジストフィーチャーを使用する基板の自己整合ダブルパターニングを実行するための新たな方法、システム及び構造が、ここで開示されている。しかしながら、本発明は、硬化され、及び/又はトリミングされた、フォトレジストを用いることができる他のパターニングプロセスにも及ぶ。
【0016】
加えて、当業者は、本開示がトランジスタのゲートを形成するための基板のパターニングに限定されないことを認識すべきである。むしろ、本開示は、トランジスタの他の部品、及び/又は他のタイプのデバイスを形成するための基板のパターニング技術に、同様に適用し得る。例えば、その技術は、パターンを施した磁気ビットデータ記憶媒体を形成するための基板のパターニング技術に同様に適用し得る。それ故、ここで使用する「基板」という用語は、半導体のウエハーに限定されるものではない。ここで、その用語は、熱的、及び/又は、電気的に、伝導性の基板、絶縁性の基板、半伝導性の基板にも適用し得る。また、その基板はドープされた基板でもドープされない基板でもよい。加えて、その基板は、単一元素の基板、及び/又は、化合物若しくは合金をベースとする基板であってもよい。また、その基板は、外部の磁性を示すものにも、示さないものにも適用し得る。さらに、その基板は、単一又は複数層の基板であってもよい。もしその基板が複数層の基板であれば、それぞれの層は、熱的に、及び/又は、電気的に、伝導性、絶縁性、半伝導性のいずれであってもよく、ドープされてもされなくともよく、単一元素及び/又は化合物若しくは合金でもよく、外部の磁性を示しても示さなくともよい。
【0017】
本開示では、簡易及び明瞭を目的とし、「粒子」という用語を使用して、その技術を表現することがある。ここで使用されるように、「粒子」という用語は、荷電又は非荷電でもよく、亜原子、原子又は分子でもよい種を示している。さらに、本開示の技術はビームラインイオン注入方式のところで述べられてもよい。しかしながら、当業者は、基板に粒子又は物質を添加することが可能な他の方式も適用し得ることを認識するであろう。例えば、これらに制限されるものではないが、プラズマアシスト添加(PLAD)方式又はプラズマイオン注入(PILL)方式を含むドーピング方式や他のタイプのドーピング方式が使用されてもよい。また、粒子を添加することが可能な他のタイプの処理方式が使用されてもよい。そのようなシステムの例には、ファーネス、化学気相成長(CVD)方式、プラズマ化学気相成長(PECVD)方式、原子層成長(ALD)方式及び分子線エピタキシー方式(MBE)等が含まれる。
【0018】
図2a−gに関しては、本発明の一実施形態による基板のパターニング技術に従う一連の典型的な工程が示されている。図2a〜2fは、それぞれ、プロセスの特別な段階において基板201をパターニングするために使用されるパターニング層208〜218の積層体の概略断面図を示している。図2gは、パターニング層の積層体の除去後に基板201に転写された最終的な自己整合ダブルパターニング構造を断面図にて示すものである。図は、大きさ通りには描かれていないこともある。加えて、図は基板全体の一部分のみを示している。
【0019】
図2aに示すように、基板201は、底部202、並びに、順番に、酸化物層204及び多結晶又は金属層206を有する下部214を具えてもよい。一実施形態では、底部202は、例えばシリコンウエハーのような半伝導性の層である。他の実施形態では、底部202は別の物質から作られる。加えて、一実施形態では、多結晶又は金属層206は、ポリシリコン又は複数積層した金属層である。
【0020】
図2aに示すように、ハードマスクフィルム208の層が基板201の上に配置されてもよい。ハードマスクフィルム208の上に、ACLフィルム210の層が配置されてもよい。その後すぐに、SiONフィルム212の層が配置されてもよい。SiONフィルム212の上に、レジストフィルム218の層が積層されてもよい。例えば、フォトレジストフィルム218が積層されてもよい。ここで、「フォトレジスト」と「レジスト」という用語は、一般的には互換的に使用される。しかしながら、本発明は、レジストが電子ビームレジストのような光学リソグラフィー方式で使用されるもの以外となる方式や方法にも及ぶ。任意だが、図2a1に示されるように、レジストフィルム218の積層前に、下部反射防止コーティング(BARC)216のような反射防止コーティングが、フィルム212の上に積層されてもよい。層216は、例えば、誘電性の反射防止コーティングとすることもできる。BARC層216はエネルギーを持った粒子の注入にさらされるが、注入より先にドライエッチング(RIE)を施しても、施さなくともよい。レジストフィルム218を積層した後、主なリソグラフィープロセスが、レジストフィルム218にパターンを施すために実行されてもよい。図2aに示すように、主なリソグラフィープロセスにより、パターンを施したレジスト島218が形成されてもよい。
【0021】
図1aで示された島118のように、島218はパターンを施したレジストフィーチャーの理想化した断面を示すものであり、平面図では、延長された「線」、長方形、正方形又は他の形に見えることもある。その上、島218は、図2aに示されたものと同様に配設された多くの上記島を有する配列を含み得る。島218は、第1ギャップ幅220a−iにより分離される。加えて、島218は、配列ピッチ(単に「ピッチ」ともいう)222により特徴付けられる。ここで使用されるように、「ピッチ」という用語は、隣接する島間のギャップ(又はスペース)の値と島の幅の合計となる距離を示している。それ故、図2aで、ピッチ222は、ギャップ幅220a−iに島の幅226aに加えたものからなり、ある一つの島218の左側からすぐ隣の島218の左側までとして示されている。ピッチ222は、隣接する島218の中心間距離として示され得ることは、当業者により容易に理解されるであろう。規則的な島の配列では、ピッチは連続する島の間で一定となる。それ故、例えば数百、数千、数百万の島を有する規則的な配列では、名目上の距離222が隣接する島のそれぞれの中心間で一定となる。
【0022】
