説明

基板の接続方法

【課題】基板間の距離を簡便に確認することができる基板の接続方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る基板の接続方法は、第1の面を有する第1基板と、前記第1の面に位置する電極と、前記第1の面に位置する第1樹脂突起と、前記電極と接続し、前記第1樹脂突起の第1の部分を覆う配線と、前記第1の面の検査領域に位置し、前記第1の面からの高さが前記第1樹脂突起よりも低い第2樹脂突起と、を含む第1構造体と、光透過性の材質からなり、第2の面を有する第2基板と、前記第2の面に位置する電気的接続部と、を含む第2構造体と、を用意する工程と、前記第1の面と前記第2の面とが対向するように、前記第1構造体および前記第2構造体を配置し、前記第1樹脂突起上の前記配線と前記電気的接続部を接続する工程と、前記第2樹脂突起と前記第2の面との接触の有無を確認することで、前記第1基板と前記第2基板との距離を確認する検査工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置等の電子部品では、配線基板となるガラス基板に、集積回路が搭載された半導体基板が接続(COG実装)されている。このような半導体基板には、樹脂突起と、その上に形成された複数の配線から構成された外部端子を設けることが知られている(特許文献1)。このような半導体基板を用いることで、外部端子をガラス基板に押し当てて電気的に接続する押圧工程において、外部端子の樹脂突起の弾性力でもって物理的ダメージを回避しながら半導体基板を配線基板に電気的に接続することができる。電子部品の製造工程では、当該半導体基板と配線基板との電気的接続の信頼性を担保することが重要となる。
【0003】
特許文献1には、半導体基板と配線基板との接続信頼性を確保するため、ダミー樹脂突起を半導体基板側に設け、確認用マークを配線基板側に設け、確認工程でダミー樹脂突起の潰れ度合いを確認することにより、半導体基板と配線基板との間の距離を測定し、接続信頼性を担保する方法が開示される。しかしながら、このような確認方法では、ダミー樹脂突起の中心位置が配線基板側の確認用マークの中心位置と一致する必要があるため、高いアライメント精度が要求される。したがって、商業的な製造ラインで採用した場合、半導体基板と配線基板との間の距離を測定する検査工程において、歩留まりが低下する可能性がある。
【0004】
以上から、例えば上述された電子部品等の製造方法において、より容易に基板間の距離を確認し、電子部品の電気的接続信頼性を担保することができる、基板の接続方法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−182008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、基板間の距離を簡便に確認することができる基板の接続方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本形態に係る基板の接続方法は、第1の面を有する第1基板と、前記第1の面に位置する電極と、前記第1の面に位置する第1樹脂突起と、前記電極と接続し、前記第1樹脂突起の第1の部分を覆う配線と、前記第1の面の検査領域に位置し、前記第1の面からの高さが前記第1樹脂突起よりも低い第2樹脂突起と、を含む第1構造体と、光透過性の材質からなり、第2の面を有する第2基板と、前記第2の面に位置する電気的接続部と、を含む第2構造体と、を用意する工程と、前記第1の面と前記第2の面とが対向するように、前記第1構造体および前記第2構造体を配置し、前記第1樹脂突起上の前記配線と前記電気的接続部を接続する工程と、前記第2樹脂突起と前記第2の面との接触の有無を確認することで、前記第1基板と前記第2基板との距離を確認する検査工程と、を有する。
【0008】
本発明によれば、基板間の距離を簡便に確認することができる基板の接続方法を提供することができる。
【0009】
なお、本発明に係る記載では、「〜の上」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「A」という)の「上」に他の特定のもの(以下「B」という)を形成する」等と用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「〜の上」という文言を用いている。同様に、「〜の下」という文言は、A下に直接Bを形成するような場合と、A下に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとする。
【0010】
(2)本形態に係る基板の接続方法において、前記第1構造体は、前記第1の面の前記検査領域に位置し、前記第1の面からの高さが、前記第2樹脂突起よりも高く、かつ、前記第1樹脂突起よりも低い第3樹脂突起を含み、前記第1基板と前記第2基板との距離を確認する工程は、前記第3樹脂突起と前記第2の面との接触の有無を確認することを含んでもよい。
【0011】
これによれば、より定量的に基板間の距離を確認することができる。
【0012】
(3)本形態に係る基板の接続方法において、前記第1構造体は、前記第1の面の前記検査領域に位置し、前記第1の面からの高さが前記第1樹脂突起よりも高い第4樹脂突起を含み、前記第1基板と前記第2基板との距離を確認する工程は、前記第4樹脂突起と前記第2の面との接触の有無を確認することを含んでもよい。これによれば、より定量的に基板間の距離を確認することができる。
【0013】
(4)本形態に係る基板の接続方法において、前記第1基板の前記第1の面は4つの角部を有する矩形であり、前記検査領域は、前記角部にそれぞれ設けられてもよい。
【0014】
これによれば、第2基板に対する第1基板の平坦度を確認することができる。
【0015】
