説明

基板の積層方法

【課題】タッチパネルの製造技術に関し、特にタッチパネルの基板を積層する方法を提供する。
【解決手段】タッチパネルの基板を積層する方法は、結合体を形成するために、配置及び互いのパラ・ポジショニングをした後に、複数の小さい基板と一つの大きい基板との一回限りの積層を実行する。本開示は、従来の製造工程における低い積層効率の問題を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの製造技術に関し、特にタッチパネルの基板の積層方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、タッチインターフェイスであるタッチディスプレイ装置や液晶ディスプレイ装置(LCD)に広く搭載されている。タッチパネルは、基板である優れた光透過率を有するガラスを用いることによって、製造される。タッチ電極層、絶縁層、回路層及びマスク層を含む複合層は、基板上に配置される。基板は頻繁にタッチされ、それ故に優れた強度を必要とする。
【0003】
幾つかのタッチパネルは、小さい基板の二つの片の間に、電極と回路とを複合することによって、形成されている。一片は、当該複合層と共に配置されていないか、又は表面基板として当該複合層の一部のみに配置されている。他片は、タッチ基板として複合層と共に配置されている。製造工程の間、小さい基板の二片は、積層されている。しかしながら、一つ一つ小さい基板の二つの片を積層する方法は効率的でない。そのため、製造量を増やすために基板を積層する効率的な方法を見出す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国登録実用新案第2793816号
【特許文献2】台湾登録実用新案M390947号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、複数の小さい基板や一つの大きい基板を有する基板の積層方法を提供する。本開示は、従来の製造工程における積層効率の低さを改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に関して、小さい基板は、一回限りの積層(単に積層と呼ばれるものと同義である)を実行するために、前もって強化され、それ故に小さい基板の強度の減少の問題を回避する。
【0007】
形態において、小さい基板はアレイ状に第1のプラットフォーム上に配置される。第1のプラットフォームは、配置するために小さい基板を吸着するための負圧を与える。第1のプラットフォーム上に配置される小さい基板は、CCD(charge-coupled device)によって、パラ・ポジショニングを介して第1のプラットフォーム上に配置される。事前の小さい基板の正確な配置を可能とし、そして一回限りの積層の前に当該位置を記憶する。
【0008】
大きい基板は第2のプラットフォーム上に配置される。第2のプラットフォームは、配置するために大きい基板を吸着するための負圧を与える。大きい基板はターゲットを有し、一回限りの積層は、小さい基板をパラ・ポジションするために、CCDがターゲットを捕らえる前に実行され、それ故に、事前の大きい基板の配置、及び一回限りの積層を実行する前に、大きい基板と小さい基板との間の対応する位置のパラ・ポジショニングや記憶に効果的である。
【0009】
本開示の積層方法は、積層する前に大きい基板上、又は小さい基板上に積層剤を塗布する。
【0010】
積層剤を大きい基板に塗布するとき、積層剤は、大きい基板上のターゲットに基づいて小さい基板と積層される大きい基板の対応する位置に塗布される。また、第1のプラットフォームが特定の角度回転した後に、小さい基板が第2のプラットフォーム上の大きい基板に一回で積層される。又は、第1のプラットフォームが特定の角度回転し、第2のプラットフォームが少なくとも二方向に沿って移動した後に、大きい基板が第1のプラットフォーム上の小さい基板に積層される。
【0011】
積層剤を小さい基板に塗布するとき、積層剤は、小さい基板のアレイポジションに基づいて塗布される。また、第2のプラットフォームが特定の角度回転した後に、大きい基板が第1のプラットフォーム上の小さい基板に一回で積層される。又は、第2のプラットフォームが特定の角度回転し、第1のプラットフォームが少なくとも二方向に沿って移動した後に、小さい基板が第2のプラットフォーム上の大きい基板に一回で積層される。
【0012】