図2aで示されるように、島218は第1幅220a−i〜第3幅220a−iiiをそれぞれ有するギャップにより、特徴付けられる。第2幅220a−iiは、左側の島218とその左外側ですぐ隣にくる島(ただし、示されてはいない)との間のギャップを示すことを意図したものである。同様に、第3幅220a−iiiは、右側の島218とその右外側ですぐ隣にくる島(ただし、示されてはいない)との間のギャップを示すことを意図したものである。本実施形態では、第1幅220a−i〜第3幅220a−iiiの値は同じでも異なっていてもよく、同じものと異なるものの組み合わせであってもよい。これは、中心間距離(ピッチ)222が一連の隣接する島218の間で一定となるが、個々の島218の実際の幅(例えば、226aや226b)は可変であり、それによって隣接する島間の一連のギャップ220aも変化するからである。
【0023】
本発明の実施形態に従い、レジスト島218の特徴を変化させるため、図2aで示された構造に粒子を照射する。次の考察にてより詳しく述べるように、粒子に関連するパラメータが、レジスト島218において目的とする一連の特徴を実現するべく調整される。そのような特徴の例としては、目標とする島の幅(「限界寸法」又は「CD」ともいう)、レジストの増加した硬度及びレジストのプロファイルがある。特に断りのない限り、「硬化された」という用語は、ここで使用されたように、レジストの劣化に対する耐性の増加を示しており、レジストの劣化の際、レジストは、これに制限されるものではないが、反応性イオンエッチング(RIE)チェンバで見られる昇温、湿式化学溶液、及び/又はエネルギーを持つ種を含む処理条件にさらされる。レジストの劣化は、他の物質との間で、レジストの軟化若しくは溶解、レジストのエッチング又はレジストの分解を引き起こし得る。変化し得る粒子パラメータの例としては、粒子のドーズ量、粒子のエネルギー及び粒子の入射方向に対する基板(つまり、レジストフィーチャー)の方向が含まれる。
【0024】
図2bに関しては、所望の種を含む粒子224がパターンを施したレジスト島218に取り込まれ、パターンを施したレジスト島218の特徴が変化することもできる。例えば、粒子224を取り込むことによって、パターンを施したレジスト島218は硬化され、極端な条件での影響を受けにくくなる。またもう一つの例では、パターンを施したレジスト島218の大きさを変更してもよい。本実施形態では、パターンを施したレジスト島218は縮小してもよく、島218は第4幅220b−i〜第6幅220b−iiiをそれぞれ有するギャップによって互いに分離され、第4幅220b−i〜第6幅220b−iiiのうちの少なくとも一つが、第1幅220a−i〜第3幅220a−iiiのうちの少なくとも一つよりも大きくなる。ギャップの第4幅220b−i〜第6幅220b−iiiは、同じであっても異なってもよく、同じものと異なるものの組み合わせであってもよい。加えて、パターンを施したレジスト島218は非対称に縮小してもよく、鉛直方向よりも水平方向に大きく縮小し得る。また別の実施形態では、粒子224はパターンを施したレジスト島218を拡大するように取り込まれ、それぞれ第4幅220b−i〜第6幅220b−iiiのうちの少なくとも一つが、それぞれ第1幅220a−i〜第3幅220a−iiiのうちの少なくとも一つよりも小さくなる。それ故、粒子の特性を制御することによって、所望の特徴及び所望のフィーチャーサイズのレジスト島218が形成される。
【0025】
一実施形態では、粒子224は、好ましくは、イオンビーム又は荷電粒子ビームの形で取り込まれる。他の実施形態では、粒子224は他の形(例えば、熱拡散に続いて起こるビア蒸着)で取り込まれる。粒子224がイオン又は荷電粒子ビームの形で取り込まれる場合、粒子のドーズ量とエネルギーが島218の特徴を制御するために調整されてもよい。例えば、大きなひずみが生じえない昇温、溶解又は化学分解に耐え得るレジストを設けるため、レジスト島218を硬化させることが望まれることもある。あるいは、又はそれに加えて、RIEチェンバで生じ得る湿式化学エッチング、プラズマ誘起エッチング又は分解への耐性を増したレジストを設けることが望まれることもある。
【0026】
以下でより詳しく述べる例では、島218は十分なエネルギーとドーズ量の粒子照射にさらされ、昇温、並びに/又は、反応性イオン若しくは他の同様のメカニズムによるケミカルアタック及び/若しくはエッチングに耐え得る、十分に硬化した部分を島218に設けることができる。図3a及び3bは、図2bで一般的に示したプロセスを用いて形成した典型的なレジスト島構造を示すものである。図3aにおいて形成されたレジスト島218aの構造は、レジスト島218a全体に広がる硬化した部分218bからなる。図3bにおいて形成されたレジスト島218cの構造は、硬化した部分218dと硬化していない部分218eとを有する。硬化した部分218dは、島218cの側部及び上部の外側の領域に配置される。硬化していない部分218eは、島218cの内側の領域に配置され、島218cの下面へと広がり得る。
【0027】
ある一つの典型的な方法において、レジスト島218aは、適切な粒子のエネルギー及びドーズ量を選択することにより、島全体を硬化させるように形成される。例えば、レジスト島218aの幅228a、228b及び高さ(ただし、示されていない)がおよそ100nmである場合、ユーザーは、粒子224がレジスト島218aに完全に侵入するような、レジスト島を硬化させるために用いられる粒子種の適切な粒子エネルギーを選択することができる。粒子の範囲は、シミュレーションプログラムにより測定又は計算してもよい。同様に、粒子の適切なドーズ量は、各レジスト島218の全体が実質的に硬化するように選択できる。あるいは、図3bに示すように、レジスト島の外周部218dのみを硬化させることが望まれることもある。例えば、外側の硬化した層218dの存在により、その後に続くレジスト島の熱プロセスにおける溶解又はひずみに対する十分な耐性が与えられることがわかっている場合、構造218cとすることがレジスト島218にとって適切な選択となり得る。公知の高さ及び公知の幅228a、228bを有するレジスト島にとって、このことは、外側の領域218dを形成するのに必要な粒子の侵入深さが減少するため、領域218bの形成に必要な粒子とは対照的に、低いエネルギーの粒子を使用して層218dを形成することができるというさらなる利点をもたらす。レジストを硬化させるために用いられる粒子のエネルギーを低減することにより、粒子照射の間のレジスト島218cの加熱を低減することができ、それによって粒子自体が溶解又はその他の機械的なひずみを引き起こすような状態を低減できる。