(5)本形態に係る基板の接続方法において、前記配線と前記電気的接続部を接続する工程は、前記第1構造体と前記第2構造体との間に接着剤を設けることを含み、前記第1基板の前記第1の面は長辺及び前記長辺よりも短い短辺を有する矩形であり、前記第1樹脂突起は、前記第1の面の前記長辺に沿った第1方向に沿って形成され、前記検査領域は、前記第1方向に沿って前記第1樹脂突起と並設されてもよい。
【0016】
これによれば、接着剤の排出性を向上させることができる。
【0017】
(6)本形態に係る基板の接続方法において、前記配線と前記電気的接続部を接続する工程は、前記第1構造体と前記第2構造体との間に接着剤を設けることを含み、前記第1基板の前記第1の面は矩形であり、前記検査領域は、前記第1の面の辺と前記第1樹脂突起との間に設けられ、前記第2樹脂突起は、前記辺と前記第1樹脂突起の前記第1の部分との間に配置されてもよい。
【0018】
これによれば、接着剤の排出性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る基板の接続方法のフローチャート。
【図2】第1の実施形態に係る基板の接続方法を模式的に説明する図。
【図3】第1の実施形態に係る基板の接続方法を模式的に説明する図。
【図4】第1の実施形態に係る基板の接続方法を模式的に説明する図。
【図5】第1の実施形態に係る基板の接続方法を模式的に説明する図。
【図6】本実施形態に係る基板の接続方法を適用した電子部品の一例を模式的に示す斜視図。
【図7】第2の実施形態に係る基板の接続方法を模式的に説明する図。
【図8】第2の実施形態に係る基板の接続方法を模式的に説明する図。
【図9】第3の実施形態に係る基板の接続方法を模式的に説明する図。
【図10】第3の実施形態に係る基板の接続方法を模式的に説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明を適用した実施形態の一例について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。本発明は、以下の実施形態及びその変形例を自由に組み合わせたものを含むものとする。
【0021】
1. 第1の実施形態
以下、図面を参照して、本実施形態に係る基板の接続方法について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る基板の接続方法のフローチャートであり、図2(A)〜図5(B)は、本実施形態に係る基板の接続方法の一例を模式的に説明する要部の平面図及び断面図である。
【0023】
本実施形態に係る基板の接続方法は、図1に示すように、第1構造体及び第2構造体を準備する工程(S1)と、第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)と、検査工程(S3)と、を有する。
【0024】
第1構造体及び第2構造体を準備する工程(S1)は、図2(A)〜図4(A)に示すように、第1構造体50を準備する工程(S1−1)と、第2構造体80を準備する工程(S1−2)と、を含む。
【0025】
図2(A)は、準備される第1構造体50を模式的に説明する平面図であり、図2(B)は、図2(A)のIIB−IIB線における断面図であり、図2(C)は、図2(A)のIIC−IIC線における断面図であり、図2(D)は、図2(A)のIID−IID線における断面図である。図3(A)〜図3(D)は、図2(A)〜図2(D)に示す第1構造体50を準備する工程(製造する工程)の一例を模式的に説明する断面図であり、図2(B)に対応する。
【0026】
第1構造体50を準備する工程(S1−1)において準備される第1構造体50は、図2(A)〜図2(C)に示すように、第1の面11を有する第1基板10と、第1の面11に位置する電極14と、第1の面11の上方に位置する第1樹脂突起20と、電極14と接続し、第1樹脂突起20の少なくとも一部を覆う配線30と、第1の面11の上方の検査領域40に位置し、第1の面11(または、絶縁膜16の上面16b)からの高さが第1樹脂突起20よりも低い第2樹脂突起41と、を含む。
【0027】
図2(A)に示すように、準備される第1基板10は、後述される電極14等が設けられる第1の面11を有する。第1の面11は、例えば、長手方向の2つの長辺10aと短手方向の2つの短辺10b(長手方向の辺よりも短い辺)とを有してもよい。第1の面11は、長辺10aと短辺10bとが形成する4つの角部10bを有する矩形であってもよい。第1基板10はチップ状をなしてもよい。
【0028】
第1基板10の材質は、特に限定されず、シリコン基板、ガラス基板、セラミックス基板、プラスチック基板等を挙げることができる。また、第1基板10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基板又はフィルムであってもよい。あるいは、第1基板10は、ポリイミド樹脂からなるフレキシブル基板を使用してもよい。第1基板10に、フレキシブル基板としてFPC(Flexible Printed Circuit)や、TAB(Tape Automated Bonding)技術で使用されるテープ基板を使用してもよい。
【0029】
第1基板10は、図2(A)に示すように、集積回路1が形成されている半導体基板であってもよい。集積回路1の構成は特に限定されないが、例えば、トランジスター等の能動素子や、抵抗、コイル、コンデンサー等の受動素子を含んでもよい。あるいは、第1基板10は、複数の第1基板10からなる半導体ウエハーであってもよい。
【0030】
図2(A)に示すように、準備される第1基板10の第1の面11には、検査領域40が設けられる。検査領域40は、その上方に後述される第2樹脂突起41が位置する領域であって、検査工程(S3)において、視覚的な検査を行うために設計上で設けられる仮想領域である。
【0031】