本開示において一回限りの積層を実行する目的は、一時的な積層のスキームを実行し、特に加熱した後に塗布され、一回限りの積層後に冷却することで硬化する積層剤として塩化合物を供給する。小さい基板と大きい基板とを一片に結合し、当該方法は、キャリヤである大きい基板を得て、タッチ電極層、絶縁層、回路層及びマスク層を含む複合層を配置するためにアレイ状に配置した小さい基板を移動する。これは、複合層の配置の効率を向上させる。また、移動が完了した後に、硬化した塩化合物は、タッチ基板又はタッチパネルとして用いられる大きい基板から複合層と共に配置された小さい基板を取り除くように、溶かす工程を介して硬化されていない状態に戻すことができる。
【0013】
本開示において一回限りの積層を実行する方法は、恒久的な積層のスキームを実行する。特に、この工程は、一回限りの積層後に紫外線照射によって硬化する、積層剤である液体接着剤を供給する。複合層と共に配置された小さい基板は、大きい基板と共に結合されて一片にされる。複合層は、タッチ電極層、絶縁層、回路層及びマスク層を含む。次に、大きい基板は、積層の後に、小さい基板と等しい外形に切断することができ、それ故に、ガラスの二つの層を有するタッチパネルを形成するための表面ガラスとして大きい基板が用いられる。
【0014】
本開示は、問題を解決し、効果を達成するために、技術的な解決策を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
当業者のために、図面に結び付けられた形態は目的を示す為だけに表されており、如何なる方法においても本開示のスコープに限定されない。
【図1】図1は、本開示に係る積層方法の手順のブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す方法を遂行する概略図である。
【図3】図3は、本開示に係る材料を取得する手順のブロック図である。
【図4】図4は、本開示に係る配置手順のブロック図である。
【図5A】図5Aは、図4から続くパラ・ポジショニング手順のブロック図である。
【図5B】図5Bは、図5Aを示す概略図である。
【図5C】図5Cは、図5Aを示す概略図である。
【図5D】図5Dは、図5Aを示す概略図である。
【図6A】図6Aは、本開示に係るパラ・ポジショニング手順のブロック図である。
【図6B】図6Bは、図6Aを示す概略図である。
【図7A】図7Aは、本開示に係る一回限りの積層工程の概略図である。
【図7B】図7Bは、本開示に係る一回限りの積層工程の概略図である。
【図7C】図7Cは、本開示に係る一回限りの積層工程の概略図である。
【図8A】図8Aは、本開示に係る積層剤の塗布工程のブロック図である。
【図8B】図8Bは、本開示に係る積層剤の塗布工程のブロック図である。
【図9A】図9Aは、本開示に係る硬化工程前の概略図である。
【図9B】図9Bは、本開示に係る硬化工程後の概略図である。
【図10】図10は、本開示に係る大きい基板の切断工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本開示に係る基板上に導電積層体を製造するためのブロック図を示している。図2は、図1に示す方法を実行するために含まれる幾つかの工程の図を示している。本開示に係る基板の積層方法は、複数の小さい基板110と一つの大きい基板120との一回限りの積層を実行する。特に、以下の工程S1〜S4を含んでいる。
【0017】
工程S1:材料の取得
本開示は、等しいサイズの複数の小さい基板110を形成するために、優れた光透過性を有するガラス、透明レンズ又は透明パッシベーション材料の使用を含み、大きい規格又はサイズを有する一つの大きい基板120を形成するために、同じ材料又は異なる材料を用いる。小さい基板110は、大きい基板120上に均一に配置される。
【0018】
小さい基板110は、広い領域を有する何もない基板100(図3を参照)を用いることによって形成することができる。当該基板100は、複数の小さい基板に切断され(S11)、強化される(S12)。切断は、ナイフやレーザーを含む種々の方法で実行することができる。強化は、化学的な強化手段や物理的な強化手段で実行することができる。その一方で、大きい基板120は、先ず強化工程S12を介して形成することができ、その結果、要求される小さい基板110と大きい基板120との圧縮強度を達成する。
【0019】
工程S2:配置
この工程は、小さい基板の配置を含む。小さい基板110は、アレイ・パラ・ポジショニングによって第1のプラットフォーム210上に配置される。第1のプラットフォーム210は、配置するために、小さい基板110を吸着するための負圧を生成するために、複数のスルーホールを介して負圧生成装置に接続することができる。
【0020】
配置工程において、小さい基板110がアレイ状に配置され、そして配置するために負圧によって吸着されるように、第1のプラットフォーム210に小さい基板110を一つずつ配置することを含む、小さい基板110の配置を完了するために、当業者は、手又は機械式のアーム211によって小さい基板110の材料の取得及び材料の配置の実現が可能であることが理解できる。