【0028】
本発明では、典型的な粒子のドーズ量はおよそ1×1010〜5×1017particles/cm2の範囲であり、好ましくは7.5×1014〜1.0×1016particles/cm2の範囲である。加えて、粒子のドーズ量は一定でも、変わってもよい。レジスト島を硬化させるために最適な粒子のドーズ量は、粒子224の粒子質量、粒子荷電、エネルギー及びその他のパラメータに従って変化し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、典型的な粒子のエネルギーはおよそ700eV〜8keVの範囲である。また、最適なドーズ量、エネルギー及び粒子種は、フォトレジストの種類やフォトレジストの正確な形成に従って変化する。
【0029】
また、レジストフィーチャーを硬化させるための最適な粒子の照射は、島の幅及び/又は高さに従って、調整することができる。例えば、レジスト島の高さはおよそ90〜120nmとなる。以下の例で示すように、最終目標となるCD、例えば25nm、を得るため、粒子のエネルギー及び/又はドーズ量は、レジスト島の初期CD値に従って調整される。それ故、初期CDが30nmの場合よりも初期CDが50nmの場合、より高いエネルギー及び/又はドーズ量の組み合わせが選択される。同じ種(Ar)および低いE15ions/cm2の範囲に固定したドーズ量を用いた一つの例では、およそ100nmの高さとおよそ50nmの初期CDを有するレジスト島に対し、およそ5keV〜8keVの範囲の粒子エネルギーで、25nmという最終CDを十分に達成し得る。一方、初期CD値がおよそ30nmの場合、およそ1keV〜3keVの範囲の粒子エネルギーで、同種の初期レジスト材について、25nmという最終CDを十分に達成し得る。他の例では、より低い質量又は高い質量の粒子種が使用されてもよく、その場合はそれぞれ比較的高いドーズ量又は比較的低いドーズ量となり、粒子エネルギーが一定であれば、レジスト島のCD値は同様に減少する。
【0030】
また、図2b、3aおよび3bで一般的に示されているように、粒子224がパターンを施したレジスト島218に取り込まれる軌道を制御してもよい。有効なサイドウォールスペーサ転写プロセスを可能にするため、レジストCDを硬化する及び/又はトリミングするために使用される粒子を照射する間、レジスト島218が高さの超過分を失わないようにすることが有効である。本発明に従って、これを達成するために有効な方法として、粒子を照射している間にわずかなねじりを有する基板の高い傾斜を使用するというものがある。例えば、基板のねじり角及び傾斜角のいずれか一方又は両方を、レジスト島218の特徴を調整するために、制御してもよい。ここで使用されるように、「傾斜角」という用語は、粒子のビームと基板面の法線との間の角度を示している。また、「ねじり角」という用語は、ビームとウエハーの法線両方を含む面と基板面に垂直なもう一つの面との間の角度を示している。主要な平面又はノッチを有するシリコンウエハーの場合、ねじり角は、一般的にビームとウエハーの法線両方を含む面とウエハーの主要な平面又はノッチに垂直な面との間の角度として、画定される。
【0031】
例えば、粒子224は、約0°(基板201の上面に垂直)〜約90°(基板201の上面と水平)の範囲の一又は二以上の傾斜角で取り込まれてもよい。好ましくは、45°〜70°の範囲である。粒子224を取り込む間、照射角は一定にしても、変えてもよい。ビームラインイオン注入装置を使用して、粒子224を取り込む場合、入射角を制御するため、基板201を粒子ビームに対して傾けてもよく、その逆も同様によい。傾けることに加え、基板をビームに対して回転させてもよく、その逆も同様によい。例えば、粒子は第1方向から取り込まれる。その後、基板を第1方向に対して0°より大きく約90°までの範囲のねじり角で回転させ、第2方向から粒子を取り込む。第2方向から粒子を取り込んだ後、基板を第1方向に対して0°より大きく約90°までの範囲のねじり角で回転させ、第3方向から粒子を取り込む。そのプロセスを、基板が360°完全に回転するまで、繰り返すことができる。
【0032】
図3a及び3bに示すように、島218aか218cのどちらか一方を形成するため、非垂直な粒子傾斜角が用いることができる。これは、余分な粒子エネルギーを使用することなく、レジスト島のサイドウォールに沿って硬化した領域を設けるのに有効である。例えば、比較的低いエネルギーの垂直な照射粒子の使用により、所望の硬度としたレジスト島の上部領域を設けることができるが、サイドウォールに沿ってレジスト島の下部までずっと広がる硬化した層を設けることはできないこともある。加えて、図3aの一様に硬化した構造を形成するため、垂直な照射で比較的高い粒子エネルギーを使用することは望ましくない。これは、垂直に照射するため、レジスト島218の上部から下部まで侵入させるのにより高い粒子エネルギーが必要となり、過熱や圧縮、その他好ましくない副次的な影響の原因となるからである。
【0033】
再度、図3a及び3bに言及すると、粒子エネルギー、粒子のドーズ量、基板の傾斜角及び/又は基板のねじり角のようなパラメータは、粒子224の照射後、島218について所望のレジスト硬化及び所望のレジストトリミングを同時に実現するために調整されてもよい。一つの例では、図3aに示すように、粒子224の照射後のレジスト島218aの幅228a、228bは、粒子の照射前の島218aの幅226a、226bよりもそれぞれ小さくなっており、レジスト島218は完全に硬化している。図3bに示すような他に取り得る例では、粒子の照射後の島の幅228a、228bは、照射されていない島の幅226a、226bと比較してそれぞれ減少するが、レジスト島218cの外周部218dのみが硬化することになる。
【0034】