検査領域40が設けられる領域は、特に限定されない。例えば、第1の面11には、1つの検査領域40が設けられてもよい(図示せず)。また、例えば、図2(A)に示すように、第1の面11には、複数の検査領域40が設けられてもよい。例えば、検査領域40は、第1基板10の角部10bにそれぞれ設けられてもよい。また、例えば、検査領域40は、第1の面11の中央領域(集積回路1の上方)に配置されてもよい。また、例えば、図2(A)に示すように、後述される第1樹脂突起20が、前記第1の面の長辺に沿った方向Aに沿って形成されている場合、検査領域40は、方向Aに沿って第1樹脂突起20と並設されてもよい。また、例えば、図2(A)に示すように、検査領域40は、第1の面11の辺(例えば、長辺10a)と後述される第1樹脂突起20との間に設けられてもよい。
【0032】
図2(A)及び図2(B)に示すように、第1基板10は、第1の面11上に電極14が位置する。電極14は、第1基板10の内部に形成された集積回路1と内部配線(図示せず)によって電気的に接続されてもよい。電極14は、第1基板10の内部配線の一部であってもよい。第1の面11には、複数の電極14が設けられてもよい。複数の電極14は、図2(A)第1基板10の周縁部(例えば、長辺10a)に沿って設けられてもよい。電極14の材質は、導電性を有する限り、特に限定されない。例えば、電極14は、アルミニウム(Al)又は銅(Cu)等の金属で形成されてもよい。電極14は、単層の導電層であってもよいし、アルミニウム等の金属拡散を防止するバリア層を含む、複数の導電層の積層体であってもよい。
【0033】
図2(B)に示すように、第1基板10の第1の面11の上に絶縁膜16が設けられてもよい。絶縁膜16はパッシベーション膜であってもよい。絶縁膜16は、第1基板10の第1の面11側の面とは反対側の上面16bを有する。絶縁膜16は、電極14の少なくとも一部を、それぞれ露出させるように形成される。つまりは、絶縁膜16は、電極14とオーバーラップする位置に開口部16aを有する。絶縁膜16は、電気的絶縁性を有する膜であれば、特に限定されない。例えば、絶縁膜16は、SiOやSiN等の無機絶縁膜であってもよい。あるいは、絶縁膜16は、ポリイミド樹脂等の有機絶縁膜であってもよい。
【0034】
第1構造体50を準備する工程(S1−1)は、図3(A)〜図3(D)に示すように、第1の面11の上方(上面16b)に、第1樹脂突起20および第2樹脂突起41を形成する工程を含む。この工程は、電極14が露出した絶縁膜16の上面16bに、樹脂前駆体組成物からなる樹脂材質膜26を形成する工程(図3(A)及び図3(B)参照)と、樹脂材質膜26をパターニングする工程(図3(C)参照)と、パターニング後、熱処理する工程(図3(D)参照)と、を含む。
【0035】
図3(B)に示すように、電極14及び絶縁膜16の上に、樹脂前駆体組成物からなる樹脂材質膜26が形成する。樹脂材質膜26は、熱硬化性を有した熱硬化性樹脂組成物であってもよいし、感光性を有した感光性樹脂組成物であってもよい。以下の本実施形態では、感光性を有した樹脂材質膜26を用いた場合の製造方法の一例について説明する。
【0036】
樹脂材質膜26は、半導体装置10の第1の面11の上方において全面に塗布されて形成されてもよい。また、樹脂材質膜26は、塗布された後、プリベークされてもよい。また、樹脂材質膜26は、例えばシート状物であってもよい。樹脂材質膜26は、ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB;benzocyclobutene)、ポリベンゾオキサゾール(PBO;polybenzoxazole)、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の樹脂であってもよい。
【0037】
次に、パターニング工程においては、図3(C)に示すように、樹脂材質膜26の樹脂突起を形成する領域の上に所望の形状を有したマスク層(図示せず)を形成し、露光装置(図示せず)によって露光した後、現像液によって現像し、パターニングを行って、第1樹脂層27および第2樹脂層45を形成する。第1樹脂層27は、キュアリングの後に第1樹脂突起20となる樹脂層であり、第2樹脂層45は、キュアリングの後に第2樹脂突起41となる樹脂層である。第1樹脂層27は、電極14と隣り合うように形成される。図示はされないが、第1樹脂層27は、例えば、第1の面11の長辺に沿って延びるように形成されてもよい。また、第2樹脂層45は、第1の面11の検査領域40に形成される。このパターニング工程では、図3(C)に示すように、第1樹脂層27の幅W1(例えば、第1樹脂層27が延びる方向における幅)よりも第2樹脂層45の幅W2が小さくなるようにパターニングを行う。
【0038】
本工程における露光現像処理は、公知のフォトリソグラフィー技術を用いることができる。例えば、樹脂材質膜26がポジ型のレジストである場合、マスク層(図示せず)は、樹脂突起20が形成される領域において、樹脂材質膜26が露光処理されるように配置される。また、樹脂材質膜26がネガ型のレジストである場合は、樹脂突起20が形成される領域においてマスク層が配置されてもよい。
【0039】
次に、熱処理する工程においては、図3(D)に示すように、第1樹脂層27および第2樹脂層45を加熱する熱処理(キュアリング)をすることによって、変形させる工程をさらに含む。加熱する手段は特に限定されず、図示しない熱源から赤外線を照射することによって加熱してもよい。第1樹脂層27および第2樹脂層45は、加熱されることによって粘性が低下し、それぞれの自重と表面張力の作用によって、形状を変形することができる。その結果、図3(D)に示すように、上面形状が滑らかな曲線を有し、その断面が略半円形状である第1樹脂突起20および第2樹脂突起41が形成される。
【0040】