【0021】
当該方法はまた、小さい基板のパラ・ポジショニングの工程S20を含む。
【0022】
小さい基板110の材料の配置の後であって、負圧配置する前に、小さい基板110のアレイ・パラ・ポジショニングを実行する(図2及び図4を参照)。
【0023】
第1のプラットフォーム210は、X軸及びY軸、又はX軸、Y軸、Y軸の角度α、Z軸及びZ軸の角度βの組み合わせである、少なくとも二方向に沿って移動する機能を有する。第1のプラットフォーム210は、X軸及びY軸、又はX軸、Y軸及びZ軸に沿って移動する機能を有するCCD212と共に用いることができる。また、CCD212は光源を有する。
【0024】
材料の取得及び材料の配置の工程において、CCD212は、実際の画像に基づいて第1のプラットフォーム210を小さく移動させることができ、そして小さい基板を正確なアレイポジションに整列できるように、第1のプラットフォーム210及び小さい基板110の実際の画像を正確に捕捉及び記憶することができる。第1のプラットフォーム210上の全ての小さい基板110のアレイ・パラ・ポジショニングが完了した後に、負圧は小さい基板110が同時に配置されるように、第1のプラットフォーム210上の全ての小さい基板110を同時に吸着するために適用される。
【0025】
また、本開示は、CCD212によって促進される小さい基板110の正確なパラ・ポジショニングのための形態を提供する(図5A及び図5Bを参照)。CCD212はCCD1及びCCD2を備えている。CCD1及びCCD2は、第1のプラットフォーム210の上方に移動し、そして以下の工程S21〜S25を実行する。
【0026】
工程S21:座標の決定
制御装置は、CCD1の座標(x1、y1)、CCD2の座標(x2、y2)及び第1のプラットフォーム210の座標(x'、y'、β')を記憶し、三つの互いの座標の関係を決定するために用いられる。
【0027】
工程S22:画像の捕捉
CCD1及びCCD2は、各小さい基板110の第1の角部110a及び第2の角部110bの可視範囲内で、それぞれ実際の画像P1及びP2を捕捉及び記憶するために用いられる。そして、実際の画像は制御装置に記憶される。第1の角部110a及び第2の角部110bは、小さい基板110の任意の二つの角部である。
【0028】
工程S23:小さい基板のズレ量の決定
制御装置は、小さい基板110の中央ズレ量(Δx'y')及び角度ズレ量(Δβ')を決定するために、第1のプラットフォーム210の座標システムにおいて、第1の角部110a及び第2の角部110bの位置関係を算出する。
【0029】
工程S24:小さい基板の補償及び補正
制御装置は、小さい基板110のアレイポジションを補正することができるように、中央ズレ量(Δx'y')及び角度ズレ量(Δβ')に基づいて、変位の補償を実行するために、第1のプラットフォーム210に指示する。
【0030】
上述の工程S21〜S24を繰り返し実行することによって、小さい基板110のアレイ・パラ・ポジショニングは第1のプラットフォーム210(図5C、A1、A2…A24)上で一つ一つ完了させることができる。そして、負圧は、第1のプラットフォーム210上に全ての小さい基板110を同時に配置するべく、全ての小さい基板110を吸着するために適用することができる。
【0031】
上述の小さい基板110のためのパラ・ポジショニングは、前もって小さい基板110を正確にパラ・ポジショニング及び配置し、一回限りの積層を実行する前に位置を記憶するために優れている。
【0032】
大きい基板120は、エッジ・パラ・ポジションによって第2のプラットフォーム220上に配置することができる。第2のプラットフォーム220は、複数のスルーホールを介して負圧生成装置に接続することができる。負圧生成装置は、配置するために、当該大きい基板120を吸着するための負圧を生成する。大きい基板120の配置は、小さい基板110の配置と同時、又は小さい基板110の配置を実行する前若しくは後に実行することができる。
【0033】
ターゲットは、大きい基板120上にプレセットされている。ターゲットは、少なくとも二つのターゲット121及び122を含み、それらの間隔は明確な関係を有する。配置の工程において、大きい基板120の配置を完了させるために、手又は機械的なアーム221よって、大きい基板120の材料の取得及び材料の配置が実現可能であることを、当業者は理解することができる。配置する工程(エッジ・パラ・ポジショニング)は、第2のプラットフォーム220上に大きい基板120を配置し、基準である第2のプラットフォーム220の角部222で隣接する二つの端部223及び224を得て、角部222に大きい基板120を押し付けて、大きい基板120を二つの端部223及び224に当接させる。次に、負圧は、大きい基板120を吸着するために供給される。そのため、大きい基板120は、第2のプラットフォーム220上に正確に配置される。