粒子のエネルギー、粒子の流束、基板の傾斜、基板のねじりの正しい組み合わせを選択することにより、最終的なレジスト構造は、島218aと島218cの構造の間で変化し得る。例えば、島218cを形成するため、図2aの島218は適切な基板傾斜で適切な粒子の流束にさらされてもよく、島218のサイドウォールの十分なスパッタが起こることになる。それ故、図2aに示される初期の島の幅226は、幅228に減少する。その上、島が硬化していない内部218eを保持するため、サイドウォールのスパッタに使用される粒子のエネルギーは、レジスト島への侵入深さが比較的低くなるように選択してもよい。もう一つの例では、レジストの硬化とレジストのトリミングのため、別々の工程を用いてもよい。例えば、レジストの硬化とは対照的に、レジストのトリミングを実行するには、異なる粒子エネルギー並びに/又はドーズ量及び/若しくは照射角を用いることが望ましい場合もある。それ故、2つの別々の工程を用いることで、それぞれの工程に対し適切に調整された粒子照射パラメータの別々のセットを選択することが可能になる。
【0035】
本発明では、粒子224を取り込む間、レジスト218の温度も制御され得る。一実施形態では、レジスト218の温度は、室温以下の温度、好ましくは273K以下の温度で、一定に保持しても、変化させてもよい。別の実施形態では、レジスト218の温度は、室温よりも高い温度、ただしレジスト218が分解又は流れ出し始める温度以下で、一定に保持しても、変化させてもよい。当業者は、とりわけ底部202の温度を制御することにより、レジスト218の温度が制御され得ることを認識するであろう。
【0036】
レジスト218に取り込ませる粒子224としては、不活性種、例えば、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン (Xe)、ラドン(Rn)、窒素(N)、炭素(C)及び酸素(O)、を含むものが好ましい。しかしながら、他の実施形態では、他の種を含む粒子が使用されてもよい。他の種を含む粒子には、シリコン(Si)、ホウ素(B)、炭素(C)、水素(H)、 鉄(Fe), リチウム(Li)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等を含むものがある。元素種に加え、粒子はカルボランのような分子種とすることもできる。
【0037】
所望の特徴とフィーチャーサイズを有するレジスト島218を形成するために粒子224を取り込んだ後、スペーサ材222がレジスト島218とSiONフィルム212の上へ積層されてもよい(図2c)。発明の実施形態では、スペーサ材222は、SiO2、Si3N4、SiON又はSixOyNzをベースとする材質である。また、他の実施形態では、低温用のスペーサ材を含む他の材質が、スペーサ材222として使用されてもよい。
【0038】
スペーサ材222を積層した後、基板201はエッチバックされてもよく、スペーサ材222はレジスト218のサイドウォールに沿って配置される(図2d)。エッチバックプロセスを実行することにより、レジスト218の一部とSiONフィルム212の一部(又は、図2a1に関して述べられた実施形態については、BARC層216の一部)が露出し得る。レジストフィーチャー218は図2bで示される工程で硬化されるため、レジスト島218の形状は、図2c及び2dに示される積層及び除去プロセスの間、元の状態を維持することができる。それ故、図2dのサイドウォール222は、一定の大きさ、間隔、形状をもって作ることができる。
【0039】
典型的な方法では、図2dの最適なサイドウォール構造の製造を確実にするため、図2b及び2cにそれぞれ一般的に示される粒子の照射及びサイドウォールの積層プロセスが、連動して調整される。図2dの一様な形状、適切な間隔をとったサイドウォールの形成には、スペーサ材222の積層の間、島218の形状及び大きさが変わらないことが必要であるため、サイドウォール218は、図2cの工程で、島にかかる熱量(スペーサ積層温度及び積層持続時間の組み合わせ)に耐える程度十分に硬化させることが望ましい。それ故、スペーサの積層プロセスが比較的高い熱量のプロセスである場合には、比較的高い島の硬度を生じさせるべく、図2bで示される工程で使用される粒子照射パラメータを選択することができる。逆に、スペーサの積層プロセスが比較的低い熱量のプロセスである場合には、スペーサの積層プロセスに耐えるに十分な比較的低い島の硬度を生じさせるべく、粒子照射パラメータを選択することができる。
【0040】
その後、レジスト218は除去され(図2e)、SiONフィルム212及びACLフィルム210がハードマスク層208にエッチングされ、第7幅220c−1〜第11幅〜220c−5を有するギャップにより互いに分離される柱状物を形成する(図2f)。当業者は、第7幅220c−1〜第11幅〜220c−5が同じでも異なっていてもよく、またその両方の組み合わせであってもよいことを認識するであろう。そのプロセスにおいて、スペーサ210のパターンはSiONフィルム212とACLフィルム210に転写されてもよい。図で示すように、スペーサは、一定の距離があるため、レジスト島の数の倍となり、それ故ピッチの倍加がなされる。
【0041】
その後、基板201のハードマスク層208及び多結晶又は金属ゲート層206はエッチングされ、図2gに示されるように、サイドウォールの倍加されたピッチパターンを層206に転写する。次に、ハードマスク層208が多結晶又は金属ゲート層206から除去され、所望のフィーチャーサイズの多結晶又は金属ゲート層206を有するパターンを施した基板201が残る。
【0042】
一般的に図2a〜3bに示されたような典型的な構造及び処理工程は、コンピュータを用いたシステム又は同様のデータ処理システム(示されてはいない)を用いて実行されてもよい。例えば、メニュー形式のインターフェイスが、コンピュータの画面や高性能デバイス又はユーザーの入力を受けて設定される同様のデバイスに設けられてもよい。メニューには「限界寸法」の欄を設けてもよく、これによりユーザーが所望のCDに従って数値を入力することが可能となる。入力された数値はプロセッサーにより受信され、図2bで示した工程での粒子プロセスパラメータを出力するよう設定されたプログラムが起動する。一つの例では、ユーザーは図2aで示された工程でのレジスト島の名目上のCDを入力する。この名目上のCDは、レジストトリミング後の所望のCDを表す目標CDと同様のものである。それから、起動したプログラムが、粒子のドーズ量、粒子のエネルギー、傾斜角及び/又は他の関連パラメータのような図2bの粒子照射工程で使用されるパラメータの適切な組み合わせを出力する。それから、出力されたパラメータが、手動又は自動的に、イオン注入ツールのような粒子照射工程を実行するよう設定されたツールへ送られる。