ここで、先のパターニング工程において、第1樹脂層27の幅W1(例えば、第1樹脂層27が延びる方向における幅)よりも第2樹脂層45の幅W2が小さくなるようにパターニングが行われている。これにより、図2(C)および図3(D)に示すように、第2樹脂突起41の第1の面11(または、絶縁層16の上面16b)からの高さh1(最も厚みを有する部分の厚さ)を、第1樹脂突起20の第1の面11(または、絶縁層16の上面16b)からの高さH1(最も厚みを有する部分の厚さ)よりも低く形成することができる。
【0041】
第2樹脂突起41の第1の面11(または、絶縁層16の上面16b)からの高さh1は、後述される第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)において、押圧力が過多となり、第1基板10と第2基板60との基板間の距離が適正範囲を超えた場合に、第2基板60と接触する高さとなるように設定される。詳細は後述される。
【0042】
第1の面11に複数の検査領域40が設けられる場合、図2(A)に示すように、第2樹脂突起41は、各検査領域40にそれぞれ設けられる。
【0043】
また、ここで、図2(D)に示すように、第1樹脂突起20は、後述される配線30に覆われる第1の部分21と配線30が形成されない第2の部分22を有してもよい。ここで、配線30が形成されない第2の部分22には、後述される第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)において用いられる接着剤90の押圧工程における排出性を向上させるため、上面が削られて凹部24が形成されてもよい。これによれば、図2(A)の矢印B方向における接着剤90の排出性が向上する。
【0044】
このとき、図2(A)に示すように、検査領域40が、第1の面11の辺(例えば、長辺10a)と第1樹脂突起20との間に設けられる場合、第2樹脂突起41は、第1の面11の辺と第1樹脂突起20の配線30に覆われた部分(第1の部分21)との間に配置される。言い換えれば、第2樹脂突起41は、第1の面11の辺と第1樹脂突起20の第2の部分22との間の領域は避けて配置される。これによれば、第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)において、接着剤の排出性が阻害されないため、電子部品の信頼性を向上させることができる。
【0045】
また、例えば、図2(A)に示すように、検査領域40が、第1樹脂突起20が延びる方向Aに沿って、第1樹脂突起20と並設される場合、第2樹脂突起41は、第1樹脂突起20と方向Aにおいて並設される。これによれば、第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)において、方向Aに沿った接着剤の排出性が阻害されないため、電子部品の信頼性を向上させることができる。
【0046】
次に、第1構造体50を準備する工程(S1−1)は、図2(A)及び図2(B)に示すように、絶縁膜16の上面16bに、電極14と接続し、第1樹脂突起20の少なくとも一部を覆う配線30を形成する工程を含む。配線30の形状は特に限定されない。例えば、図2(A)に示すように、第1樹脂突起20が延びる方向Cと直交する方向に延びるように形成されてもよい。
【0047】
ここで、図2(B)に示すように、配線30は、複数の導電層の積層体であってもよい。したがって、配線30を形成する工程は、第1の導電層31と第2の導電層32を積層して成膜し、所望の形状にパターニングする工程を含んでもよい。また、図示はされないが、配線30は単層であってもよいし、図示されない第3の導電層を含んでもよい。
【0048】
第1の導電層31及び第2の導電層32の成膜方法は特に限定されず、公知の成膜技術を用いることができる。例えば、第1の導電層31及び第2の導電層32は、スパッタ法にて形成してもよい。また、パターニングする方法は特に限定されず、所望のレジストを形成し、公知のフォトリソグラフィー技術によりパターニングしてもよい。
【0049】
第1の導電層31の材質は、例えば、絶縁膜16の材質と密着性の高い導電性の材質から選択され、第2の導電層32の材質は、第1の導電層31よりも良好な導電性を有する材質から選択されてもよい。具体的には、第1の導電層31は、チタンタングステン(TiW)、チタン(Ti)及びニッケルクロム合金(Ni−Cr)などの少なくとも1つを含む層であってもよい。第2の導電層32は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)及び銅(Cu)などの少なくとも1つを含む層であってもよい。
【0050】
以上から、図2(A)〜図2(C)に示す第1構造体50を準備することができる。
【0051】
次に、図4(A)は、第2構造体80を準備する工程(S1−2)において準備される第2構造体80の一部を模式的に示す断面図である。
【0052】
準備される第2構造体80は、図4(A)に示すように、光透過性の材質からなり、第2の面61を有する第2基板60と、第2の面61の上方に位置した電気的接続部71と、を含む。
【0053】
第2基板60は、光透過性を有する材質からなる基板であれば特に限定されない。例えば、第2基板60の材質は、無機系の材質であることができる。このとき、第2基板60は、ガラス基板やセラミックス基板であってもよい。あるいは、第2基板60は、有機系の材質であってもよく、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基板又はフィルムであってもよい。あるいは、第2基板60としてポリイミド樹脂からなるフレキシブル基板を使用してもよい。フレキシブル基板としてFPC(Flexible Printed Circuit)や、TAB(Tape Automated Bonding)技術で使用されるテープを使用してもよい。第2基板60は、電気光学パネル(液晶パネル・エレクトロルミネッセンスパネル等)の一部であってもよい。つまりは、第2基板60は配線基板であってもよい。
【0054】