【0034】
当該方法は工程S25を含む:大きい基板のパラ・ポジショニング
【0035】
大きい基板120の材料を配置した後に、第2のプラットフォーム220上に大きい基板120のパラ・ポジショニングの工程を実行する(図2及び図4を参照)。
【0036】
第2のプラットフォーム220は、X軸及びY軸、又はX軸、Y軸、Y軸の角度α、Z軸及びZ軸の角度βの組み合わせである、少なくとも二方向に沿って移動する機能を有する。第2のプラットフォーム220は、CCD212及び光源と等しく置き換えられる機能を有するCCD225と一緒に用いることができる。大きい基板120のエッジ・パラ・ポジショニングを実行する間に、配置するために、第2のプラットフォーム220の負圧を駆動し、大きい基板120を吸着するように、CCD225は、第2のプラットフォーム220及びその上の大きい基板120の実際の位置を記憶するために、第2のプラットフォーム220上のターゲットの画像を正確に捕捉することができる。
【0037】
また、本開示は、CCD225によって促進される大きい基板120の正確なパラ・ポジショニングのための形態を提供する(図5A及び図5Bを参照)。CCD225はCCD3及びCCD4を備えている。CCD3及びCCD4は、第2のプラットフォーム220の上方に移動し、そして以下の工程S26〜28を実行する。
【0038】
工程S26:座標の決定
制御装置は、CCD3の座標(x3、y3)、CCD4の座標(x4、y4)及び第2のプラットフォーム220の座標(x''、y''、β'')を記憶し、三つの互いの座標の関係を決定するために用いられる。
【0039】
工程S27:画像の捕捉
CCD3及びCCD4は、大きい基板120のターゲットポイント121及び122の可視範囲内で、それぞれ実際の画像P3及びP4を捕捉及び記憶するために用いられる。そして、実際の画像は制御装置に記憶される。
【0040】
工程S28:大きい基板の位置及び角度のズレ量の決定
制御装置は、大きい基板120の中央位置(x'''y''')及び角度(β''')を決定するために、第2のプラットフォーム220の座標システムにおいて、ターゲットポイント121及び122の位置関係を算出する。それに応じて、制御装置は、大きい基板120に積層される、小さい基板のアレイポジション(B1、B2…B24)との関連を決定することができる。
【0041】
上述の工程S26〜S28を繰り返して実行することによって、第2のプラットフォーム220上の大きい基板120のエッジ・パラ・ポジショニングを完了することができる。このとき、負圧は、配置するために、大きい基板120を吸着するために駆動することができる。
【0042】
一方、大きい基板120及び小さい基板110を配置及びパラ・ポジショニングする工程の間、複数のCCDは、等しい軸に沿って、又は移動経路を撮像可能な位置に配置され、一つのCCDは画像の捕捉及び記憶を実行するために用いることができる。
【0043】
上述の大きい基板のためのパラ・ポジショニング手順は、事前の大きい基板120の正確な配置、及び一回限りの積層を行う前に大きい基板120と小さい基板110との位置を関連させて配置するために優れている。
【0044】
工程3:相互のパラ・ポジショニング
小さい基板110が配置された第1のプラットフォーム210上の第1の基準ポイントC1と、大きい基板120が配置された第2のプラットフォーム220上の第2の基準ポイントC2と、を比較し(図6A及び図6Bを参照)、制御装置は、基準の誤差値を算出して得ることができる。第1のプラットフォーム210及び第2のプラットフォーム220の移動機能に基づいて、基準の誤差値はCx、Cy、Cy−α、Cz、及びCz−βの組み合わせである。互いのパラ・ポジショニングが正確に完了するまでに、第1のプラットフォーム210及び/又は第2のプラットフォーム220は、基準の誤差値に基づいて補正するために、小さい移動を実行するために駆動されることができる。
【0045】
大きい基板120と小さい基板110との互いのパラ・ポジショニングの正確さに影響を与える、第1のプラットフォーム210と小さい基板110との間、及び第2のプラットフォーム220と大きい基板120との間の小さい誤差を回避するために、一形態において、第1の基準ポイントC1の位置は小さい基板110のA1とA6との間の中央位置とすることができる。第2の基準ポイントC2の位置は大きい基板120のB1とB6との間の中央位置とすることができる。
【0046】