【0043】
別の例では、ユーザーは粒子照射前のレジスト島の実際のCD値を入力してもよい。例えば、リソグラフィー工程が島のフォトレジストにパターンを施すために実行された後、リソグラフィープロセスでの誤差のため、実際のCDは名目上のCDよりも小さくなったり、大きくなったりすることがある。ユーザーは、インラインCD測定ツールを使用して、実際の島のCDを測定することができる。それから、起動したプログラムが、名目上のCDよりむしろ実際のCDに基づき、粒子照射工程で使用されるパラメータの適切な組み合わせを出力するが、名目上のCDが使用される場合と比較して、わずかに粒子のドーズ量及び粒子のエネルギー等が異なることがある。それ故、本発明は、粒子照射の「レシピ」をリアルタイムで調整する機能を提供することになり、レジスト島を画定するために使用されるリソグラフィープロセスという変動性を考慮した、より精度の高いレジストトリムプロセスが実行され得る。
【0044】
別の例では、レジストトリミングを行わずにレジスト硬化が要求される。それ故、粒子照射前のCDと粒子照射後のCDに対応する欄に同じCD値が入力される。それから、プログラムは、粒子のドーズ量、粒子のエネルギー、傾斜角等を含むレシピを出力し、そのレシピは、レジスト島のCDを実質的に減少させることなく、レジストが硬化されるように設定される。この例では、照射前と照射後のCD値が、上述したように、名目上のCD値又は測定された実際のCD値のどちらにも基づくこともできる。
【0045】
別の例では、コンピュータシステムが、レジストの熱量に基づき粒子照射パラメータのセットを出力するよう設定される。例えば、メニューは、図2cに関して上述したように、粒子照射の次に実行されるサイドウォール積層プロセスでのサイドウォール積層温度及び持続時間の値を受けるように規定される。より高温でかつ持続時間の長いサイドウォールプロセスでは、ユーザーは、レジストが高い熱量に耐えなければならないことを示唆するようなパラメータを入力し、プログラムは、図3aに示すような「完全に硬化した」レジスト構造を形成するように設定した粒子照射パラメータを出力する。より低温でかつ持続時間の短いサイドウォールプロセスでは、プログラムは、図3bに示すような「部分的に硬化した」レジスト構造を形成するように設定した粒子照射パラメータを出力する。
【0046】
基板のパターニングに関する本技術は、いくつかの有利な点を提供している。例えば、粒子224をレジスト218にどのように取り込ませるかを制御することにより、レジスト218の特徴を正確に制御できる。粒子224を取り込むことにより、本技術ではレジスト218を硬化させ、レジスト218がエッチングや積層といったデバイスの製造に含まれるプロセスに関連する極端な条件でも耐え得るようにしている。加えて、粒子224がレジスト島218に取り込まれる角度によって、パターンを施したレジスト島218の特徴を、対称又は非対称に変更できる。例えば、粒子224の入射角は、レジスト218が優先的に横方向に縮小するよう、つまりレジストの高さよりも幅が減少することを示すよう、制御される。例えば、上面イメージングレジスト又は上部をコーティングしたレジストが使用される場合、レジストの側部は異なるものでもよく、垂直方向よりも水平方向が縮小するよう、順に注入される。いくつかの実施形態では、4つの粒子照射の一連を使用することで、レジストの上面では有効に4つの照射が「当たる」一方、サイドウォールは2つの照射のみが当たる。基板のねじりを利用する場合、2つの照射は、レジスト島218の4つ全ての側面(レジスト島218の背面は示されていない)をさらすよう、使用されてもよい。レジスト島218の全ての側面をさらすように2つの粒子照射が使用される場合、上面は両方の照射に当たる一方、それぞれのレジストのサイドウォールは1つの照射のみが当たる。傾斜角が十分に大きい場合、上面の相対的なエッチングレートは、側面のエッチングレートと比べて大幅に異なってもよく、それが上記した島218の横方向の縮小差を導くことになる。また、所望であれば、非対称な硬度を生じさせるよう、入射角を制御してもよい。
【0047】
その上、非荷電又は不活性の粒子を取り込ませる場合には、レジスト218の下の層の電気的特性に不利な影響を与えることなく、レジスト島218の特徴を変化させることができる。加えて、レジスト218のポリマーと粒子224の間の相互作用を注意深く管理することによって、レジスト218は、従来、使用されているような一又は二以上のエッチングトリミング工程に変わる限界寸法の縮小プロセスに使用され得る。その上、EUV又は軟X線フォトリソグラフィープロセスに付随する不利な光学的影響を避けられる。上記したプロセスでは、より多くの一様なレジスト島218構造が形成される。さらに、従来のSADPLプロセスに付随する多数の積層及びエッチングプロセスが、本技術によって避けられる。このようにして、本発明は、より単純な積層フローとより低いコストの実現を提案するものである。
【0048】
ここに、パターニングプロセスに関する今までにない独創的な技術が開示された。本開示は、ここで説明した特定の実施形態によって、その範囲が制限されるものではない。実際、ここで説明したものに加えて、本開示の他の様々な実施形態や変更されたものが、前述の説明や添付図面から当業者には明らかになるであろう。例えば、上記した本発明の実施形態は、ACL層とSiON層を含む処理層の積層体に向けられてきたが、本発明はその層がなくとも、さらに追加の層があっても実施することができる。それ故、そのような他の実施形態及び変更したものは、本開示の範囲に収まることを意味する。さらに、ここでは、特定の目的のため特定の環境で特定の実施に関連して、本開示を説明してきたが、当業者は、その実用性がそれに制限されず、本開示がいくつもの目的のためいくつもの環境で有益に実施され得ることを認識するであろう。それ故、以下で説明する請求項は、十分な幅とここで説明したような本開示の精神を考慮して、理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するレジストフィーチャー間の第1ピッチと第1ギャップ幅により画定されるレジストフィーチャーの配列を設け、各レジストフィーチャーが上部及び側部を有する工程と、