電気的接続部71は、第2基板60の第2の面61の上に位置した配線パターン70の一部である。配線パターン70は、例えば、液晶を駆動する電極(走査電極、信号電極、対向電極等)に電気的に接続されてもよい。配線パターン70は、ITO(Indium Tin Oxide)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、チタンタングステン(Ti−W)等の金属膜、金属化合物膜、又は、それらの複合膜によって形成されてもよい。また、配線パターン70は、その一部が第2基板60の内側を通るように形成されてもよい。
【0055】
以上から、第2構造体80が準備される。
【0056】
第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)は、図4(A)及び図4(B)に示すように、第1の面11と第2の面61とが対向するように、第1構造体50および第2構造体60を配置する工程(S2−1、図4(A)参照)と、第1樹脂突起20上の配線30と電気的接続部71を押圧力によって接続する工程(S2−2、図4(B)参照)を含む。本工程によって、第1基板10が、第2構造体80に電気的に接続される。
【0057】
本工程は、外部端子である第1樹脂突起20の上の配線30を、第2構造体80の電気的接続部71に押し当てることができる限り、特に限定されない。以下に第1構造体50を第2構造体80に搭載する方法の一例を説明する。
【0058】
図4(A)に示すように、第1構造体50および第2構造体60を配置する工程においては、第1の面11と第2の面61とが対向するように、第1構造体50を第2構造体80上方に配置する。ここで、第1構造体50の第1樹脂突起20の上に形成された配線30と、第2構造体80の配線パターン70(電気的接続部71)とが対向するように位置合わせをする。
【0059】
図4(A)に示すように、第1構造体50の第1の面11と、第2構造体80との間に接着剤90を設ける。本工程では、予め、第2構造体80側に接着剤90を設けてもよいが、特に限定されるものではなく、第1構造体50側に設けられてもよい。接着剤90は、例えば、フィルム状の接着剤を利用してもよい。接着剤90は、絶縁性の接着剤であってもよい。接着剤90は、公知のNCF(Non−conductive Film)接着剤であってもよい。
【0060】
次に、図4(B)に示すように、第1構造体50と第2構造体80との間に押圧力を加えることで押圧して、樹脂突起20上の配線30と配線パターン70(電気的接続部71)とをそれぞれ接触させる。これによれば、押圧力によって、配線30と、第1樹脂突起20を弾性変形させることができる。このとき、第1樹脂突起20の弾性力によって、発生する応力を緩和しつつ、配線30と電気的接続部71(配線パターン70)とを押し付けることができるため、半導体装置の信頼性を低下させることなく、電気的な接続信頼性の高い電子部品を提供することができる。
【0061】
図4(B)に示すように、第1構造体50を第2構造体80に押圧する工程によって、過剰な接着剤が排出され、配線30と電気的接続部71との接触部分以外において、接着剤90が充填された構造となる。
【0062】
次に、第1構造体50を第2構造体80に搭載する工程の後に、接着剤90を硬化させて、接着層を形成してもよい(図示せず)。接着層によって、第1構造体50と第2構造体80との間隔を維持してもよい。すなわち、接着層によって、第1樹脂突起20が弾性変形した状態を維持してもよい。また、図示はされないが、さらに切り出し工程等を経て、本実施の形態に係る第3構造体1000を製造してもよい。切り出し工程は、後述される検査工程(S3)の後であってもよい。
【0063】
本工程において、第1構造体50と第2構造体80との間に加えられる押圧力の量または時間によって、第1基板10と第2基板60との距離D1が決定する。第1構造体50と第2構造体80とが確実に電気的に接続されるためには、本工程における実際の距離D1が適正な数値範囲内であることが要求される。押圧機器やアライメント等の問題から加えられた押圧力が過多となり、実際の距離D1が所定の距離よりも小さい場合、リーク電流の発生など基板間の電気的接続信頼性が低下する可能性がある。
【0064】
次に、検査工程(S3)を行う。図5(A)および図5(B)は本実施形態に係る検査工程(S3)を模式的に説明する平面図である。
【0065】
検査工程(S3)においては、第2樹脂突起41と第2の面61との接触の有無を確認することで、第1基板10と第2基板60との距離を確認する。上述のように、第2樹脂突起41の第1の面11からの高さh1は、第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)において、押圧力が過多となり、第1基板10と第2基板60との基板間の距離D1が適正範囲を超えた場合に、第2基板60の第2の面61と接触する高さとなるように設定されている。また、第2基板60は、光透過性を有する材質からなる基板である。したがって、図5(A)及び図5(B)に示すように、第2基板60の検査領域40と対向する領域を視覚的に検査し、第2樹脂突起41と第2の面61との接触の有無を確認することによって、第1基板10と第2基板60との距離を確認することができる。ここで、第2樹脂突起41と第2の面61との接触の有無を確認する方法は特に限定されず、例えば、レンズ、照明などの光源、およびCCD等を含む光学系(図示せず)を用いてモニタリングすることによって、本実施の形態に係る検査工程を行ってもよい。
【0066】
例えば、図5(A)に示すように、検査領域40の上方において、第2樹脂突起41が第2の面61との接触領域41aを形成していない場合、過剰な押圧力はかからず、基板間の距離D1は適正範囲内であり、潰れすぎた第1樹脂突起20は形成されていないと判断してもよい。言い換えれば、第3構造体1000の電気的接続は、良好であると判断することができる。
【0067】