特定の回転積層動作を実行するために必要な幾つかの装置のために、少なくとも第1のプラットフォーム210又は第2のプラットフォーム220の一つは、回転機能と、Y軸の角度αに沿って移動する機能を備えている必要がある。
【0047】
互いのパラ・ポジショニングを実行する際に、第1のプラットフォーム210の最初の座標を維持するために、第2のプラットフォーム220は、第1のプラットフォーム210及び第2のプラットフォーム220のパラ・ポジショニングを正確に補正するために、小さい移動を実行するために駆動されることが可能である。又は、第1と第2のプラットフォームとを逆に動作させる。パラ・ポジショニングの後、小さい基板110と大きい基板120との間の位置関係は正確である。
【0048】
工程4:一回限りの積層
小さい基板110と大きい基板120との互いのパラ・ポジショニングの後に、一回限りの積層が実行され、以下の工程41〜44のうちのいずれかが一回限りの積層を完了させるために実行される。
【0049】
工程41:第1のプラットフォーム210の移動機能によって、制御装置は、第1のプラットフォーム210上の小さい基板110が第2のプラットフォーム220上の大きい基板120に一回で均一に積層されるように、第1のプラットフォーム210を特定の角度α1(図7Aを参照)回転させる。
【0050】
工程42:第2のプラットフォーム220の移動機能によって、制御装置は、第2のプラットフォーム220上の大きい基板120が第1のプラットフォーム210上の小さい基板110に一回で均一に積層されるように、第2のプラットフォーム220を特定の角度α2(図7Aを参照)回転させる。
【0051】
工程43:第1のプラットフォーム210及び第2のプラットフォーム220の移動機能によって、制御装置は、積層領域W1に移動し、特定の角度α3回転するように、第1のプラットフォーム210に指示する。制御装置は、大きい基板120が小さい基板110に一回で均一に積層されるように、吸着された小さい基板110を吊り上げ、積層領域W1に移動するように、第2のプラットフォーム220に指示する。
【0052】
工程44:第1のプラットフォーム210及び第2のプラットフォーム220の移動機能によって、制御装置は、積層領域W2に移動し、特定の角度α4回転するように、第2のプラットフォーム220に指示する。制御装置は、小さい基板110が第2のプラットフォーム220上の大きい基板120に一回で均一に積層されるように、吸着された大きい基板120を吊り上げ、積層領域W2に移動するように、第1のプラットフォーム210に指示する。
【0053】
上述した特定の角度α1、α2、α3及びα4は、第1のプラットフォーム210と第2のプラットフォーム220との間の角度の範囲を含む。
【0054】
工程S4における一回限りの積層の前に、本開示はまた工程S30を含む。
【0055】
工程S30:積層剤の塗布
積層剤の塗布の工程S30は、大きい基板120と小さい基板110との配置の工程S2を完了させた後(図8Aを参照)、又は大きい基板120と小さい基板110との互いのパラ・ポジショニングの工程S3を完了させた後(図8Bの工程)に実行される。
【0056】
積層剤は、大きい基板120上、又は小さい基板110上に塗布される。
【0057】
積層剤が大きい基板120上を被覆すると、一回限りの積層の工程S4の工程S41又は工程S43が、積層剤で被覆された大きい基板120の機能を維持するように、第2のプラットフォーム220の回転を避けるために実行される必要がある。積層剤は、関連する位置B1、B2…B24(図6Bを参照)上を被覆する。この積層剤は、大きい基板120上のターゲットに基づいて小さい基板に積層される。第1のプラットフォーム210が特定の角度α1(図7Aを参照)回転した後に、小さい基板110が一回で第2のプラットフォーム220上の大きい基板120に積層される。又は、第1のプラットフォーム210が所定の角度α3(図7Bを参照)回転し、第2のプラットフォーム220が少なくとも二方向に沿って移動した後に、大きい基板120は一回で第1のプラットフォーム210上の小さい基板110に積層される。
【0058】
積層剤が小さい基板110上を被覆すると、一回限りの積層の工程S4の工程S42又はS44が、小さい基板110を被覆する積層剤の機能を維持することによって、第1のプラットフォーム210の回転を避けるために実行される必要がある。被覆の間、積層剤は、小さい基板110のアレイポジションA1、A2…A24(図6Bを参照)に基づいて被覆する。第2のプラットフォーム220が特定の角度α2(図7Aを参照)回転した後に、大きい基板120は一回で第1のプラットフォーム210上の小さい基板110に積層される。又は第2のプラットフォーム220が特定の角度α4(図7Cを参照)回転し、第1のプラットフォーム210が少なくとも二方向に移動した後に、小さい基板110が一回で第2のプラットフォーム220上の大きい基板120に積層される。