前記レジストフィーチャーの配列に粒子を取り込ませ、前記レジストフィーチャーの配列が硬化する工程と、
前記硬化したレジストフィーチャーの配列の前記側部にサイドウォールを設ける工程と、
前記硬化したレジストフィーチャーの配列を除去し、前記基板上に配置され、分離したサイドウォールの配列が形成される工程と、を具える基板のパターニング方法。
【請求項2】
前記サイドウォールを設ける工程は、
前記上部及び前記側部にスペーサー層を設ける工程、及び、前記スペーサー層の一部を除去し、前記上部及び前記基板を露出する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記基板の露出した部分をエッチングする工程と、
前記サイドウォールを除去する工程と、をさらに具え、
前記エッチングされた基板が、前記第1ピッチの半分に相当する第2ピッチをもつ基板フィーチャーの配列を有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板が、
第1表面からなる上面を有するSiON材料を含む上層と、
該上層の下に配置されたカーボン材料を含む中間層と、
該中間層の下に配置されたハードマスク層と、
該ハードマスク層の下に配置された前記基板の下部と、
該基板の下部の下に配置された前記基板の底部と、を具える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板がシリコンウエハーからなり、
前記下部が、ポリシリコン層、金属層及び絶縁層のうちの一種又は二種以上を含み、
前記基板フィーチャーの配列が、ポリシリコン、金属及び絶縁物のうちの一種又は二種以上を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記粒子は、荷電粒子及び非荷電粒子のうちの一種であって、前記粒子が亜原子粒子、原子粒子及び分子粒子のうちの一種である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子は、ビームラインイオン注入方式、プラズマアシスト添加(PLAD)方式、プラズマイオン注入(PILL)方式、ファーネス、化学気相成長(CVD)方式、プラズマ化学気相成長(PECVD)方式、原子層成長(ALD)方式及び分子線エピタキシー(MBE)方式のうちの一つの手段によって、前記レジストフィーチャーの配列に取り込まれる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記粒子は、パターンの施されたレジストに取り込まれる際、およそ100eV〜100keVの範囲の運動エネルギーを有する請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子は、前記基板に対して傾斜角をもって取り込まれる請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子が、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン (Xe)、ラドン(Rn)、窒素(N)、酸素(O)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、水素(H)、炭素(C)、 鉄(Fe), リチウム(Li)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni), ヒ素(As)及びカルボランのうちの一種である請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記基板がシリコンを含み、前記粒子がヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン (Xe)、ラドン(Rn)、窒素(N)及び酸素(O) のうちの一種である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記粒子の運動エネルギー及び前記傾斜角を設定して、前記側部と前記上部に沿って配置される硬化した外周部と、該外周部及び前記基板により画定される領域の内側に配置される実質的には硬化していない内部とを有する硬化したレジストフィーチャーを形成する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記粒子の運動エネルギー及び前記傾斜角を設定して、前記レジストフィーチャーの限界寸法の大幅な縮小をもたらし、前記粒子が前記レジストフィーチャーの配列に取り込まれた後、隣接する前記レジストフィーチャーは、第1ギャップ幅よりも大きい第2ギャップ幅によって分離される請求項9に記載の方法。
【請求項14】
第1ピリオドの間に、前記粒子が前記基板に対して第1ねじり角をもって取り込まれる請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第1ピリオドの後、これに続く一又は二以上の各ピリオドにおいて、第2ねじり角を形成するため前記基板が回転され、該第2ねじり角は、第1ねじり角との間に0°以上〜およそ90°の角度を形成する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記基板が、
前記第1表面からなる上面を有する反射防止層と、
該反射防止層の下に配置されたSiON材料を含む上層と、
該上層の下に配置されたカーボン材料を含む中間層と、
該中間層の下に配置されたハードマスク層と、
該ハードマスク層の下に配置された前記基板の下部と、
該基板の下部の下に配置された前記基板の底部と、を具える請求項3に記載の方法。