また、図5(B)に示すように、検査領域40の上方において、第2樹脂突起41が第2の面61との接触領域41aを形成している場合、過剰な押圧力が加わっており、基板間の距離D1は適正範囲を超え、潰れすぎた第1樹脂突起20が形成されていると判断してもよい。言い換えれば、第3構造体1000の電気的接続は不良であると判断することができる。
【0068】
また、例えば、図2(A)に示すように、検査領域40が、4つの角部10cに設けられている場合、4つ角部10cにおける基板間の距離D1を確認することができるため、第2基板60に対する第1基板10の平坦度も確認することができる。
【0069】
以上の工程により、図4(B)に示すように、電気的接続信頼性が担保された第3構造体1000を形成することができる。
【0070】
第3構造体1000は、電子部品であってもよい。図6には、電子部品である第3構造体1000の一例として、表示デバイスである場合の第3構造体1000を示す。表示デバイスは、例えば液晶表示デバイスやEL(Electrical Luminescence)表示デバイスであってもよい。そして、第1構造体50は、表示デバイスである第3構造体1000を制御するドライバーICであってもよい。
【0071】
本実施の形態に係る基板の接続方法は、例えば、以下の特徴を有する。
【0072】
本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、基板間の距離を簡便に確認することができる基板の接続方法を提供することができる。以下、詳細を説明する。
【0073】
本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、第1の基板10の所望の領域に、検査領域40を設け、所定の高さの第2樹脂突起41と第2の面61との接触の有無を確認するだけで、検査工程(S3)を行う。したがって、第1構造体50と、第2構造体80との位置合わせの工程において、第2樹脂突起41に対して、第2構造体50を高いアライメント精度で位置合わせする必要がない。言い換えれば、第2樹脂突起41に対する第2構造体50の位置ずれによる歩留まりの低下の可能性がない。
【0074】
また、本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、検査工程(S3)に必要となる部材は、第1構造体50側において、所定の高さh1を有する第2樹脂突起41を形成する工程のみであり、第2構造体80側において、検査工程(S3)に必要な部材を形成する必要がない。また、第2樹脂突起41は、第1樹脂突起20を形成する工程において、同時に形成することができる。
【0075】
以上から、本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、より簡便に、基板間の距離を簡便に確認することができる基板の接続方法を提供することができる。また、本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、簡便な検査方法により、電気的接続信頼性の高い電子部品等を製造することができる。
【0076】
2. 第2の実施形態
以下、図面を参照して、第2の実施の形態に係る基板の接続方法について説明する。
【0077】
図7(A)は、本実施形態に適用される第1構造体200を模式的に示す平面図であり、図7(B)は、図7(A)に示す第1構造体200のVIIB−VIIB線断面図である。図8(A)〜図8(C)は本実施形態に係る検査工程(S3)を模式的に説明する平面図である。
【0078】
本実施の形態では、準備される第1構造体200が、検査領域40に位置し、第1の面11からの高さh2が、第2樹脂突起41よりも高く、かつ、第1樹脂突起20よりも低い第3樹脂突起42をさらに含む点と、検査工程(S3)において、第3樹脂突起42と第2の面61との接触の有無を確認することをさらに含む点で第1の実施形態と異なる。以下の説明では、第1の実施形態と本実施形態と異なる構成についてのみ説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成と、その製造方法等は、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0079】
検査領域40には、図7(A)及び図7(B)に示すように、第3樹脂突起42が位置している。第3樹脂突起42は、検査領域40において、第2樹脂突起41と第1の面11の辺に沿って隣り合うように形成されてもよい。また、第3樹脂突起42は、4つの角部10cにそれぞれ配置されてもよい。また、第3樹脂突起42は、第1の面11の中央領域に配置されてもよい。また、第3樹脂突起42は、第1の面11の辺と第1樹脂突起20の配線30に覆われた部分(第1の部分21)との間に配置されてもよい。また、第3樹脂突起42は、第1樹脂突起20と方向Aにおいて並設されてもよい。
【0080】
第3樹脂突起42は、図7(B)に示すように、第1の面11(上面16b)からの高さh2が、第2樹脂突起41よりも高く、かつ、第1樹脂突起20よりも低い。ここで、第3樹脂突起42の第1の面11からの高さh2は、第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)において、押圧力が適切に加えられ、第1基板10と第2基板60との基板間の距離D1が適正範囲となった場合に、第3樹脂突起42が第2基板60の第2の面61と接触する高さとなるように設定される。言い換えれば、第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)において、押圧力が不足し、第1基板10と第2基板60との基板間の距離D1が適正範囲となっていない場合には、第3樹脂突起42が第2基板60の第2の面61と接触しない高さとなるようにh2は設定される。
【0081】