【0059】
一回限りの積層の工程S4が完了した後、アレイ状に配置された小さい基板110と大きい基板120とは結合体130として積層される(図9Aを参照)。制御装置は、第1のプラットフォーム210又は第2のプラットフォーム220に指示し、結合体130の上部への荷重を抜くように、吸着力を取り除くために結合体130の上方に配置される。
【0060】
工程S50:硬化
硬化は一回限りの積層の工程S4の後に実行される(図8A及び図8Bを参照)。制御装置は、硬化領域W3(図2を参照)に結合体130を移動させるために、結合体130の底部に配置された、第1のプラットフォーム210又は第2のプラットフォーム220を指示する。積層剤は、大きい基板120と小さい基板110とが強固に結合するように、大きい基板120と小さい基板110との間で硬化する。結合体130の底部に配置された、第1のプラットフォーム210又は第2のプラットフォーム220は、結合体130を完全に取り外すために、吸着力を取り除く。それにより、結合体130は手又は機械式のアーム221によって取り出される。
【0061】
上述の工程を組み合わせ、本開示の基板の積層方法が具体的に実現され、以下の応用も得られる。
【0062】
1.一時的な積層の工程
NaCl又はKNOのような塩化合物が積層剤として用いられ、積層剤は常温で晶質であり、耐熱特性を有する。塩が溶融温度に加熱されると、液体状態に溶ける。温度が常温に戻ると、液体状態の塩は晶に戻り、硬化する。一形態において、積層剤として用いられる、334℃の溶融点を有するKNOは、積層剤を塗布する工程S30において、334℃(350℃程度)より高い温度に加熱することで液体状態に溶かすことができる。塩は、大きい基板120と小さい基板110とが一回限りの積層の工程S4において互いに積層することができるように、大きい基板120上、又は小さい基板110上に塗布される。また、液体のKNOを硬化する工程S50は、水の循環のような冷却モードを介して、徐々に常温に戻されて晶に硬化する。それにより、小さい基板110と大きい基板120とは、一時的に結合体130として積層される。それ故に、複合層を配置する効率を向上させることができるように、タッチ電極層、絶縁層、回路層及びマスク層を含む複合層を配置するために、アレイ状に配置された小さい基板110を移動させるためのキャリヤとして結合体130の大きい基板120を得ることが効果的である。また、配置が完了した後に、硬化した塩化合物は、複合層と共に配置された小さい基板110を大きい基板120から除去し、大きい基板120を単層タッチ基板又はタッチパネルとして用いるように、再び加熱することによって液体状態に戻すことができる。
【0063】
2.恒久的な積層の工程
シリコン(Si)又はアクリルを含む一般的な液体接着剤が積層剤として用いられる。常温で積層剤を塗布する工程S30において、液体接着剤は、一回限りの積層の工程S4において、大きい基板120と小さい基板110とを互いに積層することができるように、大きい基板120上又は小さい基板110上に直接塗布される。また、硬化の工程S50において、液体接着剤は紫外線の照射によって硬化する。それにより、小さい基板は大きい基板に恒久的に積層され、結合体130を形成する。
【0064】
恒久的な積層の工程において、小さい基板110、及び大きい基板120として用いられる、タッチ電極層、絶縁層、回路層及びマスク層を含む複合層と共に配置されるタッチ基板は、工程S60を介して切断される必要がある(図10を参照)。
【0065】
切断の工程S60において、結合体130の大きい基板は、ナイフやレーザーを含む幾つかの切断モードによって、小さい基板110と等しい外形を有する複数の片に切断することができ、ガラスの二つの層を有するタッチパネル140を形成するための表面ガラスに用いる。大きい基板及び小さい基板の外形は、一致させる必要がある。
【0066】
幾つかの小さい基板110を一回で大きい基板120に積層することができることは、積層効率を向上させることができるという本開示の効果がある。また、単層タッチ基板上の電極層、絶縁層、回路層及びマスク層を含む複合層を配置する工程、及びガラスの二つの層を有するタッチパネルを製造する工程は、積層工程の効率を向上させる。
【0067】
幾つかの形態を示し、詳細したが、種々の改変及び置換は本開示の精神及びスコープから逸脱しない範囲で可能である。そのため、本開示は実例として述べたものであり、限定されるものでない。
【符号の説明】
【0068】
110 小さい基板
110a、110b 角部
120 大きい基板
121 ターゲット
130 結合体
140 タッチパネル
210 第1のプラットフォーム