【請求項17】
隣接するレジストフィーチャー間の第1ピッチと少なくとも第1ギャップ幅により画定されるレジストフィーチャーの配列を設け、各レジストフィーチャーが上部及び側部を有する工程と、
傾斜角がおよそ5〜85°、ねじり角がおよそ5〜85°で粒子の流束を受けるよう基板を設定する工程と、
高温でのプロセスに耐えうるレジストフィーチャーの硬化した外周部の層を形成するのに十分な粒子の運動エネルギー及びドーズ量を規定する工程と、
前記レジストフィーチャーの限界寸法の大幅な縮小をもたらすよう十分な粒子の流束を規定し、粒子の流束にさらされた後、隣接する前記レジストフィーチャーが前記第1ギャップ幅よりも大きい第2ギャップ幅によって分離される工程と、を具える基板のパターニング方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記レジストフィーチャーの縮小が横方向優先となるよう前記傾斜角及びねじり角を設定する工程、及び
レジストフィーチャーの硬さが非対称になるよう前記傾斜角及びねじり角を設定する工程、のうち一又は二以上をさらに具える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
レジストフィーチャーの配列についてCD値のセットを受けるように設定され、該レジストフィーチャーの配列が隣接するレジストフィーチャー間の第1ピッチと少なくとも第1ギャップ幅により画定され、各レジストフィーチャーが上部及び側部を有するユーザーインターフェイスと、
CD値の該セットに基づき、粒子照射パラメータのセットをディスプレイに出力する操作が可能であり、該照射パラメータが、基板との傾斜角、基板とのねじり角、粒子のエネルギー及び粒子のドーズ量のうちの一又は二以上を含むプログラムと、を具える基板のパターニングを制御するためのコンピュータシステム。
【請求項20】
前記コンピュータシステムが、粒子照射を実行するために設定されたツールへ前記照射パラメータを自動的に出力するよう設定された請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項21】
前記ユーザーインターフェイスが、さらに熱パラメータのセットを受けるように設定され、前記プログラムが、該熱パラメータにより前記粒子照射パラメータを調整するように設定された請求項19記載のコンピュータシステム。
【請求項1】
隣接するレジストフィーチャー間の第1ピッチと第1ギャップ幅により画定されるレジストフィーチャーの配列を設け、各レジストフィーチャーが上部及び側部を有する工程と、
前記レジストフィーチャーの配列に粒子を取り込ませ、前記レジストフィーチャーの配列が硬化する工程と、
前記硬化したレジストフィーチャーの配列の前記側部にサイドウォールを設ける工程と、
前記硬化したレジストフィーチャーの配列を除去し、前記基板上に配置され、分離したサイドウォールの配列が形成される工程と、を具える基板のパターニング方法。
【請求項2】
前記サイドウォールを設ける工程は、
前記上部及び前記側部にスペーサー層を設ける工程、及び、前記スペーサー層の一部を除去し、前記上部及び前記基板を露出する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記基板の露出した部分をエッチングする工程と、
前記サイドウォールを除去する工程と、をさらに具え、
前記エッチングされた基板が、前記第1ピッチの半分に相当する第2ピッチをもつ基板フィーチャーの配列を有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板が、
第1表面からなる上面を有するSiON材料を含む上層と、
該上層の下に配置されたカーボン材料を含む中間層と、
該中間層の下に配置されたハードマスク層と、
該ハードマスク層の下に配置された前記基板の下部と、
該基板の下部の下に配置された前記基板の底部と、を具える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板がシリコンウエハーからなり、
前記下部が、ポリシリコン層、金属層及び絶縁層のうちの一種又は二種以上を含み、
前記基板フィーチャーの配列が、ポリシリコン、金属及び絶縁物のうちの一種又は二種以上を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記粒子は、荷電粒子及び非荷電粒子のうちの一種であって、前記粒子が亜原子粒子、原子粒子及び分子粒子のうちの一種である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子は、ビームラインイオン注入方式、プラズマアシスト添加(PLAD)方式、プラズマイオン注入(PILL)方式、ファーネス、化学気相成長(CVD)方式、プラズマ化学気相成長(PECVD)方式、原子層成長(ALD)方式及び分子線エピタキシー(MBE)方式のうちの一つの手段によって、前記レジストフィーチャーの配列に取り込まれる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記粒子は、パターンの施されたレジストに取り込まれる際、およそ100eV〜100keVの範囲の運動エネルギーを有する請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子は、前記基板に対して傾斜角をもって取り込まれる請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子が、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン (Xe)、ラドン(Rn)、窒素(N)、酸素(O)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、水素(H)、炭素(C)、 鉄(Fe), リチウム(Li)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni), ヒ素(As)及びカルボランのうちの一種である請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記基板がシリコンを含み、前記粒子がヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン (Xe)、ラドン(Rn)、窒素(N)及び酸素(O) のうちの一種である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記粒子の運動エネルギー及び前記傾斜角を設定して、前記側部と前記上部に沿って配置される硬化した外周部と、該外周部及び前記基板により画定される領域の内側に配置される実質的には硬化していない内部とを有する硬化したレジストフィーチャーを形成する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記粒子の運動エネルギー及び前記傾斜角を設定して、前記レジストフィーチャーの限界寸法の大幅な縮小をもたらし、前記粒子が前記レジストフィーチャーの配列に取り込まれた後、隣接する前記レジストフィーチャーは、第1ギャップ幅よりも大きい第2ギャップ幅によって分離される請求項9に記載の方法。
【請求項14】
第1ピリオドの間に、前記粒子が前記基板に対して第1ねじり角をもって取り込まれる請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第1ピリオドの後、これに続く一又は二以上の各ピリオドにおいて、第2ねじり角を形成するため前記基板が回転され、該第2ねじり角は、第1ねじり角との間に0°以上〜およそ90°の角度を形成する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記基板が、
前記第1表面からなる上面を有する反射防止層と、
該反射防止層の下に配置されたSiON材料を含む上層と、
該上層の下に配置されたカーボン材料を含む中間層と、
該中間層の下に配置されたハードマスク層と、
該ハードマスク層の下に配置された前記基板の下部と、
該基板の下部の下に配置された前記基板の底部と、を具える請求項3に記載の方法。
【請求項17】
隣接するレジストフィーチャー間の第1ピッチと少なくとも第1ギャップ幅により画定されるレジストフィーチャーの配列を設け、各レジストフィーチャーが上部及び側部を有する工程と、
傾斜角がおよそ5〜85°、ねじり角がおよそ5〜85°で粒子の流束を受けるよう基板を設定する工程と、
高温でのプロセスに耐えうるレジストフィーチャーの硬化した外周部の層を形成するのに十分な粒子の運動エネルギー及びドーズ量を規定する工程と、
前記レジストフィーチャーの限界寸法の大幅な縮小をもたらすよう十分な粒子の流束を規定し、粒子の流束にさらされた後、隣接する前記レジストフィーチャーが前記第1ギャップ幅よりも大きい第2ギャップ幅によって分離される工程と、を具える基板のパターニング方法。
【請求項18】
前記方法は、
前記レジストフィーチャーの縮小が横方向優先となるよう前記傾斜角及びねじり角を設定する工程、及び
レジストフィーチャーの硬さが非対称になるよう前記傾斜角及びねじり角を設定する工程、のうち一又は二以上をさらに具える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
レジストフィーチャーの配列についてCD値のセットを受けるように設定され、該レジストフィーチャーの配列が隣接するレジストフィーチャー間の第1ピッチと少なくとも第1ギャップ幅により画定され、各レジストフィーチャーが上部及び側部を有するユーザーインターフェイスと、
CD値の該セットに基づき、粒子照射パラメータのセットをディスプレイに出力する操作が可能であり、該照射パラメータが、基板との傾斜角、基板とのねじり角、粒子のエネルギー及び粒子のドーズ量のうちの一又は二以上を含むプログラムと、を具える基板のパターニングを制御するためのコンピュータシステム。
【請求項20】
前記コンピュータシステムが、粒子照射を実行するために設定されたツールへ前記照射パラメータを自動的に出力するよう設定された請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項21】
前記ユーザーインターフェイスが、さらに熱パラメータのセットを受けるように設定され、前記プログラムが、該熱パラメータにより前記粒子照射パラメータを調整するように設定された請求項19記載のコンピュータシステム。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図1i】
【図1j】
【図1k】
【図2a】
【図2a1】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図3a】
【図3b】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図1i】
【図1j】
【図1k】
【図2a】
【図2a1】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図3a】
【図3b】
【公表番号】特表2013−502726(P2013−502726A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525726(P2012−525726)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/046146
【国際公開番号】WO2011/022635
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(500239188)ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/046146
【国際公開番号】WO2011/022635
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(500239188)ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】
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