第3樹脂突起42は、第1構造体50を準備する工程(S1−1)の第1樹脂突起20および第2樹脂突起41を形成する工程において、同時に形成することができる。具体的には、樹脂材質膜26をパターニングする際、第2樹脂層45よりも大きく、かつ、第1樹脂層27よりも小さい幅を有する第3樹脂層を形成し、該第3樹脂層を熱処理(キュアリング)することによって、第3樹脂突起42を形成してもよい。
【0082】
本実施形態における検査工程(S3)では、図8(A)に示すように、検査領域40の上方において、第3樹脂突起42の第2の面61との接触領域42aが形成され、かつ、第2樹脂突起41が第2の面61と接触していない場合、押圧力は過不足なく加えられ、基板間の距離D1は適正範囲内であり、潰れ度合いが不足している第1樹脂突起20や潰れ過ぎた第1樹脂突起20は形成されていないと判断してもよい。言い換えれば、第3構造体1000の電気的接続は、良好であると判断することができる。
【0083】
また、図8(B)に示すように、検査領域40の上方において、第2樹脂突起41及び第3樹脂突起42の両方ともが第2の面61と接触していない場合、押圧力が不足し、基板間の距離D1は適正範囲に達しておらず、潰れ度合いが不足している第1樹脂突起20が形成されていると判断してもよい。言い換えれば、検査領域40の上方において、第2樹脂突起41が第2の面61との接触領域41aを形成している場合、第3構造体1000の電気的接続は、不良であると判断することができる。
【0084】
また、図8(C)に示すように、検査領域40の上方において、第2樹脂突起41及び第3樹脂突起42の両方ともが第2の面61と接触している場合、押圧力が過多となり、基板間の距離D1は適正範囲に超えており、潰れすぎた第1樹脂突起20が形成されていると判断してもよい。言い換えれば、第3構造体1000の電気的接続は、不良であると判断することができる。
【0085】
本実施の形態に係る基板の接続方法は、例えば、以下の特徴をさらに有する。
【0086】
本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、高さがh2に設定された3樹脂突起42をさらに備えることにより、検査工程(S3)において、押圧力が過不足なく加えられ、基板間の距離D1が適正範囲内である場合(図8(A)参照)と、押圧力が不足し、基板間の距離D1が適正範囲内に達していない場合(図8(B)参照)とを明確に確認することができる。
【0087】
以上から、本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、第1の実施形態の特徴に加えて、より定量的に、基板間の距離を確認することができる基板の接続方法を提供することができる。
【0088】
3. 第3の実施形態
以下、図面を参照して、第3の実施の形態に係る基板の接続方法について説明する。
【0089】
図9(A)は、本実施形態において準備される第1構造体300を模式的に示す平面図であり、図9(B)は、図9(A)に示す第1構造体300のIXB−IXB線断面図である。図10(A)および図10(B)は本実施形態に係る検査工程(S3)を模式的に説明する平面図である。
【0090】
本実施の形態では、準備される第1構造体300が、第1の面11の上方の検査領域40に位置し、第1の面11からの高さが第1樹脂突起20よりも高い第4樹脂突起43をさらに含む点と、検査工程(S3)において、第4樹脂突起43と第2の面61との接触の有無を確認することをさらに含む点で第1または第2の実施形態と異なる。以下の説明では、第1および第2の実施形態と本実施形態と異なる構成についてのみ説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成と、その製造方法等は、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。なお、以下においては、第2の実施形態に本実施形態を組み合わせた形態を一例として説明するが、これに限定されず、第1の実施形態に本実施形態を組み合わせた形態であってもよい。
【0091】
検査領域40には、図9(A)及び図9(B)に示すように、第4樹脂突起43が位置している。第4樹脂突起43は、検査領域40において、第2樹脂突起41及び第3樹脂突起42と第1の面11の辺に沿って隣り合うように形成されてもよい。また、第4樹脂突起43は、4つの角部10cにそれぞれ配置されてもよい。また、第4樹脂突起43は、第1の面11の中央領域に配置されてもよい。また、第4樹脂突起43は、第1の面11の辺と第1樹脂突起20の配線30に覆われた部分(第1の部分21)との間に配置されてもよい。また、第4樹脂突起43は、第1樹脂突起20と方向Aにおいて並設されてもよい。
【0092】
第4樹脂突起43は、図9(B)に示すように、第1の面11(上面16b)からの高さh3が、第1樹脂突起20よりも高い。ここで、第4樹脂突起43の第1の面11からの高さh3は、第1構造体及び第2構造体の接続工程(S2)において、押圧力が不足し、第1基板10と第2基板60との基板間の距離D1が適正範囲に達していない場合に、第4樹脂突起43が第2基板60の第2の面61と接触する高さとなるように設定される。
【0093】
第4樹脂突起43は、第1構造体50を準備する工程(S1−1)の第1樹脂突起20および第2樹脂突起41を形成する工程において、同時に形成することができる。具体的には、樹脂材質膜26をパターニングする際、第1樹脂層27よりも大きい幅を有する第4樹脂層を形成し、該第4樹脂層を熱処理(キュアリング)することによって、第4樹脂突起43を形成してもよい。
【0094】
本実施形態における検査工程(S3)では、図10(A)に示すように、検査領域40の上方において、第4樹脂突起43の第2の面61との接触領域43aが形成され、かつ、第3樹脂突起42の第2の面61との接触領域42aが形成されている場合、押圧力は過不足なく加えられ、基板間の距離D1は適正範囲内であり、潰れ度合いが不足している第1樹脂突起20や潰れ過ぎた第1樹脂突起20は形成されていないと判断してもよい。言い換えれば、第3構造体1000の電気的接続は、良好であると判断することができる。