211 アーム
220 第2のプラットフォーム
221 アーム
222 角部
223 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の小さい基板と一つの大きい基板との一回限りの積層を実行する工程を有する、基板の積層方法。
【請求項2】
前記小さい基板は強化される、請求項1に記載の基板の積層方法。
【請求項3】
前記小さい基板は、第1のプラットフォーム上に、アレイ状に配置する、請求項1又は2に記載の基板の積層方法。
【請求項4】
前記第1のプラットフォームを介して前記小さい基板を吸着する負圧を与えることによって、前記小さい基板を配置する工程を有する、請求項3に記載の基板の積層方法。
【請求項5】
charge-coupled device(CCD)によって、パラ・ポジショニングを介して前記第1のプラットフォームにn個の前記小さい基板を配置する工程を有する、請求項3又は4に記載の基板の積層方法。
【請求項6】
前記大きい基板は、第2のプラットフォーム上に配置する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板の積層方法。
【請求項7】
前記第2のプラットフォームを介して前記大きい基板を吸着する負圧を与えることによって、前記大きい基板を配置する工程を有する、請求項6に記載の基板の積層方法。
【請求項8】
前記大きい基板はターゲットを有し、
前記小さい基板と共にパラ・ポジショニングするために、charge-coupled device(CCD)が前記ターゲットを捉えた後に、一回限りの積層を実行する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板の積層方法。
【請求項9】
積層する前に、前記大きい基板上に積層剤を塗布する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の基板の積層方法。
【請求項10】
前記積層剤は、前記大きい基板上の関連する位置に塗布し、
前記関連する位置は、前記大きい基板上のターゲットに基づいて、前記小さい基板に積層する、請求項9に記載の基板の積層方法。
【請求項11】
前記小さい基板が配置される第1のプラットフォームが特定の角度回転した後に、前記小さい基板は、第2のプラットフォーム上に配置される前記大きい基板に一回で積層する、請求項9又は10に記載の基板の積層方法。
【請求項12】
前記小さい基板が配置される第1のプラットフォームが特定の角度回転し、前記大きい基板が配置される第2のプラットフォームが少なくとも二方向に沿って移動した後に、前記大きい基板は、前記第1のプラットフォーム上の前記小さい基板に一回で積層する、請求項9又は10に記載の基板の積層方法。
【請求項13】
積層する前に、前記小さい基板上に積層剤を塗布する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の基板の積層方法。
【請求項14】
前記積層剤は、前記小さい基板の配列位置に基づいて塗布する、請求項13に記載の基板の積層方法。
【請求項15】
前記大きい基板が配置される第2のプラットフォームが特定の角度回転した後に、前記大きい基板は、第1のプラットフォーム上に配置される前記小さい基板に一回で積層する、請求項13又は14に記載の基板の積層方法。
【請求項16】
前記大きい基板が配置される第2のプラットフォームが特定の角度回転し、前記小さい基板が配置される第1のプラットフォームが少なくとも二方向に沿って移動した後に、前記小さい基板は前記第2のプラットフォーム上の前記大きい基板に一回で積層する、請求項13又は14に記載の基板の積層方法。
【請求項17】
前記積層剤は、加熱後に塗布され、一回限りの積層の後に冷却することによって硬化する塩化合物である、請求項9乃至16のいずれか1項に記載の基板の積層方法。
【請求項18】
前記積層剤は、一回限りの積層の後に紫外線の照射によって硬化する液体接着剤である、請求項9乃至16のいずれか1項に記載の基板の積層方法。
【請求項19】
硬化後に、前記大きい基板を前記小さい基板と等しい外形の表面ガラスに切断する、請求項9乃至18のいずれか1項に記載の基板の積層方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−70060(P2013−70060A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209186(P2012−209186)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【出願人】(509205375)宸鴻科技(廈門)有限公司 (17)
【Fターム(参考)】