【0095】
また、図10(B)に示すように、検査領域40の上方において、検査領域40の上方において、第4樹脂突起43の第2の面61との接触領域43aが形成され、かつ、第3樹脂突起42が第2の面61と接触していない場合、押圧力が不足し、基板間の距離D1は適正範囲に達しておらず、潰れ度合いが不足している第1樹脂突起20が形成されていると判断してもよい。言い換えれば、第3構造体1000の電気的接続は、不良であると判断することができる。
【0096】
本実施の形態に係る基板の接続方法は、例えば、以下の特徴をさらに有する。
【0097】
本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、高さがh2に設定された3樹脂突起42をさらに備えることにより、検査工程(S3)において、押圧力が不足し、基板間の距離D1が適正範囲内に達していない場合(図10(B)参照)であっても、どの程度押圧力が不足しているのかという点も確認することができる。また、押圧力が不足している場合であっても、接触領域43aが形成されるため、視覚的に判断を行いやすくなる。
【0098】
以上から、本実施の形態に係る基板の接続方法よれば、第1および第2の実施形態の特徴に加えて、より定量的に、基板間の距離を簡便に確認することができる基板の接続方法を提供することができる。
【0099】
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、複数を適宜組み合わせることが可能である。
【0100】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0101】
1 集積回路、10 第1基板、11 第1の面、14 電極、16 絶縁膜、
16a 開口部、16b 上面、20 第1樹脂突起、21 第1の部分、
22 第2の部分、24 凹部、26 樹脂材質膜、27 第1樹脂層、
30 配線、31 第1の導電層、32 第2の導電層、40 検査領域、
41 第2樹脂突起、42 第3樹脂突起、43 第4樹脂突起、
50(200、300) 第1構造体、60 第2基板、61 第2の面、
70 配線パターン、71 電気的接続部、80 第2構造体、90 接着剤、
1000 第3構造体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面を有する第1基板と、前記第1の面に位置する電極と、前記第1の面に位置する第1樹脂突起と、前記電極と接続し、前記第1樹脂突起の第1の部分を覆う配線と、前記第1の面の検査領域に位置し、前記第1の面からの高さが前記第1樹脂突起よりも低い第2樹脂突起と、を含む第1構造体と、光透過性の材質からなり、第2の面を有する第2基板と、前記第2の面に位置する電気的接続部と、を含む第2構造体と、を用意する工程と、
前記第1の面と前記第2の面とが対向するように、前記第1構造体および前記第2構造体を配置し、前記第1樹脂突起上の前記配線と前記電気的接続部を接続する工程と、
前記第2樹脂突起と前記第2の面との接触の有無を確認することで、前記第1基板と前記第2基板との距離を確認する検査工程と、
を有する基板の接続方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1構造体は、前記第1の面の前記検査領域に位置し、前記第1の面からの高さが、前記第2樹脂突起よりも高く、かつ、前記第1樹脂突起よりも低い第3樹脂突起を含み、
前記第1基板と前記第2基板との距離を確認する工程は、前記第3樹脂突起と前記第2の面との接触の有無を確認することを含む、基板の接続方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1構造体は、前記第1の面の前記検査領域に位置し、前記第1の面からの高さが前記第1樹脂突起よりも高い第4樹脂突起を含み、
前記第1基板と前記第2基板との距離を確認する工程は、前記第4樹脂突起と前記第2の面との接触の有無を確認することを含む、基板の接続方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項において、
前記第1基板の前記第1の面は4つの角部を有する矩形であり、前記検査領域は、前記角部にそれぞれ設けられる、基板の接続方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項において、
前記配線と前記電気的接続部を接続する工程は、前記第1構造体と前記第2構造体との間に接着剤を設けることを含み、
前記第1基板の前記第1の面は長辺及び前記長辺よりも短い短辺を有する矩形であり、前記第1樹脂突起は、前記第1の面の前記長辺に沿った第1方向に沿って形成され、前記検査領域は、前記第1方向に沿って前記第1樹脂突起と並設される、基板の接続方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項において、
前記配線と前記電気的接続部を接続する工程は、前記第1構造体と前記第2構造体との間に接着剤を設けることを含み、
前記第1基板の前記第1の面は矩形であり、前記検査領域は、前記第1の面の辺と前記第1樹脂突起との間に設けられ、前記第2樹脂突起は、前記辺と前記第1樹脂突起の前記第1の部分との間に配置される、基板の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−199308(P2012−199308A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61247(P2011−61247)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】